(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カバー部は、前記第1カバー部から前記スプール軸まわりの周方向に延び且つ前記スプール配置部と前記フランジ部の外周部との間に配置される第2カバー部を、さらに有する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の電動リール。
【発明を実施するための形態】
【0028】
〔第1実施形態〕
本発明の一実施形態が採用された電動リール1は、ワカサギ等の小魚を釣るときに使用されるリールである。
【0029】
図1〜
図3に示すように、電動リール1は、リール本体3と、スプール軸5(
図7を参照)と、スプール7と、モータ9と、クラッチ部材11と、複数(例えば3個)の糸止め部材13とを、備えている。また、電動リール1は、
図9及び
図11Aに示すように、第1付勢部材15と、第2付勢部材17とを、さらに備える。さらに、図
4に示すように、電動リール1は、モータ9を駆動するためにリール本体3に配置される電源部19を、さらに備える。
【0030】
ここで、以下で用いられる文言について、説明しておく。
【0031】
電動リール1に対して穂先竿Rが装着された状態において、穂先竿Rが延びる方向、すなわち釣り糸が繰り出される方向を、前方と記すことがある。また、穂先竿Rが延びる方向とは反対の方向、すなわち釣り糸が繰り出される方向とは反対の方向を、後方と記すことがある。
【0032】
上記の前方及び後方の定義に基づいて、リール本体3において、前部及び後部という文言が、用いられることがある。また、表示部4が配置される側(部分)を、上側(上部)と記し、電源部19が配置される側(部分)を、下側(下部)と記すことがある。さらに、前部、後部、上部、及び下部に基づいて、側部という文言が用いられることがある。
【0033】
図2〜
図4に示すように、第1回転軸心J1は、スプール7の回転軸心である。第1回転軸心J1は、スプール軸5の軸心と同芯である。第1回転軸心J1が延びる方向、及び第1回転軸心J1に沿う方向を、スプール軸方向と記すことがある。
【0034】
図2〜
図4に示すように、第2回転軸心J2は、モータ9の駆動軸55の回転軸心である。第2回転軸心J2は、第1回転軸心J1を含む平面Hと間隔を隔てて、配置される。第2回転軸心J2は、ある点で平面Hと交差してもよく、平面Hと平行であってもよい。ここでは、第2回転軸心J2は、平面Hと交差する。
【0035】
ここで、平面Hは、リール本体3の下部に接触する基準面K(
図2を参照)と、実質的に平行な面である。詳細には、基準面Kは、リール本体3の下部に3点以上で接触する面である。なお、基準面Kは、第1回転軸心J1、第2回転軸心J2、及び第2揺動軸心K2(後述する)と間隔を隔てて配置されている。
【0036】
図4に示すように、第2回転軸心J2は、第1回転軸心J1と食い違う方向に延びている。具体的には、平面Hを、平面Hに直交する方向から見た場合に、第2回転軸心J2は、第1回転軸心J1と食い違う方向に延びている。なお、駆動軸55がスプール7に接触した状態においては、第2回転軸心J2は、第1回転軸心J1と直交する方向に延びている。
【0037】
図2及び
図4に示すように、第1揺動軸心K1は、モータ9の揺動軸心である。第1揺動軸心K1は、第1回転軸心J1を含む平面Hを通過する方向に、延びている。また、第1揺動軸心K1は、スプール7の第1回転軸心J1と食い違う方向に延びている。
【0038】
図2及び
図4に示すように、第2揺動軸心K2は、クラッチ部材11の揺動軸心である。第2揺動軸心K2は、第1回転軸心J1を含む平面Hと間隔を隔てて、配置される。第2揺動軸心K2は、ある点で平面Hと交差してもよく、平面Hと平行であってもよい。ここでは、第2揺動軸心K2は、平面Hと交差する。
【0039】
図4に示すように、第2揺動軸心K2は、スプール7の第1回転軸心J1と食い違う方向に延びている。具体的には、第2揺動軸心K2を含む平面Hを、第1回転軸心J1を含む平面Hに直交する方向から見た場合に、第2揺動軸心K2は、第1回転軸心J1と食い違う方向に延びている。ここでは、第2揺動軸心K2は、第1回転軸心J1と実質的に直交する方向に延びている。
【0040】
<リール本体>
図1に示すように、リール本体3の前部には、穂先竿Rが装着される。
図1及び
図2に示すように、リール本体3の上部には、各種の情報を表示する表示部4が、設けられている。リール本体3の内部には、内部空間Sが形成されている。すなわち、リール本体3は、内部空間Sを有する。また、リール本体3は、内部空間Sから外部空間Gに連通する長孔部27cを、有する。なお、
図1及び
図2では、符号Sの下線を破線にすることによって、内部空間Sが表現されている。
【0041】
リール本体3は、一方向に長く形成されている。リール本体3(表示部4)を上方から見た場合、リール本体3は、一方向に長く形成されている。リール本体3の説明では、長手方向、短手方向(幅方向)、及び高さ方向という文言が、用いられることがある。
【0042】
リール本体3(表示部4)を上方から見て、短手方向は、長手方向及び高さ方向に直交する方向である。長手方向及び短手方向は、基準面K上で定義されている。高さ方向は、長手方向及び短手方向に直交する方向である。
【0043】
図5に示すように、リール本体3は、メインケース21(本体部の一例)と、サブケース23と、フレーム部材25(
図10を参照)とを、有する。
【0044】
(メインケース)
メインケース21は、複数のケース部材を組み立てることによって、形成される。また、
図5に示すように、メインケース21には、スプール収納凹部22が形成される。スプール収納凹部22には、スプール7が配置される。スプール収納凹部22は、メインケース21において、他の部分より凹んで形成されている。すなわち、スプール収納凹部22は、メインケース21の外面を凹状に形成された部分であり、この部分にスプール7が配置される。
【0045】
図5、及び
図6A〜
図6Cに示すように、メインケース21は、第1ケース部材27と、第2ケース部材29と、蓋部材30とを、有する。
【0046】
−第1ケース部材−
図5に示すように、第1ケース部材27には、表示部4が設けられる。表示部4は、フレーム部材25に装着される。
図6Aに示すように、第1ケース部材27は、第1ケース本体27aと、スプール収納凹部22に含まれる第1凹部27bと、上述した長孔部27cとを、有する。
【0047】
第1凹部27bは、スプール収納凹部22の壁部を、形成する。第1凹部27bは、第1ケース部材27の外面によって形成される。詳細には、第1ケース本体27aの外面を凹状に形成することによって、第1凹部27bは形成される。
【0048】
長孔部27cは、第1ケース部材27及び第2ケース部材29によって形成される内部空間Sから、第1ケース部材27及び第2ケース部材29の外側の外部空間Gに連通する。
図6Aでは、符号Sの下線を破線にすることによって、内部空間Sの部分が表現されている。
【0049】
詳細には、長孔部27cは、第1ケース本体27a、例えば第1ケース本体27aの上部に、設けられる。長孔部27cは、第1ケース本体27aの内面から外面に向けて、第1ケース本体27aを貫通している。長孔部27cは、第1ケース本体27aにおいてスプール軸方向に沿って延びている。長孔部27cには、クラッチ部材11が挿通される(
図1を参照)。クラッチ部材11の揺動時には、クラッチ部材11(後述する延長部)が、長孔部27cの内部において、移動する。
【0050】
−第2ケース部材−
図5に示すように、第2ケース部材29は、第1ケース部材27に装着される。ここでは、第2ケース部材29は、固定部材例えばネジ部材32によって、第1ケース部材27に固定される。この状態において、第1ケース部材27及び第2ケース部材29によって囲まれた空間が、上記の内部空間Sとなる。
【0051】
図6Bに示すように、第2ケース部材29は、第2ケース本体29aと、スプール収納凹部22に含まれる第2凹部29bと、電源部19を収容するための電源収容部29cとを、有する。
【0052】
第2凹部29bは、スプール収納凹部22の壁部と、スプール収納凹部22の底部とを、形成する。第2凹部29bは、第2ケース部材29の外面によって形成される。詳細には、第2ケース本体29aの外面を凹状に形成することによって、第2凹部29bは形成される。
【0053】
電源収容部29cは、第2ケース本体29aにおいて、凹状に形成されている。詳細には、電源収容部29cは、長手方向において、一方向に長い凹状に形成されている。
【0054】
電源収容部29cには、電源部19が配置される。電源部19、例えば複数(例えば2個)の電池が、長手方向に並べて配置される。すなわち、複数(例えば2個)の電池が、電源収容部29cにおいて、直列に配置される。
【0055】
このように電源収容部29c及び電源部19を構成することによって、スプール軸5に沿う方向において、リール本体3を小型化することができる。すなわち、第2ケース部材29の幅(短手方向の長さ)、例えば電源収容部29cが形成される部分の幅を、第1ケース部材27の幅(短手方向の長さ)より、小さくすることができる。これにより、電動リール1の把持性を向上することができる。
【0056】
ここで、
図5に示すように、電源収容部29cの一部は、蓋部材30とスプール7との間に配置される。詳細には、電源収容部29cの端部が、蓋部材30とスプール7との間に配置される。すなわち、電源部19の一部、例えば電池の端部は、蓋部材30とスプール7との間に配置される。このように電源収容部29c及び電源部19を構成することによって、第2ケース部材29の全長、すなわちリール本体3の全長(長手方向の長さ)を、小さくすることができる。
【0057】
−蓋部材−
図5に示すように、蓋部材30は、電源収容部29cを覆う部材である。蓋部材30は、電源収容部29cの開口を塞ぐ部材である。
図6Cに示すように、蓋部材30は、第2ケース本体29aに着脱可能に装着される。蓋部材30は、蓋本体30aと、第1爪部30bと、第2爪部30cとを、有する。蓋本体30aは、一方向に長い板状に形成されている。
【0058】
蓋本体30aは、第2ケース本体29a側(電源収容部29c側)に向けて、アーチ状に形成されている。詳細には、蓋本体30aが、長手方向において、第2ケース本体29a側(電源収容部29c側)に向けて、アーチ状に形成されている。
【0059】
第1爪部30bは、蓋本体30aの一端部に形成され、第2ケース部材29の前部(電源収容部29cの前部)に設けられた係合凹部(図示しない)に、係合する。第2爪部30cは、蓋本体30aの他端部に形成され、第2ケース部材29の後部(電源収容部29cの後部)に設けられた係合凹部(図示しない)に、弾性的に係合する。
【0060】
このように蓋部材30を構成することによって、蓋部材30を第2ケース本体29aに装着すると、アーチ状に形成された蓋本体30aの上面30dを、第2ケース本体29aの下面29d(
電源収容部29c側の外面)に確実に接触させることができる。すなわち、蓋部材30及び第2ケース部材29の間を確実に接触させることができる。
【0061】
(サブケース)
図7、及び
図8A〜
図8Cに示すように、サブケース23は、サブケース本体31と、スプール軸保持部33と、釣糸侵入規制部35と、穂先装着部37とを、有する。
【0062】
−サブケース本体−
図7に示すように、サブケース本体31は、メインケース21に設けられる。詳細には、サブケース本体31は、第1ケース部材27の開口27e(
図6Aを参照)、及び第2ケース部材29の開口29e(
図6Bを参照)に、配置される。
【0063】
図8A〜
図8Cに示すように、サブケース本体31は、ケース装着部31aを有する。ケース装着部31aは、固定部材例えばネジ部材によって、第1ケース部材27の内面に固定される。詳細には、ケース装着部31a例えば孔部にはネジ部材が挿通され、ネジ部材が第1ケース部材27の内面の雌ネジ部27d(
図6Aを参照)に螺合される。
【0064】
−スプール軸保持部−
図7、及び
図8A〜
図8Cに示すように、スプール軸保持部33は、スプール軸5を保持する部分である。スプール軸保持部33は、サブケース本体31に設けられる。詳細には、スプール軸保持部33は、サブケース本体31に一体に形成される。
【0065】
スプール軸保持部33は、スプール軸5を装着するためのスプール軸用の装着孔33aを、有している。スプール軸用の装着孔33aには、スプール軸5が固定される。詳細には、スプール軸用の装着孔33aには、スプール軸5の一端部が固定される。これにより、スプール軸5の一端部(基端部)はスプール軸保持部33に固定され、スプール軸5の他端部(先端部)は自由端となる。
【0066】
−釣糸侵入規制部−
図5に示すように、釣糸侵入規制部35は、第1フランジ部49(後述する)の外周部を覆うことによって、メインケース21及び第1フランジ部49の間への釣り糸の侵入を規制する。
図7に示すように、釣糸侵入規制部35は、スプール軸保持部33に設けられる。詳細には、釣糸侵入規制部35は、スプール軸保持部33と一体に形成される。
【0067】
図7、及び
図8A〜
図8Cに示すように、釣糸侵入規制部35は、カバー部41と、カバー用の連結部43とを、有する。
【0068】
(カバー部)
図5に示すように、カバー部41は、第1フランジ部49の外周部を部分的に覆う。カバー部41は、第1フランジ部49の外周部に沿うように、形成される。例えば、カバー部41(後述する第1カバー部41a及び第2カバー部41b)は、スプール軸5まわりの周方向において、駆動軸55から180度以上且つ300度未満の範囲内で、第1フランジ部49の外周部を部分的に覆う。
【0069】
図7、及び
図8A〜
図8Cに示すように、カバー部41は、第1カバー部41aと、第2カバー部41bとを、有する。第1カバー部41aは、スプール軸5に関する径方向において、スプール収納凹部22の開口側に設けられる。ここでは、スプール収納凹部22の開口側とは、スプール収納凹部22の前方及び上方に対応している。
【0070】
詳細には、第1カバー部41aは、スプール軸5の前方において、スプール収納凹部22の開口側に配置される。第1カバー部41aは、穂先装着部37の上方において、スプール収納凹部22の開口側に配置される。
図8A及び
図8Cに示すように、第1カバー部41aは、円弧状に形成されている。
図8Bに示すように、第1カバー部41aは、カバー用の連結部43と一体に形成され、スプール軸方向においてカバー用の連結部43から突出している。
【0071】
図7、及び
図8A〜
図8Cに示すように、第2カバー部41bは、第1カバー部41aからスプール軸5まわりの周方向に延び、且つスプール収納凹部22と第1フランジ部49の外周部との間に配置される。詳細には、第2カバー部41bは、周方向において第1カバー部41aからスプール収納凹部22の底部側に延び、スプール収納凹部22の内部に配置される。
【0072】
図8A及び
図8Cに示すように、第2カバー部41bは、円弧状に形成されている。第2カバー部41bは、第1カバー部41aと一体に形成され、第1カバー部41aから周方向に延びる。第2カバー部41bの端部は、周方向において、駆動軸55と間隔を隔てて配置される。第2カバー部41bは、カバー用の連結部43と一体に形成され、スプール軸方向においてカバー用の連結部43から突出している(
図7を参照)。
【0073】
(カバー用の連結部)
カバー用の連結部43は、カバー部41とスプール軸保持部33とを連結する部分である。
図7、及び
図8A〜
図8Cに示すように、カバー用の連結部43は、カバー部41及びスプール軸保持部33と一体に形成されている。カバー用の連結部43の外周部は、円弧状に形成されている。
カバー用の連結部43の外周部には、第1カバー部41a及び第2カバー部41bが一体に形成されている。
【0074】
図3に示すように、カバー用の連結部43は、スプール軸方向(スプール軸5に関する軸方向)において、スプール収納凹部22及び第1フランジ部49との間に配置される。詳細には、カバー用の連結部43の内周部が、スプール軸方向において、スプール収納凹部22の壁部22a及び第1フランジ部49との間に、配置される。
【0075】
−穂先装着部−
穂先装着部37には、穂先竿Rが着脱可能に装着される。
図7、及び
図8A〜
図8Cに示すように、穂先装着部37は、サブケース本体31に設けられる。詳細には、穂先装着部37は、筒状に形成され、サブケース本体31から突出している。穂先装着部37及び穂先竿Rの基端部外周には、釣り糸のストッパが接触するストッパガイド(図示しない)が、着脱可能に装着される。
【0076】
(フレーム部材)
図9に示すように、フレーム部材25は、第1ケース部材27に装着される。詳細には、フレーム部材25は、固定手段例えばネジ部材26によって、第1ケース部材27に固定される。
【0077】
フレーム部材25には、モータ9が、第1揺動軸心K1まわりに揺動可能に装着される。具体的には、フレーム部材25には、モータ9を保持する保持部材45が、第1揺動軸心K1まわりに揺動可能に取り付けられる。すなわち、フレーム部材25には、保持部材45を介して、モータ9が揺動可能に装着される。
【0078】
図9及び
図10に示すように、フレーム部材25は、第1突出部25aと、係止溝部25bと、第1揺動軸部25cとを、有する。第1突出部25aには、第2付勢部材17が取り付けられる。第1突出部25aは、フレーム部材25から第2ケース部材29に向かって、突出している。第1突出部25aは、円柱状に形成されている。
【0079】
第1突出部25aの外周部には、第2付勢部材17のコイル部例えば捩りバネの第2コイル部17aが、取り付けられる。係止溝部25bには、第2付勢部材17の第3アーム部17bが、係止される。ここで、第2付勢部材17の第4アーム部17cは、保持部材45に設けられた爪部45aに、係止される。
【0080】
第1揺動軸部25cには、保持部材45が揺動可能に取り付けられる。第1揺動軸部25cは、フレーム部材25から第2ケース部材29に向かって、突出している。第1揺動軸部25cは、円筒状に形成されている。第1揺動軸部25cの外周部には、保持部材45の孔部45bが配置される。第1揺動軸部25cの内周部には、保持部材45を抜け止めするための抜け止め部材、例えばネジ部材28が、ネジ込まれる。第1揺動軸部25cの軸心は、第1揺動軸心K1に対応している。
【0081】
また、
図10及び
図11Aに示すように、フレーム部材25には、クラッチ部材11が、第2揺動軸心K2まわりに揺動可能に装着される。フレーム部材25は、第2突出部25dと、第3係合凹部25eと、第2揺動軸部25fとを、有する。
【0082】
第2突出部25dには、第1付勢部材15が取り付けられる。第2突出部25dは、フレーム部材25の前壁に設けられている。第2突出部25dは、フレーム部材25からスプール7側に、突出している。第2突出部25dは、円柱状に形成されている。
【0083】
第2突出部25dの外周部には、第1付勢部材15のコイル部例えば捩りバネの第1コイル部15aが、取り付けられる。第3係合凹部25eには、第1付勢部材15の第1アーム部15bが、係止される。ここで、第1付勢部材15の第2アーム部15cは、クラッチ部材11に設けられた係止孔64(後述する)に、係止される。
【0084】
第2揺動軸部25fには、クラッチ部材11が揺動可能に取り付けられる。第2揺動軸部25fは、フレーム部材25の前壁に設けられている。第2揺動軸部25fは、フレーム部材25からスプール7側に、突出している。第2揺動軸部25fは、円筒状に形成されている。
【0085】
第2揺動軸部25fの外周部には、クラッチ部材11の第1孔部57a(後述する)が、配置される。第2揺動軸部25fの内周部には、クラッチ部材11を抜け止めするための抜け止め部材、例えばネジ部材が、ネジ込まれる。第2揺動軸部25fの軸心は、第2揺動軸心K2に対応している。
【0086】
<スプール軸>
図7に示すように、スプール軸5は、リール本体3に、装着される。スプール軸5は、水平にリール本体3に装着される。詳細には、スプール軸5は、水平且つ釣り糸の繰り出し方向に垂直に、リール本体3に装着される。ここで、「“水平”とは、重力の方向と直角をなすこと」という意味を有している。また、「“水平”とは、重力の方向と直角をなす方向」という意味も含んでいる。
【0087】
なお、電動リール1が使用される際に台上等に載置された状態において、スプール軸5は、実質的に水平又は水平に近い状態でリール本体3に装着されていればよく、釣り人が把持している状態において、スプール軸5が正確な水平を保つことを意味するものではない。
【0088】
例えば、スプール軸5は、サブケース23のスプール軸保持部33に、装着される。上述したように、スプール軸5は、スプール軸保持部33におけるスプール軸用の装着孔33aに、固定される。これにより、スプール軸5の基端部がスプール軸保持部33に固定された状態で、スプール軸5は、片持ち形式の支持形態でスプール軸保持部33に支持される。
【0089】
<スプール>
図1に示すように、スプール7は、リール本体3の前部に配置され、釣り糸を巻き取る。スプール7は、リール本体3のスプール収納凹部22に配置される。スプール7は、スプール軸5に対して回転可能に支持される。
図4に示すように、スプール7は、第1回転軸心J1まわりに回転可能なように、スプール軸5に支持される。
【0090】
詳細には、スプール7がスプール収納凹部22に配置され、且つスプール7が第1軸受46a及び第2軸受46b(後述する;
図13を参照)を介してスプール軸5に支持された状態において、固定部材例えばナット部材34(
図7を参照)が、スプール軸5に取り付けられる。これにより、スプール7は、スプール軸5に装着される。
【0091】
図12に示すように、スプール7は、糸巻き胴部47と、第1フランジ部49と、第2フランジ部51とを、有する。
【0092】
(糸巻き胴部)
糸巻き胴部47は筒状に形成され、糸巻き胴部47の外周には釣り糸が巻き付けられる。糸巻き胴部47の内周部(孔部)には、スプール軸5が挿通される。
【0093】
詳細には、
図13に示すように、糸巻き胴部47の内周部には、第1軸受46a及び第2軸受46bが配置される。第1軸受46a及び第2軸受46bの軸方向間には、筒状部材46cが配置される。筒状部材46cは、第1軸受46a及び第2軸受46bのスペーサとして機能する。
【0094】
第1軸受46a及び第2軸受46bそれぞれは、外輪と、内輪と、外輪及び内輪の間に配置される転動体とを、有する。第1軸受46aの外輪及び第2軸受46bの外輪は、糸巻き胴部47の内周面に圧入固定されている。第1軸受46aの内輪及び第2軸受46bの内輪は、スプール軸5に装着されている。これら第1軸受46a及び第2軸受46bを介して、スプール7は、スプール軸5まわりに回転可能である。
【0095】
ここで、糸巻き胴部47の内周部における第2フランジ部51側には、キャップ部材52が装着される。キャップ部材52は、糸止め部材13を第2フランジ部51に装着するために用いられる。
【0096】
キャップ部材52は、円環部52aと、鍔部52bとを、有する。円環部52aは、実質的に環状に形成されている。円環部52aは、糸巻き胴部47の内周部に圧入される。鍔部52bは、円環部52aの外周部に一体に形成される。鍔部52bは、スプール軸方向において、第2フランジ部51と対向して配置される。
【0097】
ここで、糸巻き胴部47の内周部における第2フランジ部51側には、第1段差部47aが形成されている。第1段差部47aにおける径方向内側には、第2軸受46bが部分的に突出している。第1段差部47aの径方向外側には、環状の第2段差部47bが形成されている。
【0098】
第2段差部47bには、糸止め用の装着部67(後述する;
図14を参照)が、配置される。この状態において、キャップ部材52の円環部52aが、第1段差部47a及び第2軸受46bの径方向間に圧入される。すると、糸止め用の装着部67が、キャップ部材52の鍔部52bと第2段差部47bとの間に、配置される。このようにして、糸止め部
材13が、第2フランジ部51に取り付けられる。
【0099】
なお、糸巻き胴部47の内周部における第2フランジ部51側は、第2フランジ部51の内周側と解釈してもよい。
【0100】
(第1フランジ部)
図12に示すように、第1フランジ部49は、糸巻き胴部47の一端部において、径方向外方に突出して設けられている。第1フランジ部49は、実質的に円環板状に形成され、糸巻き胴部47の一端部に一体に形成されている。
【0101】
図4に示すように、第1フランジ部49は、第2回転軸心J2及び第2揺動軸心K2の間に、配置される。例えば、第1フランジ部49は、駆動軸55と、フレーム部材25の第2揺動軸部25fとの間に、配置される。
【0102】
図5に示すように、第1フランジ部49は、カバー部41によって部分的に覆われる。第1フランジ部49は、スプール軸5に関する径方向において、リール本体3の外面から部分的に突出している。
【0103】
詳細には、第1フランジ部49においてカバー部41に覆われていない部分が、スプール軸5に関する径方向において、リール本体3の外面から部分的に突出している。言い換えると、電動リール1の外側から電動リール1をスプール軸方向に見た場合、第1フランジ部49においてカバー部41に覆われていない部分が、リール本体3の外面から部分的に突出している。
【0104】
図5に示すように、第1フランジ部49は、カバー部41に覆われる第1外周部49aと、カバー部41に覆われていない第2外周部49bとを、有している。
【0105】
第1外周部49aは、径方向においてカバー部41(第1カバー部41a及び第2カバー部41b)に対向する部分である。言い換えると、第1外周部49aの径方向外側には、カバー部41が配置されている。ここでは、スプール7の回転時及びスプール7の未回転時(静止時)において、径方向においてカバー部41に対向する部分を、第1外周部49aと定義している。
【0106】
第2外周部49bは、径方向においてカバー部41(第1カバー部41a及び第2カバー部41b)に対向していない部分である。第2外周部49bの径方向外側には、カバー部41が配置されていない。ここでは、スプール7の回転時及びスプール7の未回転時(静止時)において、径方向においてカバー部41に対向していない部分、例えば露出した部分を、第2外周部49bと定義する。第2外周部49bは、径方向においてリール本体3の外面から部分的に突出している。
【0107】
(第2フランジ部)
図12に示すように、第2フランジ部51は、糸巻き胴部47の他端部において、径方向外方に突出して設けられている。
図12及び
図13に示すように、第2フランジ部51は、第2フランジ本体51aと、複数(例えば3個)の第3凹部51bと、複数(例えば3個)の第1溝部51cとを、有する。
【0108】
第2フランジ本体51aは、実質的に円環板状に形成され、糸巻き胴部47の他端部に一体に形成されている。複数の第3凹部51bそれぞれには、糸止め用の係止部65(後述する)が配置される。各第3凹部51bは、第2フランジ本体51aの外周部に設けられる。詳細には、各第3凹部51bは、周方向に互いに間隔を隔てて、第2フランジ本体51aの外周部に形成されている。各第3凹部51bは、スプール軸方向及び径方向に開口している。
【0109】
複数の第1溝部51cそれぞれには、糸止め用の連結部69(後述する)が配置される。各第1溝部51cは、径方向において、第2フランジ本体51aの外側面に沿って形成されている。詳細には、各第1溝部51cは、径方向において、糸巻き胴部47の内周部から各第3凹部51bに向けて延びている。より詳細には、各第1溝部51cは、径方向において、第2段差部47bから各第3凹部51bに向けて延びている。
【0110】
<モータ>
モータ9は、リール本体3の内部に配置され、スプール7を回転させる。モータ9駆動のオンオフは、リール本体3の右側部及び左側部に配置された1対の第1スイッチ3a(
図1を参照)によって、行われる。モータ9のモード切り換えは、表示部4に設けられた1対の第2スイッチ4a(
図1を参照)によって、行われる。
【0111】
図9に示すように、モータ9は、リール本体3例えばフレーム部材25に対して、揺動可能に装着される。詳細には、モータ9は、第1揺動軸心K1まわりに揺動可能に、フレーム部材25に装着される。第1揺動軸心K1は、フレーム部材25から第2ケース部材29に向かって、延びている。
【0112】
図4に示すように、モータ9は、モータ本体53と、駆動軸55とを、有する。モータ本体53は、電源部19から電力の供給を受けることによって、動作する。モータ本体53は、モータ9の第1揺動軸心K1と、スプール7の第1回転軸心J1との間に、配置されている。モータ本体53は、保持部材45に保持されている(
図9を参照)。上述したように、モータ本体53は、保持部材45を介して、フレーム部材25の第1揺動軸部25cに対して、揺動可能に取り付けられる。
【0113】
駆動軸55は、モータ本体53に設けられ、モータ本体53の動作によって回転する。駆動軸55は、第2回転軸心J2まわりに回転する。駆動軸55は、スプール7に接触することによって、スプール7を回転させる。駆動軸55は、クラッチ部材11の揺動に連動してモータ本体53が揺動すると、スプール7から離反する。
【0114】
駆動軸55は、第1フランジ部49に接触可能に配置される。駆動軸55は、モータ本体53からスプール軸5側に延びている。ここでは、駆動軸55が、フレーム部材25に設けられた貫通孔25g(
図11Aを参照)に、挿通される。駆動軸55は、貫通孔25gの内部において揺動可能である。
【0115】
駆動軸55の先端部は、第1フランジ部49に接触可能に配置される。例えば、
図7及び
図8Aに示すように、駆動軸55の先端部は、第1フランジ部49及びサブケース23の軸方向間に、配置される。また、
図7に示すように、駆動軸55は、周方向において、第2カバー部41bの端部と間隔を隔てて配置される。
【0116】
駆動軸55の先端部が第1フランジ部49に接触すると、駆動軸55の回転がスプール7に伝達され、スプール7が回転する。一方で、クラッチ部材11によって駆動軸55が
押圧されると、駆動軸55の先端部が第1フランジ部49から離反する。すると、駆動軸55の回転はスプール7に伝達されなくなり、スプール7の回転が停止する。
【0117】
<クラッチ部材>
クラッチ部材11は、モータ9からスプール7への回転の伝達をオンオフするために、用いられる。
【0118】
図11Aに示すように、クラッチ部材11は、第2揺動軸心K2まわりに揺動可能なように、リール本体3に装着される。
図4に示すように、第2揺動軸心K2は、第1回転軸心J1に垂直な方向視において、第2回転軸心J2と間隔を隔てて配置される。“第1回転軸心J1に垂直な方向視”とは、“第1回転軸心
J1に垂直な方向において、リール本体3の外側からリール本体3を見た場合”という意味を、含んでいる。また、ここに記載された内容は、“第1回転軸心J1に沿う方向(スプール軸方向)において、第2揺動軸心K2は第2回転軸心J2と間隔を隔てて配置される”と、解釈してもよい。
【0119】
この配置において、
図11Bに示すように、第2揺動軸心K2と第2回転軸心J2との間において、クラッチ部材11は駆動軸55を押圧する。これにより、クラッチ部材11は、駆動軸55をスプール7から離反させる。一方で、
図11Cに示すように、駆動軸55に対するクラッチ部材11の押圧が解除されると、駆動軸55がスプール7(第1フランジ部49)に接触しスプール7を回転させる。
【0120】
ここでは、駆動軸55を第1フランジ部49から離反させるために、クラッチ部材11が駆動軸55を押圧している姿勢を、第1姿勢と記す。第1姿勢は、
図11Bに示す姿勢である。一方で、駆動軸55が第1フランジ部49に接触し、且つクラッチ部材11が駆動軸55から離反した姿勢を、第2姿勢と記す。第2姿勢は、
図11Cに示す姿勢である。
【0121】
第1姿勢では、クラッチ部材11がユーザによって揺動操作されている。第2姿勢では、クラッチ部材11に対するユーザの操作が解除されている。第1姿勢から第2姿勢への姿勢の変更、すなわち第1姿勢から第2姿勢へのクラッチ部材11の揺動は、第1付勢部材15によって補助される。第2姿勢から第1姿勢への姿勢の変更、すなわち第2姿勢から第1姿勢へのクラッチ部材11の揺動は、ユーザ操作によって行われる。
【0122】
図11A〜
図11Cに示すように、クラッチ部材11は、リール本体3に揺動可能に装着されるクラッチ用の装着部57と、クラッチ用の装着部57に設けられる押圧部59とを、有する。また、クラッチ部材11は、クラッチ用の装着部57から外方に延びる延長部61と、延長部61に設けられる内蓋部63とを、さらに有する。さらに、クラッチ部材11は、第1付勢部材15に係合する係止孔64を、さらに有する。
【0123】
図11Aに示すように、クラッチ用の装着部57は、第1孔部57aと、第2孔部57bとを、有している。第1孔部57aには、フレーム部材25の第2揺動軸部25fが挿通される。第2孔部57bは、第1孔部57aより大径に形成されている。
【0124】
ここで、クラッチ部材11を抜け止めするための抜け止め部材、例えばネジ部材58が、第2揺動軸部25fの内周部にネジ込まれる。この状態において、ネジ部材の頭部が、第2孔部57bの底部に対向して配置される。詳細には、ネジ部材の頭部が、ワッシャ部材を介して、第2孔部57bの底部に対向して配置される。このようにして、クラッチ用の装着部57は、第2揺動軸部25fまわりに揺動可能に装着される。
【0125】
押圧部59は、駆動軸55を押圧する部分である。押圧部59は、第2揺動軸心K2と第2回転軸心J2との間において、駆動軸55を押圧する。押圧部59は、クラッチ用の装着部57の外周から外方に突出するように、クラッチ用の装着部57に一体に形成されている。押圧部59は、第2揺動軸心K2と第2回転軸心J2との間において駆動軸55に接触可能なように、クラッチ用の装着部57に一体に形成されている。例えば、第1姿勢では、押圧部59は、第2揺動軸心K2と第2回転軸心J2との間において駆動軸55に接触し、駆動軸55を押圧する。第2姿勢では、押圧部59は、駆動軸55に対する押圧を解除する。
【0126】
図1及び
図11Aに示すように、延長部61は、内部空間Sに配置されるクラッチ用の装着部57から、外部空間Gに向けて延びる部分である。延長部61は、第1ケース部材27(第1ケース本体27a)に設けられた長孔部27cに、挿通される。延長部61の先端部は、外部空間Gに配置される。外部空間Gに配置された延長部61の先端部は、ユーザによって操作可能な操作部として、機能する。
【0127】
内蓋部63は、長孔部27cを塞ぐために用いられる。内蓋部63は、長孔部27c及びクラッチ用の装着部57の間において、長孔部27cを塞ぐように、延長部61に設けられる。例えば、内蓋部63は、長孔部27cに沿うように、延長部61に一体に形成されている。内蓋部63は、内部空間Sに配置される。より詳細には、クラッチ部材11が揺動したとしても、内蓋部63は、長孔部27cを内部空間S側から塞ぐことができるように、長孔部27cに沿って延長部61から延びている。
【0128】
図11Aに示すように、係止孔64には、第1付勢部材15が係合する。係止孔64は、押圧部59に設けられている。詳細には、係止孔64は、第2揺動軸心K2に沿う方向に、押圧部59を貫通している。係止孔64には、第1付勢部材15の第2アーム部15c(後述する)が、係止される。
【0129】
<糸止め部材>
各糸止め部材13は、釣り糸を係止するために用いられる。
図14に示すように、各糸止め部材13は、1本の線材部材を折り曲げることによって、形成される。
【0130】
図13に示すように、各糸止め部材13は、スプール軸5に関する軸方向において、第2フランジ部51の外側面より内側に配置される。詳細には、各糸止め部材13は、糸巻き胴部47側に折り曲げることによって、スプール軸方向において第2フランジ部51の外側面より内側に配置される。また、各糸止め部材13は、スプール軸5に関する径方向において、第2フランジ部51の外周面より内側に配置される。
【0131】
図13及び
図14に示すように、各糸止め部材13は、糸止め用の係止部65と、糸止め用の装着部67と、糸止め用の連結部69とを、有する。糸止め用の係止部65は、釣り糸を係止する部分である。糸止め用の係止部65は、第2フランジ部51の外側から釣り糸を係止できるように、鈎状に形成されている。
【0132】
糸止め用の係止部65は、第2フランジ部51の各第3凹部51bに配置される(
図13を参照)。また、糸止め用の係止部65の基端部、すなわち糸止め用の係止部65が糸止め用の連結部69に接続される部分C(接続部)は、各第1溝部51cに配置される。
【0133】
糸止め用の係止部65及び糸止め用の連結部69の接続部Cは、糸止め部材13が折り曲げられる部分である。この接続部Cにおいて、糸止め用の係止部65は、糸巻き胴部47側に折り曲げられている。
【0134】
糸止め用の係止部65の一部は、スプール軸方向において、第2フランジ部51の内側面より糸巻き胴部47側に、配置される。また、糸止め用の係止部65の一部は、スプール軸方向において、第1溝部51cより糸巻き胴部47側に配置される。
【0135】
ここでは、糸止め用の係止部65において鈎状に形成された部分における湾曲部65aが、第2フランジ部51の内側面より糸巻き胴部47側に、配置される。また、湾曲部65aは、第1溝部51cより糸巻き胴部47側に配置される。
【0136】
湾曲部65aを除いた部分は、各第3凹部51bの内部に配置される。特に、糸止め用の係止部65において鈎状に形成された部分の先端部65bは、各第3凹部51bの内部に配置される。
【0137】
糸止め用の装着部67は、スプール7に装着される。糸止め用の装着部67は、糸止め部材13の抜け止めとして機能する。例えば、糸止め用の装着部67は、実質的に円弧状に形成されている。糸止め用の装着部67は、第2フランジ部51の内周側に設けられた環状の第2段差部47bに、配置される。この状態において、上述したように、キャップ部材52の円環部52aを、第2フランジ部51の内周側に設けられた第1段差部47aに、装着することによって、糸止め用の装着部67は、キャップ部材52の鍔部52bとスプール7の第2段差部47bとの間に、装着される。
【0138】
糸止め用の連結部69は、糸止め用の装着部67及び糸止め用の係止部65を連結する部分である。糸止め用の連結部69は、一方向に長い2本の線材によって形成されている。糸止め用の連結部69は、第2フランジ部51の各第1溝部51cに配置される。糸止め用の連結部69の径方向外側の端部、すなわち上述した接続部C(折曲部)は、第1溝部51cの内部に配置される。すなわち、糸止め用の連結部69及び糸止め用の係止部65は、第1溝部51cの内部において接続される。
【0139】
このような構成を有する各糸止め部材13は、糸止め用の装着部67を、キャップ部材52によって、第2フランジ部51の内周側に設けられた第2段差部47bに装着することによって、スプール7に装着される。
【0140】
上記のように、糸止め部材13を構成し、第2フランジ部51に装着することによって、電動リール1が操作されている際に、釣り糸が第2フランジ部51の外側に配置されるようなことがあっても、釣り糸が係止部
65に引っ掛かることを、防止することができる。
【0141】
<第1付勢部材>
第1付勢部材15は、クラッチ部材11を駆動軸55から離反させる。第1付勢部材15は、クラッチ部材11を駆動軸55から離れる方向に付勢する。詳細には、駆動軸55に対するクラッチ部材11の押圧が解除されると、第1付勢部材15は、クラッチ部材11を駆動軸55から離れる方向に付勢する。
【0142】
図11Aに示すように、第1付勢部材15は、第1ケース部材27に固定されるフレーム部材25と、クラッチ部材11とに、係合する。第1付勢部材15は、例えば捩りバネである。
【0143】
第1付勢部材15は、第1コイル部15aと、第1アーム部15bと、第2アーム部15cとを、有する。フレーム部材25において説明したように、第1コイル部15aは、フレーム部材25の第2突出部25dの外周部に配置される。第1アーム部15bは、フレーム部材25の第3係合凹部25eに係止される。第2アーム部15cは、第1付勢部材15の第1コイル部15aが捩られた状態で、クラッチ部材11の係止孔64に、係止される。
【0144】
このように、第1付勢部材15をクラッチ部材11及びフレーム部材25に係合させることによって、駆動軸55に対するクラッチ部材11の押圧が解除されると、クラッチ部材11は、第1付勢部材15によって、フレーム部材25に対して第2揺動軸心K2まわりに揺動する。これにより、クラッチ部材11の姿勢は、第1姿勢から第2姿勢へと変更される。
【0145】
<第2付勢部材>
第2付勢部材17は、駆動軸55をスプール7に接近させる。第2付勢部材17は、駆動軸55がスプール7に接近するように、モータ9を付勢する。詳細には、駆動軸55に対するクラッチ部材11の押圧が解除されると、第2付勢部材17は、駆動軸55がスプール7(第1フランジ部49)に接近するように、モータ本体53を付勢する。
【0146】
図9に示すように、第2付勢部材17は、第2コイル部17aと、第3アーム部17bと、第4アーム部17cとを、有する。フレーム部材25において説明したように、第2コイル部17aは、フレーム部材25の第1突出部25aの外周部に、配置される。第3アーム部17bは、フレーム部材25の係止溝部25bに、係止される。第4アーム部17cは、保持部材45の爪部45aに、係止される。
【0147】
このように、第2付勢部材17を保持部材45及びフレーム部材25に係合させることによって、駆動軸55に対するクラッチ部材11の押圧が解除されると、モータ9は、第2付勢部材17によって、フレーム部材25に対して第1揺動軸心K1まわりに揺動する。これにより、モータ9の駆動軸55は、スプール7の第1フランジ部49に接触し、スプール7は回転する。
【0148】
〔変形例1〕
変形例1では、糸止め部材113の形状が、前記実施形態とは実質的に異なっている。このため、変形例1では、前記実施形態とは異なる構成について説明し、その他の構成については説明を省略する。なお、前記実施形態と同じ構成については、前記実施形態と同じ符号を付している。
【0149】
糸止め部材113の係止部165は、
図15に示すように形成してもよい。この場合、糸止め用の係止部165における先端部165bが、第2フランジ部51の外側面と実質的に平行になるように、形成される。このように係止部165の先端部165bを形成することによって、電動リール1が動作している際に、釣り糸が第2フランジ部51の外側に配置されるようなことがあっても、釣り糸が係止部165に引っ掛かることを、確実に防止することができる。
【0150】
〔第2実施形態〕
第2実施形態では、
図16〜
図19に示すように、糸止め部材213の形状及びスプール117の形状が、前記実施形態とは実質的に異なっている。このため、第2実施形態では、前記第1実施形態とは異なる構成について説明し、その他の構成については説明を省略する。なお、前記実施形態と同じ構成については、前記実施形態と同じ符号を付している。
【0151】
第2実施形態の糸止め部材213の形状は、前記実施形態と異なる。各糸止め部材213は、釣り糸を係止するために用いられる。
【0152】
図19に示すように、各糸止め部材213は、1本の線材部材を折り曲げることによって、形成される。各糸止め部材213は、糸止め用の係止部265と、糸止め用の装着部267と、糸止め用の連結部269とを、有する。糸止め用の係止部265は、第4フランジ部152(後述する)の外側から釣り糸を係止できるように、鈎状に形成されている。
【0153】
図17に示すように、糸止め用の係止部265の一部、例えば糸止め用の係止部265において鈎状に形成された部分の湾曲部265aは、径方向において、第3フランジ部151(後述する)の外周面より外方に配置されている。また、湾曲部265aは、スプール軸方向において、第4フランジ部152の内側面より糸巻き胴部47側に、配置される。
【0154】
糸止め用の装着部67は、糸止め部材213をスプール117に係合させることによって、糸止め部材13の抜け止めとして機能する。
図19に示すように、糸止め用の装着部267は、実質的に直線状に形成されている。
図17に示すように、糸止め用の装着部267は、スプール117の環状溝部151d(後述する)に、配置される。なお、ここでは、糸止め用の装着部267が実質的に直線状に形成される場合の例を示した、糸止め用の装着部267は、第1実施形態と同様に、湾曲していてもよい。
【0155】
図19に示すように、糸止め用の連結部269は、糸止め用の装着部267及び糸止め用の係止部265を連結する部分である。糸止め用の連結部269は、実質的に直線状に形成されている。
図17に示すように、糸止め用の連結部269は、スプール117の各第2溝部151c(後述する)に配置される。
【0156】
図16〜
図18に示すように、第2実施形態のスプール117は、傾斜面152cを、さらに有する。詳細には、第2フランジ部51は、傾斜面152cを、さらに有する。この構成を実現するために、第2実施形態のスプール117は、以下のように構成されている。
【0157】
第1フランジ部49は、前記実施形態の構成と実質的に同じである。ここでは、第2フランジ部51は、第3フランジ部151と、第4フランジ部152とから、構成される。
【0158】
図17に示すように、第3フランジ部151は、糸巻き胴部47の他端部において、径方向外方に突出して設けられている。第3フランジ部151は、第3フランジ本体151aと、複数(例えば3個)の第4凹部151bと、複数(例えば3個)の第2溝部151cと、複数(例えば3個)の環状溝部151dとを、有する。
【0159】
第3フランジ本体151aは、実質的に円環板状に形成され、糸巻き胴部47の他端部に一体に形成されている。複数の第4凹部151bそれぞれには、糸止め用の係止部265が部分的に配置される。各第4凹部151bは、第3フランジ本体151aの外周部に設けられる。詳細には、各第4凹部151bは、周方向に互いに間隔を隔てて、第3フランジ本体151aの外周部に形成されている。各第4凹部151bは、スプール軸方向及び径方向に開口している。
【0160】
複数の第2溝部151cそれぞれには、糸止め用の連結部269が配置される。各第2溝部151cは、径方向において、第3フランジ本体151aの外側面に形成されている。詳細には、各第2溝部151cは、径方向において、糸巻き胴部47の内周部側から各第4凹部151bに向けて延びている。
【0161】
複数の環状溝部151dそれぞれには、糸止め用の装着部267が配置される。各環状溝部151dは、第3フランジ本体151aの外側面(第4フランジ本体152aに対向する面)に形成されている。詳細には、各環状溝部151dは、各第2溝部151cの径方向内側端に設けられている。各環状溝部151dは、周方向に隣接する第2溝部151cを連結するように、第3フランジ本体151aの外側面に形成されている。
【0162】
第4フランジ部152は、第3フランジ部151に装着される。ここでは、第4フランジ部152は、固定手段例えば接着剤によって、第3フランジ部151に固定される。詳細には、糸止め用の連結部269が各第2溝部151cに配置され、糸止め用の装着部267が各環状溝部151dに配置される。この状態において、上述したように、第4フランジ部152は、第3フランジ部151に固定される。これにより、各糸止め部材13は、第3フランジ部151及び第4フランジ部152によって、挟持される。
【0163】
図16及び
図17に示すように、第4フランジ部152は、第4フランジ本体152aと、複数(例えば3個)の第5凹部152bと、複数(例えば3個)の傾斜面152cとを、有する。第4フランジ本体152aは、実質的に円環状に形成されている。
【0164】
複数の第5凹部152bそれぞれは、スプール軸方向において、各第4凹部151bと対向して配置される。各第5凹部152b及び各第4凹部151bは、前記実施形態における各第3凹部51bに対応している。
【0165】
各第5凹部152bには、糸止め用の係止部265が部分的に配置される。各第5凹部152bは、第4フランジ本体152aの外周部に設けられる。詳細には、各第5凹部152bは、周方向に互いに間隔を隔てて、第4フランジ本体152aの外周部に形成されている。各第5凹部152bは、スプール軸方向及び径方向に開口している。
【0166】
図16〜
図18に示すように、複数の傾斜面152cそれぞれは、第4フランジ本体152aの外側面152s及び各第5凹部152bの間において、各第5凹部152bと連続的に設けられる。例えば、
図16及び
図18に示すように、スプール117を外側から見た場合に、各傾斜面152cは、各第5凹部152bの周囲を囲むように、第4フランジ本体152aの外側面152s及び各第5凹部152bの壁部を連結している。
【0167】
各傾斜面152cは、
図17に示すように、スプール軸方向において、第4フランジ本体152aの外側面152s及び各第5凹部152bの壁部の間に、設けられる。各傾斜面152cは、スプール軸方向において、第4フランジ本体152aの外側面152s及び糸止め用の係止部265の間に、設けられる。
【0168】
図17に示すように、スプール117の第1回転軸心J1を含み及び各第5凹部152bの底部を通過する断面において、各傾斜面152cは、実質的に三角形状に形成されている。各傾斜面152cは、各第5凹部152bの縁部に沿った底辺と、第4フランジ本体152aの外側面152sの縁部に沿った2つの斜辺とから、構成される。各傾斜面152cの頂点Tは、第3フランジ本体151aから離れるスプール軸方向において、糸止め用の係止部265の外側に設けられる。
【0169】
図16〜
図18に示すように、各傾斜面152c、及び第4フランジ本体152aの外側面152sの境界を形成する第1隅角部152dは、スプール軸方向において、糸止め用の係止部265の外側に設けられる。詳細には、第1隅角部152dは、第3フランジ本体151aから離れるスプール軸方向において、糸止め用の係止部265の外側に設けられる。
【0170】
各傾斜面152c、及び各第5凹部152bの壁部の境界を形成する第2隅角部152eは、スプール軸方向において、糸止め用の係止部265の外側に設けられる。詳細には、第2隅角部152eは、第3フランジ本体151aから離れるスプール軸方向において、糸止め用の係止部265の外側に設けられる。傾斜面152c、第1隅角部152d、及び第2隅角部152eは、第4フランジ本体152aを面取り加工することによって、形成される。なお、傾斜面152c、第1隅角部152d、及び第2隅角部152eを、傾斜部として解釈してもよい。
【0171】
<まとめ>
電動リール1では、モータ9の駆動軸55の第2回転軸心J2が、スプール7,117の第1回転軸心J1と食い違う方向に延びている。クラッチ部材11の第2揺動軸心K2は、スプール7,117の第1回転軸心J1と食い違う方向に延びている。スプール7,117の第1回転軸心J1に垂直な方向視において、クラッチ部材11の第2揺動軸心K2は、駆動軸55の第2回転軸心J2と間隔を隔てて配置される。この配置において、クラッチ部材11の第2揺動軸心K2と駆動軸55の第2回転軸心J2との間において、クラッチ部材11は駆動軸55を押圧する。これにより、クラッチ部材11は、駆動軸55をスプール7,117から離反させる。
【0172】
このように、電動リール1では、クラッチ部材11によって駆動軸55をスプール7,117から離反させることができる。また、クラッチ部材11の
第2揺動軸心K2が、スプール
7の第1回転軸心J1に垂直な方向視において、駆動軸55の第2回転
軸心J2と間隔を隔てて配置されているので、スプール
7の第1回転軸心J1に沿う方向視において、駆動軸55及び第2回転
軸心J2の間隔を狭めることができる。これにより、リール本体3の高さ寸法を小型化することができる。
【0173】
電動リール1では、糸止め部材13,113,213は、スプール軸5に関する軸方向において、第2フランジ部51(又は第4フランジ部152)の外側面より内側に配置されるので、釣りを行っている際に釣り糸が第2フランジ部51の軸方向外側に配置されても、釣り糸が糸止め部材13,113,213に引っ掛かりにくい。すなわち、電動リール1では、リール使用時に糸止め部材13,113,213に釣り糸が引っ掛かることを、防止することができる。
【0174】
本電動リール1では、釣糸侵入規制部35が、第1フランジ部49の外周部を覆っているので、メインケース21及び第1フランジ部49の間への釣り糸の侵入を規制することができる。すなわち、本電動リール1では、リール本体3及び第1フランジ部49の間への釣り糸の侵入を規制することができる。
【0175】
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、メインケース21が、2つのケース部材(第1ケース部材27及び、第2ケース部材29)を有する場合の例を示したが、メインケース21を構成するケース部材の個数は、これに限定されるものではない。
【0176】
(b)前記実施形態ではスプール軸5を、水平且つ釣り糸の繰り出し方向に垂直に配置される場合の例を示したが、釣り糸の繰り出し方向に対して平行、又は釣り糸の繰り出し方向に対して傾けて配置してもよい。