特許第6986861号(P6986861)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986861
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】ワーク支持部材
(51)【国際特許分類】
   B23Q 3/02 20060101AFI20211213BHJP
【FI】
   B23Q3/02 A
【請求項の数】6
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-108817(P2017-108817)
(22)【出願日】2017年5月31日
(65)【公開番号】特開2018-202525(P2018-202525A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2020年5月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000242792
【氏名又は名称】牧野フライス精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(72)【発明者】
【氏名】中里 俊彦
【審査官】 中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04445678(US,A)
【文献】 実開昭50−145087(JP,U)
【文献】 特開昭60−141456(JP,A)
【文献】 実開平02−003346(JP,U)
【文献】 特開平11−138311(JP,A)
【文献】 特開2001−269833(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0017768(US,A1)
【文献】 実開昭52−129093(JP,U)
【文献】 実開昭53−150994(JP,U)
【文献】 実開平01−125137(JP,U)
【文献】 特開平05−031657(JP,A)
【文献】 特開平06−198502(JP,A)
【文献】 特開平11−156589(JP,A)
【文献】 特開平11−291146(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2009−0012433(KR,A)
【文献】 中国特許出願公開第105234766(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 31/00−33/00
B23K 26/00−26/70
B23Q 3/00−3/154
B24B 5/00−7/30
B24B 41/00−51/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
研削盤で用いられワーク把持装置にクランプしたワークの側面を支持するワーク支持部材において、
一方の端部に第1と第2のV字形の溝部を有する板状のベース部材と、
前記第1と第2のV字形の溝各々に配置され、着脱可能に前記ベース部材に固定された支承部材とを具備し、
前記第1のV字形の溝は第1と第3の支持面から形成され、前記第2のV字形の溝は第2と第4の支持面から形成され、前記ベース部材は、前記第1と第3の支持面の間、および、第2と第4の支持面の間に逃げ溝が形成されているワーク支持部材。
【請求項2】
前記支承部材は、平行に対面する一対の端面と、該端面の各々に開口する貫通穴と、前記一対の端面の間に延設され、該一対の端面に接続された側面とを有する四角柱状の部材より成る請求項1に記載のワーク支持部材。
【請求項3】
前記一対の端面の一方が前記第1の支持面に当接し、1つの前記側面が前記第3の支持面に当接するように、1つの支承部材が前記第1のV字形の溝に配置され、第1の支持面に当接する前記端面と、前記第3の支持面に当接する前記1つの側面との間の縁部が前記逃げ溝内に受容され、
前記一対の端面の一方が前記第2の支持面に当接し、1つの前記側面が前記第4の支持面に当接するように、1つの支承部材が前記第2のV字形の溝に配置され、第2の支持面に当接する前記端面と、前記第4の支持面に当接する前記1つの側面との間の縁部が前記逃げ溝内に受容される請求項2に記載のワーク支持部材。
【請求項4】
前記第1と第2の支持面は、前記ベース部材から離反する方向に互いに収斂するように形成され、前記第3と第4の支持面は、前記ベース部材から離反する方向に互いに拡開するように形成されており、前記ベース部材の前記端部が、中央に大きく山形に突出した1つの中央突起部と、該中央突起部の両側部に小さく山形に突出した2つの外側突起部とを有した略W字形に形成される請求項1または2に記載のワーク支持部材。
【請求項5】
前記第1と第2の支持面の間に形成された逃げ溝を更に具備する請求項4に記載のワーク支持部材。
【請求項6】
前記第1と第2の支持面は、前記ベース部材から離反する方向に互いに拡開するように形成され、前記第3と第4の支持面は、前記ベース部材から離反する方向に互いに収斂するように形成されており、前記ベース部材の前記端部が、中央に小さく山形に突出した1つの中央突起部と、該中央突起部の両側部に大きく山形に突出したな2つの外側突起部とを有した略W字形に形成される請求項1または2に記載のワーク支持部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研削盤で用いるワーク支持部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、研削盤でワークを研削する場合、チャック等にクランプしたワークの外周面を支持するワーク支持部材が用いられている。従来技術によるワーク支持部材は、図8に示すように、板状のベース部材70の一方の端部にV溝が形成され、該V溝の側面に支承部材80がロウ付けされている。一般的に、ベース部材70は高硬度な熱処理材料から作られ、支承部材80には更に高硬度の超硬材料が用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
支承部材80は、一定の使用時間が経過するとワークとの接触面が摩耗するので交換が必要となる。交換に際しては、ベース部材70を支承部材80と共に加熱してロウ付けされた支承部材80をベース部材70から取外して新たな支承部材80を再びロウ付けしたり、ベース部材70に固定された状態で支承部材80を再研磨したり、或いは、ワーク支持部材全体を交換しなければならない。支承部材80は容易に交換することができず、時間、労力、コストとを必要とする作業である。特に、支承部材80はベース部材70に高精度に取り付ける必要があり、支承部材80のロウ付けには多くの工数が必要で、取り付け後の研磨、調整も時間と熟練を要する作業となっている。支承部材80の再研磨もまた時間と熟練が必要でコストが高くなる問題がある。
【0004】
また、ワーク支持部材の耐久性を高めるために全体をコーティングすることがあるが、既述のように、ベース部材70と支承部材80は異なる材料から形成されるので、その熱特性が異なっており、コーティング時の熱処理も材料の違いについて十分に配慮しなければならず、そのためにコーティングの材料、方法についても制限を受けることとなる。特に、ロウ付け後は熱処理ができない、或いは、非常に困難であるという問題もある。
【0005】
本発明は、こうした従来技術の問題を解決することを技術課題としており、容易に着脱可能で、かつ、高精度に作ることのできる研削盤で用いるワーク支持部材を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明によれば、研削盤で用いられワーク把持装置にクランプしたワークの外周面を支持するワーク支持部材において、一方の端部に第1と第2のV字形の溝部を有する板状のベース部材と、前記第1と第2のV字形の溝各々に配置され、着脱可能に前記ベース部材に固定された支承部材とを具備するワーク支持部材が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、支承部材が着脱可能にベース部材に固定されているので、摩耗した場合に、支承部材の向きを変更して着け替えたり、或いは、新品の支承部材と容易に交換することができる。また、支承部材のみを加工することができるので、支承部材を高精度で再現性の高い加工方法で加工することができ、また、高い再現性を以って加工することができる。更に、支承部材のみをコーティングすることができるので、支承部材を様々な材料、コーティング条件で高精度にコーティングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施形態によるワーク支持部材の斜視図である。
図2図1のワーク支持部材の正面図である。
図3】支持されるワークと共に示す図1と同様の斜視図である。
図4】支承部材の斜視図である。
図5】本発明の第2の実施形態によるワーク支持部材の斜視図である。
図6図5のワーク支持部材の正面図である。
図7】支持されるワークと共に示す図5と同様の斜視図である。
図8】従来技術によるワーク支持部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
図1図3を参照すると、第1の実施形態によるワーク支持部材は板状のベース部材10より成り、一方の端部に第1と第2の支持面12、14と、第3と第4の支持面16、18とが形成されている。第1と第2の支持面12、14は、該ベース部材10の中心線Oに沿って外側に45°の角度で互いに収斂する平面に沿って形成されている。第3と第4の支持面16、18は、中心線Oに沿って外側に所定の角度、例えば45°の角度で互いに拡開する平面に沿って形成されている。
【0010】
こうして、第1〜第4の支持面によって、ベース部材10の一方の端部は、中央に大きく山形に突出した1つの中央突起部と、該中央突起部の両側部に小さく山形に突出した2つの外側突起部とを有した略W字形に形成される。こうして、中央突起部と2つの外側突起部の間に、第1と第3の支持面12、16から成る第1のV溝と、第2と第4の支持面14、18から成る第2のV溝とが形成される。
【0011】
また、第1のV溝の底部で第1と第3の支持面12、16の間に逃げ溝20が形成され、第2のV溝の底部で第2と第4の支持面14、18の間に逃げ溝22が形成されている。また中央突起部の一方の端部で第1と第2の支持面12、14の間に逃げ溝24が形成されている。前記第1と第2の溝に支承部材30が配置され、ボルトまたはネジ40によってベース部材10に着脱可能に固定される。
【0012】
図4を参照すると、支承部材30は、矩形または正方形の角柱状または直方体状の部材であり、中心部にボルトまたはネジ40を通すための貫通穴32が形成されている。支承部材30は、第1の支承面として、貫通穴32が開口する2つの端面34と、第2の支承面として、2つの端面34の間に延在し該2つの端面34に接続する4つの側面36とを有している。
【0013】
本実施形態では、図3に示すように、第1と第2のV溝の各々に1つの支承部材30が配設される。第1のV溝内において、支承部材30は、第1の支承面としての端面34の一方が第1の支持面12に当接し、かつ、第2の支承面としての側面36の1つが第3の支持面16に当接するように配置される。同様に、第2のV溝内において、支承部材30は、第1の支承面としての端面34の一方が第2の支持面14に当接し、かつ、第2の支承面としての側面36の1つが第4の支持面18に当接するように配置される。本実施形態では、2つの支承部材30の各々の第3と第4の支持面16、18に当接する側面36の反対側の側面36の間でワークWが支持される。
【0014】
次に、図5図8を参照して、本発明の第2の実施形態を説明する。
第2の実施形態よるワーク支持部材は板状のベース部材50を具備し、一方の端部に第1と第2の支持面52、54と、第3と第4の支持面56、58とが形成されている。第1と第2の支持面52、54は、該ベース部材50の中心線Oに沿って外側に45°の角度で互いに拡開する平面に沿って形成されている。第3と第4の支持面56、58は、中心線Oに沿って外側に45°の角度で互いに収斂する平面に沿って形成されている。
【0015】
こうして、第1〜第4の支持面によって、ベース部材50の一方の端部は、中央に小さく山形に突出した1つの中央突起部と、該中央突起部の両側部に大きく山形に突出したな2つの外側突起部とを有した略W字形に形成される。こうして、中央突起部と2つの外側突起部の間に、第1と第3の支持面52、56から成る第1のV溝と、第2と第4の支持面54、58から成る第2のV溝とが形成される。
【0016】
また、第1のV溝の底部で第1と第3の支持面52、56の間に逃げ溝60が形成され、第2のV溝の底部で第2と第4の支持面54、58の間に逃げ溝62が形成されている。また中央突起部の一方の端部で第1と第2の支持面52、54の間に逃げ溝24が形成されている。前記第1と第2の溝に支承部材30が配置され、ボルトまたはネジ40によってベース部材50に着脱可能に固定される。
【0017】
本実施形態では、図7に示すように、第1と第2のV溝の各々に1つの支承部材30が配設される。第1のV溝内において、支承部材30は、第1の支承面としての端面34の一方が第1の支持面52に当接し、かつ、第2の支承面としての側面36の1つが第3の支持面56に当接するように配置される。同様に、第2のV溝内において、支承部材30は、第1の支承面としての端面34の一方が第2の支持面54に当接し、かつ、第2の支承面としての側面36の1つが第4の支持面58に当接するように配置される。本実施形態では、2つの支承部材30の各々の第1と第2の支持面52、54に当接する端面34の反対側の端面34の間でワークWが支持される。
【0018】
図3、7から理解されるように、第2の実施形態によるワーク支持部材は、第1の実施形態によるワーク支持部材よりも直径の大きなワークWを支持するのに有利である。
【0019】
既述の実施形態では、支承部材30は着脱可能にベース部材10、50に固定されるので、支承面34または36が摩耗した場合に、他の支承面によりワークWを支持するように支承部材30の向きを変更して着け替えたり、或いは、新品の支承部材30と容易に交換することができる。また、支承部材30のみを加工することができるので、支承部材30を高精度で再現性の高い加工方法で加工することができ、また、高い再現性を以って加工することができる。更に、支承部材30のみをコーティングすることができるので、支承部材30を様々な材料、コーティング条件で高精度にコーティングすることができる。
【符号の説明】
【0020】
10 ベース部材
12 第1の支持面
14 第2の支持面
16 第3の支持面
18 第4の支持面
20 逃げ溝
22 逃げ溝
24 逃げ溝
30 支承部材
32 貫通穴
34 端面
36 側面
40 ネジ
50 ベース部材
52 第1の支持面
54 第2の支持面
56 第3の支持面
58 第4の支持面
60 逃げ溝
62 逃げ溝
70 ベース部材
80 支承部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8