特許第6986799号(P6986799)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6986799
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20211213BHJP
   B60R 13/00 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   B60R11/02 C
   B60R11/02 Z
   B60R13/00
【請求項の数】13
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2021-100813(P2021-100813)
(22)【出願日】2021年6月17日
【審査請求日】2021年6月17日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503309664
【氏名又は名称】高光産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【弁理士】
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】妹尾 八郎
【審査官】 菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−072713(JP,A)
【文献】 特開2005−014784(JP,A)
【文献】 特開2021−041884(JP,A)
【文献】 特開2006−098348(JP,A)
【文献】 特開平09−261627(JP,A)
【文献】 特開2008−145719(JP,A)
【文献】 特開2005−303793(JP,A)
【文献】 特開2007−142624(JP,A)
【文献】 特開2003−252153(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R11/02
B60R13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の周囲を撮影するように車体に設けられたカメラと、
前記車体の外面のうち、前記カメラが向かう方向の反対方向に向かう面に設けられ、前記カメラにより撮影されたリアルタイム画像を前記反対方向に向かって表示するモニタと、
位置情報に対応付けてデータベースに蓄積されたコンテンツと、前記車体の現在位置とに基づいて、前記車体の位置に応じて変化する付加画像を前記モニタに表示させる画像付加装置と、を備え
前記画像付加装置は、道路状況に応じて前記車体が停車する第一停車期間に比較して、人の乗車又は降車のために前記車体が停車する第二停車期間における前記付加画像の表示サイズを小さくする、車両。
【請求項2】
車体の周囲を撮影するように車体に設けられたカメラと、
前記車体の外面のうち、前記カメラが向かう方向の反対方向に向かう面に設けられ、前記カメラにより撮影されたリアルタイム画像を前記反対方向に向かって表示するモニタと、
位置情報に対応付けてデータベースに蓄積されたコンテンツと、前記車体の現在位置とに基づいて、前記車体の位置に応じて変化する付加画像を前記モニタに表示させる画像付加装置と、を備え、
前記画像付加装置は、道路状況に応じて前記車体が停車する第一停車期間に比較して、人の乗車又は降車のために前記車体が停車する第二停車期間における前記付加画像の表示を薄くする、車両。
【請求項3】
前記画像付加装置は、前記車体の位置に応じた広告を含む前記付加画像を前記モニタに表示させる、請求項1又は2記載の車両。
【請求項4】
前記画像付加装置は、前記車両の現在位置及び進行方向と、地図情報とに基づいて、前記リアルタイム画像に含まれる視野内施設を特定し、前記視野内施設の広告を含む前記付加画像を前記モニタに表示させる、請求項1又は2記載の車両。
【請求項5】
前記画像付加装置は、前記視野内施設の広告を、前記リアルタイム画像内における前記視野内施設に対応付ける前記付加画像を前記モニタに表示させる、請求項記載の車両。
【請求項6】
前記カメラは、前記車体の前方を撮影するように前記車体に設けられ、
前記モニタは、前記車体の後面に設けられ、前記リアルタイム画像を前記車体の後方に向かって表示する、請求項1〜のいずれか一項記載の車両。
【請求項7】
前記画像付加装置は、前記車体が走行予定のルートに基づいて、現在走行中の道路からの前記車体の退出予定位置の表示を含む前記付加画像を前記モニタに表示させる、請求項記載の車両。
【請求項8】
前記カメラは、前記車体の後方を撮影するように前記車体に設けられ、
前記モニタは、前記車体の前面に設けられ、前記リアルタイム画像を前記車体の前方に向かって表示する、請求項1〜のいずれか一項記載の車両。
【請求項9】
前記カメラは、前記車体の第1側面が面する方向を撮影するように前記車体に設けられ、
前記モニタは、前記車体の第2側面に設けられ、前記カメラにより撮影された前記リアルタイム画像を前記第2側面が面する方向に向かって表示する、請求項1〜のいずれか一項記載の車両。
【請求項10】
前記カメラが向く方向と前記反対方向との間に向かい、前記車体の周囲を撮影するように前記車体に設けられた第2カメラを更に備え、
前記モニタは、前記リアルタイム画像と、前記第2カメラにより撮影された第2リアルタイム画像とを表示する、請求項1〜のいずれか一項記載の車両。
【請求項11】
前記画像付加装置は、前記第二停車期間中に、前記車体から人が乗車又は降車中であることの表示を含む注意喚起画像を前記モニタに更に表示させる、請求項1〜10のいずれか一項記載の車両。
【請求項12】
前記画像付加装置は、前記リアルタイム画像における移動体の画像を強調する強調画像を前記モニタに更に表示させる、請求項1〜11のいずれか一項記載の車両。
【請求項13】
前記画像付加装置は、他の車両から受信した画像を前記モニタに更に表示させる、請求項1〜12のいずれか一項記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両に設置されて該車両の前方を撮像するカメラと、動画広告画像データと静止広告画像データとを少なくとも含む記憶手段と、該記憶手段に記憶されている画像データの再生を行って画像信号を出力する画像再生部と、車両の走行状態、ウインカー状態及び乗降ドアの開閉状態のうちの少なくとも1つの情報を検出する車両状態検出手段と、車両の後方に車外後方から視認できるようにして設置されたモニタと、カメラからの画像信号と画像再生部からの画像信号とを車両状態検出手段からの検出情報に基づいて切り替えてモニタに送る映像信号切り替え部と、を備える車載用画像表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−252153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、車外への情報発信用のモニタをより有効に活用することができる車両を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係る車両は、車体の周囲を撮影するように車体に設けられたカメラと、車体の外面のうち、カメラが向かう方向の反対方向に向かう面に設けられ、カメラにより撮影されたリアルタイム画像を反対方向に向かって表示するモニタと、位置情報に対応付けてデータベースに蓄積されたコンテンツと、車体の現在位置とに基づいて、車体の位置に応じて変化する付加画像をモニタに表示させる画像付加装置と、を備える。
【0006】
この車両によれば、車両の現在位置に応じた付加画像をモニタに表示させることによって、その画像を視認する者に対し、その者の現在位置に応じた情報を発信することができる。これにより、車外への情報発信用のモニタをより有効に活用することができる。
【0007】
画像付加装置は、車体の位置に応じた広告を含む付加画像をモニタに表示させてもよい。この場合、モニタをより効果的な広告に有効活用することができる。
【0008】
画像付加装置は、車両の現在位置及び進行方向と、地図情報とに基づいて、リアルタイム画像に含まれる視野内施設を特定し、視野内施設の広告を含む付加画像をモニタに表示させてもよい。この場合、カメラの画像に関連した広告を表示することによって、広告の効果を更に向上させることができる。
【0009】
画像付加装置は、視野内施設の広告を、リアルタイム画像内における視野内施設に対応付ける付加画像をモニタに表示させてもよい。この場合、カメラの画像による情報発信と、付加画像による情報発信との相乗効果によって、モニタをより有効に活用することができる。
【0010】
カメラは、車体の前方を撮影するように車体に設けられ、モニタは、車体の後面に設けられ、リアルタイム画像を車体の後方に向かって表示してもよい。この場合、後続車両に対する情報発信にモニタを有効活用することができる。
【0011】
画像付加装置は、車体が走行予定のルートに基づいて、現在走行中の道路からの車体の退出予定位置の表示を含む付加画像をモニタに表示させてもよい。この場合、後続車両の運転者のストレスを軽減し、無理な追い越しを抑制することができる。
【0012】
カメラは、車体の後方を撮影するように車体に設けられ、モニタは、車体の前面に設けられ、リアルタイム画像を車体の前方に向かって表示してもよい。この場合、右折待ちのために車両が交差点で停車する際に、同じ交差点で右折待ちをする対向車両の運転者に対する情報発信にモニタを有効活用することができる。
【0013】
カメラは、車体の第1側面が面する方向を撮影するように車体に設けられ、モニタは、車体の第2側面に設けられ、カメラにより撮影されたリアルタイム画像を第2側面が面する方向に向かって表示してもよい。この場合、例えば歩道の歩行者に対する情報発信にモニタを有効活用することができる。
【0014】
カメラが向く方向と反対方向との間に向かい、車体の周囲を撮影するように車体に設けられた第2カメラを更に備え、モニタは、リアルタイム画像と、第2カメラにより撮影された第2リアルタイム画像とを表示してもよい。この場合、カメラと第2カメラとの併用によって視野範囲を広げることで、モニタに表示される画像の有益性を高め、モニタによる情報発信効果を向上させることができる。
【0015】
画像付加装置は、道路状況に応じて車体が停車する第一停車期間に比較して、人の乗車又は降車のために車体が停車する第二停車期間における付加画像の表示サイズを小さくしてもよい。第二停車期間においては、第一停車期間に比較して、カメラの画像の必要性が高まることが考えられる。例えば、第二停車期間には、乗車又は降車のために人が道路を横断する可能性が高まるので、後続車両において車両の前方の画像の必要性が高まる。このため、第二停車期間における付加画像の表示サイズを第一停車期間に比較して小さくすることによって、よりニーズにマッチした情報発信を行うことができる。
【0016】
画像付加装置は、道路状況に応じて車体が停車する第一停車期間に比較して、人の乗車又は降車のために車体が停車する第二停車期間における付加画像の表示を薄くしてもよい。この場合も、第二停車期間における付加画像の表示を第一停車期間に比較して薄くすることによって、よりニーズにマッチした情報発信を行うことができる。
【0017】
画像付加装置は、車体の停車中に、車体から人が降車中であることの表示を含む注意喚起画像をモニタに更に表示させてもよい。この場合、モニタに表示させる画像の有益性を向上させ、モニタによる情報発信効果を向上させることができる。
【0018】
画像付加装置は、リアルタイム画像における移動体の画像を強調する強調画像をモニタに更に表示させてもよい。この場合、モニタに表示させる画像の有益性を向上させ、モニタによる情報発信効果を向上させることができる。
【0019】
画像付加装置は、他の車両から受信した画像をモニタに更に表示させてもよい。この場合、モニタに表示させる画像の有益性を向上させ、モニタによる情報発信効果を向上させることができる。
【0020】
本開示の他の側面に係る車両は、車体の後方を撮影するように車体に設けられたカメラと、車体の前面に設けられ、カメラにより撮影されたリアルタイム画像を車体の前方に向かって表示するモニタと、を備える。
【0021】
例えば、右折待ちのために交差点で車両が停車する場合、同じ交差点で右折待ちをする対向車両においては、車両の後方の画像の必要性が高まる。このため、、車両の後方の画像を前方の他車両に提供する本車両によれば、モニタをより有効に活用することができる。
【発明の効果】
【0022】
本開示によれば、車外への情報発信用のモニタをより有効に活用することができる車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】車両の概略構成を例示する模式図である。
図2】画像付加装置の機能的な構成を例示するブロック図である。
図3】リアルタイム画像と、広告を含む付加画像との合成画像を例示する模式図である。
図4】リアルタイム画像と、退出予告画像を含む付加画像との合成画像を例示する模式図である。
図5】リアルタイム画像と、注意喚起画像との合成画像を例示する模式図である。
図6】リアルタイム画像と、強調画像との合成画像を例示する模式図である。
図7】リアルタイム画像と、遠隔画像との合成画像を例示する模式図である。
図8】画像付加装置のハードウェア構成を例示する模式図である。
図9】車両の変形例を示す模式図である。
図10】車両の他の変形例を示す模式図である。
図11】画像表示手順を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0025】
〔車両〕
図1に示す車両1は、公共交通に用いられるバスである。車両1は路線バスであってもよく、マイクロバスであってもよく、観光バスであってもよい。車両1は、車体10と、カメラ20と、モニタ30と、GPSセンサ41と、車速センサ42と、画像付加装置100とを有する。
【0026】
車体10は、運転者及び乗客が乗車し得るように構成されている。図示においては、四輪の車体10を例示しているが、車体10は四輪に限られず、例えば六輪であってもよい。車体10の外面11は、前方D11に面する前面12と、後方D12に面する後面13と、互いに反対向きの第1側面14及び第2側面15とを含む。一例として、第1側面14は車体10の左方向D21に面し、第2側面15は右方向D22に面する。第2側面15が左方向D21に面し、第1側面14が右方向D22に面していてもよい。
【0027】
カメラ20は、車体10の周囲を撮影するように車体10に設けられている。例えばカメラ20は、車体10の外面11の一箇所に設けられており、その一箇所において外面11が面する方向に向かっている。なお、カメラ20が向かう方向とは、カメラ20の配置位置から、カメラ20の撮影対象に向かう方向である。以下、カメラ20が向かう方向をカメラ20の「視野方向」という。
【0028】
一例として、カメラ20は、前方D11を撮影するように、車体10に設けられている。例えばカメラ20は、前方D11に向かうように(視野方向21が前方D11となるように)前面12に設けられている。前面12に設けられるとは、前面12が面する領域を撮像し得るように設けられることを意味する。図示において、カメラ20は前面12の外に設けられているが、前面12が面する領域を撮像し得る限り、カメラ20は車体10内に設けられていてもよい。カメラ20が他の面に設けられる場合も同様である。例えばカメラ20は、前面12を構成する透明パネル(例えばフロントガラス)を介して車体10の前方を撮影するように、車体10内に設けられていてもよい。カメラ20の具体例としては、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal OxideSemiconductor)イメージセンサ等の撮像素子を含むカメラが挙げられる。
【0029】
モニタ30は、車体10の外面11のうち、カメラ20の視野方向21の反対方向22に向かう面に設けられ、カメラ20により撮影されたリアルタイム画像を反対方向22に向かって表示する。上述のように、カメラ20が前方D11に向かう場合、 モニタ30は、車体10の後面13に設けられ、リアルタイム画像を車体10の後方D12に向かって表示する。モニタ30が後面13に設けられるとは、後面13に正対する者が、モニタ30の表示内容を後面13の一部として視認し得るように設けられることを意味する。図示において、カメラ20は後面13の外に設けられているが、後面13に正対する者が視認し得る限り、モニタ30は車体10内に設けられていてもよい。
【0030】
リアルタイム画像とは、カメラ20により撮影されたタイミングと実質的に同じタイミングで表示される画像を意味する。リアルタイム画像は、カメラ20による撮影対象の現在の状況変化に同期して変化する。実際には、信号伝送及び画像処理等の影響により、カメラ20により撮影された画像がモニタ30により表示されるまでにはわずかなタイムラグが生じる。このタイムラグが無視し得る程度に小さい場合、モニタ30が表示する画像はリアルタイム画像に含まれる。
【0031】
GPSセンサ41は、GPS(Global Positi oning System)用の衛星信号を受信する。車速センサ42は、車体10の走行速度を検出する。
【0032】
画像付加装置100は、位置情報に対応付けてデータベースに蓄積されたコンテンツと、車体10の現在位置とに基づいて、車体10の位置に応じて変化する付加画像をモニタ30に表示させる。例えば画像付加装置100は、GPSセンサ41が受信した衛星信号に基づいて車体10の現在位置を検出し、検出した現在位置に対応するコンテンツをデータベースから抽出し、抽出したコンテンツを示す付加画像をモニタ30に表示させるサイクルを繰り返し実行する。以下、このサイクルを「更新サイクル」という。車体10の位置に応じて、画像付加装置100がデータベースから抽出するコンテンツが変わるので、モニタ30が表示する付加画像も車体10の位置に応じて変化することとなる。なお、便宜上、「現在位置」という語を用いているが、これは、厳密な現在を意味するわけではなく、例えば上述の更新サイクル内の一タイミングにおける位置を意味する。
【0033】
画像付加装置100は、上記リアルタイム画像と共に付加画像をモニタ30に表示させてもよく、リアルタイム画像の表示タイミングとは異なるタイミングで付加画像をモニタ30に表示させてもよい。リアルタイム画像と共に付加画像をモニタ30に表示させる場合、画像付加装置100は、リアルタイム画像において、道路上のオブジェクト(例えば対向車又は歩行者等の移動体)の視認を妨げない範囲に、付加画像を重ねて表示させてもよい。
【0034】
コンテンツの具体例としては、現在位置に関する観光案内、広告、ニュース等が挙げられる。例えば画像付加装置100は、車体10の位置に応じた広告を含む付加画像をモニタ30に表示させてもよい。例えば画像付加装置100は、車両1の現在位置及び進行方向と、地図情報とに基づいて、リアルタイム画像に含まれる視野内施設を特定し、視野内施設の広告を含む付加画像をモニタ30に表示させる。画像付加装置100は、視野内施設の広告を、リアルタイム画像内における視野内施設に対応付ける付加画像をモニタ30に表示させてもよい。
【0035】
一例として、画像付加装置100は、図2に示すように、機能上の構成(以下、「機能ブロック」という。)として、位置情報取得部111と、リアルタイム画像取得部112と、地図データベース115と、コンテンツデータベース114と、付加画像生成部116と、画像合成部117とを有する。位置情報取得部111は、上述した更新サイクルごとに、車体10の現在位置情報を取得する。例えば位置情報取得部111は、GPSセンサ41が受信した衛星信号を取得し、取得した衛星信号に基づいて車体10の現在位置及び進行方向を検出する。リアルタイム画像取得部112は、上述した更新サイクルごとに、カメラ20により撮影されたリアルタイム画像を取得する。
【0036】
地図データベース115は、車体10の走行ルートを含むエリアの地図データを記憶する。地図データの具体例としては、エリア内に位置する道路、建物等の施設の位置、形状を緯度、経度等で表した二次元地図データが挙げられる。地図データは、施設の位置、形状を緯度、経度及び高度で表した三次元地図データであってもよい。
【0037】
コンテンツデータベース114は、複数のコンテンツを位置に対応付けて記憶する。例えばコンテンツデータベース114は、複数の広告データセットを位置に対応付けて記憶する。例えばコンテンツデータベース114は、複数の広告データセットのそれぞれを、地図データにおける位置に対応付けて記憶する。
【0038】
付加画像生成部116は、上述した更新サイクルごとに、位置情報取得部111が取得した現在位置に対応するコンテンツをコンテンツデータベース114から抽出し、抽出したコンテンツを示す付加画像を生成する。例えば付加画像生成部116は、車体10の位置に応じた広告を含む付加画像を生成する。
【0039】
例えば付加画像生成部116は、位置情報取得部111により検出された車体10の現在位置及び進行方向と、地図データベース115が記憶する地図データとに基づいて、リアルタイム画像(リアルタイム画像取得部112が取得したリアルタイム画像)に含まれる視野内施設を特定する。例えば付加画像生成部116は、車体10の現在位置及び進行方向と、カメラ20の画角及び解像性能とに基づいて、地図データのうちカメラ20の視野に含まれる視野内領域を算出し、視野内領域に含まれる視野内施設を特定する。付加画像生成部116は、特定した視野内施設の広告データセットをコンテンツデータベース114から抽出し、抽出した視野内施設の広告データセットを含む付加画像を生成する。
【0040】
画像合成部117は、上述した更新サイクルごとに、リアルタイム画像取得部112が取得したリアルタイム画像と、付加画像生成部116が生成した付加画像とを合成してモニタ30に表示させる。これにより、リアルタイム画像と共に付加画像がモニタ30に表示される。
【0041】
付加画像生成部116は、視野内施設の広告を、リアルタイム画像内における視野内施設に対応付けるように付加画像を生成してもよい。広告を視野内施設に対応付けるとは、引き出し線又は矢印等によって、広告がいずれの視野内施設に対応するのかを視覚的に示すことを意味する。例えば付加画像生成部116は、車体10の現在位置及び進行方向と、カメラ20の画角とに基づいて、視野内領域における視野内施設の表示位置を算出し、算出した表示位置に基づいて、引き出し線又は矢印等により支持すべき位置を特定する。
【0042】
図3は、視野内施設の広告を、リアルタイム画像内における視野内施設に対応付ける付加画像を例示する模式図である。この図においては、リアルタイム画像において視野内施設に対応する複数の施設画像211に対し、複数の広告画像212が矢印により対応付けられている。なお、図示においては、広告対象の名称のみが広告画像212に含められているが、広告画像212にはその他様々な情報を含めることが可能である。
【0043】
画像付加装置100は、ネットワーク通信により地図データ及びコンテンツデータをサーバから取得し、取得した地図データ及びコンテンツデータにより地図データベース115及びコンテンツデータベース114の記憶内容をそれぞれ更新するように構成されていてもよい。例えば画像付加装置100は、車体10の現在位置に基づいて所定広さの取得対象エリアを算出し、取得対象エリアの地図データ及びコンテンツデータをサーバから取得する。画像付加装置100は、取得した地図データにより地図データベース115の記憶内容を更新し、取得したコンテンツデータによりコンテンツデータベース114の記憶内容を更新する。
【0044】
画像付加装置100は、地図データベース115及びコンテンツデータベース114の記憶内容の更新を、上述した更新サイクルごとに実行してもよく、複数の更新サイクルごとに実行してもよい。また、画像付加装置100は、地図データベース115及びコンテンツデータベース114の記憶内容を更新した後、車体10の現在位置の変化量が所定量を超えた場合に、地図データベース115及びコンテンツデータベース114の記憶内容を更新してもよい。
【0045】
画像付加装置100は、車体10が走行予定のルートに基づいて、現在走行中の道路からの車体10の退出予定位置の表示を含む付加画像をモニタ30に表示させるように構成されていてもよい。道路からの退出とは、その道路に交差する道路への左折又は右折等を含む。例えば画像付加装置100は、図2に示すように、車体10の走行予定のルートを記憶する走行ルート記憶部121を更に有する。
【0046】
付加画像生成部116は、上述した更新サイクルごとに、走行ルート記憶部121が記憶するルートと、位置情報取得部111が取得した現在位置とに基づいて、上述の退出予定位置を特定する。例えば付加画像生成部116は、車体10の現在位置及び進行方向と、カメラ20の画角とに基づいて、視野内領域における退出予定位置の表示位置を算出し、算出した表示位置に、退出予定方向を示す退出予告画像を付加画像に含める。
【0047】
図4は、退出予告画像を含む付加画像を例示する模式図である。この図においては、リアルタイム画像における退出予定位置の表示位置に合わせて、退出予告画像213が表示されている。
【0048】
画像付加装置100は、 道路状況に応じて車体10が停車する第一停車期間に比較して、人の乗車又は降車のために車体10が停車する第二停車期間における付加画像の表示サイズを小さくするように構成されていてもよい。付加画像の表示サイズを小さくすることは、付加画像の表示を消すこと(付加画像の表示サイズをゼロにすること)も含む。画像付加装置100は、第一停車期間に比較して、第二停車期間における付加画像の表示を薄くするように構成されていてもよい。薄くするとは、付加画像の表示を透けさせて、付加画像の表示位置においてもリアルタイム画像の透過画像を表示させることを意味する。
【0049】
例えば画像付加装置100は、図2に示すように、走行状態監視部122を更に有する。走行状態監視部122は、少なくとも車速センサ42により検出された車速と、車体10の乗降扉の開閉状況とに基づいて、第一停車期間及び第二停車期間を認識する。付加画像生成部116は、上述した更新サイクルごとに、走行状態監視部122による確認結果に基づいて付加画像の表示サイズを設定する。
【0050】
例えば付加画像生成部116は、現在が第一停車期間であると判定された場合、付加画像の表示サイズを第1サイズにする。走行状態監視部122により現在が第二停車期間であると判定された場合、付加画像生成部116は、付加画像の表示サイズを第1サイズよりも小さい第2サイズにする。画像合成部117は、付加画像生成部116により設定された表示サイズにて付加画像をリアルタイム画像に合成し、モニタ30に表示させる。
【0051】
画像付加装置100は、車体10の停車中に、車体10から人が乗車又は降車中であることの表示を含む注意喚起画像をモニタ30に更に表示させるように構成されていてもよい。例えば付加画像生成部116は、走行状態監視部122により車体10が停車中であると判定された場合に、車体10から人が乗車又は降車中であることを示す文字列を含む注意喚起画像214を生成する。画像合成部117は、付加画像生成部116により生成された注意喚起画像214をリアルタイム画像に合成し、モニタ30に表示させる(図5参照)。
【0052】
画像付加装置100は、リアルタイム画像における移動体の画像を強調する強調画像をモニタ30に更に表示させるように構成されていてもよい。例えば付加画像生成部116は、リアルタイム画像から対向車両又は歩行者等の移動体を抽出し、抽出した移動体に対応する移動体画像215を強調する強調画像216を生成する。画像合成部117は、付加画像生成部116により生成された強調画像216をリアルタイム画像に合成し、モニタ30に表示させる(図6参照)。
【0053】
図6においては、移動体画像215を枠で囲むことで強調する強調画像216が例示されているが、移動体画像215を強調する手法はこれに限られない。付加画像生成部116は、移動体画像215を所定の強調色で塗りつぶす強調画像216をモニタ30に表示させてもよい。
【0054】
画像付加装置100は、他の車両から受信した画像をモニタ30に更に表示させるように構成されていてもよい。例えば画像付加装置100は、図2に示すように、遠隔画像取得部123を更に有してもよい。遠隔画像取得部123は、無線ネットワーク通信により、他の車両から画像データを取得する。付加画像生成部116は、遠隔画像取得部123が取得した画像データに基づいて遠隔画像217を生成する。画像合成部117は、付加画像生成部116により生成された遠隔画像217をリアルタイム画像に合成し、モニタ30に表示させる(図7参照)。
【0055】
図7においては、他の車両から受信したリアルタイム画像を遠隔画像217として表示した場合が例示されているが、付加画像生成部116は、他の車両から受信した付加画像を更に含む遠隔画像217を生成してもよい。また、付加画像生成部116は、他の車両から受信した付加画像のみを含む遠隔画像217を生成してもよい。
【0056】
図8は、画像付加装置100のハードウェア構成を例示するブロック図である。図8に示すように、画像付加装置100は回路190を有する。回路190は、一つ以上のプロセッサ191と、メモリ192と、ストレージ193と、通信ポート194と、カメラ制御回路195と、モニタ制御回路196と、入出力ポート197とを有する。
【0057】
ストレージ193は、位置情報に対応付けてデータベースに蓄積されたコンテンツと、車体10の現在位置とに基づいて、車体10の位置に応じて変化する付加画像をモニタ30に表示させることを画像付加装置100に実行させるためのプログラムを記憶している。例えば画像付加装置100は、上述した各機能ブロックを画像付加装置100に構成させるためのプログラムを記憶している。
【0058】
メモリ192は、ストレージ193からロードしたプログラムを一時的に記憶する。プロセッサ191は、メモリ192にロードされたプログラムを実行することで、上述した各機能ブロックとして画像付加装置100を機能させる。プロセッサ191による途中演算の結果は、適宜メモリ192に格納される。
【0059】
カメラ制御回路195は、プロセッサ191からの指令に従ってカメラ20を制御する。カメラ20を制御することは、カメラ20により画像を取得させ、取得した画像をカメラ20に送信させ、カメラ20から送信された画像を受信することを含む。モニタ制御回路196は、プロセッサ191からの指令に従ってモニタ30を制御する。モニタ30を制御することは、画像データをモニタ30に送信し、送信した画像データに対応する画像をモニタ30に表示させることを含む。入出力ポート197は、プロセッサ191からの指令に従ってGPSセンサ41及び車速センサ42との間で情報の入出力を行う。
【0060】
なお、以上に例示した画像付加装置100のハードウェア構成はあくまで一例であり、適宜変更可能である。例えば上述した機能ブロックの一部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の専用素子により構成されていてもよい。
【0061】
以上においては、カメラ20が車体10の前方D11を撮影するように車体10に設けられ、モニタ30が車体10の後面13に設けられた構成を例示したが、カメラ20及びモニタ30の配置はこれに限られない。例えばカメラ20は、車体10の後方D12を撮影するように車体10に設けられ、モニタ30は、車体10の前面12に設けられ、リアルタイム画像を車体10の前方D11に向かって表示してもよい。また、図9に示すように、車両1は、車体10の前方D11のリアルタイム画像を車体10の後方D12に向かって表示する一組のカメラ20A及びモニタ30Aと、車体10の後方D12のリアルタイム画像を車体10の前方D11に向かって表示する一組のカメラ20B及びモニタ30Bとの両方を備えていてもよい。この場合、画像付加装置100は、モニタ30A及びモニタ30Bの両方に付加画像を表示するように構成されていてもよい。
【0062】
また、カメラ20は、車体10の第1側面14が面する方向(例えば左方向D21)を撮影するように車体10に設けられ、モニタ30は、車体10の第2側面15に設けられ、カメラ20により撮影されたリアルタイム画像を第2側面15が面する方向(例えば右方向D22)に向かって表示してもよい。また、カメラ20は、車体10の第2側面15が面する方向を撮影するように車体10に設けられ、モニタ30は、車体10の第1側面14に設けられ、カメラ20により撮影されたリアルタイム画像を第1側面14が面する方向に向かって表示してもよい。また、図10に示すように、車両1は、車体10の左方向D21のリアルタイム画像を車体10の右方向D22に向かって表示する一組のカメラ20C及びモニタ30Cと、車体10の右方向D22のリアルタイム画像を車体10の左方向D21に向かって表示する一組のカメラ20D及びモニタ30Dとの両方を備えていてもよい。
【0063】
車両1は、カメラ20の視野方向21と反対方向22との間に向かい、車体10の周囲を撮影するように車体10に設けられた第2カメラを更に備え、モニタ30は、リアルタイム画像と、第2カメラにより撮影された第2リアルタイム画像とを表示してもよい。例えば車両1は、前方D11を撮影するカメラ20に加えて、左方向D21を撮影するカメラ20C(第2カメラ)と、右方向D22を撮影するカメラ20D(第2カメラ)とを備えてもよく、モニタ30は、カメラ20により撮影されたリアルタイム画像と、カメラ20C及びカメラ20Dにより撮影された第2リアルタイム画像とを組み合わせて後方D12に向かって表示してもよい。
【0064】
〔画像表示手順〕
続いて、画像付加装置100が実行する付加画像の表示手順を例示する。図11に示すように、画像付加装置100は、ステップS01,S02を実行する。ステップS01では、位置情報取得部111が、車体10の現在位置情報を取得する。ステップS02では、リアルタイム画像取得部112が、カメラ20により撮影されたリアルタイム画像を取得する。
【0065】
次に、画像付加装置100は、ステップS03,S04,S05を実行する。ステップS03では、付加画像生成部116が、車体10の現在位置及び進行方向と、カメラ20の画角及び解像性能とに基づいて、地図データのうちカメラ20の視野に含まれる視野内領域を算出する。ステップS04では、付加画像生成部116が、視野内領域に含まれる視野内施設を特定し、視野内施設の広告データセットをコンテンツデータベース114から抽出する。ステップS05では、付加画像生成部116が、抽出した視野内施設の広告データセットを含む付加画像を生成する。
【0066】
次に、画像付加装置100はステップS06,S07を実行する。ステップS06では、付加画像生成部116が、走行ルート記憶部121が記憶するルートと、位置情報取得部111が取得した現在位置とに基づいて、上述の退出予定位置を特定する。ステップS07では、現在位置から退出予定位置までの距離が所定の閾値よりも小さいか否かを付加画像生成部116が確認する。
【0067】
ステップS07において、現在位置から退出予定位置までの距離が所定の閾値よりも小さいと判定した場合、画像付加装置100はステップS08を実行する。ステップS08では、付加画像生成部116が、車体10の現在位置及び進行方向と、カメラ20の画角とに基づいて、視野内領域における退出予定位置の表示位置を算出し、算出した表示位置に、退出予定方向を示す退出予告画像を生成し、付加画像に含める。
【0068】
次に、画像付加装置100はステップS09を実行する。ステップS07において、現在位置から退出予定位置までの距離が所定の閾値よりも大きいと判定した場合、画像付加装置100はステップS08を実行することなくステップS09を実行する。ステップS09では、付加画像生成部116が、リアルタイム画像から対向車両又は歩行者等の移動体を抽出し、抽出した移動体に対応する移動体画像215を強調する強調画像216を生成する。
【0069】
次に、画像付加装置100はステップS11を実行する。ステップS11では、遠隔画像取得部123が他の車両から画像データを取得したか否かを付加画像生成部116が確認する。
【0070】
ステップS11において、他の車両から画像データが取得されたと判定した場合、画像付加装置100はステップS12を実行する。ステップS12では、付加画像生成部116が、遠隔画像取得部123が取得した画像データに基づいて遠隔画像217を生成する。
【0071】
次に、画像付加装置100はステップS13を実行する。ステップS11において、他の車両から画像データが取得されていないと判定した場合、画像付加装置100はステップS12を実行することなくステップS13を実行する。ステップS13では、走行状態監視部122が、車速センサ42により検出された車速等に基づいて、車体10が停車中であるか否かを確認する。
【0072】
ステップS13において、車体10が停車中ではないと判定した場合、画像付加装置100はステップS14を実行する。ステップS14では、付加画像生成部116が、付加画像の表示サイズを第1サイズにする。画像合成部117は、付加画像生成部116により設定された表示サイズにて付加画像をリアルタイム画像に合成する。更に、画像合成部117は、ステップS09で生成された強調画像216、及びステップS12で生成された遠隔画像217をリアルタイム画像に合成する。
【0073】
ステップS13において、車体10が停車中であると判定した場合、画像付加装置100はステップS15,S16を実行する。ステップS15では、付加画像生成部116が、車体10から人が降車中であることを示す文字列を含む注意喚起画像214を生成する。ステップS16では、付加画像生成部116が、付加画像の表示サイズを上記第1サイズよりも小さい第2サイズにする。画像合成部117は、付加画像生成部116により設定された表示サイズにて付加画像をリアルタイム画像に合成する。更に、画像合成部117は、ステップS09で生成された強調画像216、ステップS12で生成された遠隔画像217、及びステップS15で生成された注意喚起画像214をリアルタイム画像に合成する。
【0074】
次に、画像付加装置100はステップS17を実行する。ステップS17では、画像合成部117が、リアルタイム画像に付加画像、強調画像216、及び遠隔画像217を合成した画像をモニタ30に表示させる。以上で上記更新サイクルが完了し、画像付加装置100は処理をステップS01に戻す。以後、上記更新サイクルが繰り返し実行される。
【0075】
〔実施形態の効果〕
以上に説明したように、車両1は、車体10の周囲を撮影するように車体10に設けられたカメラ20と、車体10の外面のうち、カメラ20が向かう方向の反対方向22に向かう面に設けられ、カメラ20により撮影されたリアルタイム画像を反対方向22に向かって表示するモニタ30と、位置情報に対応付けてデータベースに蓄積されたコンテンツと、車体10の現在位置とに基づいて、車体10の位置に応じて変化する付加画像をモニタ30に表示させる画像付加装置100と、を備える。
【0076】
この車両1によれば、車両1の現在位置に応じた付加画像をモニタ30に表示させることによって、その画像を視認する者に対し、その者の現在位置に応じた情報を発信することができる。これにより、車外への情報発信用のモニタ30をより有効に活用することができる。
【0077】
画像付加装置100は、車体10の位置に応じた広告を含む付加画像をモニタ30に表示させてもよい。この場合、モニタ30をより効果的な広告に有効活用することができる。
【0078】
画像付加装置100は、車両1の現在位置及び進行方向と、地図情報とに基づいて、リアルタイム画像に含まれる視野内施設を特定し、視野内施設の広告を含む付加画像をモニタ30に表示させてもよい。この場合、カメラ20の画像に関連した広告を表示することによって、広告の効果を更に向上させることができる。
【0079】
画像付加装置100は、視野内施設の広告を、リアルタイム画像内における視野内施設に対応付ける付加画像をモニタ30に表示させてもよい。この場合、カメラ20の画像による情報発信と、付加画像による情報発信との相乗効果によって、モニタ30をより有効に活用することができる。
【0080】
カメラ20は、車体10の前方D11を撮影するように車体10に設けられ、モニタ30は、車体10の後面13に設けられ、リアルタイム画像を車体10の後方D12に向かって表示してもよい。この場合、後続車両に対する情報発信にモニタ30を有効活用することができる。
【0081】
画像付加装置100は、車体10が走行予定のルートに基づいて、現在走行中の道路からの車体10の退出予定位置の表示を含む付加画像をモニタ30に表示させてもよい。この場合、後続車両の運転者のストレスを軽減し、無理な追い越しを抑制することができる。
【0082】
カメラ20は、車体10の後方D12を撮影するように車体10に設けられ、モニタ30は、車体10の前面12に設けられ、リアルタイム画像を車体10の前方D11に向かって表示してもよい。この場合、右折待ちのために車両1が交差点で停車する際に、同じ交差点で右折待ちをする対向車両の運転者に対する情報発信にモニタ30を有効活用することができる。
【0083】
カメラ20は、車体10の第1側面14が面する方向を撮影するように車体10に設けられ、モニタ30は、車体10の第2側面15に設けられ、カメラ20により撮影されたリアルタイム画像を第2側面15が面する方向に向かって表示してもよい。この場合、例えば歩道の歩行者に対する情報発信にモニタ30を有効活用することができる。
【0084】
カメラ20が向く方向と反対方向22との間に向かい、車体10の周囲を撮影するように車体10に設けられた第2カメラを更に備え、モニタ30は、リアルタイム画像と、第2カメラにより撮影された第2リアルタイム画像とを表示してもよい。この場合、カメラ20と第2カメラとの併用によって視野範囲を広げることで、モニタ30に表示される画像の有益性を高め、モニタ30による情報発信効果を向上させることができる。
【0085】
画像付加装置100は、道路状況に応じて車体10が停車する第一停車期間に比較して、人の乗車又は降車のために車体10が停車する第二停車期間における付加画像の表示サイズを小さくしてもよい。第二停車期間においては、第一停車期間に比較して、カメラ20の画像の必要性が高まることが考えられる。例えば、第二停車期間には、乗車又は降車のために人が道路を横断する可能性が高まるので、後続車両1において車両1の前方D11の画像の必要性が高まる。このため、第二停車期間における付加画像の表示サイズを第一停車期間に比較して小さくすることによって、よりニーズにマッチした情報発信を行うことができる。
【0086】
画像付加装置100は、道路状況に応じて車体10が停車する第一停車期間に比較して、人の乗車又は降車のために車体10が停車する第二停車期間における付加画像の表示を薄くしてもよい。この場合も、第二停車期間における付加画像の表示を第一停車期間に比較して薄くすることによって、よりニーズにマッチした情報発信を行うことができる。
【0087】
画像付加装置100は、車体10の停車中に、車体10から人が降車中であることの表示を含む注意喚起画像をモニタ30に更に表示させてもよい。この場合、モニタ30に表示させる画像の有益性を向上させ、モニタ30による情報発信効果を向上させることができる。
【0088】
画像付加装置100は、リアルタイム画像における移動体の画像を強調する強調画像をモニタ30に更に表示させてもよい。この場合、モニタ30に表示させる画像の有益性を向上させ、モニタ30による情報発信効果を向上させることができる。
【0089】
画像付加装置100は、他の車両1から受信した画像をモニタ30に更に表示させてもよい。この場合、モニタ30に表示させる画像の有益性を向上させ、モニタ30による情報発信効果を向上させることができる。
【0090】
本開示の他の側面に係る車両1は、車体10の後方D12を撮影するように車体10に設けられたカメラ20と、車体10の前面12に設けられ、カメラ20により撮影されたリアルタイム画像を車体10の前方D11に向かって表示するモニタ30と、を備える。
【0091】
以上、実施形態について説明したが、本発明は必ずしも例示した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば車両1は、公道を走行可能な車両であればよく、バスに限られない。例えば車両1は、トラック等の貨物運送車両であってもよく、路面電車であってもよい。
【符号の説明】
【0092】
1…車両、10…車体、12…前面、13…後面、14…第1側面、15…第2側面、D21…左方向、D22…右方向、D11…前方、D12…後方、20…カメラ、21…視野方向、22…反対方向、30…モニタ、100…画像付加装置。
【要約】
【課題】車外への情報発信用のモニタをより有効に活用することができる車両を提供する。
【解決手段】車両1は、車体10の周囲を撮影するように車体10に設けられたカメラ20と、車体10の外面のうち、カメラ20が向かう方向の反対方向22に向かう面に設けられ、カメラ20により撮影されたリアルタイム画像を反対方向22に向かって表示するモニタ30と、位置情報に対応付けてデータベースに蓄積されたコンテンツと、車体10の現在位置とに基づいて、車体10の位置に応じて変化する付加画像をモニタ30に表示させる画像付加装置100と、を備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11