(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、メタルマスクは帯状のメタルマスクシートに所定の張力を付与した状態で枠状のメタルマスクフレームにメタルマスクシートを貼り付けることにより製造される。メタルマスクシートに形成されている開口パターンは、メタルマスクシートに付与される張力を加味して縮尺されている。また、メタルマスクフレームの形状も、メタルマスクシートに付与される張力による変形を加味して形成されている。したがって、メタルマスクシートに付与する張力を調べるために、メタルマスクフレームに貼り付ける前にメタルマスクシートを検査する必要がある。
【0005】
メタルマスクシートの検査では、メタルマスクシートに形成されている管理ポイントの寸法が計測され、計測結果に基づいてメタルマスクシートに付与する張力が決定される。具体的には、検査装置において、顕微鏡等を用いて管理ポイントを計測し、計測結果に基づいてメタルマスクシートのランク決めを行う。ランク決めされたメタルマスクシートは、作業者により手作業で製品棚に戻され、作業者により手作業でマスク製造装置にセットされていた。しかしながら、高精度なメタルマスクを高効率に製造するために、メタルマスクシートをランク分けした後、予め検査装置においてランク別にメタルマスクシートを収容することが所望されている。
【0006】
本発明の目的は、メタルマスクシートを検査した後、メタルマスクシートをランク別に収容することができる検査装置及び該検査装置を用いた検査方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の検査装置は、メタルマスクフレームに取り付ける前のメタルマスクシートを検査する検査装置であって、前記メタルマスクシートに形成されている管理ポイントを測定する測定部と、前記測定部による測定結果に基づいて、前記メタルマスクシートをランク分けするランク判定部と、前記ランク判定部により判定された前記メタルマスクシートのランクに基づいて、前記ランク毎の前記メタルマスクシートを収容する収容部に前記メタルマスクシートを搬送する搬送部とを備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の検査装置は、前記メタルマスクシートの外観を検査する外観検査部を更に備え、前記ランク判定部は、前記外観検査部による検査結果に基づいて、前記メタルマスクシートがメタルマスクの製造に用いる部材として適切か否かを判定し、前記搬送部は、前記ランク判定部により前記メタルマスクシートが前記メタルマスクの製造に用いる部材として適切でないと判定された場合、適切でない前記メタルマスクシートを収容するランク外収容部に前記メタルマスクシートを搬送することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の検査装置は、前記ランク判定部が前記測定部による測定結果に基づいて、前記メタルマスクシートがメタルマスクの製造に用いる部材として適切か否かを判定し、前記搬送部は、前記ランク判定部により前記メタルマスクシートが前記メタルマスクの製造に用いる部材として適切でないと判定された場合、適切でない前記メタルマスクシートを収容するランク外収容部に前記メタルマスクシートを搬送することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の検査方法は、メタルマスクフレームに取り付ける前のメタルマスクシートを検査する検査方法であって、前記メタルマスクシートに形成されている管理ポイントを測定する測定工程と、前記測定工程による測定結果に基づいて、前記メタルマスクシートをランク分けするランク判定工程と、前記ランク判定工程により判定された前記メタルマスクシートのランクに基づいて、前記ランク毎の前記メタルマスクシートを収容する収容部に前記メタルマスクシートを搬送する搬送工程とを含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の検査方法は、前記メタルマスクシートの外観を検査する外観検査工程を含み、前記ランク判定工程は、前記外観検査工程による検査結果に基づいて、前記メタルマスクシートがメタルマスクの製造に用いる部材として適切か否かを判定し、前記搬送工程は、前記ランク判定工程により前記メタルマスクシートが前記メタルマスクの製造に用いる部材として適切でないと判定された場合、適切でない前記メタルマスクシートを収容するランク外収容部に前記メタルマスクシートを搬送することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の検査方法は、前記ランク判定工程が前記測定工程による測定結果に基づいて、前記メタルマスクシートがメタルマスクの製造に用いる部材として適切か否かを判定し、前記搬送工程は、前記ランク判定工程により前記メタルマスクシートが前記メタルマスクの製造に用いる部材として適切でないと判定された場合、適切でない前記メタルマスクシートを収容するランク外収容部に前記メタルマスクシートを搬送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、メタルマスクシートを検査した後、メタルマスクシートをランク別に収容することができる検査装置及び該検査装置を用いた検査方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る検査装置について、有機EL素子の製造工程において有機発光層を真空蒸着する際に使用されるメタルマスクシート(メタルマスクフレームに取り付ける前のメタルマスクシート)を検査する検査装置を例に挙げて説明する。
【0016】
図1は、この実施の形態に係る検査装置の概略構成を示す図である。なお、以下の説明においては、
図1に示すXYZ直交座標系を設定し、この直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係等について説明する。XY平面は、検査装置を載置する水平面に平行な面に設定されており、Z軸は、鉛直方向に設定されている。検査装置2は、
図1に示すように、テーブル部5、ガラステーブル部6、検査部8、フレーム10、一対のガイドレール12、グリッパー14、テーブル部15、吸着部16、一対のガイドレール17、検査後シート一時収容部20、検査後シート収容部22、及びロボット24を備えている。
【0017】
テーブル部5は、検査部8により検査されたメタルマスクシート4(
図2参照)を一時的に載置する矩形状の平板である。また、ガラステーブル部6は、検査部8により検査する際にメタルマスクシート4(
図2参照)を載置する矩形状の平板である。メタルマスクシート4は、
図2に示すように、帯状の金属薄膜により構成されており、メタルマスクシート4の各領域4aには、複数の正方形状、円形状、長方形状等の開口パターンがエッチングなどにより形成されている。また、各領域4aの周囲には、
図2に示すように、複数の管理ポイント4bが形成されている。複数のメタルマスクシート4の両端部を枠状のメタルマスクフレームを構成する対向する二辺に順次貼り付けることによりメタルマスクが製造され、メタルマスクは有機EL素子の製造工程において有機材の真空蒸着を行う際に使用される。
【0018】
検査部8は、顕微鏡及びカメラを備えており、ガラステーブル部6に載置されたメタルマスクシート4を検査する。具体的には、検査部8は、顕微鏡及びカメラを用いてメタルマスクシート4に形成されている管理ポイント4bの位置を測定する。また、検査部8は、顕微鏡及びカメラを用いてメタルマスクシート4の外観、例えばメタルマスクシート4に異物が付着していないか、開口パターンに欠けがないか等を検査する。フレーム10は、検査部8をX方向(ガラステーブル部6に載置されるメタルマスクシート4の長手方向)にスライド可能に支持する。一対のガイドレール12は、フレーム10をY方向(ガラステーブル部6に載置されるメタルマスクシート4の幅方向)にスライド可能に支持する。
【0019】
グリッパー14は、少なくとも検査部8による検査が行われている間、ガラステーブル部6に載置されているメタルマスクシート4の両端部を挟持する。また、グリッパー14は、Y方向に移動可能に構成されており、検査部8による検査を終えた後、ガラステーブル部6に載置されているメタルマスクシート4の両端部を挟持してテーブル部5に移動させる。
【0020】
テーブル部15は、図示しないメタルマスクシートケースを載置する矩形状の平板である。メタルマスクシートケース内には、検査前のメタルマスクシート4が紙、メタルマスクシート4、紙、メタルマスクシート4の順に複数枚積み重ねて収容されている。吸着部16は、メタルマスクシートケース内に収容されている最上のメタルマスクシート4の上面を吸着し、一対のガイドレール17は、吸着部16をY方向にスライド可能に支持する。吸着部16により吸着保持されたメタルマスクシート4は、吸着部16が一対のガイドレール17上をY方向に移動することにより、ガラステーブル部6まで搬送される。
【0021】
検査後シート一時収容部20は、検査部8において検査を終えたメタルマスクシート4を一時的に収容する。また、検査後シート収容部22は、ロボット24を用いて検査後シート一時収容部20から搬送されたメタルマスクシート4をランク別に収容する。
図3は、検査後シート収容部22の構成を示す図である。検査後シート収容部22には、
図3に示すように、ランクAのメタルマスクシート4を収容する段22a,22b、ランクBのメタルマスクシート4を収容する段22c,22d、ランクCのメタルマスクシート4を収容する段22e,22f、ランクNGのメタルマスクシート4を収容する段22g,22hが設けられている。メタルマスクシート4のランクについては後述する。
【0022】
ランクAのメタルマスクシート4は、
図4に示すようなトレー23上に載置された状態で、段22a,22bに収容される。同様に、ランクBのメタルマスクシート4はトレー23に載置された状態で段22c,22dに、ランクCのメタルマスクシート4はトレー23に載置された状態で段22e,22fに、ランクNGのメタルマスクシート4はトレー23に載置された状態で段22g,22hに収容される。
【0023】
ロボット24は、メタルマスクシート4を載置し搬送するための搬送部であり、支持体24a、腕部24b及びハンド24cを備えている。支持体24aは、Z方向を軸として回転可能且つ上下方向(Z方向)に移動可能に構成されている。腕部24bは、支持体24aに固定されており、伸縮可能に構成されている。また、腕部24bは、支持体24aが回転することによりX方向及びY方向に移動し、支持体24aが上下移動することによりZ方向に移動する。腕部24bの先端部にはハンド24cが設けられており、ハンド24cはメタルマスクシート4を載置する。ロボット24は、検査を終えたメタルマスクシート4をテーブル部5から検査後シート一時収容部20に搬送する。また、ロボット24は、検査後シート一時収容部20に収容されているメタルマスクシート4を検査後シート収容部22に搬送する。
【0024】
図5は、検査装置2のシステム構成を示すブロック図である。検査装置2は、
図5に示すように、検査装置2の各部を統括的に制御する制御部26を備えている。制御部26には、検査部8、ロボット駆動部28、グリッパー駆動部29、X方向駆動部30、Y方向駆動部32、吸着部駆動部33、記憶部34、及び入力部36が接続されている。
【0025】
制御部26は、検査部8から検査結果(寸法測定結果及び外観検査結果)を取得し、検査結果に基づいてメタルマスクシート4をランク分けする。例えば、メタルマスクシート4に形成されている領域4aの寸法の設計値に対する差が第1所定範囲内のものをランクA、第1所定範囲より大きく第2所定範囲(>第1所定範囲)内のものをランクB、第2所定範囲より大きく第3所定範囲(>第2所定範囲)内のものをランクC、第3所定範囲より大きいもの(不良品)をランクNGとしたとき、制御部26は、検査部8により測定された管理ポイント4bの位置に基づき算出される領域4aの寸法に基づいて、メタルマスクシート4がランクA、B、CまたはNGの何れに該当するかを判定する。また、制御部26は、検査部8による外観検査結果に基づいて、メタルマスクシート4がメタルマスクの製造に用いる部材として適切か否かを判定する。制御部26は、メタルマスクシート4がメタルマスクの製造に用いる部材として適切でないと判定した場合には、不良品であるランクNGに該当すると判定する。なお、第1所定範囲、第2所定範囲及び第3所定範囲等を含むメタルマスクシート4のランクに関する情報は、予め記憶部34に記憶されている。
【0026】
ロボット駆動部28は、メタルマスクシート4を、テーブル部5から検査後シート一時収容部20に移動させるとき、及び検査後シート一時収容部20から検査後シート収容部22に移動させるとき、ロボット24を駆動させる。制御部26は、ロボット駆動部28を用いて、ランクAに該当すると判別されたメタルマスクシート4を検査後シート収容部22の段22aまたは22bに搬送する。同様に、制御部26は、ロボット駆動部28を用いて、ランクBに該当すると判別されたメタルマスクシート4を検査後シート収容部22の段22cまたは22dに、ランクCに該当すると判別されたメタルマスクシート4を検査後シート収容部22の段22eまたは22fに、ランクNGに該当する(メタルマスクの製造に用いる部材として適切でない)と判別されたメタルマスクシート4を検査後シート収容部22の段22gまたは22hに搬送する。
【0027】
グリッパー駆動部29は、グリッパー14をY方向に移動させる。X方向駆動部30は、フレーム10に支持されている検査部8をX方向にスライドさせる。Y方向駆動部32は、ガイドレール12に支持されているフレーム10(ひいてはフレーム10に支持されている検査部8)をY方向にスライドさせる。吸着部駆動部33は、吸着部16をY方向に移動させる。記憶部34は、上述したメタルマスクシート4のランクに関する情報を記憶する。また、記憶部34は、他のメタルマスクシートのランクに関する情報も記憶する。入力部36は、作業者により入力されるメタルマスクシートのランクに関する情報を制御部26に対して出力する。制御部26は、入力部36より取得したメタルマスクシートのランクに関する情報を記憶部34に記憶させる。
【0028】
次に、図面を参照して、この実施の形態に係る検査装置2において、メタルマスクシート4を検査する検査方法について説明する。
図6は、検査装置2においてメタルマスクシート4を検査する際の処理について説明するためのフローチャートである。なお、メタルマスクシート4は、検査装置2における検査前に、他のメタルマスクシート(複数枚のメタルマスクシート)4と共にメタルマスクシートケースに収容された状態でテーブル部15上に作業者等によりセットされる。
【0029】
まず、制御部26は、メタルマスクシート4をテーブル部15からガラステーブル部6へ搬送する(ステップS10)。即ち、制御部26は、吸着部駆動部33を介して吸着部16を移動させ、テーブル部15に載置されている(メタルマスクシートケース内に収容されている)メタルマスクシート4の上面を吸着部16により吸着保持させ、更に吸着部駆動部33を介して吸着部16を移動させることにより、メタルマスクシート4をガラステーブル部6まで移動させる。
【0030】
次に、制御部26は、メタルマスクシート4に形成されている管理ポイント4bを測定する(ステップS11)。具体的には、制御部26は、X方向駆動部30及びY方向駆動部32を介して検査部8をフレーム10及びガイドレール12に沿って移動させることにより、検査部8を測定位置(測定する領域4a上)まで移動させる。そして、制御部26は、検査部8に対して領域4aの周囲に形成されている各管理ポイント4bの位置を測定するよう指示する。検査部8は、顕微鏡及びカメラを用いて各管理ポイント4bの位置を測定し、測定結果を制御部26に対して出力する。制御部26は、検査部8において測定された各管理ポイント4bの位置に基づいて領域4aの寸法を算出する。制御部26は、検査部8に他の領域4aの周囲に形成されている管理ポイント4bの位置を測定させる場合には、ステップS11の処理を繰り返す。なお、少なくとも1つの領域4aの寸法が測定されていればよい。
【0031】
次に、制御部26は、ステップS11において測定された測定結果に基づいて、メタルマスクシート4をランク分けする(ステップS12)。即ち、制御部26は、検査部8において測定された管理ポイント4bの位置に基づき算出された領域4aの寸法に基づいて、メタルマスクシート4がランクA、B、CまたはNGの何れに該当するかを判定する。領域4aの寸法の設計値に対する差が第3所定範囲より大きいもの等、ランクA、BまたはCの何れにも該当しない場合には、制御部26は、メタルマスクシート4がランクNG(不良品:メタルマスクの製造に用いる部材として不適切)であると判定し(ステップS13:Yes)、ステップS16の処理に進む。
【0032】
一方、メタルマスクシート4がランクNGでないと判定された場合には(ステップS13:No)、制御部26は、メタルマスクシート4の外観を検査する(ステップS14)。具体的には、制御部26は、検査部8に対してメタルマスクシート4の外観を検査するよう指示し、検査部8は、顕微鏡及びカメラを用いてメタルマスクシート4の外観、例えばメタルマスクシート4に異物が付着していないか、開口パターンに欠けがないか等を検査し、検査結果を制御部26に対して出力する。
【0033】
次に、制御部26は、ステップS14において検査されたメタルマスクシート4の外観の検査結果に基づいて、メタルマスクシート4が不良品か否かを判定する(ステップS15)。即ち、制御部26は、メタルマスクシート4がメタルマスクの製造に用いる部材として適切か否かを判定する。例えばメタルマスクシート4に異物が付着している場合、開口パターンに欠けがある場合等においては、制御部26は、メタルマスクシート4がメタルマスクの製造に用いる部材として適切でない(不良品である)と判定する。
【0034】
次に、制御部26は、検査部8による検査を終えたメタルマスクシート4を、ガラステーブル部6からテーブル部5へグリッパー14を用いて搬送した後、テーブル部5から検査後シート一時収容部20へ搬送する(ステップS16)。即ち、制御部26は、ロボット駆動部28を介してロボット24の支持部24aを回転・移動及びロボット24の腕部24bを伸縮させることにより、テーブル部5に載置されているメタルマスクシート4をロボット24のハンド24cに載置させ、メタルマスクシート4を検査後シート一時収容部20まで移動させる。
【0035】
次に、制御部26は、ステップS16において検査後シート一時収容部20に収容されたメタルマスクシート4がステップS12においてランクAと判定され且つステップS15において不良品でないと判定されたものである場合には(ステップS17:Yes)、メタルマスクシート4を検査後シート一時収容部20から検査後シート収容部22に搬送し、検査後シート収容部22のランクAの段22aまたは段22bに収容する(ステップS18)。具体的には、制御部26は、ロボット駆動部28を介してロボット24の腕部24bを伸縮及び移動させ、検査後シート一時収容部20に収容されているメタルマスクシート4をロボット24のハンド24cに載置させ、更にロボット24の支持部24aを回転・移動及びロボット24の腕部24bを伸縮させることにより、メタルマスクシート4を検査後シート収容部22まで移動させ、段22aまたは段22bに収容する。
【0036】
なお、段22aに空きがある場合(段22aのトレー23上にメタルマスクシート4を収容するスペースがある場合)には、制御部26は、ランクAのメタルマスクシート4を段22aに収容する。一方、段22aに空きがない場合(段22aのトレー23上に他のメタルマスクシート4が収容されているためメタルマスクシート4を収容するスペースがない場合)には、制御部26は、ランクAのメタルマスクシート4を段22bに収容する。メタルマスクシート4を空きなく収容したトレー23は、MGV(manual guided vehicle)等を用いて検査装置2から搬出される。
【0037】
一方、ステップS16において検査後シート一時収容部20に収容されたメタルマスクシート4がステップS12においてランクAと判定されず(ステップS17:No)、ランクBと判定され且つステップS15において不良品でないと判定されたものである場合には(ステップS19:Yes)、制御部26は、メタルマスクシート4を検査後シート一時収容部20から検査後シート収容部22に搬送し、検査後シート収容部22のランクBの段22cまたは段22dに収容する(ステップS20)。
【0038】
更に、ステップS16において検査後シート一時収容部20に収容されたメタルマスクシート4がステップS12においてランクBと判定されず(ステップS19:No)、ランクCと判定され且つステップS15において不良品でないと判定されたものである場合には(ステップS21:Yes)、制御部26は、メタルマスクシート4を検査後シート一時収容部20から検査後シート収容部22に搬送し、検査後シート収容部22のランクCの段22eまたは段22fに収容する(ステップS22)。一方、メタルマスクシート4がステップS12においてランクCと判定されず(ステップS21:No)、ステップS12またはステップS15においてランクNGと判定されたものである場合には、制御部26は、検査後シート一時収容部20から検査後シート収容部22に搬送し、検査後シート収容部22のランクNGの段22gまたは段22hに収容する(ステップS23)。
【0039】
ステップS20、S22及びS23の処理においては、ステップS18の処理と同様に、制御部26は、ロボット駆動部28を介してロボット24の支持部24aを回転・移動及びロボット24の腕部24bを伸縮させることにより、検査後シート一時収容部20に収容されているメタルマスクシート4をロボット24のハンド24cに載置させ、メタルマスクシート4を検査後シート収容部22まで移動させる。また、段22c,22e,22gに空きがある場合には、制御部26は、メタルマスクシート4を段22c,22e,22gに収容する。一方、段22c,22e,22gに空きがない場合には、制御部26は、メタルマスクシート4を段22d,22f,22hに収容する。
【0040】
なお、上述の検査方法において、ステップS10〜S17の処理を所定回数繰り返した後、ステップS18の処理に移行してもよい。例えば、検査を終えた複数枚のメタルマスクシート4を検査後シート一時収容部20に一時的に収容した後(作業者の目視による点検等のため)、複数枚のメタルマスクシート4を検査後シート収容部22に搬送し、ランク別に収容するようにしてもよい。
【0041】
この実施の形態に係る検査装置2及び該検査装置2を用いた検査方法によれば、検査結果に基づいてメタルマスクシート4のランクを判定する制御部26と、メタルマスクシート4をランク別に収容可能な検査後シート収容部22を備えている。したがって、メタルマスクシート4を検査部8において検査した後、メタルマスクシート4を検査後シート収容部22にランク別に収容することができるため、メタルマスクシート4を用いてメタルマスクを製造する際に高効率で高精度なメタルマスクを製造するのに有用である。
【0042】
なお、上述の実施の形態においては、管理ポイント4bを測定した後、メタルマスクシート4の外観を検査しているが、メタルマスクシート4の外観を検査した後、管理ポイント4bを測定してもよい。
【0043】
また、上述の実施の形態においては、作業者の目視による点検等のため、検査後シート一時収容部20を備えているが、検査後シート一時収容部20を備えない構成にしてもよい。検査後シート一時収容部20を備えない場合には、メタルマスクシート4は、検査を終えてグリッパー14によりテーブル部5に載置された後、ロボット24により検査後シート収容部22に搬送され、ランク別に収容される。