(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0025】
なお本明細書等において、「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものである。従って、構成要素の数を限定するものではない。また、構成要素の順序を限定するものではない。また例えば、本明細書等の実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素が、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲において「第2」に言及された構成要素とすることもありうる。また例えば、本明細書等の実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素を、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲において省略することもありうる。
【0026】
なお図面において、同一の要素または同様な機能を有する要素、同一の材質の要素、あるいは同時に形成される要素等には同一の符号を付す場合があり、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0027】
なお、実施の形態の中で述べる内容とは、各々の実施の形態において、様々な図を用いて述べる内容、又は明細書に記載される文章を用いて述べる内容のことである。
【0028】
なお、ある一つの実施の形態において述べる図(一部でもよい)は、その図の別の部分、その実施の形態において述べる別の図(一部でもよい)、及び/又は、一つ若しくは複数の別の実施の形態において述べる図(一部でもよい)に対して、組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
【0029】
本明細書等において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている。構成同士の位置関係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化する。そのため、配置を示す語句は、明細書で説明した記載に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
【0030】
また、「上」や「下」の用語は、構成要素の位置関係が直上または直下で、かつ、直接接していることを限定するものではない。例えば、「絶縁層A上の電極B」の表現であれば、絶縁層Aの上に電極Bが直接接して形成されている必要はなく、絶縁層Aと電極Bとの間に他の構成要素を含むものを除外しない。
【0031】
また本明細書等において、ブロック図では、構成要素を機能毎に分類し、互いに独立したブロックとして示している。しかしながら実際の回路等においては、構成要素を機能毎に切り分けることが難しく、一つの回路に複数の機能が係わる場合や、複数の回路にわたって一つの機能が関わる場合があり得る。そのため、ブロック図のブロックは、明細書で説明した構成要素に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
【0032】
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、説明の便宜上任意の大きさに示したものである。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は明確性を期すために模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。例えば、ノイズによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、又は、タイミングのずれによる信号、電圧、若しくは電流のばらつきなどを含むことが可能である。
【0033】
また、図面において、上面図(平面図、レイアウト図ともいう)や斜視図などにおいて、図面の明確性を期すために、一部の構成要素の記載を省略している場合がある。
【0034】
本明細書等において、トランジスタの接続関係を説明する際、ソースとドレインとの一方を、「ソース又はドレインの一方」(又は第1電極、又は第1端子)と表記し、ソースとドレインとの他方を「ソース又はドレインの他方」(又は第2電極、又は第2端子)と表記している。これは、トランジスタのソースとドレインは、トランジスタの構造又は動作条件等によって変わるためである。なおトランジスタのソースとドレインの呼称については、ソース(ドレイン)端子や、ソース(ドレイン)電極等、状況に応じて適切に言い換えることができる。
【0035】
また、本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「配線」が一体となって形成されている場合なども含む。
【0036】
また、本明細書等において、電圧と電位は、適宜言い換えることができる。電圧は、基準となる電位からの電位差のことであり、例えば基準となる電位をグラウンド電位(接地電位)とすると、電圧を電位に言い換えることができる。グラウンド電位は必ずしも0Vを意味するとは限らない。なお電位は相対的なものであり、基準となる電位によっては、配線等に与える電位を変化させる場合がある。
【0037】
なお本明細書等において、「膜」、「層」などの語句は、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
【0038】
本明細書等において、スイッチとは、導通状態(オン状態)、または、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有するものをいう。または、スイッチとは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有するものをいう。
【0039】
一例としては、電気的スイッチ又は機械的なスイッチなどを用いることができる。つまり、スイッチは、電流を制御できるものであればよく、特定のものに限定されない。
【0040】
電気的なスイッチの一例としては、トランジスタ(例えば、バイポーラトランジスタ、MOSトランジスタなど)、ダイオード(例えば、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオード、MIM(Metal Insulator Metal)ダイオード、MIS(Metal Insulator Semiconductor)ダイオード、ダイオード接続のトランジスタなど)、又はこれらを組み合わせた論理回路などがある。
【0041】
なお、スイッチとしてトランジスタを用いる場合、トランジスタの「導通状態」とは、トランジスタのソースとドレインが電気的に短絡されているとみなせる状態をいう。また、トランジスタの「非導通状態」とは、トランジスタのソースとドレインが電気的に遮断されているとみなせる状態をいう。なおトランジスタを単なるスイッチとして動作させる場合には、トランジスタの極性(導電型)は特に限定されない。
【0042】
機械的なスイッチの一例としては、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)のように、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)技術を用いたスイッチがある。そのスイッチは、機械的に動かすことが可能な電極を有し、その電極が動くことによって、導通と非導通とを制御して動作する。
【0043】
本明細書等において、チャネル長とは、例えば、トランジスタの上面図において、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲートとが重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとの間の距離をいう。
【0044】
なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル長が全ての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル長は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル長は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
【0045】
本明細書等において、チャネル幅とは、例えば、半導体(またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲートとが重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。
【0046】
なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル幅がすべての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル幅は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル幅は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
【0047】
なお、トランジスタの構造によっては、実際にチャネルの形成される領域におけるチャネル幅(以下、実効的なチャネル幅と呼ぶ。)と、トランジスタの上面図において示されるチャネル幅(以下、見かけ上のチャネル幅と呼ぶ。)と、が異なる場合がある。例えば、立体的な構造を有するトランジスタでは、実効的なチャネル幅が、トランジスタの上面図において示される見かけ上のチャネル幅よりも大きくなり、その影響が無視できなくなる場合がある。例えば、微細かつ立体的な構造を有するトランジスタでは、半導体の側面に形成されるチャネル領域の割合が大きくなる場合がある。その場合は、上面図において示される見かけ上のチャネル幅よりも、実際にチャネルの形成される実効的なチャネル幅の方が大きくなる。
【0048】
ところで、立体的な構造を有するトランジスタにおいては、実効的なチャネル幅の、実測による見積もりが困難となる場合がある。例えば、設計値から実効的なチャネル幅を見積もるためには、半導体の形状が既知という仮定が必要である。したがって、半導体の形状が正確にわからない場合には、実効的なチャネル幅を正確に測定することは困難である。
【0049】
そこで、本明細書では、トランジスタの上面図において、半導体とゲート電極とが重なる領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さである見かけ上のチャネル幅を、「囲い込みチャネル幅(SCW:Surrounded Channel Width)」と呼ぶ場合がある。また、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、囲い込みチャネル幅または見かけ上のチャネル幅を指す場合がある。または、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、実効的なチャネル幅を指す場合がある。なお、チャネル長、チャネル幅、実効的なチャネル幅、見かけ上のチャネル幅、囲い込みチャネル幅などは、断面TEM像などを取得して、その画像を解析することなどによって、値を決定することができる。
【0050】
なお、トランジスタの電界効果移動度や、チャネル幅当たりの電流値などを計算して求める場合、囲い込みチャネル幅を用いて計算する場合がある。その場合には、実効的なチャネル幅を用いて計算する場合とは異なる値をとる場合がある。
【0051】
本明細書等において、AとBとが接続されている、とは、AとBとが直接接続されているものの他、電気的に接続されているものを含むものとする。ここで、AとBとが電気的に接続されているとは、AとBとの間で、何らかの電気的作用を有する対象物が存在するとき、AとBとの電気信号の授受を可能とするものをいう。
【0052】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置について説明する。
【0053】
図1(A)には本発明の一態様に係る半導体装置10を図示する。半導体装置10は、入力信号IN、反転入力信号INBおよびスタンバイ信号STBEが入力され、出力信号OUTHを高電圧(MV)ロジック回路80に出力する。
【0054】
入力信号INは、例えば1.2Vで動作する低電圧(LV)ロジック回路から出力される信号である。入力信号INは、LVロジック回路から出力されるシングルエンドの信号であり、数100M乃至数GHz以上の周波数の信号である。反転入力信号INBは、入力信号INの反転信号である。出力信号OUTHは、例えば入力信号INに同期して3.3Vで動作するMVロジック回路80を動作させるために昇圧される信号である。
【0055】
半導体装置10は、バッファ回路20(図中、BUF1と図示)、レベルシフト回路40(図中、LSと図示)およびバッファ回路60(図中、BUF2と図示)を有する。
【0056】
バッファ回路20は、スタンバイ信号がHレベルでアクティブモードとなりバッファとして機能し、Lレベルでスタンバイモードまたは休止状態となり出力がHi−Z(Highインピーダンス)として動作する機能を有する。バッファ回路20は、1.2V以下の電圧が印加されて動作可能なLVデバイスを有する。LVデバイスは、例えばトランジスタである。バッファ回路20は、電圧VDD(例えば1.2V)および電圧VSS(例えば、グラウンド電圧または0V)が与えられる。なお
図1(B)において、バッファ回路20から出力される入力信号INを入力信号IN_BUFとして図示している。またバッファ回路20から出力される反転入力信号INBを反転入力信号INB_BUFとして図示している。なお入力信号INと入力信号IN_BUF、反転入力信号INBと反転入力信号INB_BUFは同じ論理の信号であるため、特に断りのない限り、入力信号IN_BUFと反転入力信号INB_BUFは入力信号INおよび反転入力信号INBを用いて説明する。
【0057】
レベルシフト回路40は、バッファ回路20から出力される低電圧(1.2V)の振幅の入力信号IN、反転入力信号INBを高電圧(3.3V)に昇圧した信号としてバッファ回路60に出力する機能を有する。レベルシフト回路40は、3.3V以下の電圧が印加されて動作可能なMVデバイスを有する。MVデバイスは、例えばトランジスタである。MVデバイスのトランジスタは、LVデバイスのトランジスタよりも厚いゲート絶縁膜を有することで、耐圧に優れている。レベルシフト回路40は、電圧VDDH(例えば3.3V)および電圧VSSが与えられる。電圧VDDHは、電圧VDDよりも高い電圧である。
【0058】
バッファ回路60は、バッファとして機能する。バッファ回路60は、電圧VDDHおよび電圧VSSが与えられる。バッファ回路60は、3.3V以下の電圧が印加されて動作可能なMVデバイスを有する。レベルシフト回路40の出力電圧に応じて、出力信号OUTHを出力する。
【0059】
MVロジック回路80は、数GHz以上の高速動作を行うロジック回路であり、一例としてはLVDSにおいてデータを送信するTX(Transmitter)である。TXは半導体装置10で昇圧されたシングルエンドの入力信号を、±3.5mAの差動電流に変換し出力する。
【0060】
図1(B)は、
図1(A)の半導体装置10が有する各回路の具体的な回路構成の一例を示す回路図である。
【0061】
バッファ回路20は、トライステートバッファ21およびトライステートバッファ22を有する。トライステートバッファ21およびトライステートバッファ22は、LVデバイスで構成される。トライステートバッファ21およびトライステートバッファ22は、スタンバイ信号STBEがLレベルでアクティブモードとなりバッファとして機能し、Hレベルでスタンバイモードとなり出力がHi−Z(Highインピーダンス)となる。
【0062】
バッファ回路20に入力されるスタンバイ信号STBEは、出力信号の振幅電圧(3.3V)よりも小さい1.2Vの振幅電圧で動作するため、低消費電力化を図ることができる。バッファ回路20は、スタンバイ信号STBEが与えられる信号線のみでアクティブモード/スタンバイモードの切り替えができる。バッファ回路20において、スタンバイ信号STBEに制御されるデバイスはLVデバイスのため、高速にアクティブモード/スタンバイモードの切り替えができる。バッファ回路20において、スタンバイ信号STBEに制御されるデバイスはLVデバイスのため、レイアウト面積を小さくすることができる。
【0063】
レベルシフト回路40は、カレントミラー型レベルシフト回路であり、トランジスタ41乃至トランジスタ47を有する。トランジスタ41およびトランジスタ42はpチャネル型(pMOS)であり、カレントミラー回路として機能する。トランジスタ43およびトランジスタ44はnチャネル型(nMOS)であり、差動増幅回路として機能する。トランジスタ45、トランジスタ46およびトランジスタ47はnMOSであり、スイッチとして機能する。
【0064】
トランジスタ41乃至トランジスタ44は、MVデバイスで構成される。トランジスタ41およびトランジスタ42で構成されるカレントミラー回路は、トランジスタ43が導通状態、トランジスタ44が非導通状態の場合、トランジスタ43を流れる電流がトランジスタ41を流れ、トランジスタ41を流れる電流をトランジスタ42でコピーし、ノードPREOUTHBの電圧を上昇させる。またカレントミラー回路は、トランジスタ43が非導通状態、トランジスタ44が導通状態の場合、トランジスタ44に電流が流れ、ノードPREOUTHBの電圧を下降させる。つまりトランジスタ43およびトランジスタ44で構成される差動増幅回路は、入力信号INおよび反転入力信号INBを差動信号として、トランジスタ43およびトランジスタ44のゲートをプルダウンする機能を有する。
【0065】
またトランジスタ45乃至トランジスタ47で構成されるスイッチ回路は、スタンバイ信号STBEがHレベルで導通状態となり、Lレベルで非導通状態となる。つまりスタンバイ信号STBEをHレベルとすることでトランジスタ43およびトランジスタ44の双方を非導通状態とし、ノードPREOUTHBの電圧を電圧VSSにできる。つまりトランジスタ45乃至トランジスタ47で構成されるスイッチ回路は、スタンバイ信号STBEに応じて、差動増幅回路に流れる電流を休止状態とする機能を有する。
【0066】
バッファ回路60は、トランジスタ61およびトランジスタ62を有する。バッファ回路60はMVデバイスで構成される。バッファ回路60は、後段のMVロジック回路80を制御するための信号を出力するバッファとして機能する。
【0067】
図1(B)に図示するカレントミラー型のレベルシフト回路40を有する半導体装置10は、cross−coupled型レベルシフト回路のように、pMOSおよびnMOSを流れる電流のバランスを考慮する必要が無いため非常に高速に動作させることができる。また、pMOSおよびnMOSを流れる電流のバランスを考慮する必要がないため出力電圧OUTHの立ち上がり(LレベルからHレベルへの変化)および立ち下がり(HレベルからLレベルへの変化)のリニアリティも優れている。さらに、pMOSおよびnMOSのチャネル幅(W)を共に小さくすることができるため、レイアウト面積を縮小することができる。これは、カレントミラー型のレベルシフト回路のpMOS(トランジスタ41,42)は、nMOS(トランジスタ43)の電流をコピーするように作用させるので、pMOSとnMOSの駆動能力比を考慮する必要がないためである。一方でcross−coupled型レベルシフト回路はpMOSの駆動能力より、nMOSの駆動能力を十分に大きくしないと安定に動作しないため、pMOSのチャネル幅よりnMOSのチャネル幅を十分に大きくする必要があり、レイアウト面積が大きくなってしまう。
【0068】
図1(B)に図示する半導体装置10は、カレントミラー型のレベルシフト回路40を有するが、カレントミラー型のレベルシフト回路40では消費電流が大きくなる場合がある。これは反転入力信号INBがHレベルの時、トランジスタ41およびトランジスタ43に静的な定電流が流れるためである。しかしながら、
図1(B)の半導体装置10は、出力信号OUTHを与えるMVロジック回路80が高速で動作するLVDSのTXであり、高速動作と消費電流は比例関係である。加えてTXは規格上最低でも3.5mAの電流を消費する一方で、カレントミラー型のレベルシフト回路の静的な定電流は数100μAであるため、動作時の消費電流はさほど問題にならない。
【0069】
LVDSのTXにおいて間欠的に信号の送信を休止する駆動を行う場合、静的な定電流が流れるのは問題となる。そのため、
図1(B)に図示するカレントミラー型のレベルシフト回路40を有する半導体装置10は、静的な定電流を削減できるスタンバイモードに切り替えることができる構成を有する。具体的には、スタンバイ信号STBEがHレベルになると、トライステートバッファ21,22の出力がHi−Zとなり、スイッチ回路を構成するトランジスタ45乃至47によって、トランジスタ43,44のゲート、およびノードPREOUTHBがLレベルへプルダウンされる。
【0070】
図1(B)に図示するカレントミラー型のレベルシフト回路40を有する半導体装置10は、MVデバイスをプルダウンするためにnMOSとpMOSとの双方を用いることなく、プルダウンするためのnMOSのみでスタンバイモードにできる。スタンバイ信号STBEは、LVデバイスで構成されるトライステートバッファ21,22にも供給されるために振幅電圧の小さい信号であるが、プルダウンするためのトランジスタをnMOSのみとすることで振幅電圧の小さい信号であっても機能を十分果たし得るため、スタンバイ信号STBEを一部共有化することができる。
【0071】
具体的に
図2(A)、
図2(B)、
図3乃至
図5において、スタンバイ信号STBEが与えられるトランジスタの構成例について説明する。なお
図2(A)、
図2(B)、
図3乃至
図5において、MVデバイスに「MV」を付して図示している。LVデバイスに「LV」を付して図示している。電圧VDD−VSSの振幅電圧を有するスタンバイ信号を「STBE_LV」として図示している。電圧VDDH−VSSの振幅電圧を有するスタンバイ信号を「STBE_MV」として図示している。
【0072】
図2(A)では、
図1(B)に示すトランジスタ45乃至47をMVデバイスとし、スタンバイ信号をSTBE_LVとして図示している。スタンバイ信号STBEとして振幅電圧の小さいスタンバイ信号STBE_LVを採用しても、トランジスタ45乃至47は接続された各ノードをプルダウンできる。振幅電圧の小さいスタンバイ信号STBE_LVを用いることで、低消費電力化を図ることができる。
【0073】
図2(B)では、
図1(B)に示すトランジスタ47をMVデバイスとし、
図1(B)に示すトランジスタ45,46をLVデバイスとし、スタンバイ信号をSTBE_LVとして図示している。スタンバイ信号STBEとして振幅電圧の小さいスタンバイ信号STBE_LVを採用しても、トランジスタ45乃至47は接続された各ノードをプルダウンできる。また
図1(B)に示すトランジスタ45,46をLVデバイスとしても、トランジスタ45,46には高い電圧が印加されないため、機能を十分果たし得る。そのため、振幅電圧の小さいスタンバイ信号STBE_LVを用いることで低消費電力化を図るとともに、レイアウト面積の縮小を図ることができる。
【0074】
図3では、
図1(B)に示すトランジスタ47をMVデバイスとし、
図1(B)に示すトランジスタ45,46をLVデバイスとし、スタンバイ信号としてスタンバイ信号STBE_MVおよびスタンバイ信号STBE_LVの2系統を図示している。
図4では、
図1(B)に示すトランジスタ45乃至47をMVデバイスとし、スタンバイ信号としてスタンバイ信号STBE_MVおよびスタンバイ信号STBE_LVの2系統を図示している。
図5では、
図1(B)に示すトランジスタ45をLVデバイスとし、
図1(B)に示すトランジスタ46,47をMVデバイスとし、スタンバイ信号としてスタンバイ信号STBE_MVおよびスタンバイ信号STBE_LVの2系統を図示している。
図3乃至
図5に図示するように、MVデバイスとLVデバイスを制御するための信号であるスタンバイ信号として振幅電圧の小さいスタンバイ信号STBE_LVを用いることで低消費電力化を図るとともに、レイアウト面積の縮小を図ることができる。また振幅電圧の大きいスタンバイ信号STBE_MVを用いることで高速なスイッチング動作を実現することができる。
【0075】
また
図6では、別の構成例として、
図1(B)の半導体装置10とはトランジスタの極性を異ならせ、電圧VSSをより低い電圧である電圧VSSLにして、出力する電圧の電圧レベルをシフトさせ、反転スタンバイ信号STBE_Bによって制御される半導体装置10Aを示している。
図6では、
図1(B)のレベルシフト回路40をレベルシフト回路40Aとした回路図を図示している。
図6のレベルシフト回路40Aは、トランジスタの極性を異ならせたトランジスタとして、トランジスタ41A乃至47Aを有する。トランジスタ41Aおよび42AはnMOS、トランジスタ43A乃至47AはpMOSとしている。
【0076】
図7(A)に
図1(B)で図示したトライステートバッファ21、22を示し、
図7(B)に具体的な回路図の一例を示す。
図7(A)、(B)においてはスタンバイ信号STBEに対応する制御信号ENBを図示している。また
図7(C)には、
図7(A)、(B)に対応するトライステートバッファ21、22の真理値表(Truth Table)を図示している。
【0077】
図7(B)において、トライステートバッファ21、22は、トランジスタ23乃至32を有する。トランジスタ23乃至27はpMOS、トランジスタ28乃至32はnMOSである。なお
図7(B)の回路図に限定されず、
図7(C)中の真理値表を満たす回路であれば良い。
【0078】
図8に
図1(B)に示すカレントミラー型のレベルシフト回路におけるアクティブモードとスタンバイモードの動作を説明するためのタイミングチャートを示す。なお以下の説明でLVDSのTXにおいて間欠的に信号の送信を休止する駆動を行う期間を信号IDSE(IDling Stop Enable)をHレベルとし、当該モードをアイドリングストップモード(P
IDS)という。
【0079】
信号IDSEがHレベルでアイドリングストップモードとなる。アイドリングストップモードは、レベルシフト回路のスタンバイモードと同期している。そのため、信号IDSEとスタンバイ信号STBEは同期した信号となる。
【0080】
図8中の電流IVDDHは
図1の電圧VDDHを与える配線からレベルシフト回路40に流れる消費電流を示している。上述したように、反転入力信号INBがHレベルとなる区間では静的な定電流が数100μA(I
STBE)流れるが、信号IDSEおよびスタンバイ信号STBEがHレベルの期間では数nA乃至数10nA(I
IDS)に削減できる。
【0081】
図9(A)に
図1(B)に示す半導体装置10のさらなる低消費電力化のため、パワーゲーティング機能を設けた構成を示す。半導体装置10の各回路に電源電圧を与える電圧VDDおよび電圧VDDHは、パワースイッチ71,72(図中PSW;Power SWitch)を介してレベルシフト回路40に入力される。パワースイッチ71,72は、パワーゲーティング信号PGEによって制御できる。パワーゲーティング信号PGEをアクティブ、つまりHレベルとすることで半導体装置10のさらなる低消費電力化を図ることができる。パワーゲーティング信号PGEによってパワーゲーティングされるモードをパワーゲーティングモードという。
【0082】
なおパワースイッチ71,72が与える電圧をVDDINとし、パワースイッチ71,72が出力する電圧をVDDOUTとすると、
図9(B)の構成、つまり電圧VDDOUTを電気的に浮遊状態とする構成とすればよい。または、
図9(C)の構成、つまり電圧VDDOUTを電圧VDDINとするか電圧VSSに切り替える構成とすればよい。
図9(B)を実現するための具体的な回路構成としては、
図9(D)の回路構成とすればよい。また
図9(C)を実現するための具体的な回路構成としては、
図9(E)の回路構成とすればよい。
【0083】
図10に
図1(B)に示すカレントミラー型のレベルシフト回路におけるスタンバイモード(P
IDS)と、パワーゲーティングモード(P
OFF)時のタイミングチャートを示す。スタンバイモード時は各トランジスタにおけるソースとドレイン間のリーク電流(I
IDS)が生じるため、数nA乃至数10nAの消費電流が流れるが、パワーゲーティングモード時は電圧VDDおよび電圧VDDHを与える配線と各回路とが電気的に遮断されるため消費電流は全く流れない。なおスタンバイモードに遷移するか、パワーゲーティングモードに遷移するか、周辺回路とのステートと合わせて最適なモードに遷移すれば良い。
【0084】
図11(A)乃至(C)には、上述したレベルシフト回路として機能する半導体装置を適用可能なインターフェース回路の一例を図示する。
【0085】
図11(A)においては、
図1(A)で図示した半導体装置10、およびLVDSのTXである高電圧ロジック回路70を有する信号送信回路74(図中、HOST)と、LVDSのRXである高電圧ロジック回路77および信号処理回路79を有する信号受信回路76(図中、DEVICE)を図示している。
【0086】
高電圧ロジック回路70は、複数のトランスミッタ回路75を有する。高電圧ロジック回路77は、複数のレシーバ回路78を有する。
図11(B)は、一対のトランスミッタ回路75およびレシーバ回路78を図示している。トランスミッタ回路75とレシーバ回路78との間の2本の配線は、差動信号を伝送する機能を有する。
【0087】
また
図11(C)では、
図11(B)におけるトランスミッタ回路75の一例を図示している。トランスミッタ回路75は、一例としてトランジスタの導通状態を交互(図中、プラス端子とマイナス端子を交互に導通状態とする)に制御することで、差動信号を伝送することができる。シングルエンドの入力信号を、±3.5mAの差動電流に変換し出力することができる。
【0088】
また
図12(A)は、
図1(B)に図示するレベルシフト回路40について、実際に設計したレイアウト図の一例である。なお
図12(A)では、図示による理解をしやすくするため、レベルシフト回路40を構成する一部の導電層、不純物領域および開口について図示し、絶縁層等の情報については図示を省略している。
【0089】
図12(A)では、
図1(B)で図示したトランジスタ41、トランジスタ42、トランジスタ43、トランジスタ44、トランジスタ45、トランジスタ46およびトランジスタ47を図示している。また
図12(A)では、n型不純物領域301、p型不純物領域302、導電層303、導電層304、導電層305、導電層306および導電層307を図示している。
【0090】
図12(A)において、n型不純物領域301はnチャネル型トランジスタ(nMOS)においてソース領域またはドレイン領域として機能する。p型不純物領域302はpチャネル型トランジスタ(pMOS)においてソース領域またはドレイン領域として機能する。導電層303は、nMOSおよびpMOSにおいてゲート電極として機能する。導電層304は、ソース電極またはドレイン電極として機能する。導電層305は、素子間の電気的な接続をするための配線として機能する。導電層307は、素子間の電気的な接続をするための配線として機能し、導電層306は導電層307と導電層305との電気的な接続をするための電極として機能する。
図12(A)において各導電層には、
図1(B)で説明した入力信号IN_BUF、反転入力信号INB_BUF、ノードPREOUTHB、スタンバイ信号STBEを与えることを示しており、電圧VDDH、VSSについても同様に図示している。
【0091】
図12(A)に図示するように、本発明の一態様の構成ではcross−coupled型レベルシフト回路のようにpMOSおよびnMOSを流れる電流のバランスを考慮する必要がないため、pMOSおよびnMOSのチャネル幅(W)を共に小さくすることができる。そのため、pMOSの駆動能力よりnMOSの駆動能力を十分に大きくするために、pMOSのチャネル幅よりnMOSのチャネル幅を十分に大きくする必要がなく、レイアウト面積を縮小することができる。またスイッチとして機能するトランジスタ(トランジスタ45乃至47)は、カレントミラー回路(トランジスタ41、42)または差動増幅回路(トランジスタ43、44)を構成するトランジスタと比べて、小さいチャネル幅で十分機能を果し得るため、レイアウト面積の増加を抑制することができる。
【0092】
また
図12(B)には、
図12(A)のレイアウト図に適用可能なトランジスタの断面構造の一例について示す。
図12(B)において、nチャネル型トランジスタをnMOS、pチャネル型トランジスタをpMOSとして図示している。
【0093】
図12(B)では、p型半導体基板310、n型不純物領域301、n型不純物領域311、p型不純物領域302、素子分離層320、ゲート絶縁層313、サイドウォール314、層間絶縁層315、層間絶縁層316、層間絶縁層317、および層間絶縁層318を図示している。なお導電層307上に、層間絶縁層及び導電層を設ける構成としてもよい。
【0094】
半導体基板として、単結晶半導体基板を用いることにより、トランジスタを高速動作させることができる。よって、先の実施の形態に示す各回路を構成するトランジスタを、単結晶半導体基板に形成することが好ましい。なお半導体基板は、炭化シリコンや窒化ガリウムを材料とした化合物半導体基板、またはSOI(Silicon On Insulator)基板、ガラス基板などを用いることができる。
【0095】
導電層303、導電層304、導電層305、導電層306および導電層307は、アルミニウム、銅、チタン、タンタル、タングステン等の金属材料を用いることが好ましい。また、リン等の不純物を添加した多結晶シリコンを用いることができる。形成方法は、蒸着法、PE−CVD法、スパッタリング法、スピンコート法などの各種成膜方法を用いることができる。
【0096】
素子分離層320、ゲート絶縁層313、サイドウォール314、層間絶縁層315、層間絶縁層316、層間絶縁層317、および層間絶縁層318は、無機絶縁層または有機絶縁層を、単層又は多層で形成することが好ましい。無機絶縁層としては、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、又は窒化酸化シリコン膜等を、単層又は多層で形成することが好ましい。有機絶縁層としては、ポリイミド又はアクリル等を、単層又は多層で形成することが好ましい。また、各絶縁層の作製方法に特に限定はないが、例えば、スパッタリング法、MBE法、PE−CVD法、パルスレーザ堆積法、ALD法等を適宜用いることができる。
【0097】
以上説明した本発明の一態様の半導体装置では、動作速度を向上できる。加えて、本発明の一態様の半導体装置では、低消費電力化を図ることができる。加えて本発明の一態様の半導体装置では、レイアウト面積を縮小できる。
【0098】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0099】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1に示す半導体装置を適用することができる表示装置について説明を行う。
【0100】
<表示装置100>
図13は、表示装置100の構成例を示すブロック図である。表示装置100は、アプリケーションプロセッサ(以下、AP)110と、表示パネル101と、タッチパネル106と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)111と、フラッシュメモリ112と、SSD(Solid State Drive)113と、RFタグ114と、テレビチューナー115と、センサ116と、を有する。
【0101】
AP110は、GPU(Graphics Processing Unit)121と、ディスプレイ_IF(インターフェース)122と、ディスプレイ_IF123と、タッチパネル_IF124と、DRAM_IF125と、フラッシュメモリ_IF126と、SSD_IF127と、ネットワーク_IF128と、USB(Universal Serial Bus)_IF129と、アナログ回路130と、システムバス140と、プロセッサコア141と、メモリ142と、電力制御回路144と、FPGA(Field Programmable Gate Array)145と、クロック生成回路146と、を有する。
【0102】
また、AP110は、ディスプレイ_IF122およびディスプレイ_IF123を介して表示パネル101に接続され、タッチパネル_IF124を介してタッチパネル106に接続され、DRAM_IF125を介してDRAM111に接続され、フラッシュメモリ_IF126を介してフラッシュメモリ112に接続され、SSD_IF127を介してSSD113に接続され、ネットワーク_IF128を介してRFタグ114に接続され、USB_IF129を介してテレビチューナー115に接続され、アナログ回路130を介して、センサ116に接続されている。
【0103】
プロセッサコア141は、AP110を統括する機能を有する。プロセッサコア141はシステムバス140を介して、各回路に命令やデータを送る。例えば、プロセッサコア141は、メモリ142をキャッシュメモリ、DRAM111を主記憶装置、SSD113を外部記憶装置として利用し、基本ソフトウェア(オペレーティングシステム、OS)、各種アプリケーションソフトウェアを実行する。なお、プロセッサコア141は、システムに要求される演算性能に応じて、シングルコア、デュアルコア、マルチコア、メニーコアなどのコア構成や、レベル1(L1)、レベル2(L2)などのキャッシュメモリ階層を有する構成とすることができる。
【0104】
AP110は、DRAM111、フラッシュメモリ112、SSD113など外部の記憶装置に保存された映像信号を、表示パネル101に供給する機能を有する。また、AP110は、テレビチューナー115で受信した映像信号を、表示パネル101に供給することもできる。
【0105】
GPU121は画像処理に特化したプロセッサである。GPU121は、例えば3次元の画像処理など、高度な画像処理を行うことができる。GPU121で生成された画像データは、ディスプレイ_IF122、123を介して表示パネル101に送信され、表示される。
【0106】
表示装置100の使用者は、タッチパネル106から情報の入力を行うことができる。AP110は、使用者が入力したタッチ信号を検知し、表示パネル101の画像を更新する。
【0107】
タッチパネル106は、抵抗膜方式、または静電容量方式のタッチパネルを、表示パネル101に重畳して用いることができる。またタッチパネル106は、光学式のタッチパネルを用いることで表示パネル101と一体化することができる。
【0108】
表示パネル101は、DDI(ディスプレイ ドライバ IC)102と、反射素子107と、DDI104と、発光素子108と、を有する。
【0109】
DDI102は、反射素子107を駆動する機能を有する。また、DDI102は、ディスプレイ_IF122を介して、AP110に接続されている。
【0110】
DDI104は、発光素子108を駆動する機能を有する。また、DDI104は、ディスプレイ_IF123を介して、AP110に接続されている。
【0111】
ディスプレイ_IF122、123は、表示パネル101に映像信号を供給できる形式に変換する機能を有する。ディスプレイ_IF122、123は、例えば、補正回路(ガンマ補正、色度補正、輝度補正など)、デコーダ、フレームメモリなどを有する。
【0112】
反射素子107は、外光の反射を利用して画像を表示する表示素子であり、例えば、液晶素子、シャッター方式のMEMS(Micro Electro Mechanical System)素子、光干渉方式のMEMS素子、マイクロカプセル方式、電気泳動方式、エレクトロウェッティング方式、電子粉流体(登録商標)等を用いることができる。表示パネル101は、反射型の表示素子を用いることにより、消費電力を抑制することができる。なお、以降の説明では、反射素子107として、反射型の液晶素子を用いた場合について説明を行う。
【0113】
発光素子108として、有機EL(Electro Luminescence)素子、無機EL素子、LED(Light Emitting Diode)、QLED(Quantum−dot Light Emitting Diode)、半導体レーザーなどの自発光性の発光素子を用いることができる。なお、以降の説明では、発光素子108として、有機EL素子を用いた場合について説明を行う。
【0114】
センサ116には、必要に応じて様々なセンサを用いることができる。センサ116には、例えば、力、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、磁気、温度、化学物質、音声、硬度、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動などをセンシングすることが可能なセンサを用いることができる。センサ116が取得した情報(アナログデータ)は、アナログ回路130によって、デジタルデータに変換される。
【0115】
例えばセンサ116が、光センサの場合、表示装置100は、センサ116が受光した光に応じて、表示パネル101の表示モードを変更することができる。
【0116】
晴れの日に外で表示装置100を使用する場合など、反射素子107のみで十分な輝度が得られるときは、発光素子108を光らせる必要はない。発光素子108で表示を行おうとしても、外光に負けて良好な表示が得られないからである。また、夜間や暗所で表示装置100を使用する場合、発光素子108を光らせて表示を行えばよい。
【0117】
外光の明るさに応じて、AP110は、反射素子107のみで表示を行う画像データを作成、もしくは発光素子108のみで表示を行う画像データを作成、もしくは反射素子107と発光素子108を組み合わせて表示を行う画像データを作成することができる。そのため、外光の明るい環境においても、外光の暗い環境においても、表示パネル101は良好な表示を行うことができる。さらに、外光の明るい環境においては、発光素子108を光らせない、もしくは発光素子108の輝度を低くすることで、消費電力を低減することができる。
【0118】
また、AP110は、反射素子107の表示に、発光素子108の表示を組み合わせることで、表示パネル101の色調を補正することができる。例えば、夕暮れ時の赤みがかった環境で使用する場合、反射素子107による表示のみではB(青)成分が足りないため、発光素子108を発光させることで、色調を補正することができる。
【0119】
メモリ142は、書き換え可能なメモリを用いればよく、DOSRAM(登録商標)、NOSRAM(登録商標)、SRAM、フラッシュメモリ、FeRAM(強誘電体RAM)、MRAM(磁気抵抗RAM)、抵抗変化RAM(ReRAM)、相変化RAM(PRAM)等を用いればよい。特に、DOSRAMまたはNOSRAMを用いることが好ましい。メモリ142としてDOSRAMまたはNOSRAMを用いることで、AP110は消費電力を低減することができる。なお、DOSRAMおよびNOSRAMの説明は追って行う。
【0120】
電力制御回路144は、表示装置100内の電力供給を制御する機能を有する。
【0121】
AP110はFPGA145を有しているので、チップを出荷後に新たな機能を追加する必要が生じても柔軟に対応することができる。チップを新たに設計する必要がないため、コストを大幅に削減することができる。
【0122】
クロック生成回路146は、表示装置100内で使用されるクロック信号を生成する機能を有する。クロック生成回路146によって、クロック信号の周波数を変更することができ、表示装置100の高性能化と低消費電力化とを実現できる。高速処理が必要なときはクロック周波数を上げる。また、電力を下げたいときは、クロック周波数を下げることができる。
【0123】
実施の形態1で説明した半導体装置は、例えばディスプレイ_IF122、123で用いることが好ましい。例えば、映像信号をLVDSで表示パネル101に供給する場合、低消費電力化を図るとともに、所望の電圧に昇圧する際の切り替えを高速に行うことができる。
【0124】
<DOSRAM>
次に、DOSRAMの詳細について、
図14を用いて説明を行う。
【0125】
図14(A)に、DOSRAM500の構成例を示す。DOSRAM500は、制御部502、セルアレイ503、周辺回路508を有する。周辺回路508は、センスアンプ回路504、ドライバ505、メインアンプ506、入出力回路507を有する。
【0126】
制御部502は、DOSRAM500を制御する機能を有する。例えば、制御部502は、ドライバ505、メインアンプ506、および入出力回路507を制御する。
【0127】
ドライバ505には、複数の配線WL、CSELが電気的に接続されている。ドライバ505は、複数の配線WL、CSELに出力する信号を生成する。
【0128】
セルアレイ503は、複数のメモリセル509を有する。メモリセル509は、配線WL、LBL(またはLBLB)、BGLに、電気的に接続されている。配線WLはワード線であり、配線LBL、LBLBは、ローカルビット線である。
図14(A)の例では、セルアレイ503の構成は、折り返しビット線方式であるが、開放ビット線方式とすることもできる。
【0129】
図14(B)に、メモリセル509の構成例を示す。メモリセル509は、トランジスタMW1、容量素子CS1を有する。メモリセル509は、DRAMのメモリセルと同様の回路構成を有する。ここでは、トランジスタMW1はバックゲートをもつトランジスタである。トランジスタMW1のバックゲートは、配線BGLに電気的に接続されている。配線BGLには、電圧Vbg_w1が入力される。
【0130】
トランジスタMW1は、OSトランジスタである。OSトランジスタはオフ電流が極めて小さい。OSトランジスタでメモリセル509を構成すると、容量素子CS1から電荷がリークすることを抑えられ、DOSRAM500のリフレッシュ動作の頻度を低減できる。また、電源供給が遮断されても、DOSRAM500は長時間画像データを保持することが可能である。また、電圧Vbg_w1を負電圧にすることで、トランジスタMW1の閾値電圧を正電位側にシフトさせることができ、メモリセル509の保持時間を長くすることができる。
【0131】
メモリセル509以外の回路のトランジスタは、例えば、シリコンウエハに作製されるSiトランジスタとすることができる。これにより、セルアレイ503をセンスアンプ回路504に積層して設けることができる。よって、DOSRAM500の回路面積を縮小でき、AP110の小型化につながる。
【0132】
セルアレイ503は、センスアンプ回路504に積層して設けられている。センスアンプ回路504は、複数のセンスアンプSAを有する。センスアンプSAは隣接する配線LBL、LBLB(ローカルビット線対)、配線GBL、GBLB(グローバルビット線対)、複数の配線CSELに電気的に接続されている。センスアンプSAは、配線LBLと配線LBLBとの電位差を増幅する機能を有する。
【0133】
センスアンプ回路504には、4本の配線LBLに対して1本の配線GBLが設けられ、4本の配線LBLBに対して1本の配線GBLBが設けられているが、センスアンプ回路504の構成は、
図14の構成例に限定されない。
【0134】
メインアンプ506は、センスアンプ回路504および入出力回路507に接続されている。メインアンプ506は、配線GBLと配線GBLBの電位差を増幅する機能を有する。メインアンプ506は省略することができる。
【0135】
入出力回路507は、書き込みデータに対応する電位を配線GBLと配線GBLB、またはメインアンプ506に出力する機能、配線GBLと配線GBLBの電位、またはメインアンプ506の出力電位を読み出し、データとして外部に出力する機能を有する。配線CSELの信号によって、データを読み出すセンスアンプSA、およびデータを書き込むセンスアンプSAを選択することができる。よって、入出力回路507は、マルチプレクサなどの選択回路が不要であるため、回路構成を簡単化でき、占有面積を縮小することができる。
【0136】
<NOSRAM>
次に、NOSRAMの詳細について、
図15を用いて説明を行う。
【0137】
図15(A)はNOSRAM600の構成例を示すブロック図である。
図15(A)に示すNOSRAM600は、制御部601、ドライバ部602、セルアレイ603を有する。
【0138】
制御部601は、NOSRAM600の動作全般を制御する機能を有するロジック回路である。制御部601は、チップイネーブル信号、および書き込みイネーブル信号を論理演算して、プロセッサコア141のアクセスが書き込みアクセスであるか読み出しアクセスであるかを判断する機能、チップイネーブル信号、書き込みイネーブル信号および信号WCYを論理演算して、ドライバ部602の制御信号を生成する機能、書き込みイネーブル信号と信号WCYに基づいて待機信号を発行する機能を有する。
【0139】
プロセッサコア141から書き込みアクセスがあると、制御部601は待機信号を発行し、システムバス140に送信する。プロセッサコア141は待機信号を受信すると、次のアクセスの実行を延期する。
【0140】
書き込みイネーブル信号はプロセッサコア141が生成する信号である。チップイネーブル信号は、システムバス140が生成する信号である。システムバス140は、プロセッサコア141が出力するアドレス信号および書き込みイネーブル信号をもとに、チップイネーブル信号を生成する。
【0141】
ドライバ部602は、セルアレイ603に対するデータの書き込みおよび読み出しをするための回路である。例えば、ドライバ部602は、アドレス信号をデコードするデコーダ、ワード線ドライバ、読み出し回路、および書き込み回路などを有する。
【0142】
セルアレイ603には、複数のメモリセル605が行列状に配置されている。
図15(B)にメモリセル605の構成例を示す。ここでは、メモリセル605が2T型ゲインセルの例を示す。メモリセル605は、トランジスタMW1、トランジスタMR1、容量素子CS1、およびノードSN1、a1−a5を有する。トランジスタMW1は書き込みトランジスタであり、OSトランジスタである。トランジスタMR1は読み出しトランジスタであり、
図15(B)の例ではnチャネル型Siトランジスタである。ノードSN1はデータ保持ノードであり、容量素子CS1はノードSN1の電荷を保持するための保持容量素子である。
【0143】
メモリセル605にデータを書き込むには、ノードa3にデータを入力する。ノードa1を“H”にしてトランジスタMW1をオンにすることで、ノードa3のデータがノードSN1に書き込まれる。トランジスタMW1をオフ状態にして、ノードSN1をフローティング状態にすることで、データの書き込みが終了する。
【0144】
ノードa4の電圧をデータとして読み出す。データの読み出しは、例えば、以下のように行われる。ノードa5の電位を固定する。ノードa4をプリチャージした後、フローティング状態にする。トランジスタMR1には、ノードSN1の電圧に応じたドレイン電流が流れる。よって、ノードa4の電圧は、ノードSN1の電圧に応じて変化する。
【0145】
オフ電流が極めて小さいというOSトランジスタの特長によって、ノードSN1の電圧の低下を抑えることができること、データの保持に電力を消費しないことから、メモリセル605はデータを長時間保持できるという不揮発性の特性を持つ。そこで、本明細書等では、ゲインセルでセルアレイが構成されるOSメモリを、NOSRAM(Nonvolatile Oxide Semiconductor RAM、ノスラム)と呼ぶこととする。NOSRAMは、データを長時間保持できることの他に、次のような特長を持つ。
【0146】
容量素子の充放電によってデータを書き換えるため、NOSRAMには原理的には書き換え回数に制約はなく、かつ低エネルギーで、データの書き込みおよび読み出しが可能である。メモリセルの回路構成が単純であるため、大容量化が容易である。
【0147】
<表示パネル101>
次に、表示パネル101の詳細について説明を行う。
【0148】
図16は、表示パネル101の構成例を説明するブロック図である。
【0149】
表示パネル101は、画素アレイ109を有する。また、表示パネル101は、ゲートドライバ151を備えることができる。
【0150】
画素アレイ109は、一群の複数の画素153(i,1)乃至画素153(i,n)と、他の一群の複数の画素153(1,j)乃至画素153(m,j)と、走査線G1(i)と、を有する。また、走査線G2(i)と、配線CSCOMと、配線ANOと、信号線SL2(j)と、を有する。なお、iは1以上m以下の整数であり、jは1以上n以下の整数であり、mおよびnは1以上の整数である。
【0151】
一群の複数の画素153(i,1)乃至画素153(i,n)は画素153(i,j)を含み、一群の複数の画素153(i,1)乃至画素153(i,n)は行方向(図中に矢印xで示す方向)に配設される。
【0152】
他の一群の複数の画素153(1,j)乃至画素153(m,j)は、画素153(i,j)を含み、他の一群の複数の画素153(1,j)乃至画素153(m,j)は行方向と交差する列方向(図中に矢印yで示す方向)に配設される。
【0153】
走査線G1(i)および走査線G2(i)は、行方向に配設される一群の複数の画素153(i,1)乃至画素153(i,n)と電気的に接続される。
【0154】
列方向に配設される他の一群の複数の画素153(1,j)乃至画素153(m,j)は、信号線SL1(j)および信号線SL2(j)と電気的に接続される。
【0155】
ゲートドライバ151は、制御情報に基づいて選択信号を供給する機能を有する。
【0156】
一例を挙げれば、制御情報に基づいて、30Hz以上、好ましくは60Hz以上の頻度で一の走査線に選択信号を供給する機能を備える。これにより、動画像をなめらかに表示することができる。
【0157】
例えば、制御情報に基づいて、30Hz未満、好ましくは1Hz未満、より好ましくは一分に一回未満の頻度で一の走査線に選択信号を供給する機能を備える。これにより、フリッカーが抑制された状態で静止画像を表示することができる。
【0158】
DDI152はDDI102およびDDI104を有する。DDI104は、表示パネル101のソースドライバとしての機能を有する。DDI102は、AP110からの信号に基づいて、データ信号を供給する機能を有する。
【0159】
例えば、DDI152は、シリコン基板上に形成された集積回路で形成することができる。例えば、COG(Chip on glass)法またはCOF(Chip on Film)法を用いて、上記集積回路を端子に設けることができる。具体的には、異方性導電膜を用いて、上記集積回路を端子に設けることができる。
【0160】
<画素153>
図17は、画素153の構成例を示す回路図である。画素153(i,j)は、反射素子107(i,j)および発光素子108(i,j)を駆動する機能を備える。これにより、例えば同一の工程を用いて形成することができる画素回路を用いて、反射素子107と、反射素子107とは異なる方法を用いて表示をする発光素子108と、を駆動することができる。反射型の表示素子、反射素子107を用いて表示を行うことで、消費電力を低減することができる。または、外光が明るい環境下において高いコントラストで画像を良好に表示することができる。光を射出する表示素子、発光素子108を用いて表示を行うことで、暗い環境下で画像を良好に表示することができる。
【0161】
画素153(i,j)は、信号線SL1(j)、信号線SL2(j)、走査線G1(i)、走査線G2(i)、配線CSCOMおよび配線ANOと電気的に接続される。
【0162】
画素153(i,j)は、スイッチSW1、容量素子C11、スイッチSW2、トランジスタTr1および容量素子C12を含む。
【0163】
走査線G1(i)と電気的に接続されるゲート電極と、信号線SL1(j)と電気的に接続される第1の電極と、を有するトランジスタを、スイッチSW1に用いることができる。
【0164】
容量素子C11は、スイッチSW1に用いるトランジスタの第2の電極と電気的に接続される第1の電極と、配線CSCOMと電気的に接続される第2の電極と、を有する。
【0165】
走査線G2(i)と電気的に接続されるゲート電極と、信号線SL2(j)と電気的に接続される第1の電極と、を有するトランジスタを、スイッチSW2に用いることができる。
【0166】
トランジスタTr1は、スイッチSW2に用いるトランジスタの第2の電極と電気的に接続されるゲート電極と、配線ANOと電気的に接続される第1の電極と、を有する。
【0167】
なお、トランジスタTr1は、第1のゲート電極と第2のゲート電極を有していてもよい。第1のゲート電極と第2のゲート電極は、電気的に接続されていてもよい。第1のゲート電極と第2のゲート電極は、半導体膜を間に介して互いに重なる領域を有することが好ましい。
【0168】
容量素子C12は、スイッチSW2に用いるトランジスタの第2の電極と電気的に接続される第1の電極と、トランジスタTr1の第1の電極と電気的に接続される第2の電極と、を有する。
【0169】
反射素子107(i,j)の第1の電極を、スイッチSW1に用いるトランジスタの第2の電極と電気的に接続する。また、反射素子107(i,j)の第2の電極を、配線VCOM1と電気的に接続する。これにより、反射素子107(i,j)を駆動することができる。
【0170】
発光素子108(i,j)の第1の電極をトランジスタTr1の第2の電極と電気的に接続し、発光素子108(i,j)の第2の電極を配線VCOM2と電気的に接続する。これにより、発光素子108(i,j)を駆動することができる。
【0171】
<表示パネルの断面図>
次に、表示パネル101の構成例について、
図18の断面図を用いて説明を行う。
【0172】
図18に示す表示パネル101は、基板200と基板300の間に、絶縁層220を有する。また基板200と絶縁層220の間に、発光素子108、トランジスタ271、トランジスタ272、トランジスタ273、着色層241等を有する。また絶縁層220と基板300の間に、反射素子107、着色層411等を有する。また基板300と絶縁層220は接着層402を介して接着され、基板200と絶縁層220は接着層201を介して接着されている。
【0173】
基板200として、無アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリガラス、クリスタルガラス、アルミノ珪酸ガラス、強化ガラス、化学強化ガラス、石英またはサファイア等を、用いることができる。
【0174】
基板200として、シリコンや炭化シリコンからなる単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウム等の化合物半導体基板、SOI基板等を用いることができる。
【0175】
基板200として、金属板、薄板状のガラス板または無機材料等の膜を樹脂フィルム等に貼り合わせた複合材料を用いることができる。
【0176】
基板200として、繊維状または粒子状の金属、ガラスもしくは無機材料等を樹脂フィルムに分散した複合材料を用いることができる。
【0177】
基板200として、例えば、繊維状または粒子状の樹脂もしくは有機材料等を無機材料に分散した複合材料を用いることができる。
【0178】
基板300として、基板200に用いることが可能な上記材料を用いることができる。
【0179】
なお、基板200または基板300に、電極を形成し、タッチパネル機能を持たせてもよい。
【0180】
トランジスタ273は、反射素子107と電気的に接続し、トランジスタ272は、発光素子108と電気的に接続する。トランジスタ272とトランジスタ273は、いずれも絶縁層220の基板200側の面上に形成されているため、これらを同一の工程を用いて作製することができる。
【0181】
基板300には、着色層411、遮光層412、絶縁層413、及び反射素子107の共通電極として機能する導電層321、配向膜382、絶縁層414等が設けられている。絶縁層414は、反射素子107のセルギャップを保持するための機能を有する。
【0182】
絶縁層220の基板200側には、絶縁層211、絶縁層212、絶縁層213、絶縁層214、絶縁層215等の絶縁層が設けられている。絶縁層211は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶縁層212、絶縁層213、及び絶縁層214は、各トランジスタを覆って設けられている。また絶縁層214を覆って絶縁層215が設けられている。絶縁層214及び絶縁層215は、平坦化層としての機能を有する。なお、ここではトランジスタ等を覆う絶縁層として、絶縁層212、絶縁層213、絶縁層214の3層を有する場合について示しているが、これに限られず4層以上であってもよいし、単層、または2層であってもよい。また平坦化層として機能する絶縁層214は、不要であれば設けなくてもよい。
【0183】
また、トランジスタ271、トランジスタ272、及びトランジスタ273は、一部がゲートとして機能する導電層221、一部がソースまたはドレインとして機能する導電層222、半導体層231を有する。ここでは、同一の導電膜を加工して得られる複数の層に、同じハッチングパターンを付している。
【0184】
反射素子107は反射型の液晶素子である。反射素子107は、導電層322、液晶383、導電層321が積層された積層構造を有する。また導電層322の基板200側に接して、可視光を反射する導電層323が設けられている。導電層323は開口330を有する。また導電層322及び導電層321は可視光を透過する。また液晶383と導電層322の間に配向膜381が設けられ、液晶383と導電層321の間に配向膜382が設けられている。また、基板300の外側の面には、偏光板401を有する。
【0185】
反射素子107において、導電層323は可視光を反射する機能を有し、導電層321は可視光を透過する機能を有する。基板300側から入射した光は、偏光板401により偏光され、導電層321、液晶383を透過し、導電層323で反射する。そして液晶383及び導電層321を再度透過して、偏光板401に達する。このとき、導電層323と導電層321の間に与える電圧によって液晶の配向を制御し、光の光学変調を制御することができる。すなわち、偏光板401を介して射出される光の強度を制御することができる。また光は着色層411によって特定の波長領域以外の光が吸収されることにより、取り出される光は、例えば赤色を呈する光となる。
【0186】
発光素子108は、ボトムエミッション型の発光素子である。発光素子108は、絶縁層220側から導電層225、導電層283、及び導電層282の順に積層された積層構造を有する。絶縁層216が導電層225の端部を覆っている。また導電層282を覆って導電層281が設けられている。導電層281は可視光を反射する材料を含み、導電層225及び導電層282は可視光を透過する材料を含む。発光素子108が発する光は、着色層241、絶縁層220、開口330、導電層321等を介して、基板300側に射出される。
【0187】
ここで、
図18に示すように、開口330には可視光を透過する導電層322が設けられていることが好ましい。これにより、開口330と重なる領域においてもそれ以外の領域と同様に液晶383が配向するため、これらの領域の境界部で液晶の配向不良が生じ、意図しない光が漏れてしまうことを抑制できる。
【0188】
ここで、基板300の外側の面に配置する偏光板401として直線偏光板を用いてもよいが、円偏光板を用いることもできる。円偏光板としては、例えば直線偏光板と1/4波長位相差板を積層したものを用いることができる。これにより、外光反射を抑制することができる。また、偏光板の種類に応じて、反射素子107に用いる液晶素子のセルギャップ、配向、駆動電圧等を調整することで、所望のコントラストが実現されるようにすればよい。また、偏光板401の他、光拡散板を基板300に設けることで、可視光を反射する導電層323における映り込みやぎらつきを低減することが可能であり、表示パネルの視認性を高めることができる。
【0189】
トランジスタ272のソースまたはドレインの一方は、導電層224を介して発光素子108の導電層225と電気的に接続されている。
【0190】
トランジスタ273のソースまたはドレインの一方は、接続部252を介して導電層323と電気的に接続されている。導電層323と導電層322は接して設けられ、これらは電気的に接続されている。ここで、接続部252は、絶縁層220に設けられた開口を介して、絶縁層220の両面に設けられる導電層同士を接続する部分である。
【0191】
基板200と基板300が重ならない領域には、接続部251が設けられている。接続部251は、接続層260を介してFPC350と電気的に接続されている。接続部251の上面は、導電層322と同一の導電膜を加工して得られた導電層が露出している。これにより、接続部251とFPC350とを接続層260を介して電気的に接続することができる。
【0192】
接着層402が設けられる一部の領域には、接続体403が設けられている。接続体403を介して、導電層322と同一の導電膜を加工して得られた導電層と、導電層321の一部とが、電気的に接続されている。したがって、基板200側に接続されたFPC350から入力される信号または電位は、接続体403を介して、基板300側に形成された導電層321に供給することができる。
【0193】
接続体403としては、例えば導電性の粒子を用いることができる。導電性の粒子としては、有機樹脂またはシリカなどの粒子の表面を金属材料で被覆したものを用いることができる。金属材料としてニッケルや金を用いると接触抵抗を低減できるため好ましい。またニッケルをさらに金で被覆するなど、2種類以上の金属材料を層状に被覆させた粒子を用いることが好ましい。また接続体403として、弾性変形、または塑性変形する材料を用いることが好ましい。このとき導電性の粒子である接続体403は、
図18に示すように上下方向に潰れた形状となる場合がある。こうすることで、接続体403と、これと電気的に接続する導電層との接触面積が増大し、接触抵抗を低減できるほか、接続不良などの不具合の発生を抑制することができる。
【0194】
接続体403は、接着層402に覆われるように配置することが好ましい。例えば、硬化前の接着層402に接続体403を分散させておけばよい。
【0195】
図18では、ゲートドライバ151の例としてトランジスタ271が設けられている例を示している。
【0196】
図18では、トランジスタ271及びトランジスタ272の例として、チャネルが形成される半導体層231を2つのゲートで挟持する構成が適用されている。一方のゲートは導電層221により、他方のゲートは絶縁層212を介して半導体層231と重なる導電層223により構成されている。このような構成とすることで、トランジスタの閾値電圧を制御することができる。このとき、2つのゲートを接続し、これらに同一の信号を供給することによりトランジスタを駆動してもよい。このようなトランジスタは他のトランジスタと比較して電界効果移動度を高めることが可能であり、オン電流を増大させることができる。その結果、高速駆動が可能な回路を作製することができる。さらには、回路部の占有面積を縮小することが可能となる。オン電流の大きなトランジスタを適用することで、表示パネルを大型化、または高精細化したときに配線数が増大したとしても、各配線における信号遅延を低減することが可能であり、表示ムラを抑制することができる。
【0197】
トランジスタ271、トランジスタ272およびトランジスタ273はOSトランジスタであることが好ましい。そのため、半導体層231は酸化物半導体または金属酸化物を用いることが好ましい。
【0198】
なお、ゲートドライバ151が有するトランジスタと、画素153が有するトランジスタは、同じ構造であってもよい。またゲートドライバ151が有する複数のトランジスタは、全て同じ構造であってもよいし、異なる構造のトランジスタを組み合わせて用いてもよい。また、画素153が有する複数のトランジスタは、全て同じ構造であってもよいし、異なる構造のトランジスタを組み合わせて用いてもよい。
【0199】
各トランジスタを覆う絶縁層212、絶縁層213のうち少なくとも一方は、水や水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。すなわち、絶縁層212または絶縁層213はバリア膜として機能させることができる。このような構成とすることで、トランジスタに対して外部から不純物が拡散することを効果的に抑制することが可能となり、信頼性の高い表示パネルを実現できる。
【0200】
基板300側において、着色層411、遮光層412を覆って絶縁層413が設けられている。絶縁層413は、平坦化層としての機能を有していてもよい。絶縁層413により、導電層321の表面を概略平坦にできるため、液晶383の配向状態を均一にできる。
【0201】
表示パネル101を作製する方法の一例について説明する。例えば剥離層を有する支持基板上に、導電層322、導電層323、絶縁層220を順に形成し、その後、トランジスタ272、トランジスタ273、発光素子108、等を形成した後、接着層201を用いて基板200と支持基板を貼り合せる。その後、剥離層と絶縁層220、及び剥離層と導電層322のそれぞれの界面で剥離することにより、支持基板及び剥離層を除去する。またこれとは別に、着色層411、遮光層412、導電層321等をあらかじめ形成した基板300を準備する。そして基板200または基板300に液晶383を滴下し、接着層402により基板200と基板300を貼り合せることで、表示パネル101を作製することができる。
【0202】
剥離層としては、絶縁層220及び導電層322との界面で剥離が生じる材料を適宜選択することができる。特に、剥離層としてタングステンなどの高融点金属材料を含む層と当該金属材料の酸化物を含む層を積層して用い、剥離層上の絶縁層220として、窒化シリコンや酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン等を複数積層した層を用いることが好ましい。剥離層に高融点金属材料を用いると、これよりも後に形成する層の形成温度を高めることが可能で、不純物の濃度が低減され、信頼性の高い表示装置を実現できる。
【0203】
導電層322としては、金属酸化物、金属窒化物、または低抵抗化された酸化物半導体等の酸化物または窒化物を用いることが好ましい。酸化物半導体を用いる場合には、水素、ボロン、リン、窒素、及びその他の不純物の濃度、並びに酸素欠損量の少なくとも一が、トランジスタに用いる半導体層に比べて高められた材料を、導電層322に用いればよい。
【0204】
以上、本実施の形態に記載の表示装置を用いることで、低消費電力化を図るともに視認性に優れた表示装置を提供することができる。
【0205】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0206】
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態2で説明した表示装置を適用可能な表示モジュールの例について説明する。
【0207】
上記実施の形態2で説明した表示装置を適用可能な表示モジュールについて、
図19を用いて説明を行う。表示モジュールは、ディスプレイ_IFにおける低消費電力化を図るとともに、所望の電圧に昇圧する際の切り替えを高速に行うことができる。
【0208】
図19に示す表示モジュール900は、上部カバー901と下部カバー902との間に、FPC903に接続されたタッチパネル904、FPC905に接続された表示パネル906、フレーム909、プリント基板910、バッテリ911を有する。
【0209】
上記実施の形態2で説明した表示パネルは、例えば、表示パネル906に用いることができる。
【0210】
上部カバー901及び下部カバー902は、タッチパネル904及び表示パネル906のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。
【0211】
タッチパネル904は、抵抗膜方式または静電容量方式のタッチパネルを表示パネル906に重畳して用いることができる。また、表示パネル906の対向基板(封止基板)に、タッチパネル機能を持たせるようにすることも可能である。また、表示パネル906の各画素内に光センサーを設け、光学式のタッチパネルとすることも可能である。
【0212】
フレーム909は、表示パネル906の保護機能の他、プリント基板910の動作により発生する電磁波を遮断するための電磁シールドとしての機能を有する。またフレーム909は、放熱板としての機能を有していてもよい。
【0213】
プリント基板910は、電源回路、ビデオ信号及びクロック信号を出力するための信号処理回路を有する。電源回路に電力を供給する電源としては、外部の商用電源であっても良いし、別途設けたバッテリ911による電源であってもよい。バッテリ911は、商用電源を用いる場合には、省略可能である。
【0214】
また、表示モジュール900は、偏光板、位相差板、プリズムシートなどの部材を追加して設けてもよい。
【0215】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0216】
(実施の形態4)
本実施の形態では、上述の実施の形態で説明した表示モジュールを具備する電子機器の例について、
図20を用いて説明する。
【0217】
上述の実施の形態で説明した表示モジュールは、上述の実施の形態で説明した半導体装置を有する構成とすることができる。そのため、低消費電力化を図るとともに、所望の電圧に昇圧する際の切り替えを高速に行うことができる電子機器を実現することができる。
【0218】
電子機器の一例として、コンピュータ、携帯情報端末(携帯電話、携帯型ゲーム機、音響再生装置なども含む)、電子ペーパー、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、デジタルビデオカメラなどに、上述の表示モジュールを適用する場合について説明する。
【0219】
図20(A)は、携帯型の情報端末であり、筐体801、筐体802、第1の表示部803a、第2の表示部803bなどによって構成されている。第1の表示部803aと第2の表示部803bの少なくとも一部には、先の実施の形態に示す表示モジュールが設けられている。そのため、低消費電力化を図るとともに、所望の電圧に昇圧する際の切り替えを高速に行うことができる携帯型の情報端末が実現される。
【0220】
なお、第1の表示部803aはタッチ入力機能を有するパネルとなっており、例えば
図20(A)の左図のように、第1の表示部803aに表示される選択ボタン804により「タッチ入力」を行うか、「キーボード入力」を行うかを選択できる。選択ボタンは様々な大きさで表示できるため、幅広い世代の人が使いやすさを実感できる。ここで、例えば「キーボード入力」を選択した場合、
図20(A)の右図のように第1の表示部803aにはキーボード805が表示される。これにより、従来の情報端末と同様に、キー入力による素早い文字入力などが可能となる。
【0221】
また、
図20(A)に示す携帯型の情報端末は、
図20(A)の右図のように、第1の表示部803a及び第2の表示部803bのうち、一方を取り外すことができる。第2の表示部803bもタッチ入力機能を有するパネルとし、持ち運びの際、さらなる軽量化を図ることができ、一方の手で筐体802を持ち、他方の手で操作することができるため便利である。
【0222】
図20(A)に示す携帯型の情報端末は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表示した情報を操作又は編集する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有することができる。また、筐体の裏面や側面に、外部接続用端子(イヤホン端子、USB端子など)、記録媒体挿入部などを備える構成としてもよい。
【0223】
また、
図20(A)に示す携帯型の情報端末は、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。無線により、電子書籍サーバから、所望の書籍データなどを購入し、ダウンロードする構成とすることも可能である。
【0224】
更に、
図20(A)に示す筐体802にアンテナやマイク機能や無線機能を持たせ、携帯電話として用いてもよい。
【0225】
図20(B)は、電子ペーパーを実装した電子書籍端末810であり、筐体811と筐体812の2つの筐体で構成されている。筐体811及び筐体812には、それぞれ表示部813及び表示部814が設けられている。筐体811と筐体812は、軸部815により接続されており、該軸部815を軸として開閉動作を行うことができる。また、筐体811は、電源816、操作キー817、スピーカー818などを備えている。表示部813及び表示部814の少なくとも一には、先の実施の形態に示す表示モジュールが設けられている。そのため、低消費電力化を図るとともに、所望の電圧に昇圧する際の切り替えを高速に行うことができる電子書籍端末が実現される。
【0226】
図20(C)は、テレビジョン装置であり、筐体821、表示部822、スタンド823などで構成されている。テレビジョン装置820の操作は、筐体821が備えるスイッチや、リモコン操作機824により行うことができる。表示部822には、先の実施の形態に示す表示モジュールが設けられている。そのため、低消費電力化を図るとともに、所望の電圧に昇圧する際の切り替えを高速に行うことができるテレビジョン装置が実現される。
【0227】
図20(D)は、スマートフォンであり、本体830には、表示部831と、スピーカー832と、マイク833と、操作ボタン834等が設けられている。表示部831には、先の実施の形態に示す表示モジュールが設けられている。そのため低消費電力化を図るとともに、所望の電圧に昇圧する際の切り替えを高速に行うことができるスマートフォンが実現される。
【0228】
図20(E)は、デジタルカメラであり、本体841、表示部842、操作スイッチ843などによって構成されている。表示部842には、先の実施の形態に示す表示モジュールが設けられている。そのため、誤動作が少なく、低消費電力化が図られたデジタルカメラが実現される。
【0229】
以上のように、本実施の形態に示す電子機器の表示部には、先の実施の形態に係る表示モジュールを適用することができる。このため、低消費電力化を図るとともに、所望の電圧に昇圧する際の切り替えを高速に行うことができる電子機器が実現される。
【実施例】
【0230】
上記実施の形態で説明した
図1(B)の構成の半導体装置について、回路シミュレーションを行った。また、本発明の一態様の半導体装置と比較するため、cross−coupled型のレベルシフト回路についても併せて回路シミュレーションを行った。
【0231】
図23(A)、(B)には、cross−coupled型のレベルシフト回路を図示する。
図23(A)のレベルシフト回路85はトランジスタ81乃至84を有し、入力信号INおよび反転信号INBが入力され昇圧された出力信号OUTHを得る。
図23(B)のレベルシフト回路90はトランジスタ91乃至96を有し、入力信号INおよび反転信号INBが入力され昇圧された出力信号OUTHを得る。
【0232】
図21には、
図23(A)に図示したcross−coupled型のレベルシフト回路85を、
図1(B)のレベルシフト回路40と置き換えた回路図を示す。回路シミュレーションでは、
図1(B)と
図21において、入力信号INおよび反転入力信号INBを入力し、ノードPREOUTHBの電圧の変化、および出力信号OUTHの変化について見積もった。なおシミュレーションは、回路シミュレータSmartSpice(Silvaco社製)を用いた。なお電圧VDDHは3.3V、電圧VDDは1.2V、電圧VSSは0Vとした。
【0233】
まず
図22(A)には、入力信号INおよび反転入力信号INBの波形図について、横軸を時間(Time)、縦軸を電圧(Voltage)とした際の波形図について図示する。
図22(A)では、入力信号INを実線、反転入力信号INBを破線で図示している。
【0234】
図22(A)に図示するように、入力信号INおよび反転入力信号INBは、論理の反転した信号であることが確認できた。
【0235】
図22(B)には、
図1(B)におけるノードPREOUTHBの電圧の変化と、
図21におけるノードPREOUTHBの電圧の変化について、横軸を時間(Time)、縦軸を電圧(Voltage)とした際の波形図について図示する。
図22(B)では、
図1(B)におけるノードPREOUTHBの電圧の変化を実線、
図21におけるノードPREOUTHBの電圧の変化を破線で図示している。
【0236】
図22(B)に図示するように、
図1(B)におけるノードPREOUTHBの電圧の変化は、
図21におけるノードPREOUTHBの電圧の変化に比べて振幅電圧が大きいことが確認できた。
【0237】
図22(C)には、
図1(B)における出力信号OUTHと、
図21における出力信号OUTHについて、横軸を時間(Time)、縦軸を電圧(Voltage)とした際の波形図について図示する。
図22(C)では、
図1(B)における出力信号OUTHを実線、
図21における出力信号OUTHを破線で図示している。
【0238】
図22(C)に図示するように、
図1(B)における出力信号OUTHは、
図21における出力信号OUTHに比べて振幅電圧が大きく、信号の立ち上がりおよび立ち下がりが良好であることが確認できた。