【課題を解決するための手段】
【0011】
(第一の発明)
本願における第一の発明は、精算機(10)のユーザが料金を精算する際に投入する貨幣を受け入れる貨幣投入ユニットに係る。
その貨幣投入ユニットは、前記の精算機(10)において前記のユーザと向き合う正面を形成する正面パネル(11)に対して当該ユーザから遠ざかる方向へ凹む凹部を形成する凹部形成部材と、 その凹部形成部材における正面パネル(11)から遠い部分へ投入口(32)を位置させた貨幣受け入れ機(30,20)と、を備える。
そして、前記の凹部形成部材には、前記の投入口(32)と前記の凹部とを連通させる連通孔を備えた貨幣投入ユニットである。
【0012】
(用語説明)
「精算機(10)」とは、サービスを提供される(またはされた)ことに対する対価を精算するための精算機、たとえば駐車料金の精算機、公共交通機関を利用する際のチケット購入のための券売機、飲食物や玩具などの物販を担う自動販売機、などを含む。
「貨幣受け入れ機(30,20)」とは、紙幣投入機(30)、コイン投入機(20)、クレジットカードなどのカード類投入機などである。
「凹部形成部材」は、金属、強化樹脂など、破損しにくい部材で形成されている。防犯性能を向上させるためである。
【0013】
(作用)
バールなどの長尺材を用いて梃子(てこ)の原理を使うことで貨幣受け入れ機(30,20)を破損させて貨幣を強奪しようとする者がいたとする。しかし、凹部形成部材の存在によって、梃子の原理が使えず、梃子(てこ)の中心からの可動角度も狭められ、破壊させるのは困難である。そのため、破壊を免れやすくなる。
精算機(10)のユーザが料金を精算する際には、凹部形成部材が形成する凹部の奥へ紙幣または硬貨を投入する。
精算機(10)が屋外へ設置されている場合、凹部の存在により、貨幣受け入れ機(30,20)の投入口(32)が雨の影響を受けにくい。
【0014】
(第二の発明)
第二の発明もまた、 精算機(10)のユーザが料金を精算する際に投入する貨幣を受け入れる貨幣投入ユニットに係る。
この貨幣投入ユニットは、前記の精算機(10)において前記のユーザと向き合う正面を形成する正面パネル(11)に対して当該ユーザから遠ざかる方向へ凹む凹部を形成する凹部形成部材と、
その凹部形成部材に対して凹部側へ突出した位置まで投入口(32)を位置させた貨幣受け入れ機(30,20)と、
その貨幣受け入れ機(30,20)における前記の投入口(32)を覆うとともに前記の凹部へ収まる凹部対応カバー部材(33)と、
を備える。
そして、その凹部対応カバー部材(33)には、前記の投入口(32)に連通する連通孔(投入口35A)を備えることとした貨幣投入ユニットである。
【0015】
(用語説明)
「凹部対応カバー部材(33)」は、「凹部形成部材」と同様、金属や強化樹脂など、破損しにくい部材で形成されている。防犯性能を向上させるためである。
【0016】
(作用)
貨幣受け入れ機(30,20)を破損させて貨幣を強奪しようとする者がいたとする。しかし、凹部形成部材および凹部対応カバー部材(33)の存在によって貨幣受け入れ機(30,20)が守られているため、破壊させるのは困難である。そのため、破壊を免れやすくなる。
【0017】
(第二の発明のバリエーション1)
第二の発明に係る貨幣投入ユニットは、以下のように形成してもよい。
すなわち、前記の凹部対応カバー部材(33)における連通孔(投入口35A)が、前記の精算機(10)における正面パネル(11)と面一となるように貨幣受け入れ機(30,20)における前記の投入口(32)を配置するのである。
【0018】
(作用)
破壊を免れやすい一方、凹部対応カバー部材(33)における連通孔(投入口35A)が、前記の精算機(10)における正面パネル(11)と面一なので、従来の精算機と同様の使い勝手となる。
【0019】
(第二の発明のバリエーション2)
第二の発明に係る貨幣投入ユニットは、以下のように形成してもよい。
すなわち、前記の凹部対応カバー部材(33)における連通孔(投入口35A)が、前記の精算機(10)における正面パネル(11)のなす面よりも前記の貨幣受け入れ機(30,20)側に位置するように前記の投入口(32)を配置するのである。
【0020】
(作用)
破壊を免れやすいのみならず、凹部も形成されているため、精算機(10)が屋外へ設置されていても、貨幣受け入れ機(30,20)の投入口(32)が雨の影響を受けにくい。
【0021】
(第一および第二の発明のバリエーション)
第一および第二の発明においては、前記の凹部形成部材を振動させる振動発生機(60)を備えることとすると、より好ましい。
ここで、「振動発生機(60)」とは、精算機(10)が屋外へ設置されている場合に、貨幣受け入れ機(30,20)の投入口(32)へ雨水が達しないように、水滴をふるわせて落とす、という役割を担う。または、精算機(10)に破壊行為を仕掛けようとする者に対する警告の意味合いで、凹部形成部材の付近を中心に振動させる、という役割を担っても良い。
具体的な振動発生機(60)としては、たとえば、偏心モータなどを組み込んだ専用機を備える場合の他、精算機(10)が清涼飲料の自動販売機である場合には、清涼飲料を冷やすために用いているコンプレッサが発生させる振動を伝えるような機構でもよい。
【0022】
(第三の発明)
第三の発明は、第一の発明に係る貨幣投入ユニットを備えた精算機に係る。
すなわち、 その精算機(10)は、 前記のユーザと向き合う正面に正面パネル(11)と、 その正面パネル(11)に対して当該ユーザから遠ざかる方向へ凹む凹部と、を備える。
また、その貨幣投入ユニットは、 前記の凹部を形成する凹部形成部材と、 その凹部形成部材における正面パネル(11)から遠い部分へ投入口(32)を位置させた貨幣受け入れ機(30,20)と、を備える。
そして、前記の凹部形成部材には、前記の投入口(32)と前記の凹部とを連通させる連通孔を備えた精算機とする。
【0023】
(第四の発明)
第四の発明は、第二の発明に係る貨幣投入ユニットを備えた精算機に係る。
すなわち、 その精算機(10)は、前記のユーザと向き合う正面に正面パネル(11)と、 その正面パネル(11)に対して当該ユーザから遠ざかる方向へ凹む凹部と、を備える。
前記の貨幣投入ユニットは、 前記の凹部を形成する凹部形成部材と、 その凹部形成部材における正面パネル(11)から遠い部分へ投入口(32)を位置させた貨幣受け入れ機(30,20)と、 その貨幣受け入れ機(30,20)における前記の投入口(32)を覆うとともに前記の凹部へ収まる凹部対応カバー部材(33)と、を備える。
そして、その凹部対応カバー部材(33)には、前記の投入口(32)に連通する連通孔(投入口35A)を備えた精算機とする。
【0024】
(第四の発明のバリエーション)
第四の発明は、第二の発明に係るバリエーションと同じく、以下のように形成してもよい。
すなわち、前記の凹部対応カバー部材(33)における連通孔(投入口35A)が、前記の精算機(10)における正面パネル(11)と面一となるように貨幣受け入れ機(30,20)における前記の投入口(32)を配置することとしてもよい。
また、前記の凹部対応カバー部材(33)における連通孔(投入口35A)が、前記の精算機(10)における正面パネル(11)のなす面よりも前記の貨幣受け入れ機(30,20)側に位置するように前記の投入口(32)を配置することとしてもよい。
【0025】
(第三および第四の発明のバリエーション)
第三および第四の発明に係る精算機には、前記の凹部形成部材を振動させる振動発生機(60)を備えることとすると、より好ましい。