(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
光電センサの受光回路では、
図1に示すように、フォトダイオードPDにより発生された光電流を、IV回路で、OPアンプU1及び抵抗R1等を用いて、電圧信号に変換する。この構成では、目的とする受光信号以外の外乱光も電圧変換することになる。通常、検出信号はパルス信号を用いており、直流の外乱光は後段のハイパスフィルタで除去される。なお
図1に示す受光回路は、従来から集積回路に搭載されて構成される。
【0003】
この光電センサを、外乱光が太陽光である環境で使用した場合、10万ルクスを超える光量が入光される場合がある。
図1に示したIV回路の抵抗R1は、最小受光信号と受光回路のノイズレベルから最小値が決定され、外乱光耐量から最大値が決定される。なお、IV回路は、
図1に示すように、外乱光に対し、出力電圧をクランプするためのダイオードD1を有している。しかしながら、10万ルクス程度の非常に大きな外乱光が入光されると、IV回路は不安定な状態となり、誤動作する可能性がある。
【0004】
この対策として、
図2に示すように、フォトダイオードPDとIV回路とを、容量C2により容量結合することで、太陽光等の直流光成分をIV回路で電圧変換させない方法がある。これにより、フォトダイオードPDにより発生された光電流のうち、直流光成分は抵抗R2側に流れ、交流光成分のみが容量C2を介してIV回路側に流れる。なお
図2に示す受光回路は、従来ではディスクリート素子を用いて構成される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
まず、この発明の実施の形態1に係る光電センサが有する受光回路の全体構成について説明する。この受光回路は、等価回路としては
図2に示す受光回路と同じであるため、
図2を用いて説明を行う。
受光回路は、例えば
図2に示すように、フォトダイオードPD、OPアンプU1、電源V1、抵抗R1、容量C1、ダイオードD1、容量C2、抵抗R2及び定電圧源Vccを備えている。なお、OPアンプU1、電源V1、抵抗R1、容量C1及びダイオードD1は、IV回路を構成する。
【0013】
フォトダイオードPDは、入力光に応じた電流を発生する。このフォトダイオードPDは、カソードが容量C2を介してOPアンプU1の反転入力端子に接続され、アノードが接地されている。
【0014】
OPアンプU1は、反転入力端子と非反転入力端子との間の差電圧を増幅する。また、電源V1は、プラス端子がOPアンプU1の非反転入力端子に接続され、マイナス端子が接地されている。また、抵抗R1は、一端がOPアンプU1の反転入力端子に接続され、他端がOPアンプU1の出力端子に接続されている。また、容量C1は、一端がOPアンプU1の反転入力端子に接続され、他端がOPアンプU1の出力端子に接続されている。また、ダイオードD1は、カソードがOPアンプU1の反転入力端子に接続され、アノードがOPアンプU1の出力端子に接続されている。なお、ダイオードD1は、複数のダイオードが直列接続されて構成される。
【0015】
また、抵抗R2は、一端が定電圧源Vccに接続され、他端がフォトダイオードPDのカソードに接続されている。
【0016】
ここで、
図2に示すような受光回路を集積回路に搭載する場合、容量C2の形成に必要な面積が大きい。そのため、従来では、受光回路を集積回路に搭載するには面積が大きくなり、実現が困難であった。
【0017】
一方、
図1に示す受光回路を集積回路に搭載した場合を
図3に示す。なお
図3では、受光回路のうちのフォトダイオードPDとその周辺部の断面構造を示している。また
図3では、絶縁層の図示を省略している。以下に示す図においても同様である。
この受光回路では、
図3に示すように、P型基板(P−SUB)101上に、拡散層であるNウェル(N−WELL)102−1が形成されている。このP型基板101とNウェル102−1との間のpn接合によりフォトダイオードPDが構成される。
また、P型基板101上のNウェル102−1の周辺には、Nウェル102−2が形成されている。
【0018】
また、Nウェル102−1上の外周部には、絶縁層を介して、配線層である遮光メタル層M1−1が形成されている。
また、Nウェル102−2上には、絶縁層を介して、遮光メタル層M1−2が形成されている。
また、P型基板101上のNウェル102−1とNウェル102−2との間の領域には、絶縁層を介して、遮光メタル層M1−3が形成されている。
【0019】
また、Nウェル102−1と遮光メタル層M1−1は、コンタクト103−1により接続されている。
また、Nウェル102−2と遮光メタル層M1−2は、コンタクト103−2により接続されている。
また、P型基板101上のNウェル102−1とNウェル102−2との間の領域と遮光メタル層M1−3は、コンタクト103−3により接続されている。
【0020】
また、遮光メタル層M1−1,M1−3上には、絶縁層を介して、遮光メタル層M2−1が形成されている。
また、遮光メタル層M1−2上には、絶縁層を介して、遮光メタル層M2−2が形成されている。
また、遮光メタル層M1−3と遮光メタル層M2−1との間には、ビア104−1が接続されている。
【0021】
また、遮光メタル層M1−1には、信号ライン105−1が接続されている。この信号ライン105−1は、OPアンプU1の反転入力端子に接続される。
また、遮光メタル層M1−2には、電源ライン105−2が接続されている。この電源ライン105−2は、フォトダイオードPDの周辺に存在する電源が接続される。
【0022】
また、遮光メタル層M2−1には、シールドライン105−3が接続されている。シールドライン105−3は、フォトダイオードPDの周辺の基板層を安定した電圧(GND)に落とすためのラインである。
また、遮光メタル層M2−2には、GNDライン105−4が接続されている。GNDライン105−4は、フォトダイオードPDの周辺の遮光メタル層M2−2を安定した電圧(GND)に落とすためのラインである。
このシールドライン105−3及びGNDライン105−4により、外部からフォトダイオードPDへのノイズを除去する。
【0023】
このように、
図3に示すフォトダイオードPDでは、遮光領域(遮光メタル層M1−1〜M1−3,M2−1,M2−2)で覆われていない部分が受光部となる。また、フォトダイオードPDにより発生された光電流をIV回路に伝送する部分は遮光されている。また、遮光領域は、外部からのノイズが除去される安定した領域である。
【0024】
ここで、フォトダイオードPDの受光部のサイズは、マイクロレンズにより受光信号を集光するために必要なサイズとなっており、ある程度の面積を必要とする。そのため、光電流をIV回路に伝送する部分を含む遮光領域もその周囲にあり、大きい面積を占める。
そこで、実施の形態1に係る受光回路では、
図4に示すように、遮光領域に2層のポリシリコン層106,107を用いて
図2に示す容量結合用の容量C2を形成する。
【0025】
図4に示す構成では、遮光メタル層M1−1と遮光メタル層M1−3との間に遮光メタル層M1−4を設け、遮光メタル層M1−1と遮光メタル層M1−4との間で、コンタクト103−4,103−5を介して、間隙を有する2層のポリシリコン層106,107が介在されている。この2層のポリシリコン層106,107は、遮光領域に配置される。
なお、近年の半導体プロセスでは、2層のポリシリコン層を利用できる場合が多く、
図4に示す構成を実現可能である。また、2層のポリシリコン層106,107を用いることで、精度のよい容量C2を作製できる。
【0026】
以上のように、この実施の形態1によれば、フォトダイオードPDは、光を受光する受光部、及び当該受光部の周囲に設けられ、遮光メタル層M1−1〜M1−4,M2−1,M2−2で遮光された遮光領域を有し、容量C2は、遮光領域に形成されたので、フォトダイオードPDとIV回路とが容量結合された受光回路を備えた光電センサにおいて、受光回路を集積回路に搭載可能である。
【0027】
なお、ポリシリコン層は高抵抗であり、通常、ポリシリコン層とNウェルとは直接接続しない。そのため、
図4では、遮光メタル層M1−1と遮光メタル層M1−4との間に2層のポリシリコン層106,107を介在させている。しかしながら、これに限らず、例えば
図5に示すように、遮光メタル層M1−4は設けず、コンタクト103−1に、間隙を有する2層のポリシリコン層106,107を介在させてもよい。
【0028】
実施の形態2.
実施の形態1では、容量C2が2層のポリシリコン層106,107から構成される場合を示した。それに対し、実施の形態2では、容量C2がMIM(メタルインシュレータメタル)108で構成される場合を示す。
図6はこの発明の実施の形態2に係る受光回路のフォトダイオード周辺の断面構造例を示す図である。この
図6に示す実施の形態2に係る断面構造例では、
図4に示す断面構造例に対し、ポリシリコン層106,107、遮光メタル層M1−4及びコンタクト103−4,103−5を取除き、MIM108、遮光メタル層M3−1,M3−2,M4−1、ビア104−2,109−1,109−2,110−1を追加している。その他の構成は同様であり、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0029】
MIM108は、遮光メタル層M1−1上に絶縁層を介して形成されている。このMIM108は、遮光領域に配置される。
遮光メタル層M3−1は、MIM108上の一部に絶縁層を介して形成されている。
遮光メタル層M3−2は、遮光メタル層M2−1,M2−2、及びMIM108上の一部に絶縁層を介して形成されている。
遮光メタル層M4−1は、遮光メタル層M3−1,3−2上に絶縁層を介して形成されている。
【0030】
ビア104−2は、遮光メタル層M1−1とMIM108とを接続する。
ビア109−1は、MIM108と遮光メタル層M3−1とを接続する。
ビア109−2は、遮光メタル層M2−1と遮光メタル層M3−2とを接続する。
ビア110−1は、遮光メタル層M3−2と遮光メタル層M4−1とを接続する。
【0031】
また、信号ライン105−1は、遮光メタル層M3−1に接続されている。
また、シールドライン105−3は、遮光メタル層M4−1に接続されている。
【0032】
このように、MIM108により容量C2を構成することで、2層のポリシリコン層106,107により容量C2を構成する場合に対し、より大きな容量を確保できる。
【0033】
なお上記では、P型基板101を用いて受光回路を構成した場合を示した。しかしながら、これに限らず、例えば
図7に示すようにN型基板111を用いて受光回路を構成してもよく、同様の効果を得られる。また、
図7に示す受光回路では、
図4に示す受光回路に対し、P型基板101をN型基板111に変更し、Nウェル102−1,102−2をPウェル112−1,112−2に変更し、電源ライン105−2とシールドライン105−3の配置箇所を反対にしている。また
図8は、
図7に示す受光回路の等価回路図である。また
図7では、容量C2が2層のポリシリコン層106,107から構成される場合を示したが、容量C2がMIM108で構成される場合についても同様である。
【0034】
また、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。