(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電気を駆動源とする熱源機、ガスを駆動源とする熱源機、温水を駆動源とする熱源機、蒸気を駆動源とする熱源機、温水及びガスを駆動源とする熱源機、温水及び蒸気を駆動源とする熱源機のいずれかである熱源機を複数含み、エネルギー消費及び廃熱利用の少なくとも一方を伴って冷房空調機に冷水を供給する複数の冷房側の熱源機と、
電気を駆動源とする熱源機、ガスを駆動源とする熱源機、温水を駆動源とする熱交換器、蒸気を駆動源とする熱交換器のいずれかである熱源機を複数含み、エネルギー消費及び廃熱利用の少なくとも一方を伴って暖房空調機に温水を供給する複数の暖房側の熱源機と、
前記冷房空調機及び前記暖房空調機の要求熱量及び要求流量をそれぞれ計測する計測部と、
前記計測部の計測結果を得る毎に、前記複数の冷房側の熱源機のうち一又は複数の熱源機の全ての組み合わせを選択した複数の選択態様から各選択態様における熱源機の合計出力及び合計流量が前記冷房空調機の要求熱量及び要求流量の条件を満たす選択態様を複数抽出すると共に、前記複数の暖房側の熱源機のうち一又は複数の熱源機の全ての組み合わせを選択した複数の選択態様から各選択態様における熱源機の合計出力及び合計流量が前記暖房空調機の要求熱量及び要求流量の条件を満たす選択態様を複数抽出する選択態様抽出部と、
前記選択態様抽出部にて抽出された冷房側の熱源機の複数の選択態様の各々について熱源機のエネルギー消費量及び廃熱利用量の少なくとも一方を演算すると共に、前記選択態様抽出部にて抽出された暖房側の熱源機の複数の選択態様の各々について熱源機のエネルギー消費量及び廃熱利用量の少なくとも一方を演算する演算部と、
前記演算部の演算結果に基づいて、前記複数の冷房側の熱源機及び前記複数の暖房側の熱源機から前記エネルギー消費量が最も少ない冷房側の熱源機と暖房側の熱源機との組合せ又は前記廃熱利用量が最も多い冷房側の熱源機と暖房側の熱源機との組合せを選定する選定部と、
前記選定部で選定した熱源機の運転態様を、前記熱源機の定格出力に対する運転出力の比率である負荷率で冷房側および暖房側の熱源機の運転を実行させる実行部と、
を備え、
前記計測部が前記要求熱量及び前記要求流量の計測結果を得る毎に、前記要求熱量及び前記要求流量を満たす範囲の複数の熱源機の運転組合せ態様を、前記熱源機の定格出力に対する運転出力の比率である負荷率の組合せを選定対象として各熱源機の負荷率を決定する冷温水供給システム。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る冷温水供給システムの全体構成図である。
【
図2】
図1に示される冷温水供給システムの電気的な構成を示すブロック図である。
【
図3A】
図1に示される制御装置が実行するステップS1〜ステップS10の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図3B】
図3Aに示されるステップS3のより具体的な処理の流れを示すフローチャートである。
【
図3C】
図3Aに示されるステップS4のより具体的な処理の流れを示すフローチャートである。
【
図3D】
図3Aに示されるステップS6のより具体的な処理の流れを示すフローチャートである。
【
図3E】
図3Aに示されるステップS7のより具体的な処理の流れを示すフローチャートである。
【
図3F】
図3Aに示されるステップS8のより具体的な処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4A】計算条件等の具体的な数値の一例を示す図である。
【
図4B】計算条件等の具体的な数値の一例を示す図である。
【
図5】計測データ等の具体的な数値の一例を示す図である。
【
図6A】CGSを0台運転にした場合のCGSの発電電力と廃熱製造量の算出結果の一例を示す図である。
【
図6B】CGSを1台運転にした場合のCGSの発電電力と廃熱製造量の算出結果の一例を示す図である。
【
図6C】CGSを2台運転にした場合のCGSの発電電力と廃熱製造量の算出結果の一例を示す図である。
【
図6D】受電電力一定制御運転にした場合のCGSの発電電力と廃熱製造量の算出結果の一例を示す図である。
【
図7A】冷房側の熱源機の合計出力及び合計流量の算出結果の一例を示す図である。
【
図7B】暖房側の熱源機の合計出力及び合計流量の算出結果の一例を示す図である。
【
図8A】冷房側の熱源機のグループ分けの一例を示す図である。
【
図8B】暖房側の熱源機のグループ分けの一例を示す図である。
【
図9A】冷房側の一次ポンプのインバータ周波数の組合せ表の一例を示す図である。
【
図9B】冷房側の一次ポンプの合計流量の算出結果と、要求流量の条件を満たす組合せを抽出する一例を示す図である。
【
図9C】冷房側の一次ポンプのインバータ周波数の組合せについて、要求熱量の条件を満たす各グループの熱源機の冷水製造量の算出結果の一例を示す図である。
【
図9D】冷房側の一次ポンプのインバータ周波数の組合せについて、各グループの熱源機の冷水製造量が定格出力以下である組合せを抽出する一例を示す図である。
【
図9E】冷房側の一次ポンプの流量について要求熱量及び要求流量の条件を同時に満たす選択態様を抽出する一例を示す図である。
【
図10A】冷房側の一次ポンプのインバータ周波数の組合せ表の一例を示す図である。
【
図10B】冷房側の一次ポンプの合計流量の算出結果と、要求流量の条件を満たす組合せを抽出する他の一例を示す図である。
【
図10C】冷房側の一次ポンプのインバータ周波数の組合せについて、要求熱量の条件を満たす各グループの熱源機の冷水製造量の算出結果の他の一例を示す図である。
【
図10D】冷房側の一次ポンプのインバータ周波数の組合せについて、各グループの熱源機の冷水製造量が定格出力以下である組合せを抽出する他の一例を示す図である。
【
図10E】冷房側の一次ポンプの流量について要求熱量及び要求流量の条件を同時に満たす選択態様を抽出する他の一例を示す図である。
【
図11A】暖房側の熱源機における機器稼働状況の集計結果の一例を示す図である。
【
図11B】暖房側の熱源機の廃熱利用量とエネルギー消費量の集計結果の一例を示す図である。
【
図11C】冷房側の熱源機における機器稼働状況の集計結果の一例を示す図である。
【
図11D】冷房側の熱源機の廃熱利用量とエネルギー消費量の集計結果の一例を示す図である。
【
図11E】暖房側の熱源機と冷房側の熱源機の機器稼働状況をまとめた集計結果の一例を示す図である。
【
図11F】暖房側の熱源機と冷房側の熱源機の廃熱利用量とエネルギー消費量をまとめた集計結果の一例を示す図である。
【
図12A】暖房側の熱源機における機器稼働状況の集計結果の他の一例を示す図である。
【
図12B】暖房側の熱源機の廃熱利用量とエネルギー消費量の集計結果の他の一例を示す図である。
【
図12C】冷房側の熱源機における機器稼働状況の集計結果の他の一例を示す図である。
【
図12D】冷房側の熱源機の廃熱利用量とエネルギー消費量の集計結果の他の一例を示す図である。
【
図12E】暖房側の熱源機と冷房側の熱源機の機器稼働状況をまとめた集計結果の他の一例を示す図である。
【
図12F】暖房側の熱源機と冷房側の熱源機の廃熱利用量とエネルギー消費量をまとめた集計結果の他の一例を示す図である。
【
図13A】CGSの複数の運転バリエーションと熱源機の複数の選択態様を掛け合わせた全ケースのうち第一群のケースについて熱源機の流量及び出力の計算結果の一例を示す図である。
【
図13B】CGSの複数の運転バリエーションと熱源機の複数の選択態様を掛け合わせた全ケースのうち第一群のケースについて廃熱製造量・利用量及びエネルギー消費量の計算結果の一例を示す図である。
【
図14A】CGSの複数の運転バリエーションと熱源機の複数の選択態様を掛け合わせた全ケースのうち第二群のケースについて熱源機の流量及び出力の計算結果の一例を示す図である。
【
図14B】CGSの複数の運転バリエーションと熱源機の複数の選択態様を掛け合わせた全ケースのうち第二群のケースについて廃熱製造量・利用量及びエネルギー消費量の計算結果の一例を示す図である。
【
図15A】CGSの複数の運転バリエーションと熱源機の複数の選択態様を掛け合わせた全ケースのうち第三群のケースについて熱源機の流量及び出力の計算結果の一例を示す図である。
【
図15B】CGSの複数の運転バリエーションと熱源機の複数の選択態様を掛け合わせた全ケースのうち第三群のケースについて廃熱製造量・利用量及びエネルギー消費量の計算結果の一例を示す図である。
【
図16A】CGSの複数の運転バリエーションと熱源機の複数の選択態様を掛け合わせた全ケースのうち第四群のケースについて熱源機の流量及び出力の計算結果の一例を示す図である。
【
図16B】CGSの複数の運転バリエーションと熱源機の複数の選択態様を掛け合わせた全ケースのうち第四群のケースについて廃熱製造量・利用量及びエネルギー消費量の計算結果の一例を示す図である。
【
図17】複数のケースから抽出した最適解の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
はじめに、本発明の一実施形態に係る冷温水供給システムSの構成について説明する。
【0012】
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係る冷温水供給システムSは、冷房空調機11及び暖房空調機12が設置された建物に適用されており、廃熱供給系統20と、冷水製造系統30と、温水製造系統40と、制御装置50とを備える。
【0013】
廃熱供給系統20は、2台のCGS(コージェネレーションシステム)21と、蒸気ボイラ22とを有する。2台のCGS21(CGS1号機及び2号機)は、同一の構成である。本実施形態では、一例として、CGSの台数を2台としているが、CGSの台数は、3台以上でも良い。2台のCGS21は、本発明における「発電機」の一例である。温水を生成可能なCGSとしては、例えば、ガスエンジン、燃料電池等が適用可能であり、蒸気を生成可能なCGSとしては、例えば、ガスエンジン、ガスタービン、燃料電池等が適用可能である。2台のCGS21及び蒸気ボイラ22は、例えば都市ガス等のガスで駆動する。2台のCGS21は、駆動することで発電すると共に発電に伴い蒸気及び温水を生成(排出)し、蒸気ボイラ22は、駆動することで蒸気を生成(排出)する。
【0014】
冷水製造系統30は、複数の冷房側の熱源機の一例として、2台の蒸気ジェネリンク31と、ターボ冷凍機32とを有する。2台の蒸気ジェネリンク31(蒸気ジェネリンク1号機及び2号機)は、同一の構成である。本実施形態では、一例として、蒸気ジェネリンクの台数を2台としているが、蒸気ジェネリンクの台数は、3台以上でも良い。
【0015】
温水製造系統40は、複数の暖房側の熱源機の一例として、蒸気−温水熱交換器41と、温水−温水熱交換器42とを有する。蒸気−温水熱交換器41は、後述する蒸気循環回路23を通じて供給された蒸気と温水供給回路70を循環する温水との間で熱交換させる。温水−温水熱交換器42は、後述する温水循環回路24を通じて供給された温水と温水供給回路70を循環する温水との間で熱交換させる。
【0016】
2台の蒸気ジェネリンク31及び蒸気−温水熱交換器41は、蒸気循環回路23を介して2台のCGS21及び蒸気ボイラ22に並列に接続されている。さらに、2台の蒸気ジェネリンク31は、温水循環回路24を介して2台のCGS21に並列に接続されている。温水−温水熱交換器42は、温水循環回路24における2台の蒸気ジェネリンク31と2台のCGS21との間に直列に接続されている。
【0017】
2台の蒸気ジェネリンク31及びターボ冷凍機32は、冷水供給回路60を介して冷房空調機11に並列に接続されている。
図1では、便宜上、複数の冷房空調機を1台の冷房空調機11としてまとめて図示している。冷水供給回路60において、冷房空調機11への往き管には、冷水往ヘッダ61が接続され、冷房空調機11への還り管には、冷水還ヘッダ62が接続されている。冷水往ヘッダ61と冷水還ヘッダ62とは、冷水バイパス管63によって連結されている。
【0018】
蒸気−温水熱交換器41及び温水−温水熱交換器42は、温水供給回路70を介して暖房空調機12に並列に接続されている。
図1では、便宜上、複数の暖房空調機を1台の暖房空調機12としてまとめて図示している。温水供給回路70において、暖房空調機12への往き管には、温水往きヘッダ71が接続され、暖房空調機12への還り管には、温水還りヘッダ72が接続されている。温水往きヘッダ71と温水還りヘッダ72とは、温水バイパス管73によって連結されている。
【0019】
温水循環回路24における各CGS21への還り管には、温水循環ポンプ25がそれぞれ接続されている。また、冷水供給回路60において、各蒸気ジェネリンク31への還り管には、一次ポンプ81がそれぞれ接続され、ターボ冷凍機32への還り管には、一次ポンプ82が設けられている。同様に、温水供給回路70において、蒸気−温水熱交換器41への還り管には、一次ポンプ91が設けられ、温水−温水熱交換器42への還り管には、一次ポンプ92が設けられている。さらに、冷房空調機11への往き管には、二次ポンプ83が設けられ、暖房空調機12への往き管には、二次ポンプ93が設けられている。
【0020】
上述の一次ポンプ81、82は、それぞれインバータ101、102により制御され、一次ポンプ91、92は、それぞれインバータ111、112により制御される。また、上述の二次ポンプ83、93は、それぞれインバータ103、113により制御される。
インバータの周波数が増減されることにより、一次ポンプ及び二次ポンプの回転数、ひいては、一次ポンプ及び二次ポンプの流量が増減される。インバータは、後述する制御装置50から出力されるインバータ制御信号により制御される。一次ポンプ81、82及び一次ポンプ91、92は、本発明における「ポンプ」の一例である。
【0021】
2台の蒸気ジェネリンク31には、それぞれ冷却水循環回路を介して冷却塔33が接続されており、ターボ冷凍機32には、冷却水循環回路を介して冷却塔34が接続されている。これらの各冷却水循環回路には、冷却水ポンプ35、36がそれぞれ設けられている。また、2台のCGS21には、それぞれ冷却水循環回路を介して冷却塔26が接続されている。これらの各冷却水循環回路には、冷却水ポンプ27がそれぞれ設けられている。これら冷却水ポンプ27、35、36は、制御装置50によって従来公知の方法で制御される。
【0022】
制御装置50は、例えば、制御盤やパーソナルコンピュータ等の情報処理装置によって実現される。この制御装置50(コンピュータ)は、CPUなどの演算装置や、メモリなどの記憶装置を有している。
図2に示されるように、制御装置50は、機能別には、運転バリエーション抽出部51、第一選択態様抽出部52、第二選択態様抽出部53、組合せ抽出部54、演算部55、選定部56、及び、実行部57を有する。これら運転バリエーション抽出部51、第一選択態様抽出部52、第二選択態様抽出部53、組合せ抽出部54、演算部55、選定部56、及び、実行部57は、制御装置50の演算装置が後述する各ステップの処理を実行することで構成される。
【0023】
つまり、制御装置50の演算装置がステップS3の処理を実行することで運転バリエーション抽出部51が構成され、制御装置50の演算装置がステップS4の処理を実行することで第一選択態様抽出部52が構成され、制御装置50の演算装置がステップS5の処理を実行することで第二選択態様抽出部53が構成される。また、制御装置50の演算装置がステップS6の処理を実行することで組合せ抽出部54が構成され、制御装置50の演算装置がステップS7の処理を実行することで演算部55が構成される。さらに、制御装置50の演算装置がステップS8の処理を実行することで選定部56が構成され、制御装置50の演算装置がステップS10の処理を実行することで実行部57が構成される。第一選択態様抽出部52は、本発明における「選択態様抽出部」の一例である。
【0024】
また、制御装置50には、入力部121及び計測部122が接続されている。入力部121は、例えば、キーボードや、オンラインで送信されたデータを受信するデータ受信装置等により構成される。この入力部121には、計算条件が入力され、この入力部121に入力された計算条件は、制御装置50に出力される。計測部122は、各種センサによって構成されており、所定の計測データを計測して制御装置50に計測データを送信する。
【0025】
次に、本発明の一実施形態に係る冷温水供給システムSによる冷却水供給方法について説明する。
【0026】
なお、以下の説明において、冷温水供給システムSの各構成要素については、
図1、
図2を適宜参照することにする。また、以下の説明では、各構成要素の符号を省いている。
【0027】
本発明の一実施形態に係る冷温水供給方法(冷温水供給システムの運転方法)は、
図3Aに示されるステップS1〜ステップS11を制御装置が実行することで実現される。
図3B〜
図3Fには、ステップS3〜ステップS4、ステップS6〜ステップS8のより具体的な内容が示されている。以下、
図3A〜
図3Fを参照しながら、ステップS1〜ステップS11について順に説明する。以下のステップS1〜ステップS11は、冷温水供給システムが起動後に通常運転状態になったときの処理である。
【0028】
また、
図4A〜
図17には、本発明の一実施形態に係る冷温水供給方法の具体的な実施例(具体的な数値)が示されている。各ステップの処理と具体的な数値との関係について理解を容易にするために、
図4〜
図17には、ステップ番号が付されている。
【0029】
(ステップS1)
管理者によって設定された計算条件が入力部に入力されると、この入力部に入力された計算条件が制御装置に出力される。そして、計算条件が制御装置に入力されると、ステップS1では、制御装置が計算条件を記憶する。この場合の計算条件は、以下の項目(1)〜(4)である。
図4A、
図4Bには、計算条件の具体的な数値の一例が示されている。
【0030】
(1)CGS
・定格出力
・発電効率
・廃熱回収効率(温水、蒸気)
・補機率
【0031】
(2)熱源機
・2台の蒸気ジェネリンクの定格出力、定格流量、定格消費電力、冷房COP
・ターボ冷凍機の定格出力、定格流量、冷房COP
・2台の蒸気ジェネリンクの廃熱温水利用特性
・蒸気−温水熱交換器の定格出力及び定格流量
・温水−温水熱交換器の定格出力及び定格流量
・ボイラの効率
【0032】
(3)熱源機補機
・一次ポンプの定格消費電力、インバータの効率、係数(※)、下限周波数割合
・冷却水ポンプの定格消費電力、インバータの効率、係数、下限周波数割合
・冷却塔の定格消費電力
※ 理論的には、インバータを搭載した一次ポンプの消費電力は回転数の3乗に比例するが、実際は2〜3乗となる。この乗数を、ここではインバータ係数と称する。
【0033】
(4)その他
・最適化条件(最適化指標として、1:廃熱利用量、2:ガス×α+電力×β)
・係数(α:ガスの単価に相当、β:電力の単価に相当)
・ガスの高位発熱量、低位発熱量、及び、温圧補正係数
・契約電力
・最低買電量
・エネルギー利用条件(1:電気節約、2:ガス節約、3:優先なし)
【0034】
なお、
図4A、
図4Bに示されるように、本実施例では、一例として、ターボ冷凍機は、蒸気ジェネリンクに対して定格出力及び定格流量が2倍となっており、同様に、蒸気−温水熱交換器は、温水−温水熱交換器に対して定格出力及び定格流量が2倍となっている。
【0035】
(ステップS2)
冷温水供給システムが稼働しているときに、計測部は、各種データを計測し、計測データを制御装置に送信する。そして、ステップS2では、制御装置が計測データを受信する。この場合の計測データは、以下の項目(1)〜(3)である。
図5には、計測データの具体的な数値の一例が示されている。
【0036】
(1)冷房空調機
・要求熱量
・要求流量
【0037】
(2)暖房空調機
・要求熱量
・要求流量
【0038】
(3)電力
・受電電力(冷温水供給システムの受電電力)
・空調消費電力(熱源機や熱源補機の消費電力)
・発電電力(CGS1号機及び2号機の発電電力)
【0039】
(ステップS3)
ステップS3では、制御装置が、ステップS2で受信した計測データに基づいて、CGSの発電電力の合計値が建物の電力負荷から最低買電量を差し引いた値以下となるCGSの運転バリエーションを抽出する。具体的には、ステップS3において、制御装置は、
図3Bに示されるステップS3−1〜ステップS3−5を実行する。
【0040】
ステップS3−1では、制御装置が、建物全体の電力負荷を算定する。
図5には、電力負荷の算定結果の一例が示されている。電力負荷は、受電電力と、2台のCGSの発電電力の合計(内訳1)であり、熱源機や熱源補機の空調消費電力と、建物消費電力の合計(内訳2)に相当する。ただし、2台のCGSの発電電力の合計は、2台のCGSの補機類での消費電力を差し引いた値である。
【0041】
ステップS3−2では、制御装置が、CGSを0台運転にした場合、CGSを1台運転にした場合、CGSを2台運転にした場合、受電電力一定制御運転にした場合のそれぞれにおいて、CGSについて許容される発電電力を算出する。受電電力一定制御とは、受電電力が一定値以上となるようCGSの発電電力を制御することである。
図6A〜
図6Dには、各運転の場合において、CGSについて許容される発電電力の算出結果の一例が示されている。
【0042】
ステップS3−3では、制御装置が、何台までのCGSが運転可能か判定する。具体的には、CGSを0台運転にした場合、CGSを1台運転にした場合、CGSを2台運転にした場合、受電電力一定制御運転にした場合のそれぞれについて、CGSの発電電力の合計値が建物の電力負荷から最低買電量を差し引いた値を超えているか否かを順次判定する。
【0043】
ステップS3−4では、制御装置が、計算対象となる運転を決定する。具体的には、CGSを0台運転にした場合、CGSを1台運転にした場合、CGSを2台運転にした場合、受電電力一定制御運転にした場合のそれぞれについて、CGSの発電電力の合計値が建物の電力負荷から最低買電量を差し引いた値以下である運転がある場合には、この運転を計算対象とし、CGSの発電電力の合計値が建物の電力負荷から最低買電量を差し引いた値を超えている運転がある場合には、この運転を計算対象から除外する。
図6A〜
図6Dに示されるように、本実施例では、一例として、CGSを0台運転にした場合、CGSを1台運転にした場合、CGSを2台運転にした場合、受電電力一定制御運転にした場合のいずれの場合においても、CGSの発電電力の合計値が建物の電力負荷から最低買電量を差し引いた値以下であり、計算対象となる。
【0044】
ステップS3−5では、制御装置が、上述の計算対象とした運転を、「CGSの発電電力の合計値が建物の電力負荷から最低買電量を差し引いた値以下となるCGSの運転バリエーション」として抽出し記憶する。
【0045】
このように、ステップS3では、制御装置(運転バリエーション抽出部)が、複数のCGSの発電電力の合計値が建物の電力負荷から建物の最低買電量を引いた値以下となる条件を満たす範囲で、複数のCGSについて運転可能なCGSの運転バリエーションを複数抽出する。
【0046】
(ステップS4)
ステップS4では、制御装置が、ステップS2で受信した計測データに基づいて、空調機の要求熱量及び要求流量の条件を満たす熱源機の選択態様を抽出する。具体的には、ステップS4において、制御装置は、
図3Cに示されるステップS4−1〜ステップS4−6を実行する。
【0047】
ステップS4−1では、制御装置が、複数の熱源機について全ての選択態様を抽出する。
図7Aに示されるように、本実施例では、一例として、複数の冷房側の熱源機について複数の選択態様C1〜C7が抽出されている。C1は、蒸気ジェネリンク1号機のみを選択した選択態様、C2は、蒸気ジェネリンク2号機のみを選択した選択態様、C3は、ターボ冷凍機のみを選択した選択態様である。また、C4は、蒸気ジェネリンク1号機と蒸気ジェネリンク2号機を選択した選択態様、C5は、蒸気ジェネリンク1号機とターボ冷凍機を選択した選択態様、C6は、蒸気ジェネリンク2号機とターボ冷凍機を選択した選択態様、C7は、蒸気ジェネリンク1号機と蒸気ジェネリンク2号機とターボ冷凍機を選択した選択態様である。
【0048】
また、
図7Bに示されるように、本実施例では、一例として、複数の暖房側の熱源機について複数の選択態様H1〜H3が抽出されている。H1は、蒸気−温水熱交換器のみを選択した選択態様、H2は、温水−温水熱交換器のみを選択した選択態様、H3は、蒸気−温水熱交換器と温水−温水熱交換器を選択した選択態様である。
【0049】
ステップS4−2では、制御装置が、各選択態様における熱源機の合計出力及び合計流量を算出する。
図7A、
図7Bには、各選択態様における熱源機の合計出力及び合計流量の算出結果の一例が示されている。
【0050】
以下、制御装置は、上述のステップS4−1において抽出した全ての選択態様について選択態様毎にステップS4−3〜S4−5を実行する。
【0051】
ステップS4−3では、制御装置が、熱源機の合計出力がステップS2で入力された要求熱量以上であるか判定する。
図7Aに示されるように、本実施例では、一例として、C5〜C7の場合に、冷房側の熱源機の合計出力が冷房空調機の要求熱量以上となっている。また、
図7Bに示されるように、本実施例では、一例として、H1〜H3の場合に、暖房側の熱源機の合計出力が暖房空調機の要求熱量以上となっている。
【0052】
ステップS4−4では、制御装置が、熱源機の合計流量がステップS2で入力された要求流量以上であるか判定する。
図7Aに示されるように、本実施例では、一例として、C5〜C7の場合に、冷房側の熱源機の合計流量が冷房空調機の要求流量以上となっている。また、
図7Bに示されるように、本実施例では、一例として、H1〜H3の場合に、暖房側の熱源機の合計流量が暖房空調機の要求流量以上となっている。
【0053】
ステップS4−5では、制御装置が、上述のステップS4−4で判定した選択態様を計算対象とするか決定する。具体的には、上述のステップS4−3及びステップS4−4の条件を満たす選択態様である場合には、その選択態様を計算対象とし、ステップS4−3又はステップS4−4の条件を満たさない選択態様である場合には、その選択態様を計算対象から除外する。
図7Aに示されるように、本実施例では、一例として、C5〜C7が計算対象とされており、
図7Bに示されるように、本実施例では、一例として、H1〜H3が計算対象とされている。
【0054】
ステップS4−6では、制御装置が、上述の計算対象とした選択態様を、「空調機の要求熱量及び要求流量の条件を満たす選択態様」として抽出し記憶する。
図7Aに示されるように、本実施例では、一例として、C5〜C7が冷房空調機の要求熱量及び要求流量の条件を満たす選択態様として抽出される。また、
図7Bに示されるように、本実施例では、一例として、H1〜H3が冷房空調機の要求熱量及び要求流量の条件を満たす選択態様として抽出される。
【0055】
このように、ステップS4では、制御装置(選択態様抽出部、第一選択態様抽出部)が、計測部の計測結果を得る毎に、複数の冷房側の熱源機のうち一又は複数の熱源機を選択した複数の選択態様から各選択態様における熱源機の合計出力及び合計流量が冷房空調機の要求熱量及び要求流量の条件を満たす選択態様を複数抽出すると共に、複数の暖房側の熱源機のうち一又は複数の熱源機を選択した複数の選択態様から各選択態様における熱源機の合計出力及び合計流量が暖房空調機の要求熱量及び要求流量の条件を満たす選択態様を複数抽出する。
【0056】
(ステップS5)
ステップS5では、制御装置が、熱源機の負荷按分比率を調整可能な選択態様を抽出する。この場合の負荷按分比率とは、複数の熱源機で要求熱量を処理する場合の熱源機毎の処理熱量の比率のことである。また、この場合の負荷率とは、定格出力に対する運転出力の比率のことである。
【0057】
このステップS5では、具体的には、ステップS4で抽出した熱源機の選択態様のうち駆動源となるエネルギーが異なる熱源機の組合せを、「熱源機の負荷按分比率を調整可能な選択態様」として抽出する。
図7Aに示される冷房側の熱源機については、一例として、C5〜C7の場合に、蒸気ジェネリンク1号機及び蒸気ジェネリンク2号機の少なくとも一方と、ターボ冷凍機とは、駆動源となるエネルギーが異なるため、C5〜C7が熱源機の負荷按分比率を調整可能な選択態様として抽出される。一方、
図7Bに示される暖房側の熱源機については、一例として、H3の場合に、蒸気−温水熱交換器と、温水−温水熱交換器とは、駆動源となるエネルギーが異なるため、H3が熱源機の負荷按分比率を調整可能な選択態様として抽出される。
【0058】
このように、ステップS5では、制御装置(第二選択態様抽出部)が、上述のステップS4にて抽出された複数の選択態様のうち複数の熱源機の負荷按分比率を調整可能な選択態様を抽出する。
【0059】
(ステップS6)
ステップS6は、上述のステップS5において、熱源機の負荷按分比率を調整可能な選択態様が抽出された場合にのみ実行される。このステップS6では、制御装置が、熱源機の負荷按分比率を調整可能な選択態様について、一次ポンプの流量の組合せを抽出する。具体的には、ステップS6において、制御装置は、上述のステップS5において抽出した選択態様のそれぞれについて、
図3Dに示されるステップS6−1〜ステップS6−10を実行する。
【0060】
ステップS6−1では、制御装置が、上述のステップS5で抽出した選択態様について、熱源機をグループ分けする。
図8Aに示されるように、本実施例では、一例として、C5について、蒸気ジェネリンク1号機がグループ1、ターボ冷凍機がグループ2に分けられ、C6について、蒸気ジェネリンク2号機がグループ1、ターボ冷凍機がグループ2に分けられ、C7について、蒸気ジェネリンク1号機及び蒸気ジェネリンク2号機がグループ1、ターボ冷凍機がグループ2に分けられている。また、
図8Bに示されるように、本実施例では、H3について、蒸気−温水熱交換器がグループ1、温水−温水熱交換器がグループ2に分けられている。
【0061】
ステップS6−2では、制御装置が、グループ1である熱源機とグループ2である熱源機について、これらに対応する一次ポンプのインバータ周波数の組合せ表を作成する。
図9Aは、C6の例であり、この
図9Aに示されるように、本実施例では、グループ1である蒸気ジェネリンク2号機と、グループ2であるターボの冷凍機について、これらに対応する一次ポンプのインバータ周波数の組合せ表が示されている。
【0062】
ステップS6−3では、制御装置が、一次ポンプのインバータ周波数の組合せのそれぞれについて、一次ポンプの合計流量を算出する。
図9Bには、C6について、一次ポンプの合計流量の算出結果の一例が示されている。
【0063】
ステップS6−4では、制御装置が、一次ポンプの合計流量がステップS2で入力された要求流量以上である組合せがあるか判定する。
図9Bに示されるように、本実施例では、一例として、色付けされた組合せの場合に、一次ポンプの合計流量がステップS2で入力された要求流量以上となる。
【0064】
ステップS6−5では、制御装置が、計算対象候補となる組合せを決定する。具体的には、上述のステップS6−4の条件を満たす組合せを計算対象候補とし、上述のステップS6−4の条件を満たさない組合せを計算対象候補から除外する。
図9Bに示されるように、本実施例では、一例として、色付けされた組合せが要求流量の条件を満たす組合せとして計算対象候補となる。
【0065】
ステップS6−6では、制御装置が、一次ポンプのインバータ周波数の組合せのそれぞれについて、各グループの熱源機の定格出力の合計を算出する。
図9Cには、C6について、蒸気ジェネリンクの定格出力とターボ冷凍機の定格出力の算出結果の一例が示されている。
【0066】
ステップS6−7では、制御装置が、一次ポンプのインバータ周波数の組合せのそれぞれについて、ステップS2で入力された要求熱量を定格出力で按分する。
図9Dには、C6について、冷房空調機の要求熱量を定格出力で按分した結果の一例が示されている。冷房空調機の要求熱量を定格出力で按分すると、蒸気ジェネリンク及びターボ冷凍機のそれぞれについての処理熱量(冷水製造量)が得られる。
【0067】
ステップS6−8では、制御装置が、各グループの熱源機のそれぞれについて、処理熱量が定格出力以下である組合せがあるか判定する。
図9Dに示されるように、本実施例では、一例として、色付けされた組合せの場合に、蒸気ジェネリンク及びターボ冷凍機のそれぞれについて、処理熱量が定格出力以下となる。
【0068】
ステップS6−9では、制御装置が、計算対象となる組合せを決定する。具体的には、上述のステップS6−8の条件を満たす組合せを計算対象とし、上述のステップS6−8の条件を満たさない組合せを計算対象から除外する。
図9Dに示されるように、本実施例では、一例として、色付けされた組合せが要求熱量の条件を満たす組合せとして計算対象となる。
【0069】
ステップS6−10では、制御装置が、上述のステップS6−5における要求流量及び上述のステップS6−9における要求熱量の条件を同時に満たす組合せを、「一次ポンプの流量の組合せ」として抽出し記憶する。
図9Eに示されるように、本実施例では、一例として、要求流量及び要求熱量を同時に満たす組合せが色付けされて示されている。
【0070】
なお、
図9A〜
図9Eには、C6の例について示されているが、C5の例は、使用する熱源機の種類がC6の例と同様であり、ステップS6−10で得られる結果はC6の例と同一であるので説明を省略する。
【0071】
図10A〜
図10Eには、上述のステップS5においてC6の他に抽出されたC7について別途計算された例が示されている。つまり、
図10Aには、ステップS6−2に対応して、C7についての一次ポンプのインバータ周波数の組合せ表が示されている。また、
図10Bには、ステップS6−3〜ステップS6−5に対応して、C7についての算出結果の一例が示されており、
図10C、
図10Dには、ステップS6−6〜ステップS6−9に対応して、C7についての算出結果の一例が示されている。また、
図10Eには、ステップS6−10に対応して、C7について抽出された一次ポンプの流量の組合せの一例が示されている。なお、上述のステップS5において抽出されたH3の例については図示及び説明を省略する。
【0072】
このように、ステップS6では、制御装置(組合せ抽出部)が、計測部の計測結果を得る毎に、複数の一次ポンプについて空調機の要求熱量及び要求流量の条件を満たす流量の組合せを複数抽出する。また、ステップS6では、制御装置(組合せ抽出部)が、上述のステップS5にて抽出された熱源機の負荷按分比率を調整可能な選択態様に対して、複数の一次ポンプについて空調機の要求熱量及び要求流量の条件を満たす流量の組合せを複数抽出する。
【0073】
(ステップS7)
ステップS7では、制御装置が、全てのケースについてエネルギーを計算する。具体的には、ステップS7において、制御装置は、上述のステップS3で抽出したCGSの運転バリエーションに上述のステップS4で抽出した熱源機の選択態様を掛け合わせた全てのケースについてケース毎に、
図3Eに示されるステップS7−1〜ステップS7−9を実行する。なお、ステップS7−1〜S7−4は、暖房側についての処理であり、ステップS7−5〜S7−8は、冷房側についての処理である。
【0074】
ステップS7−1では、制御装置が、当該ケースに上述のステップS6で抽出した暖房側の一次ポンプの流量の組合せが含まれているか判断する。当該ケースに暖房側の一次ポンプの流量の組合せが含まれている場合には、ステップS7−2に移行し、当該ケースに暖房側の一次ポンプの流量の組合せが含まれていない場合には、ステップS7−3に移行する。
【0075】
図7Bに示されるように、本実施例で言えば、当該ケースが暖房側のH3を含む場合には、ステップS7−2に移行し、当該ケースが暖房側のH3を含まない場合、すなわち、暖房側のH1、H2を含む場合には、ステップS7−3に移行する。
図11A、
図11Bには、一例として、C7及びH3の場合の暖房側について、ステップS7−2〜ステップS7−4の処理に対応する計算結果の一例が示されている。
【0076】
ステップS7−2では、制御装置が、暖房側の一次ポンプの流量の組合せを抽出する。
図11Aには、暖房側の一次ポンプの流量の組合せ(暖房側の一次ポンプの負荷按分比率の組合せ)と、その際の暖房側の熱源機の負荷率の組合せの一例が示されている。
【0077】
以下、制御装置は、上述のステップS7−2おいて抽出した全ての組合せについて組合せ毎にステップS7−3〜S7−8を実行する。
【0078】
ステップS7−3では、制御装置が、暖房側の熱源機の機器稼働状況を計算する。具体的には、ステップS7−3において、制御装置は、温水−温水熱交換器については、暖房出力、温水流量、廃熱温水消費熱量、一次ポンプ消費電力を計算し、蒸気−温水熱交換器については、暖房出力、温水流量、廃熱蒸気消費熱量、一次ポンプ消費電力、ガス消費量を計算する。これらの計算式は、以下の通りである。また、
図11Aには、暖房側の熱源機の機器稼働状況の計算結果の一例が示されている。
【0079】
(1)温水−温水熱交換器について
・暖房出力=定格出力×負荷率
・温水流量=一次ポンプ流量
・廃熱温水消費熱量=暖房出力
・一次ポンプ消費電力=max(定格消費電力÷インバータ効率×(インバータ下限周波数割合)^(インバータ係数),定格消費電力÷インバータ効率×(ポンプ負荷率)^(インバータ係数))
※単位を揃える式は未記載である。
【0080】
(2)蒸気−温水熱交換器について
・暖房出力=定格出力×負荷率
・温水流量=一次ポンプ流量
・廃熱蒸気消費熱量=min(廃熱蒸気製造量、暖房出力)
・一次ポンプ消費電力=max(定格消費電力÷インバータ効率×(インバータ下限周波数割合)^(インバータ係数),定格消費電力÷インバータ効率×(ポンプ負荷率)^(インバータ係数))
・ガス消費量=(暖房出力−廃熱蒸気消費熱量)÷ボイラ効率÷都市ガス高位発熱量×温圧補正係数
※単位を揃える式は未記載である。
※インバータ下限周波数は計算条件設定で入力させても良い。
【0081】
ステップS7−4では、制御装置が、暖房側の熱源機の廃熱利用量とエネルギー消費量を集計する。この計算式は、以下の通りである。また、
図11Bには、暖房側の熱源機の廃熱利用量とエネルギー消費量の集計結果の一例が示されている。続いて、冷房側の処理に移行する。
【0082】
・廃熱利用量(温水)=「温水−温水熱交換器の廃熱温水消費熱量」
・廃熱利用量(蒸気)=「蒸気−温水熱交換器の廃熱蒸気消費熱量」
・エネルギー消費量(電力)=「温水−温水熱交換器の温水一次ポンプ消費電力」+「蒸気−温水熱交換器の温水一次ポンプ消費電力」
・エネルギー消費量(ガス)=「蒸気−温水熱交換器のガス消費量」
※単位を揃える式は未記載である。
【0083】
ステップS7−5では、制御装置が、当該ケースに上述のステップS6で抽出した冷房側の一次ポンプの流量の組合せが含まれているか判断する。当該ケースに冷房側の一次ポンプの流量の組合せが含まれている場合には、ステップS7−6に移行し、当該ケースに冷房側の一次ポンプの流量の組合せが含まれていない場合には、ステップS7−7に移行する。
【0084】
図7Aに示されるように、本実施例で言えば、当該ケースに冷房側のC5〜C7を含む場合には、ステップS7−6に移行し、当該ケースに冷房側のC5〜C7の選択態様を含まない場合、すなわち、冷房側のC1〜C4を含む場合には、ステップS7−7に移行する。
図11C、Dには、一例として、C7及びH3の場合の冷房側について、ステップS7−6〜ステップS7−8の処理に対応する計算結果の一例が示されている。
【0085】
ステップS7−6では、制御装置が、冷房側の一次ポンプの流量の組合せを抽出する。
図11C、
図11Dには、冷房側の一次ポンプの流量の組合せと、その際の冷房側の熱源機の負荷率の組合せの一例が示されている。
【0086】
以下、制御装置は、上述のステップS7−6おいて抽出した全ての組合せについて組合せ毎にステップS7−7〜S7−8を実行する。
【0087】
ステップS7−7では、制御装置が、冷房側の熱源機の機器稼働状況を計算する。具体的には、ステップS7−7において、制御装置は、蒸気ジェネリンクについては、冷房出力、冷水流量、廃熱温水消費熱量、消費電力、ガス消費量を計算し、ターボ冷凍機については、冷房出力、冷水流量、消費電力を計算する。これらの計算式は、以下の通りである。また、
図11Cには、冷房側の熱源機の機器稼働状況の計算結果の一例が示されている。
【0088】
(1)蒸気ジェネリンクについて
・冷房出力=定格出力×負荷率
・冷水流量=一次ポンプ流量
・廃熱温水消費熱量=min(A、B、C)
A=a×負荷率+b
B=a’×負荷率+b’
※a、b、a’、b’は計算条件設定にて入力
C=廃熱温水製造量−暖房側廃熱温水消費熱量
・冷房出力(廃熱温水)=廃熱温水消費熱量×冷房COP(温水)
・廃熱蒸気消費熱量=min(D、E)
D=(冷房出力−冷房出力(温水))÷冷房COP
E=廃熱蒸気製造量−暖房側廃熱蒸気消費熱量
・冷房出力(廃熱蒸気)=廃熱蒸気消費熱量×冷房COP
・冷房出力(ガス蒸気)=冷房出力−冷房出力(廃熱温水)−冷房出力(廃熱蒸気)
・一次ポンプ消費電力=max(定格消費電力÷インバータ効率×(インバータ下限周波数割合)^(インバータ係数),定格消費電力÷インバータ効率×(ポンプ負荷率)^(インバータ係数))
・消費電力(冷却水ポンプ)=max(定格消費電力÷インバータ効率×(インバータ下限周波数割合)^(インバータ係数),定格消費電力÷インバータ効率×(熱源機負荷率)^(インバータ係数))
・消費電力(冷却塔)=定格消費電力×熱源機負荷率
・消費電力(本体)=if(熱源機負荷率>0,熱源機定格消費電力,0)
・ガス消費量=冷房出力(ガス蒸気)÷冷房COP÷ボイラ効率÷都市ガス高位発熱量×温圧補正係数
※単位を揃える式は未記載である。
※インバータ下限周波数は計算条件設定で入力させても良い。
【0089】
(2)ターボ冷凍機について
・冷房出力=定格出力×負荷率
・冷水流量=一次ポンプ流量
・一次ポンプ消費電力=max(定格消費電力÷インバータ効率×(インバータ下限周波数割合)^(インバータ係数),定格消費電力÷インバータ効率×(ポンプ負荷率)^(インバータ係数))
・消費電力(冷却水ポンプ)=max(定格消費電力÷インバータ効率×(インバータ下限周波数割合)^(インバータ係数),定格消費電力÷インバータ効率×(熱源機負荷率)^(インバータ係数))
・消費電力(冷却塔)=定格消費電力×熱源機負荷率
・消費電力(本体)=冷房出力÷冷房COP
※単位を揃える式は未記載である。
※インバータ下限周波数は計算条件設定で入力させても良い。
【0090】
ステップS7−8では、制御装置が、冷房側の熱源機の廃熱利用量とエネルギー消費量を集計する。
図11Dには、冷房側の熱源機の廃熱利用量とエネルギー消費量の集計結果の一例が示されている。
【0091】
ステップS7−9では、制御装置が、暖房側と冷房側の熱源機の機器稼働状況の集計と、暖房側と冷房側の熱源機の廃熱利用量の集計と、暖房側と冷房側の熱源機のエネルギー消費量の集計を実施する。
図11Eには、暖房側と冷房側の熱源機の機器稼働状況の集計結果の一例が示されており、
図11Fには、暖房側と冷房側の熱源機の廃熱利用量の集計結果の一例と、暖房側と冷房側の熱源機のエネルギー消費量の集計結果の一例が示されている。
【0092】
また、
図12A〜
図12Fには、C7及びH1の場合の計算結果の一例が示されている。つまり、
図12Aには、暖房側の一次ポンプの流量及びその際の熱源機の負荷率の組合せ、暖房側の熱源機の機器稼働状況の計算結果の一例が示されており、
図12Bには、暖房側の熱源機の廃熱利用量とエネルギー消費量の集計結果の一例が示されている。また、
図12Cには、冷房側の一次ポンプの流量及びその際の熱源機の負荷率の組合せ、冷房側の熱源機の機器稼働状況の計算結果の一例が示されており、
図12Dには、冷房側の熱源機の廃熱利用量とエネルギー消費量の集計結果の一例が示されている。さらに、
図12Eには、暖房側と冷房側の熱源機の機器稼働状況の集計結果の一例が示されており、
図12Fには、暖房側と冷房側の熱源機の廃熱利用量の集計結果の一例と、暖房側と冷房側の熱源機のエネルギー消費量の集計結果の一例が示されている。
【0093】
このように、ステップS7では、制御装置(演算部)が、上述のステップS4にて抽出された冷房側の熱源機の複数の選択態様の各々について熱源機のエネルギー消費量及び廃熱利用量を演算すると共に、上述のステップS4にて抽出された暖房側の熱源機の複数の選択態様の各々について熱源機のエネルギー消費量及び廃熱利用量を演算する。また、ステップS7では、制御装置(演算部)が、上述のステップS3にて抽出された複数の運転バリエーションに上述のステップS4にて抽出された複数の選択態様を掛け合わせた複数のケースについてエネルギー消費量及び廃熱利用量を演算する。さらに、ステップS7では、制御装置(演算部)が、上述のステップS6にて抽出された複数の流量の組合せについて組合せ毎に複数の熱源機のエネルギー消費量及び廃熱利用量を演算する。
【0094】
(ステップS8)
ステップS8では、制御装置が、最適解を抽出する。具体的には、ステップS8において、制御装置は、
図3Fに示されるステップS8−1〜ステップS8−8を実行する。
【0095】
ステップS8−1では、制御装置が、上記処理した全てのケースで、受電電力が契約電力を上回るか判断する。全てのケースで受電電力が契約電力を上回る場合には、ステップS8−2に移行し、全てのケースで受電電力が契約電力を上回らない場合には、ステップS8−3に移行する。本実施例では、一例として、全てのケースで受電電力が契約電力を下回っている。
【0096】
ステップS8−2では、制御装置が、消費電力が最も少ない選択態様を選定する。
【0097】
ステップS8−3では、制御装置が、最適化指標が廃熱利用量であるか判断する。この最適化指標は、上述のステップS1の計算条件にて最適化条件として設定されたものである。最適化指標が廃熱利用量である場合には、ステップS8−4に移行し、廃熱利用量が最も大きい計算ケースを選定する。一方、最適化指標が廃熱利用量でない場合には、ステップS8−5に移行する。
【0098】
ステップS8−5では、制御装置が、エネルギーの利用条件が何であるか判断する。エネルギー利用条件がガス節約である場合には、ステップS8−6に移行し、エネルギー利用条件が電気節約ガス節約である場合には、ステップS8−7に移行し、エネルギー利用条件が優先無しである場合には、ステップS8−8に移行する。
【0099】
ステップS8−6では、制御装置が、ガス消費量が最も少ない計算ケースを選定する。
【0100】
ステップS8−7では、制御装置が、電力消費量が最も少ない計算ケースを選定する。
【0101】
ステップS8−8では、制御装置が、ガス消費×α+電力消費×βが最も小さい計算ケースを選定する。ここで、指定したガス消費量以上で、ガス消費×α+電力消費×βが最も小さいケースを選定するなど、制約条件を追加しても良い。
【0102】
図4Bに示されるように、本実施例では、エネルギー利用条件が優先無しに設定されており、これに対応する例が
図13A〜
図16Bに示されている。
図13A〜
図16Bに示されるように、本実施例において、ガス消費×α+電力消費×βが最も小さい計算ケースは、NO.11であるので、制御装置は、NO.11を最適解として抽出する。
【0103】
このように、ステップS8では、制御部(選定部)が、上述のステップS7の演算結果に基づいて、複数の冷房側の熱源機及び複数の暖房側の熱源機からエネルギー消費量が最も少ない冷房側の熱源機と暖房側の熱源機との組合せ又は廃熱利用量が最も多い冷房側の熱源機と暖房側の熱源機との組合せを選定する。また、このステップS8では、制御部(選定部)が、上述のステップS7の演算結果に基づいて、複数の流量の組合せから複数の熱源機のエネルギー消費量が最も少なくなる流量の組合せ又は廃熱利用量が最も多くなる流量の組合せを選定する。
【0104】
(ステップS9)
ステップS9では、制御装置が、上記ステップS1〜ステップS8が繰り返し実行される毎に得られる最適解が同じである状態が一定時間経過したか判断する。制御装置は、最適解が同じである状態が一定時間経過するまで、上記ステップS1〜ステップS8を繰り返し実行する。そして、最適解が同じである状態が一定時間経過すると、ステップS10に移行する。
【0105】
(ステップS10)
ステップS10では、制御装置が、最適解での運転を実行する。具体的には、ステップS10において、制御装置は、上述のステップS8で抽出した最適解で運転されるように、CGSの運転バリエーション(運転台数)に関する制御信号、各熱源機の稼動や停止に関する制御信号、さらに一次ポンプのインバータにインバータ制御信号を出力する。
【0106】
制御装置から出力されたインバータ制御信号がインバータに入力されると、インバータの周波数が増減されることにより、一次ポンプの回転数、ひいては、一次ポンプの流量が増減される。
【0107】
このように、ステップS10では、制御装置(実行部)が、上述のステップS8にて選定されたCGSの運転バリエーション(運転台数)にてCGSの運転を実行させる。また、このステップS10では、制御装置(実行部)が、上述のステップS8にて選定された冷房側の熱源機と暖房側の熱源機との組合せで冷房側の熱源機及び暖房側の熱源機の運転を実行させる。さらに、このステップS10では、制御装置(実行部)が、上述のステップS8にて選定された流量の組合せで複数の一次ポンプの運転を実行させる。
【0108】
(ステップS11)
ステップS11では、制御装置が、所定時間が経過したか判断する。この場合の時間は、原則として、一次ポンプの流量が変更されてから熱源機の駆動が安定するまでの時間に相当する。制御装置は、所定時間が経過するまでステップS11を繰り返し実行し、所定時間が経過した場合には、上述のステップS2に戻る。
【0109】
そして、上述のステップS2〜ステップS11の処理が繰り返し実行される。本発明の一実施形態に係る冷温水供給方法では、以上の要領で、冷房空調機に冷水が供給されると共に、暖房空調機に温水が供給される。
【0110】
次に、本発明の一実施形態の作用及び効果について説明する。
【0111】
以上詳述したように、本発明の一実施形態によれば、冷房側及び暖房側の空調機の要求熱量及び要求流量を同時に満たした上で、発電機や熱源機、一次ポンプ等の合計のエネルギー消費量が最も少ない熱源機の組合せ、又は、廃熱利用量が最も多い熱源機の組合せで、冷房側の熱源機及び暖房側の熱源機の運転が実行される。したがって、要求熱量を基に、予め設定した負荷率を基準として、熱源機の稼働台数の増加及び減少を行う場合に比して、要求熱量のみでなく要求流量をも満たすと共に、熱源機の稼働台数の増加及び減少する際の負荷率を、要求熱量や要求流量等の情報に基づき常に最適な負荷率に変化させることができるため、より一層の省エネルギー化を図ることができる。
【0112】
また、本発明の一実施形態によれば、発電機や熱源機、一次ポンプ等の合計のエネルギー消費量が最も少ない一次ポンプ流量の組合せ、又は、廃熱利用量が最も多くなる一次ポンプ流量の組合せで一次ポンプの運転が実行される。これにより、熱源機は、最適な比率に負荷按分された状態で運転される。したがって、流量比率を一律にし、一次ポンプの消費エネルギーのみを最小化するよう制御する場合に比して、流量比率を最適な比率に調整しつつ、発電機や熱源機、一次ポンプ等の合計のエネルギー消費量が最小となるよう、又は、廃熱利用量が最大となるよう制御されるため、より一層の省エネルギー化を図ることができる。
【0113】
また、本発明の一実施形態によれば、熱源機本体やその他補機を含めた全体のエネルギー消費量が最も少なくなるような発電機の運転台数、又は、廃熱利用量が最も多くなるような発電機の運転台数で、発電機の運転が実行される。したがって、予め発電機の運転台数をスケジュール設定する場合に比して、随時、最適な発電機の運転台数に自動的に見直されるため、より一層の省エネルギー化を図ることができる。
【0114】
次に、本発明の一実施形態の変形例について説明する。
【0115】
上記実施形態において、制御対象は、熱源機、熱源機とCGS、一次ポンプ、一次ポンプと熱源機、一次ポンプと熱源機とCGSのいずれかでも良い。
【0116】
なお、制御対象を熱源機のみとした場合、CGSの運転状態と一次ポンプの流量は所与の条件とした上で、発電機や熱源機、一次ポンプ等の合計のエネルギー消費量が最も少ない熱源機の組合せ、又は、廃熱利用量が最も多い熱源機の組合せが演算により選定され、冷房側及び暖房側の熱源機の運転が実行される。
【0117】
また、制御対象を熱源機とCGSとした場合、一次ポンプの流量を所与の条件とした上で、発電機や熱源機、一次ポンプ等の合計のエネルギー消費量が最も少ない熱源機の組合せとCGSの運転バリエーション、又は、廃熱利用量が最も多い熱源機の組合せとCGSの運転バリエーションが演算により選定され、冷房側及び暖房側の熱源機とCGSの運転が実行される。
【0118】
また、制御対象を冷水一次ポンプのみとした場合、CGSの運転状態及び熱源機の運転台数は所与の条件とした上で、発電機や熱源機、一次ポンプ等の合計のエネルギー消費量が最も少ない流量の組合せ、又は、廃熱利用量が最も多い流量の組合せが演算により選定され、一次ポンプの運転及び流量調整が実行される。
【0119】
また、制御対象を一次ポンプと熱源機とした場合、CGSの運転状態は所与の条件とした上で、発電機や熱源機、一次ポンプ等の合計のエネルギー消費量が最も少ない熱源機の組合せと流量の組合せ、又は、廃熱利用量が最も多い熱源機の組合せと流量の組合せが演算により選定され、冷房側及び暖房側の熱源機の運転と一次ポンプの運転及び流量調整が実行される。
【0120】
また、制御対象を一次ポンプと熱源機とCGSとした場合は、上記実施形態の通り、発電機や熱源機、一次ポンプ等の合計のエネルギー消費量が最も少ない熱源機の組合せと流量の組合せとCGSの運転バリエーション、又は、廃熱利用量が最も多い熱源機の組合せと流量の組合せとCGSの運転バリエーションが演算により選定され、冷房側及び暖房側の熱源機の運転と一次ポンプの運転及び流量調整とCGSの運転が実行される。
【0121】
また、上記実施形態において、冷却水ポンプや冷却塔などの消費電力も計算しているが、簡略化のため、この計算を省略しても良い。
【0122】
また、上記実施形態において、複数の冷房側の熱源機は、電気を駆動源とする熱源機、ガスを駆動源とする熱源機、温水を駆動源とする熱源機、蒸気を駆動源とする熱源機、温水及びガスを駆動源とする熱源機、温水及び蒸気を駆動源とする熱源機のいずれかである熱源機を複数含み、エネルギー消費及び廃熱利用の少なくとも一方を伴って冷房空調機に冷水を供給するのであれば、どのような組合せでも良い。
【0123】
また、上記実施形態において、複数の暖房側の熱源機は、電気を駆動源とする熱源機、ガスを駆動源とする熱源機、温水を駆動源とする熱交換器、蒸気を駆動源とする熱交換器のいずれかである熱源機を複数含み、エネルギー消費及び廃熱利用の少なくとも一方を伴って暖房空調機に温水を供給するのであれば、どのような組合せでも良い。
【0124】
また、上記実施形態では、温水循環回路にて、複数の蒸気ジェネリンクに対して、温水−温水熱交換器が直列に接続されているが、複数の蒸気ジェネリンクに対して、温水−温水熱交換器が並列に接続されていても良い。
【0125】
また、上記実施形態では、温水及び蒸気のどちらか一方を生成する発電機のみが適用されても良い。
【0126】
また、上記実施形態では、CGSや蒸気ボイラの部分負荷効率特性を考慮しても良い。また、熱源機の部分負荷効率特性や冷却水温度特性を考慮しても良い。さらに、CGS、熱源機、蒸気ボイラの実稼働データを元に、部分負荷効率特性を機器劣化の影響も含めて学習し、その学習された部分負荷効率特性を用いても良い。
【0127】
また、上記実施形態において、一次ポンプは、熱源機の還り管側に設けられているが、往き管側に設けられていても良い。
【0128】
また、上記実施形態において、αは、ガスの単価に相当し、ベータは、電力の単価に相当しているが、単価に限らず、CO2排出係数や一次エネルギー原単位としても良い。
【0129】
また、上記実施形態では、ステップS7において、エネルギー消費量及び廃熱利用量の両方を演算するが、エネルギー消費量及び廃熱利用量のどちらか一方のみを演算しても良い。
【0130】
また、上記実施形態では、熱源機の選択態様を抽出する際、空調機の要求熱量及び要求流量を満たす選択態様を全て抽出しているが、これ以外に、別途設置される熱源台数制御盤にて設定されている熱源機の起動優先順位を示した複数の台数制御モードに基づき、各モードにおいて空調機の要求熱量及び要求流量を満たす熱源機の選択態様を抽出し、制御の実行時には熱源台数制御盤に対して台数制御モードを指定する方法を用いても良い。
【0131】
また、上記実施形態は、CGSが2台設置されている場合の例であるが、CGSが1台又は3台以上の複数台設置されていても良い。CGSが1台設置されている場合、ステップS3−2において、CGSを0台運転にした場合、CGSを1台運転にした場合、受電電力一定制御運転にした場合のそれぞれにおいて、CGSが運転可能か否かを判定してCGSの運転バリエーションを抽出する。発電機が3台設置されている場合、ステップS3−2において、CGSを0台運転にした場合、CGSを1台運転にした場合、CGSを2台運転にした場合、CGSを3台運転にした場合、受電電力一定制御運転にした場合のそれぞれにおいて、CGSが運転可能か否かを判定してCGSの運転バリエーションを抽出する。
【0132】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。