(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986747
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】アウトリガ装置
(51)【国際特許分類】
E06C 7/42 20060101AFI20211213BHJP
【FI】
E06C7/42
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-251174(P2017-251174)
(22)【出願日】2017年12月27日
(65)【公開番号】特開2019-116774(P2019-116774A)
(43)【公開日】2019年7月18日
【審査請求日】2020年8月18日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示会名:「ビルメンヒューマンフェア&クリーンEXPO2017」 開催場所:東京ビッグサイト(有明・東京国際展示場)(東京都江東区有明三丁目10番1号) 展示日:平成29年11月15日〜平成29年11月17日(3日間)
(73)【特許権者】
【識別番号】000136170
【氏名又は名称】株式会社ピカコーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100120341
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】阿部 史日呼
【審査官】
前田 敏行
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭59−010500(JP,U)
【文献】
実開昭63−192598(JP,U)
【文献】
実開平03−095499(JP,U)
【文献】
特開2003−343185(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0038172(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06C 7/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部が接地可能なアウトリガ部材(3)と、このアウトリガ部材(3)の上部に枢支連結されていて、梯子構造体(4)の支柱(4A)に対して上下に沿って摺動可能でかつ上下位置で固定可能な装着具(5)と、一端がアウトリガ部材(3)の中途部に連結されかつ他端が支柱(4A)の下部に連結された補助支え(9)とを備えており、前記装着具(5)は支柱(4A)に対して上下各位置で固定するロック部材(6)を有するアウトリガ装置であって、
前記梯子構造体(4)の支柱(4A)に装着具(5)を装着する装着レール(7)を固定しており、
前記装着レール(7)は、支柱(4A)の表面に固定する取付け部と、装着具(5)を前後及び左右方向の位置を規制しながら上下摺動を案内するレール部と、ロック部材(6)と係合する上下係合部(10U、10D)とを形成しており、
前記装着具(5)は、装着レール(7)のレール部に上下摺動自在に係合する係合部を有する具本体(5A)に、装着レール(7)の上下係合部(10U、10D)と係合するロック部材(6)を係脱方向移動自在に設けており、
前記装着具(5)の具本体(5A)は第1係合部(A1)と第2係合部(A2)とを有し、
前記装着レール(7)には、支柱(4A)の前後一方の表面に固定する第1取付け部(7A)と、この第1取付け部(7A)の近傍で具本体(5A)の第1係合部(A1)を前後位置規制しながら摺動案内する第1レール部(7a)と、支柱(4A)の左右一方の表面に固定する第2取付け部(7B)と、この第2取付け部(7B)の近傍で具本体(5A)の第2係合部(A2)を前後位置規制しかつ前記第1レール部(7a)と協働して左右位置規制しながら摺動案内する第2レール部(7b)とを有することを特徴とするアウトリガ装置。
【請求項2】
前記装着レール(7)は第1取付け部(7A)と第2取付け部(7B)との間に支柱(4A)から離れた隆起部(7C)を有し、この隆起部(7C)に上下係合部(10U、10D)を形成していることを特徴とする請求項1に記載のアウトリガ装置。
【請求項3】
下部が接地可能なアウトリガ部材(3)と、このアウトリガ部材(3)の上部に枢支連結されていて、梯子構造体(4)の支柱(4A)に対して上下に沿って摺動可能でかつ上下位置で固定可能な装着具(5)と、一端がアウトリガ部材(3)の中途部に連結されかつ他端が支柱(4A)の下部に連結された補助支え(9)とを備えており、前記装着具(5)は支柱(4A)に対して上下各位置で固定するロック部材(6)を有するアウトリガ装置であって、
前記梯子構造体(4)の支柱(4A)に装着具(5)を装着する装着レール(7)を固定しており、
前記装着レール(7)は、支柱(4A)の表面に固定する取付け部と、装着具(5)を前後及び左右方向の位置を規制しながら上下摺動を案内するレール部と、ロック部材(6)と係合する上下係合部(10U、10D)とを形成しており、
前記装着具(5)は、装着レール(7)のレール部に上下摺動自在に係合する係合部を有する具本体(5A)に、装着レール(7)の上下係合部(10U、10D)と係合するロック部材(6)を係脱方向移動自在に設けており、
前記装着レール(7)には、支柱(4A)の前後一方の表面に固定する第1取付け部(7A)と、支柱(4A)の左右一方の表面に固定する第2取付け部(7B)と、第1取付け部(7A)と第2取付け部(7B)との間で支柱(4A)から離れた隆起部(7C)とを有し、この隆起部(7C)に上下係合部(10U、10D)を形成していることを特徴とするアウトリガ装置。
【請求項4】
前記上下係合部(10U、10D)は貫通穴であり、前記ロック部材(6)は貫通穴に挿入されるロックピン部(6b)を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアウトリガ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梯子構造体に装着されるアウトリガ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一対の支柱を横桟で連結した梯子、2つの梯子を金具で組み合わせた脚立。2つの梯子を足場板で連結した作業台等の梯子構造体は、梯子の支柱に傾倒を規制するためのアウトリガ装置が装着される。
このアウトリガ装置の従来技術として、特許文献1に開示されているものがあり、アウトリガ部材の上部に梯子構造体の支柱に装着するための装着具を設け、支柱の下部とアウトリガ部材の中途部とを補助支えで連結しており、前記装着具は支柱に上下摺動自在に嵌合するコ字状保持板と、支柱に対して押圧することにより上下位置を固定する偏心輪とを有しており、支柱に対する装着具の装着位置を下方にすることにより、支柱からアウトリガ部材を斜めに張り出して傾倒を規制する作用姿勢にし、支柱に対する装着具の装着位置を上方にすることにより、アウトリガ部材を支柱に沿わせる収納姿勢にするように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−249890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来技術の装着具は、支柱に対して直接的に保持板が嵌合しているので、支柱の幅、形状等が変われば、それに対応した部品を用意しなくてはならなく、また、偏心輪を支柱に押し付けて固定する構造であるため、アウトリガ部材の位置固定を強固にするのが困難になっている。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにしたアウトリガ装置を提供することを目的とする。
【0005】
本発明は、梯子構造体の支柱に、装着具を上下摺動自在に案内しかつ上下位置を固定する装着レールを設けることにより、種々の支柱に後付けすることもできかつアウトリガ部材の位置固定強度も高くできるアウトリガ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における課題解決のための具体的手段は、次の通りである。
第1に、下部が接地可能なアウトリガ部材3と、このアウトリガ部材3の上部に枢支連結されていて、梯子構造体4の支柱4Aに対して上下に沿って摺動可能でかつ上下位置で固定可能な装着具5と、一端がアウトリガ部材3の中途部に連結されかつ他端が支柱4Aの下部に連結された補助支え9とを備えており、前記装着具5は支柱4Aに対して上下各位置で固定するロック部材6を有するアウトリガ装置であって、
前記梯子構造体4の支柱4Aに装着具5を装着する装着レール7を固定しており、
前記装着レール7は、支柱4Aの表面に固定する取付け部と、装着具5を前後及び左右方向の位置を規制しながら上下摺動を案内するレール部と、ロック部材6と係合する上下係合部10U、10Dとを形成して
おり、
前記装着具5は、装着レール7のレール部に上下摺動自在に係合する係合部を有する具本体5Aに、装着レール7の上下係合部10U、10Dと係合するロック部材6を係脱方向移動自在に設けており、
前記装着具5の具本体5Aは第1係合部A1と第2係合部A2とを有し、
前記装着レール7には、支柱4Aの前後一方の表面に固定する第1取付け部7Aと、この第1取付け部7Aの近傍で具本体5Aの第1係合部A1を前後位置規制しながら摺動案内する第1レール部7aと、支柱4Aの左右一方の表面に固定する第2取付け部7Bと、この第2取付け部7Bの近傍で具本体5Aの第2係合部A2を前後位置規制しかつ前記第1レール部7aと協働して左右位置規制しながら摺動案内する第2レール部7bとを有することを特徴とする。
【0007】
第2に、前記装着レール7は第1取付け部7Aと第2取付け部7Bとの間に支柱4Aから離れた隆起部7Cを有し、この隆起部7Cに上下係合部10U、10Dを形成していることを特徴とする。
第3に、下部が接地可能なアウトリガ部材3と、このアウトリガ部材3の上部に枢支連結されていて、梯子構造体4の支柱4Aに対して上下に沿って摺動可能でかつ上下位置で固定可能な装着具5と、一端がアウトリガ部材3の中途部に連結されかつ他端が支柱4Aの下部に連結された補助支え9とを備えており、前記装着具5は支柱4Aに対して上下各位置で固定するロック部材6を有するアウトリガ装置であって、
前記梯子構造体4の支柱4Aに装着具5を装着する装着レール7を固定しており、
前記装着レール7は、支柱4Aの表面に固定する取付け部と、装着具5を前後及び左右方向の位置を規制しながら上下摺動を案内するレール部と、ロック部材6と係合する上下係合部10U、10Dとを形成しており、
前記装着具5は、装着レール7のレール部に上下摺動自在に係合する係合部を有する具本体5Aに、装着レール7の上下係合部10U、10Dと係合するロック部材6を係脱方向移動自在に設けており、
前記装着レール7には、支柱4Aの前後一方の表面に固定する第1取付け部7Aと、支柱4Aの左右一方の表面に固定する第2取付け部7Bと、第1取付け部7Aと第2取付け部7Bとの間で支柱4Aから離れた隆起部7Cとを有し、この隆起部7Cに上下係合部10U、10Dを形成していることを特徴とする。
【0008】
第4に、前記上下係合部10U、10Dは貫通穴であり、前記ロック部材6は貫通穴に挿入されるロックピン部6bを有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、種々の支柱に後付けすることもできかつアウトリガ部材の位置固定強度も高くできる。
即ち、請求項1に係る発明は、梯子構造体4の支柱4Aに装着具5を装着する装着レール7を固定し、この装着レール7に取付け部とレール部と上下係合部10U、10Dとを形成しているので、形状が異なる支柱4Aであっても、新規及び既存の梯子構造体4に装着レール7を装着するだけでアウトリガ装置を装着することができ、装着レール7にロック部材6が係合してアウトリガ部材3を強力に位置固定
でき、
装着具5は、具本体5Aにロック部材6を係脱方向移動自在に設けているので、ロック部材6は係脱方向移動で上下係合部10U、10Dと係合できアウトリガ部材3の位置固定を確実にで
き、
具本体5Aは第1係合部A1と第2係合部A2とを有し、装着レール7には、支柱4Aの前後一方の表面と左右一方の表面とにそれぞれ対応して、第1取付け部7A及び第1レール部7aと、第2取付け部7B及び第2レール部7bとを有するので、形状が異なる支柱4Aであっても装着レール7を装着することができ、装着具5の前後・左右方向の横ブレを規制することができる。
【0010】
請求項2に係る発明は、装着レール7は第1取付け部7Aと第2取付け部7Bとの間に支柱4Aから離れた隆起部7Cを有し、この隆起部7Cに上下係合部10U、10Dを形成しているので、ロック部材6と係合する上下係合部10U、10Dを支柱4Aに形成する必要がなく、アウトリガ装置を種々の支柱4Aを有する新規及び既存の梯子構造体4に容易に装着できる。
【0011】
請求項3に係る発明は、形状が異なる支柱4Aであっても、新規及び既存の梯子構造体4に装着レール7を装着するだけでアウトリガ装置を装着することができ、装着レール7にロック部材6が係合してアウトリガ部材3を強力に位置固定でき、ロック部材6は係脱方向移動で上下係合部10U、10Dと係合できアウトリガ部材3の位置固定を確実にでき、形状が異なる支柱4Aであっても装着レール7を装着することができ、装着具5の前後・左右方向の横ブレを規制することができる。
請求項4に係る発明は、貫通穴の上下係合部10U、10Dにロックピン部6bを挿入するので、装着レール7にアウトリガ部材3を強力に位置固定できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態を示す作用姿勢のアウトリガ装置の斜視図である。
【
図2】同収納姿勢のアウトリガ装置の斜視図である。
【
図5】アウトリガ装置付き梯子構造体全体の正面図である。
【
図6】アウトリガ装置付き梯子構造体全体の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜6において、アウトリガ装置1は、アウトリガ部材3と、このアウトリガ部材3の上部に枢支連結された装着具5と、アウトリガ部材3の中途部と梯子構造体4の支柱4Aの下部とを連結する補助支え9と、支柱4Aに装着具5を装着する装着レール7とを備えており、支柱4Aに対して装着具5を上下位置変更することにより、アウトリガ部材3を支柱4Aから斜めに張り出す作用姿勢Sと支柱4Aに沿う収納姿勢Pとに設定可能になっている。
【0014】
前記梯子構造体4は、
図5、6に示すように、左右一対の支柱4Aを複数本の横桟4Bで連結して梯子を構成し、この構造の梯子を2つ上部でピン連結して組み合わせて脚立としている。前記2つの梯子は上端同士を足場板で連結すると作業台となる。アウトリガ装置1は梯子の左右支柱4Aに着脱自在に装着されており、新規に製造されるものだけでなく、既存の梯子構造体4にも装着可能になっている。
【0015】
梯子構造体4の支柱4Aは断面略コ字状のチャンネル材又は四角筒材等で形成され、梯子構造体4の側面を形成する幅広面aと、その両端から梯子構造体4の前後面を形成する一対の端面bとを有する。前記幅広面aと端面bとは直交する2面であって、装着レール7は幅広面aから一方の端面bに亘って取り付けられる。
図1〜4において、前記アウトリガ部材3は、中央壁3aの両端から一対の側壁3bが突出した略断面コ字状のアルミチャンネル材で形成されており、一対の側壁3bの間隔(溝幅)は支柱4Aより狭くかつ補助支え9の幅より広くなっている。
【0016】
アウトリガ部材3はその上端に装着具5が枢支連結され、その下端に作用姿勢Sのときに接地するための接地体8が嵌合されている。
前記補助支え9は、一端が支柱4Aの下部に固定のブラケット20にピン21を介して連結されており、他端側はアウトリガ部材3内に入っていてアウトリガ部材3の中途部にピン22を介して連結されている。
【0017】
この補助支え9は
図2、5に示すように、アウトリガ部材3を支柱4Aから斜めに張り出す作用姿勢Sにしたとき、支柱4Aから側方へ突出してアウトリガ部材3の揺動を規制し、アウトリガ部材3を支柱4Aに沿う収納姿勢Pにしたとき、折り畳まれて支柱4Aとアウトリガ部材3との間で支柱4Aに沿わされる。
前記装着具5は、左右側壁及び上部壁を有する具本体5Aと、この具本体5Aの左右側壁に水平方向移動可能に挿通されたロック部材6とを有している。このロック部材6は略J字形状であり、具本体5Aの左右側壁とアウトリガ部材3の上部とを貫通した軸部6aと、具本体5Aの外側で軸部6aの先端から鉤状に曲げられていて外側から一方の側壁に挿入されたロックピン部6bとを有する。
【0018】
図3において、前記軸部6aは、具本体5Aをアウトリガ部材3の上部に枢支連結しており、水平方向(軸方向)に移動自在であり、スプリング12によってロックピン部6bを具本体5Aに近づける方向に付勢され、ロックピン部6bを装着レール7に形成される上下係合部10U、10Dに係合可能にしている。
具本体5Aの左右側壁E、Fは脚長が長短異なっており、それぞれ装着レール7のレール部と上下摺動自在に係合する係合部を形成している。支柱4Aの幅広面a側に位置する側壁Eは脚長が短く、その先端側に第1係合部A1を形成しており、支柱4Aの端面b側に位置する側壁Fは脚長が長く、その先端側に第2係合部A2を形成しており、この脚長の長い側壁Fにはロック部材6の軸部6aを挿通する軸穴14とロックピン部6bを挿通するピン穴15とが形成されている。
【0019】
前記装着レール7は、支柱4Aの表面に固定する取付け部と、装着具5を前後及び左右方向の位置を規制しながら上下摺動を案内するレール部と、ロック部材6と係合する上下係合部10U、10Dとを形成している。
装着レール7は、断面略L字状のアルミ押型材で、装着具5の上下摺動範囲をカバーする長さに形成されており、L字状となる一辺が支柱4Aの幅広面a(梯子構造体4の側方から見た場合の支柱4Aの前表面)に締結具を介して固定される第1取付け部7Aとなり、L字状となる他辺が支柱4Aの端面b(梯子構造体4の側方から見た場合の支柱4Aの左右一方の表面)に締結具を介して固定される第2取付け部7Bとなっている。
【0020】
支柱4Aは梯子構造体4の構造や大きさによって、幅広面aの幅、端面bの長さ、面の凹凸形状、四角筒形状等の異なるものがあるが、必ず1面の幅広面aと1面の端面bとを有するので、装着レール7は支柱4Aの角部を跨って直行する2面に固定することができる。
前記装着レール7には、第1取付け部7Aの近傍に具本体5Aの第1係合部A1を前後方向(幅広面aと対向する方向)の位置規制しながら摺動案内する第1レール部7aが形成されている。
【0021】
第1係合部A1は1条の突起であり、第1レール部7aは1条の突起が入る溝であり、これらは係合することにより、支柱4Aの幅広面aに対して遠近方向(前後方向)の位置を規制しながら摺動を案内する。
また、装着レール7には、第2取付け部7Bの近傍に具本体5Aの第2係合部A2を前後位置規制しかつ前記第1レール部7aと協働して左右方向(端面bと対向する方向)の位置規制しながら摺動案内する第2レール部7bが形成されている。
【0022】
第2係合部A2は支柱4Aの端面bに向かって突出した幅広の突出部であり、第2レール部7bは幅広の突出部が入る凹条部であり、これらは係合することにより、支柱4Aの端面bに対して面に沿う方向(前後方向)の位置を規制しながら摺動を案内する。
第2係合部A2は第1係合部A1と前後にずれてはいるが左右に対向する方向に突出しているので、第1係合部A1が第1レール部7aに係合した状態で第2係合部A2が第2レール部7bに係合すると、両者は協働して装着具5の左右方向(幅広面aに沿う方向でありかつ端面bと対向する方向)の位置規制をする。
【0023】
前記第2レール部7bは凹条部の底が第2取付け部7Bとなっている。第2レール部7bは自由端側が傾斜壁7dで形成され、第2係合部A2の端部に形成した斜面dが当接しており、第2係合部A2が第2レール部7bの奥方向に係合することにより、第1係合部A1及び第2取付け部7Bが前後方向及び左右方向にガタつかないようにしている。
前記装着レール7は、第1取付け部7Aと第2取付け部7Bとの間に支柱4Aから離れた隆起部7Cを形成している。この隆起部7Cは支柱4Aの角部に対向しており、幅広面aとも端面bとも離れており、端面bと平行な側壁部分16に貫通穴の上下係合部10U、10Dを形成している。この側壁部分16は具本体5Aの脚長の長い側壁Fの中途部分が重合しており、側壁Fのピン穴15は上下係合部10U、10Dのそれぞれに同心状に対向できるようになっている。
【0024】
前記隆起部7Cを形成することは、第1取付け部7A及び第2取付け部7Bとの間に第1レール部7a及び第2レール部7bを形成することを可能にし、上下係合部10U、10Dへのロック部材6のロックピン部6bの挿入を可能にし、断面略L字状の装着レール7自体の強度を向上することを可能にしている。
ロック部材6はロックピン部6bを装着レール7の上係合部10Uに係合すると、装着具5は支柱4Aに固定され、アウトリガ部材3は支柱4Aに添接した収納姿勢Pになり、
図6実線及び仮想線で示すように、梯子構造体4を開脚状態にしたり閉脚状態にしたりすることができる。
【0025】
梯子構造体4を開脚状態にして、アウトリガ部材3を収納姿勢Pから、スプリング12に抗してロック部材6を水平移動させて、ロックピン部6bを上係合部10Uから離脱すると、装着具5は固定が解除されて装着レール7上を移動可能になり、装着具5を下降していくと、アウトリガ部材3の下部は支柱4Aから張り出していく(
図5仮想線で示す位置から実線で示す位置へ移動)。
【0026】
そして、ロック部材6のロックピン部6bを装着レール7の下係合部10Dに対向し、スプリング12の付勢作用によって引っ張って、下係合部10Dに係合させる。ロックピン部6bが下係合部10Dに係合すると、装着具5は支柱4Aに固定され、アウトリガ部材3は作用姿勢Sに保持される。
装着レール7の下係合部10Dは貫通穴であり、ロック部材6のロックピン部6bが挿入されると、その係合は確実に行われ、摩擦抵抗で止められるよりも確実な固定ができる。
【0027】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、部材の形状、構成及び組み合わせ等を変更したりすることもできる。
例えば、装着レール7は、支柱4Aの一表面に固定する取付け部と、装着具5を前後及び左右方向の位置を規制しながら上下摺動を案内する1本のレール部と、ロック部材6と係合する上下係合部10U、10Dとを形成していてもよい。
【0028】
上下係合部10U、10Dは貫通穴の代わりに、凹部または凸部を形成し、ロック部材6をそれら凹部または凸部に係脱自在に係合するロックピン部に形成してもよい。
【符号の説明】
【0029】
1 アウトリガ装置
3 アウトリガ部材
3a 中央壁
3b 側壁
4 梯子構造体
4A 支柱
4B 横桟
5 装着具
5A 具本体
6 ロック部材
6a 軸部
6b ロックピン部
7 装着レール
7A 第1取付け部
7B 第2取付け部
7C 隆起部
7a 第1レール部
7b 第2レール部
7d 傾斜壁
8 接地体
9 補助支え
10D 下係合部
10U 上係合部
A1 第1係合部
A2 第2係合部
L 断面略
P 収納姿勢
S 作用姿勢
a 幅広面
b 端面
d 斜面