(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電源制御部は、前記通信信号の正当性を判定するとともに、前記設定要求情報の正当性を判定することにより、前記電圧生成部による電圧生成の可否を判定することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
前記電源制御部は、前記通信信号の正当性を前記通信信号に対する誤り訂正処理によって判定し、前記設定要求情報の正当性を前記誤り訂正処理によって得られた前記設定要求情報に基づく電圧が所定の電圧範囲内の電圧であるか否かによって判定することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡システム。
前記電源制御部は、前記電圧生成部に対して前記設定要求情報に基づく電圧の生成を指示するとともに、当該電圧生成部で生成された出力電圧値に基づいて故障判断を行うことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る内視鏡システムを示すブロック図である。
【0014】
本実施の形態においては、内視鏡20とビデオプロセッサ10との間の通信そのもの及び通信によって伝送された情報の正当性を判定することにより、通信に混入する外乱に拘わらず安定した電源制御を行うことを可能にするものである。
【0015】
図1において、内視鏡システムは、ビデオプロセッサ10と内視鏡20とを備えている。内視鏡20には、制御部21が設けられている。設定要求情報生成部としての制御部21は、FPGA(Field Programmable Gate Array)により構成されていてもよく、また、図示しないCPU等を用いたプロセッサによって構成されて、メモリに記憶されたプログラムに従って各部を制御することができるようになっていてもよい。
【0016】
内視鏡20には、例えば、内視鏡20先端の図示しない挿入部先端にCCDやCMOSセンサ等の図示しない撮像素子が配置されており、内視鏡20は、撮像素子を含む各種の電気回路22を有する。内視鏡20の電気回路22に供給する電力は、ビデオプロセッサ10から供給されるようになっている。
【0017】
ビデオプロセッサ10には、制御部11が設けられている。電源制御部としての制御部11は、FPGAにより構成されていてもよく、また、図示しないCPU等を用いたプロセッサによって構成されて、メモリに記憶されたプログラムに従って各部を制御することができるようになっていてもよい。
【0018】
制御部11にはメモリ11aが設けられており、メモリ11aには、内視鏡20の電気回路22において用いられる電源に関する情報が記憶されている。例えば、メモリ11aには、撮像素子等の電気回路22に供給可能な電圧の許容範囲(出力可能範囲)に関する情報等を記憶する。制御部11は、メモリ11aに記憶されている情報に基づいて、内視鏡20に供給する電源電圧を設定するようになっている。なお、出力可能範囲は、電気回路22に供給すべき電圧の範囲(電圧仕様範囲)よりも広い電圧範囲であって、電気回路22を故障させない電圧範囲に設定される。
【0019】
電力設定部13は、制御部11に制御されて、内視鏡20に供給する電源電圧を可変レギュレータ12に設定する。例えば、電力設定部13は、D/Aコンバータ等によって構成することができ、制御部11からの制御値をアナログ信号に変換して可変レギュレータ12に供給する。
【0020】
電圧生成部としての可変レギュレータ12は、電力設定部13に制御されて、制御部11によって規定された電圧及び電流の電力を発生する。可変レギュレータ12の出力がケーブルを介して内視鏡20に伝送されるようになっている。可変レギュレータ12及び電力設定部13によって電源ブロックが構成される。
【0021】
図2は
図1中の電力設定部13及び可変レギュレータ12の一例を示す回路図である。
【0022】
可変レギュレータ12は、電源IC12a及び抵抗R1〜R3によって構成される。電源IC12aは、制御端Vfbに印加される制御電圧が一定となるように出力端Voutの出力電圧を変化させるようになっている。電源IC12aの出力端は抵抗R1,R2の直列回路を介して基準電位点に接続されており、抵抗R1,R2の接続点が制御端Vfbに接続される。
【0023】
電力設定部13は、D/Aコンバータ13aによって構成される。D/Aコンバータ13aは、制御部11から電源電圧の設定値(設定電圧値)が与えられ、この設定電圧値をアナログ信号に変換して制御電圧Vdacを発生する。D/Aコンバータ13aの出力端は抵抗R3を介して電源IC12aの制御端Vfbに接続されており、D/Aコンバータ13aは制御電圧Vdacに応じた出力電流I3を流すことができる。
【0024】
いま、D/Aコンバータ13aの出力端からの電流I3が0であるものとする。この場合には、抵抗R2に流れる電流I2は抵抗R1に流れる電流I1と等しく、電源IC12aの制御端Vfbに印加される電圧は、抵抗R1,R2の抵抗値の比に基づく電圧となる。電源IC12aは、制御端Vfbに印加される制御電圧が一定となるように作用するので、出力端Voutに現れる出力電圧は、抵抗R1,R2の抵抗比によって決定される固定値となる。
【0025】
ここで、D/Aコンバータ13aの出力端から流出する電流I3が正の値になると、抵抗R2に流れる電流I2は、I2=I1+I3となり、抵抗R2の電圧降下量が増大して制御電圧が高くなろうとする。そうすると、電源IC12aは出力端Voutの出力電圧を低下させて、制御電圧を一定に維持する。逆に、D/Aコンバータ13aの出力端から流出する電流I3が負の値になると、抵抗R2に流れる電流I2は、I2=I1−I3となり、抵抗R2の電圧降下が減少して制御電圧が低くなろうとする。そうすると、電源IC12aは出力端Voutの出力電圧を増加させて、制御電圧を一定に維持する。このように、制御部11からの設定電圧値に応じて、D/Aコンバータ13aの出力端の電圧を変化させて電力I3を制御することにより、可変レギュレータ12の出力を変化させることができる。
【0026】
図1において、可変レギュレータ12の出力は、出力電圧検出部14にも供給される。出力電圧検出部14は、例えばA/Dコンバータ等により構成されており、可変レギュレータ12から内視鏡20へ出力される出力電力を検出して、検出結果を制御部11にフィードバックする。制御部11は、出力電圧検出部14の検出結果を用いたフィードバック制御により、可変レギュレータ12から所望の電源電圧を発生させるようになっている。
【0027】
ビデオプロセッサ10の可変レギュレータ12から供給される電力は、内視鏡20のレギュレータ23に与えられる。レギュレータ23は、内視鏡20内の電気回路22に供給する供給電力を安定化させるものであり、各電気回路22に電源電圧を供給する。制御部21は、レギュレータ23からの電源電圧が供給されて動作し(図示省略)、電気回路22を駆動制御するようになっている。例えば、制御部21は、露光や読み出しなどの動作状態の制御を行う。
【0028】
内視鏡20には入力電圧検出部24が設けられており、ビデオプロセッサ10の可変レギュレータ12から供給される電源電圧は、入力電圧検出部24にも供給されるようになっている。入力電圧検出部24は、レギュレータ23に供給される電源電圧(入力電圧)を検出して、検出結果を制御部21に出力するようになっている。
【0029】
制御部21には、メモリ21aが設けられている。メモリ21aには、電気回路22において用いられる電源に関する情報が記憶されている。例えば、メモリ21aには、撮像素子等の電気回路22の電圧仕様範囲に関する情報等を記憶する。制御部21は、入力電圧検出部24の検出結果とメモリ21aに記憶されている情報とから、ビデオプロセッサ10の可変レギュレータ12において発生すべき電源電圧を指示するための設定要求情報を生成する。
【0030】
なお、設定要求情報により、可変レギュレータ12において発生すべき電源電圧の絶対値を指示しても、経年変化等の理由により指定した電源電圧の供給を受けられないことも考えられる。そこで、制御部21は、現在供給を受けている電源電圧が電圧仕様範囲の下限よりも低い電圧である場合には電圧を増加(増加要求)させるための設定要求情報を出力し、上限よりも高い電圧である場合には電圧を低下(低減要求)させるための設定要求情報を出力するようになっていてもよい。なお、この場合には、入力電圧検出部24は、入力電圧の電圧値そのものを検出しなくてもよく、入力電圧が電圧仕様範囲の下限又は上限を超えたか否かの変動を検出するものであってもよい。
【0031】
なお、制御部21は、現在供給を受けている電源電圧に対して供給を希望する電圧値との正又は負の差分の電圧値を示す増加要求又は低減要求を指示するための設定要求情報を生成してもよい。
【0032】
内視鏡20には通信回路25が設けられており、ビデオプロセッサ10には通信回路15が設けられている。通信回路15,25は、有線又は無線による伝送路を介して、相互に通信を行うことができるようになっている。なお、通信回路15,25は、相互にデジタル情報の伝送が可能であり、伝送に際して、伝送データに所定のエラー訂正符号を付加して伝送することができるようになっている。通信回路15は、受信したデータのエラー訂正処理によって、受信データに訂正不能な誤りが発生しているか否かを判定し、判定結果を制御部11に出力することができるようになっている。内視鏡20の制御部21は、通信回路25,15を介してビデオプロセッサ10の制御部11に対して設定要求情報を送信するようになっている。
【0033】
本実施の形態においては、制御部11は、通信回路25,15を介して内視鏡20の制御部21からの設定要求情報を受信すると、先ず、通信そのものの正当性(通信信号の正当性)を判定する。例えば、制御部11は、設定要求情報に訂正不能な誤りが生じているか否かを判定し、生じている場合には通信そのものが不良であるものと判定して、設定要求情報の再送要求を発生する。なお、制御部21はこの再送要求を受信すると、再度、通信回路25を介して設定要求情報をビデオプロセッサ10の制御部11に送信するようになっている。
【0034】
また、制御部11は、通信そのものが正当であるものと判定すると、設定要求情報の正当性を判定して可変レギュレータ12に電圧変更の設定を行ってもよいか否かを判定する。例えば、制御部11は、可変レギュレータ12に設定されている現在の設定電圧値と、設定要求情報に含まれる増加要求又は低減要求と、メモリ11aに記憶されている電源電圧の許容範囲である出力可能範囲とに基づいて正当性を判定して、可変レギュレータ12に電圧変更の設定を行ってもよいか否かを判定する。例えば、制御部11は、可変レギュレータ12に設定されている現在の設定電圧と増加要求又は低減要求により変化させる電圧値との和の電圧値(以下、要求電源電圧という)が許容範囲(出力可能範囲)内であれば電圧変更の設定可と判定し、要求電源電圧が出力可能範囲を超えている場合には、設定要求情報が外乱の影響を受けている可能性があるので電圧変更の設定不可と判定する。この場合にも、制御部11は、設定要求情報の再送要求を発生する。
【0035】
制御部11は、設定可と判定した場合には、可変レギュレータ12に設定する出力電圧を要求電源電圧に一致させるように設定電圧値を出力する。また、制御部11は、設定不可と判定した場合には、設定値を変更しない。なお、制御部11は、所定回数設定不可の判定を行った場合には、内視鏡20に何らかの故障が生じているものと判定して、可変レギュレータ12による電源電圧の発生を停止させるようになっていてもよい。
【0036】
また、制御部11は、出力電圧検出部14の検出結果によって、可変レギュレータ12から所望の電源電圧を発生させることができないと判定した場合には電源ブロックの故障と判定して、可変レギュレータ12の動作を停止させるようになっていてもよい。
【0037】
次に、このように構成された実施の形態の動作について
図3のフローチャート及び
図4の説明図を参照して説明する。
図3は電源制御フローを示すフローチャートであり、
図4は
図3の電源制御フローによる電源電圧の制御結果を説明するための説明図である。
【0038】
ビデオプロセッサ10の電源が投入されると、ビデオプロセッサ10の制御部11は、メモリ11aから内視鏡20の電気回路22に供給すべき電源電圧に関する情報を読み出して、電力設定部13に設定電圧値を出力する。電力設定部13は、可変レギュレータ12の出力が制御部11の設定電圧値に基づく電圧になるように制御する。これにより、可変レギュレータ12からの電源電圧は、設定電圧値に基づくものとなる。出力電圧検出部14は、可変レギュレータ12の出力を監視しており、制御部11は、出力電圧検出部14の検出結果を用いたフィードバック制御によって、可変レギュレータ12の出力を設定電圧値に基づく電圧に維持する。
【0039】
可変レギュレータ12からの電源電圧は、ケーブルを介して内視鏡20に伝送され、レギュレータ23に供給される。レギュレータ23は、可変レギュレータ12から供給された電力を用いて電気回路22に安定した電源電圧を印加する。
【0040】
レギュレータ23に供給される電源電圧は入力電圧検出部24において監視される。入力電圧検出部24は、レギュレータ23に供給される電源電圧の検出結果を制御部21に出力する。
【0041】
制御部21は、
図3のステップS1において、メモリ21aから電気回路22に供給すべき電圧仕様範囲の情報を読み出して、電源電圧が電圧仕様範囲内の電圧であるか否かを検査する。制御部21は、電源電圧が電圧仕様範囲内である場合には、ステップS1の処理を繰り返し、電源電圧が電圧仕様範囲を超えたものと判定すると、処理をステップS2に移行して、ビデオプロセッサ10に調整してほしい調整電圧値を算出して、増加要求又は低減要求の情報を含む設定要求情報を生成する。
【0042】
制御部21は、生成した設定要求情報を通信回路25を介してビデオプロセッサ10に送信する。通信回路25は、設定要求情報に所定の誤り訂正符号を付して送信する。この設定要求情報は例えばケーブルを介してビデオプロセッサ10の通信回路15において受信される。通信回路15は、受信信号に誤り訂正符号を用いた誤り訂正処理を行った後、設定要求情報を制御部11に出力する。また、通信回路15は、誤り訂正処理の結果、訂正不能な誤りがあった場合には、通信が不良であることを示す情報を制御部11に出力する。
【0043】
制御部11は、ステップS3において、設定要求情報による通信が正常であったか否かを判定する。例えば、制御部11は誤り訂正不能な誤りがあった場合には通信は不良であるものと判定して、ステップS5において、内視鏡20に設定要求情報の再送要求を行う。例えば、電気メス等の使用による外乱の発生によって、通信が不良となることが考えられる。この再送要求が発生すると、内視鏡20の制御部21は、再度通信回路25を介して設定要求情報を送信させる。
【0044】
ビデオプロセッサ10の制御部11は、ステップS3において、訂正不能な誤りが無く通信が良好に行われたものと判定すると、次のステップS4において、電源電圧の変更を設定してもよいか否かを判定する。例え通信が良好に行われたと判定された場合でも、電気メス等の使用による外乱によって、設定要求情報が正常でない値に変更されている可能性もある。そこで、制御部21は、ステップS4において、メモリ11aから出力可能範囲の情報を読み出し、現在の設定電圧値と、設定要求情報に含まれる増加又は低減要求とに基づいて、電圧変更の設定の可否を判定する。
【0045】
図4は横軸に時間をとり縦軸に可変レギュレータ12が発生する電源電圧値をとって発生する電源電圧の変化を示している。
図4の上段は制御部21が受信した増加要求及び低減要求をそのまま適用した場合の電源電圧の変化を示し、下段は制御部21による設定電圧値に基づく電源電圧の変化を示している。
【0046】
図4の電圧要求範囲は電気回路22の電圧仕様範囲に対応しており、内視鏡20の制御部21は、供給される電源電圧がこの電圧仕様範囲内の電圧値となるように、増加要求及び低減要求を発生する。例えば、
図4のタイミングt1までは、供給される電源電圧が電圧仕様範囲の下限よりも低く、制御部21は、増加要求を含む設定要求情報を送信させる。
【0047】
この場合において、ビデオプロセッサ10の制御部11がステップS4において、電圧変更の設定可と判定すると、制御部11は、次のステップS6において、増加要求に従った設定電圧値を電力設定部13に設定する。これにより、可変レギュレータ12の出力電圧値は増大する。制御部11は、出力電圧検出部14の検出結果を用いて、可変レギュレータ12から設定電圧値に基づく電源電圧が発生するようにフィードバック制御を行う。制御部21はステップS7において設定電圧値に基づく電源電圧が発生したか否かを判定する。正しい電源電圧が発生している場合には、処理はステップS1に戻される。
【0048】
こうして、電気回路22に供給される電源電圧が上昇した結果、タイミングt2において、供給される電源電圧が電圧仕様範囲の上限を越してしまうものとする。制御部21は、これに対し、ステップS2において、低減要求の情報を含む設定要求情報を通信回路25に送信させる。
【0049】
いま、通信回路15が受信した設定要求情報が外乱の影響を受け、低減要求が増加要求に変化してしまうものとする。外乱の影響によりデータが変更された場合でも、誤り訂正処理では通信の不良を判定することができないことがある。この場合には、外乱の影響を受けた誤ったデータが制御部11に受信されてしまう。この場合でも、制御部11は、増加要求に従った設定電圧値が出力可能範囲内の電源電圧を示すものである場合には、受信した増加要求に従って電圧変更を電力設定部13に指示する。この結果、可変レギュレータ12の電源電圧は増加し、増加要求をそのまま適用すると、
図4の上段に示すように、可変レギュレータ12から出力可能範囲を超える電圧が発生してしまうことが考えられる。
【0050】
しかし、本実施の形態においては、制御部11は、ステップS4において、設定電圧値に基づく電源電圧が出力可能範囲を超えるか否かを判定しており、出力可能範囲を超える場合には、ステップS5に移行して内視鏡20に設定要求情報の再送を要求するようになっている。即ち、本実施の形態においては、可変レギュレータ12からの電源電圧が出力可能範囲を超えることはなく、
図4の下段のタイミングt3以降に示すように、可変レギュレータ12からの電源電圧は、最大でも出力可能範囲の上限の電圧値以下となる。
【0051】
内視鏡20の制御部21は、制御部11からの再送要求に対して、設定要求情報を再送する。外乱の影響がなくなると、ビデオプロセッサ10の通信回路15によって低減要求を含む設定要求情報が正常に受信される。これにより、制御部11は、低減要求に応じた設定電圧値を電力設定部13に設定し、可変レギュレータ12からの電源電圧を低下させる。
【0052】
こうして、
図4の下段に示すように、可変レギュレータ12からの電源電圧は、例え電気回路22の電圧仕様範囲を超えることがあっても、出力可能範囲を超えないように、制御される。
【0053】
なお、制御部11は、電圧検出部14の検出結果に基づいて、電源電圧が設定電圧値と所定の閾値以上異なることを検出した場合には、ステップS7において、電源電圧の設定に失敗したものと判定する。この場合には、制御部11は、処理をステップS8に移行して、電源電圧の設定が失敗した回数を示す設定失敗回数が所定の回数以内、例えば3回以内であるか否かを判定する。3回以内の場合には、制御部11は、処理をステップS6に戻して、再度設定電圧値を電力設定部13に出力して、可変レギュレータ12からの電源電圧の変更を指示する。
【0054】
なお、制御部11は、設定失敗回数が3回を超えた場合には、可変レギュレータ12を含む電源ブロックが故障しているものと判定する。この場合には、制御部11は、例えば可変レギュレータ12の動作を停止させて、内視鏡20の電力供給を停止させる。
【0055】
なお、
図3ではステップS5の再送要求の回数に制限を設けていないが、制御部11は、ステップS4からステップS5に移行して再送要求が発生した回数が所定の回数を超えた場合には、電気回路22への電源供給に何らかの異常が発生しているものと判定して、可変レギュレータ12の動作を停止させるようになっていてもよい。
【0056】
このように本実施の形態においては、例えば誤り訂正処理の結果によって通信の正当性を判定し、通信が正常に行われていないと判定した場合には、内視鏡からの要求に応じた電源電圧の変更を行わない。これにより、外乱の影響によって、電源制御が不安定となることを防止することができる。更に、通信が正常と判定された場合でも、電源回路の設定電圧が出力可能範囲を超えないように制御されており、内視鏡内の電気回路の破壊等を防止することができる。
【0057】
(第2の実施の形態)
図5は本発明の第2の実施の形態に係る内視鏡システムを示すブロック図である。第1の実施の形態においては、電源電圧の制御値の伝送に適用した例を示したが、本実施の形態は、抵抗値の伝送に適用した例を示すものである。
【0058】
図5において、内視鏡システムは、ビデオプロセッサ30と内視鏡40とを備えている。内視鏡40には、制御部41が設けられている。制御部41は、FPGAにより構成されていてもよく、また、図示しないCPU等を用いたプロセッサによって構成されて、メモリに記憶されたプログラムに従って各部を制御することができるようになっていてもよい。
【0059】
内視鏡40には、例えば、内視鏡40先端の図示しない挿入部先端に光軸方向に進退自在な撮影レンズが配置されており、内視鏡40にはこの撮影レンズを駆動するアクチュエータ43が配設されている。内視鏡40のアクチュエータ43を駆動するための駆動信号は、ビデオプロセッサ30から供給されるようになっている。
【0060】
内視鏡40にはアクチュエータ40の駆動信号の生成に必要な情報(駆動信号設定情報)を記憶したメモリ44が設けられている。内視鏡40に搭載されるアクチュエータ43を駆動するためには、アクチュエータ毎または内視鏡毎に最適な電流や電圧を最適な駆動方式で供給する必要がある。例えば、内視鏡40とビデオプロセッサ30とを接続するケーブルのケーブル長は比較的長く、ケーブルの導体抵抗等を考慮しなければ、アクチュエータ43を確実に駆動することができないことがある。そこで、例えばケーブルの導体抵抗等の駆動信号設定情報をメモリ44に記憶させ、ビデオプロセッサ30にこの情報を提供することで、ビデオプロセッサ30において適正な駆動信号を生成するようになっている。
【0061】
即ち、制御部41は、所定のタイミングでメモリ44から抵抗値等の駆動信号設定情報を読み出して、通信回路42を介してビデオプロセッサ30に送信するようになっている。
【0062】
一方、ビデオプロセッサ30には、制御部31が設けられている。制御部31は、FPGAにより構成されていてもよく、また、図示しないCPU等を用いたプロセッサによって構成されて、メモリに記憶されたプログラムに従って各部を制御することができるようになっていてもよい。
【0063】
ビデオプロセッサ30には通信回路32が設けられている。通信回路32は、内視鏡40の通信回路42との間で有線又は無線による伝送路を介して、相互に通信を行うことができるようになっている。なお、通信回路32,42は、相互にデジタル情報の伝送が可能であり、伝送に際して、伝送データに所定のエラー訂正符号を付加して伝送することができるようになっている。通信回路32は、受信したデータのエラー訂正処理によって、受信データに訂正不能な誤りが発生しているか否かを判定し、判定結果を制御部31に出力することができるようになっている。
【0064】
本実施の形態においては、制御部31は、通信回路32,42を介して内視鏡40の制御部41からの駆動信号設定情報を受信すると、先ず、通信そのものの正当性を判定する。例えば、制御部31は、駆動信号設定情報に訂正不能な誤りが生じているか否かを判定し、生じている場合には通信そのものが不良であるものと判定して、駆動信号設定情報の再送要求を発生する。なお、制御部41はこの再送要求を受信すると、再度、通信回路42を介して駆動信号設定情報をビデオプロセッサ30の制御部31に送信するようになっている。
【0065】
制御部31は、駆動信号設定情報に基づいて、内視鏡40のアクチュエータ43に供給する電圧及び電流を設定するための駆動設定値を発生して、駆動信号生成部33にするようになっている。駆動信号生成部33は、制御部31に制御されて、駆動設定値によって規定された電圧及び電流の電力を発生する。駆動信号生成部33からの電圧及び電流がケーブルを介して内視鏡40のアクチュエータ43に伝送されるようになっている。
【0066】
駆動信号生成部33の出力は、駆動信号検出部34にも供給される。駆動信号検出部34は、駆動信号生成部33から内視鏡40に出力される電圧及び電流を検出して負荷抵抗を算出し、算出結果を制御部31に出力するようになっている。
【0067】
上述したように、駆動信号設定情報の通信に際して、外乱により正常でない値の駆動信号設定情報が制御部31において受信されることがある。そこで、制御部31は、駆動信号検出部34が算出した負荷抵抗の値と駆動信号設定情報に含まれる抵抗値の情報とを比較して、負荷抵抗の値が駆動信号設定情報に含まれる抵抗値の値から所定の閾値以上離間している場合には、駆動信号設定情報が外乱の影響を受けていたものと判定して、駆動信号生成部33の出力を停止させると共に、内視鏡40の制御部41に対して駆動信号設定情報の再送要求を行うようになっている。
【0068】
このように構成された実施の形態においては、内視鏡40の制御部41は、メモリ44からアクチュエータ43を駆動するための駆動信号設定情報を読み出して、通信回路42を介してビデオプロセッサ30に送信する。通信回路42は、駆動信号設定情報に所定の誤り訂正符号を付して送信する。この駆動信号設定情報は例えばケーブルを介してビデオプロセッサ30の通信回路32において受信される。通信回路32は、受信信号に誤り訂正符号を用いた誤り訂正処理を行った後、駆動信号設定情報を制御部31に出力する。また、通信回路32は、誤り訂正処理の結果、訂正不能な誤りがあった場合には、通信が不良であることを示す情報を制御部31に出力する。
【0069】
制御部31は、駆動信号設定情報による通信が正常であったか否かを判定する。例えば、制御部31は誤り訂正不能な誤りがあった場合には通信は不良であるものと判定して、内視鏡40に駆動信号設定情報の再送要求を行う。例えば、電気メス等の使用による外乱の発生によって、通信が不良となることが考えられる。この再送要求が発生すると、内視鏡40の制御部41は、再度通信回路42を介して駆動信号設定情報を送信させる。
【0070】
制御部31は、駆動信号設定情報に基づいて駆動設定値を発生して、駆動信号生成部33を制御する。これにより、駆動信号生成部33は、駆動設定値に基づく電圧及び電流を発生して、内視鏡40のアクチュエータ43に供給する。駆動信号生成部33の出力は駆動信号検出部34に供給されて、負荷抵抗が算出される。
【0071】
通信回路32,42による通信が良好に行われた場合でも、電気メス等の使用による外乱によって、駆動信号設定情報が正常でない値に変更されている可能性もある。そこで、制御部31は、駆動信号検出部34が算出した負荷抵抗と、駆動信号設定情報に含まれる抵抗値を比較することにより、駆動信号設定情報が正常な値であったか否かを判定する。
【0072】
制御部31は、駆動信号設定情報が正常な値ではなかったと判定した場合には、駆動信号生成部33の動作を停止させると共に、制御部41に駆動信号設定情報の再送要求を行い、上述の処理を繰り返す。こうして、外乱の発生により正常でない駆動信号設定情報が伝送された場合でも、アクチュエータ43を確実に駆動できるようになっている。
【0073】
このように本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができ、安定したアクチュエータの駆動が可能となる。
【0074】
本発明は、上記各実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。