特許第6986901号(P6986901)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6986901改善された電気的相互接続デバイスを含む電気スイッチング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986901
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】改善された電気的相互接続デバイスを含む電気スイッチング装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 1/08 20060101AFI20211213BHJP
【FI】
   H02M1/08 341B
   H02M1/08 301Z
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-162043(P2017-162043)
(22)【出願日】2017年8月25日
(65)【公開番号】特開2018-33305(P2018-33305A)
(43)【公開日】2018年3月1日
【審査請求日】2020年7月27日
(31)【優先権主張番号】1657958
(32)【優先日】2016年8月26日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】313011906
【氏名又は名称】アルストム トランスポート テクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フィザル・アル・カヤル
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン・ドゥトングル
【審査官】 東 昌秋
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/136593(WO,A1)
【文献】 特開2008−104348(JP,A)
【文献】 特開2016−46842(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0093046(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/00− 7/98
H03K 17/00−17/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気スイッチング装置(1;1’)であって、
− 各々が第1(41、51)および第2(42、52)のパワートランジスタを含む少なくとも2つのパワーコンポーネント(4、5)と、
− 第1の制御信号を前記第1のパワートランジスタ(41、51)の各々に供給し、第2の制御信号を前記第2のパワートランジスタ(42、52)の各々に供給するように構成された、前記トランジスタの駆動制御デバイス(2)と、
− 前記第1および第2の制御信号を前記第1および第2のパワートランジスタに送信するように、前記駆動制御デバイスを前記パワーコンポーネント(4、5)に接続している電気的相互接続デバイス(3;6)と、
を含み、
前記電気的相互接続デバイス(3;6)は、互いに平行に延在する複数の導電性プレート(31、31’、32、32’;61、61’、62、62’)を含み、これらの導電性プレートの各々は、前記駆動制御デバイス(2)の対応する出力を、前記少なくとも2つのパワーコンポーネントの前記第1(41、51)または第2(42、52)のパワートランジスタのうちの一方の制御電極に共通に接続しており、
各第1のパワートランジスタ(41、51)は、第1(411、511)および第2(412、512)の制御電極を含み、各第2のパワートランジスタ(42、52)は、第3(421、521)および第4(422、522)の制御電極を含み、前記電気的相互接続デバイスは、前記第1(411、511)、第2(412、512)、第3(421、521)および第4(422、522)の制御電極をそれぞれ前記駆動制御デバイス(2)の出力のそれぞれに電気的に接続する第1(31、61)、第2(31’、61’)、第3(32、62)および第4(32’、62’)の導電性プレートを含み、
前記第1(31;61)および第2(31’;61’)の導電性プレートは、同一の形状を有しており、互いに重ね合わされており、
前記第3(32;62)および第4(32’;62’)の導電性プレートは、同一の形状を有しており、互いに重ね合わされており、
前記導電性プレートは、互いに積層されており、前記第1(31;61)および第2(31’;61’)の導電性プレートは、前記第3(32;62)および第4(32’、62’)の導電性プレートに対して横方向にオフセットされており、重複ゾーン(Z64)のみでこれらの第3および第4の導電性プレートと重なり合い、前記横方向は、前記導電性プレートの主面と平行な方向であって、前記少なくとも2つのパワーコンポーネントが並ぶ方向であることを特徴とする電気スイッチング装置(1;1’)。
【請求項2】
前記第1および第2の導電性プレートは、第1の電気絶縁性支持体(310;610)の向かい合う側に配置され、前記第3および第4の導電性プレートは、第2の電気絶縁性支持体(320;620)の向かい合う側に配置されていることを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項3】
前記重複ゾーン(Z64)は、前記導電性プレートのうちの1つの表面積の5%以下の表面積を有することを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記重複ゾーン(Z64)は、前記導電性プレートのうちの1つの表面積の2%以下の表面積を有することを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記導電性プレート(31、31’、32、32’;61、61’、62、62’)の各々は、1cm以上および10cm以下の表面積を有していることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記導電性プレート(31、31’、32、32’;61、61’、62、62’)は金属で作られていることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記金属が銅であることを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記第1および第2のパワートランジスタ(41、42、51、52)は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタまたは絶縁ゲートバイポーラトランジスタまたはバイポーラトランジスタであることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善された電気的相互接続デバイスを含む電気スイッチング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気スイッチング装置は、パワーエレクトロニクスの分野に存在し、パワートランジスタおよび1つまたは複数の出力インターフェースを介して制御信号を供給するのに適した、これらのトランジスタを駆動するための制御デバイスを含む。そのような装置は、例えば、MOSFETの頭字語で知られている金属酸化物半導体電界効果技術で作られ、および炭化ケイ素で作られたパワートランジスタを含むことが知られている。これらのトランジスタは、1つのパワーコンポーネントまたは単一のパワーパック内で対になって一緒にグループ化することができる。
【0003】
電力変換器のような応用において、パワーコンポーネントに分配される様々なパワートランジスタは、互いに同期した方法で制御されなければならない。駆動制御デバイスは、パワートランジスタの各々に対して、専用の出力インターフェースまたは「出力電圧バッファ」を含むことが望ましい。これらのトランジスタの各々に対する専用の出力電圧バッファを使用することは、満足のいく制御性能レベルを得ることを可能にしている。
【0004】
しかしながら、この解法は、非常に高価であるという欠点を有している。さらに、それは大きなバルクをもたらす。従って、数個の出力電圧バッファを含む駆動制御デバイスの物理的集積化は非常に困難であり、またはより小さなバルクを有する小型電力変換器を必要とする応用に対しては不可能でさえある。
【0005】
この欠点を相殺するために、並列に命令される数個のパワーコンポーネントによって共有される単一の出力電圧バッファを使用することが知られている。従って、それぞれのパワートランジスタは、数個のケーブルまたは導電性トラックを介して、互いに並列に駆動制御デバイスに接続される。そのような解法は、例えば特許出願FR2,990,312A1に記載されている。
【0006】
しかしながら、この既知のデバイスは完全に満足できるものではない。様々なトランジスタが互いに同期した方法で命令されるためには、ケーブルまたは導電性トラックが同じ長さを有していることが必須である。従って、パワートランジスタは出力電圧バッファから等距離の所に配置しなければならない。これは、電気スイッチング装置の様々なコンポーネントの配置を複雑にしている。これはさらに、ケーブルまたは導電性トラックを配置するのに十分なスペースを残すように出力電圧バッファを様々なパワーコンポーネントから十分遠くに移動させることを必要とし、これは結果として、ケーブリングに起因する浮遊電気インダクタンスを増大させる。そのような浮遊インダクタンスの存在は、駆動制御デバイスによって供給される制御信号の非制御の振動を引き起こし、電気スイッチング装置の誤動作を引き起こすか、または不可逆的に損傷を与えさえする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】FR2,990,312A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、より詳細には、パワートランジスタの駆動の信頼性があり満足のいく制御を可能にすると同時に、制御されたバルクおよび適度な製造コストを有する電気スイッチング装置を提案することにより、これらの欠点を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
その目的のために、本発明は、
− 各々が第1および第2のパワートランジスタを含む、少なくとも2つのパワーコンポーネントと、
− 第1のトランジスタの各々に第1の制御信号を供給し、および第2のトランジスタの各々に第2の制御信号を供給するように構成された、トランジスタの駆動制御デバイスと、
− 第1および第2の制御信号を第1および第2のトランジスタに送信するように駆動制御デバイスをパワーコンポーネントに接続する電気的相互接続デバイスと、
を含む電気スイッチング装置であって、
相互接続デバイスは互いに平行に延在する数個の導電性プレートを含み、これらの導電性プレートの各々は、第1または第2のパワートランジスタのうちの1つの制御電極と駆動制御デバイスの対応する出力との間に接続されている、電気スイッチング装置に関連している。
【0010】
本発明によれば、相互接続デバイスの導電性プレートは、パワーコンポーネントを駆動制御デバイスの同じ出力インターフェースにコンパクトに電気的に接続すると同時に、浮遊ケーブルインダクタンスを最小にする。
【0011】
有利的に、しかし本発明の任意の態様によれば、そのような電気スイッチング装置は、任意の技術的に許容可能な組み合わせにおいて考えられる、以下の特徴のうちの1つ以上を組み込むことができる。
− 各第1のパワートランジスタは、第1および第2の制御電極を含み、各第2のパワートランジスタは、第3および第4の制御電極を含み、電気的相互接続デバイスは、第1、第2、第3および第4の制御電極をそれぞれ駆動制御デバイスのそれぞれの出力に電気的に接続する第1、第2、第3および第4の導電性プレートを含む。
− 第1および第2の導電性プレートは、第1の電気絶縁性支持体の向かい合う側に配置され、第3および第4の導体性プレートは、第2の電気絶縁性支持体の向かい合う側に配置される。
− 第1および第2の導電性プレートは、同一の形状を有しており、互いに重ね合わされている。
− 第3および第4の導電性プレートは、同一の形状を有しており、互いに重ね合わされている。
− 導電性プレートは互いに積み重ねられており、第1および第2の導電性プレートは、第3および第4の導電性プレートに対して横方向にオフセットされており、これらの第3および第4の導電性プレートと重複ゾーンでのみ重ね合わされている。
− 重複ゾーンは、導電性プレートのうちの1つの表面積の5%以下、好ましくは2%以下の表面積を有している。
− 導電性プレートの各々は、1cm以上および10cm以下の表面積を有している。
− 導電性プレートは、金属、例えば銅から作られている。
− 第1および第2のパワートランジスタは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタまたは絶縁ゲートバイポーラトランジスタまたはバイポーラトランジスタである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明は、非限定的な例としてのみ提供され、添付の図面を参照してなされる電気スイッチング装置の一つの実施形態の以下の説明に照らして、よりよく理解され、その他の利点がより明確に見えるであろう。
【0013】
図1】本発明の第1の実施形態による電気スイッチング装置の概略図である。
図2図1の電気スイッチング装置の電気的相互接続デバイスの分解立体図である。
図3】本発明の第2の実施形態による電気スイッチング装置の概略図である。
図4図3の電気スイッチング装置の電気的相互接続デバイスの分解立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1および図2は、電気スイッチング装置1の第1の実施形態を示す。
【0015】
装置1は、駆動制御デバイス2、相互接続デバイス3並びに少なくとも2つのパワーコンポーネント4および5を含む。
【0016】
パワーコンポーネント4および5の各々は、第1および第2のパワートランジスタを含む。この例では、パワートランジスタは、MOSFETの頭字語で知られている金属酸化膜半導体電界効果技術から作られたトランジスタである。これらのパワートランジスタはここでは炭化ケイ素から作られている。
【0017】
あるいは、第1および第2のパワートランジスタは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタまたはバイポーラトランジスタ、あるいは半導体技術を使用した他の任意のトランジスタである。
【0018】
符号41および42は、第1のパワーコンポーネント4の第1および第2のパワートランジスタをそれぞれ示している。符号51および52は、パワーコンポーネント5の第1および第2のトランジスタをそれぞれ示している。この例では、コンポーネント4、5の各々の第1のトランジスタ41、51および第2のトランジスタ42、52は、互いに同一である。
【0019】
駆動デバイス2またはイグナイタデバイスは、第1の制御信号を第1のトランジスタ41および51の各々に供給し、第2の制御信号を第2のトランジスタ42および52の各々に供給するように構成されており、これらのトランジスタを並列に、および同期して制御する。
【0020】
駆動デバイス2は、ここでは、駆動制御回路21および駆動制御信号の出力電圧バッファ22を含む。出力電圧バッファ22は、駆動制御回路21に接続されている。第1および第2の制御信号は、制御回路21によって生成され、出力インターフェース22を介してトランジスタ41、42および51、52に送られる。
【0021】
トランジスタ41、42、51および52の各々は、制御電極を備えており、制御電極は、この制御電極が制御デバイス2から制御信号を受信するときに、対応するトランジスタの動作を制御すること、特に、電気的にオンまたはオフの状態の間で対応するトランジスタを制御することを可能にしている。
【0022】
符号411および412はそれぞれ、トランジスタ41の第1および第2の電極を示しており、421および422は、トランジスタ42の第1および第2の電極を示しており、511および512は、トランジスタ51の第1および第2の電極を示しており、521、522は、トランジスタ52の第1および第2の電極を示している。
【0023】
例えば、MOSFETトランジスタの場合、トランジスタ41、42、51および52の第1の電極411、421、511および521は、これらのトランジスタのソース電極に対応している。トランジスタ41、42、51および52の各々の第2の電極412、422、512および522は、これらのトランジスタのゲート電極に対応している。
【0024】
このように、第1および第2の制御信号は、第1および第2のトランジスタ41、42、51および52のグリッド電圧である。より具体的には、第1の制御信号は、各第1のトランジスタ41、51のゲート電極とソース電極との間に適用されることを意図とした電位差である。第2の制御信号は、各第2のトランジスタ42、52のゲート電極とソース電極との間に適用されることを意図とした電位差である。
【0025】
相互接続デバイス3は、第1および第2の制御信号を第1および第2のトランジスタ41、42、51および52にそれぞれ送信するように、出力電圧バッファ22をパワーコンポーネント4および5に電気的に接続している。
【0026】
この相互接続デバイス3は、互いに平行に延在し、第1または第2のパワートランジスタのうちの一つの制御電極と、駆動制御デバイス2の対応する出力22との間で互いに接続される、31、31’、32および32’で示されている、一つまたは複数の導電性プレートを含む。
【0027】
図2は、プレート31、31’、32および32’のより詳細な例を示す。
【0028】
プレート31および31’は、出力電圧バッファ22からトランジスタ41および51への第1の制御信号の伝達を見ている。同様に、プレート32および32’は、第2の制御信号のトランジスタ42および52への伝達を見ている。
【0029】
プレート31、31’、32および32’は各々が平面であり、主軸Z3に垂直な幾何学平面Pに平行に延在している。プレート31および31’は、デバイス3の電気絶縁性支持体310の向かい合う側に配置されている。同様に、導電性プレート32および32’は、デバイス3の第2の電気絶縁性支持体320の向かい合う側に配置されている。プレート31、31’、32および32’は、ここでは全て同じ形状を有しており、互いに重ね合わされている。それらはすべて長方形の菱形のような規則的な四辺形を有している。ここで、プレート31、31’、32および32’は、各々が、1cm以上および10cm以下の表面積を有している。
【0030】
ここでは、プレート31、31’、32および32’は、支持体310および320の向かい合う面に堆積された、銅などの金属から作られている。例えば、支持体310および320は、PCB(Printed Circuit Board)のようなエポキシ樹脂プレートである。
【0031】
ここで、デバイス3の取付け構成において、プレート31’を支えている支持体310の面がプレート32を支えている支持体320の面に向かうように、支持体310および320は重ね合わされている。
【0032】
有利には、デバイス3は、プレート31’と32との間に介在された、電気絶縁性材料の層330を含む。デバイス3の取付け構成において、プレート32および31’は、絶縁性材料330の層と接触している。
【0033】
この実施例において、第1のプレート31は、第1の電極411および511に電気的に接続されている。第2のプレート31’は、第2の電極412および512に電気的に接続されている。第3のプレート32は、第3の電極421および521に電気的に接続されている。第4のプレート32’は、第4の電極422および522に電気的に接続されている。これらの電気的接続は、例えば、図示しない接続要素を用いて、または対応するトランジスタの電極をプレート31、31’、32および32’の各々に直接溶接することによりなされる。
【0034】
さらに、プレート31、31’、32および32’の各々は、出力電圧バッファ22の対応する出力に電気的に接続されている。例えば、出力電圧バッファ22は、特定の電位へともたらし、第1、第2、第3または第4の電極411、412、421、422、511、512、521、522のうちの一つに電気的に接続されることを意図している、ターミナルを各々が含む4つの出力を含む。第1および第2の制御信号の適用は、このように、電極411、412、421、422、511、512、521、522の各々に対応する電位を適用することになる。
【0035】
デバイス3は、このように、減少したバルクとともに、その長さが、浮遊ケーブルインダクタンスを最小にするために最適化することが複雑となる、特定のケーブルを導入する必要なく、パワーコンポーネント4および5を出力電圧バッファ22に接続することを可能にしている。
【0036】
この例では、デバイス3の長さL3、すなわち出力電圧バッファ22と電極411、412、421、422、511、512、521および522との間の距離は、5cm以下であり、好ましくは1cm以下である。
【0037】
あるいは、装置1は、2つより多いパワーコンポーネントを含む。デバイス3はそれに応じて順応される。例えば、装置1は、パワーコンポーネント4または5と同一の第3のパワーコンポーネントであって、パワーコンポーネント4および5と同一の第1および第2のトランジスタを含む、図示しない第3のパワーコンポーネントを含む。この場合、プレート31、31’、32および32’の各々は、パワーコンポーネント4および5と同様にして、このパワーコンポーネントのトランジスタうちの一つの対応する電極にさらに接続される。
【0038】
図3および図4は、本発明の第2の実施形態を示している。第1の実施形態のものと同様の、この実施形態によるスイッチング装置の要素は、同一の参照符号を付与し、上述した説明はそれらに置き換えることができるので詳細に説明しない。
【0039】
より具体的には、図3および図4は、電気スイッチング装置1’を示している。この装置1’は、先に説明した装置1の相互接続デバイス3に取って代わり、同様の役割を果たす相互接続デバイス6を含む。
【0040】
デバイス6は、61、61’、62および62’で示されており、互いに平行に延在する4つの導電性プレートであって、第1および第2のパワートランジスタのうちの一つと、駆動制御デバイス2の電圧出力バッファ22の対応する出力とを各々が接続している、4つの導電性プレートを含む。プレート61、61’、62および62’は、デバイス6の主軸Z6に垂直な幾何学平面Pに平行に延在している。
【0041】
プレート61および61’は、出力電圧バッファ22からトランジスタ41および51への第1の制御信号の伝達を見ている。同様に、プレート62および62’は、第2の制御信号のトランジスタ42および52への伝達を見ている。この実施例において、第1のプレート61は、第1の電極411および511に電気的に接続されている。第2のプレート61’は、第2の電極412および512に電気的に接続されている。第3のプレート52は、第3の電極421および521に電気的に接続されている。第4のプレート62’は、第4の電極422および522に電気的に接続されている。これらの電気的接続は、例えば、図示されていない接続要素を用いて、またはトランジスタの対応する電極をプレート61、61’、62および62’の各々に直接溶接することによってなされている。
【0042】
プレート61および61’は、デバイス6の電気絶縁性支持体610の向かい合う面に配置されている。同様に、プレート62および62’は、デバイス6の電気絶縁性支持体620の向かい合う面に配置されている。支持体610および620は、例えば、支持体310および320に類似している。
【0043】
ここで、プレート61、61’、62および62’の各々は、支持体610および620の対応する面に堆積される、銅のような金属から形成される。
【0044】
ここで、プレート61および61’は、同一の形状を有している。より具体的には、プレート61’によって占められる表面は、プレート61によって占められる表面の軸Z6の方向に沿った置き換えに対応している。同様に、プレート62、62’は同一の形状を有しており、プレート62’によって占められる表面は、軸Z6の方向に沿ったプレート62によって占められる表面の置き換えに対応している。
【0045】
第1および第2のプレート61および61’は、第3および第4のプレート62および62’に対して横方向にオフセットされている、すなわち、幾何学平面P’に属する方向に沿ってオフセットされている。有利には、デバイス6は、先に説明した層330と同じ役割を果たす電気絶縁性材料630の層330を含む。
【0046】
プレート61および61’の各々は、できるだけ小さくプレート62および62’と重なり合っている。この目的のために、プレート61および61’は、重複ゾーンZ64においてのみプレート62および62’と重ね合わされる。例えば、層61および61’によって占められる表面の、幾何学平面P’における垂直投影は、プレート62および62’によって占められる表面領域の、この同一の幾何学平面P’における垂直投影から本質的に分離されている。本質的に分離することは、重複ゾーンZ64の表面積が、プレート61、61’の平面P’に投影される表面の表面積の5%以下である、好ましくはこの表面積の2%以下であることを意味している。例として、重複ゾーンZ64のこの表面積は、5mmに等しい。
【0047】
この例では、プレート61は、多角形の主要部分、四辺形の二次部分および二次部分612を主要部分611に接続している接続部分613を含む。主要部分611は、出力電圧バッファ22の対応する出力をともなうインターフェースゾーンZ22と、第1のトランジスタ41をともなうインターフェースゾーンZ41との間で、支持体610の上面の一部にわたって延在している。部分612は、部分611に隣接し、第1のトランジスタ51とのインターフェースゾーンZ51に向かって配置されている。部分613は、部分612を部分611に接続している。
【0048】
プレート62は、類似の構造を有しており、部分621、622および623を含む。部分621は、出力電圧バッファ22の対応する出力をともなうインターフェースゾーンZ22’と、第2のトランジスタ52を伴うインターフェースゾーンZ52との間で、支持体620の上面の一部にわたって延在している。部分622は、第2のトランジスタをともなうインターフェースゾーンZ42に向かって、支持体620の縁部上に配置されている。
【0049】
トランジスタのインターフェースゾーンは、デバイス6が取付け構成にあるときに、このトランジスタの電極に向かって位置するデバイス6の部分を参照している。例えば、インターフェースゾーンZ41は、電極411および412に向かって位置するデバイス6の部分に対応している。出力インターフェース22に向かい合うゾーンZ22およびZ22’についても同様である。
【0050】
デバイス6の取付け構成において、プレート61および62’は層630と接触している。
【0051】
デバイス6に起因して、スイッチング装置の性能は、特に相互接続デバイス3に対して向上している。プレート61、61’とプレート62、62’との間の重なりを最小化することにより、これらのそれぞれのプレートの間で発生し、第1および第2の制御信号の間で干渉を生成し、電気スイッチング装置1の動作を劣化させる可能性のある、浮遊ケーブルインダクタンスが低減される。
【0052】
さらに、プレート61、61’、62および62’の特定の配置は、デバイス3と同じくらい小型のデバイス6を得ることを可能にしている。特に、出力電圧バッファ22とコンポーネント4および5との間のデバイス6の距離L6は、5cm未満であり、好ましくは1cm未満である。ここで距離L6は、先に説明した距離L3と同様に定義される。
【0053】
装置1に関して前に説明したように、装置1’は、2つより多いパワーコンポーネントを含んでもよく、そのパワートランジスタは、デバイス6によって出力電圧バッファ22に接続されている。
【0054】
上で考察した実施形態および代替形態は、本発明の新しい実施形態を生み出すために互いに組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1、1’ 電気スイッチング装置
2 駆動制御デバイス
3 相互接続デバイス
4 パワーコンポーネント
5 パワーコンポーネント
6 相互接続デバイス
21 駆動制御回路
22 出力電圧バッファ
31、31’、32、32’ 導電性プレート
41、42、51、52 トランジスタ
61、61’、62、62’ 導電性プレート
310、320 支持体
330 電気絶縁性材料の層
411、412、421、422、511、512、521、522 電極
610、620 支持体
611 主要部分
612 二次部分
613 接続部分
621、622、623 部分
630 層
Z22、Z22’、Z41、Z42、Z51、Z52、 インターフェースゾーン
Z64 重複ゾーン
図1
図2
図3
図4