特許第6986870号(P6986870)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986870
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】エンジニアリングツール
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20211213BHJP
【FI】
   G05B23/02 301J
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-121351(P2017-121351)
(22)【出願日】2017年6月21日
(65)【公開番号】特開2019-8401(P2019-8401A)
(43)【公開日】2019年1月17日
【審査請求日】2020年3月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】特許業務法人山王内外特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音
(74)【代理人】
【識別番号】100199749
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 成
(74)【代理人】
【識別番号】100188880
【弁理士】
【氏名又は名称】坂元 辰哉
(74)【代理人】
【識別番号】100197767
【弁理士】
【氏名又は名称】辻岡 将昭
(74)【代理人】
【識別番号】100201743
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 和真
(72)【発明者】
【氏名】清田 英男
【審査官】 堀内 亮吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−008721(JP,A)
【文献】 特開2012−194715(JP,A)
【文献】 特開2006−195686(JP,A)
【文献】 特開2014−153827(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに共通する項目のデータを含む複数のデータ群を、画面構成を示す情報とともに取得するデータ取得部と、
前記データ取得部により取得された複数のデータ群及び画面構成を示す情報に基づいて、複数の画面を生成する画面生成部と、
前記画面生成部により生成された複数の画面のうちの一つを反映元画面とし、残りのうちの一つ以上を反映先画面として指定する指定部とを備え、
前記画面生成部は、前記指定部による指定があった場合に、反映元画面に対する画面構成を示す情報に基づいて、反映先画面における前記共通する項目の表示位置及び表示幅のうちの少なくとも一方を、反映元画面と同一に変更する
ことを特徴とするエンジニアリングツール。
【請求項2】
前記画面生成部は、前記指定部による指定があった場合に、反映元画面に対する画面構成を示す情報に基づいて、反映先画面におけるデータのソート条件を、反映元画面におけるデータのソート条件と同一に変更する
ことを特徴とする請求項1記載のエンジニアリングツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、互いに共通する項目のデータを含む複数のデータ群を示す複数の画面の表示を行うエンジニアリングツールに関する。
【背景技術】
【0002】
ビル等の建物内に設置された機器の管理を行う管理システムにおいて、機器の設定を行うエンジニアリングツールが従来から知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−153827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エンジニアリングツールでは、動作モードとして、エンジニアリングモードとコネクトモードが存在する。エンジニアリングモードは、機器の立上げ前に、機器の設定データを作成して表示するモードである。コネクトモードは、機器が有する機器データを表示し、設定変更可能とするモードである。
ここで、機器データでは、設定データが有する項目のデータに加え、機器の動作時の情報を示す項目のデータが含まれている。また、エンジニアリングツールでは、コネクトモードで表示される画面(機器データを示す画面)とエンジニアリングモードで表示される画面(設定データを示す画面)とを同時に表示できる。
しかしながら、従来のエンジニアリングツールでは、設定データを示す画面と機器データを示す画面とで、共通する項目の表示(表示位置又は表示幅)が異なる場合がある。この場合、両画面において共通する項目のデータを比較し難いという課題がある。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、互いに共通する項目のデータを含む複数のデータ群を示す複数の画面において、共通する項目を同一の表示とすることができるエンジニアリングツールを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエンジニアリングツールは、互いに共通する項目のデータを含む複数のデータ群を、画面構成を示す情報とともに取得するデータ取得部と、データ取得部により取得された複数のデータ群及び画面構成を示す情報に基づいて、複数の画面を生成する画面生成部と、画面生成部により生成された複数の画面のうちの一つを反映元画面とし、残りのうちの一つ以上を反映先画面として指定する指定部とを備え、画面生成部は、指定部による指定があった場合に、反映元画面に対する画面構成を示す情報に基づいて、反映先画面における共通する項目の表示位置及び表示幅のうちの少なくとも一方を、反映元画面と同一に変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、上記のように構成したので、互いに共通する項目のデータを含む複数のデータ群を示す複数の画面において、共通する項目を同一の表示とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態1に係るエンジニアリングツールの構成例を示す図である。
図2】この発明の実施の形態1に係るエンジニアリングツールによる画面表示動作例を示す図である。
図3図3A図3Bは、この発明の実施の形態1に係るエンジニアリングツールによる画面表示例(反映前)を示す図であり、図3Aは設定データを示す画面であり、図3Bは機器データを示す画面である。
図4図4A図4Bは、この発明の実施の形態1に係るエンジニアリングツールによる画面表示例(反映後)を示す図であり、図4Aは設定データを示す画面であり、図4Bは機器データを示す画面である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るエンジニアリングツール1の構成例を示す図である。
エンジニアリングツール1は、ビル等の建物内に設置された機器の管理を行う管理システムにおいて、機器の設定を行う。エンジニアリングツール1では、動作モードとして、エンジニアリングモードとコネクトモードが存在する。エンジニアリングモードは、機器の立上げ前に、設定データ(データ群)を作成して表示するモードである。コネクトモードは、機器が有する機器データ(データ群)を表示し、設定変更可能とするモードである。以下では、エンジニアリングツール1が有する機能のうち、設定データを示す画面及び機器データを示す画面の表示に関する機能についてのみ説明を行う。このエンジニアリングツール1は、図1に示すように、設定データ取得部11、機器データ取得部12、画面生成部13、表示部14及び指定部15を備えている。
【0010】
設定データ取得部11は、エンジニアリングモードで用いられる機器の設定データを、画面構成を示す情報とともに取得する。なお、設定データはエンジニアリングツール1で保持されており、設定データ取得部11はこの保持されている設定データを取得する。画面構成を示す情報には、例えば、項目の表示位置、項目の表示幅及びデータのソート条件等を示す情報が含まれる。
【0011】
機器データ取得部12は、コネクトモードで用いられる機器が有する機器データを、画面構成を示す情報とともに取得する。なお、機器データは機器が保持しており、機器データ取得部12は当該機器から機器データを取得する。この機器データには、設定データと共通する項目のデータに加え、機器の動作時の情報を示す項目のデータが含まれている。画面構成を示す情報には、例えば、項目の表示位置、項目の表示幅及びデータのソート条件等を示す情報が含まれる。
【0012】
設定データ取得部11及び機器データ取得部12は、「互いに共通する項目のデータを含む複数のデータ群を、画面構成を示す情報とともに取得するデータ取得部」を構成する。
【0013】
画面生成部13は、データ取得部により取得された複数のデータ群及び画面構成を示す情報に基づいて、複数の画面を生成する。実施の形態1では、画面生成部13は、設定データ取得部11により取得された設定データ及び画面構成を示す情報に基づいて第1画面(設定データを示す画面)を生成し、機器データ取得部12により取得された機器データ及び画面構成を示す情報に基づいて第2画面(機器データを示す画面)を生成する。また、画面生成部13は、指定部15による指定があった場合に、反映元画面に対する画面構成を示す情報に基づいて、反映先画面における上記共通する項目の表示を、反映元画面と同一に変更する。この際、画面生成部13は、画面構成として、項目の表示位置及び項目の表示幅のうちの少なくとも一方を変更する。
【0014】
表示部14は、画面生成部13により生成された複数の画面(実施の形態1では第1画面及び第2画面)を表示する。なお図1では、表示部14が、エンジニアリングツール1の内部に設けられた場合を示したが、これに限らず、エンジニアリングツール1の外部に設けられてもよい。
【0015】
指定部15は、画面生成部13により生成された複数の画面のうちの一つを反映元画面とし、残りのうちの一つ以上を反映先画面として指定する。実施の形態1では、指定部15は、画面生成部13により生成された第1画面及び第2画面のうちの一方の画面を反映元画面とし、他方の画面を反映先画面として指定する。
【0016】
次に、実施の形態1に係るエンジニアリングツール1による画面表示動作例について、図2〜4を参照しながら説明する。
実施の形態1に係るエンジニアリングツール1による画面表示動作例では、図2に示すように、まず、設定データ取得部11は、エンジニアリングモードで用いられる機器の設定データを、画面構成を示す情報とともに取得する(ステップST1)。
【0017】
また、機器データ取得部12は、コネクトモードで用いられる機器が有する機器データを、画面構成を示す情報とともに取得する(ステップST2)。この機器データには、設定データと共通する項目のデータに加え、機器の動作時の情報を示す項目のデータが含まれている。また、機器データの画面構成は、初期状態では、対応する設定データの画面構成と同一であるが、機器を使用するユーザにより又は他の機器により変更される場合がある。
【0018】
次いで、画面生成部13は、設定データ取得部11により取得された設定データ及び画面構成を示す情報に基づいて第1画面を生成し、機器データ取得部12により取得された機器データ及び画面構成を示す情報に基づいて第2画面を生成する(ステップST3)。
【0019】
次いで、表示部14は、画面生成部13により生成された第1画面及び第2画面を表示する(ステップST4)。
【0020】
図3はこの発明の実施の形態1に係るエンジニアリングツール1による画面表示例(反映前)を示す図であり、図3Aは第1画面であり、図3Bは第2画面である。
この図3に示すように、第1画面と第2画面とで、共通する項目の表示が異なる場合がある。すなわち、機器が有する機器データの画面構成は、当該機器を使用するユーザにより又は他の機器により変更されている場合がある。図3の例では、符号301,302に示すように、図3Aに示す第1画面における項目「Type」の表示幅に対し、図3Bに示す第2画面における項目「Type」の表示幅が広くなっている。そのため、図3Aに示す第1画面におけるその他の項目「Group ID」,「Instance ID」等の表示位置に対し、図3Bに示す第2画面におけるその他の項目「Group ID」,「Instance ID」等の表示位置が右側にずれている。よって、両画面における共通する項目のデータを比較し難い。
そこで、実施の形態1に係るエンジニアリングツール1では、第1画面及び第2画面のうちの一方を反映元画面とし、他方を反映先画面として、画面構成の反映を行う。
【0021】
すなわち、指定部15は、画面生成部13により生成された第1画面及び第2画面のうちの一方の画面を反映元画面とし、他方の画面を反映先画面として指定する(ステップST5)。例えば、表示部14が上記指定を行うためのボタンを表示し、ユーザが当該ボタンを押すことで、指定部15は上記指定を受付ける。
次いで、画面生成部13は、指定部15による指定があった場合に、反映元画面に対する画面構成を示す情報に基づいて、反映先画面における上記共通する項目の表示を、反映元画面と同一に変更する(ステップST6)。
【0022】
図4はこの発明の実施の形態1に係るエンジニアリングツール1による画面表示例(反映後)を示す図であり、図4Aは第1画面であり、図4Bは第2画面である。なお、図4Aに示す第1画面は、図3Aに示す第1画面と同一である。
この図4の符号401,402に示すように、図3に対し、図4Bに示す第2画面における項目「Type」の表示幅が、図4Aに示す第1画面における項目「Type」の表示幅と同一に変更されている。これにより、図4Aに示す第1画面におけるその他の項目「Group ID」,「Instance ID」等の表示位置に対し、図4Bに示す第2画面におけるその他の項目「Group ID」,「Instance ID」等の表示位置が同じ位置となる。よって、両画面における共通する項目のデータを比較し易くなる。
【0023】
なお上記では、第1画面と第2画面とで項目の表示幅が異なる場合に、反映先画面における当該項目の表示幅を、反映元画面と同じ表示幅に変更する場合を示した。
一方、第1画面と第2画面とで項目の表示位置が異なる場合についても同様に、反映先画面における当該項目の表示位置を、反映元画面と同じ表示位置に変更可能である。例えば、第1画面において複数の項目の表示位置を入れ替えた場合に、当該第1画面を反映元画面とし、第2画面を反映先画面として指定することで、第2画面における共通する項目の表示位置が第1画面と同じ表示位置に入れ替えられる。
【0024】
また上記では、画面生成部13は、指定部15による指定があった場合に、反映元画面に対する画面構成を示す情報に基づいて、反映先画面における上記共通する項目の表示(表示位置及び表示幅のうちの少なくとも一方)を、反映元画面と同一に変更する場合を示した。
しかしながら、これに限らず、第1画面と第2画面とでデータのソート条件が異なる場合もある。そこで、画面生成部13は、指定部15による指定があった場合に、反映元画面に対する画面構成を示す情報に基づいて、反映先画面におけるデータのソート条件を、反映元画面におけるデータのソート条件と同一に変更するように構成してもよい。例えば、第1画面においてデータの並び順を入れ替えた場合に、当該第1画面を反映元画面とし、第2画面を反映先画面として指定することで、第2画面におけるデータの並び順が第1画面と同じ並び順に入れ替えられる。
【0025】
なお上記では、設定データを示す画面(第1画面)と機器データを示す画面(第2画面)のうちの一方を反映元画面とし、他方を反映先画面とする場合を示した。しかしながら、これに限らず、2つの設定データを示す画面のうちの一方を反映元画面とし、他方を反映先画面としてもよいし、また、2つの機器データを示す画面のうちの一方を反映元画面とし、他方を反映先画面としてもよい。また、反映先画面は1つである必要はなく、複数であってもよい。
【0026】
また上記では、設定データを示す画面(第1画面)と機器データを示す画面(第2画面)の画面比較を例として挙げた場合を示した。しかしながら、これに限らず、互いに共通する項目のデータを含むデータ群を示す画面同士の画面比較であればよく、上記と同様に適用可能である。
【0027】
以上のように、この実施の形態1によれば、互いに共通する項目のデータを含む複数のデータ群を、画面構成を示す情報とともに取得するデータ取得部(設定データ取得部11及び機器データ取得部12)と、データ取得部により取得された複数のデータ群及び画面構成を示す情報に基づいて、複数の画面を生成する画面生成部13と、画面生成部13により生成された複数の画面のうちの一つを反映元画面とし、残りのうちの一つ以上を反映先画面として指定する指定部15とを備え、画面生成部13は、指定部15による指定があった場合に、反映元画面に対する画面構成を示す情報に基づいて、反映先画面における上記共通する項目の表示を、反映元画面と同一に変更するので、互いに共通する項目のデータを含む複数のデータ群を示す複数の画面において、共通する項目を同一の表示とすることができる。
【0028】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0029】
1 エンジニアリングツール
11 設定データ取得部
12 機器データ取得部
13 画面生成部
14 表示部
15 指定部
図1
図2
図3
図4