(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記感圧ダイヤフラムは、前記感圧ダイヤフラムの厚さが1μm〜5μmで、前記ベース部の厚さが200μm〜500μmで、前記キャビティの直径が80μm〜300μmである一体の単層構造である、請求項1に記載のファブリーペローセンサ。
前記局所領域は、感圧ダイヤフラムのキャビティに近い部分の厚さ内にあり、あるいは、感圧ダイヤフラムのキャビティから離れる部分の厚さ内にある、請求項1に記載のファブリーペローセンサ。
前記感圧ダイヤフラムの前記ベース材料は、シリコンであり、且つ、前記ドーピング物質は、P、B、As、Al、Ga、Sb、Ge、O、Au、Fe、Cu、Ni、Zn、Mgから1つ又は複数選択される、請求項1に記載のファブリーペローセンサ。
前記光ファイバーはUV接着剤で光ファイバー受け部に固定されており、前記ファブリーペローセンサは、感圧ダイヤフラムの一方側に位置する第1反射膜、及び前記キャビティの底部に位置する第2反射膜をさらに備え、前記第1反射膜を形成する材料は、Cr、Ti、Au、Ag、TaN、Al2O3、Ta2O5から少なくとも一つ選択され、第2反射膜を形成する材料は、Cr、Ti、Au、Ag、TaN、Al2O3、Ta2O5から少なくとも一つ選択される、請求項1に記載のファブリーペローセンサ。
物質がドーピングされた感圧ダイヤフラムは、前記感圧ダイヤフラムの厚さが1μm〜5μmで、前記ベース部の厚さが200μm〜500μmで、前記応力が引張応力または圧縮応力である一体の単層構造である、請求項11に記載の方法。
前記局所領域は、1つ又は複数の略環状領域であってもよく、1つ又は複数の略円状領域であってもよく、且つ、前記感圧ダイヤフラム基材は、SOIウエハであってもよく、二酸化ケイ素層が形成されているシリコン基板であってもよい請求項11に記載の方法。
前記ステップ1は、感圧ダイヤフラム基材を洗浄して乾燥させるステップをさらに含み、前記ステップ2は、感圧ダイヤフラム基材にフォトレジストを塗布し、フォトレジストを部分的に除去してドーピングすべき前記局所領域を露出させるステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
光ファイバーセンサは、石油、航空、宇宙飛行、医療、海洋などのさまざまな産業で広く使用されており、且つ優れた性能を有し、たとえば過酷な環境への耐性、電磁放射への耐性、干渉防止、パッシブ防爆、小型で簡素の構造、広いダイナミックレンジ、準分布測定が実現可能や製造に使用される材料の量が少ないなどの利点がある。
【0003】
光ファイバーセンサは、2つの技術が主に知られている。その1つは、ファイバーグレーティングを圧力モデルに粘着し、圧力が加えられたモデルの変形を通じて圧力測定が実行されることであり、もう1つは、ファブリーペローキャビティ(FPキャビティと略称される)技術、すなわち、キャビティの長さの変化を通じて圧力又は温度を検知することである。後者の技術を採用した光ファイバーセンサは、光ファイバーファブリーペローセンサと呼ばれることもあるし、ファブリーペローセンサ、FPセンサなどと略称されることもあり、特に圧力センサとして好適である。
【0004】
特許US7689071B2には、圧力を測定するためのファブリーペローセンサが開示されている。
図1は、このような従来のファブリーペローセンサを例示的に示めしている。このファブリーペローセンサは、主にキャビティ1_5を備えたガラスベース部1_6と、このガラスベース部1_6に固定された単層の感圧ダイヤフラム1_4と、ガラスベース部1_6のキャビティの底部に設けられた第1反射鏡1_3と、感圧ダイヤフラム1_4の下面に設けられた第2反射鏡1_2と、光信号を伝導するための双方向光ファイバー1_1とを備える。第1反射鏡1_3、第2反射鏡1_2及びキャビティ1_5は、ファブリーペローキャビティを構成する。ファブリーペローキャビティの長さが圧力に対する陽関数であるため、感圧ダイヤフラム1_4に加えられる圧力は、ファブリーペローキャビティの長さを取得することによって取得される。
【0005】
上記のような単結晶薄膜構造を備えたファブリーペローセンサを採用する場合は、いくつかの問題がある。
図3に示すように、圧力が増加するに伴い感圧ダイヤフラムのズレ量の増加が大幅に減少され、すなわち、感圧ダイヤフラムのズレが加えられた圧力に対する非線形関数になってしまう。感圧ダイヤフラムのズレが圧力測定レンジにわたってこのような強い非線形性になるため、より高い圧力範囲では、ファブリーペローセンサの感度が制限される。
【0006】
上記のような技術的問題に対して、特許CN103534568Bには、バイアス圧力についての感度が最適化された、圧力を測定するためのファブリーペローセンサが開示されている。
図2は、上記特許CN103534568Bに開示されているファブリーペローセンサの部分模式図を示している。具体的には、該ファブリーペローセンサは、ベース部2_1とそれに装着された感圧ダイヤフラムとを備える。この感圧ダイヤフラムは、第1材料で構成された第1層2_2と、第2材料で構成され内部応力が含まれる第2層2_3とを含む。第2層2_3が第1層2_2に設置されることで、感圧ダイヤフラムを2層構造となるようにする。
【0007】
上記のような2層以上の複合膜構造を用いたファブリーペローセンサにも、いくつかの問題があり、このような問題は、以下を含むが、それらに制限されない。第1の問題には、線形な感度のあるセンサのセグメントを伸ばすように応力のある追加の構造層が使用されるため、感圧ダイヤフラムは、非単層構造である必要があり、その結果、構造が複雑化になる。第2の問題には、多層膜の場合は、単層膜の場合と比べて、膜厚の増加によるセンサ全体の感度が低下する。第3の問題には、多層膜材料自体の長期安定性もセンサの長期的性能に対して、包括的に影響する。第4の問題には、サイズが小さいため、上記特許の製造方法では、第2層を第1層に設置するために複雑なプロセスとステップが必要となり、その結果、センサの製造コストが高まる。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、従来のセンサの設計にある上記問題に鑑みてなされたものであり、従来のセンサの設計にある上記問題を回避できるとともに、後述する利点を有する新型ファブリーペローセンサを提供する。
【0009】
本発明は、ファブリーペローセンサであって、ベース部と、前記ベース部と感圧ダイヤフラムとの間に形成され、ベース部及び感圧ダイヤフラムにより密閉されたキャビティと、前記ベース部に固定され、1つ又は複数の局所領域を有する前記感圧ダイヤフラムであって、各局所領域が感圧ダイヤフラムのベース材料にドーピングされて応力を発生させるドーピング物質を有し、且ついずれの局所領域も感圧ダイヤフラムの厚さ方向の全体を貫通せず、前記応力の作用により波状構造となる感圧ダイヤフラムと、光信号を伝導することに用いられ、一端部がベース部の光ファイバー装着部に固定され、前記光ファイバー装着部がベース部の前記キャビティと対向する端部に位置する光ファイバーと、を備えるファブリーペローセンサを提供する。物質をドーピングすることで、センサの非線形を効果的に低減させ、さまざまな測定レンジへのセンサの適用性を高める。
【0010】
あるいは、前記感圧ダイヤフラムは一体の単層構造である。ドーピング法によりダイヤフラムを波状構造にすることで、従来技術による二層ダイヤフラム構造にある前述した多数の問題を回避するとともに、多層ダイヤフラム構造を構成するための複雑な工程を省略する。
【0011】
あるいは、前記感圧ダイヤフラムの厚さが1μm〜5μmである。あるいは、前記ベース部の厚さが200μm〜500μmである。あるいは、前記キャビティの直径が80μm〜300μmである。即ち、本発明で限定される技術案は、特にマイクロセンサに適している。
【0012】
あるいは、前記応力は引張応力である。あるいは、前記応力は圧縮応力である。
【0013】
あるいは、前記1つ又は複数の局所領域は感圧ダイヤフラムの中央位置にある略円状領域を含む。あるいは、前記1つ又は複数の局所領域は、感圧ダイヤフラムの中央位置を囲んでいる略環状領域を含む。
【0014】
あるいは、前記局所領域は、感圧ダイヤフラムのキャビティに近い部分の厚さ内にある。あるいは、前記局所領域は、感圧ダイヤフラムのキャビティから離れる部分の厚さ内にある。
【0015】
あるいは、異なる局所領域に異なるドーピング物質がドーピングされている。あるいは、同一の局所領域に異なるドーピング物質がドーピングされている。
【0016】
ドーピング法によりダイヤフラムに応力を集中させ、応力のタイプ及び集中された領域を合理的に設定することにより、最適で且つ合理的な波状構造を形成して、センサの性能を改善できる。
【0017】
あるいは、前記感圧ダイヤフラムの前記ベース材料はシリコンである。
【0018】
あるいは、前記ドーピング物質は、P、B、As、Al、Ga、Sb、Ge、O、Au、Fe、Cu、Ni、Zn、Mgから一つ又は複数選択される。
【0019】
あるいは、前記光ファイバーはUV接着剤で光ファイバー受け部に固定される。
【0020】
あるいは、前記ファブリーペローセンサは、第1反射膜と第2反射膜とをさらに備え、前記第1反射膜は感圧ダイヤフラムの一方側に位置し、第2反射膜は前記キャビティの底部に位置する。
【0021】
あるいは、前記第1反射膜を形成する材料は、Cr、Ti、Au、Ag、TaN、Al
2O
3、Ta
2O
5から少なくとも一つ選択され、前記第2反射膜を形成する材料は、Cr、Ti、Au、Ag、TaN、Al
2O
3、Ta
2O
5から少なくとも一つ選択される。
【0022】
あるいは、前記ベース部を形成する材料は、ガラス、単結晶シリコン、炭化ケイ素、サファイアから少なくとも一つ選択される。
【0023】
あるいは、前記キャビティは真空キャビティである。
【0024】
本発明は、感圧ダイヤフラムを製造する感圧ダイヤフラム基材を提供するステップ1と、1種又は複数種のドーピング物質を感圧ダイヤフラム基材の1つ又は複数の局所領域にドーピングして、いずれも感圧ダイヤフラムの厚さ方向の全体を貫通しない前記局所領域で応力を発生させるステップ2と、を含む感圧ダイヤフラムを製造するステップと、キャビティを有するベース部を製造するステップと、前記キャビティが感圧ダイヤフラム及びベース部により密閉されるように、感圧ダイヤフラムとベース部とを結合するステップと、を含む、ファブリーペローセンサの製造方法をさらに提供する。
【0025】
あるいは、物質がドーピングされた感圧ダイヤフラムは一体の単層構造である。
【0026】
あるいは、前記感圧ダイヤフラムの厚さが1μm〜5μm、前記ベース部の厚さが200μm〜500μmである。
【0027】
あるいは、前記応力は引張応力である。あるいは、前記応力は圧縮応力である。
【0028】
あるいは、ステップ2では、前記ドーピング物質と感圧ダイヤフラム基材を構成するベース材料とは、原子又は分子のレベルでドーピングされている。
【0029】
あるいは、前記局所領域は1つ又は複数の略環状領域である。あるいは、前記局所領域は1つ又は複数の略円状領域である。
【0030】
あるいは、前記感圧ダイヤフラム基材はSOIウエハである。
【0031】
あるいは、前記感圧ダイヤフラム基材は、二酸化ケイ素層が形成されているシリコン基板である。
【0032】
あるいは、前記ステップ1は、感圧ダイヤフラム基材を洗浄して乾燥させるステップをさらに含む。
【0033】
あるいは、前記ステップ2は、感圧ダイヤフラム基材にフォトレジストを塗布し、フォトレジストを部分的に除去してドーピングすべき前記局所領域を露出させるステップをさらに含む。
【0034】
あるいは、ステップ2では、ドーピングは高温拡散方式で行われる。
【0035】
あるいは、前記高温拡散は、高温で高濃度ホウ素拡散を行うことである。
【0036】
あるいは、ステップ2では、ドーピングはイオン注入で行われる。
【0037】
あるいは、前記イオン注入には、注入イオンはB、P、Asから一つ又は複数選択される。
【0038】
あるいは、感圧ダイヤフラムを製造するステップは、ドーピング後、感圧ダイヤフラムを洗浄して感圧ダイヤフラムの表面における不純物を除去するステップ3と、洗浄した感圧ダイヤフラムをアニーリングするステップ4と、をさらに含む。
【0039】
あるいは、感圧ダイヤフラムを製造するステップは、蒸発法、スパッタリング法、化学気相堆積法、電気化学法、エピタキシャル成長法のうち一つを利用して、第1反射膜を感圧ダイヤフラムの一方側に形成するステップ5をさらに含む。
【0040】
あるいは、感圧ダイヤフラムを真空環境でベース部に結合する。
【0041】
あるいは、ベース部を製造するステップは、ベース部にマスクを成長させるステップと、マスクにフォトレジストを塗布するステップと、一部のマスクを露出させるようにフォトレジストを部分的に除去するステップと、一部のベース部を露出させるように露出させたマスクを除去するステップと、前記キャビティを形成するように露出させたベース部をエッチングするステップと、を含む。
【0042】
あるいは、ベース部を製造するステップは、キャビティの底部に第2反射膜を形成するステップをさらに含む。
【0043】
あるいは、ベース部を製造するステップは、前記キャビティの底部に光ファイバー受け部を形成するステップをさらに含む。
【0044】
あるいは、方法は、UV接着剤によって光ファイバーをベース部の光ファイバー受け部に装着するステップをさらに含む。
【0045】
あるいは、方法は、感圧ダイヤフラムをベース部に結合した後、SOIの厚いシリコン層と二酸化ケイ素層を除去するステップをさらに含む。
【0046】
あるいは、方法は、ファブリーペローセンサを複数形成するように結合された感圧ダイヤフラムとベース部を切断するステップをさらに含む。
【0047】
以下、本発明の特徴及び利点を容易に理解できるように、図面を参照しながら本発明を実施するための最適な実施例を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
本発明の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下、本発明の実施例の図面を簡単に説明する。図面は、本発明のいくつかの実施例を示すために使用され、本発明のすべての実施例をこれに限定するものではない。
【
図1】
図1は、従来技術によるファブリーペローセンサの横断面模式図である。
【
図2】
図2は、従来技術による別のファブリーペローセンサの部分模式図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すファブリーペローセンサを用いる場合、圧力とセンサの感度との関係のグラフである。
【
図4】
図4は、従来のファブリーペローセンサを用いた場合に計測したグラフと比較して示される、本発明によるファブリーペローセンサを用いる場合の圧力とセンサの感度との関係のグラフである。
【
図5A】
図5Aは、本発明によるファブリーペローセンサの横断面図である。
【
図5B】
図5Bは、該ファブリーペローセンサの2つの異なる構造の正面図及び上面図である。
【
図6A】
図6A及び6Bは、ファブリーペローセンサの感圧ダイヤフラムの中央部に物質をドーピングした場合の模式図である。
【
図6B】
図6A及び6Bは、ファブリーペローセンサの感圧ダイヤフラムの中央部に物質をドーピングした場合の模式図である。
【
図7A】
図7A及び7Bは、本発明によるファブリーペローセンサの一実施例の横断面図であり、外圧が異なる場合、該ファブリーペローセンサの感圧ダイヤフラムにおける物質がドーピングされていない領域と物質がドーピングされた領域との変形の模式図である。
【
図7B】
図7A及び7Bは、本発明によるファブリーペローセンサの一実施例の横断面図であり、外圧が異なる場合、該ファブリーペローセンサの感圧ダイヤフラムにおける物質がドーピングされていない領域と物質がドーピングされた領域との変形の模式図である。
【
図8】
図8は、ファブリーペローセンサのベース部の加工手順の模式図である。
【
図9】
図9は、ファブリーペローセンサの感圧ダイヤフラムの加工工程の模式図である。
【
図10】
図10は、ベース部と感圧ダイヤフラムとを真空下結合した場合の模式図である。
【
図11】
図11は、キャビティが感圧ダイヤフラム内に形成されている、本発明によるファブリーペローセンサの一実施例である。
【
図12A】
図12A及び12Bは、感圧ダイヤフラムの一方側に浅い円状領域内で物質がドーピングされている、本発明によるファブリーペローセンサの2つの実施例である。
【
図12B】
図12A及び12Bは、感圧ダイヤフラムの一方側に浅い円状領域内で物質がドーピングされている、本発明によるファブリーペローセンサの2つの実施例である。
【
図13A】
図13A及び13Bは、感圧ダイヤフラムの一方側に浅い環状領域内で物質がドーピングされている、本発明によるファブリーペローセンサの2つの実施例である。
【
図13B】
図13A及び13Bは、感圧ダイヤフラムの一方側に浅い環状領域内で物質がドーピングされている、本発明によるファブリーペローセンサの2つの実施例である。
【
図14A】
図14A及び14Bは、同心となる円状領域と環状領域とに異なる物質がドーピングされている、本発明によるファブリーペローセンサの2つの実施例である
【
図14B】
図14A及び14Bは、同心となる円状領域と環状領域とに異なる物質がドーピングされている、本発明によるファブリーペローセンサの2つの実施例である
【
図15】
図15は、感圧ダイヤフラムの両側に応力が反対となる物質がドーピングされている、本発明によるファブリーペローセンサの一実施例である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明の技術案の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、本発明の実施例の図面を参照しながら本発明の実施例の技術案を明確かつ完全に説明する。図中、同じ部材には、同じ符号が付されている。なお、説明される実施例は、本発明の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。説明される実施例に基づいて創造的な努力を必要とせずに当業者によって得られる他の実施例はすべて、本発明の特許範囲に属する。
【0050】
特に定義されていない限り、ここで使用される技術用語又は科学用語は、当業者によって理解される通常の意味を持つものである。本発明の特許出願明細書及び特許請求の範囲で使用される「第1」、「第2」などのような用語は、順序、数量又は重要性を示さず、異なる構成要素を区別するためにのみ使用される。同様に、「1つ」又は「一」などのような用語は、必ずしも数量を制限するものではない。「含む」又は「備える」などのような用語は、この用語の前に記載される要素又は部品が、この用語の後に挙げられている要素又は部品及びその同等物をカバーするが、他の要素又は部品を除外しないことを意味する。「接続」又は「連結」などのような用語は、物理的又は機械的接続に限定されず、直接又は間接にかかわらず、電気的接続を含みうる。「上」、「下」、「左」、「右」などは、相対的な位置関係を示すためにのみ使用され、説明される対象の絶対位置が変化すると、該相対的な位置関係もその分変化する場合がある。
【0051】
文脈から具体的な規定又は明確な説明がない限り、本明細書で使用される「略」という用語は、本分野における通常の許容範囲内であると理解されるべきである。文脈から特に明記されていない限り、本明細書で提供されるすべての数値は、「略」という用語によって補正されうる。
【0052】
(1)ファブリーペローセンサの構造について
図5A、
図5B及び
図10は、本発明によるファブリーペローセンサ11の模式図を示している。概して、ファブリーペローセンサ11は、主に、ベース部6と、前記ベース部6に固定される感圧ダイヤフラム4と、前記ベース部6と前記感圧ダイヤフラムとの間に形成されそれらにより密閉されたキャビティ5と、感圧ダイヤフラム4及びベース部6にそれぞれ位置する第1反射膜2及び第2反射膜3と、前記ベース部6に固定され且つ光信号を伝導することに用いられる光ファイバー1と、を備える。前記キャビティ5は、ファブリーペローキャビティと呼ばれてもよい。
図5A、
図5B及び
図10を例とする好適な実施例では、前記キャビティ5はベース部6内に設置されている。代替例として、
図11に示す実施例では、前記キャビティ5が感圧ダイヤフラム4内に加工されてもよい。通常、キャビティ5は真空状態に形成されている。キャビティは、
図5Bに示すように、横断面が円状であるキャビティとしてもよいが、それに制限されない。
【0053】
本発明は、主に、たとえば前記感圧ダイヤフラムの厚さが1μm〜5μm、前記ベース部の厚さ(
図5Bには、Hで示される)が200μm〜500μmでありうるマイクロセンサと実施される。円状キャビティとされる場合、その直径が80μm〜300μmでありうる。
【0054】
前記ベース部6は、良好な光伝導性を実現するように、好ましくはガラスで構成されるが、たとえば単結晶シリコン、炭化ケイ素、サファイアなどを含むがそれらに制限されないほかの材料が採用されてもよい。ベース部6は、
図5Aに示すように、光ファイバー受け部15を備える。
【0055】
前記第1反射膜2及び前記第2反射膜3は、Cr、Ti、Au、Ag、TaN、Al
2O
3、Ta
2O
5、誘電体膜などを採用してもよいが、それらに制限されない。第1反射膜2は、感圧ダイヤフラム4に設置されており、感圧ダイヤフラム4のキャビティ5に近い側に設置されてもよく、感圧ダイヤフラム4のキャビティ5から離れる側に設置されてもよい。第2反射膜3は、キャビティ5の底部に設置されている。
【0056】
前記光ファイバー1は、光ファイバー受け部15においてベース部6に固定されており、マルチモード石英光ファイバー1を採用してもよいが、それに制限されない。好ましくは、光ファイバー1は、UV接着剤7によって固定される。UV接着剤7は、粘着及び光伝導の機能を兼ねて備えることにより、固定作用に加えて、良好な光伝導性が確保される。
【0057】
感圧ダイヤフラム4は、圧力の変化に伴い、ベース部6に接近又は離間するように変形することにより、キャビティ5の長さ及び第1反射膜2と第2反射膜3との間隔を変えて、圧力を検知することができる。具体的には、圧力を計測する際に、計測光が光ファイバー1から導入される。一部の計測光は第1反射膜2によって反射信号を発生させ、残りの計測光は第2反射膜3によって反射されて第1反射膜2に戻り、第1反射膜2の下面で重なる。外圧の変化により感圧ダイヤフラム4が変形してキャビティ5の長さを変えることで、光路差を変える。光ファイバー1を経由して伝達されてきた光信号を検出して復調することで、感圧ダイヤフラム4の変形の大きさを取得できる。
【0058】
前記のように、
図1に示す従来のファブリーペローセンサの設計では、感圧ダイヤフラム4の変形は、特に感圧ダイヤフラム4の厚さが小さい、又は圧力測定レンジが大きい場合、非常に著しい非線形を示す。該特性により、センサ性能の向上及び用途が制限されてしまう。
図2に示す従来のファブリーペローセンサの設計では、非線形がある程度改善されるが、第2層の追加が必要となる。その結果、感圧ダイヤフラム構造が複雑化になり、製造の難しさが高まり、全体的な感度が低下し、寿命が低減する多くの問題が生じる。
【0059】
本発明は、
図1に示す従来のファブリーペローセンサにある深刻な非線形の問題を改善し、また、
図2に示す従来のファブリーペローセンサのように構造、感度や加工方法などの性能を犠牲にすることを回避するために、新しいセンサの設計及び製造方法を提案しており、物質をドーピングする方法によって感圧ダイヤフラム4の局所に応力集中領域を形成することで、単層の感圧ダイヤフラムの構造を変えずにセンサの非線形を低下させるという目的を達成させる。以下、応力集中領域を有する感圧ダイヤフラム4について詳しく説明する。
【0060】
感圧ダイヤフラム4は、ベース材料を含み、且つ、1つ又は複数の局所領域8を有する。各局所領域8は感圧ダイヤフラム4のベース材料にドーピングされて応力を発生させるドーピング物質を有し、いずれの局所領域8も感圧ダイヤフラム4の厚さ方向の全体を貫通しない。前記感圧ダイヤフラム4は、前記応力の作用により波状構造となる。ドーピングされた材料がダイヤフラムの単層構造を変えないため、感圧ダイヤフラム4は、一体の単層構造のままである。このようにして、従来技術の二層ダイヤフラム構造による前述した多数の問題を回避することができ、また、二層ダイヤフラム構造を構成するための複雑な工程を省略することができる。物質がドーピングされた前記局所領域8は、ドーピング領域とも呼ばれる。
【0061】
前記ドーピング領域には、ドーピングにより内部応力が生じる。感圧ダイヤフラム4は、該内部応力により
図12A−15に示す平坦ではない波状となり、少なくとも感圧ダイヤフラムの中央位置にある1つの山部と、該山部から径方向において離間した1つの環状谷部とを有する。
図12A−15に示す実施例では、感圧ダイヤフラムには、いずれも中央位置で上(即ちベース部から離れる)へ膨出して山部が形成されているが、中央位置で下(即ちベース部に向かう)へ膨出して谷部が形成されてもよい。すなわち、感圧ダイヤフラムは、中央位置にある1つの谷部と、該谷部から径方向において離間した1つの環状山部とを有してもよい。さらに、感圧ダイヤフラム4には、山部と谷部とが複数形成されてもよい。
【0062】
試験したところ、局所領域にドーピングされるによる波状感圧ダイヤフラムは、二層構造のダイヤフラムに比べて、圧力の変化に伴う線形性がより良好であることがわかる。理論的な根拠がないであるが、試験結果を分析したところ、理由として、まず単層ダイヤフラムには最適化された波状形状があると考えられる。従来技術の二層構造のように応力をダイヤフラムの表面に印加するのではなく、ドーピングで応力を感圧ダイヤフラムの内部へ注入して、ダイヤフラム自体の波状変形の形状がより制御されやすくなり、その結果、より最適化された合理的な波状構造がより容易に形成される一方、追加の層構造がないため、追加の層構造による制限又は影響が波状構造に与えなくなり、すなわち、最適化された波状構造へ悪影響を与える要素をなくす。また、別の理由としては、二層構造による感圧ダイヤフラムの構造上のばらつきにより特定のダイヤフラム位置の状態でダイヤフラムの圧力へのさらなる応答を損なう観点から、本発明は上記問題を解決するので、性能が改善された。
【0063】
局所の応力を放出するときにダイヤフラムが
図12A−15に示す波状構造を形成するために、前記局所領域8は、感圧ダイヤフラム4の厚さ方向の全体を貫通しないようにする。具体的には、前記局所領域は、感圧ダイヤフラム4のキャビティ5に近い部分の厚さ内にあるか、又は感圧ダイヤフラム4のキャビティ5から離れる部分の厚さ内にあるが、感圧ダイヤフラム4の全体を貫通しない。
【0064】
ダイヤフラムの波状構造及びそれによる応力効果のため、同じ力を受ける場合、感圧ダイヤフラム4の非線形特性が改善される。
図7Aに示すように、外圧が小さい場合、感圧ダイヤフラム4では、物質がドーピングされていない領域の変形は大きく、物質がドーピングされた領域の変形は小さい。
図7Bに示すように、外圧が大きい場合、感圧ダイヤフラム4では、物質がドーピングされていない領域の変形は小さく、物質がドーピングされた領域の変形は大きい。感圧ダイヤフラム4全体の変形変位はそれらを複合した結果であり、それにより、感度の非線形を改善できる。
図4に示すように、破線は、本発明のファブリーペローセンサを用いる場合の感度の変化であり、応力のないファブリーペローセンサの場合に比べて、非線形が明らかに低下している。
【0065】
感圧ダイヤフラム4を構成するベース材料は、単結晶シリコンを含むが、それらに制限されない。前記ドーピング材料は、P、B、As、Al、Ga、Sb、Ge、O、Au、Fe、Cu、Ni、Zn、Mgを含み、好ましくはホウ素である。ドーピング材料は、半導体材料の格子における位置に応じて、置換型と侵入型とに分類される。そのうち、置換型ドーピング材料として、P、B、As、Al、Ga、Sb、Geなどが挙げられ、侵入型ドーピング材料として、O、Au、Fe、Cu、Ni、Zn、Mgなどが挙げられる。
【0066】
ドーピングする際には、
図6A−Bに示すように、ドーピング物質と感圧ダイヤフラム基材を構成するベース材料とが原子又は分子のレベルでドーピングされている。利用可能なドーピング方式には、侵入型ドーピング、直接置換型ドーピング、空孔ドーピング、準格子間ドーピング、キックアウト(kick−out)ドーピングやFrank−Turnbull式ドーピングがある。好ましくは、空孔ドーピング又は準格子間ドーピングが使用される。空孔拡散は、
図6Aに示されるように、ドーピング材料の分子又は原子9がベース材料の分子又は原子10の空孔で移動し、空孔拡散に必要な活性化エネルギーが小さいので、実施されやすい。準格子間拡散は、
図6Bに示されるように、ドーピング材料の分子又は原子9が格子の位置を占め、当該格子の位置にあるベース材料の分子又は原子10を侵入位置に移動させられて自己侵入分子又は原子となる。ドーピング領域には、分子又は原子間の作用力により前記応力を発生させる。前記応力は、引張応力であってもよいし、圧縮応力であってもよい。応力の大きさは、格子のミスマッチ程度、及びドーピングされた物質の濃度に依存する。
【0067】
上記原理をもとに、ドーピング領域の位置及び応力の種類は適宜選択される。ドーピング領域は、感圧ダイヤフラム4の中央位置にある略円状領域、又は感圧ダイヤフラム4の中央位置を囲んでいる略環状領域、又は1つ又は複数の同心となる円状領域と環状領域の両方であってもよい。実現可能な実施例では、異なるドーピング領域に異なるドーピング材料、又は同一のドーピング領域に異なるドーピング材料があるようにしてもよい。
【0068】
図12A−15は、ファブリーペローセンサの複数の実現可能な実施例を示している。
【0069】
図12Aに示すように、感圧ダイヤフラム4の中央位置にある円状領域には、引張応力を発生させる物質がドーピングされており、該円状領域は、感圧ダイヤフラム4の上部に位置し、感圧ダイヤフラム4の厚さ方向の全体を貫通していない。
図12Bに示すように、ファブリーペローセンサの感圧ダイヤフラム4の円状領域には、圧縮応力を発生させる物質がドーピングされており、該円状領域は、感圧ダイヤフラム4の下部に位置し、感圧ダイヤフラム4の厚さ方向の全体を貫通していない。
【0070】
図13Aに示すように、ファブリーペローセンサの感圧ダイヤフラム4の環状領域には、圧縮応力を発生させる物質がドーピングされており、該環状領域は、感圧ダイヤフラム4の上部に位置し、感圧ダイヤフラム4の厚さ方向の全体を貫通していない。
図13Bに示すように、ファブリーペローセンサの感圧ダイヤフラム4の環状領域には、引張応力を発生させる物質がドーピングされており、該環状領域は、感圧ダイヤフラム4の下部に位置し、感圧ダイヤフラム4の厚さ方向の全体を貫通していない。
【0071】
図14A−Bに示すように、円状領域と環状領域には異なる物質がドーピングされている。
図14Aには、ファブリーペローセンサの感圧ダイヤフラム4の下部にある円状領域には、圧縮応力を発生させる物質がドーピングされており、感圧ダイヤフラム4の上部にある環状領域には、圧縮応力を発生させる物質がドーピングされている。
図14Bには、ファブリーペローセンサの感圧ダイヤフラム4の上部にある円状領域には、引張応力を発生させる物質がドーピングされており、感圧ダイヤフラム4の下部にある環状領域には、引張応力を発生させる物質がドーピングされている。
【0072】
図15に示すように、感圧ダイヤフラム4の円状領域の上部には引張応力を発生させる物質がドーピングされ、下部には圧縮応力を発生させる物質がドーピングされており、上下の2つの領域の合力によりダイヤフラムの中央部を上へ膨出する力を発生させる。
【0073】
物質をドーピングすることにより形成された上記ファブリーペローセンサは、多数のメリットを有し、例えば、物質をドーピングすることによりセンサの非線形を効果的に低減させてセンサのさまざまな測定レンジへの適用性を向上させること、センサの非線形を低減させるとともにセンサダイヤフラムの単層構造を維持して従来技術の二層構造に起因する上記多数の問題を回避すること、また、ドーピングによって応力が感圧ダイヤフラムの内部に印加されるため、さらに最適化された波状変形を実現してさらに非線形を低減させることが挙げられるが、これらに制限されない。さらに、上記ファブリーペローセンサは、製造方法の点でもメリットがある。以下、詳しく説明する。
【0074】
2)ファブリーペローセンサの製造方法について
図8〜
図9は、本発明の前記ファブリーペローセンサ11を製造するための好ましい方法のいくつかのステップを示している。ファブリーペローセンサ11の製造には、主に、ベース部6の製造、感圧ダイヤフラム4の製造、ベース部6と感圧ダイヤフラム4との結合、切断、光ファイバー1の装着などのステップが含まれ、以下、それぞれ詳しく説明する。
【0075】
なお、以下に記載のステップは、本発明の前記センサを製造する好ましいステップであり、必ずしも必須なステップではない。以下の記載に基づき、当業者が具体的な状況に応じて、ある特定の操作を変更又は省略したり、ある特定の操作を追加したり、1つ又は複数の操作ステップの順番を調整したりすることができる。
【0076】
2.1 感圧ダイヤフラムの製造
ステップ1では、感圧ダイヤフラム4を製造する感圧ダイヤフラム基材を提供する。該感圧ダイヤフラム基材は、最終的に感圧ダイヤフラム4の本体部となる。通常、複数の感圧ダイヤフラム又は複数のセンサを一括して製造することができ、つまり、該感圧ダイヤフラム基材は切断されて複数の感圧ダイヤフラムとなる。
【0077】
好ましくは、感圧ダイヤフラム基材として絶縁シリコン(SOI)ウエハが使用される。前記SOIウエハは、薄いシリコン基板12(感圧ダイヤフラム4の本体部)、二酸化ケイ素層16及び厚いシリコン層17(又はハンドル層とも呼ばれる)をサーマルボンディングして構成され、さまざまな厚さのシリコン基板を有するSOIウエハが市販品として入手できる。
【0078】
代替例として、感圧ダイヤフラム基材は、酸化ケイ素又は二酸化ケイ素層が形成されているシリコン基板を用いてもよい。具体的には、シリコン基板を洗浄した後、熱酸化成長によりシリコン基板に二酸化ケイ素層を形成する。ここで、前記熱酸化プロセスは、乾式酸素酸化、水蒸気酸化、湿式酸素酸化、H
2とO
2加熱酸化、RTOなどを使用できるが、それらに制限されない。
【0079】
以下、主にSOIウエハを用いて感圧ダイヤフラム4を製造する場合を例にして説明する。
【0080】
該ステップ1は、SOIウエハを洗浄して、ウエハ表面における不純物を除去するステップを含み得る。SOIウエハの洗浄ステップは、H
2SO
4:H
2O=4:1の混合溶液で120℃の洗浄温度で10min洗浄して表面の有機物を除去するステップ、NH
4OH(28%):H
2O
2(30%):H
2O=1:1:5の混合溶液で表面の埃を80℃の洗浄温度で10min除去するステップ、HCl:H
2O
2:H
2O=1:1:6の混合溶液で表面の金属イオンを80℃の洗浄温度で10min除去するステップ、及びHF:H
2O=1:50の混合溶液で表面の酸化層を室温の洗浄温度で除去するステップのうち1つ又は複数を含み得る。
【0081】
洗浄終了後、SOIウエハを乾燥させる。好ましくは、100℃で10分間プレベークする。
【0082】
ステップ2では、感圧ダイヤフラム基材の局所領域に物質をドーピングして、前記局所領域で応力を発生させる。
【0083】
該ステップ2では、具体的には、SOIウエハにフォトレジスト14をスピンコーティングし、フォトレジスト14にパターニング操作を行って、
図9に示すように、フォトレジストを部分的に除去して物質をドーピングすべき局所領域を露出させる。具体的には、まず、研磨により厚いシリコン層17の一部の厚さを除去し、次にEDP溶液で化学エッチングし、第1エッチングセルフストップ層とする二酸化ケイ素層16までエッチングされると、エッチングレートを10000倍以上減少させる。二酸化ケイ素層16は、緩衝HF溶液でエッチングして除去される。HF溶液でのシリコンのエッチングレートが二酸化ケイ素よりも10000倍低いため、シリコン基板12(最終的に感圧ダイヤフラム4となる)はHF溶液にエッチングされず、その結果、
図9に示すように、物質をドーピングすべき局所領域を露出させる。該感圧ダイヤフラム基材が最終的には1つの感圧ダイヤフラムとなる場合、局所領域は、ドーピング及び最終的なダイヤフラムの波状構造の形成のため、1つの略円状領域、1つの略環状領域、又は同心となる円状領域と環状領域の組み合わせのみを含んでもよい。該感圧ダイヤフラム基材が最終的には切断されて複数の感圧ダイヤフラムとなる場合、該ステップでは、該感圧ダイヤフラム基材において互いに間隔を空けた複数の局所領域/局所領域の組み合わせが形成されて、最終的に複数の波状領域の形成に用いられる。前記複数の波状領域は、最終的に異なる感圧ダイヤフラムに含まれるように切断される。
【0084】
あるいは、感圧ダイヤフラム4の厚さを研磨により正確に制御することもできる。
【0085】
次に、露出させた領域へ物質をドーピングする。ドーピングには、高温拡散法、イオン注入法が使用され得るが、それらに制限されない。
【0086】
高温拡散法では、固体源拡散(たとえばBN)、液体源拡散(たとえばB、P)、気体源拡散、急速気相拡散、気体浸入レーザー拡散などが使用され得るが、これらに制限されず、拡散源は、P、B、As、Al、Ga、Sb、Ge、O、Au、Fe、Cu、Ni、Zn、Mgを使用できるが、これらに制限されない。好ましい実施例では、高濃度ホウ素拡散又はリン拡散が使用される。拡散プロセスにおける拡散温度、拡散濃度、アニーリング温度などのパラメータは、ファブリーペローセンサの感度に影響を与え、好ましくは、高濃度ホウ素拡散では、拡散温度は900℃〜1200℃であり、拡散後の濃度は10
17〜10
21/cm
3であり、リン拡散では、拡散温度は900℃〜1200℃であり、拡散後の濃度は10
18〜5*10
21/cm
3である。シリコン基板12の場合、マスク及びリソグラフィー、現像などのプロセスを直接使用してドーピングすることもできる。
【0087】
イオン注入では、注入イオンとして、B、P、Asが使用され得るが、それらに制限されず、イオン源として、BF
3、PH
3、AsH
3などが使用され得るが、それらに制限されない。
【0088】
前記のとおり、ドーピングは、感圧ダイヤフラム4の一部の厚さ内で行われる。ドーピング材料に応じて、感圧ダイヤフラム4基材の局所領域8で形成される応力は引張応力又は圧縮応力でありうる。
【0089】
ステップ3では、ドーピング後、感圧ダイヤフラム4を洗浄して、感圧ダイヤフラム4の表面の不純物を除去する。前記洗浄は、上記ステップ1での方法を利用して行われる。
【0090】
ステップ4では、洗浄した感圧ダイヤフラム4をアニーリングして、イオン注入などのドーピングプロセスによる感圧ダイヤフラム4の損傷を取り除き、シリコン格子を元の完璧な結晶構造に回復させるとともに、物質が電気活性位置、即ち置換位置に入るようにする。高温アニーリングとして、熱アニーリング、急速熱処理、急速アニーリングなどが使用され得るが、これらに制限されない。熱アニーリングの温度は、400℃〜1000℃程度、急速アニーリングの温度は600℃〜1100℃程度である。
【0091】
ステップ5では、
図9に示すように、キャビティ5を形成し光学反射信号を得て干渉を形成するように、物質がドーピングされた感圧ダイヤフラム4の底部に反射膜2を成長させる。また、それにより、感圧ダイヤフラム4の内外面での共振キャビティの形成を回避できる。反射膜2の成長方法として、蒸発法、スパッタリング法、化学気相堆積法、電気化学法、エピタキシャル成長法などが使用され得るが、それらに制限されない。この反射膜2は、できるだけ薄くし、発生させる応力による影響をできるだけ低減させ、金属層であってもよく、Cr、Ti、Au、Ag、TaN、Al
2O
3、Ta
2O
5、誘電体膜などを利用できるが、それらに制限されない。この反射膜は高反射率を有する。
【0092】
2.2 ベース部の製造
ステップ1では、未処理ベース部を提供する。複数のセンサを一括して製造する場合、提供される未処理ベース部は、最終的には切断されて複数のベース部6となる。ベース部は、好ましくはその厚さが200−500μmである。ベース部6を洗浄して基板の表面の不純物を除去する。洗浄には、H
2SO
4:H
2O=4:1の混合溶液で表面の有機物を、120℃の洗浄温度で10min除去してもよい。洗浄終了後、100℃でベース部6を10minプレベークして乾燥させる。
【0093】
ステップ2では、
図8に示すように、ベース部6にはマスク13を成長させる。マスク13の成長方法には、蒸発法、スパッタリング法、化学気相堆積法、電気化学法、エピタキシャル成長法などが使用され得るが、それらに制限されない。該マスク13には、Au、Ag、Cr、Ti、Cu、W、TiN、TaN、Si
3N
4、SiON、SiGe、金属合金から一つ又は複数の組み合わせが使用され得るが、それらに制限されない。好ましくは、ベース部6には厚さが1000オングストロームであるクロム金属マスク13を成長させる。
【0094】
ステップ3では、
図8に示すように、マスク13にフォトレジスト14をスピンコーティングし、当業者に公知の露光、現像技術により、フォトレジスト14を部分的に除去して、特定の形状を有する露出領域を形成する。キャビティ5の直径がさまざまな寸法であり得るが、直径が約80−300μmのキャビティ5が好ましく、このようにして、感圧ダイヤフラム4の良好な反射を確保するだけでなく、センサに良好な機械的特性を付与することができる。フォトレジスト14が部分的に除去されると、露出させたマスク13をHClとグリセリンとからなるクロムエッチング溶液で除去し、露出させたマスク13を除去すると、ベース部6の一部を露出させる。
【0095】
ステップ4では、
図8に示すように、ベース部6をエッチングしてキャビティ5を形成する。エッチングとしては、ウェットエッチング、ドライエッチングが使用され得るが、これらに制限されない。ウェットエッチングの化学溶液は、HF、BOE溶液を使用できるが、これらに制限されない。ドライエッチングは、スパッタリンググ及びイオンミリング、プラズマエッチング、反応性イオンエッチング、HDP、ICP、ALE、ICP−RIE、HWP、ECRを使用できるが、これらに制限されず、スパッタリング及びイオンミリングには、不活性ガス(たとえばAr)を使用できるが、これらに制限されず、プラズマエッチングには、フルオロカーボン(たとえばCF
4、CHF
3、C
2F
6、C
3F
8等)を使用できるが、これらに制限されない。この例では、好ましくは、緩衝HF溶液で直径80〜300μm、深さ19μm程度のキャビティ5がエッチングされる。緩衝HF溶液は、3mlの水、及び4:1の配合比の2gのNH
4F混合溶液と48%のHF溶液を混合したものである。ベース部6内のキャビティ5の長さは、光干渉強度の要件を満たすために、所定の範囲に制御されるべきである。複数のセンサを一括して製造する場合、ベース部には複数のキャビティ5が形成され、最後に切断されると、ベース部ごとに1つだけのキャビティがある。
【0096】
ステップ5では、
図8に示すように、より良好な光学コントラストの信号を得るために、キャビティ5の底部に反射膜3をキャビティ5の第1反射鏡として成長させる。反射膜3の成長方法には、蒸発法、スパッタリング法、化学気相堆積法、電気化学法、エピタキシャル成長法などが使用され得るが、それらに制限されない。該第1反射鏡3の材料は、さまざまな酸化物であってもよく、Au、Ag、Cr、TaN、Al
2O
3、Ta
2O
5、誘電体膜等などを使用できるが、それらに制限されない。
【0097】
ステップ6では、反射膜3を成長させた後、H
2SO
4:H
2O=4:1の混合溶液でベース部6の表面の有機物を、好ましくは120℃の洗浄温度で10分間洗浄して除去する。洗浄終了後、ベース部6を100℃で10minプレベークすることで乾燥させる。
【0098】
ステップ7では、光ファイバー1のアラインメント及び固定のし易さから、ベース部6の底部に光ファイバー受け部15を形成する。光ファイバー受け部15の形成方式として、レーザー加工、ウェットエッチング、ドライエッチング、機械的掘削が使用され得るが、それらに制限されない。光ファイバー受け部15の夾角は15°より大きいようにしてもよい。代替例として、より高い粘着強度を得るために、孔開け方式の代わりに、光ファイバー1との接触面積を大きくするガラスキャピラリーを粘着材料として使用してもよい。
【0099】
2.3 感圧ダイヤフラム4とベース部6との結合
上記ステップに従って感圧ダイヤフラム4とベース部6との初期の製造が完了した後、感圧ダイヤフラム4とベース部6とを結合する。具体的には、下記ステップを含み得る。
【0100】
ステップ1では、製造された感圧ダイヤフラム4とベース部6とを真空環境で結合する。感圧ダイヤフラム4とベース部6とがアラインメントされて、キャビティ5を感圧ダイヤフラム4とベース部6とにより密閉されるようにする。結合方式としては、低温真空静電気によるボンディング、ガラスペーストによるボンディング、陽極ボンディング、金属拡散ボンディング、金属共晶ボンディング、ポリマー接着剤によるボンディング、プラズマボンディングなどが使用され得るが、それらに制限されない。この例では、好ましくは、低温真空静電気によるボンディング又は陽極ボンディングが使用される。
【0101】
ステップ2では、SOIの厚いシリコン層17と二酸化ケイ素層16を除去する。具体的には、水素化カリウム又はTMAHを用いて厚いシリコン層17をエッチングし、次にフッ化水素酸を用いて二酸化ケイ素層16をエッチングする。厚いシリコン層17と二酸化ケイ素層16が除去されると、感圧ダイヤフラムは波状構造となる。
【0102】
2.4 切断
複数のセンサを一括して製造する場合、結合された感圧ダイヤフラムとベース部とを切断する必要がある。
図5Bに示すように、切断形態には、四角形、六角形又は八角形に切断されるなどが含まれる。あるいは、紫外線193nmレーザーを用いてレーザー切断を行い、円状片にするようにしてもよい。
【0103】
2.5 光ファイバーの装着
光ファイバー1をベース部6の光ファイバー受け部15にアラインメントさせて固定する。好ましくは、UV接着剤7による粘着固定方式で光ファイバー1を固定する。前記固定方式には、ガラスはんだ粘着、電磁加熱、レーザー加熱、レーザー溶接が使用され得るが、それらに制限されない。
【0104】
上記方法は、多数のメリットを有する。メリットは、以下を含むが、それらに制限されない。
【0105】
複数のセンサを一括して製造できるため、製造コストを低下させること、
センサ製品の一貫性が良好であること、
感圧ダイヤフラムに物質をドーピングすることにより、センサの最適化された構造を確保するとともに、センサの非線形を低減させ、さまざまな測定レンジへのセンサの適用性を向上させること、及び、
ドーピングによって内部応力を形成させることで、操作方式がシンプルであり、多層の該構造、特にマイクロセンサの多層構造を形成する場合に比べて、製造や操作の点でより簡単になり、実現されやすいことである。
【0106】
本発明によるファブリーペローセンサは、複数の分野、たとえば、特に医療分野に適用できる。さらに、ほかの計測にも適用できる。
【0107】
以上、好ましい実施例を参照して本発明の例示的な実施形態を詳細に説明したが、当業者は、本発明の主旨から逸脱することなく、上記特定の実施例に様々な変更や変形を加えることができ、本発明の特許範囲を超えることなく、本発明によって提案される様々な技術的特徴、構造の様々な組み合わせが可能であることを理解すべきである。本発明の特許範囲は、添付の特許請求の範囲によって定められている。