特許第6986774号(P6986774)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6986774
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】刺叉
(51)【国際特許分類】
   F41B 15/00 20060101AFI20211213BHJP
【FI】
   F41B15/00 A
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-138353(P2020-138353)
(22)【出願日】2020年8月19日
【審査請求日】2020年10月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】501217927
【氏名又は名称】窪田 秀聖
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】窪田 秀聖
【審査官】 立花 啓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−343068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後に延在するロッドと、左右にそれぞれ拡がるとともに柄の前方に延在する左右一対のアーム部を有し前記ロッドに固定された捕縛部と、を備えた刺叉であって、
前記左右一対のアーム部は、弾力部をそれぞれ有し、
前記弾力部は、前記左右一対のアーム部の開放面に直交する方向に弾力性を有し、かつ、前記左右一対のアーム部の左右方向における剛性を保持するように構成されており、
前記捕縛部が壁や地面に対して斜めに突き出されたとき、前記壁や前記地面に接触した側の前記アーム部の前記弾力部が曲がる
ことを特徴とする刺叉。
【請求項2】
前記弾力部は、前記左右一対のアーム部の中央から先端にかけて設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の刺叉。
【請求項3】
前後に延在するロッドと、左右にそれぞれ拡がるとともに柄の前方に延在する左右一対のアーム部を有し前記ロッドに固定された捕縛部と、を備えた刺叉であって、
前記左右一対のアーム部は、弾力部をそれぞれ有し、
前記捕縛部が壁や地面に対して斜めに突き出されたとき、前記壁や前記地面に接触した側の前記アーム部の前記弾力部が曲がるよう構成されており、
前記左右一対のアーム部は、長さが異なる複数の平板をそれぞれ有し、当該複数の平板が重ね合わされて構成されており、
前記弾力部は、前記複数の平板のうちの弾力性を有する平板によって構成されている
ことを特徴とする刺叉。
【請求項4】
弾力性を有する固定具をさらに備え、
前記重ね合わされた複数の平板は、互いにスライド不能に固定された固定部と、スライド可能に重ね合わされた非固定部とを有し、
前記非固定部は、前記弾力部であって、前記固定具によって束ねられている
ことを特徴とする請求項3に記載の刺叉。
【請求項5】
前記固定具は、Oリングであって、
前記平板は、幅方向端部に切り欠きを有し、
前記Oリングは、当該切り欠きに係止される
ことを特徴とする請求項4に記載の刺叉。
【請求項6】
前記平板は、肉抜き孔を有する
ことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の刺叉。
【請求項7】
前記左右一対のアーム部は、弾性素材から構成されている
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の刺叉。
【請求項8】
前記左右一対のアーム部は、一体的に形成されている
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の刺叉。
【請求項9】
前後に延在するロッドと、左右にそれぞれ拡がるとともに柄の前方に延在する左右一対のアーム部を有し前記ロッドに固定された捕縛部と、を備えた刺叉であって、
前記左右一対のアーム部は、弾力部をそれぞれ有し、
前記捕縛部が壁や地面に対して斜めに突き出されたとき、前記壁や前記地面に接触した側の前記アーム部の前記弾力部が曲がるよう構成されており、
前記左右一対のアーム部は、側面視長さ方向に波状に形成された波状部をそれぞれ有し、
前記左右一対のアーム部の前記波状部から先端は、前記波状部を基に前記左右一対のアーム部の開放面に直交する方向に曲がるように構成されている
ことを特徴とする刺叉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相手を捕縛するために用いられる刺叉に関し、特に、捕縛部を壁や地面に対して斜めに突き出しても相手を適切に捕縛することができる刺叉に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、防犯用としての武具、防具として刺叉が知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。図9に示すように、刺叉100は、パイプ状の長いロッド110と、左右一対のアーム部121、121によってU字状に形成されロッド110に固定された捕縛部120と、を備えている。使用者P1は、暴漢P2等を捕縛する際には、ロッド110を両手で握り捕縛部120を前方に突き出し、暴漢P2等を捕縛部120の内側で壁や地面Gに押さえつけることにより捕縛する。刺叉100は、使用者P1がロッド110の長さだけ暴漢P2等との距離を置くことができるので、ナイフ等の凶器を所持した暴漢P2等の捕縛に有効である。
【0003】
ところで、図9に示すように、使用者P1は、暴漢P2等を捕縛する際に捕縛部120を壁や地面Gに対して斜めから突き出すと、アーム部121の先端Tが壁や地面Gにつかえて捕縛が妨げられることがある。そのため、使用者P1は、捕縛部120を壁や地面Gに対してできる限り垂直に突き出すことが求められる。しかしながら、捕縛部120内から脱出しようとする暴漢P2等を捉えつつ捕縛部120の向きを調整することは、使用者P1にとって困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3030282号公報
【特許文献2】実用新案登録第3089372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明が解決すべき課題は、捕縛部が壁や地面に対して斜めに突き出されたときに、アーム部の先端が壁や地面につかえて捕縛が妨げられることを防止することができる刺叉を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る刺叉は、
前後に延在するロッドと、左右にそれぞれ拡がるとともに柄の前方に延在する左右一対のアーム部を有しロッドに固定された捕縛部と、を備えた刺叉であって、
左右一対のアーム部は、弾力部をそれぞれ有し、
捕縛部が壁や地面に対して斜めに突き出されたとき、壁や地面に接触した側のアーム部の弾力部が曲がる、ことを特徴とする。
【0007】
上記刺叉は、好ましくは、
弾力部が、左右一対のアーム部の開放面に直交する方向に弾力性を有する。
【0008】
上記刺叉は、好ましくは、
弾力部が、アーム部の左右方向における剛性を保持するように構成されている。
【0009】
上記刺叉は、例えば、
弾力部が、アーム部の中央から先端にかけて設けられている。
【0010】
上記刺叉は、好ましくは、
アーム部が、長さが異なる複数の平板を有し、当該複数の平板が重ね合わされて構成されており、
弾力部は、複数の平板のうちの弾力性を有する平板によって構成されている。
【0011】
上記刺叉は、好ましくは、
弾力性を有する固定具をさらに備え、
重ね合わされた複数の平板は、互いにスライド不能に固定された固定部と、スライド可能に重ね合わされた非固定部とを有し、
非固定部は、弾力部であって、弾力性を有する固定具によって束ねられている。
【0012】
上記刺叉は、好ましくは、
弾力性を有する固定具が、Oリングであって、
平板は、幅方向端部に切り欠きを有し、
Oリングは、当該切り欠きに係止される。
【0013】
上記刺叉は、好ましくは、
平板が、肉抜き孔を有する。
【0014】
上記刺叉は、好ましくは、
左右一対のアーム部が、弾性素材から構成されている。
【0015】
上記刺叉は、好ましくは、
左右一対のアーム部が、一体的に形成されている。
【0016】
上記刺叉は、好ましくは、
左右一対のアーム部が、側面視長さ方向に波状に形成された波状部をそれぞれ有し、
左右一対のアーム部の波状部から先端が、波状部を基に左右一対のアーム部の開放面に直交する方向に曲がるように構成されている。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る刺叉は、捕縛部が壁や地面に対して斜めに突き出されたときに、アーム部の先端が壁や地面につかえて捕縛が妨げられることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施例に係る刺叉の概略斜視図である。
図2】Aは図1に示された捕縛部の概略分解図であり、Bは組み上げられたアーム部を示す図であり、C、DおよびEは図2のC部、D部およびE部を示す拡大図である。
図3図1に示された刺叉の概略組み立て図である。
図4図1に示された刺叉の曲がり具合の一例を示す図である。
図5図1に示された刺叉の使用例を示す図である。
図6】本発明に係る刺叉のアーム部の変形例を示す図であり、Aは平面図、Bはアーム部の拡大側面図である。
図7】本発明に係る刺叉のアーム部の別の変形例を示す図である。
図8】本発明に係る刺叉のアーム部のさらに別の変形例を示す図である。
図9】従来の刺叉を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施例に係る刺叉Fについて説明する。図中において、両矢印Xは前後方向を示し、両矢印Yは、左右方向を示している。両矢印X、YおよびZは、互いに直交する方向を示している。
【0020】
まず、刺叉Fの各構成について説明する。図1は、本実施例に係る刺叉Fの概略斜視図である。図1に示すように、刺叉Fは、ロッド1と、捕縛部2と、捕縛部2をロッド1に固定するブラケットホルダー3と、を備えている。
【0021】
ロッド1は、ロッド本体10と、持ち手部11とを有する。ロッド本体10は、断面丸筒のパイプ状に形成され、図のX方向に延在する。ロッド本体10の材質は、クロムモリブデン鋼、ハイカーボンスチール鋼、ジュラルミン鋼、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、またはガラス繊維強化プラスチック(FRP)で構成されている。なお、ロッド1のこれら断面形状および材質は、単なる一例であってこれに限定されない。ロッド1は、使用者P1と暴漢P2等との距離を十分に保てるように所定の長さを有している。当該所定の長さは、例えば、成人男性の身長程度であってもよい。持ち手部11は、ロッド本体10の中央より後方側に配置されている。持ち手部11は、滑り止めの加工がされてもよい。
【0022】
捕縛部2は、左右一対のアーム部20、20を有し、Y方向に開かれたU字状に形成されている。左右一対のアーム部20、20は、その内側を相手の胴体に押し当てられるように構成されている。
【0023】
図2Aは、捕縛部2の概略分解図である。図2Aに示すように、捕縛部2は、9枚の円弧状に形成された平板20a〜20iを有する。平板20a〜20iは、それぞれ3つの異なる長さによって形成されているが、その弧度、幅および厚みは同様に構成されている。そして、図2Bに示すように、捕縛部2では、これら9枚の平板20a〜20iの平面視における各中心が同一軸線上に配置され左右対称に積層されることにより、1つのU字状が形成されている。
【0024】
最外層の平板20a、20iは、同じ長さであって9枚の平板20a〜20iのうち最も短く構成されている。平板20a、20iは、弾力性を有する金属製であって、例えば、ジュラルミン、チタン、ステンレス、鋼、鉄、リン青銅、バネ材から構成されてもよい。バネ材は、例えば、ハイテンション鋼、ステンレスばね鋼(sus301csp材)、鉄系ばね鋼(SUP材、リボン鋼材)、リン青銅系ばね材、等でもよい。
【0025】
平板20a、20iの1つ内側に配置された平板20b、20hは、同じ長さであって平板20a、20iよりも長く、他の平板よりも短く構成されている。平板20b、20hは、弾力性を有する硬質樹脂製であって、例えば、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)から構成されてもよい。
【0026】
平板20b、20hの1つ内側に配置された平板20c、20gは、同じ長さであって、平板20a〜20iのうち最も長く構成されている。平板20c、20gは、合成ゴム製であって、例えば、ポリウレタンゴム、エチレンプロピレンジエン(EPDM)ゴム、アクリロニトリル・ブタジエン(NBR)ゴム、クロロプレンゴム(CR)ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、エラストマーゴム、等から構成されてもよい。
【0027】
平板20c、20gの1つ内側に配置された平板20d、20fは、平板20c、20gと同じ長さであって、例えば、平板20c、20gと同様の合成ゴム製でもよい。
【0028】
また、中心層の平板20eは、軟質樹脂製であって、例えば、ポリカーボネイト、ナイロン(例えば、MCナイロン系)、ポリアミド、ケブラー、塩化ビニル、ウレタン、ABS樹脂、シリコン、ポリプロピレン、等から構成されてもよい。
【0029】
図2A図2Eに示すように、9枚の平板20a〜20iは、それぞれ中心から所定の間隔をおいて複数(本実施例では8つ)のネジ孔20kを有し、当該ネジ孔20kを通るボルト4によって結合されるよう構成されている。なお、本実施例では、左右一対のアーム部20、20は、一体的に形成されているが、例えば、左右別個の平板によって個別に構成されていてもよい。
【0030】
また、図2Cおよび図2Dに示すように、平板20a、20iを除く他の平板20b〜20hは、アーム部20の中央より先端側かつ幅方向端部に複数の切り欠き20mを有し、各切り欠き20mの位置は、平板20a〜20iが積層された状態で一致するように構成されている。
【0031】
図2Bに示すように、捕縛部2は、さらに複数(本実施例では6つ)のOリング22を有する。Oリング22は、積層された平板20b〜20hを束ねるとともに各切り欠き20mに係止される。
【0032】
図3に示すように、ロッド1は、テーパ状に形成された補強材12をさらに有する。補強材12は、ネジ孔12aを有する。
【0033】
ブラケットホルダー3は、円弧状に形成された円弧部と、円弧部の中央から円弧部に直交する方向に延在するパイプ部とを有する。円弧部は、断面コの字状に形成され捕縛部2が差し込まれるように構成されている。ブラケットホルダー3は、円弧部に4つのネジ孔3aを有し、当該ネジ孔3aは、9枚の平板20a〜20iのネジ孔20kの位置と一致するように構成されている。ブラケットホルダー3は、さらにパイプ部にネジ孔3aを有する。
【0034】
<組立方法>
次に、図3を参照して、刺叉Fの組立方法について説明する。
【0035】
(1)まず、9枚の平板20a〜20iが、積層されOリング22で束ねられる。このとき、接着剤または薄手両面テープによって、平板20a〜20iの中心からアーム部20の中間部までが互いに貼り合わされてもよい。これにより、捕縛部2のU字状が形成される。
【0036】
(2)次いで、捕縛部2の中央部が、ブラケットホルダー3に装着され、ボルト4によって固定される。平板20a〜20iを互いにスライド不能に固定するボルト4は、単なる一例であって、例えば、リベット等で代用してもよい。これにより、アーム部20の弾力部20jと固定部20lとが形成される(図4参照)。
【0037】
(3)次いで、補強材12の一端が、ロッド本体10のパイプ孔に差し込まれる。これにより、ロッド1の捕縛部2との結合部分が補強される。
【0038】
(4)次いで、ブラケットホルダー3のパイプ部に補強材12の他端が差し込まれ、ボルト4によって補強材12とブラケットホルダー3とが固定される。これにより、捕縛部2がロッド1に固定される。
【0039】
<捕縛部の機能性>
次に、図4および図5を参照して、捕縛部2の機能性について説明する。図4に示すように、捕縛部2は、弾力性を有する複数の平板20a〜20iから構成され、かつ、ネジ孔20kが設けられていない領域(以下、「弾力部」という)20jでは、平板20b〜20hが弾力性を有するOリング22によって束ねられスライド可能に構成されている。そのため、図4の仮想線に示すように、弾力部20jは、力が加えられることによりZ方向にしなることができる。なお、本発明における左右一対のアーム部20、20の開放面に直交する方向は、本実施例のおけるZ方向に相当する。
【0040】
また、アーム部20は、弾力部20jの基端側から中央までは、7枚の平板20b〜20hが積層され、弾力部20jの中央から先端までは、5枚の平板20c〜20gが積層されている。すなわち、弾力部20jの厚みは、2段に構成されている。これにより、弾力部20jの中央より先端のしなり幅は、他の弾力部20jの領域よりも大きくなるように構成されている。言い換えると、刺叉Fは、弾力部20jの中央より基端までは、弾力部20jの他の領域よりも剛性が高く保たれ、捕縛部2内に捕縛された暴漢P2の脱出を妨げるように構成されている。加えて、ネジ孔20kが設けられている領域(以下、「固定部」という)20lでは、ボルト4で固定されていることに加え、弾力部20jよりも平板の枚数が多く、かつ、剛性の高い平板20a、20iで挟まれているので、使用者P1は、捕縛部2を暴漢P2に対して安定して押し当てることができる。
【0041】
さらに、捕縛部2は、弾力性を有する平板20a〜20iが積層された構造であるため、従来のパイプ状の刺叉100の捕縛部2と比較して、受けた衝撃を持ち手部11に伝わることが軽減される。したがって、捕縛部2は、暴漢などが所有する武器によって打撃を受けた場合に持ち手部11に衝撃が伝わることを軽減し、持ち手部11を握る使用者P1の手がしびれることを防止することができる。しかも、本実施例では、アーム部20は、弾性素材から構成されているので非弾性素材に比して復元力があり、その結果、武器等の打撃による変形を防止することができる。
【0042】
図5は、倒れている暴漢P2に対して捕縛部2が斜めに押し当てられているところを示す図である。図9に示された従来の刺叉100であれば、捕縛部120が壁や地面に対して斜めに突き出されたとき、アーム部121の先端Tが地面Gに接触し他方のアーム部121の先端と暴漢P2の胴体との間に隙間L2が生じる。一方、図5Aおよび図5Bに示すように、本実施例に係る刺叉Fでは、捕縛部2が壁や地面に対して斜めに突き出され、一方のアーム部20の先端Tが地面Gに接触しても、弾力部20jがしなることにより、ロッド1の先端からアーム部20の先端Tまでの長さが距離L1だけ短くなる。そのため、他方のアーム部20の先端と暴漢P2の胴体との間に隙間が生じない。しかも、アーム部20は、Y方向外側にはしならないように構成されているので、Z方向に弾力性を有しながらY方向への剛性を保持することができる。これにより、使用者P1は、暴漢P2を適切に捕縛することができる。
【0043】
以上、本発明の一実施例に係る刺叉Fについて説明してきたが、本発明は、上記実施例に限定されるものではない。本発明に係る刺叉Fは、例えば、以下の変形例によって実施されてもよい。
【0044】
<変形例>
図6に示すように、アーム部20の中央は、側面視で長さ方向に波状に形成された波状部20pを有し、Z方向に弾力性を有する平板から構成されてもよい。これにより、アーム部20は、波状部20pを基にZ方向にしなることができ、しかもY方向への剛性を保つことができる。この場合、アーム部20は、一枚の平板から構成されてもよいし、重ね合わされた複数の平板から構成されてもよい。
【0045】
図7A図7Cに示すように、平板20a〜20iは、例えば、肉抜き孔20nを有してもよい。これにより、軽量化、材料コスト削減をはかることができる。肉抜き孔20nの数および形状は、特に限定されないが、幅方向の剛性を保てるように構成されることが好ましい。また、上記実施例のように複数の平板20a〜20iを積層する場合には、複数の平板20a〜20iのうちの1部が肉抜き孔20nを有してもよいし、各平板の肉抜き孔20nの形状および数は、異なっていてもよい。
【0046】
図8に示すように、複数の平板20b〜20hを束ねる固定具は、例えば、チューブでもよく、当該チューブは、熱収縮チューブ26でもよい。この場合、熱収縮チューブ26は、積層された平板20b〜20hに装着された後、熱を加えられ、平板20b〜20hの形状に沿うように形成されてもよい。
【0047】
図5Bに示すように、アーム部20の内側にクッション材28を設けてもよい。これにより、暴漢などを適切に捕縛しつつ、近年、求められている「加害者への過剰な暴力の抑止」も実現することができる。
【0048】
・積層される平板の枚数および厚みは、アーム部20の長さおよび平板の素材に基づいて、適宜変更されてもよい。平板の厚みは、例えば、0.5mm〜6mmでもよい。積層される複数の平板の厚みは、それぞれ異なっていてもよい。また、適切に積層されるのであれば、平板自体の厚みは、均等でなくてもよい。
【0049】
・複数の平板は、武器による打撃耐性を考慮しない場合、すべて弾性素材で構成されなくてもよい。この場合、捕縛部2は、固定部20lについては、非弾性素材で構成されてもよい。また、弾力部20jは、弾力性を有し、かつ、相手を適切に捕縛するという目的を達成できるのであれば、素材は特に限定されない。したがって、平板は、種々の金属、樹脂およびゴムのいずれかまたはその組み合わせから構成されてもよく、その組み合わせ方法は特に限定されない。
【0050】
・アーム部20における弾力部の配置は、捕縛部2によって暴漢P2等を捕縛することができるとともに、捕縛部2が壁や地面Gに対して斜めに突き出されたとき、壁や地面Gに接触した側のアーム部20が曲がり捕縛が妨げられないという目的が達成されるのであれば、特に限定されない。
【符号の説明】
【0051】
F 刺叉
G 地面
P1 使用者
1 ロッド
10 ロッド本体
11 持ち手部
12 補強材
12a ネジ孔
2 捕縛部
20 アーム部
20a〜20i 平板
20j 弾力部
20k ネジ孔
20l 固定部
20m 切り欠き
20n 肉抜き孔
20p 波状部
22 Oリング
26 熱収縮チューブ
28 クッション材
3 ブラケットホルダー
3a ネジ孔
4 ボルト
100 従来の刺叉
【要約】
【課題】捕縛部が壁や地面に対して斜めに突き出されたときに、アーム部の先端が壁や地面につかえて捕縛が妨げられることを防止することができる刺叉を提供する。
【解決手段】前後に延在するロッド1と、左右一対のアーム部20、20を有しロッドに固定された捕縛部2とを備えた刺叉Fにおいて、左右一対のアーム部20、20は、弾力部20j、20jをそれぞれ有する。捕縛部2が壁や地面に対して斜めに突き出されたとき、壁や地面に接触した側のアーム部20の弾力部20jがしなるので、捕縛が妨げられない。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9