特許第6986863号(P6986863)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986863
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】グラフト重合体
(51)【国際特許分類】
   C08F 283/06 20060101AFI20211213BHJP
【FI】
   C08F283/06
【請求項の数】2
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-112689(P2017-112689)
(22)【出願日】2017年6月7日
(65)【公開番号】特開2018-203925(P2018-203925A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2020年3月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004628
【氏名又は名称】株式会社日本触媒
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】道尭 大祐
【審査官】 横山 法緒
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−040279(JP,A)
【文献】 特開2001−106743(JP,A)
【文献】 特開2006−336000(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 283/06
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエーテル化合物(A)に、N−ビニルラクタム系単量体(B)を含む単量体成分を重合してなるグラフト重合体であって、
該ポリエーテル化合物(A)は、少なくとも一の末端に炭素数〜30の炭化水素基を有し、
該グラフト重合体は、N−ビニルラクタム系単量体(B)由来の構造単位(b)の割合が、ポリエーテル化合物(A)1質量部に対して、0.3質量部より大きく、1.5質量部以下であり、
該ポリエーテル化合物(A)は、オキシアルキレン基を有する化合物であり、ポリエーテル化合物(A)1分子当たりのオキシアルキレン基の平均付加モル数が1〜20であることを特徴とするグラフト重合体。
【請求項2】
前記ポリエーテル化合物(A)は、オキシアルキレン基を有する化合物であり、該化合物(A)1分子当たりのオキシアルキレン基の平均付加モル数が4.5〜20モルであることを特徴とする請求項1に記載のグラフト重合体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グラフト重合体に関する。より詳しくは、洗剤、洗浄剤、スケール防止剤、分散剤、増粘剤、粘着剤、接着剤、表面コーティング剤、架橋剤、保湿剤等に有用なグラフト重合体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アクリル酸等の不飽和カルボン酸系単量体を重合して得られる重合体や、他の単量体との共重合体、ポリエーテル化合物に、アクリル酸等の不飽和カルボン酸系単量体、酢酸ビニル又は(メタ)アクリル酸エステルをグラフト重合して得られるグラフト重合体等が、洗剤、洗浄剤、スケール防止剤、各種無機物や有機物の分散剤、増粘剤、粘着剤、接着剤、表面コーティング剤、架橋剤、保湿剤等の種々の用途に広く使用されている。近年では、グラフト重合体を改良したものとして、ポリエーテル化合物にN−ビニルピロリドンをグラフト重合する試みもなされている。
【0003】
このようなグラフト重合体に関して、特許文献1には、ポリエーテル化合物(A)に、N−ビニルピロリドン(B)を含む単量体成分を重合してなる水溶性重合体であって、該N−ビニルピロリドン(B)は、該ポリエーテル化合物(A)1重量部に対して0.01〜0.3重量部である水溶性重合体が開示されている。また、特許文献2には、少なくとも50モル%のエチレンオキシドを含むアルキレンオキシド成分を重合させてなる数平均分子量200以上のポリエーテル化合物(A)に、N−ビニルピロリドン(b1)を必須としモノエチレン性不飽和単量体(b2)を含むことがあるグラフト成分(B)が、(A)の1重量部に対して(B)が0.1〜1.2重量部となるようにグラフト重合されてなり、前記モノエチレン性不飽和単量体(b2)は、カルボキシル基含有モノエチレン性不飽和単量体(b2−1)(但し、該単量体(b2−1)は、加水分解によりカルボン酸(塩)となる構造を有する単量体であってもよい)および/またはカチオン性のモノエチレン性不飽和単量体(b2−2)からなり、かつ、前記カルボキシル基含有モノエチレン性不飽和単量体(b2−1)が前記加水分解によりカルボン酸(塩)となる構造を有する単量体を含む場合は、前記構造を有する単量体の加水分解により生じるカルボキシル基(但し、カルボン酸塩である場合もカルボキシル基とみなす)を含めて、前記単量体(b2−1)由来の全構造単位の50モル%以上の構造単位がカルボキシル基を有している、グラフト重合体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−336000号公報
【特許文献2】特開2001−106743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、様々なグラフト重合体が開発され、疎水性汚れに対する再汚染防止能について報告されているが、従来のグラフト重合体には泥等の親水性物質と皮脂や煤等の疎水性物質とが複合的に組み合わさった複合汚れに対する再汚染防止能が充分でないという課題があった。
【0006】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、従来のグラフト重合体よりも疎水性物質と親水性物質を含む複合汚れに対する再汚染防止能に優れるグラフト重合体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、グラフト重合体について種々検討したところ、少なくとも一の末端に炭素数1〜30の炭化水素基を有するポリエーテル化合物に対して特定の比率でN−ビニルラクタム系単量体を重合させたグラフト重合体が、従来のグラフト重合体よりも複合汚れに対する再汚染防止能に優れることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
【0008】
すなわち本発明は、ポリエーテル化合物(A)に、N−ビニルラクタム系単量体(B)を含む単量体成分を重合してなるグラフト重合体であって、上記ポリエーテル化合物(A)は、少なくとも一の末端に炭素数1〜30の炭化水素基を有し、上記グラフト重合体は、N−ビニルラクタム系単量体(B)由来の構造単位(b)の割合が、ポリエーテル化合物(A)1質量部に対して、0.3質量部より大きく、1.5質量部以下であるグラフト重合体である。
【0009】
上記グラフト重合体は、N−ビニルラクタム系単量体(B)由来の構造単位(b)の割合が、ポリエーテル化合物(A)1質量部に対して、0.31〜1.5質量部であることが好ましい。
【0010】
上記ポリエーテル化合物(A)は、少なくとも一の末端の炭化水素基がアルキル基であることが好ましい。
上記ポリエーテル化合物(A)は、オキシアルキレン基を有する化合物であり、上記化合物(A)1分子当たりのオキシアルキレン基の平均付加モル数が4.5〜100モルであることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明のグラフト重合体は、上述の構成よりなり、従来のグラフト重合体よりも疎水性物質と親水性物質を含む複合汚れに対する再汚染防止能に優れるため、洗剤、洗浄剤用途等に好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の好ましい形態について具体的に説明するが、本発明は以下の記載のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も、本発明の好ましい形態に該当する。
【0013】
<グラフト重合体>
本発明のグラフト重合体は、N−ビニルラクタム系単量体(B)由来のN−ビニルラクタム基を有することにより、泥等の親水性物質に対する吸着性、分散性に優れる。また、本発明のグラフト重合体は、炭素数1〜30の炭化水素基を有するポリエーテル化合物(A)は適度な疎水性を有するため、該化合物由来の構造することにより、油や煤等の疎水性物質に対する吸着性、分散性に優れる。
本発明のグラフト重合体は、上記ポリエーテル化合物(A)1質量部に対して、N−ビニルラクタム系単量体(B)由来の構造単位(b)の割合が、0.3質量部より大きく、1.5質量部以下である。これにより、N−ビニルラクタム構造とポリエーテル化合物由来の構造とのバランスが好適となり、泥等と皮脂や煤等とが複合的に組み合わさった複合汚れに対する再汚染防止能、分散能、洗浄力に高い性能を発揮することができる。さらに、本発明のグラフト重合体は、このような構造を有することにより、疎水性汚れに対する再汚染防止能や染色布の洗浄等における染料の移染防止能にも優れる。構造単位(b)の割合として好ましくは0.31〜1.5質量部であり、より好ましくは0.35〜1.2質量部であり、更に好ましくは0.38〜1.0質量部であり、特に好ましくは0.41〜0.70質量部であり、最も好ましくは0.43〜0.67である。
【0014】
本発明のグラフト重合体は、N−ビニルラクタム系単量体(B)を含む単量体成分を重合してなるグラフト重合体であって、N−ビニルラクタム系単量体(B)以外のその他の単量体(E)由来の構造単位を有していてもよい。
上記グラフト重合体は、その他の単量体(E)由来の構造単位の割合が、ポリエーテル化合物(A)1質量部に対して、0〜0.20質量部であることが好ましい。より好ましくは0〜0.10質量部であり、更に好ましくは0〜0.05質量部であり、最も好ましくは0質量部である。上記好ましい範囲であれば、複合汚れに対する再汚染防止能をより高いレベルで維持することが可能になる。
【0015】
<ポリエーテル化合物(A)>
上記ポリエーテル化合物(A)は、少なくとも一の末端に炭素数1〜30の炭化水素基を有するものである限り、特に制限されないが、下記式(1);
−[X−(AO)−R(1)
(式(1)中、Rは、炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。Rは、同一又は異なって、水素原子又は炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。Xは、2価の連結基を表す。AOは、同一又は異なって、炭素数2〜20のオキシアルキレン基を表す。pは、AOの平均付加モル数を表し、1〜100の数である。qは、1〜6の数である。)で表される化合物であることが好ましい。
【0016】
上記式(1)におけるAOは、炭素数2〜20のオキシアルキレン基を表す。上記アルキレン基の炭素数として好ましくは2〜15であり、より好ましくは2〜10であり、更に好ましくは2〜5であり、特に好ましくは2〜3であり、最も好ましくは2である。これらのオキシアルキレン基は、アルキレンオキシド付加物であり、このようなアルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、イソブチレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、トリメチルエチレンオキシド、テトラメチレンオキシド、テトラメチルエチレンオキシド、ブタジエンモノオキシド、オクチレンオキシド、スチレンオキシド、1,1−ジフェニルエチレンオキシド等が挙げられる。このようなアルキレンオキシドの中でも好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドであり、更に好ましくは、エチレンオキシド、プロピレンオキシドである。
【0017】
本発明におけるポリエーテル化合物(A)が有する(ポリ)アルキレングリコール鎖の長さ(化合物(A)1分子当たりのオキシアルキレン基の平均付加モル数)は、1〜100であることが好ましい。上記平均付加モル数が100以下でれば、ポリエーテル化合物(A)の粘度が好適な範囲となり、グラフト重合体の製造が容易になる。より好ましくは3〜70であり、更に好ましくは5〜40であり、特に好ましくは7〜30であり、最も好ましくは9〜20である。
【0018】
ポリエーテル化合物(A)が、式(1)で表される化合物である場合、化合物(A)1分子当たりのオキシアルキレン基の平均付加モル数は、式(1)に存在するオキシアルキレン基の総数、すなわち、q個存在するpの総和で表される。
qは1〜6の数であり、qが2以上である場合、上記式(1)で表されるポリエーテル化合物(A)は、上述のRで表される炭化水素基の異なる炭素原子に、上記式(1)の−X−(AO)−Rで表される基がそれぞれ結合している構造を有するのであって、−X−(AO)−Rで表される基を繰り返し単位とする繰り返し構造を有するものではない。qが2以上である場合、X−(AO)−Rで表される基は、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。上記qは、好ましくは1〜4であり、より好ましくは1〜2であり、最も好ましくは1である。
pは1〜100であることが好ましい。より好ましくは3〜70であり、更に好ましくは5〜40であり、特に好ましくは7〜30である。
【0019】
上記式(1)におけるRは、炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。Rにおける炭化水素基の炭素原子数として好ましくは2〜24である。炭素原子数が2以上であれば、ポリエーテル化合物(A)の疎水性がより好適な範囲となり、疎水性汚れに対する再汚染防止能がより向上する。また、炭素原子数が24以下であれば、重合体の運動性が低下することによる疎水性汚れに対する吸着性が低下することをより充分に抑制することができる。炭素原子数としてより好ましくは4〜22であり、更に好ましくは5〜20であり、特に好ましくは6〜18であり、一層好ましくは7〜16であり、最も好ましくは8〜14である。
上記式(1)におけるRは、末端の炭化水素基の炭素原子数にばらつきがある場合がある。この場合、Rの炭化水素基の炭素数は平均の炭素原子数を意味し、平均の炭素原子数の好ましい範囲も上記の通りである。
【0020】
上記炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、2,3,5−トリメチルヘキシル基、デシル基、ウンデシル基、4−エチル−5−メチルオクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、1−へキシル−へプチル基等の直鎖又は分岐鎖のアルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチル等の環状のアルキル基;ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基等の直鎖又は分岐鎖のアルケニル基;フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、o−,m−若しくはp−トリル基、2,3−若しくは2,4−キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニリル基、ベンズヒドリル基及びピレニル基等のアリール基等が挙げられる。
【0021】
上記Rは、アルキル基又はアルケニル基であることが好ましい。より好ましくは、アルキル基であり、更に好ましくは直鎖のアルキル基である。Rが、芳香環を有しないものであれば、分解された場合にも環境に対する有害性が小さく、本発明のグラフト重合体が環境中に排出された場合にも環境に対する影響をより充分に抑制することができる。また、Rが直鎖のアルキル基であれば、グラフト重合体の結晶性がより良好なものとなり、グラフト重合体の溶液としたときの粘性が好適なものとなる。
直鎖アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等の炭素数1〜30のアルキル基が好ましい。
【0022】
は、同一又は異なって水素原子又は炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。Rが炭素原子数1〜30の炭化水素基である場合、炭化水素基としては、上述のRと同様の炭化水素基が好ましい。
は、水素原子であることが好ましい。
【0023】
上記式(1)のXにおける2価の連結基としては、下記式(2);
−Y−Z− (2)
(式中、Yは、p−フェニレン基又はカルボニル基を表す。Zは、−O−、−S−、−SO−、−NH−のいずれかを表す。kは、0又は1である。)で表される基であることが好ましい。
上記式(1)で表される化合物中にq個存在するXの2価の連結基は全て同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記kは0であることが好ましい。上記Zは−O−であることが好ましい。
すなわち上記Xは、−O−であることが好ましい。
【0024】
上記ポリエーテル化合物(A)を得る方法としては、得られるポリエーテル化合物(A)が少なくとも一の末端に炭素数1〜30の炭化水素基を有するものであれば特に限定されない。例えば、上記アルキレンオキシド成分を、重合の開始点となる被反応化合物の存在下、通常の方法で重合することにより得ることができる。上記被反応化合物としては、環状エーテルの重合開始点となる化合物であれば特に限定されず、例えば、アルコール類、アミン類、ヒドロキシルアミン類、カルボン酸類等が挙げられ、中でも、アルコール類、アミン類が好適である。アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール等の炭素数1〜30の1級脂肪族アルコール;フェノール、イソプロピルフェノール、オクチルフェノール、tert−ブチルフェノール、ノニルフェノール、ナフトール等の芳香族アルコール;イソプロピルアルコールやn−パラフィンを酸化して得られるアルコール等の炭素数3〜30の2級アルコール;tert−ブタノール等の炭素数4〜30の3級アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、プロピレングリコール等のジオール類;グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類;ソルビトール等のポリオール類等が挙げられ、アミン類としては、例えば、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン等が挙げられる。なお、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】
上記重合方法としては特に限定されず、例えば、(1)アルカリ金属の水酸化物、アルコラート等の強アルカリや、アルキルアミン等を塩基触媒として用いるアニオン重合方法、(2)金属又は半金属のハロゲン化物、鉱酸、酢酸等を触媒として用いるカチオン重合方法、(3)アルミニウム、鉄、亜鉛等の金属のアルコキシド、アルカリ土類化合物、ルイス酸等を組み合わせたものを用いる配位重合方法等を適宜選択すればよい。
【0026】
<N−ビニルラクタム系単量体(B)>
上記N−ビニルラクタム系単量体(B)は、環状N−ビニルラクタム構造を有する単量体であれば特に制限されないが、下記式(3);
【0027】
【化1】
【0028】
(式中、R、R、R、Rは、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。mは、0〜4の整数を表す。nは、1〜3の整数を表す。)で表される構造であることが好ましい。
上記R〜Rにおけるアルキル基の炭素数としては、1〜6が好ましく、より好ましくは1〜4である。上記アルキル基として更に好ましくはメチル基、エチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
上記R〜Rにおける置換基としては、特に制限されないが、カルボキシル基、スルホン酸基及びこれらのエステルや塩;アミノ基、水酸基等が挙げられる。
〜Rとしては水素原子であることが好ましい。Rとしては水素原子又はメチル基であることが好ましく、より好ましくは水素原子である。
mとしては、0〜2の整数であることが好ましく、より好ましくは0〜1の整数であり、最も好ましくは0である。
nとしては、1又は2であることが好ましく、より好ましくは1である。
【0029】
上記式(3)で表される化合物としては、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタム、1−(2−プロペニル)−2−ピロリドン等が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。N−ビニルラクタムとしては、ピロリドン環を有する不飽和単量体が好ましい。より好ましくはN−ビニルピロリドンである。
【0030】
<その他の単量体(E)>
本発明のグラフト重合体は、N−ビニルラクタム系単量体(B)を含む単量体成分を重合してなるグラフト重合体であり、上記単量体成分は、N−ビニルラクタム系単量体(B)以外のその他の単量体(E)を含んでいてもよい。
その他の単量体(E)は、N−ビニルラクタム系単量体(B)共重合することができる限り、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、チグリン酸、3−メチルクロトン酸、2−メチル−2−ペンテン酸、イタコン酸等;これらの1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩等の不飽和モノカルボン酸系単量体;マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、フマル酸等や、それらの1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩等、それらの無水物、ハーフエステル、又は、ハーフアミン等の不飽和ジカルボン酸系単量体;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシ−1−プロパンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−ブテンスルホン酸などのスルホン酸基を有する単量体;ビニルホスホン酸、(メタ)アリルホスホン酸などのホスホン酸基を有する単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチルエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸と炭素数1〜18のアルコールとのエステル化により得られるアルキル(メタ)アクリレート類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートまたはその4級化物等のアミノ基含有アクリレート;(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド等のアミド基含有単量体類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;スチレン、スチレンスルホン酸、1−ビニルイミダゾール等の芳香族ビニル系単量体類;マレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド誘導体;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系単量体類;(メタ)アクロレイン等のアルデヒド基含有ビニル系単量体類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン;アリルアルコール、イソプレノール等の不飽和アルコール類等が挙げられる。
【0031】
<グラフト重合体の製造方法>
本発明のグラフト重合体の製造は特に制限されないが、ポリエーテル化合物(A)及び単量体成分(N−ビニルラクタム系単量体(B)とその他の単量体(E))を重合することにより製造することができ、ポリエーテル化合物、単量体成分の具体例及び好ましい例は、上述のとおりである。
上記重合は、塊状重合(バルク重合)により行うことが好ましい。具体的には、上記重合反応における溶媒の使用量が、反応系の全量に対して10質量%以下であることが好ましい。
【0032】
本発明のグラフト重合体は、ポリエーテル化合物(A)及び単量体成分を重合開始剤の存在下で重合する方法により製造することが好ましい。
重合開始剤としては特に限定されないが、有機過酸化物が好適である。有機過酸化物としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、2−(4−メチルシクロヘキシル)−プロパンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(tert−ブチルパーオキシ)p−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(tert−ブチルパーオキシ)p−イソプロピルヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類;
【0033】
tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−tert−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシビバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシマレイン酸、クミルパーオキシオクトエート、tert−ヘキシルパーオキシビバレート、tert−ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート、クミルパーオキシネオヘキサノエート、tert−ブチル−パーオキシ−iso−プロピルモノカーボネート等のパーオキシエステル類;n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレエート、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)オクタン等のパーオキシケタール類;
【0034】
アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノイルパーオキサイド、サクシニックアシッドパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ビス−(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジミリスチルパーオキシジカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ−アリルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類;アセチルシクロヘキシルスルファニルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシアリルカーボネート等のその他の有機過酸化物等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0035】
これらの重合開始剤の中でも、本発明では、少なくとも脂肪族を含む有機過酸化物を使用することが好適であり、これにより、例えば、グラフト効率が充分に向上され、効率的に上記水溶性重合体を得ることが可能となる。中でも、重合工程における反応温度や、保存時の温度管理の点等を考慮すると、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチル−パーオキシ−iso−プロピルモノカーボネート及び/又はtert−ブチル−パーオキシ−ベンゾエートを用いることが特に好適である。
なお、上記少なくとも脂肪族を含む有機過酸化物に、他の重合開始剤(例えば、芳香族を含む有機過酸化物等)や連鎖移動剤、還元剤を併用することもできるが、この場合、他の重合開始剤や連鎖移動剤、還元剤の使用量としては、上記少なくとも脂肪族を含む有機過酸化物100重量部に対して、300重量部以下とすることが好適である。より好ましくは、100重量部以下である。
【0036】
上記重合開始剤の使用量は特に限定されないが、例えば、重合に使用する全単量体成分100重量部に対して0.1〜30重量部とすることが好ましい。0.1重量部以上であれば、ポリエーテル化合物(A)への重合率をより向上させ、収率をより向上させることができ、30重量部以下であれば、例えば重合開始剤として有機過酸化物を用いる場合には、経済性に優れた製法とすることができる。より好ましくは3〜20重量部であり、更に好ましくは5〜10重量部である。
上記重合開始剤の添加方法としては特に限定されず、初期一括仕込みしてもよいし、滴下、分割投入等の連続投入方法によることとしてもよいが、常温で液状である開始剤が、溶媒を用いずとも滴下が可能であり、添加方法の制限を受けにくいため、好ましい。また、重合開始剤を単独で反応容器へ導入してもよく、ポリエーテル化合物(A)や単量体成分、溶媒等と予め混合しておいてもよい。
【0037】
上記重合では、溶媒を使用してもよいが、水は、N−ビニルラクタム系単量体を分解させ、2−ピロリドン等のラクタム化合物を発生させるので好ましくない。その他、溶媒としては、例えば、原料として使用される単量体の溶媒への連鎖移動定数ができるだけ小さいものが好ましい。このような溶媒としては、例えば、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル等のアルコール類;エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル等のジエーテル類;酢酸、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノアルキルエーテルの酢酸エステル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルの酢酸エステル等の酢酸系化合物;等が挙げられ、これらを単独で使用してもよいし、2種以上を併用して使用してもよい。なお、上記アルコール類及びジエーテル類中のアルキル基としては特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
【0038】
上記溶媒の使用量は特に限定されないが、例えば、反応系全体を100重量部とすると、20重量部以下とすることが好ましい。20重量部を超えると、例えば、上記単量体成分のグラフト効率を充分なものとすることができないおそれがある。より好ましくは0重量部、すなわち実質的に無溶媒とすることであり、これにより、例えば、グラフト効率を格段に高めることが可能となり、各種性能により優れた重合体が得られることとなる。このように、上記重合工程が、無溶媒下で行うものである形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。なお、上記溶媒は、初期一括仕込みしてもよく、逐次添加してもよい。
【0039】
上記重合時の反応温度としては特に限定されないが、110〜150℃とすることが好適であり、より好ましくは120〜140℃である。
上記重合時の反応圧力としては特に限定されず、例えば、常圧(大気圧)下、減圧下、加圧下のいずれであってもよい。なお、簡便かつ低コストに重合を行うことができる点で、常圧(大気圧)下とすることが好適である。
また上記重合は、例えば、窒素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の不活性ガスの雰囲気下で行うことが好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0040】
<グラフト重合体の用途>
本発明のグラフト重合体の一般的な用途としては、例えば、洗剤用添加剤、スケール防止剤、各種無機物や有機物の分散剤、増粘剤、粘着剤、接着剤、表面コーティング剤、架橋剤、保湿剤等が挙げられる。
【実施例】
【0041】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
【0042】
<複合汚れ(クレー−カーボンブラック)の再汚染防止能評価>
(1)綿布(Test fabrics社製CW98)を5cm×5cmに裁断し、白布を作成した。この白布を予め日本電飾工業社製の測色色差系SE6000型を用いて、白色度を反射率にて測定した。
(2)塩化カルシウム二水和物1.47gに純水を加えて20kgとし、硬水を調製した。
(3)20mLのスクリュー管に、各評価サンプルの固形分1%水溶液を10g調製した。
(4)4%ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムを100g調製し、界面活性剤水溶液とした。
(5)ターゴットメーターを25℃に設定し、各ポットに(2)の硬水1L、(3)のサンプル水溶液5.0g、(4)の界面活性剤水溶液5.0g、カーボンブラック(財団法人洗濯科学協会製)0.25g、およびクレー(JIS試験用粉体1−11種(関東ローム焼成品))0.50gをポットに入れ、100rpmで1分間撹拌した。その後、綿布5枚を入れ、100rpmで10分間撹拌した。(リファレンスとして、(3)のサンプル溶液の代わりに純水を添加したものを併せて評価した。)
(6)手で白布の水を切り、(2)の硬水1Lをポットに入れ25℃に調温し、100rpmで2分間撹拌した。
(7)白布に当て布をして、アイロンでしわを伸ばしながら乾燥させた後、上記測色色差計にて再度綿布の白色度を反射率にて測定した。
(8)以上の測定結果から下式により再汚染防止率(再汚染防止能)を求めた。
再汚染防止率(%)=(洗浄後の白色度)/(洗浄前の白色度)×100
再汚染防止率の値が大きいほど、再汚染防止能が良好であることを意味する。
【0043】
<複合汚れ(カーボンブラック−クレー)の分散能評価>
(1)500mLビーカーに塩化カルシウム二水和物2.94gを入れ、純水を入れて500gとし、硬水を調製した。
(2)20mLのスクリュー管に、各評価サンプルの固形分0.1%水溶液を10g調製した。
(3)1Lビーカーにグリシン7.51g、エタノール1.18g、48%NaOH7.00gを入れ、純水を入れて1000gとし、pH10.5のグリシン緩衝液を調製した。
(4)次いで、内径16mmの30mL試験管を評価サンプル数準備し、それぞれにカーボンブラック0.03g、JIS11種クレー0.30g、(1)の硬水1.50g、(2)のサンプル水溶液1.50g、および(3)のグリシン緩衝液を27.0gずつ投入し、セプタムでキャップした。このようにして、各試験管中にカーボンブラック1000ppm、クレー10000ppm、サンプル固形分50ppmを含む懸濁水溶液を調製した。
(5)各試験管をゆっくり60往復反転させた後、キャップを外して水平で安定した場所で1時間静置した。1時間後の上澄みを、ホールピペットを用いて5mL採取した。
(6)この上澄みの380nmの吸光度を、島津製作所製紫外可視分光光度計UV−1800を用いて測定した。この吸光度を分散能とした。吸光度の値が大きいほど分散能が高いことを意味する。
【0044】
<実施例1>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製の500mLセパラブルフラスコに、日本乳化剤株式会社製ニューコール1820(炭素数18の直鎖型第1級アルコールに酸化エチレンを平均20モル付加した化合物であり、以下、NC1820とも称する)135.4gを仕込み、攪拌下、128℃に昇温した。次いで攪拌下、128℃で一定状態の重合反応系中にジ−t−ブチルパーオキサイド(以下、PBDとも称する)9750μL、N−ビニルピロリドン(以下、NVPとも称する)90.2gをそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。PBDの滴下開始のタイミングを反応開始とした。それぞれの滴下時間及び滴下シーケンスについては、PBDは反応開始から195分間で一定速度、NVPは反応開始の20分後から225分間で一定速度とした。すべての滴下終了後、さらに70分間に渡って反応溶液を128℃に保持して熟成し重合を完結せしめた。その後、純水58.3gを添加した。このようにして、固形分80%の重合体1を得た。本重合体1は複合汚れ(カーボンブラック−クレー)の分散能に優れていた。
【0045】
<実施例2>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製の500mLセパラブルフラスコに、株式会社日本触媒製ソフタノール200(炭素数12〜14の直鎖型第2級アルコールに酸化エチレンを平均20モル付加した化合物であり、以下、SFT200とも称する。)168.5gを仕込み、攪拌下、128℃に昇温した。次いで攪拌下、128℃で一定状態の重合反応系中にジ−t−ブチルパーオキサイド(以下、PBDとも称する)7800μL、N−ビニルピロリドン(以下、NVPとも称する)72.2gをそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。PBDの滴下開始のタイミングを反応開始とした。それぞれの滴下時間及び滴下シーケンスについては、PBDは反応開始から195分間で一定速度、NVPは反応開始の20分後から225分間で一定速度とした。すべての滴下終了後、さらに70分間に渡って反応溶液を128℃に保持して熟成し重合を完結せしめた。その後、純水61.7gを添加した。このようにして、固形分80%の重合体2を得た。
【0046】
<実施例3>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製の500mLセパラブルフラスコに、株式会社日本触媒製ソフタノール90(炭素数12〜14の直鎖型第2級アルコールに酸化エチレンを平均9モル付加した化合物であり、以下、SFT90とも称する。)135.4gを仕込み、攪拌下、128℃に昇温した。次いで攪拌下、128℃で一定状態の重合反応系中にジ−t−ブチルパーオキサイド(以下、PBDとも称する)9750μL、N−ビニルピロリドン(以下、NVPとも称する)90.2gをそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。PBDの滴下開始のタイミングを反応開始とした。それぞれの滴下時間及び滴下シーケンスについては、PBDは反応開始から195分間で一定速度、NVPは反応開始の20分後から225分間で一定速度とした。すべての滴下終了後、さらに70分間に渡って反応溶液を128℃に保持して熟成し重合を完結せしめた。その後、純水58.3gを添加した。このようにして、固形分79%の重合体3を得た。
【0047】
<実施例4>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製の500mLセパラブルフラスコに、株式会社日本触媒製ソフタノール90(炭素数12〜14の直鎖型第2級アルコールに酸化エチレンを平均9モル付加した化合物であり、以下、SFT90とも称する。)168.5gを仕込み、攪拌下、128℃に昇温した。次いで攪拌下、128℃で一定状態の重合反応系中にジ−t−ブチルパーオキサイド(以下、PBDとも称する)7800μL、N−ビニルピロリドン(以下、NVPとも称する)72.2gをそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。PBDの滴下開始のタイミングを反応開始とした。それぞれの滴下時間及び滴下シーケンスについては、PBDは反応開始から195分間で一定速度、NVPは反応開始の20分後から225分間で一定速度とした。すべての滴下終了後、さらに70分間に渡って反応溶液を128℃に保持して熟成し重合を完結せしめた。その後、純水61.7gを添加した。このようにして、固形分80%の重合体4を得た。
【0048】
<実施例5>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製の500mLセパラブルフラスコに、日本乳化剤株式会社製ニューコール2310(炭素数12〜13の直鎖型第1級アルコールに酸化エチレンを平均10モル付加した化合物であり、以下、NC2310とも称する)168.5gを仕込み、攪拌下、128℃に昇温した。次いで攪拌下、128℃で一定状態の重合反応系中にジ−t−ブチルパーオキサイド(以下、PBDとも称する)7800μL、N−ビニルピロリドン(以下、NVPとも称する)72.2gをそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。PBDの滴下開始のタイミングを反応開始とした。それぞれの滴下時間及び滴下シーケンスについては、PBDは反応開始から195分間で一定速度、NVPは反応開始の20分後から225分間で一定速度とした。すべての滴下終了後、さらに70分間に渡って反応溶液を128℃に保持して熟成し重合を完結せしめた。その後、純水61.7gを添加した。このようにして、固形分78%の重合体5を得た。
【0049】
<実施例6>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製の500mLセパラブルフラスコに、日本乳化剤株式会社製ニューコール1020(2−エチルヘキシルアルコールに酸化エチレンを平均20モル付加した化合物であり、以下、NC1020とも称する)168.5gを仕込み、攪拌下、128℃に昇温した。次いで攪拌下、128℃で一定状態の重合反応系中にジ−t−ブチルパーオキサイド(以下、PBDとも称する)7800μL、N−ビニルピロリドン(以下、NVPとも称する)72.2gをそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。PBDの滴下開始のタイミングを反応開始とした。それぞれの滴下時間及び滴下シーケンスについては、PBDは反応開始から195分間で一定速度、NVPは反応開始の20分後から255分間で一定速度とした。すべての滴下終了後、さらに70分間に渡って反応溶液を128℃に保持して熟成し重合を完結せしめた。その後、純水61.7gを添加した。このようにして、固形分79%の重合体6を得た。
【0050】
<比較例1>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製の500mLセパラブルフラスコに、株式会社日本触媒製ソフタノール90(炭素数12〜14の直鎖型第2級アルコールに酸化エチレンを平均9モル付加した化合物であり、以下、SFT90とも称する。)216.6gを仕込み、攪拌下、128℃に昇温した。次いで攪拌下、128℃で一定状態の重合反応系中にジ−t−ブチルパーオキサイド(以下、PBDとも称する)5850μL、N−ビニルピロリドン(以下、NVPとも称する)54.2gをそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。PBDの滴下開始のタイミングを反応開始とした。それぞれの滴下時間及び滴下シーケンスについては、PBDは反応開始から195分間で一定速度、NVPは反応開始の20分後から225分間で一定速度とした。すべての滴下終了後、さらに70分間に渡って反応溶液を128℃に保持して熟成し重合を完結せしめた。その後、純水68.9gを添加した。このようにして、固形分79%の重合体7を得た。
【0051】
<比較例2>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたガラス製の500mLセパラブルフラスコに、和光純薬工業社製ポリエチレングリコール600(数平均分子量600のポリエチレングリコール)84.2gを仕込み、攪拌下、128℃に昇温した。次いで攪拌下、128℃で一定状態の重合反応系中にジ−t−ブチルパーオキサイド(以下、PBDとも称する)3900μL、N−ビニルピロリドン(以下、NVPとも称する)36.1gをそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。PBDの滴下開始のタイミングを反応開始とした。それぞれの滴下時間及び滴下シーケンスについては、PBDは反応開始から195分間で一定速度、NVPは反応開始の20分後から225分間で一定速度とした。すべての滴下終了後、さらに70分間に渡って反応溶液を128℃に保持して熟成し重合を完結せしめた。その後、純水30.9gを添加した。このようにして、固形分80%の重合体8を得た。
【0052】
実施例1〜6及び比較例1、2で得られたグラフト重合体について、ポリエーテル化合物の構造及びポリエーテル化合物に対するN−ビニルピロリドンの重合比率を表1に示した。更にこれらの重合体について複合汚れの再汚染防止能を測定し、結果を表2に示した。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】