(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一又は相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
【0016】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態のスパウト付きパウチ及びスパウトについて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態のスパウト付きパウチの一例を示す模式的な正面図である。
図2は、本発明の第1の実施形態のスパウト付きパウチの模式的な分解斜視図である。
図3は、本発明の第1の実施形態のスパウトの主要部の模式的な斜視図である。
図4(a)、(b)、(c)は、本発明の第1の実施形態のスパウトの主要部の模式的な平面図、右側面図、及び正面図である。
なお、各図面は、模式図のため形状や寸法は誇張されている(以下の図面も同じ)。
【0017】
図1に示す本実施形態のスパウト付きパウチ1は、流動体からなる内容物を後述する注出口から注出可能に収容する容器である。スパウト付きパウチ1に収容する内容物は、流動体であれば、特に限定されない。スパウト付きパウチ1に収容する内容物の例としては、例えば、飲料、流動性食品、レトルト食品、食品原料、液状調味料、又は薬液等が挙げられる。
スパウト付きパウチ1は、容器本体4、スパウト2、及びキャップ3を備える。
【0018】
容器本体4の構成は、内容物を液密に収容することができ、後述するスパウト2が固定できれば特に限定されない。例えば、容器本体4は、サイドガゼット袋、底ガゼット袋、側部及び底部にガゼットを有する袋、ピロー袋、又は積層フィルムを3方シール或いは4方シールした平袋等が用いられてもよい。
図1に示す例では、容器本体4として、サイドガゼット袋が用いられている。すなわち、容器本体4は、前面フィルム4aと、前面フィルム4aと重なる後面フィルム4bとの間に、折り目部Vにて2つ折りに折りたたまれた側面フィルム4c、4dが挟まれて構成されている。
容器本体4の下端部に重ねられた前面フィルム4a、後面フィルム4b、及び側面フィルム4b、4cは、底部シール4eによって互いに接着されている。
容器本体4の両側部における前面フィルム4aの両端部と、前面フィルム4aの両端部に重ねられた側面フィルム4c、4dの各端部とは、側部シール4f、4gによって互いに接着されている。同様に、容器本体4の両側部における後面フィルム4bの両端部と、後面フィルム4bの両端部に重ねられた側面フィルム4c、4dの各端部とは、図示略の側部シールによって互いに接着されている。これにより、前面フィルム4aと後面フィルム4bとの間に接着される側面フィルム4c、4dによって、容器本体4の側面部が構成される。
容器本体4の上端部には、中心部に後述するスパウト2が挟まれた状態で、前面フィルム4a、後面フィルム4b、及び側面フィルム4b、4cを互いに接着する上部シール4hが形成されている。
【0019】
容器本体4の前面フィルム4a、後面フィルム4b、及び側面フィルム4b、4c(以下、総称する場合に各フィルムと称する場合がある。)は、少なくとも基材層とシーラント層とが積層された積層フィルムによって構成されている。各フィルムのシーラント層は、容器本体4の内面を構成するように配置されていることがより好ましい。
基材層としては、印刷適性に優れ、耐突刺し性、耐衝撃性等にも優れるフィルム材料が用いられることがより好ましい。
基材層は、単層フィルムで構成されてもよいし、複数の層を有する多層フィルムが用いられてもよい。
基材層として好適なフィルム材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、エチレンビニルアルコール共重合体等が挙げられる。基材層のフィルム材料としては、二軸延伸フィルムが用いられてもよいし、一軸延伸フィルムが用いられてもよい。
基材層のフィルム材料は、酸素や水蒸気に対するバリア性を付与するために、例えば、アルミニウム、マグネシウム等の金属、又は酸化アルミニウムもしくは酸化珪素等の酸化物が蒸着された蒸着フィルム、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン等のバリア性コート剤によるコート層が形成されたコートフィルム等が用いられてもよい。
【0020】
シーラント層は、単層フィルムで構成されていてもよいし、ヒートシール可能な樹脂材料を含む複数の層を有する多層フィルムで構成されていてもよい。ヒートシール可能な樹脂材料としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。シーラント層は、上述の樹脂材料で形成された未延伸フィルムが用いられてもよいし、上述の樹脂材料が押し出されて形成されてもよい。
【0021】
容器本体4を構成する各フィルムは、必要に応じて、基材層とシーラント層との間に中間層が設けられてもよい。
中間層としては、例えば、上述の基材層に用いられるフィルム材料の他、アルミニウム等の金属箔を用いられてもよい。また、中間層は必要に応じて2層以上設けられてもよい。
【0022】
容器本体4の各フィルムを構成する積層フィルムは、例えば、接着剤を用いたドライラミネート法、熱接着性樹脂を用いた押し出しラミネート法等によって製造可能である。
【0023】
図2に示すように、スパウト2は、第1端部E1から第2端部E2に向かって、筒状部2a(管状部)と、導管部2f(管状部)とが配置された細長い管状部材である。
筒状部2aは、容器本体4に収容された内容物を注出するための貫通孔を有している。筒状部2aの第1端部E1には、貫通孔による注出口p1が開口している。
注出口p1の開口形状は、特に限定されない。注出口p1の開口形状は、必要に応じて、例えば、円形、多角形、楕円形等の適宜の形状が用いられてもよい。
図2に示す例では、一例として、注出口p1は円形である。このため、筒状部2aは円筒状に形成されている。以下では、筒状部2aの外径がDであるとして説明する。
【0024】
筒状部2aの外周部には、第1端部E1から第2端部E2に向かって、雄ねじ2b(キャップ取り付け部)、係止部2c、フランジ部2d、及び取り付け部2e(容器本体取り付け部)が設けられている。
【0025】
雄ねじ2bは、後述するキャップ3を着脱可能に固定する。本実施形態では、雄ねじ2bは右ねじである。
係止部2cは、後述するキャップ3を軸方向に係止する板状部である。係止部2cは、筒状部2aの中心軸線Oに直交する平面が筒状部2aの外周面から径方向外側に延びて構成される。係止部2cは、中心軸線Oに沿う方向(以下、軸方向と称する)から見ると略円環状である。ただし、係止部2cは、成形の都合等によって、
図2に示すように、周方向に不連続に形成されていてもよい。
係止部2cの外径は、後述するキャップ3の内径よりも大きい。
【0026】
図3に主要部を示すように、フランジ部2dは、筒状部2aの外周面から径方向外側に延出する板状部によって形成される。
図3に示す例では、フランジ部2dは、第1フランジf1、第2フランジf2、第3フランジf3、及び第4フランジf4を備える。
図4(a)に示すように、フランジ部2dは、軸方向から見ると、中心軸線Oに対して180°回転対称な形状を有する。このため、フランジ部2dにおいて、互いに180°回転対称な位置にある部位は、同一の符号で表すこととし、重複する説明を省略する。
軸方向から見て、中心軸線Oと直交する軸線L1(第1の軸線)は、容器本体4に内容物が未充填の場合に容器本体4の上部シール4hが延びる直線に重なる。軸線L2(第2の軸線)は、中心軸線O及び軸線L1に直交する直線である。
【0027】
軸方向から見た第1フランジf1、第2フランジf2、及び第3フランジf3の形状は、互いに同一である。第1フランジf1、第2フランジf2、及び第3フランジf3は、軸線L2から測って距離D/2の位置から軸線L1に沿う方向に延びる平板部である。
第1フランジf1、第2フランジf2、及び第3フランジf3の軸方向から見た形状は、それぞれの延在方向に細る台形状である。第1フランジf1、第2フランジf2、及び第3フランジf3のそれぞれにおける延在方向の先端部2kと、軸線L2と、の軸方向から見た距離は、D/2+d3である。ここで、d3は、第1フランジf1、第2フランジf2、及び第3フランジf3の基端から先端部2kまでの軸線L1に沿う方向の長さである。
軸線L2に沿う方向における先端部2kの位置は、軸線L1から距離d1を超えない範囲に収められている。先端部2kは、軸線L1に対していずれの方向に偏って形成されていてもよいが、
図4(a)に示す例では、先端部2kは、軸線L1に対して、図示時計回り方向に偏って形成されている。
【0028】
図4(c)に示すように、第1フランジf1、第2フランジf2、及び第3フランジf3は、軸方向において隙間をあけてこの順に配置されている。
このため、第1フランジf1及び第3フランジf3は、第1フランジf1、第2フランジf2、及び第3フランジf3のうちでは、軸方向における最外部に位置するフランジ(鍔)になっている。
第1フランジf1と第2フランジf2との間には、軸線L2に沿って(紙面奥行き方向に)延びる溝部s1が形成されている。同様に、第2フランジf2と第3フランジf3との間には、軸線L2に沿って(紙面奥行き方向に)延びる溝部s2が形成されている。本実施形態では、溝部s1、s2の各溝底から先端部2kまでの軸線L1に沿う方向の距離はd3になっている。
第1フランジf1の図示最上面と、第3フランジf3の図示最下面の間の距離h1は、指で支持しやすいように、例えば、5mm以上30mm以下であることが好ましく、10mm以上20mm以下であることがより好ましい。第1フランジf1の最上面と、第3フランジf3の最下面との間の距離h1が上記の範囲にあれば、フランジ部2dを手指で支持やすくなるので、キャップの開栓が容易になる。
軸方向における溝部s1、s2の溝幅は、溝部s1、s2の少なくとも一方を後述する保持レール101に挿入できる寸法となっていれば、特に限定されない。
【0029】
図4(a)に示すように、第4フランジf4は、筒状部2aの外周面から軸線L2に沿って径方向外側に延ばされた板状部である。第4フランジf4は、軸線L2を挟んで対向する各第1フランジf1、各第2フランジf2、各第3フランジf3の基端部に接続されている。このため、第4フランジf4の軸線L1に沿う方向の最大幅は、筒状部2aの外径Dに等しい。
第4フランジf4の延在方向(軸線L1に沿う方向)の先端部は、第1側面部2m(外形部)、第2側面部2n、及び第3側面部2pを備えて構成される。
第1側面部2mは、軸方向から見て、軸線L1から距離d1の平面部である。
第2側面部2nは、軸方向から見て、先端部2kからの距離がd4(ただし、D/2+d3≦d4<D+d3)の平面部である。
第3側面部2pは、軸方向から見て、軸線L1から距離d2(ただし、d2>d1)の平面部である。
このため、第4フランジf4は、軸方向から見て、第1側面部2mから径方向外側に、距離(d1+d2)/2を超えて突出する突出部2iを有している。
【0030】
図2に示すように、取り付け部2eは、スパウト2において、前面フィルム4aと後面フィルム4bとを図示上縁部において液密に接着するための部位である。
図4(c)に示すように、取り付け部2eは、第3フランジf3に隣り合ってフランジ部2dの図示下側に設けられている。
図4(a)に破線で示すように、取り付け部2eは、筒状部2aの外周面から軸線L1に沿う方向に、軸線L1を中心する板状に延びている。取り付け部2eにおける軸線L2に沿う方向の幅は、筒状部2aの外周面から離れるにつれて漸次減少している。取り付け部2eにおける軸線L2に沿う方向の幅は、延在方向の先端部で、ほぼ0になっている。このため、取り付け部2eを挟んで接着された前面フィルム4a及び後面フィルム4bは、取り付け部2eの先端部において段差が生じないため、取り付け部2eの先端部と上部シール4hとは液密な接着が可能となっている。
【0031】
取り付け部2eは、軸方向から見てフランジ部2dの外形の内側に、フランジ部2dの面積よりも小さい面積を有する形状に形成されている。これにより、
図4(b)に示すように、第3フランジf3及び第4フランジf4の下端面(図示左側の面)は、取り付け部2eの上端部から側方に張り出して段状部2qを構成している。
このような構成により、段状部2qは、スパウト2を容器本体4に接着する際に、スパウト2が容器本体4の内部に落ち込まないように容器本体4の上端部に係止する係止面の機能を有する。
【0032】
図2に示すように、導管部2fは、容器本体4の内部に挿入され、容器本体4内の内容物を筒状部2aの注出口p1に導く管路を構成する部位である。
導管部2fは、筒状部2aと連通していれば、管路の太さ、形状は特に限定されない。例えば、導管部2fは、筒状部2aと同形状の管状部でもよいし、筒状部2aから拡径する管状部でも、あるいは縮径する管状部でもよい。例えば、導管部2fの管路断面は、軸線L1に沿って細長く形成された扁平形状を有していてもよい。
本実施形態では、導管部2fは、取り付け部2eから中心軸線Oに沿って延びる細長い円筒状に形成されている。導管部2fは、延在方向の先端に向かうにつれて緩やかに縮径している。このため、導管部2fの先端における開口部p2は、注出口p1よりも開口面積が小さい。
本実施形態では、容器本体4の内容物が注出口p1に円滑に流れるように、取り付け部2e寄りの導管部2fの側面に、軸方向に細長い形状で貫通する複数の長孔部2hが形成されている。これにより、開口部p2に加えて各長孔部2hからも容器本体4の内容物が導管部2fの管内に流入できるようになっている。
【0033】
さらに、本実施形態では、長孔部2hの長手方向に並行する導管部2fの外周面から、軸線L1に沿う両側方において軸線L1に沿って延びる板状部2gがそれぞれ形成されている。板状部2gの板厚は、取り付け部2eにおける筒状部2aの近傍の板厚よりも薄い。このため、容器本体4の内容物が少なくなり、取り付け部2eに接着された前面フィルム4a及び後面フィルム4bが導管部2fに密着しようとしても、少なくとも取り付け部2eの近傍では、板状部2gと長孔部2hとの間に隙間が残る。これにより、長孔部2hが前面フィルム4a及び後面フィルム4bに完全に塞がれることないため、長孔部2hからの内容物の流入路が確保される。さらに、板状部2gは、容器本体4から長孔部2hへの内容物の流れをガイドするガイド板の機能も有するため、板状部2gによって内容物が長孔部2hに向かって円滑に流れる。
【0034】
このような構成のスパウト2は、少なくとも取り付け部2eの表面が、容器本体4の前面フィルム4a及び後面フィルム4bと接着可能な樹脂材料からなる。取り付け部2eに用いられる樹脂材料は、前面フィルム4a及び後面フィルム4bをヒートシールによって接着可能な材料であることがより好ましい。
本実施形態では、取り付け部2eを含むスパウト2の全体が、前面フィルム4a及び後面フィルム4bをヒートシールによって接着可能な材料で構成されている。このような樹脂材料としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂が挙げられる。
【0035】
キャップ3は、スパウト2の注出口p1を液密に封止するため、スパウト2に着脱可能に固定される栓部材である。
図2に示すように、キャップ3は、図示下方に開口する有底円筒状に形成されている。キャップ3は、底部を構成する上面部3aと、上面部3aから図示下方に延びる円筒部である側面部3bとを備える。
【0036】
図示は省略するが、上面部3aの裏面には、容器本体4の内容物を液密に封止するため、適宜の液密保証構造が形成されている。液密保証構造の例としては、キャップ3の内周部に一体成形されたインナーパッキンと突起部とによる嵌合構造が挙げられる。ここで、インナーパッキンは、キャップ3の上面部3aの裏面から突出され、筒状部2aの内周面に嵌合する筒状の構造部分である。突起部は、インナーパッキンよりも外周側において、筒状部2aの先端部と対向する位置に設けられ、インナーパッキンよりも低い平面視円環状に突出した構造部分である。このような液密保証構造によれば、キャップ3がスパウト2の雄ねじ2bに締め込まれる際に、インナーパッキンが筒状部2aの内周面に嵌合し、かつ突起部が筒状部2aの先端面に密着して当接する。これにより、筒状部2aの注出口p1が液密に封止される。
液密保証構造の他の例としては、キャップ3の上面部3aの裏面に筒状部2aの先端部と密着して当接するシール体が設けられた構造が挙げられる。
以下では、キャップ3の液密保証構造が、一例として、図示略のインナーパッキンと突起部とを備える場合の例で説明する。
【0037】
側面部3bの外周面には、キャップ3を着脱する際の滑り止めとなる凹凸部が形成されている。本実施形態の凹凸部は、一例として、軸方向に延びる多数のV字溝で構成された平目ローレット状に形成されている。
図示は省略するが、側面部3bの内周部には、筒状部2aの外径よりも大径の円筒状の内周面と、内周面に形成され雄ねじ2bと螺合する雌ねじが形成されている。このため、キャップ3は、上面部3aから側面部3bの開口部の方を見たときに右回り(時計回り)に回転することにより、雄ねじ2bとねじ締結される。
キャップ3は、側面部3bの図示略の先端部が係止部2cと当接するまでねじ込むことが可能である。
【0038】
側面部3bの先端側には、軸方向から見て円弧状のピルファープルーフバンド3cが図示略の薄肉の接続部を介して接続されている。
ピルファープルーフバンド3cは、キャップ3の最初の開栓時に、キャップ3を左回しすることによって、側面部3bとの図示略の接続部が破断するようになっている。本実施形態では、ピルファープルーフバンド3cは、図示略の接続部が破断すると、2つの円弧状に分割された状態で、側面部3bから取り外すことができるようになっている。
図1に示すように、ピルファープルーフバンド3cの内径は、係止部2cの外径よりも大きい。ピルファープルーフバンド3cの外径は、フランジ部2dの第2側面部2m間の軸線L2に沿う方向の幅よりも小さい。フランジ部2dの第2側面部2m間の軸線L2に沿う方向の幅は、距離d1の2倍である。
【0039】
キャップ3は、ピルファープルーフバンド3cが一体成形によって製造可能な樹脂材料によって形成されている。例えば、キャップ3は、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂によって製造されてもよい。
【0040】
このような構成を備えるスパウト付きパウチ1の作用について、スパウト付きパウチ1の製造方法及びスパウト付きパウチ1の開栓方法とともに説明する。
スパウト付きパウチ1は、例えば、以下のようにして製造されてもよい。
まず、前面フィルム4a、後面フィルム4b、及び側面フィルム4c、4dがヒートシールされることによって、取り付け部2eと接着される部分(以下、開口部と称する。)のみが開口する容器本体4が製造される。ヒートシール後の容器本体4は、側面フィルム4c、4dが内側に折りたたまれていることで、全体として、一葉のシート状に形成される。このため、開口部は、上部シール4hの中央部において、互いに未接着の前面フィルム4a及び後面フィルム4bが重なり合って構成されている。
開口部の内周長さは、スパウト2の取り付け部2eの周方向長さよりも長い。
【0041】
この後、容器本体4の開口部が開かれて、容器本体4の内部に、導管部2fを先端としてスパウト2が挿入される。スパウト2は、第3フランジf3及び第4フランジf4とで構成される段状部2qが、開口部における容器本体4の上端部に係止するまで、挿入される。これにより、スパウト2が容器本体4に対して軸方向に位置決めされる。スパウト2の取り付け部2eは開口部における前面フィルム4a及び後面フィルム4bによって挟まれる。
この後、開口部を含む容器本体4の上端部を構成する前面フィルム4a及び後面フィルム4bがヒートシール装置に挟まれた状態でヒートシールされる。これにより、開口部における前面フィルム4a及び後面フィルム4bがスパウト2の取り付け部2eに接着される。さらに、取り付け部2eと未接着の開口部において互いに対向する前面フィルム4a及び後面フィルム4bも互いに接着される。
【0042】
このようにして、容器本体4にスパウト2が液密な状態で取り付けられた中間製品1A(
図2参照)が製造される。
中間製品1Aでは、内容物が充填されておらず、側面フィルム4c、4dが折りたたまれている状態であるため、上部シール4hは、軸線L1に沿う直線上に延びている。さらに、容器本体4は、軸方向から見ると、全体として軸線L1に沿う扁平なシート状である。
【0043】
この後、スパウト2の注出口p1を通して、容器本体4の内部に内容物が充填される。中間製品1Aを製造する工程と、内容物を充填する工程とは、作業内容や求められる製造環境の清浄度等が異なるので、それぞれの作業が別の場所で行われることが多い。このため、中間製品1Aは、一定の搬送単位にまとめられて内容物の充填が行われる場所に搬入されることが多い。
図5は、本発明の第1の実施形態の中間製品の集積体の一例を示す模式的な斜視図である。
図6は、
図5におけるA視図である。
図7は、
図6におけるB−B断面図である。
【0044】
図5に示すように、複数の中間製品1Aは、搬送組立体100(中間製品の集積体)を構成した状態でまとめて搬送される。
図6に示すように、搬送組立体100における複数の中間製品1Aは、保持レール101に吊り下げられた状態で搬送される。
保持レール101は、直線状に延びる四角筒部材の一つの外周平面部の中心部に、長手方向の全長にわたってスリット101cが形成されて構成される。
図6に示すように、長手方向において見ると、保持レール101は、天面部101d、側面部101e、101f、第1レール部101a、及び第2レール部101bを備える。
天面部101dは、スリット101cに対向する平面部である。
側面部101e、101fは、天面部101dの短手方向(図示左右方向)の端部からそれぞれ図示下方に延びる平面部である。側面部101e、101fは、天面部101dの短手方向において互いに対向している。
第1レール部101aは、側面部101eの下端部から側面部101fに向かって直角に折り曲げられた板状部である。
第2レール部101bは、側面部101fの下端部から側面部101eに向かって直角に折り曲げられた板状部である。
第1レール部101a及び第2レール部101bは、天面部101dと平行な同一平面上に並んでおり、それぞれの先端部の間に、幅Wのスリット101cが形成されている。
【0045】
第1レール部101a及び第2レール部101bの板厚は、溝部s1の溝幅よりも薄い。
スリット101cの幅W1は、スパウト2において互いに対向する各溝部s1の溝底間の距離Dよりも広く、第2フランジf2の各先端部2kの間の距離(D+2×d3)よりも狭い。
側面部101e、101fの間の距離W2は、第2フランジf2の各先端部2kの間の距離(D+2×d3)よりも広い。
第1レール部101a及び第2レール部101bの内面(上面)と、天面部101d内面(下面)と、の間の距離Hは、第1フランジf1の下面から筒状部2aの先端面(上面)までの距離h2よりも大きい。
保持レール101の材料は、特に限定されず、例えば、合成樹脂、金属等でもよい。
【0046】
このような構成により、各中間製品1Aの各スパウト2は、各第1フランジf1を保持レール101の第1レール部101a及び第2レール部101b上に係止した状態で、保持レール101内において保持レール101の長手方向に平行移動可能に保持される。
本実施形態では、スパウト2の溝部s1が軸線L2に平行に延びているため、
図7に示すように、各中間製品1Aのスパウト2は、軸線L2が保持レール101の長手方向に向くように、第1レール部101a及び第2レール部101bの間に挿入される。これにより、各中間製品1Aの各容器本体4は、保持レール101の下側において、保持レール101の長手方向に直交する姿勢で吊り下げられている(
図5参照)。
図7に示すように、保持レール101に保持された各スパウト2は、軸線L2に沿って隣り合って並んだスパウト列を構成している。例えば、互いに隣り合うスパウト2の一方をスパウト2A(第1のスパウト)、他方をスパウト2B(第2のスパウト)と称すると、軸線L1に沿う方向から見て、スパウト2Bの突出部2iがスパウト2Aに重なるように延びている。そして、スパウト2Bの外形の一部である突出部2iの第3側面部2pは、スパウト2Aの外形の一部である第1側面部2mと対向している。同様に、スパウト2Bの第1側面部2mは、スパウト2Aの第3側面部2pと対向している。
本実施形態の搬送組立体100では、互いに隣り合うすべてのスパウト2が、スパウト2A、2Bのように、互いに対向する第1側面部2m及び第3側面部2pが、互いに当接することによって、軸線L2方向において、各スパウト2が最小配列ピッチで保持されている。
【0047】
各スパウト2は、第1フランジf1よりも上側が、保持レール101の天面部101d、側面部101e、101f、第1レール部101a、及び第2レール部101bによって周囲を囲まれているため、筒状部2aの外周面及び注出口p1が外部に直接的に露出しない。このため、筒状部2aの外周面及び注出口p1と他部材との接触が抑制されるため、中間製品1Aの衛生的な搬送が可能である。
【0048】
搬送効率の観点からは、保持レール101における各中間製品1Aの保持個数はできるだけ多いことが好ましい。本実施形態における中間製品1Aの最小配列ピッチΔ1は、
図7に示すように、隣り合うスパウト2のフランジ部2dの第1側面部2mと第3側面部2pとが互いに当接する位置関係に配置された場合の、各中心軸線O間の距離Δ1(=d1+d2)である。
本実施形態では、隣り合うフランジ部2dの突出部2iがフランジ部2dにおける相対的な凹部である第1側面部2mに対向するため、フランジ部2dの軸線L2に沿う全幅が2×d2であっても、最小配列ピッチΔ1は、2×d2未満のd1+d2に押さえられている。このため、中間製品1Aは、フランジ部2dの全幅の大きさに比べて、より短い最小配列ピッチで保持レール101内に保持される。このため、1つの保持レール101当たりの搬送数が増大するため、搬送効率及び物流効率が向上される。
【0049】
保持レール101を用いて、内容物の充填が行われる場所に各中間製品1Aが搬入されると、中間製品1Aに内容物が充填される。
例えば、中間製品1Aは、保持レール101から、図示略の内容物充填装置に移動され、内容物充填装置によって搬送されながら、内容物が注出口p1から充填される。その際、各中間製品1Aは、例えば、第1レール部101a及び第2レール部101bと同様なスリットを形成するレール部、移送治具、搬送ロボット等を介して、注出口p1を上に向けた状態で、製造ライン上を移動する。このため、内容物充填装置の充填ステーションでは、内容物が、注出口p1上に配置された注入口から容器本体4の内部に充填される。
【0050】
内容物が充填された中間製品1Aは、封止ステーションに移動され、筒状部2aに、ピルファープルーフバンド3cが形成されたキャップ3が螺合される。このとき、キャップ3の内部の図示略のインナーパッキンが筒状部2aの先端部の内周面に嵌合するとともに、キャップ3の内部の図示略の突起部が筒状部2aの先端面の全周にわたって当接する。これにより、筒状部2aの注出口p1はキャップ3によって液密に封止される。
以上で、内容物が充填されたスパウト付きパウチ1が製造される。
【0051】
スパウト付きパウチ1は、キャップ3を開栓して使用される。
図8は、本発明の第1の実施形態のスパウト付きパウチの開栓方法を示す模式的な斜視図である。
図9は、本発明の第1の実施形態のスパウト付きパウチの開栓方法を示す模式的な平面図である。
【0052】
図8に示すように、スパウト付きパウチ1のキャップ3を開栓するには、例えば、使用者は、スパウト2のフランジ部2dの第1指F1と第2指F2とで把持する。具体的に、容器本体4が把持の邪魔にならないように、
図9に示すように、軸線L1を挟んで各第1側面部2m及び各突出部2iを第1指F1と第2指F2とで把持する。
使用者は、フランジ部2dを把持した手と反対の手でキャップ3の側面部3bを把持し、左回り(反時計回り)にキャップ3をねじる。キャップ3の回転が進むにつれて、キャップ3がスパウト2の軸方向に離間する方向に引き上げられる。このとき、キャップ3の図示略のインナーパッキンと突起部とがそれぞれ筒状部2aの内周面および先端面から離間して注出口p1の密閉状態が解除される。これと並行して、ピルファープルーフバンド3cにおける側面部3bとの接続部が破断される。これによって、スパウト付きパウチ1が未開封状態ではないことが証明される。
【0053】
このような開栓動作において、
図9に示すように、キャップ3が回転直後までの間、フランジ部2dを把持する使用者の手は、フランジ部2dがキャップ3とともに左回りの力のモーメントを受ける。このとき、フランジ部2dから使用者の指に作用する力P1、P2は、作用点における中心軸線Oからの距離が離れるほど小さくなる。このため、使用者の指との当接部が、中心軸線Oから離れれば離れるほど、使用者の指への負荷が軽減される。
開封者は、キャップ3をねじる手に利き手を用いることがほとんどであるため、フランジ部2dは、利き手でない方の手で把持されることが多い。このため、開封者に開栓の負荷が少ないと感じさせるためには、キャップ3の外径に比べて、フランジ部2dの外径を大きくすることがより好ましい。
【0054】
本実施形態では、フランジ部2dがキャップ3の外径よりも径方向外側に突出する突出部2iを有するため、フランジ部2dが突出部2iに指をかけて把持されることによって、開封者の指への負荷が軽減される。
さらに、突出部2iは、負荷荷重の作用する方向と反対向きに見て第1側面部2mから突出する段状部を構成しているため、突出部2iが指の腹に引っ掛かり易くなっている。このため、開封者はフランジ部2dを滑らすことなくより確実に把持することが可能になる。これにより、指が滑って開封が失敗するといった不具合が確実に防止される。
さらに、突出部2i及び第1側面部2mは、軸方向に連続した面形状を有するため、複数のフランジの端部によって構成される場合に比べて、指に作用する圧力が低下する点でも、使用者への負荷が低減される。
【0055】
このように、フランジ部2dの外径は大きければ大きいほど、開封者の負荷は低減できる。しかし、フランジ部2dの外径が大きくなればなるほど、保持レール101に保持できる個数が低減するため、搬送効率が低下する。
本実施形態によれば、スパウト2を軸線L2に沿って並べたときに、隣り合う突出部2i同士が、対向することなく相対的な凹部である第1側面部2mに当接できるため、突出部2iの大きさの割に、最小配列ピッチが小さくなる。このため、スパウト付きパウチ1によれば、開栓が容易でありながら、物流効率も良好となる。
【0056】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態のスパウト付きパウチ及びスパウトについて説明する。
図10は、本発明の第2の実施形態のスパウト付きパウチの一例の主要部を示す模式的正面図である。
図11は、本発明の第2の実施形態のスパウト付きパウチの一例の主要部を示す模式的な平面図である。
【0057】
図10に主要部の構成を示すように、本実施形態のスパウト付きパウチ11は、上記第1の実施形態のスパウト付きパウチ1のスパウト2に代えて、スパウト12を備える。ただし、
図10では、簡単のため、キャップ3、係止部2cの図示は省略されている。
以下では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0058】
図10に示すように、スパウト12は、上記第1の実施形態のスパウト2のフランジ部2dに代えてフランジ部12dを備える。フランジ部12dは、筒状部2aの外周面から径方向外側に延出された板状部によって形成される。
ただし、フランジ部12dは、フランジ部2dの第1フランジf1、第2フランジf2、第3フランジf3、及び第4フランジf4に代えて、第1フランジf11、第2フランジf12、及び第3フランジf13を備える。
軸方向から見た第1フランジf11、第2フランジf12、及び第3フランジf13の外形は、互いに等しく、各外形は、軸方向に見て互いに重なる位置関係に配置されている。
第1フランジf11と第2フランジf12との間、及び第2フランジf12と第3フランジf13との間には、それぞれ、上記第1の実施形態における溝部s1、s2と同じ溝幅を有する溝部s11、s12が形成されている。ただし、溝部s11、s12は、筒状部2aの外周面の全周を囲むように形成されている。
【0059】
図11に示すように、フランジ部12dは、軸方向から見ると、中心軸線Oに関して180°回転対称な形状を有する。このため、上記第1の実施形態と同様、フランジ部12dにおいて、互いに180°回転対称な位置にある部位は、同一の符号で表すこととし、重複する説明を省略する。軸線L1、L2は、上記第1の実施形態と同様の軸線である。
以下では、第1フランジf11、第2フランジf12、及び第3フランジf13の形状について、
図11に示す第1フランジf11の例で説明する。
【0060】
第1フランジf11の外形は、軸方向から見て、軸線L2を挟んで対向する第1側面部12kと、軸線L1を挟んで対向する第2側面部12m(外形部)と、各第2側面部12mの両端部から各第1側面部12kに向かって延びる傾斜面部12n、12pと、によって囲まれる凹八角形状に形成されている。
第1フランジf1の外形は、軸方向から見て、図示時計回りに第1側面部12k、傾斜面部12n、第2側面部12m、傾斜面部12p、第1側面部12k、傾斜面部12n、第2側面部12m、及び傾斜面部12pが、この順に接続されて構成されている。各接続部は、滑らかに接続するための丸みが付与されている。
【0061】
各第1側面部12kは、中心軸線Oから距離D/2+d3の位置において、軸線L2と平行に形成されている。
各第2側面部12mは、中心軸線Oから距離d1の位置において、軸線L1と平行に形成されている。各第2側面部の両端部は軸線L2から距離d13(ただし、d13<D/2+d3)の位置に形成されている。
第1側面部12kと傾斜面部12nによって囲まれた部位は、第2側面部12mに対して三角形状に突出する突出部12iを構成している。このため、第2側面部12mと傾斜面部12nとのなす内角は、180°を超えており、凹八角形における凹状の外形を形成している。
軸線L2に沿う方向における突出部12iの先端部は、軸線L1から距離d12(ただし、d1<d12<2×d1)の位置に形成されている。
傾斜面部12pは、傾斜面部12pが接続する第2側面部12mに関して、傾斜面部12nと反対側に同角度で傾斜している。このため、傾斜面部12pは、第2側面部12mと第1側面部12kとの延長線が交わる角部において、突出部12iと同形状の三角形が切り欠かれたような面取り部になっている。
【0062】
本実施形態のスパウト付きパウチ11及びスパウト12の作用について説明する。
図12は、本発明の第2の実施形態のスパウト付きパウチの作用を説明する模式的平面図である。
【0063】
図11に示すように、スパウト12のフランジ部12dの軸線L2に沿う方向における幅は、軸線L1に沿う各位置で2×d1以下である。
スパウト12を軸線L2に沿って、互いに干渉することなく配列する(
図11の二点鎖線参照)と、最小配列ピッチは、Δ2(=2×d1)になる。
ただし、第1フランジf11、第2フランジf12、及び第3フランジf13は、それぞれ第2側面部12mから軸線L2に沿う方向に突出する突出部12iを備えるため、軸線L2に沿う方向におけるフランジ部12dの全幅は、最小配列ピッチΔ2よりも大きい2×d12になっている。
スパウト12は、第1の実施形態における溝部s1と同じ溝幅を有する溝部s11を有し、上記第1の実施形態の保持レール101に対してスパウト2と同様に挿入可能である。これにより、保持レール101は、複数のスパウト12を上記第1の実施形態と同様に保持することが可能である。このため、特に図示しないが、上記第1の実施形態の搬送組立体100において、スパウト2に代えてスパウト12が用いられてもよい。
【0064】
さらに、軸方向から見たフランジ部12dの軸線L1を挟む側面の形状は、第2側面部12mよりも軸線L1側に屈曲する傾斜面部12pと、第2側面部12mと、第2側面部12mよりも軸線L1から離れる側に屈曲する傾斜面部12nとからなる折れ線状に形成されている。このため、使用者は、例えば、
図12に示すように、このような側面形状に沿って、第2指F2の指先を傾斜面部12nに押し当て、第2指F2の腹を第2側面部12m及び傾斜面部12pに沿わせるとともに、第1指F1の腹を第2側面部12mに押し当て、第1指F1の第1関節を突出部12iに引っかけるようにして、フランジ部12dを把持することができる。
このため、使用者は、突出部12iに指をかけることで、開栓時のフランジ部12dの回転を容易に阻止できる。さらに、各指が幅2×d1の第2側面部12m同士を挟んで把持する場合に比べて、突出部12iに指をかけることで、フランジ部12dからの力のモーメントを受ける腕の長さを長くとれるため、開栓時に使用者が受ける荷重負荷がより低減される。
【0065】
このような形状フランジ部12dを有する本実施形態のスパウト12を備えるスパウト付きパウチ11によれば、上記第1の実施形態と同様、開栓が容易でありながら、物流効率が良好となる。
【0066】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態のスパウト付きパウチ及びスパウトについて説明する。
図13は、本発明の第3の実施形態のスパウト付きパウチの一例の主要部を示す模式的な正面図である。
図14は、本発明の第3の実施形態のスパウト付きパウチの一例の主要部を示す模式的な平面図である。
図15は、
図14におけるC−C断面図である。
【0067】
図13、14に主要部の構成を示すように、本実施形態のスパウト付きパウチ21は、上記第2の実施形態のスパウト付きパウチ11のスパウト12に代えて、スパウト22を備える。ただし、
図13、14では、簡単のため、キャップ3、係止部2c等の図示は省略されている。
以下では、上記第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0068】
スパウト22は、上記第2の実施形態のスパウト12のフランジ部12dに代えてフランジ部22dを備える。フランジ部22dは、上記第2の実施形態の第2フランジf12に代えて、第2フランジf22を備える。
図14に示すように、第2フランジf22は、軸方向から見た外形が第1フランジf11よりも小さい略相似形となるように構成されている。
図13に示すように、第1フランジf11と第2フランジf22との間、及び第2フランジf22と第3フランジf13との間には、それぞれ、上記第2の実施形態と同様の溝部s11、s12が形成されている。
【0069】
本実施形態における第1フランジf11、f13は、それぞれ、軸方向において互いに最も離間した最大外形を有する最外部フランジを構成している。
本実施形態における第2フランジf22は、2つの最外部フランジに挟まれた中間部フランジを構成している。
【0070】
本実施形態のスパウト22によれば、上記第2の実施形態と同様に、複数のスパウト22が軸線L2に沿って最小配列ピッチΔ2で密に配列できる。さらに、使用者は、上記第2の実施形態と同様にして、フランジ部22dを把持することによって、本実施形態のスパウト付きパウチ22を開栓することができる。
このため、本実施形態のスパウト22を備えるスパウト付きパウチ21は、上記第2の実施形態と同様、開栓が容易でありながら、物流効率が良好となる。
スパウト22は溝部s11を有するため、上記第1の実施形態の保持レール101は、スパウト2と同様、スパウト22を保持することが可能である。このため、特に図示しないが、上記第1の実施形態の搬送組立体100において、スパウト2に代えてスパウト22が用いられてもよい。
【0071】
さらに本実施形態によれば、
図15に示すように、軸線L1に沿う方向から見ると、第1フランジf11及び第3フランジf13の各先端部に対して、第2フランジf22の先端部が中心軸線O側に引っ込んでいるため、各先端部における包絡面が凹状のとなる側面部が形成されている。このため、使用者が第2指F2、第1指F1によってフランジ部22dの把持する際に、第2指F2、第1指F1の腹が、凹状の側面部に嵌るため、把持位置が安定する。さらに、第1フランジf11、第2フランジf22、及び第3フランジf13の各先端部から第2指F2、第1指F1の腹に作用する荷重負荷が均等化されるため、使用者の負荷がより軽減される。
【0072】
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態のスパウト付きパウチ及びスパウトについて説明する。
図16は、本発明の第4の実施形態のスパウト付きパウチの一例の主要部を示す模式的平面図である。
【0073】
図10に主要部の構成を示すように、本実施形態のスパウト付きパウチ31は、上記第2の実施形態のスパウト付きパウチ11のスパウト12に代えて、スパウト32を備える。
以下では、上記第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0074】
図10に示すように、スパウト32は、上記第2の実施形態のスパウト12のフランジ部12dに代えてフランジ部32dを備える。フランジ部32dは、フランジ部12dの第1フランジf11、第2フランジf12、及び第3フランジf13に代えて、第1フランジf31、第2フランジf32、及び第3フランジf33を備える。
軸方向から見た第1フランジf31、第2フランジf32、及び第3フランジf33の外形は、互いに等しく、各外形は、軸方向に見て互いに重なる位置関係に配置されている。
第1フランジf31と第2フランジf32との間、及び第2フランジf32と第3フランジf33との間には、それぞれ、上記第2の実施形態と同様な溝部s11、s12が形成されている。
第1フランジf31、第2フランジf32、及び第3フランジf33は、上記第2の実施形態の第1フランジf11、第2フランジf12、及び第3フランジf13と、軸方向から見た外形のみが異なる。
以下では、第1フランジf31、第2フランジf32、及び第3フランジf33の形状について、
図16に示す第1フランジf31の例で説明する。
図16では、簡単のため、キャップ3、雄ねじ2b、及び係止部2cの図示は省略されている。
【0075】
図16に示すように、第1フランジf31の外形は、軸方向から見て、図示時計回りに、第1側面部12k、凹湾曲部32n、第2側面部32m(外形部)、傾斜面部32p、第3側面部32k、傾斜面部32p’、第2側面部32m’、及び凸湾曲部32rが、この順に接続されて構成されている。各接続部は、滑らかに接続するための丸みが付与されている。
【0076】
第1側面部12kは、上記第2の実施形態における第1側面部12kと同様の側面部である。本実施形態の第1側面部12kは、軸線L2に対して、図示左側に形成されている
凹湾曲部32nは、第1側面部12kの図示下端から軸線L1に向かって軸線L1から軸線L2の位置まで円弧状あるいは楕円弧状に延びている。軸線L2との交点では、凹湾曲部32nは、軸線L1から距離d1の位置で軸線L1と平行に延びる第2側面部32mと滑らかに接続している。
第1側面部12kと凹湾曲部32nによって囲まれた部位は、第2側面部32mに対して略三角形状に突出する突出部32iを構成している。
軸線L2に沿う方向における突出部32iの先端部は、軸線L1から距離d12の位置に形成されている。
傾斜面部32pは、第2側面部32mに関して、凹湾曲部32nと反対側(図示上側)に傾斜している。
第3側面部32kは、中心軸線Oから第1側面部12kと反対側に距離D/2+d3の位置において、軸線L2と平行に形成されている。
このため、傾斜面部32pは、第2側面部32mと第3側面部32kとの延長線が交わる角部における面取り部になっている。
【0077】
第1フランジf31において、軸線L1に関して、突出部32iが形成されたのと反対側の側面部(図示上側の側面部)は、軸線L2よりも図示右側では、軸線L1を対称軸として、第2側面部32k及び傾斜面部32pと線対称をなす第2側面部32m’及び傾斜面部32p’が形成されている。同様に、凹湾曲部32nの形状を軸線L2に沿って距離2×d1だけ平行移動したような形状を有する凸湾曲部32rが形成されている。
【0078】
本実施形態のスパウト32のフランジ部32dは、軸線L2に図示左半分において、上記第2の実施形態における傾斜面部12nと第2側面部12mとのなす凹状の屈曲部が、類似の凹状形状を有する凹湾曲部32nに置き換えられている。同様に、上記第2の実施形態における傾斜面部12pと第2側面部12mとのなす凸状の屈曲部が、類似の凸状形状を有する凸湾曲部32rに置き換えられている。
本実施形態のスパウト32のフランジ部32dは、軸線L2に図示右半分において、上記第2の実施形態における突出部12iが傾斜面部32p’による面取り部に置き換えられている。
【0079】
このような構成により、
図16に示すように、フランジ部32dの軸線L2に沿う方向における幅は、軸線L1に沿う各位置で2×d1以下である。
スパウト32を軸線L2に沿って、互いに干渉することなく配列する(
図16の二点鎖線参照)と、最小配列ピッチは、Δ2になる。このため、スパウト32は、上記第2の実施形態と同様の最小配列ピッチで配列することが可能である。
ただし、第1フランジf31、第2フランジf32、及び第3フランジf33は、それぞれ第2側面部32mから軸線L2に沿う方向に突出する突出部32iを備えるため、軸線L2に沿う方向におけるフランジ部32dの全幅は、最小配列ピッチΔ2よりも大きいd12+d1になっている。
【0080】
さらに、軸方向から見たフランジ部32dの軸線L1を挟む側面の形状は、図示左半分では、凹湾曲部32nと凸湾曲部32rとで挟まれ、軸線L1に沿って中心軸線Oから図示左側に離れるにつれて、漸次図示下方に向かって緩やかに曲がっている。このような形状は、全体として、上記第2の実施形態におけるフランジ部12dの図示左半分の形状に類似している。
このため、特に図示しないが、使用者は、第2指の腹を第2側面部32m’及び凸湾曲部32rに沿わせるとともに、第1指の腹を凹湾曲部32nに押し当て、第1指の第1関節を突出部32iに引っかけるようにして、フランジ部32dを把持することができる。
このため、使用者は、突出部32iに指をかけることで、開栓時のフランジ部32dの回転を容易に阻止できる。さらに、突出部32iに指をかけることで、各指が幅2×d1の第2側面部32m、32m’を挟んで把持する場合に比べて、フランジ部32dからの力のモーメントを受ける腕の長さを長くとれるため、開栓時に使用者が受ける荷重負荷がより低減される。
【0081】
本実施形態のスパウト付きパウチ31は上述のようなフランジ部32dを有する本実施形態のスパウト32を備えるため、スパウト付きパウチ31によれは、上記第2の実施形態と同様、開栓が容易でありながら、物流効率が良好となる。
本実施形態におけるフランジ部32dは、軸方向から見て、突出部が1箇所のみの場合の例になっている。
スパウト32は溝部s11を有するため、上記第1の実施形態の保持レール101は、スパウト2と同様、スパウト32を保持することが可能である。このため、特に図示しないが、上記第1の実施形態の搬送組立体100において、スパウト2に代えてスパウト42が用いられてもよい。
【0082】
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態のスパウト付きパウチ及びスパウトについて説明する。
図17は、本発明の第5の実施形態のスパウト付きパウチの一例の主要部を示す模式的平面図である。
【0083】
図10に主要部の構成を示すように、本実施形態のスパウト付きパウチ41は、上記第4の実施形態のスパウト付きパウチ31のスパウト32に代えて、スパウト42を備える。
【0084】
図10に示すように、スパウト42は、上記第4の実施形態のスパウト32のフランジ部32dに代えてフランジ部42dを備える。フランジ部42dは、フランジ部32dの第1フランジf31、第2フランジf32、及び第3フランジf33に代えて、第1フランジf41、第2フランジf42、及び第3フランジf43を備える。
軸方向から見た第1フランジf41、第2フランジf42、及び第3フランジf43の外形は、互いに等しく、各外形は、軸方向に見て互いに重なる位置関係に配置されている。
第1フランジf41と第2フランジf42との間、及び第2フランジf42と第3フランジf43との間には、それぞれ、上記第4の実施形態と同様な溝部s11、s12が形成されている。
第1フランジf41、第2フランジf42、及び第3フランジf43は、上記第4の実施形態の第1フランジf31、第2フランジf32、及び第3フランジf33と、軸方向から見た外形のみが異なる。
以下では、第1フランジf41、第2フランジf42、及び第3フランジf43の形状について、
図17に示す第1フランジf41の例で説明する。
図17では、簡単のため、キャップ3、雄ねじ2b、及び係止部2cの図示は省略されている。
【0085】
第1フランジf41の軸方向から見た外形は、上記第4の実施形態における第1フランジf3における軸線L2を境にして突出部32iを含む半分(
図16における図示左半分)を、軸線L2を対称軸として線対称に配置した形状になっている。
本実施形態では、軸線L2に関して線対称な部位は、同一符号を付して説明を省略する。
【0086】
第1フランジf41の軸方向から見た外形においては、軸線L2に関して、互いに線対称な位置に、それぞれ上記第2の実施形態と同様の第1側面部12kが形成されている。
各第1側面部12kの間には、軸線L1を挟んで、凹湾曲部42nと、凸湾曲部42rとが対向している。
凹湾曲部42nは、上記第3の実施形態における凹湾曲部32nが軸線L2を中心として折り返された円弧状あるいは楕円弧状に形成されている。軸線L1から、軸線L2と交差する凹湾曲部42nの底部bまでの距離はd1である。
凸湾曲部42rは、上記第3の実施形態における凸湾曲部32rが軸線L2を中心として折り返された円弧状あるいは楕円弧状に形成されている。軸線L1から、軸線L2と交差する凸湾曲部42rの頂部tまでの距離はd1である。
各第1側面部12kと、凹湾曲部42n及び凸湾曲部42rとの接続部は、滑らかに接続するための丸みが付与されている。
【0087】
第1側面部12kと凹湾曲部42nによって囲まれた部位は、凹湾曲部42nの軸線L2と交差する底部に対して略三角形状に突出する突出部32iをそれぞれ構成している。
凸湾曲部42rは、スパウト42が軸線L2に沿って複数並べられる場合に、隣り合うフランジ部42dの凹湾曲部42nと嵌合可能な凸部になっている。
【0088】
このような構成により、フランジ部42dのフランジ部42dの軸線L2に沿う方向における幅は、軸線L1に沿う各位置で2×d1以下である。
スパウト42を軸線L2に沿って、互いに干渉することなく配列する(
図17の二点鎖線参照)と、最小配列ピッチは、Δ2になる。このため、スパウト42は、上記第2の実施形態と同様の最小配列ピッチで配列することが可能である。
ただし、第1フランジf41、第2フランジf42、及び第3フランジf43は、それぞれ凹湾曲部42nの底部から軸線L2に沿う方向に突出する突出部32iを備えるため、軸線L2に沿う方向におけるフランジ部42dの全幅は、最小配列ピッチΔ2よりも大きいd12+d1になっている。
【0089】
さらに、軸方向から見たフランジ部42dの軸線L1を挟む側面の形状は、凹湾曲部42nと凸湾曲部42rとで挟まれ、全体としてC字状に曲がっている。
このため、特に図示しないが、使用者は、フランジ部42dを、軸線L1に沿ういずれの端部の方から把持しても、突出部42iが指に引っかけるようにして、フランジ部42dを把持することができる。
このため、使用者は、突出部42iに指をかけることで、開栓時のフランジ部42dの回転を容易に阻止できる。さらに、突出部42iに指をかけることで、各指が幅2×d1の凹湾曲部42nの底部及び凸湾曲部42rの頂部を挟んで把持する場合に比べて、フランジ部42dからの力のモーメントを受ける腕の長さを長くとれるため、開栓時に使用者が受ける荷重負荷がより低減される。
【0090】
本実施形態のスパウト付きパウチ41は上述のようなフランジ部42dを有する本実施形態のスパウト42を備えるため、スパウト付きパウチ41によれは、上記第2の実施形態と同様、開栓が容易でありながら、物流効率が良好となる。
スパウト42は溝部s11を有するため、上記第1の実施形態の保持レール101は、スパウト2と同様、スパウト42を保持することが可能である。このため、特に図示しないが、上記第1の実施形態の搬送組立体100において、スパウト2に代えてスパウト42が用いられてもよい。
【0091】
なお、上記第1の実施形態の説明では、溝部s1、s2が軸線L2に沿う方向に延びる場合の例で説明した。しかし、溝部s1、s2は、第4フランジf4に貫通していてもよい。すなわち、スパウト2のフランジ部2dに代えて、軸方向から見てフランジ部2dの外形と同形状の3つのフランジが、上記第2の実施形態等と同様、軸方向において互いに隙間をあけて配置された構成が用いられてもよい。
【0092】
上記各実施形態の説明では、スパウトのフランジ部の少なくとも一部が軸方向に離間した複数のフランジを含む場合の例で説明した。しかし、フランジ間の溝部は、例えば、製造上の必要等に応じた形状、個数で設けられてもよい。例えば、使用者の指が係止できる幅をとれれば、フランジ部は、1個のフランジによって構成されてもよい。例えば、複数のフランジは、4個以上設けられてもよい。
【0093】
上記第3の実施形態では、中間部フランジが第2フランジf12のみで構成される場合の例で説明したが、中間部フランジは、2個以上で構成されてもよい。この場合、指に当たる接触面積が増えるため、さらに使用者の負荷が低減される。2個以上の中間部フランジは、軸方向における最外部フランジ側から軸方向における中心部に向かって、漸次外形が縮小するように配置されることがより好ましい。この場合、各中間部フランジの先端部で形成される包絡面がより指の腹の湾曲に沿いやすくなるため、さらに、使用者の負荷が低減される。
【0094】
以上、本発明の好ましい各実施形態を説明したが、本発明はこのような各実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。