(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986842
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】蒸気発電プラントを運転する方法およびこの方法を実施するための蒸気発電プラント
(51)【国際特許分類】
F01K 3/26 20060101AFI20211213BHJP
F01K 9/00 20060101ALI20211213BHJP
F01K 7/22 20060101ALI20211213BHJP
F01K 7/44 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
F01K3/26
F01K9/00 F
F01K7/22 D
F01K7/44 A
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-807(P2017-807)
(22)【出願日】2017年1月6日
(65)【公開番号】特開2017-133500(P2017-133500A)
(43)【公開日】2017年8月3日
【審査請求日】2019年12月25日
(31)【優先権主張番号】16150983.1
(32)【優先日】2016年1月13日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ジュリア・キルシュナー
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルカー・シュール
【審査官】
小岩 智明
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭60−187705(JP,A)
【文献】
実開昭59−081915(JP,U)
【文献】
特開昭57−119116(JP,A)
【文献】
特開昭58−020908(JP,A)
【文献】
特開昭59−082506(JP,A)
【文献】
特開2011−069271(JP,A)
【文献】
米国特許第3890789(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0131993(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0298558(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0298559(US,A1)
【文献】
中国特許出願公開第101260816(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01K 1/00− 1/20, 3/00− 3/26,
7/00− 7/44, 9/00− 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気発電プラント(10a,10b)を運転する方法であって、前記蒸気発電プラントが、
高圧(HP)蒸気タービン(11)、中間圧力(IP)蒸気タービン(12)及び低圧(LP)蒸気タービン(13)を有する主気水サイクルと、
復水器(15)と、
給水タンク(19)と
を備えており、
複数の低圧加熱器(18)が前記復水器(15)と前記給水タンク(19)の間に配置され、複数の高圧加熱器(21a,21b)が前記給水タンク(19)の下流に配置されており、
前記低圧加熱器(18)、前記給水タンク(19)及び前記複数の高圧加熱器(21a,21b)に、前記蒸気タービン(11,12,13)の複数の抽気系(E1〜E7)から蒸気が供給され、当該方法が、
a.蒸気貯蔵手段(27)を前記蒸気発電プラント(10a,10b)内に設けるステップと、
b.前記蒸気発電プラント(10a,10b)の第1の運転期間中、蒸気を前記蒸気貯蔵手段(27)に貯蔵するステップと、
c.前記蒸気タービン(11,12,13)の前記複数の抽気系(E1〜E7)から抽出される蒸気を節約するために、前記第1の運転期間中に前記蒸気貯蔵手段(27)に貯蔵された蒸気を、前記蒸気発電プラント(10a,10b)の第2の運転期間中に、前記主気水サイクルへ排出するステップと
を含み、
前記第1の運転期間中、前記高圧(HP)蒸気タービン(11)から抽出された蒸気が、前記蒸気貯蔵手段(27)に貯蔵され、前記複数の高圧加熱器(21a,21b)のうちの第1の高圧加熱器(21a)に、前記中間圧力(IP)蒸気タービン(12)から抽出された蒸気が供給され、
前記蒸気発電プラント(10a,10b)の前記第2の運転期間中に、蒸気が前記蒸気貯蔵手段(27)から前記複数の高圧加熱器(21a,21b)のうちの前記第1の高圧加熱器(21a)内に排出され、かつ前記第2の運転期間中に前記蒸気貯蔵手段(27)から前記複数の高圧加熱器(21a,21b)のうちの前記第1の高圧加熱器(21a)内に排出された前記蒸気が、
前記高圧(HP)蒸気タービン(11)から抽出された蒸気、又は
前記中間圧力(IP)蒸気タービン(12)の入口で利用可能である高温再熱蒸気、又は
前記複数の高圧加熱器(21a,21b)のうちの前記第1の高圧加熱器(21a)に供給するために前記中間圧力(IP)蒸気タービン(12)から抽出される蒸気で
過熱される、方法。
【請求項2】
蒸気発電プラント(10a,10b)を運転する方法であって、前記蒸気発電プラントが、
高圧(HP)蒸気タービン(11)、中間圧力(IP)蒸気タービン(12)及び低圧(LP)蒸気タービン(13)を有する主気水サイクルと、
復水器(15)と、
給水タンク(19)と
を備えており、
複数の低圧加熱器(18)が前記復水器(15)と前記給水タンク(19)の間に配置され、複数の高圧加熱器(21a,21b)が前記給水タンク(19)の下流に配置されており、
前記低圧加熱器(18)、前記給水タンク(19)及び前記複数の高圧加熱器(21a,21b)に、前記蒸気タービン(11,12,13)の複数の抽気系(E1〜E7)から蒸気が供給され、当該方法が、
a.蒸気貯蔵手段(27)を前記蒸気発電プラント(10a,10b)内に設けるステップと、
b.前記蒸気発電プラント(10a,10b)の第1の運転期間中、蒸気を前記蒸気貯蔵手段(27)に貯蔵するステップと、
c.前記蒸気タービン(11,12,13)の前記複数の抽気系(E1〜E7)から抽出される蒸気を節約するために、前記第1の運転期間中に前記蒸気貯蔵手段(27)に貯蔵された蒸気を、前記蒸気発電プラント(10a,10b)の第2の運転期間中に、前記主気水サイクルへ排出するステップと
を含み、
前記第1の運転期間中、前記高圧(HP)蒸気タービン(11)から抽出された蒸気が、前記蒸気貯蔵手段(27)に貯蔵され、前記給水タンク(19)に、前記中間圧力(IP)蒸気タービン(12)から抽出された蒸気が供給され、前記蒸気発電プラント(10a,10b)の前記第2の運転期間中に、蒸気が前記蒸気貯蔵手段(27)から前記給水タンク(19)内に排出され、かつ前記蒸気貯蔵手段(27)から前記給水タンク(19)内に排出された前記蒸気が、
前記高圧(HP)蒸気タービン(11)から抽出された蒸気、又は
前記中間圧力(IP)蒸気タービン(12)の入口で利用可能である高温再熱蒸気、又は
前記給水タンク(19)に供給するために前記中間圧力(IP)蒸気タービン(12)から抽出された蒸気で
過熱される、方法。
【請求項3】
蒸気発電プラント(10a,10b)を運転する方法であって、前記蒸気発電プラントが、
高圧(HP)蒸気タービン(11)、中間圧力(IP)蒸気タービン(12)及び低圧(LP)蒸気タービン(13)を有する主気水サイクルと、
復水器(15)と、
給水タンク(19)と
を備えており、
複数の低圧加熱器(18)が前記復水器(15)と前記給水タンク(19)の間に配置され、複数の高圧加熱器(21a,21b)が前記給水タンク(19)の下流に配置されており、
前記低圧加熱器(18)、前記給水タンク(19)及び前記複数の高圧加熱器(21a,21b)に、前記蒸気タービン(11,12,13)の複数の抽気系(E1〜E7)から蒸気が供給され、当該方法が、
a.蒸気貯蔵手段(27)を前記蒸気発電プラント(10a,10b)内に設けるステップと、
b.前記蒸気発電プラント(10a,10b)の第1の運転期間中、蒸気を前記蒸気貯蔵手段(27)に貯蔵するステップと、
c.前記蒸気タービン(11,12,13)の前記複数の抽気系(E1〜E7)から抽出される蒸気を節約するために、前記第1の運転期間中に前記蒸気貯蔵手段(27)に貯蔵された蒸気を、前記蒸気発電プラント(10a,10b)の第2の運転期間中に、前記主気水サイクルへ排出するステップと
を含み、
前記第1の運転期間中、前記高圧(HP)蒸気タービン(11)から抽出された蒸気が、前記蒸気貯蔵手段(27)に貯蔵され、前記給水タンク(19)に、前記中間圧力(IP)蒸気タービン(12)から抽出された蒸気が供給され、前記蒸気発電プラント(10a,10b)の前記第2の運転期間中に、蒸気が前記蒸気貯蔵手段(27)から前記給水タンク(19)内に排出され、かつ前記複数の高圧加熱器(21a,21b)のうちの第1の高圧加熱器(21a)に、前記中間圧力(IP)蒸気タービン(12)から抽出された蒸気が供給され、前記蒸気貯蔵手段(27)から前記給水タンク(19)内に排出された前記蒸気が、前記複数の高圧加熱器(21a,21b)のうちの前記第1の高圧加熱器(21a)に供給するために前記中間圧力(IP)蒸気タービン(12)から抽出される蒸気で過熱される、方法。
【請求項4】
前記蒸気貯蔵手段(27)が、蒸気貯蔵タンクである、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の方法を実施するための蒸気発電プラント(10a,10b)であって、当該蒸気発電プラント(10a,10b)が、
高圧蒸気タービン(11)、中間圧力蒸気タービン(12)及び低圧蒸気タービン(13)を有する気水サイクルと、
復水器(15)と、
給水タンク(19)と
を備えており、
低圧加熱器(18)が前記復水器(15)と前記給水タンク(19)の間に配置され、第1及び第2の高圧加熱器(21a,21b)が前記給水タンク(19)の下流に配置されており、前記低圧加熱器(18)、前記給水タンク(19)並びに前記第1及び第2の高圧加熱器(21a,21b)に、前記蒸気タービン(11,12,13)の複数の抽気系(E1〜E7)から蒸気が供給され、
蒸気を受け取るための入力部(27a)及び蒸気を排出するための出力部(27b)を有する蒸気貯蔵手段(27)が前記蒸気発電プラント(10a,10b)に設けられ、前記蒸気貯蔵手段(27)の前記入力部(27a)が前記高圧(HP)蒸気タービン(11)の蒸気抽気系(E7)に動作可能に接続され、前記蒸気貯蔵手段(27)の前記出力部(27b)が前記第1の高圧加熱器(21a)又は前記給水タンク(19)に動作可能に接続される、蒸気発電プラント(10a,10b)。
【請求項6】
前記蒸気貯蔵手段(27)が、前記給水タンク(19)に動作可能に接続される、請求項5に記載の蒸気発電プラント(10a,10b)。
【請求項7】
前記高圧(HP)蒸気タービン(11)から抽出された蒸気、又は前記中間圧力(IP)蒸気タービン(12)の入口で利用可能である高温再熱蒸気、又は前記複数の高圧加熱器(21a,21b)のうちの前記第1の高圧加熱器(21a)に供給するために前記中間圧力(IP)蒸気タービン(12)から抽出される蒸気で、前記蒸気貯蔵手段(27)から抽出された蒸気を過熱する手段が設けられている、請求項5又は請求項6に記載の蒸気発電プラント(10a,10b)。
【請求項8】
前記給水タンク(19)に供給するために前記中間圧力(IP)蒸気タービン(12)から抽出された蒸気で前記蒸気貯蔵手段(27)から抽出された蒸気を過熱する手段が設けられている、請求項6に記載の蒸気発電プラント(10a,10b)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気発電プラントに関連する。本発明は、請求項1記載のプリアンブルに記載の蒸気発電プラントを運転する方法に関する。
【0002】
さらに、本発明は、上記方法を実施するための蒸気発電プラントに関する。
【背景技術】
【0003】
これまで、所定の運転条件中にエネルギーを使用するためエネルギーを蒸気発電プラントに貯蔵する様々な試みがなされてきた。
【0004】
文献EP2333254B1は、低負荷時に予熱凝縮液が詰め込まれる熱だめを低圧予熱器通路に並列に有する蒸気動力を示唆する。この予熱凝縮液は、ピーク負荷を発生させるために熱だめから得られ、予熱器通路の下流で復水系統、給水タンクにそれぞれ挿入される。したがって、蒸気発生器のボイラの加熱出力をあまり変更する必要なく広範囲で発電プラントの発電を迅速に制御することが可能である。したがって、本発明により装備された蒸気発電プラントは、より大きい負荷変更で運転することができるとともに、より大きい制御エネルギーを与えることもできる。
【0005】
文献EP2589761A1は、上述のEP2333254B1の拡張を説明する。やはり、蒸気発電プラントは、低負荷時に予熱凝縮液が詰め込まれる熱だめを低圧通路に並列に有する。この予熱凝縮液は、ピーク負荷を発生させるために熱だめから得られ、低圧予熱器通路の下流で復水系統、給水タンクにそれぞれ挿入される。さらなる熱交換器が、貯蔵所に送られる熱水の温度を増大させるために設けられる。したがって、蒸気発生器のボイラの加熱出力をあまり変更する必要なく広範囲で発電プラントの発電を迅速に制御することが可能である。したがって、本発明により装備された蒸気発電プラントは、より大きい負荷変更で運転することができるとともに、より大きい制御エネルギーを与えることもできる。
【0006】
文献EP2589760A1は、高圧給水予熱器に並列な熱水エネルギー貯蔵庫を統合することを記載する。この場合、貯蔵庫は、前述のEP2333254B1におけるものよりも高い温度および圧力にある。
【0007】
文献DE102012213976A1は、蒸気タービンの気水回路に接続されたボイラから蒸気流量の一部を外部貯蔵庫の中に抽出することを伴う方法を開示する。蒸気は、外部貯蔵庫から解放され、必要なときに蒸気タービンプロセスへ供給される。蒸気は、発電プラントが部分負荷で運転されるときまたは迅速な電力低減が必要とされるときに、外部貯蔵庫に抽出される。蒸気タービンは変更された可変圧力で運転され、ボイラが蒸気で満たされる一方で、蒸気が外部貯蔵庫から解放される。ここで、放出中、貯蔵庫は、ボイラから蒸気が送り込まれる。
【0008】
貯蔵庫がまだ設置されていない発電プラントに対して、EP2333254B1およびEP2589761A1は、最良の解決策を提供する。しかし、発電プラントが、設置された蒸気貯蔵庫をすでに有するが、それをさらなるパワーを供給するためにもっぱら使用するようになっていないときは、既存の蒸気貯蔵庫を異なるやり方で統合することが最も費用効率が高い解決策である。
【0009】
本発明の目的は、電気料金の変動を利用して追加の収益を稼ぐためにエネルギーを貯蔵すること(アービトレーション)ができる蒸気発電プラントを運転する方法を提供することである。
【0010】
本発明のさらなる目的は、前記方法を実施するための蒸気発電プラントを提供することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】EP2589760A1
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
これらの目的は、請求項1記載の方法、および請求項12および13記載の蒸気発電プラントによって達成される。
【0013】
蒸気発電プラントを運転する本発明の方法は、高圧(HP:high pressure)蒸気タービン、中間圧力(IP:intermediate pressure)蒸気タービン、および低圧(LP:low pressure)蒸気タービンを有する主気水サイクルと、復水器と、給水タンクとを備え、低圧加熱器は前記復水器と前記給水タンクの間に配置され、複数の高圧加熱器は前記給水タンクの下流に配置されており、前記低圧加熱器、前記給水タンク、および前記複数の高圧加熱器は、前記蒸気タービンにおける複数の抽気系から蒸気が供給される蒸気発電プラントに基づく。
【0014】
本発明の方法は、(a)蒸気貯蔵手段を前記蒸気発電プラント内に設けるステップと、(b)前記蒸気発電プラントの第1の運転期間中、蒸気を前記蒸気貯蔵手段に貯蔵するステップと、(c)前記蒸気タービンにおける前記複数の抽気系から抽出され
る蒸気を
節約するために、前記蒸気貯蔵手段に貯蔵された蒸気を、前記蒸気発電プラントの第2の運転期間中に、主気水サイクルへ排出するステップとを含む。
【0015】
本発明の方法の一実施形態は、前記第1の運転期間中、前記高圧(HP)蒸気タービンから抽出された蒸気は、前記蒸気貯蔵手段に貯蔵され、前記複数の高圧加熱器のうちの第1の高圧加熱器は、前記中間圧力(IP)蒸気タービンから抽出された蒸気が供給され、蒸気は、前記蒸気発電プラントの前記第2の運転期間中に前記蒸気貯蔵手段から前記複数の高圧加熱器のうちの前記第1の高圧加熱器の中に排出されることを特徴とする。
【0016】
前記第2の運転期間中に前記蒸気貯蔵手段から前記複数の高圧加熱器のうちの前記第1の高圧加熱器の中に排出された前記蒸気は、前記高圧(HP)蒸気タービンから抽出された蒸気で過熱することができる。
【0017】
代替として、前記第2の運転期間中に前記蒸気貯蔵手段から前記複数の高圧加熱器のうちの前記第1の高圧加熱器の中に排出された前記蒸気は、前記中間圧力(IP)蒸気タービンの入口で利用可能である高温再熱蒸気で過熱することができる。
【0018】
代替として、前記第2の運転期間中に前記蒸気貯蔵手段から前記複数の高圧加熱器のうちの前記第1の高圧加熱器の中に排出された前記蒸気は、前記複数の高圧加熱器のうちの前記第1の高圧加熱器に供給するために前記中間圧力(IP)蒸気タービンから抽出される蒸気で過熱される。
【0019】
本発明の方法の別の実施形態は、前記第1の運転期間中、前記高圧(HP)蒸気タービンから抽出された蒸気は、前記蒸気貯蔵手段に貯蔵され、前記給水タンクは、前記中間圧力(IP)蒸気タービンから抽出された蒸気が供給され、蒸気は、前記蒸気発電プラントの前記第2の運転期間中に前記蒸気貯蔵手段から前記給水タンクの中に排出されることを特徴とする。
【0020】
前記蒸気貯蔵手段から前記給水タンクの中に排出された前記蒸気は、前記高圧(HP)蒸気タービンから抽出された蒸気で過熱することができる。
【0021】
代替として、前記蒸気貯蔵手段から前記給水タンクの中に排出された前記蒸気は、前記中間圧力(IP)蒸気タービンの入口で利用可能である高温再熱蒸気で過熱することができる。
【0022】
代替として、前記複数の高圧加熱器のうちの第1の高圧加熱器は、前記中間圧力(IP)蒸気タービンから抽出された蒸気が供給され、前記蒸気貯蔵手段から前記給水タンクの中に排出された前記蒸気は、前記複数の高圧加熱器のうちの前記第1の高圧加熱器に供給するために前記中間圧力(IP)蒸気タービンから抽出される蒸気で過熱することができる。
【0023】
代替として、前記蒸気貯蔵手段から前記給水タンクの中に排出された前記蒸気は、前記給水タンクへ供給されるために前記中間圧力(IP)蒸気タービンから抽出された蒸気で過熱することができる。
【0024】
本発明の方法の別の実施形態によれば、前記蒸気貯蔵手段は、蒸気貯蔵タンクである。
【0025】
本発明の方法を実施するための本発明による蒸気発電プラントは、高圧蒸気タービン、中間圧力蒸気タービン、および低圧蒸気タービンを有する気水サイクルと、復水器と、給水タンクとを備え、低圧加熱器は前記復水器と前記給水タンクの間に配置され、第1および第2の高圧加熱器は前記給水タンクの下流に配置されており、前記低圧加熱器、前記給水タンク、および前記高圧加熱器は前記蒸気タービンにおける複数の抽気系から蒸気が供給される。
【0026】
蒸気を受け取るための入力部および蒸気を排出するための出力部を有する蒸気貯蔵手段が前記蒸気発電プラントに設けられ、前記蒸気貯蔵手段の前記入力部は前記高圧蒸気タービンにおける蒸気抽気系に動作可能に接続され、前記蒸気貯蔵手段の前記出力部は前記第1の高圧加熱器に動作可能に接続されることを特徴とする。
【0027】
本発明の方法を実施するための本発明による別の蒸気発電プラントは、高圧蒸気タービン、中間圧力蒸気タービン、および低圧蒸気タービンを有する気水サイクルと、復水器と、給水タンクとを備え、低圧加熱器は前記復水器と前記給水タンクの間に配置され、第1および第2の高圧加熱器は前記給水タンクの下流に配置されており、前記低圧加熱器、前記給水タンク、および前記高圧加熱器は前記蒸気タービンにおける複数の抽気系から蒸気が供給される。
【0028】
蒸気を受け取るための入力部および蒸気を排出するための出力部を有する蒸気貯蔵手段が前記蒸気発電プラントに設けられ、前記蒸気貯蔵手段の前記入力部は前記高圧(HP)蒸気タービンにおける蒸気抽気系に動作可能に接続され、前記蒸気貯蔵手段の前記出力部は前記給水タンクに動作可能に接続されることを特徴とする。
【0029】
特に、前記高圧(HP)蒸気タービンから抽出された蒸気、または前記中間圧力(IP)蒸気タービンの入口で利用可能である高温再熱蒸気、または前記高圧加熱器のうちの第1の高圧加熱器に供給するために前記中間圧力(IP)蒸気タービンから抽出される蒸気で前記蒸気貯蔵手段から抽出された蒸気を加熱する手段を提供することができる。
【0030】
さらに、前記給水タンクへ供給されるために前記中間圧力(IP)蒸気タービンから抽出された蒸気で前記蒸気貯蔵手段から抽出された蒸気を過熱する手段を提供することができる。
【0031】
次に、様々な実施形態によって、添付図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】従来技術の基本的な気水サイクルの構成を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態による
図1に示されるような気水サイクルの構成における高圧加熱器での蒸気貯蔵の統合を示す図である。
【
図3】本発明の別の実施形態による
図1に示されるような気水サイクルの構成における給水タンクでの蒸気貯蔵の統合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
主目的は、熱エネルギー貯蔵(蒸気貯蔵)を蒸気発電プラントに統合することである。蒸気貯蔵手段またはタンクの放出中、蒸気は、抽気系蒸気を
節約するために主気水サイクルへ送られる。こうすることによって、プラントのパワー出力を増大させることができる。
【0034】
この基礎は、
図1に示した従来技術の蒸気発電プラントである。
図1の蒸気発電プラント10は、高圧(HP)蒸気タービン11と、中間圧力(IP)蒸気タービン12と、低圧(LP)蒸気タービン13とを備え、これらが発電機14を駆動する。長寿命な蒸気25は、図示されていないボイラ(または排熱回収蒸気発生器HRSG:heat recovery steam generator)から高圧蒸気タービンへ供給される。高圧蒸気タービン11内で膨張後、蒸気は、ボイラの低温再熱24へ戻される。次いで、ボイラからの高温再熱26の蒸気は中間圧力(IP)蒸気タービン12へ供給され、その出口は低圧(LP)蒸気タービン13の入口に接続されている。
【0035】
低圧(LP)蒸気タービン13からの蒸気は、復水器15に流れ込む。その結果生じる復水は、復水ポンプ16によって熱交換器17および一連の低圧加熱器(LPH:low pressure heater)18を通じて給水タンク19へ汲み出される。給水タンク19から、給水ポンプ20は、給水を高圧加熱器(HPH:high pressure heater)21aおよび21bならびに過熱低減器(DeSH:DeSuperHeater)22を通じてボイラ/排熱回収蒸気発生器(図示せず)のエコノマイザ23へ汲み出す。
【0036】
低圧加熱器18は、低圧蒸気タービン13および中間圧力蒸気タービン12の様々な個所(抽気系E1からE4)で抽出された蒸気が供給される。給水タンク19は、中間圧力蒸気タービン12の抽気系E5から蒸気を受け取り、一方、第1の高圧加熱器21aおよび過熱低減器22は、中間圧力蒸気タービン12の抽気系E6に接続される。第2の高圧加熱器21bは、蒸気を抽気系E7から受け取る、すなわち高圧蒸気タービン11の出口から直接受け取る。
【0037】
HP抽気は、
図1の図面に示されていないが、可能であり得る。
【0038】
ここで、概して、抽気蒸気の圧力が高いほど、蒸気が「仕事」を送り届けることができる蒸気タービン内の経路は長くなる。質量流量が同様ならば、これは真である。しかし、蒸気貯蔵に関しては、最小圧力が低いほど、より多くの質量を貯蔵庫から抽出することができ、したがって、下段における蒸気貯蔵の統合は、よりいっそう高い電力出力の増加となり得る。
【0039】
最大貯蔵圧力が24において低温再熱(CRH:cold reheat)圧力である場合、貯蔵庫から蒸気を抽出するときに圧力が減少すると、貯蔵庫は(
図1中の)第2の高圧加熱器21bに接続することができる。したがって、降順に第1の可能な給水予熱器は、第1の高圧加熱器21aである。いくつかの高圧給水予熱器がある場合、貯蔵庫は、貯蔵圧力より低い圧力を有するそれらのいずれかに接続することができる。
【0040】
過熱蒸気の源に応じて、貯蔵庫からの蒸気圧は、(システム内の圧力降下に応じて)元の抽気圧よりも低いほんのわずかなものであることが生じ得る。
【0041】
ここで、
図2は、貯蔵タンク27を有する蒸気貯蔵手段が高圧加熱器21aで統合される本発明の一実施形態を示す。
【0042】
この高圧加熱器21aがIP蒸気タービン12(抽気系E6)に接続される場合、それは、24において高温(約400℃以上)および低温再熱圧力よりも低い圧力(約25バール)を有する。
【0043】
貯蔵タンク27からの蒸気を過熱するには様々なやり方がある。
【0044】
第1の過熱オプション29(弁30)によれば、貯蔵タンク27からの蒸気は、高圧蒸気タービン11の出口からの低温再熱24で過熱することができる。
【0045】
第2の過熱オプション31(弁32)によれば、貯蔵タンク27からの蒸気は、高温再熱26、すなわち中間圧力蒸気タービン12の入口へ供給される蒸気で過熱することができる。
【0046】
第3の過熱オプション33(弁34)によれば、貯蔵タンク27からの蒸気は、中間圧力蒸気タービン12における抽気系E6から高圧加熱器21aへの蒸気で過熱することができる。さらなる弁28、35、および36は、上記の機能を完全なものにするために設けられている。
【0047】
蒸気の過熱度がむしろ低い場合、上記高圧予熱器21aの過熱低減器22をシャットオフし、貯蔵タンク27からの蒸気を直接復水部に導入することは結局理に適っている。過熱低減器22と復水部(弁35)の間に逆止め弁がない場合、それは、装置が改良されなければならない。第3の過熱オプション33は、上述した3つの過熱の変形例のうち最高の貯蔵効率を有する。
【0048】
さらに、スロットル弁(弁28)は、高圧加熱器21aの圧力に対して圧力を制御する。
【0049】
図3には本発明の別の実施形態が示されている。
図3によれば、貯蔵タンク27を有する蒸気貯蔵手段は、給水タンク19において統合される。約10バールの圧力レベルにある給水タンク19において貯蔵タンク27からの蒸気を統合するとき、より多くの蒸気が貯蔵タンク27から抽出され得る。貯蔵タンク27の下流のスロットル弁28は、やはり必要である。
【0050】
貯蔵蒸気を過熱するために、上述した3つの過熱オプションが可能である。
【0051】
給水タンク19の抽気系E5からの
蒸気を用いる第4のオプション39も可能である。この解決策は、より大きい電力の増加をもたらすが、高圧加熱器21aにおいて統合するときよりも貯蔵効率がわずかに落ちる。スロットル弁28は、給水タンク圧力に対して圧力を制御する。停止弁38が閉鎖されている場合、元の抽気系蒸気の流れは、給水タンク19に入ることができない。弁37および40は、上記の機能を完全なものにするために設けられている。
【0052】
本開示は、最も実際的な例示実施形態であると考えるもので本明細書中の図示および説明されてきたが、本開示は、他の特定の形態で具体化されてもよい。例えば、例示的な発電プラントは、2つの低圧加熱器、および/または低い抽気系に接続された給水タンク、および/または2つ以上の高圧加熱器を有するだけでもよい。したがって、本開示の実施形態は、全ての例示的態様において例示的であるとともに限定ではないと考えられる。本開示の範囲は、前述の明細書ではなく添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲の内に入る全ての変更およびその均等物は、本明細書の範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0053】
10 蒸気発電プラント
10a、b 蒸気発電プラント
11 高圧(HP)蒸気タービン
12 中間圧力(IP)蒸気タービン
13 低圧(LP)蒸気タービン
14 発電機
15 復水器
16 復水ポンプ
17 熱交換器
18 低圧加熱器(LPH)
19 給水タンク
20 給水ポンプ
21a、b 高圧加熱器(HPH)
22 過熱低減器(DeSH)
23 エコノマイザ(へ)
24 低温再熱(へ)
25 長寿命な蒸気(から)
26 高温再熱(から)
27 蒸気貯蔵タンク
27a 入力部(蒸気貯蔵タンク)
27b 出力部(蒸気貯蔵タンク)
28、30、32 弁
29、31、33、39 過熱(SH)オプション
34〜38、40 弁
E1〜E7 (蒸気の)抽気系