(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986851
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】液体誘導レーザ加工および放電加工の組み合わせ
(51)【国際特許分類】
B23H 5/00 20060101AFI20211213BHJP
B23K 26/382 20140101ALI20211213BHJP
B23K 26/122 20140101ALI20211213BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20211213BHJP
F01D 5/18 20060101ALI20211213BHJP
F01D 9/02 20060101ALI20211213BHJP
F02C 7/00 20060101ALI20211213BHJP
F02C 7/18 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
B23H5/00
B23K26/382
B23K26/122
F01D25/00 X
F01D5/18
F01D9/02 102
F02C7/00 D
F02C7/18 A
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-82458(P2017-82458)
(22)【出願日】2017年4月19日
(65)【公開番号】特開2017-205866(P2017-205866A)
(43)【公開日】2017年11月24日
【審査請求日】2020年4月13日
(31)【優先権主張番号】15/145,053
(32)【優先日】2016年5月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ツァオリー・フー
(72)【発明者】
【氏名】エイブ・デニス・ダーリン
(72)【発明者】
【氏名】シャンガー・エリジャ・マクドーウェル
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス・アンソニー・セリーノ
【審査官】
柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−162224(JP,A)
【文献】
特開2011−140036(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0076868(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0301319(US,A1)
【文献】
特開2013−047479(JP,A)
【文献】
特開2010−285919(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第104907650(CN,A)
【文献】
特許第2985004(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23H 5/00
B23K 26/382
B23K 26/122
F01D 25/00
F01D 5/18
F01D 9/02
F02C 7/00
F02C 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム(100)であって、当該システム(100)が、
液体誘導レーザ経路(119)を有する液体誘導レーザ装置(110)と、
電極(128)を有する放電加工(EDM)装置(120)と、
前記液体誘導レーザ装置(110)を用いて被加工物(102)を加工することによって少なくとも1つの中間特徴を形成するために前記液体誘導レーザ経路(119)に前記被加工物(102)を配置及び移動するための移動可能な第1の段(130)及び第1のチャック(132)を含む第1の配置システムと、
前記少なくとも1つの中間特徴を改変して前記被加工物(102)に少なくとも1つの完成特徴を形成するために前記EDM装置(120)の前記電極(128)が前記被加工物(102)の前記少なくとも1つの中間特徴の近傍に動作可能に配置されるように前記被加工物(102)を配置及び移動するための移動可能な第2の段(140)及び第2のチャック(142)を含む第2の配置システムと、
前記被加工物(102)に取り付けられるアダプタ(160)であって、前記被加工物(102)の基準となる向き及び位置を提供するアダプタ(160)と
を備えており、
前記被加工物(102)が、前記被加工物(102)において前記少なくとも1つの中間特徴と前記少なくとも1つの完成特徴との位置合わせを行うために前記第1の配置システム及び前記第2の配置システムによって使用される前記被加工物(102)の共通の基準を用いて前記第1の配置システムと前記第2の配置システムとの間で該被加工物(102)に取り付けられたアダプタ(160)と共に移動され、
当該システム(100)が、前記液体誘導レーザ装置(110)、前記EDM装置(120)、前記第1の配置システム及び前記第2の配置システムに用意される設計データの共通セットをさらに備えていて、前記設計データの共通セットが、前記被加工物の共通の基準、前記被加工物における前記少なくとも1つの中間特徴、及び前記被加工物における前記少なくとも1つの完成特徴に関するデータを含んでおり、
前記第1の配置システム及び前記液体誘導レーザ装置(110)が、前記被加工物(102)の共通基準を用いて前記設計データの共通セットに従って前記被加工物(102)に前記少なくとも1つの中間特徴を加工し、前記第2の配置システム及び前記EDM装置(120)が、前記被加工物(102)の共通基準を用いて前記共通の設計データに従って前記被加工物(102)に前記少なくとも1つの完成特徴を加工する、システム(100)。
【請求項2】
前記被加工物(102)の前記少なくとも1つの中間特徴が孔であり、前記設計データの共通セットに従って前記被加工物(102)に前記少なくとも1つの完成特徴を形成するために、前記液体誘導レーザ装置(110)が前記孔を中間深さまで加工し、前記EDM装置(120)が前記孔を完成深さまで加工する、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記被加工物(102)が、基材及びコーティング深さを有する熱障壁コーティングをさらに備え、前記設計データの共通セットに従って前記被加工物(102)に前記少なくとも1つの完成特徴を形成する際に、前記液体誘導レーザ装置(110)が、前記コーティング深さを上回る深さまで前記少なくとも1つの中間特徴を加工し、前記EDM装置(120)が前記基材のみを除去する、請求項1又は請求項2に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記液体誘導レーザ経路(119)が直線であり、前記EDM装置(120)の前記電極(128)が湾曲しており、前記被加工物(102)の前記少なくとも1つの完成特徴が、直線経路を辿る第1の部分及び湾曲経路を辿る第2の部分を含む、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記孔の前記中間深さがEDM効率閾値を下回り、前記孔の前記完成深さが前記EDM効率閾値を上回る、請求項2に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記第2の配置システムが、前記被加工物(102)の前記少なくとも1つの中間特徴の内側に前記EDM装置(120)の前記電極(128)が動作可能に配置されるように、前記被加工物を配置する、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記被加工物(102)がタービンブレードであり、前記少なくとも1つの完成特徴が複数の調量孔である、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記被加工物(102)が複数の完成特徴を含み、該複数の完成特徴の一部が、液体誘導レーザ装置(110)のみを使用して形成され、前記複数の完成特徴の前記一部が、ディフューザ形状である、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項9】
前記第1の配置システムが、前記第1の段(130)と、前記第1の段(130)に配置された前記第1のチャック(132)と、前記第1の段(130)に接続された第1の位置制御システム(134)とを含んでいて、前記第1の位置制御システム(134)が、前記液体誘導レーザ装置(110)を用いて前記被加工物(102)を加工することによって前記少なくとも1つの中間特徴を形成するために前記第1の段(130)を移動させるように構成されており、かつ
前記第2の配置システムが、前記第2の段(140)と、前記第2の段(140)に配置された前記第2のチャック(142)と、前記第2の段(140)に接続された第2の位置制御システム(144)とを含んでいて、前記第2の位置制御システム(144)が、前記EDM装置(120)を用いて前記少なくとも1つの中間特徴を改変して前記被加工物(102)に前記少なくとも1つの完成特徴を形成するために前記第2の段(140)を移動させるように構成されている、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のシステム(100)。
【請求項10】
前記アダプタ(160)が、前記第1の配置システムの前記第1のチャック(132)及び前記第2の配置システムの前記第2のチャック(142)の両方に適合している、請求項9に記載のシステム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に金属被加工物の加工、より詳細には、共通の被加工物への液体誘導レーザ(liquid guided laser)加工および放電加工の工具の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
高エネルギーレーザビームと透明液体(水など)の集中噴射とを組み合わせた産業用切断工具が多年にわたって使用されている。これらのシステムは、一般に、レーザビームを供給するレーザおよびビームガイド、レーザを制御可能に集束させるための光学モジュール、レーザと高圧液体噴射とを結合するための結合アセンブリ、および吐出ノズルを備える。液体誘導レーザは、非常に硬質の材料の加工に効果的だが、小さい孔の穿孔の深さおよび見通せない孔に関して制約を有する場合がある。
【0003】
放電加工(EDM:electrical discharge machining)に基づく産業用切断工具も、様々な被加工物(硬化した鋼および合金のような加工の困難な材料を含む)を加工するために同様に多年にわたって使用されている。EDMは、一般に誘電流体の助けを借りて、小量の材料を除去する放電またはスパークを被加工物に発生させるために電極を使用する。EDMの1つの用途は、タービンブレードの前縁および/または後縁に小さい孔の列を穿孔することである。タービンブレードに使用される非常に硬質の合金は、高い縦横比を有する孔の従来の加工を極めて困難にしている。EDM穿孔は、このような材料への小さくて深い孔の高速穿孔を可能にし得る。しかしながら、EDMは、小さくて複雑な特徴に関して効率および精度の面で制約を有し、また、タービンブレードおよび熱障壁コーティング(TBC:thermal barrier coating)を用いる同様の被加工物上のTBCを除去することが困難である。
【発明の概要】
【0004】
本開示の第1の態様は、被加工物を加工する方法を提供する。本方法は、液体誘導レーザ切断経路に被加工物を配置することおよび被加工物に少なくとも1つの中間特徴を形成する目的で被加工物を液体誘導レーザ加工するために液体誘導レーザを使用することを含む。次に、被加工物は、放電加工(EDM)装置に配置され、EDM装置の電極は、被加工物の少なくとも1つの中間特徴の近傍に動作可能に配置される。次に、放電加工が、被加工物に少なくとも1つの完成特徴を形成する目的で被加工物の少なくとも1つの中間特徴を改変するために、EDM装置を使用して被加工物に対して使用される。
【0005】
本開示の第2の態様は、液体誘導レーザ加工およびEDM加工の組み合わせによって加工された被加工物を提供する。被加工物は、基材および該基材の少なくとも1つの完成特徴を備える。完成特徴は、液体誘導レーザ切断経路に被加工物を配置し、被加工物に少なくとも1つの中間特徴を形成するために被加工物を液体誘導レーザ加工し、EDM装置に被加工物を配置し、被加工物に少なくとも1つの完成特徴を形成する目的で被加工物の少なくとも1つの中間特徴を改変するためにEDM装置を使用して被加工物を放電加工することによって形成される。放電加工の間、EDM装置の電極は、被加工物の少なくとも1つの中間特徴の近傍に動作可能に配置される。
【0006】
本開示の第3の態様は、液体誘導レーザ装置およびEDM装置を組み合わせるためのシステムを提供する。本システムは、液体誘導レーザ切断経路を有する液体誘導レーザ装置および電極を有するEDM装置を備える。本システムは、液体誘導レーザ装置を用いて被加工物を加工することによって少なくとも1つの中間特徴を形成するために液体誘導レーザ切断経路に被加工物を配置するための第1の配置システムおよびEDM装置の電極が、被加工物に少なくとも1つの完成特徴を形成する目的で少なくとも1つの中間特徴を改変するために被加工物の少なくとも1つの中間特徴の近傍に動作可能に配置されるように被加工物を配置するための第2の配置システムをさらに備える。被加工物は、被加工物において少なくとも1つの中間特徴と少なくとも1つの完成特徴との位置合わせを行うために第1の配置システムおよび第2の配置システムによって使用される共通の基準を用いて第1の配置システムと第2の配置システムとの間で移される。
【0007】
本開示の例示の態様は、本明細書で説明されている問題および/または述べられていない他の問題を解決するように構成されている。
【0008】
本開示のこれらのおよび他の特徴は、本開示の様々な実施形態を描いている添付図面に関連して行われる、本開示の様々な態様に関する以下の詳細な説明からより容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る例示的なシステムのブロック図を示している。
【
図2】本発明の実施形態に係る例示的な方法のブロック図を示している。
【
図3】本発明の実施形態に係る共通設計の各特徴のために使用される工程または複数の工程を決定するための例示的な表を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の図面が原寸に比例していないことに留意されたい。図面は、本開示の典型的な態様のみを描くためのものであり、したがって、本開示の範囲を限定するものとして考えられるべきではない。図面において、同じ番号は、図面を通して同じ要素を示している。
【0011】
上に示したように、本開示は、共通の被加工物に液体誘導レーザ加工および放電加工の工具を使用して方法、システム、および結果として得られる被加工物を提供する。液体誘導レーザ加工は、多数の好適な特性を有する。液体誘導レーザ加工は、コーティング層(熱障壁コーティング(TBC)など)および基材を確実に加工することが可能である。液体誘導レーザ加工は、ごくわずかな作り直しを残しはするが、まったくバリを残さず、裏面の平滑化(back strike)を回避することが可能である。液体誘導レーザ加工は、わずかにしかテーパ状でない非常に小径の孔を穿孔することができ、成形孔および成形特徴(表面ディフューザ形状、シェブロン、内部の正方形(square in)、外部の正方形(square out)など)を加工し得る。また、液体誘導レーザ加工は、工具から被加工物までの距離の変動に関して他の方法よりも寛容である。現在の実施態様において、液体誘導レーザ加工は、非常に浅い特徴(<0.5インチの)に関しては放電加工(EDM)よりも高速であり、ある閾値の深さまでは同等である。しかしながら、この閾値の深さ以上になると、EDMが、より効率的になり、特定の深さを上回ると、液体誘導レーザは使用不能になる。同様に、液体誘導レーザは、小径には非常に効果的だが、特定の閾値の直径を上回る(この場合は、EDMがより効果的である)と費用効果的でなくなる。深いまたは大きい特徴に加えて、EDMは、電極の成形によって得られるいくつかのさらなる能力を有し、直線レーザ誘導経路によって限定されない。
【0012】
これらの技術および工具を組み合わせることによって、被加工物の設計は、コーティング後の再開工程を容易にし得る。ディフューザ形状および冷却孔が、共通の工程で形成され得る。設計の柔軟性および効率が、穿孔速度および特徴形状の能力の最も効率的な組み合わせを選択することによって最大化され得る。2つの技術における材料の制約、加工距離、および利用可能性の違いが、いくつかの組み合わせにおいて克服され得る。例えば、液体誘導レーザは、EDMが、TBC表面に接触するリスクを低くしながら特徴に再び位置合わせされるのに十分な空間を有することを可能にするためにベース金属の加工に使用されてもよい。
【0013】
本発明の一部の実施形態で取り組まれる課題は、共通の被加工物に対する液体誘導レーザおよびEDMの技術の効果的な組み合わせであり、より具体的には、中間特徴を形成するために液体誘導レーザを使用し、特徴を仕上げるためにEDMを使用するように単一の特徴のために2つの技術の能力を活用する共通設計の開発である。中間特徴は、完成した被加工物の最終仕様を満たさないが、その代わりに完成特徴の仕様とは異なる中間仕様を有する特徴である。例えば、中間特徴は、液体誘導レーザを用いた0.5インチの深さまでの穿孔(表面コーティング層の除去を含む)による孔であってもよく、この場合、完成特徴は、EDM加工によって仕上げられる1インチの孔である。
【0014】
本発明の一部の実施形態で取り組まれるさらなる課題は、別々の機械において共通設計の特徴(特に、両方の技術を使用する特徴)を正確かつ効率的に位置合わせする困難である。液体誘導レーザおよびEDMの工具の両方に適合する共通の配置システムも可能であり得るが、これらの工具は、より一般的には異なるメーカーによって供給されるものであり、別々の工具および専用の配置システム間で被加工物を物理的に移動させることを必要とし得る。
【0015】
図1は、液体誘導レーザ装置110およびEDM装置120を使用して共通の被加工物102を加工するための複合システム100を示している。図示の複合システム100において、液体誘導レーザ装置110およびEDM装置120は、それ自体の位置制御システムを有する別々の機械であり、被加工物との共通のインターフェースおよび相補的な設計データを受信する共通の能力のみを共有している。代替的な構成(図示せず)において、2つの装置の構成要素間のさらなる統合(共通の段、位置制御システム、データシステム、または供給部など)が達成されてもよい。
図1は、概略ブロック図に過ぎず、装置(キャビネット、ユーザ制御装置/インターフェース、およびこのような市販のシステムで従来から利用可能な、当業者によく知られている他の構成要素など)の多くの詳細を意図的に除外している。
【0016】
液体誘導レーザ装置110は、レーザ源114からレーザエネルギーを、液体源116から液体を受け取る液体誘導レーザシステム112を含む。液体誘導レーザシステム112は、液体誘導レーザビーム経路119に沿って液体誘導レーザビームを形成するためにレーザ源114からのレーザエネルギーをビームに集束させ、ノズル118を介して液体源116からの液体を押し出す。液柱(一般に水噴射)は、ファイバ光学の原理と同様にレーザガイドとしての役割を果たし、被加工物からの残骸を連続的に洗い流すために移動媒体を供給しながらもレーザエネルギーを被加工物に向ける。
図1では、被加工物102はまだ、加工中のようには液体誘導レーザ経路119に配置されていない。
【0017】
EDM装置120は、液体源124から誘電液体を、電源126から電気エネルギーを受け取るEDMシステム122を含む。EDMシステム122は、電極128と被加工物との間にスパークを発生させ、これにより材料を除去するために、電極128を介して高エネルギーパルスを駆動しながら被加工物の表面に誘電液体(一般に水)を供給する。これは、電極128と加工される被加工物の位置との近接近(close proximity)を必要とする。
図1では、被加工物102はまだ、加工中のようには電極128の近傍に配置されていない。
【0018】
液体誘導レーザ装置110は、液体誘導レーザ装置110による加工中に被加工物102を配置して保持するためのチャック132を有する段130に適合し、これと連動する。液体誘導レーザ装置110および段130は、コンピュータベースの位置制御システム134によって保持され、互いに移動される。図示の実施形態において、位置制御システム134は、段130および段130を介して液体誘導レーザシステム112に接続されている。他の構成および相互接続も可能である。位置制御システム134は、X、Y、およびZの次元(XおよびYは、一般に被加工物の水平方向位置を表し、Zは、一般に、液体誘導レーザ経路119に沿った、ノズル118から被加工物のターゲット表面までの距離を表す)において高い精度で被加工物を配置し、移動させるように構成されている。これらの方向は、相対的であり、一部の実施形態において、液体誘導レーザシステム112、段130、もしくはチャック132またはこれらのいずれかおよびすべては、所望の特徴の位置、形状、および深さのための所望の接触の点および方向を達成する目的で液体誘導レーザ経路119に対して被加工物を適切に配置するために垂直方向および水平方向の駆動ならびに/または様々な方向への回転によって移動されてもよいことに留意されたい。一実施形態において、チャック132および位置制御システム134は、多数の機械工具に適合するプラットフォーム機械配置システム(platform machine positioning system)から選択される。
【0019】
EDM装置120は、EDM装置120による加工中に被加工物102を配置して保持するためのチャック142を有する段140に適合し、これと連動する。EDM装置120および段140は、コンピュータベースの位置制御システム144によって保持され、互いに移動される。図示の実施形態において、位置制御システム144は、段140および段140を介してEDMシステム122に接続されている。他の構成および相互接続も可能である。位置制御システム144は、X、Y、およびZの次元(XおよびYは、一般に被加工物の水平方向位置を表し、Zは、一般に、電極128から被加工物のターゲット表面までの距離を表す)において高い精度で被加工物を配置し、移動させるように構成されている。これらの方向は、相対的であり、一部の実施形態において、EDMシステム122、段140、もしくはチャック142またはこれらのいずれかおよびすべては、所望の特徴の位置、形状、および深さのための所望の接触の点および方向を達成する目的で電極128に対して被加工物を適切に配置するために垂直方向および水平方向の駆動ならびに/または様々な方向への回転によって移動されてもよいことに留意されたい。一実施形態において、チャック142および位置制御システム144は、多数の機械工具に適合するプラットフォーム機械配置システムから選択され、これは、液体誘導レーザ装置110用のチャック132および位置制御システム134と同じ種類のプラットフォーム機械配置システムである。
【0020】
特徴の相対位置の高レベルの制御によって同じ被加工物に特徴を加工することができるようにするために、本発明の一部の実施形態は、設計データ150の共通セットならびに被加工物102に取り付けられ、両方の工具を配置するための一貫性のある基準を提供する、チャック132および142用のアダプタ160を使用する。例えば、チャック132および142のそれぞれは、各機械のための共通の取付装置を提供してもよく、アダプタ160は、加工工程の全体にわたって被加工物102に固定して取り付けられ、ユニットとして機械間で被加工物と共に移動されるパレットであってもよい。アダプタ160は、被加工物の基準面を指定するための反復可能なシステムを実現する。一実施形態において、アダプタ160は、機械移動の小さな加工空間内に被加工物を固定して配置し、被加工物102の位置を提供するために被加工物102の一部を取り外し可能にクランプする。アダプタ160は、不規則な被加工物の幾何学的形状が標準的なチャック形式に容易に適合することを可能にするこができ、一部の実施形態では、反復使用のために部品群の特定の部品用に開発されるカスタム固定具である。アダプタ160は、被加工物102の共通の基準点に基づいて両方の位置制御システム134、144が、それぞれの機械において共通の開始点を使用し、被加工物102の位置を発見、計算、および操作し得るように被加工物102の基準となる向きおよび位置を提供する。例えば、一実施形態において、被加工物102は、液体誘導レーザ装置110用の位置制御システム134によって探査され、座標シフトが、計算され、共通の設計データ150に記録されるか、あるいはEDM装置120用の位置制御システム144に通信される。
【0021】
共通の基準(または複数の基準)が両方の位置制御システム134、144によって使用され得るようにするために、2つの別々の機械が実際の加工に使用される場合であってもすべての特徴およびこれらの仕様を単一の被加工物の設計に正確に写像する、設計データの共通セットが用意されてもよい。所与の共通設計に関して、これらの特徴が写像され、これらの相対位置および仕様が決定されたら、各特徴は、液体誘導レーザ装置110、EDM装置120、またはこれらの組み合わせのいずれで作製されるべきかに関して評価されてもよい。組み合わせ特徴の場合、仕様は、ターゲット位置、形状、および深さを有する、使用される第1の装置(一般に液体誘導レーザ装置110)のための中間特徴仕様ならびに所望の仕様を有する完成特徴を形成する仕上げ特徴のためのターゲット位置、形状、および深さを含む最終特徴仕様に分けられる。共通の設計データ150が生成されたら、共通の設計データ150は、共通の基準データと共に各機械のための、特徴仕様の相補セットに分割されてもよい。例えば、共通の設計データ150からの液体誘導レーザ仕様は、液体誘導レーザ装置110のみによって形成される多数の特徴およびEDM装置120による完成のために液体誘導レーザ装置110によって形成される多数の中間特徴を含んでもよい。共通の設計データ150からのEDM仕様は、EDM装置120のみによって形成される多数の特徴および共通設計の完成特徴を完成させるために液体誘導レーザ装置110によって形成される中間特徴内の位置から開始するための多数の仕上げ特徴を含んでもよい。一部の被加工物および設計の応用に関して、液体誘導レーザ特徴およびEDM特徴の順序を逆にすることまたは完成のために2つの機械間での多数の繰り返しを必要とする組み合わされた特徴を有することも可能であり得ることに留意されたい。例えば、大きな中間特徴を作製するためにEDM装置120を使用し、液体誘導レーザ装置110によって複雑な形状を有する第2の中間特徴を第1の中間特徴内に作製することに移り、次に、再びEDM装置120によって、複雑な完成特徴を作製するために第2の中間特徴内に長孔を穿孔することに移ることが可能であってもよい。一実施形態において、設計データ150のための組み合わされた設計および液体誘導レーザ仕様およびEDM仕様への特徴の分割は、設計データ150用の共通のリポジトリへの遠隔接続を有する別個の設計システム(設計システム152など)において達成される。別の実施形態において、設計データ150は、設計システム152で形成され、位置制御システム134、144に適合するリムーバブルメディアに配置され、被加工物102およびアダプタ160と共に工程に回される。
【0022】
図2は、例示的な方法200(
図1の複合システム100を使用する方法など)のブロック図である。ステップ210において、完成した被加工物のすべての完成特徴を示す、液体誘導レーザ(LGL:liquid guided laser)およびEDMの共通設計のための組み合わせ特徴のレイアウトが用意され、各特徴が、工程に関して、様々な設計および工程の効率の考慮項目(
図3参照)を使用してLGL、EDM、またはLGL/EDMの組み合わせとして識別される。ステップ215において、LGL/EDMの組み合わせ加工を必要とする各特徴に関して、中間特徴および仕上げ特徴が計算される。ステップ220において、共通の基準、LGLのみの特徴、およびLGL中間特徴を含む設計データが、LGL装置用の位置制御システムに供給される。ステップ230において、LGL装置は、共通の基準データならびに被加工物および/またはアダプタによって提供される基準点を使用して配置される。ステップ240において、LGLのみの特徴およびLGL中間特徴が、LGL設計データならびにLGL設計データ、基準位置、およびLGL装置用の位置制御システムから計算された位置および動作仕様に基づいてLGL装置によって加工される。ステップ250において、共通の基準、EDMのみの特徴、およびEDM仕上げ特徴を含む設計データが、EDM装置用の位置制御システムに供給される。ステップ260において、EDM装置は、共通の基準データならびに被加工物および/またはアダプタによって提供される基準点を使用して配置される。ステップ270において、EDMのみの特徴およびEDM仕上げ特徴が、EDM設計データならびにEDM設計データ、基準位置、およびEDM装置用の位置制御システムから計算された位置および動作仕様に基づいてEDM装置によって加工される。
【0023】
図3は、組み合わせ設計の特徴をLGLのみの特徴、EDMのみの特徴、LGL/EDMの組み合わせ特徴として分類するための基準の例示的な表300である。これは、例に過ぎず、このような設計考慮項目は、機械および工程の能力が変化するにつれて時間とともに変化し、また被加工物の種類およびその幾何学的形状、特徴、材料、コーティングなどの様々な特殊な考慮項目に応じて変化する。また、これらの基準は、より一般的な製造効率基準(機械の稼働率、信頼性、特徴の公差、および他の考慮項目など)を考慮に入れてもよい。表300において、第1のデータ列は、コーティングが存在する場合に基材上のコーティングの存在がLGLまたはLGL+EDMのいずれかの使用を必要とすることを意味している。第2のデータ列では、表面特徴形状の複雑度が考慮されている。複雑度閾値は、LGL対EDMの相対能力に基づいて設定される。この複雑度閾値を上回る形状の場合、EDMがより複雑な形状に関しては使用不能なため、LGLまたはLGL+EDMが必要とされる。一般に直径を意味する特徴サイズが、第3のデータ列では考慮されている。EDMサイズ閾値であって、これを下回ると、EDMが使用不能となり、LGLのみが最適な選択肢となるEDMサイズ閾値が存在する。しかしながら、LGLサイズ効率閾値であって、これを上回ると、LGLが非効率的な方法となるLGLサイズ効率閾値も存在する。これらの2つの閾値間では、LGL、EDM、またはLGL+EDMのすべてが選択肢となる。LGLサイズ効率閾値を上回ると、EDMのみまたはLGL+EDMが最適な選択肢となる。第4のデータ列では、特徴の深さが考慮されている。図示の例では、より高速なもしくは同等のLGLまたはより高速なEDM間の効率閾値のみが考慮されている。この例において、特徴の深さは、3つの選択肢のすべてが利用可能な場合にどの方法を使用するかの優位性を決定する。短孔は、LGLのみによって穿孔される。長孔は、EDMのみによって穿孔される。しかしながら、他の特徴の仕様(コーティングの存在または複雑な表面形状のような)の場合、2つの工程を切り替えさせる、EDM効率閾値の近くの深さを有する中間特徴には、LGL+EDMが好ましい。最後のデータ列は、特徴のための穿孔経路に関し、意思決定を促す工程能力には他の考慮項目が存在し得るという一般的な考えをとらえている。この例において、LGLは、より長くかつより寛容な加工距離閾値を有する。したがって、被加工物の全体形状、配置システム、各工具のヘッド、および/または工具が特定の特徴の位置に近づくことを防止し得る構造によっては、LGLが、最適な選択肢となり得る。EDMは、近接性を必要とする一方で、一部の実施形態は、直線LGLビーム経路では困難であり得る特徴の位置に到達するために成形電極を使用する能力も有する。LGLおよびEDMの組み合わせの場合、設計は、表面コーティングを除去するまたは特徴を開始するためのLGLの使用を考慮することができるが、その場合、特徴を完成させるために、EDMの成形電極への切り替えが必要である。上で述べたように、この表は、例に過ぎず、完全な設計基準が、特定の特徴をLGLのみ、EDMのみ、またはLGL/EDMの組み合わせに割り当てるために使用され、中間特徴の実際の仕様を設定することは複雑な工程であり得る。
【0024】
先の図面は、本開示のいくつかの実施形態に関連する動作処理のいくつかを示している。一部の代替的な実施態様において、説明した活動は、説明した順序とは異なる順序で行われてもよいし、実際に、関連する活動に応じてほぼ同時にまたは逆の順序で実行されてもよいことに留意すべきである。
【0025】
本明細書で使用されている用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本開示を限定することを意図したものではない。本明細書で使用される場合、単数形「ある(a)」、「ある(an)」、および「その(the)」は、文脈上別段の明確な指示がない限り、複数形をも含むことが意図されている。用語「含む」および/または「含んでいる」は、本明細書で使用される場合、言明されている特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を明確に述べているが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはこれらの群の存在または追加を排除しないことがさらに理解される。
【0026】
以下の特許請求の範囲中のすべてのミーンズまたはステップ・プラス・ファンクション(means or step plus function)の要素の対応する構造、材料、働き、および均等物は、明確に特許請求されている他の特許請求された要素と組み合わせて機能を実行するための構造、材料、または働きを含むことが意図されている。本開示の説明は、例示および説明のために提示されているが、網羅的であることまたは開示されている形態に本開示を限定することを意図したものではない。多くの修正例および変形例は、本開示の範囲および精神から逸脱することなく当業者に明らかとなる。実施形態は、本開示の原理および実際の適用を最もよく説明するために、および他の当業者が、考えられる特定の使用に適するように様々な修正が施された様々な実施形態のために本開示を理解することを可能にするために選択され、説明されている。
[実施態様1]
被加工物(102)を加工する方法であって、
液体誘導レーザ切断経路(119)に前記被加工物(102)を配置するステップ(230)と、
前記被加工物(102)に少なくとも1つの中間特徴を形成するために前記被加工物(102)を液体誘導レーザ加工するステップ(240)と、
放電加工(EDM)装置(120)に前記被加工物(102)を配置するステップ(260)であって、前記EDM装置(120)の電極(128)が、前記被加工物(102)の前記少なくとも1つの中間特徴の近傍に動作可能に配置される、ステップと、
前記被加工物(102)に少なくとも1つの完成特徴を形成する目的で前記被加工物(102)の前記少なくとも1つの中間特徴を改変するために前記EDM装置(120)を使用して前記被加工物(102)を放電加工するステップ(270)と
を含む方法。
[実施態様2]
前記被加工物(102)の前記少なくとも1つの中間特徴が、前記液体誘導レーザ加工ステップ中に液体誘導レーザ(110)によって形成される、中間深さを有する孔であり、前記EDM装置(120)が、前記被加工物(102)に前記少なくとも1つの完成特徴を形成するために前記放電加工ステップにおいて前記孔を完成深さまで改変する、実施態様1に記載の方法。
[実施態様3]
前記中間深さが、EDM効率閾値を下回り、前記完成深さが、前記EDM効率閾値を上回る、実施態様2に記載の方法。
[実施態様4]
前記EDM装置(120)の前記電極(128)が、前記放電加工ステップ中に前記被加工物(102)の前記少なくとも1つの中間特徴の内側に動作可能に配置される、実施態様1に記載の方法。
[実施態様5]
前記液体誘導レーザ切断経路(119)が、直線であり、前記EDM装置(120)の前記電極(128)が、湾曲しており、このため、前記被加工物(102)の前記少なくとも1つの完成特徴が、直線経路を辿る第1の部分および湾曲経路を辿る第2の部分を含む、実施態様1に記載の方法。
[実施態様6]
前記被加工物(102)が、基材およびコーティング深さを有する熱障壁コーティングを含み、前記中間特徴が、前記コーティング深さよりも深く、前記放電加工ステップが、前記基材のみを除去する、実施態様1に記載の方法。
[実施態様7]
前記被加工物(102)が、タービンブレードであり、前記少なくとも1つの完成特徴が、複数の調量孔である、実施態様1に記載の方法。
[実施態様8]
前記被加工物(102)が、複数の完成特徴を含み、該複数の完成特徴の一部が、液体誘導レーザ加工(112)のみを使用して形成され、前記複数の完成特徴の前記一部が、ディフューザ形状および複数のコーティングコレクタから選択される、実施態様7に記載の方法。
[実施態様9]
被加工物(102)であって、
基材、および
前記基材の少なくとも1つの完成特徴であって、
液体誘導レーザ切断経路(119)に前記被加工物(102)を配置するステップと、
前記被加工物(102)に少なくとも1つの中間特徴を形成するために前記被加工物(102)を液体誘導レーザ加工するステップ(240)と、
放電加工(EDM)装置(120)に前記被加工物(102)を配置するステップ(260)であって、前記EDM装置(120)の電極(128)が、前記被加工物(102)の前記少なくとも1つの中間特徴の近傍に動作可能に配置される、ステップと、
前記被加工物(102)に前記少なくとも1つの完成特徴を形成する目的で前記被加工物(102)の前記少なくとも1つの中間特徴を改変するために前記EDM装置(120)を使用して前記被加工物(102)を放電加工するステップ(270)と
によって形成される、少なくとも1つの完成特徴
を備える被加工物(102)。
[実施態様10]
前記被加工物(102)の前記少なくとも1つの中間特徴が、前記液体誘導レーザ加工ステップ中に液体誘導レーザ(110)によって形成される、中間深さを有する孔であり、前記EDM装置(120)が、前記被加工物(102)に前記少なくとも1つの完成特徴を形成するために前記放電加工ステップにおいて前記孔を完成深さまで改変する、実施態様9に記載の被加工物(102)。
[実施態様11]
前記中間深さが、EDM効率閾値を下回り、前記完成深さが、前記EDM効率閾値を上回る、実施態様10に記載の被加工物(102)。
[実施態様12]
前記被加工物(102)の前記少なくとも1つの完成特徴が、直線経路を辿る第1の部分および湾曲経路を辿る第2の部分を含む、実施態様9に記載の被加工物(102)。
[実施態様13]
前記被加工物(102)が、コーティング深さを有する熱障壁コーティングをさらに備え、前記中間特徴が、前記コーティング深さよりも深く、前記放電加工ステップが、前記基材のみを除去する、実施態様9に記載の被加工物(102)。
[実施態様14]
前記被加工物(102)が、タービンブレードであり、前記少なくとも1つの完成特徴が、複数の調量孔である、実施態様9に記載の被加工物(102)。
[実施態様15]
前記被加工物(102)が、液体誘導レーザ加工(112)のみを使用して形成される少なくとも1つの非EDM完成特徴をさらに備え、前記少なくとも1つの非EDM完成特徴が、ディフューザ形状および複数のコーティングコレクタから選択される、実施態様14に記載の被加工物(102)。
[実施態様16]
システム(100)であって、
液体誘導レーザ切断経路(119)を有する液体誘導レーザ装置(110)と、
電極(128)を有する放電加工(EDM)装置(120)と、
前記液体誘導レーザ装置(110)を用いて被加工物(102)を加工することによって少なくとも1つの中間特徴を形成するために前記液体誘導レーザ切断経路(119)に前記被加工物(102)を配置するための第1の配置システム(134)と、
前記EDM装置(120)の前記電極(128)が、前記被加工物(102)に少なくとも1つの完成特徴を形成する目的で前記少なくとも1つの中間特徴を改変するために前記被加工物(102)の前記少なくとも1つの中間特徴の近傍に動作可能に配置されるように前記被加工物(102)を配置するための第2の配置システム(144)と
を備え、
前記被加工物(102)が、前記被加工物(102)において前記少なくとも1つの中間特徴と前記少なくとも1つの完成特徴との位置合わせを行うために前記第1の配置システム(134)および前記第2の配置システム(144)によって使用される共通の基準を用いて前記第1の配置システム(134)と前記第2の配置システム(144)との間で移されるシステム(100)。
[実施態様17]
前記液体誘導レーザ装置(110)、前記EDM装置(120)、前記第1の配置システム(134)、および前記第2の配置システム(144)に用意される共通の設計データをさらに備え、前記第1の配置システム(134)および前記液体誘導レーザ装置(110)が、前記共通の設計データに従って前記被加工物(102)に前記少なくとも1つの中間特徴を加工し、前記第2の配置システム(144)および前記EDM装置(120)が、前記共通の設計データに従って前記被加工物(102)に前記少なくとも1つの完成特徴を加工する、実施態様16に記載のシステム(100)。
[実施態様18]
前記被加工物(102)の前記少なくとも1つの中間特徴が、孔であり、前記共通の設計データに従って前記被加工物(102)に前記少なくとも1つの完成特徴を形成するために、前記液体誘導レーザ装置(110)が、前記孔を中間深さまで加工し、前記EDM装置(120)が、前記孔を完成深さまで加工する、実施態様17に記載のシステム(100)。
[実施態様19]
前記被加工物(102)が、基材およびコーティング深さを有する熱障壁コーティングをさらに備え、前記共通の設計データに従って前記被加工物(102)に前記少なくとも1つの完成特徴を形成する際に、前記液体誘導レーザ装置(110)が、前記コーティング深さを上回る深さまで前記少なくとも1つの中間特徴を加工し、前記EDM装置(120)が、前記基材のみを除去する、実施態様17に記載のシステム(100)。
[実施態様20]
前記液体誘導レーザ切断経路(119)が、直線であり、前記EDM装置(120)の前記電極(128)が、湾曲しており、このため、前記被加工物(102)の前記少なくとも1つの完成特徴が、直線経路を辿る第1の部分および湾曲経路を辿る第2の部分を含む、実施態様16に記載のシステム(100)。
【符号の説明】
【0027】
100 複合システム
102 被加工物
110 液体誘導レーザ装置
112 液体誘導レーザシステム
114 レーザ源
116 液体源
118 ノズル
119 液体誘導レーザ経路
120 EDM装置
122 EDMシステム
124 液体源
126 電源
128 電極
130 段
132 チャック
134 位置制御システム
140 段
142 チャック
144 位置制御システム
150 設計データ
152 設計システム
160 アダプタ
200 例示的な方法
300 表