(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986786
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】多軸アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
F16H 57/02 20120101AFI20211213BHJP
H02K 7/116 20060101ALI20211213BHJP
H02K 11/21 20160101ALI20211213BHJP
B25J 9/08 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
F16H57/02
H02K7/116
H02K11/21
B25J9/08
【請求項の数】12
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2020-513809(P2020-513809)
(86)(22)【出願日】2017年12月4日
(65)【公表番号】特表2020-532692(P2020-532692A)
(43)【公表日】2020年11月12日
(86)【国際出願番号】KR2017014079
(87)【国際公開番号】WO2019054568
(87)【国際公開日】20190321
【審査請求日】2020年3月6日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0116819
(32)【優先日】2017年9月12日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519233870
【氏名又は名称】ロボティズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ROBOTIS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、ビョン ス
(72)【発明者】
【氏名】ウム、ヨン ジン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ウ シク
【審査官】
増岡 亘
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−255367(JP,A)
【文献】
特開2006−43848(JP,A)
【文献】
特開2013−204668(JP,A)
【文献】
特開2011−188666(JP,A)
【文献】
特開2001−78373(JP,A)
【文献】
特開平9−308171(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第102014102905(DE,A1)
【文献】
再公表特許第2008/136405(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 57/02
H02K 7/116
H02K 11/21
B25J 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに垂直な第1及び第2の出力面と、前記第1及び第2の出力面とそれぞれ並ぶように配置されて互いに垂直な第1及び第2の対向面と、を有するハウジングと;
前記第1の出力面と垂直な第1の回転軸を中心として回転する第1の出力歯車と;
前記第2の出力面と垂直な第2の回転軸を中心として回転し、前記第2の回転軸は前記第1の回転軸とは異なる高さに位置する第2の出力歯車と;
前記ハウジングの内部に配設されて前記第1及び第2の出力歯車にそれぞれ回転力を与える第1及び第2の駆動モータと;
前記第1の出力歯車の回転を感知する第1の変位センサと、
前記第1の変位センサと前記第1の駆動モータとの間に配置される第1の遮蔽材と、
前記第2の出力歯車の回転を感知する第2の変位センサと、
前記第2の変位センサと前記第2の駆動モータとの間に配置される第2の遮蔽材と、を含み、
前記第1及び第2の駆動モータの回転軸は、前記第1及び第2の回転軸とそれぞれ並ぶように配置され、
前記第2の駆動モータは、前記第1の駆動モータの直上方に位置して前記第1及び第2の駆動モータは上下に段違いに配置され、
前記第1の出力歯車は、前記第2の駆動モータと対応する高さに配置され、
前記第2の出力歯車は、前記第1の駆動モータと対応する高さに配置される、
多軸アクチュエータ。
【請求項2】
前記多軸アクチュエータは、
前記第1の駆動モータと前記第1の出力歯車との間に介在されて前記第1の駆動モータの回転力を前記第1の出力歯車に伝える第1の歯車列と、
前記第2の駆動モータと前記第2の出力歯車との間に介在されて前記第2の駆動モータの回転力を前記第2の出力歯車に伝える第2の歯車列と、をさらに含み、
前記第1の出力歯車及び前記第1の歯車列は、前記ハウジングの中心を基準として前記第1の出力面に隣接するように配置され、
前記第2の出力歯車及び前記第2の歯車列は、前記ハウジングの中心を基準として前記第2の出力面に隣接するように配置される、請求項1に記載の多軸アクチュエータ。
【請求項3】
前記ハウジングは、
前記第1の出力面及び前記第1の出力面から凹まれた第1の配設溝を有し、前記第1の歯車列が隣接するように配置される第1の出力プレートと、
前記第2の出力面及び前記第2の出力面から凹まれた第2の配設溝を有し、前記第2の歯車列が隣接するように配置される第2の出力プレートと、を備え、
前記多軸アクチュエータは、
前記第1の配設溝に配設され、前記第1の出力歯車に締結される第1のホーンと、
前記第2の配設溝に配設され、前記第2の出力歯車に締結される第2のホーンと、をさらに含む、請求項2に記載の多軸アクチュエータ。
【請求項4】
前記第1の出力プレートと前記第1のホーン、前記第1の歯車列、並びに前記第1の駆動モータを含む第1の駆動モジュールと、前記第2の出力プレートと前記第2のホーン、前記第2の歯車列、並びに前記第2の駆動モータを含む第2の駆動モジュールとは、同じ構造を有し、
組み立てられた状態で前記第1の駆動モジュールと前記第2の駆動モジュールとは180度の回転対称の関係にある、請求項3に記載の多軸アクチュエータ。
【請求項5】
前記第1の出力プレートは、前記第2の出力プレートと隣接する一方の面に段差部が形成され、前記第2の出力プレートは、前記第1の出力プレートと隣接する一方の面に段差部が形成されて、前記第1の出力プレートの段差部と前記第2の出力プレートの段差部とが噛み合って組み立てられる、請求項4に記載の多軸アクチュエータ。
【請求項6】
前記第1の出力プレートは、前記第1の配設溝が形成された上側の幅が、下側の幅に比べて幅広であり、
前記第2の出力プレートは、前記第2の配設溝が形成された下側の幅が、上側の幅に比べて幅広である、請求項5に記載の多軸アクチュエータ。
【請求項7】
前記多軸アクチュエータは、
前記第1の出力歯車の回転を感知する第1の変位センサと、
前記第1の変位センサが実装され、前記ハウジングの中心を基準として前記第1の出力プレートに隣接するように配置される第1の補助基板と、
前記第1の補助基板と並ぶように配置されて前記ハウジングの中心を基準として前記第1の対向面と隣接するように位置する第1の主基板と、
前記第1の駆動モータと前記第2の駆動モータとの間に配置されて前記第1の補助基板と前記第1の主基板とを連結する第1の軟性基板と、
前記第2の出力歯車の回転を感知する第2の変位センサと、
前記第2の変位センサが実装され、前記ハウジングの中心を基準として前記第2の出力プレートに隣接するように配置される第2の補助基板と、
前記第2の補助基板と並ぶように配置されて前記ハウジングの中心を基準として前記第2の対向面と隣接するように位置する第2の主基板と、
前記第1の駆動モータと前記第2の駆動モータとの間に配置されて前記第2の補助基板と前記第2の主基板とを連結する第2の軟性基板と、をさらに含む、請求項3に記載の多軸アクチュエータ。
【請求項8】
前記ハウジングは、
前記第1の対向面及び前記第1の対向面から凹まれた第1の載置溝、並びに前記第1の載置溝の底面から凹まれて前記第1の載置溝と連通される第1の貫通溝、前記第1の対向面から凹まれた第1のソケット溝を有する第1の対向プレートと、
前記第2の対向面及び前記第2の対向面から凹まれた第2の載置溝、並びに前記第2の載置溝の底面から凹まれて前記第2の載置溝及び前記第1のソケット溝と連通される第2の貫通溝、前記第2の対向面から凹まれて前記第1の貫通溝と連通される第2のソケット溝を有する第2の対向プレートと、を備えるが、
前記第1の載置溝は前記第1の配設溝の反対側に位置し、前記第2の載置溝は前記第2の配設溝の反対側に位置する、請求項3に記載の多軸アクチュエータ。
【請求項9】
前記第1の対向プレートは、前記第1の載置溝の中央に形成される第1の締結溝を有し、
前記第2の対向プレートは、前記第2の載置溝の中央に形成される第2の締結溝を有する、請求項8に記載の多軸アクチュエータ。
【請求項10】
前記多軸アクチュエータは、
前記第1の締結溝に配設されて前記第1の締結溝を中心として回転可能であり、内周面に段付き部が形成されるリング状の第1のアイドラーと;
前記第1のアイドラーの中空部に嵌設されて前記第1のアイドラーを支持する第1の円筒と、前記第1の円筒の外周面から突出して前記第1のアイドラーの段付き部と対向し、前記第1のアイドラーが前記第1の対向プレートから離脱することを防ぐ第1の遮断プレートと、を備える第1の結合部材と;
前記第2の締結溝に配設されて前記第2の締結溝を中心として回転可能であり、内周面に段付き部が形成されるリング状の第2のアイドラーと;
前記第2のアイドラーの中空部に嵌設されて前記第2のアイドラーを支持する第2の円筒と、前記第2の円筒の外周面から突出して前記第2のアイドラーの段付き部と対向し、前記第2のアイドラーが前記第2の対向プレートから離脱することを防ぐ第2の遮断プレートと、を備える第2の結合部材と;をさらに含む、請求項9に記載の多軸アクチュエータ。
【請求項11】
前記第1の出力プレートは、前記第1の配設溝が形成される相対的に幅広な第1の配設部と、前記第1の配設部から延び、前記第1の配設部よりも相対的に幅狭な第1の延長部と、を有し、
前記第1の出力面から凹まれた一対の第1のねじ溝及び前記第1のねじ溝に形成されて内周面にねじ山が形成された一対の第1の固定孔と、前記第1の出力面に隣接する両側面から凹設されて内周面にねじ山が形成された一対の第1の拡張孔とが、前記第1の配設部に形成される、請求項3に記載の多軸アクチュエータ。
【請求項12】
前記第1及び第2の遮蔽材は、前記第1及び第2の変位センサを前記第1及び第2の駆動モータから発生する電磁気的な影響から遮断する、請求項1に記載の多軸アクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多軸アクチュエータに係り、さらに詳しくは、互いに異なる出力面とそれぞれ垂直な互いに異なる回転軸を中心として回転する出力歯車を含む多軸アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来の1自由度を有するアクチュエータモジュールを含む多関節ロボットを示す図である。
図1に示すように、一軸3aと他の一軸3bを基準として回転力を与える場合は、1自由度を有するアクチュエータモジュールを相互に連結しなければならなかった。
【0003】
これにより、図示された構造体3−3と構造体3−4のうち、特に足首の部分で、全体のアクチュエータの体積が大きくなり、関節の回転時に無理な動作でバランスがとり難しいという問題がある。
【0004】
より具体的には、従来の多関節ロボットは、設計時に1自由度を有するアクチュエータモジュールを使用することにより、単方向性を提供するので、一つの関節における両方向性を提供するためには、二つの1自由度を有するアクチュエータモジュールを連動して使用する必要があり、これにより、体積と荷重が増加して多関節ロボットの設計に多くの制約が伴うという問題があった。
【0005】
したがって、複数のアクチュエータモジュールと連結部とを所望の方法で繰り返して相互結合することにより多関節ロボットを実現できるように、規格化方法による反復結合をサポートする構造に加えて、一つのアクチュエータモジュールを用いて多方向性を提供するのための構造に関する技術開発が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、互いに異なる回転軸を中心として回転する出力歯車を介してそれぞれ回転力を与えることができる多軸アクチュエータを提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、全体の体積を最小化することができる多軸アクチュエータを提供することである。
【0008】
本発明のまた他の目的は、生産及び組み立てが容易な多軸アクチュエータを提供することにある。
【0009】
本発明のまた他の目的は、後述する詳細な説明と添付した図面からより明確になるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施例によれば、多軸アクチュエータは、互いに垂直な第1及び第2の出力面と、前記第1及び第2の出力面とそれぞれ並ぶように配置されて互いに垂直な第1及び第2の対向面と、を有するハウジングと;前記第1の出力面と垂直な第1の回転軸を中心として回転する第1の出力歯車と;前記第2の出力面と垂直な第2の回転軸を中心として回転し、前記第2の回転軸は前記第1の回転軸とは異なる高さに位置する第2の出力歯車と;前記ハウジングの内部に配設されて前記第1及び第2の出力歯車にそれぞれ回転力を与える第1及び第2の駆動モータと;を含む。
【0011】
前記第1及び第2の駆動モータの回転軸は、前記第1及び第2の回転軸とそれぞれ並ぶように配置され、前記第2の駆動モータは、前記第1の駆動モータの上部に位置して前記第1及び第2の駆動モータは重なり合ってもよい。
【0012】
前記多軸アクチュエータは、前記第1の駆動モータと前記第1の出力歯車との間に介在されて前記第1の駆動モータの回転力を前記第1の出力歯車に伝える第1の歯車列と、前記第2の駆動モータと前記第2の出力歯車との間に介在されて前記第2の駆動モータの回転力を前記第2の出力歯車に伝える第2の歯車列と、をさらに含み、前記第1の出力歯車及び前記第1の歯車列は、前記ハウジングの中心を基準として前記第1の出力面に隣接するように配置され、前記第2の出力歯車及び前記第2の歯車列は、前記ハウジングの中心を基準として前記第2の出力面に隣接するように配置されてもよい。
【0013】
前記ハウジングは、前記第1の出力面及び前記第1の出力面から凹まれた第1の配設溝を有し、前記第1の歯車列が隣接するように配置される第1の出力プレートと、前記第2の出力面及び前記第2の出力面から凹まれた第2の配設溝を有し、前記第2の歯車列が隣接するように配置される第2の出力プレートと、を備え、前記多軸アクチュエータは、前記第1の配設溝に配設され、前記第1の出力歯車に締結される第1のホーンと、前記第2の配設溝に配設され、前記第2の出力歯車に締結される第2のホーンと、をさらに含んでいてもよい、
【0014】
前記第1の出力プレートと前記第1のホーン、前記第1の歯車列、並びに前記第1の駆動モータを含む第1の駆動モジュールと、前記第2の出力プレートと前記第2のホーン、前記第2の歯車列、並びに前記第2の駆動モータを含む第2の駆動モジュールとは、同じ構造を有し、組み立てられた状態で前記第1の駆動モジュールと前記第2の駆動モジュールとは180度の回転対称の関係にあってもよい。
【0015】
前記第1の出力プレートは、前記第2の出力プレートと隣接する一方の面に段差部が形成され、前記第2の出力プレートは、前記第1の出力プレートと隣接する一方の面に段差部が形成されて、前記第1の出力プレートの段差部と前記第2の出力プレートの段差部とが噛み合って組み立てられてもよい。
【0016】
前記第1の出力プレートは、中心を基準として前記第1の配設溝が形成された一方の側が他方の側に比べて幅広であり、前記第2の出力プレートは、中心を基準として前記第2の配設溝が形成された一方の側が他方の側に比べて幅広であってもよい。
【0017】
前記第1の出力歯車は、前記第2の駆動モータと対応する高さに配置され、前記第2の出力歯車は、前記第1の駆動モータと対応する高さに配置されてもよい。
【0018】
前記多軸アクチュエータは、前記第1の出力歯車の回転を感知する第1の変位センサと、前記第1の変位センサが実装され、前記ハウジングの中心を基準として前記第1の出力プレートに隣接するように配置される第1の補助基板と、前記第1の補助基板と並ぶように配置されて前記ハウジングの中心を基準として前記第1の対向面と隣接するように位置する第1の主基板と、前記第1の駆動モータと前記第2の駆動モータとの間に配置されて前記第1の補助基板と前記第1の主基板とを連結する第1の軟性基板と、前記第2の出力歯車の回転を感知する第2の変位センサと、前記第2の変位センサが実装され、前記ハウジングの中心を基準として前記第2の出力プレートに隣接するように配置される第2の補助基板と、前記第2の補助基板と並ぶように配置されて前記ハウジングの中心を基準として前記第2の対向面と隣接するように位置する第2の主基板と、前記第1の駆動モータと前記第2の駆動モータとの間に配置されて前記第2の補助基板と前記第2の主基板とを連結する第2の軟性基板と、をさらに含んでいてもよい。
【0019】
前記第1の出力歯車の回転を感知する第1の変位センサと、前記第1の変位センサと前記第1の駆動モータとの間に配置される第1の遮蔽材と、前記第2の出力歯車の回転を感知する第2の変位センサと、前記第2の変位センサと前記第2の駆動モータとの間に配置される第2の遮蔽材と、をさらに含んでいてもよい。
【0020】
前記第1及び第2の遮蔽材は、前記第1及び第2の変位センサを前記第1及び第2の駆動モータから発生する電磁気的な影響から遮断することができる。
【0021】
前記ハウジングは、前記第1の対向面及び前記第1の対向面から凹まれた第1の載置溝、並びに前記第1の載置溝の底面から凹まれて前記第1の載置溝と連通される第1の貫通溝、前記第1の対向面から凹まれた第1のソケット溝を有する第1の対向プレートと、前記第2の対向面及び前記第2の対向面から凹まれた第2の載置溝、並びに前記第2の載置溝の底面から凹まれて前記第2の載置溝及び前記第1のソケット溝と連通される第2の貫通溝、前記第2の対向面から凹まれて前記第1の貫通溝と連通される第2のソケット溝を有する第2の対向プレートと、を備えるが、前記第1の載置溝は前記第1の配設溝の反対側に位置し、前記第2の載置溝は前記第2の配設溝の反対側に位置してもよい。
【0022】
前記第1の対向プレートは、前記第1の載置溝の中央に形成される第1の締結溝を有し、前記第2の対向プレートは、前記第2の載置溝の中央に形成される第2の締結溝を有してもよい。
【0023】
前記多軸アクチュエータは、前記第1の締結溝に配設されて前記第1の締結溝を中心として回転可能であり、内周面に段付き部が形成されるリング状の第1のアイドラーと;前記第1のアイドラーの中空部に嵌設されて前記第1のアイドラーを支持する第1の円筒と、前記第1の円筒の外周面から突出して前記第1のアイドラーの段付き部と対向し、前記第1のアイドラーが前記第1の対向プレートから離脱することを防ぐ第1の遮断プレートと、を備える第1の結合部材と;前記第2の締結溝に配設されて前記第2の締結溝を中心として回転可能であり、内周面に段付き部が形成されるリング状の第2のアイドラーと;前記第2のアイドラーの中空部に嵌設されて前記第2のアイドラーを支持する第2の円筒と、前記第2の円筒の外周面から突出して前記第2のアイドラーの段付き部と対向し、前記第2のアイドラーが前記第2の対向プレートから離脱することを防ぐ第2の遮断プレートと、を備える第2の結合部材と;をさらに含んでいてもよい。
【0024】
前記第1の出力プレートは、前記第1の配設溝が形成される第1の配設部と、前記第1の配設部から延び、前記第1の配設部よりも狭い幅を有する第1の延長部と、を有し、前記第1の出力面から凹まれた一対の第1のねじ溝及び前記第1のねじ溝に形成されて内周面にねじ山が形成された一対の第1の固定孔と、前記第1の出力面に隣接する両側面から凹設されて内周面にねじ山が形成された一対の第1の拡張孔とが、前記第1の配設部に形成されてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一実施例によれば、一つのハウジングに形成された互いに異なる出力面上に出力歯車がそれぞれ配置され、これら出力歯車がそれぞれの出力面と垂直な回転軸を中心として回転して回転力を与えることができる。
【0026】
また、出力歯車が一つのハウジング内に重なり合うように配置でき、これによりアクチュエータの全体積を最小化することができる。
【0027】
また、歯車列を駆動モータと出力歯車との間に配設して、出力歯車の減速比を調節し、この時、歯車列を出力面に隣接するように配置することにより、ハウジングの内部空間を効率的に活用するとともに、アクチュエータの全体積を最小化することができる。
【0028】
また、各出力歯車を中心として、出力プレートとホーン、歯車列、及び駆動モータが一つのモジュールを形成し、一対のモジュールが互いに180度の回転対称の関係で相互に組み立てられることによってアクチュエータを形成することができ、これにより生産及び組立を容易に実現することができる。
【0029】
また、変位センサを介して出力歯車の回転を感知し、このとき、隣接する駆動モータから発生する磁場などにより変位センサが誤作動することを防止するために、遮蔽材を変位センサと駆動モータとの間に配設することができる。
【0030】
また、変位センサが配設される補助基板と、マイクロプロセッサ及びソケットなどが実装される主基板とを離間配置し、軟性基板により主基板と補助基板とを連結することにより、駆動モータなどによりマイクロプロセッサなどの主基板に発生するエラーを最小化することができるのみならず、アクチュエータの全体積を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】従来の1自由度を有するアクチュエータモジュールを含む多関節ロボットを概略的に示す図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る多軸アクチュエータを概略的に示す図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る多軸アクチュエータを概略的に示す図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る多軸アクチュエータを概略的に示す図である。
【
図5】
図2に示したハウジングの内部に配設された駆動モータ及び出力歯車、歯車列を概略的に示す図である。
【
図6】
図2に示したハウジングの内部を概略的に示す図である。
【
図7】
図6に示した補助基板及び変位センサを概略的に示す図である。
【
図8】
図6に示した補助基板に遮蔽材が取り付けられた状態を概略的に示す図である。
【
図9】
図2に示したハウジングの内部に駆動モータが配設された状態を概略的に示す図である。
【
図10】
図2に示したハウジングの内部に主基板が配設された状態を概略的に示す図である。
【
図11】
図10に示した主基板及びソケットを概略的に示す図である。
【
図14】
図5に示した歯車列の他の実施例を概略的に示す図である。
【
図15】出力歯車(または出力軸)が同じ高さに配設された場合、ヒンジフレームの回転変位を概略的に示す図である。
【
図16】出力歯車(または出力軸)が異なる高さに配設された場合、ヒンジフレームの回転変位を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の好ましい実施例を添付の
図2乃至
図16を参照してさらに詳細に説明する。本発明の実施例は様々な形態に変形することができ、本発明の範囲は以下で説明する実施例に限定されるものと解釈されてはならない。本実施例は、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明をさらに詳細に説明するために提供されるものである。したがって、図面における各要素の形状は、より明確な説明を強調するために誇張され得る。
【0033】
図2乃至
図4は、本発明の一実施形態に係る多軸アクチュエータ1を概略的に示す図である。
図2に示すように、多軸アクチュエータ1は、概ね直方体状を有し、第1及び第2のホーン14,24を介して互いに異なる回転軸を基準として回転力を与えることができる。第1のホーン14及び第2のホーン24は、互いに隣接する第1及び第2の出力プレート10,20にそれぞれ配置され、第2のホーン24は、第1のホーン14の下部に位置する。
【0034】
具体的には、多軸アクチュエータは、第1及び第2の出力プレート10,20を備える直方体状のハウジングを含み、第1及び第2の出力プレート10,20は、互いに隣接するように配置される。第1の出力プレート10は、第1のホーン14が配設される第1の配設部の幅が第1の延長部の幅W1よりも大きい形状であり、同様に、第2の出力プレート20は、第2のホーン24が配設される第2の配設部の幅が第2の延長部の幅W2よりも小さい形状である。第1及び第2のホーン14,24は、第1及び第2の出力プレート10,20に配設された状態で、第1の出力プレート10は「Y」字状を有し、第2の出力プレート20は逆「Y」字状を有する。
【0035】
第1の出力プレート10は、外側面に対応する第1の出力面12から凹まれた円形の第1の配設溝14gを有し、第1の配設溝14gは、第1の出力プレート10の配設部に形成される。第1のホーン14は第1の配設溝14gに配設され、第1のホーン14は、後述する第1のホーン歯車59に噛み合って、第1の出力面12と垂直な回転軸を中心として回転することができる。同様に、第2の出力プレート20は、外側面に対応する第2の出力面22から凹まれた円形の第2の配設溝24gを有し、第2の配設溝24gは、第2の出力プレート20の配設部に形成される。第2のホーン24は第2の配設溝24gに配設され、第2のホーン24は、後述する第2のホーン歯車69に噛み合って、第2の出力面22と垂直な回転軸を中心として回転することができる。
【0036】
一方、本実施例とは異なり、ハウジングは円筒状であってもよく、第1及び第2の出力面12,22は曲面であってもよい。また、第1の出力プレート10は、上端部に、第1の出力面12から凹設された一対のねじ溝およびねじ溝にそれぞれ凹設されて内周面にねじ山が形成された固定孔112aを有する。また、第1の出力プレート10は、第1の出力面12の両側面から凹設されて内周面にねじ山が形成された拡張孔112bを有する。同様に、第2の出力プレート20は、下端部に、第2の出力面22から凹設された一対のねじ溝およびねじ溝にそれぞれ凹設されて内周面にねじ山が形成された固定孔122aを有する。また、第2の出力プレート20は、第2の出力面22の両側面から凹設されて内周面にねじ山が形成された拡張孔122bを有する。固定孔112a、122aおよび拡張孔112b、122bを介して他の拡張構造物(またはフレーム)を連結することができる。
【0037】
図5は、
図2に示したハウジングの内部に配設された駆動モータ及び出力歯車、歯車列を概略的に示す図である。
図5に示すように、第1及び第2の駆動モータ52,62がハウジングの内部に配設され、外部から供給された電力によって回転力を生成する。第1の駆動モータ52の第1の駆動歯車52aは、第1の歯車列50に噛み合って第1の出力面と垂直な回転軸を中心として回転し、第1の出力歯車58も、第1の歯車列50に噛み合って回転する。
【0038】
すなわち、第1の歯車列50は第1の駆動歯車52aと第1の出力歯車58との間に介在され、第1の歯車列50によって減速比が決定される。第1の歯車列50は、複数の平歯車53,54,55,56によって実現でき、第1の駆動モータ52及び第1の出力歯車58と並ぶように配置された回転軸を有してもよい。このとき、第1の歯車列50はハウジングの中心を基準として第1の出力プレート10に隣接するように配置されてもよく、第2の駆動モータ62が第1の歯車列50または第1の出力歯車58の後方に配設されて後述する第1の対向プレート32に隣接するように配置されてもよい。
【0039】
同様に、第2の駆動モータ62の第2の駆動歯車62aは、第2の歯車列60に噛み合って第2の出力面と垂直な回転軸を中心として回転し、第2の出力歯車68もまた、第2の歯車列60に噛み合って回転する。すなわち、第2の歯車列60は、第2の駆動歯車62aと第2の出力歯車68との間に介在され、第2の歯車列60によって減速比が決定される。第2の歯車列60は、複数の平歯車63,64,65,66によって実現でき、第2の駆動モータ62及び第2の出力歯車68と並ぶように配置された回転軸を有してもよい。このとき、第2の歯車列60はハウジングの中心を基準として第2の出力プレート20に隣接するように配置されてもよく、第1の駆動モータ52が第2の歯車列60または第2の出力歯車68の後方に配設されて後述する第2の対向プレート42に隣接するように配置されてもよい。
【0040】
結論として、
図5に示すように、第2の駆動モータ62は第1の駆動モータ52の上部に配設されて、第1及び第2の駆動モータ52,62は積層されて重なり合う構造を有し、これにより多軸アクチュエータの体積を最小化することができる。特に、歯車列と駆動歯車及び出力歯車が出力プレートに隣接するように配置されることにより、ハウジング内部の空間を最大限効率的に利用することができる。
【0041】
一方、後述するように、第1及び第2の出力プレート10,20は互いに同一形状を有し、第2の出力プレート20は、第1の出力プレート12を180度回転対称させた状態で第1の出力プレート10と垂直に配置される。また、第1及び第2の出力プレート10,20は、互いに隣接した状態で相互に締結される。
【0042】
図2に示すように、第1及び第2の出力プレート10,20では、配設部と延長部の幅を異ならせることで、出力面12,22の両側面に段差部12a,22aがそれぞれ形成され、第1の出力プレート10の配設部が第2の出力プレート20の延長部と隣接し、第2の出力プレート20の配設部が第1の出力プレート10の延長部と隣接した状態で、第1及び第2の出力プレート10,20が段差部12a,22aの噛み合いによって組み立てられてもよい(例えば、歯車と歯車が噛み合うときに歯車の山と谷が噛み合うように、第1の出力プレート10の凸部は、第2の出力プレート20の凹部と噛み合い、第2の出力プレート20の凸部は、第1の出力プレート10の凹部と噛み合う)。
【0043】
より具体的には、第1の出力プレート10及び第1のホーン14、第1の歯車列50、並びに第1の駆動モータ52から一つの駆動モジュールを実現し、
図2〜
図4に示すように、一対の駆動モジュールを組み立てて多軸アクチュエータを実現することができる。
【0044】
すなわち、第1の出力プレート10及び第1のホーン14、第1の歯車列50、並びに第1の駆動モータ52を含む一つの駆動モジュールと、第2の出力プレート20及び第2のホーン24、第2の歯車列60、並びに第2の駆動モータ62を含む一つの駆動モジュールとは、同じ構造及び機能を有し、両者のいずれかを180度回転対称させた状態で第1及び第2の出力プレート10,20を相互に締結して多軸アクチュエータを実現することができる。これにより、互いに異なる一対の駆動モジュールに比べて高速で単純な設計及び生産プロセスを実現することができ、その結果、高い経済性を確保することができる。
【0045】
図6は、
図2に示したハウジングの内部を概略的に示す図であり、
図7は、
図6に示した補助基板及び変位センサを概略的に示す図である。前述したように、第1の出力プレート10及び第1のホーン14、第1の歯車列50、並びに第1の駆動モータ52から一つの駆動モジュール2を実現し、第2の出力プレート20及び第2のホーン24、第2の歯車列60、並びに第2の駆動モータ62から一つの駆動モジュール3を実現することにより、一対の駆動モジュール2,3を組み立てて多軸アクチュエータを実現することができる。
【0046】
このとき、変位センサは、第1及び第2の出力歯車58,68(または第1及び第2のホーン歯車59,69や第1及び第2のホーン14,24の後方にそれぞれ配設され得、第1及び第2の出力歯車58,68(または第1及び第2のホーン歯車59,69や第1及び第2のホーン14,24の回転(例えば、回転角または回転速度など)をそれぞれ感知することができる。
【0047】
図7に示すように、変位センサ75が実装された補助基板74は、第1の出力プレート10の内側面に配設され、変位センサ75は、第1の出力歯車58(または第1のホーン歯車59や第1のホーン14)に対応するように位置する。同様に、変位センサが実装された補助基板84は、第2の出力プレート20の内側面に配設され、変位センサは、第2の出力歯車68(または第2のホーン歯車69や第2のホーン24)に対応するように位置する。
【0048】
図8は、
図6に示した補助基板に遮蔽材が取り付けられた状態を概略的に示す図であり、
図9は、
図2に示したハウジングの内部に駆動モータが配設された状態を概略的に示す図である。
図8及び
図9に示すように、変位センサは、ホーン(またはホーン歯車)と駆動モータとの間に配置され、駆動モータは、作動時に磁場を形成して変位センサの誤作動を招く恐れがある。したがって、遮蔽材76,86を用いて変位センサを駆動モータ等から隔離することで駆動モータから発生する電磁気的な影響を遮断する必要がある。
【0049】
図8に示すように、第1の遮蔽材76は、第1の補助基板74の後面(変位センサが配設された前面の反対面)に配設されて変位センサに対応するように配置され、同様に、第2の遮蔽材86は、第2の補助基板84の後面(変位センサが配設された前面の反対面)に配設されて変位センサに対応するように配置される(
図12参照)。
【0050】
一方、
図9に示すように、第1及び第2の放熱プレート72,82は、多軸アクチュエータの上部及び下部にそれぞれ配設されており、複数の放熱孔を有する。第1及び第2の駆動モータ52,62は、第1及び第2の放熱プレート72,82の内側面に載置されて固定されており、第1及び第2の放熱プレート72,82は、駆動モータ52,62の曲面と対応する曲面形状の内側面を有する。
【0051】
図10は、
図2に示したハウジングの内部に主基板が配設された状態を概略的に示す図であり、
図11は、
図10に示した主基板及びソケットを概略的に示す図である。
図10に示すように、主基板78,88は、前述した補助基板74,84とほぼ並ぶように配置され、補助基板74,84が出力プレート10,20に隣接するように配置されるのに対し、主基板78,88は、対向プレート32,42に隣接するように配置される。主基板78,88は、外部からの信号等が入力されるソケット79,89を備える。
【0052】
一方、主基板78,88は、ソケット79,89のほか、マイクロプロセッサなどの演算装置を備え、このため、主基板78,88は、補助基板74,84に比べて大きな面積を有するので、駆動モータや歯車列などにより位置に多くの制約を受ける。したがって、主基板78,88と補助基板74,84とを分離して、補助基板74,84を用いて変位センサをホーン(またはホーン歯車)と駆動モータとの間に配置し、主基板78,88を、駆動モータを基準として補助基板74,84の反対側に配置して、ハウジング内部の空間を最大限効率的に利用することができる。
【0053】
図12及び
図13は、
図10及び
図11に示した主基板に連結された軟性基板を概略的に示す写真である。
図12及び
図13に示すように、軟性基板は、主基板78,88と補助基板74,84とを電気的に連結する。このとき、軟性基板は、駆動モータ間の離隔された空間に配置されてもよい。
【0054】
再び
図3及び
図4に示すように、ハウジングは、第1及び第2の対向プレート32,42を含む。第1の対向プレート32は、外側面から凹まれた第1の載置溝33と、第1の載置溝33の底面から凹まれて第1の載置溝33と連通される第1の貫通溝34と、第1の対向プレート32の中心を基準として第1の載置溝33の反対側に位置する第1のソケット溝35と、を有する。第1の載置溝33は、前述した第1の配設溝14gと対応する位置に形成される。また、第1の載置溝33及び第1の貫通溝34は、後述する第2のソケット溝45と連通され、第1のソケット溝35は、後述する第2の載置溝43及び第2の貫通溝44と連通される。第1のソケット79は第1のソケット溝35に配設され、第2のソケット89は第2のソケット溝45に配設される。
【0055】
第2の対向プレート42は、外側面から凹まれた第2の載置溝43と、第2の載置溝43の底面から凹まれて第2の載置溝と連通される第2の貫通溝44と、第2の対向プレート42の中心を基準として第2の載置溝43の反対側に位置する第2のソケット溝45と、を有する。第2の載置溝43は、前述した第1の配設溝14gと対応する位置に形成される。
【0056】
第1のアイドラー131は、円形のリング状(円環形状)であり、第1の中空部313を有する。本実施例とは異なり、第1の中空部313は、半中空形であってもよい。第1の結合部材132は、第1のアイドラー131の第1の中空部313に挿入されて第1の対向プレート32に結合され、ボルト350が、第1の結合部材132の中心部に形成された中空部324を介して挿入され、第1の載置溝33の底面に形成された第1の締結溝332cに結合されてもよい。第1の結合部材132の最大直径は、第1のアイドラー131の中空部313の最大直径よりも大きく、第1のアイドラー131は、第1の結合部材132によって支持された状態で回転することができる。第1のアイドラー131は、外部からの駆動力の伝達を受けず、第1のホーン14が他の構造物に回転力を伝える場合に他の構造物を支持する役割を果たす。
【0057】
第1のアイドラー131は、円板311、及び円板311の内周面から突出した第1の係止突起312を備える。円板311は結合孔314を有してもよく、これにより他の構造物と結合されてもよい。
【0058】
第1の結合部材132は、中空部324を有し、外周面から中心部側に凹設された切開溝321を有する。また、第1の結合部材132は、円筒322、及び円筒322の外周面から外側半径方向に延長された離脱防止爪323を備える。第1の結合部材132は、第1のアイドラー131とは異なり回転せず、ケーブルが切開溝321を通過しても第1のアイドラー131の回転による影響を受けない。
【0059】
第2のアイドラー141は、円形のリング状(円環形状)であり、第2の中空部413を有する。本実施例とは異なり、第2の中空部413は、半中空形であってもよい。第2の結合部材142は、第2のアイドラー141の第2の中空部413に挿入されて第2の対向プレート42に結合され、ボルト450が、第2の結合部材142の中心部に形成された中空部424を介して挿入され、第2の載置溝43の底面に形成された第2の締結溝442cに結合されてもよい。第2の結合部材142の最大直径は、第2のアイドラー141の中空部413の最大直径よりも大きく、第2のアイドラー141は、第2の結合部材142によって支持された状態で回転することができる。第2のアイドラー141は、外部からの駆動力の伝達を受けず、第2のホーン24が他の構造物に回転力を伝える場合に他の構造物を支持する役割を果たす。
【0060】
第2のアイドラー141は、円板411、及び円板411の内周面から突出した第2の障害物基412を備える。円板411は結合孔414を有してもよく、これにより他の構造物と結合されてもよい。
【0061】
第2の結合部材142は、中空部424を有し、外周面から中心部側に凹設された切開溝421を有する。また、第2の結合部材142は、円筒422、及び円筒422の外周面から外側半径方向に延長された離脱防止爪423を備える。第2の結合部材142は、第2のアイドラー141とは異なり回転せず、ケーブルが切開溝421を通過しても第2のアイドラー141の回転による影響を受けない。
【0062】
図3に示したアイドラー及び結合部材が対向プレートに結合されると、ケーブルは、切開溝321,421及び貫通溝34,44を介して各ソケット79,89に連結され得、結合部材132,142がアイドラー131,141の回転による影響を受けないので、ケーブルも回転による影響を受けない。
【0063】
図14は、
図5に示した歯車列の他の実施例を概略的に示す図である。前述した
図5における歯車列は、
図14に示すように変更されてもよく、他にも多様に変形して所望の減速比及びトルクを得ることができる。
【0064】
図15は、出力歯車(または出力軸)が同じ高さに配設された場合、ヒンジフレームの回転変位を概略的に示す図であり、
図16は、出力歯車(または出力軸)が異なる高さに配設された場合、ヒンジフレームの回転変位を概略的に示す図である。
図15に示すように、出力歯車(または出力軸)が同じ高さに配設された場合、ヒンジフレームの変位角度は、他のヒンジフレームの状態によってかなり制限されて180度以上の変位を確保するのは難しい。一方、
図16に示すように、出力歯車(または出力軸)が異なる高さに配設された場合、ヒンジフレームの変位角度は、他のヒンジフレームの状態による制限が比較的少ないため、180度以上の変位を確保することができる。
【0065】
本発明を好ましい実施例を通じて詳細に説明したが、これとは異なる形態の実施例も可能である。したがって、以下に記載した請求項の技術的思想と範囲は、好ましい実施例に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、様々な形態の多軸アクチュエータ及び多関節ロボットに応用することができる。