特許第6986918号(P6986918)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6986918電子機器、制御方法、プログラム、及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986918
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】電子機器、制御方法、プログラム、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20211213BHJP
   G03B 7/091 20210101ALI20211213BHJP
【FI】
   H04N5/232
   G03B7/091
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-195377(P2017-195377)
(22)【出願日】2017年10月5日
(65)【公開番号】特開2019-71507(P2019-71507A)
(43)【公開日】2019年5月9日
【審査請求日】2020年10月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井崎 優子
【審査官】 佐藤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−158123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/232
G03B 7/091
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の設定項目のうち選択された設定項目の設定値を、自動的に設定値を決定する第1の設定値を含む複数の設定値の中から、ユーザ操作により選択された設定値に変更する変更手段と、
前記第1の設定値が設定された設定項目について、複数の設定値の中から設定値を自動的に決定する決定手段と、
前記第1の設定値が設定された第1の設定項目の設定値が前記決定手段により自動的に決定された状態において、前記第1の設定項目とは異なる第2の設定項目の設定値を変更するためのユーザ操作があった場合に、前記第1の設定項目の設定値を前記決定手段により決定された設定値から前記第1の設定値に変更しないように制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記複数の設定項目それぞれに設定された設定値を表示部に表示するように制御することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1の設定値が設定された設定項目の設定値が前記決定手段により自動的に決定される所定の期間の終了に応じて、前記決定手段により決定された設定値が設定された設定項目の設定値を、前記第1の設定値に変更するように制御することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御手段は、前記所定の期間中にユーザ操作に応じて前記変更手段により設定値が変更された場合には、前記所定の期間の終了に応じて、前記決定手段により決定された設定値が設定された設定項目の設定値を前記第1の設定値に変更しないように制御することを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記決定手段は、所定の指示に応じて設定値を自動的に決定することを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
前記所定の期間は、前記所定の指示を受け付けてから所定の時間が経過するまでの期間、または、前記所定の指示を受け付けてから前記所定の指示が解除されるまでの期間であることを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記所定の指示は、AEロック指示であることを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第1の設定値が設定された設定項目の設定値を前記決定手段により自動的に決定する所定の期間が終了したことに応じて、前記決定手段により自動的に決定された設定値を前記第1の設定値に変更するように制御し、前記所定の期間において前記複数の設定項目のうちの少なくとも1つの設定項目の設定値が前記変更手段によりユーザ操作に応じて変更された場合は、前記所定の期間が終了しても前記決定手段により自動的に決定された設定値を前記第1の設定値に変更しないように制御することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
前記複数の設定項目それぞれについて、設定値と、前記決定手段により決定された設定値である制御値とを記憶する記憶手段を有し、
前記制御手段は、前記制御値が前記記憶手段に記憶されているときに、前記複数の設定項目のうちの少なくとも1つの設定項目の設定値が前記変更手段によりユーザ操作に応じて変更された場合に、第1の設定値が設定値として記憶されている設定項目について、前記制御値を前記設定値として記憶するように制御する請求項1に記載の電子機器。
【請求項9】
前記複数の設定項目は、撮像手段の露出制御に関する設定項目であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記複数の設定項目は、シャッター速度、絞り値、ISO感度を含むことを特徴とする請求項に記載の電子機器。
【請求項11】
前記撮像手段をさらに有することを特徴とする請求項又は10に記載の電子機器。
【請求項12】
複数の設定項目のうち選択された設定項目の設定値を、自動的に設定値を決定する第1の設定値を含む複数の設定値の中から、ユーザ操作により選択された設定値に変更する変更ステップと、
前記第1の設定値が設定された設定項目について、複数の設定値の中から設定値を自動的に決定する決定ステップと、
前記第1の設定値が設定された第1の設定項目の設定値が前記決定ステップにおいて自動的に決定された状態において、前記第1の設定項目とは異なる第2の設定項目の設定値を変更するためのユーザ操作があった場合に、前記第1の設定項目の設定値を前記決定ステップにおいて決定された設定値から前記第1の設定値に変更しないように制御する制御ステップとを有し、
前記制御ステップは、前記複数の設定項目それぞれに設定された設定値を表示部に表示するように制御することを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の電子機器の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項14】
コンピュータを、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の電子機器の各手段として機能させるためのプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、制御方法、プログラム、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、露出時間、絞り値及びISO感度をそれぞれ独立して手動設定と自動設定のいずれかに切り換えることが可能なことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−93476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の方法では、露出時間、絞り値、ISO感度を自動設定にするとそれぞれ適正露出になるように設定値が設定されるが、自動設定された値からユーザが設定値を変えたい場合には、各設定値を自動設定から手動設定へと切り替える必要がある。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、複数の設定項目を設定する際の操作性を向上させる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、複数の設定項目のうち選択された設定項目の設定値を、自動的に設定値を決定する第1の設定値を含む複数の設定値の中から、ユーザ操作により選択された設定値に変更する変更手段と、前記第1の設定値が設定された設定項目について、複数の設定値の中から設定値を自動的に決定する決定手段と、前記第1の設定値が設定された第1の設定項目の設定値が前記決定手段により自動的に決定された状態において、前記第1の設定項目とは異なる第2の設定項目の設定値を変更するためのユーザ操作があった場合に、前記第1の設定項目の設定値を前記決定手段により決定された設定値から前記第1の設定値に変更しないように制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記複数の設定項目それぞれに設定された設定値を表示部に表示するように制御することを特徴とする電子機器を提供する。
【0007】
なお、その他の本発明の特徴は、添付図面及び以下の発明を実施するための形態における記載によって更に明らかになるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の設定項目を設定する際の操作性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(A)デジタルカメラ100の前面斜視図、(B)デジタルカメラ100の背面斜視図。
図2】デジタルカメラ100の構成例を示すブロック図。
図3】第1の実施形態に係る露出調整処理のフローチャート。
図4】第2の実施形態に係る露出調整処理のフローチャート。
図5】デジタルカメラ100の表示画面例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確定されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせすべてが、本発明に必須とは限らない。また、別々の実施形態の中で説明されている特徴を適宜組み合せることも可能である。
【0011】
[第1の実施形態]
図1(A)は、電子機器(撮像制御装置)の一例であるデジタルカメラ100の前面斜視図であり、図1(B)は、デジタルカメラ100の背面斜視図である。図1(A)及び(B)において、表示部28は、画像や各種情報を表示する表示部である。表示部28はタッチパネル70aと一体となっており、ユーザは表示部28面上をタッチすることにより、直感的に表示部28上に表示されるアイテムや被写体の位置を選択可能である。シャッターボタン61は、撮影指示を行うための操作部である。モード切替スイッチ60は、各種モードを切り替えるための操作部である。端子カバー40は、デジタルカメラ100と外部装置とを接続する接続ケーブルのためのコネクタ(不図示)を保護するカバーである。メイン電子ダイヤル71は、回転操作部材であり、メイン電子ダイヤル71を回すことで、シャッター速度や絞りなどの設定値の変更等が行える。電源スイッチ72は、デジタルカメラ100の電源のON及びOFFを切り替える操作部材である。サブ電子ダイヤル73は、選択枠の移動や画像送りなどを行う回転操作部材である。十字キー74は、上キー74a、下キー74b、左キー74c、右キー74dをそれぞれ押し込み可能な4方向キーであり、押下した方向へとカーソル等を移動する指示が可能である。SETボタン75は、主に選択項目の決定などに用いられる押しボタンである。再生ボタン79は、撮影モードと再生モードとを切り替える操作ボタンである。撮影モード中に再生ボタン79を押下することでデジタルカメラ100を再生モードに移行させ、記録媒体200(後述)に記録された画像のうち最新の画像を表示部28に表示させることができる。シャッターボタン61、メイン電子ダイヤル71、電源スイッチ72、サブ電子ダイヤル73、十字キー74、SETボタン75、再生ボタン79は、操作部70に含まれる。ファインダ16は、フォーカシングスクリーン13(後述)を観察することで、レンズユニット150を通して得た被写体の光学像の焦点や構図の確認を行うための覗き込み型のファインダである。グリップ部90は、ユーザがデジタルカメラ100を構えた際に右手で握りやすい形状とした保持部である。
【0012】
図2は、本実施形態によるデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。図2において、レンズユニット150は、撮影レンズを搭載するレンズユニットであり、交換可能である。
【0013】
レンズ103は、通常は複数枚のレンズから構成されるが、ここでは簡略化して1枚のレンズのみで示している。通信端子6は、レンズユニット150がデジタルカメラ100と通信を行うための通信端子である。通信端子10は、デジタルカメラ100がレンズユニット150と通信を行うための通信端子である。レンズユニット150は、この通信端子6,10を介してシステム制御部50と通信する。レンズユニット150は、レンズシステム制御回路4によって絞り駆動回路2を介して絞り102の制御を行い、AF駆動回路3を介してレンズ103の位置を変位させることで焦点を合わせる。
【0014】
AEセンサ17は、レンズユニット150、クイックリターンミラー12を介してフォーカシングスクリーン13上に結像した被写体の輝度を測光する。
【0015】
焦点検出部11(AFセンサ)は、クイックリターンミラー12及びサブミラー(不図示)を介して入射する像を撮像し、システム制御部50にデフォーカス量情報を出力する、位相差検出方式のAFセンサである。システム制御部50は、デフォーカス量情報に基づいてレンズユニット150を制御し、位相差AFを行う。なお、AFの方式は、位相差AFでなくてもよく、コントラストAFでもよい。また、位相差AFは、焦点検出部11を用いずに、撮像部22の撮像面で検出されたデフォーカス量に基づいて行ってもよい(撮像面位相差AF)。
【0016】
クイックリターンミラー12は、露光、ライブビュー撮影、動画撮影の際にシステム制御部50から指示されて、不図示のアクチュエータによりアップダウンされる。クイックリターンミラー12は、レンズ103から入射した光束をファインダ16側と撮像部22側との間で切り替えるためのミラーである。クイックリターンミラー12は、通常時はファインダ16へと光束を導くよう反射させるように配されているが、撮影が行われる場合やライブビュー表示の場合には、撮像部22へと光束を導くように上方に跳ね上がり光束中から待避する(ミラーアップ)。またクイックリターンミラー12は、その中央部が光の一部を透過できるようにハーフミラーとなっており、光束の一部を、焦点検出を行うための焦点検出部11に入射するように透過させる。
【0017】
ユーザは、ペンタプリズム14とファインダ16を介して、フォーカシングスクリーン13上に結像した像を観察することで、レンズユニット150を通して得た被写体の光学像の焦点状態や構図の確認が可能となる。
【0018】
シャッター101は、システム制御部50の制御に従い、撮像部22の露光時間を制御する。撮像部22は、光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子である。A/D変換器23は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するために用いられる。
【0019】
画像処理部24は、A/D変換器23からのデータ、又は、メモリ制御部15からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部24では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。画像処理部24では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
【0020】
A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介して、或いは、直接メモリ制御部15を介して、メモリ32に書き込まれる。メモリ32は、撮像部22によって得られA/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像及び音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
【0021】
また、メモリ32は、画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器19は、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28に供給する。こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器19を介して表示部28により表示される。表示部28は、LCD等の表示器上に、D/A変換器19からのアナログ信号に応じた表示を行う。A/D変換器23によって一度A/D変換されメモリ32に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器19においてアナログ変換し、表示部28に逐次転送して表示することで、電子ビューファインダが実現し、スルー画像表示(ライブビュー表示)を行える。
【0022】
不揮発性メモリ56は、システム制御部50によって電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
【0023】
システム制御部50は、少なくとも1つのプロセッサーを内蔵し、デジタルカメラ100全体を制御する。前述した不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。システムメモリ52には、RAMが用いられる。システムメモリ52には、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等を展開する。また、システム制御部50は、メモリ32、D/A変換器19、表示部28等を制御することにより表示制御も行う。システムタイマー53は、各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
【0024】
モード切替スイッチ60、シャッターボタン61、操作部70は、システム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作部材である。モード切替スイッチ60は、システム制御部50の動作モードを静止画記録モード、動画記録モード、再生モード等のいずれかに切り替える。静止画記録モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、絞り優先モード(Avモード)、シャッター速度優先モード(Tvモード)がある。また、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、プログラムAEモード、カスタムモード等がある。モード切替スイッチ60で、メニュー画面に含まれるこれらのモードのいずれかに直接切り替えられる。あるいは、モード切替スイッチ60でメニュー画面に一旦切り換えた後に、メニュー画面に含まれるこれらのモードのいずれかに、他の操作部材を用いて切り替えるようにしてもよい。同様に、動画記録モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
【0025】
第1シャッタースイッチ62は、デジタルカメラ100に設けられたシャッターボタン61の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり、第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。システム制御部50は、第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作を開始する。
【0026】
第2シャッタースイッチ64は、シャッターボタン61の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部22からの信号読み出しから記録媒体200に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
【0027】
操作部70の各操作部材は、表示部28に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンとしては、例えば終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタン等がある。例えば、メニューボタンが押されると各種の設定を実行可能なメニュー画面が表示部28に表示される。ユーザは、表示部28に表示されたメニュー画面と、上下左右の4方向キー(十字キー74)やSETボタン75などを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
【0028】
操作部70は、ユーザからの操作を受け付ける入力部(受付手段)としての各種操作部材である。操作部70には、少なくとも以下の操作部材が含まれる。シャッターボタン61、メイン電子ダイヤル71、電源スイッチ72、サブ電子ダイヤル73、十字キー74、SETボタン75、再生ボタン79。
【0029】
電源制御部80は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。
【0030】
電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。記録媒体I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインタフェースである。記録媒体200は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。電源スイッチ72は、デジタルカメラ100の電源のONとOFFとを切り替えるためのスイッチである。
【0031】
通信部54は、無線又は有線ケーブルによって外部装置と接続し、映像信号や音声信号の送受信を行う。通信部54は、無線LAN(Local Area Network)やインターネットとも接続可能である。通信部54は、撮像部22で撮像した画像(スルー画像を含む)や、記録媒体200に記録された画像を送信可能であり、また、外部装置から画像データやその他の各種情報を受信することができる。
【0032】
姿勢検知部55は、重力方向に対するデジタルカメラ100の姿勢を検知する。姿勢検知部55で検知された姿勢に基づいて、撮像部22で撮影された画像が、デジタルカメラ100を横に構えて撮影された画像であるか、縦に構えて撮影された画像なのかを判別可能である。システム制御部50は、姿勢検知部55で検知された姿勢に応じた向き情報を撮像部22で撮像された画像の画像ファイルに付加したり、画像を回転して記録したりすることが可能である。姿勢検知部55としては、加速度センサやジャイロセンサなどを用いることができる。
【0033】
デジタルカメラ100は、操作部70の一部として、表示部28に対する接触を検知可能なタッチパネル70a(図1(B)参照)を有する。タッチパネル70aと表示部28とは、一体的に構成することができる。例えば、タッチパネル70aを光の透過率が表示部28の表示を妨げないように構成し、表示部28の表示面の上層に取り付ける。そして、タッチパネル70aにおける入力座標と、表示部28上の表示座標とを対応付ける。これにより、恰もユーザが表示部28上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUI(グラフィカルユーザインターフェース)を構成することができる。システム制御部50は、タッチパネル70aへの以下の操作、あるいは状態を検出できる。
・タッチパネル70aにタッチしていなかった指やペンが新たにタッチパネル70aにタッチしたこと。即ち、タッチの開始(以下、タッチダウン(Touch−Down)と称する)。
・タッチパネル70aを指やペンでタッチしている状態であること(以下、タッチオン(Touch−On)と称する)。
・タッチパネル70aを指やペンでタッチしたまま移動していること(以下、タッチムーブ(Touch−Move)と称する)。
・タッチパネル70aへタッチしていた指やペンを離したこと。即ち、タッチの終了(以下、タッチアップ(Touch−Up)と称する)。
・タッチパネル70aに何もタッチしていない状態(以下、タッチオフ(Touch−Off)と称する)。
【0034】
タッチダウンが検出されると、同時にタッチオンであることも検出される。タッチダウンの後、タッチアップが検出されない限りは、通常はタッチオンが検出され続ける。タッチムーブが検出されるのもタッチオンが検出されている状態である。タッチオンが検出されていても、タッチ位置が移動していなければタッチムーブは検出されない。タッチしていた全ての指やペンがタッチアップしたことが検出された後は、タッチオフとなる。
【0035】
これらの操作・状態や、タッチパネル70a上に指やペンがタッチしている位置座標は、内部バスを通じてシステム制御部50に通知される。システム制御部50は、通知された情報に基づいてタッチパネル70a上にどのような操作が行われたかを判定する。タッチムーブについてはタッチパネル70a上で移動する指やペンの移動方向についても、位置座標の変化に基づいて、タッチパネル70a上の垂直成分・水平成分毎に判定できる。またタッチパネル70a上をタッチダウンから一定のタッチムーブを経てタッチアップをしたとき、ストロークを描いたこととする。素早くストロークを描く操作をフリックと呼ぶ。フリックは、タッチパネル70a上に指をタッチしたままある程度の距離だけ素早く動かして、そのまま離すといった操作であり、言い換えればタッチパネル70a上を指ではじくように素早くなぞる操作である。所定距離以上を、所定速度以上でタッチムーブしたことが検出され、そのままタッチアップが検出されるとフリックが行われたと判定できる。また、所定距離以上を、所定速度未満でタッチムーブしたことが検出された場合はドラッグが行われたと判定するものとする。タッチパネル70aは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサ方式等、様々な方式のタッチパネルのうちいずれの方式のものを用いてもよい。方式によって、タッチパネルに対する接触があったことでタッチがあったと検出する方式や、タッチパネルに対する指やペンの接近があったことでタッチがあったと検出する方式のものがあるが、いずれの方式でもよい。
【0036】
以下、図3を参照して、デジタルカメラ100が実行する露出調整処理について説明する。本フローチャートの各ステップの処理は、特に断らない限り、システム制御部50が不揮発性メモリ56に格納されたプログラムをシステムメモリ52に展開して実行することにより実現される。本フローチャートの処理は、デジタルカメラ100が露出調整モードに設定されると開始する。
【0037】
なお、露出調整モードとは、デジタルカメラ100の動作モードのうちの1つである。露出調整モードにおいて、ユーザは、シャッター速度、絞り値、ISO感度を特定の値に設定することも可能であるし、シャッター速度、絞り数値、ISO感度の一部又は全部を「Auto」に設定することも可能である。「Auto」とは、実際の値が測光結果に基づいて自動的に設定されることを示す設定値を示す。
【0038】
S301で、システム制御部50は、露出調整モード用の露出パラメータ(露出制御に関する設定項目)の設定値を不揮発性メモリ56から取得し、システムメモリ52に格納する。以下の説明において、露出パラメータは、シャッター速度、絞り値、及びISO感度を含むものとするが、本実施形態の露出パラメータはこれに限定されない。露出パラメータの取得後、デジタルカメラ100は、撮影待機状態になる。撮影待機状態において、システム制御部50は、例えば図5(A)に示すような表示画面を表示部28に表示する。図5(A)の例は、シャッター速度、絞り値、及びISO感度の全てがAutoに設定されている場合に対応する。
【0039】
S302で、システム制御部50は、露出を固定する指示(AEロック指示)が行われたか否かを判断する。AEロック指示が行われた場合、処理はS302に進み、そうでない場合、処理はS310Aに進む。
【0040】
S303で、システム制御部50は、測光を行う。S304で、システム制御部50は、測光結果に基づき、Autoに設定されている露出パラメータについて、現在の撮影条件下で適正露出を達成するための値を決定する。以下の説明においては、測光結果に基づいて決定される露出パラメータの値のことを、不揮発性メモリ56から取得された設定値と区別するために、露出パラメータの「制御値」と呼ぶ。システム制御部50は、決定した制御値をシステムメモリ52に格納する。これにより、現在の撮影条件下で適正露出が達成されるように露出を設定することができる。S304の処理の結果、表示部28の表示画面は、例えば図5(A)から図5(B)に変化する。図5(B)の例では、シャッター速度、絞り値、ISO感度の制御値が、それぞれ1/1000秒、2.0、400に決定されている(シャッター速度に対応する「1000」という表示は、1/1000秒を意味する)。なお、シャッター速度、絞り値、ISO感度のうち、一部がAutoに設定されている場合には、設定値がマニュアルで設定されている設定値に基づいて適正露出になるようにAutoに設定されている露出パラメータ(項目)の設定値(制御値)が算出される。つまり、シャッター速度がAuto、絞り値がユーザにより設定されている場合には、Avモード(絞り値優先モード)に対応しており、設定されていた絞り値において適正露出となるようシャッター速度が設定される。このように、露出調整モードにおいては、各露出パラメータの設定をAutoにしたり、ユーザが設定値を設定したりすることで、AvモードやTvモードに対応する露出調整を1つのモード内において行うことができる。
【0041】
S305Aで、システム制御部50は、選択する露出パラメータを変更する操作がされたか否かを判定する。選択する露出パラメータの変更はサブ電子ダイヤル73への回転操作に応じて行うことができる。S305Aの操作がされない場合には、S302のAEロックの指示がされた際に選択されていた露出パラメータが選択された状態となっており、次のS305Bの処理においては、選択されている露出パラメータの値が変更される。なお、デジタルカメラ100の電源が入った際の初期選択露出パラメータはシャッター速度としてもよい。
【0042】
S305Bで、システム制御部50は、選択中の露出パラメータ(シャッター速度、絞り数値、又はISO感度)の値(制御値、設定値)を変更する操作が行われたか否かを判定する。選択中の露出パラメータの値の変更はメイン電子ダイヤル71への回転操作によって行うことができる。メイン電子ダイヤル71への所定量(1メモリ)の操作に応じて設定値が1段階変更される。変更操作が行われた場合、処理はS306に進み、そうでない場合、処理はS308に進む。なお、AEロック中に露出パラメータにAutoと設定してもすぐに測光結果に応じて制御値が設定される。
【0043】
S306で、システム制御部50は、S305Bにおける変更操作対象のシステムメモリ52に格納されている露出パラメータの制御値、もしくはもともと記録されていた設定値を変更し、設定値としてシステムメモリ52に格納する。また、S306においては、表示部28に表示する変更操作の行われた露出パラメータの設定値を変更する。S305Bにおいて設定値の変更された露出パラメータが測光時にAutoに設定されており、制御値を有していた場合には、測光により算出された制御値からユーザの操作量に応じて値が変わる。つまり、絞り値がAutoに設定されていた場合に、測光により2.0と算出された後、ユーザにより設定値を変更する操作がされた場合には、2.0から操作量に応じて絞り値が変わる。また、もともと測光時にAutoではなく、ユーザ操作により設定値が設定されていた露出パラメータの設定変更をS305Bにおいて行った場合には、システムメモリ52に格納される設定値が変更される。
例えば、S305Bにおいてシャッター速度を1/1000秒から1/800秒に変更する操作が行われた場合、表示部28の表示画面は、図5(B)から図5(C)に変化する。
【0044】
S307で、システム制御部50は、制御値の設定されている露出パラメータの制御値を、設定値としてシステムメモリ52に格納する。S307の処理は、S305Bにおいて値の変更されなかった露出パラメータのうち、制御値の設定されている露出パラメータに対して実行される。すなわち、S305Bの処理において、いずれかの露出パラメータの値が変更されると、測光時にAutoであり制御値が設定されていた露出パラメータが設定値として記録される。言い換えると、ユーザがAEロック中に露出パラメータを変更する操作をした場合には、全ての露出パラメータが設定値として記録されるようになる。ユーザが測光後に露出パラメータの値を変更する操作をしたので、ユーザは算出された適正露出の値をベースに露出パラメータの設定変更を行いたい可能性がある。そこで、Autoとして設定されていた露出パラメータであっても、適正露出としてデジタルカメラ100側に算出された値で記録し、ユーザに設定値変更されない限りは、AEロック解除後もAutoに戻らず設定値が保持されるようにする。ユーザは、例えば、Av、Tv、ISO感度を全てAutoにし、AEロック指示により全ての露出パラメータを適正露出に設定した後に、絞り値を少し変えてぼけ方を変えることができる。これにより、ユーザは1つ1つ設定値を所望の値まで設定する操作をせずに、適正露出まで一手で設定した後に、適正露出の値から値を設定変更すればよいので少ない操作量で素早く設定をすることができる。さらに、AEロック中にいずれかの露出パラメータの設定値(制御値)の変更がされると、その他の露出パラメータの制御値も設定値として記録されるので、ユーザは所望の露出パラメータの設定を保持することができる。シャッター速度、絞り値が共にAutoであり、AEロック中にシャッター速度の値が変更された後、AEロック解除後に絞り値がAutoに戻ってしまうと、適正露出においてユーザが調整した、シャッター速度、絞り値の関係が崩れてしまう。一方で、S307のように、適正露出の値からユーザがシャッター速度を調整したことに応じて絞り値をAutoにせず、設定値として記録するようにすると、AEロック中にユーザの調整した露出設定を保持することができる。
【0045】
S308で、システム制御部50は、AEロックを解除するか否かを判定する。例えば、ユーザによるAEロック解除指示が行われた場合や、S302のAEロック指示から所定時間が経過した場合などに、システム制御部50はAEロックを解除すると判定する。AEロックを解除する場合、処理はS309に進み、そうでない場合、処理はS305Aに進む。
【0046】
S309で、システム制御部50は、露出パラメータの制御値をシステムメモリ52から削除する。制御値は、S303の測光結果に基づいて決定されたものなので、AEロックが解除されたことに応じてシステムメモリ52から削除する。従って、次に測光が行われた場合、露出パラメータのうち設定値が「Auto」であるものについては、再び測光結果に基づいて新たな制御値が決定される。例えば、表示部28の表示画面が図5(A)の状態でS303の測光が行われて図5(B)の状態に遷移し、その後、露出パラメータの変更操作(S305B)が行われることなくAEロックが解除された場合を考える。この場合、S309における制御値の削除の結果、表示部28の表示画面は、図5(B)から図5(A)に戻る。一方、表示部28の表示画面が図5(B)の状態に遷移した後に露出パラメータの変更操作(S305B)が行われて図5(C)の状態に遷移した場合、全ての露出パラメータは、Auto以外の設定値を持つ。従って、S309の処理後も、表示部28の表示画面は図5(A)の状態に戻らず、図5(C)の状態のままである。
【0047】
S310Aで、システム制御部50は、S305Aと同様に、選択する露出パラメータを変更する操作がされたか否かを判定する。選択する露出パラメータの変更はサブ電子ダイヤル73への回転操作に応じて行うことができる。S310Aの操作がされない場合には、S302のAEロックの指示がされた際に選択されていた露出パラメータが選択された状態となっており、次のS310Bの処理においては、選択されている露出パラメータの値が変更される。なお、デジタルカメラ100の電源が入った際の初期選択露出パラメータはシャッター速度としてもよい。
【0048】
S310Bで、システム制御部50は、各種設定値の変更操作が行われたか否かを判定する。各種設定値には、露出パラメータの設定値や、撮影待機状態において変更可能なその他の設定値などが含まれる。各種設定値の変更操作が行われた場合、処理はS311に進み、そうでない場合、処理はS312に進む。AEロック中でない場合には、測光に応じて適正露出となるように制御値が設定されるAutoや、Auto以外の設定値を設定可能である。
【0049】
S311で、システム制御部50は、S310Bにおける変更操作対象の設定値を更新し、システムメモリ52に格納する。その後、処理はS302に戻る。
【0050】
S312で、システム制御部50は、撮影操作が行われたか否かを判断する。撮影操作が行われた場合、処理はS313に進み、そうでない場合、処理はS316に進む。
【0051】
S313及びS314で、システム制御部50は、S303及びS304と同様に、測光、及びAutoに設定されている露出パラメータについての制御値の決定及び格納を行う。
【0052】
S315で、システム制御部50は、撮影を行う。S315においては撮像部22で撮像した画像を記録媒体200へ記録する。システム制御部50は、撮影処理として、前述した第1シャッタースイッチ62がONになった場合の処理、及び第2シャッタースイッチ64がONになった場合の処理を順次行う。
【0053】
S316で、システム制御部50は、モード切替スイッチ60の操作により動作モードの切替操作が行われたか否かを判断する。切替操作が行われていない場合、処理はS302に戻る。切替操作が行われた場合、本フローチャートの処理は終了する。即ち、露出調整モードにおける露出調整処理が終了する。
【0054】
なお、上の説明では、設定項目の例として露出パラメータ(露出制御に関する設定項目)を採用し、AEロック指示に応じてAutoの設定値を持つ露出パラメータに対して設定値が自動的に設定されるものとした。しかしながら、本実施形態において、設定項目は露出パラメータに限定されず、Autoに設定された設定項目の設定値を自動的に設定するトリガーはAEロック指示に限定されない。本実施形態は、所定の動作モードでの動作が開始したことに応じてAutoに設定された設定項目の設定値が自動的に設定される任意の構成に対して適用可能である。例えば、設定項目は、オートフォーカスの測距点に関する設定項目であってもよいし、オートホワイトバランスに関する設定項目であってもよい。
【0055】
また、上の説明では、設定値と制御値とを区別することにより、Autoに設定された露出パラメータがAEロック解除(所定の動作モードでの動作の終了)に応じてAutoに戻ることを可能にする構成について説明した。しかし、具体的な実装に関しては特に限定されず、例えば、AEロックの開始前にAutoに設定されていた露出パラメータにはフラグを立てる等をしてもよく、設定値と制御値とを厳密に区別する必要はない。Autoに設定された露出パラメータに対して測光結果に基づいて具体的な値が自動設定され、AEロック中に変更操作が行われていない場合にAEロック解除後にこの露出パラメータがAutoに戻る構成であれば、任意の構成を採用可能である。
【0056】
なお、S302のAEロックの指示をした際に、Autoに設定されていた設定項目については、S308におけるAEロック解除の後、設定値が設定されていたとしても、所定時間経過後にAutoに戻すようにしてもよい。つまり、AEロック中に他の設定項目の設定値が変更されたことにより、Autoから適正露出の値(制御値)を設定値として設定された設定項目は、AEロック解除に応じてはAutoにならないが、所定時間経過後にAutoにする。これにより、AEロック後、例えば10秒や15秒といったしばらくの間は、設定した値のまま(固定で)撮影を継続することができる。さらに、時間経過に応じて再びAutoになるので、時間が経過し撮影環境が変わった際には、AEロック指示で適正露出の設定となる。
【0057】
また、各露出パラメータの値をAutoに設定する手段があってもよい。例えば、選択中の露出パラメータをAutoに設定するボタンと、全ての露出パラメータをAutoにするボタンとがあってもよい。これにより、ユーザは、容易に各撮影の前に適正露出での値を設定(算出)するようにAutoへと設定することができるので、撮影状況(露出状況)が変わってもすぐに所望の設定値へと設定することができる。具体的には、明るい場所で適正露出にした後、設定値を調整し、全ての露出パラメータを一手でAutoにすることで、暗い場所でも適正露出にした後に、設定値を調整するという変更を容易に行うことができるようになる。
【0058】
図3を参照して説明したようにシステム制御部50が制御を行うことで、デジタルカメラ100が決定した適正露出を達成する露出パラメータを出発点に、ユーザが露出パラメータを所望の値に変更して撮影することができる。従って、ユーザは、露出の微調整を素早く行うことができる。
【0059】
なお、システム制御部50は、S303又はS313の測光を単独で行い、得られた測光結果を制御値として保持し、制御値変更指示が発生したことで測光結果から直接制御値を得て更新し、撮影制御へ反映する機能を有している場合がある。この場合、測光開始によって機能が有効となる。そのため、システム制御部50は、測光状態及び測光状態を一定時間継続する測光タイマー状態を終えると、測光及び制御値変更指示によって得られた制御値を破棄して、撮影待機時状態に戻るような機能を有している。このような機能は、第1の実施形態、及び後述する第2の実施形態において、併存することが可能である。
【0060】
また、システム制御部50は、S306において制御値を設定値として格納する際に、表示部28に露出計を表示してもよい。露出計は、現在の設定値で撮影した場合に、適正露出からどの程度外れるかを示す。適正露出から外れすぎる場合には、システム制御部50は、点滅表示などを行い、撮影画像が明るすぎ、又は暗すぎになり、撮影画像内の被写体が見えなくなる可能性がある注意を明示することができる。後述する第2の実施形態のS407でも、露出計表示を行ってもよい。
【0061】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、デジタルカメラ100は、AEロック指示に応じて、Autoに設定された露出パラメータに対して設定値を自動的に設定する。ここで、自動的に設定される値は設定値と区別可能な制御値であってもよいが、前述の通り、設定値と制御値とを厳密に区別する必要はない。デジタルカメラ100は、AEロック中(所定の動作モードでの動作中)に、ユーザ指示に応じて、いずれかの露出パラメータの設定値を変更する。AEロック中にユーザ指示に応じた露出パラメータの変更が行われていない場合、デジタルカメラ100は、AEロック解除に応じて、AEロック開始時にAutoに設定されていた露出パラメータをAutoの設定に戻す。これにより、複数の設定項目を設定する際の操作性が向上する。
【0062】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る露出調整処理について説明する。第2の実施形態において、デジタルカメラ100の基本的な構成は、第1の実施形態と同様である(図1及び図2参照)。以下、主に第1の実施形態と異なる点について説明する。
【0063】
図4は、デジタルカメラ100が実行する露出調整処理のフローチャートである。図4のS401AからS406の処理は、図3のS305AからS309を置き換える処理である。即ち、第2の実施形態において、図3のS301からS304及びS310AからS316については、第1の実施形態と同様の処理が行われる。図4のフローチャートの各ステップの処理は、特に断らない限り、システム制御部50が不揮発性メモリ56に格納されたプログラムをシステムメモリ52に展開して実行することにより実現される。また、本フローチャートの処理は、デジタルカメラ100が露出調整モードに設定されると開始する。
【0064】
図3のS304の処理に続いて、S401Aで、システム制御部50は、選択する露出パラメータを変更する操作がされたか否かを判定する。選択する露出パラメータの変更はサブ電子ダイヤル73への回転操作に応じて行うことができる。S401Aの操作がされない場合には、S302のAEロックの指示がされた際に選択されていた露出パラメータが選択された状態となっており、次のS401Bの処理においては、選択されている露出パラメータの値が変更される。なお、デジタルカメラ100の電源が入った際の初期選択露出パラメータはシャッター速度としてもよい。
【0065】
S401Bで、システム制御部50は、いずれかの露出パラメータ(シャッター速度、絞り数値、又はISO感度)を変更する操作が行われたか否かを判定する。変更操作が行われた場合、処理はS402に進み、そうでない場合、処理はS405に進む。なお、本実施形態では、ユーザは、いずれかの露出パラメータをAutoに変更する操作を行うことも可能である。
【0066】
S402で、システム制御部50は、S401Bにおける変更操作対象の露出パラメータの制御値、もしくはもともと記録されていた設定値を変更し、設定値としてシステムメモリ52に格納する。
【0067】
S403で、システム制御部50は、Autoの設定値を持つ露出パラメータが存在するか否かを判定する。存在する場合、処理はS404に進み、存在しない場合、処理はS405に進む。
【0068】
S404で、システム制御部50は、露出が変化しないように(適正露出を維持するように)、Autoの設定値を持つ露出パラメータの制御値を更新する。例えば、S304の処理により表示部28の表示画面が図5(A)から図5(B)に変化し、S401Bにおいてシャッター速度を1/1000秒から1/800秒に変更する操作が行われ、表示画面が図5(B)から図5(C)に変化した場合を考える。この場合、シャッター速度の設定値は1/800秒になるが、絞り値及びISO感度の設定値はAutoのままである。そのため、S404において、適正露出を維持するように、絞り値及びISO感度の制御値を更新する処理が行われる。その結果、表示部28の表示画面は、例えば図5(D)に示すように、絞り値が2.0から1.8に変化した状態になる。
【0069】
S405で、システム制御部50は、AEロックを解除するか否かを判定する。例えば、ユーザによるAEロック解除指示が行われた場合や、S302のAEロック指示から所定時間が経過した場合などに、システム制御部50はAEロックを解除すると判定する。AEロックを解除する場合、処理はS406に進み、そうでない場合、処理はS401Aに進む。
【0070】
S406で、システム制御部50は、AEロック中に露出パラメータの変更操作が行われたか否かを判定する。AEロック中に露出パラメータの変更操作が行われた場合、処理はS407に進み、そうでない場合、処理はS408に進む。
【0071】
S407で、システム制御部50は、システムメモリ52に格納されている露出パラメータの制御値を、設定値としてシステムメモリ52に格納する。これにより、全ての露出パラメータが、Auto以外の設定値を持つようになる。例えば、S404において説明したように表示部28の表示画面が図5(D)に示す状態になった場合、AEロックの解除後も、図5(D)の状態が維持される。
【0072】
S408で、システム制御部50は、露出パラメータの制御値をシステムメモリ52から削除する。制御値は、S303の測光結果に基づいて決定されたものなので、AEロックが解除されたことに応じてシステムメモリ52から削除する。従って、次に測光が行われた場合、露出パラメータのうち設定値が「Auto」であるものについては、再び測光結果に基づいて新たな制御値が決定される。例えば、表示部28の表示画面が図5(A)の状態でS303の測光が行われて図5(B)の状態に遷移し、その後、露出パラメータの変更操作(S401B)が行われることなくAEロックが解除された場合を考える。この場合、S408における制御値の削除の結果、表示部28の表示画面は、図5(B)から図5(A)に戻る。
【0073】
なお、S404における適正露出を維持するように露出パラメータの制御値を更新する処理において、システム制御部50は、不揮発性メモリ56から取得される制御情報に基づいて更新後の制御値を決定することができる。或いは、適正露出を維持するために更新する露出パラメータをシャッター速度、絞り数値、ISO感度のいずれとするかをユーザが指定可能であってもよく、この場合、システム制御部50は、ユーザによる指定に従って制御値を更新する。
【0074】
図4を参照して説明したようにシステム制御部50が制御を行うことで、デジタルカメラ100が決定した適正露出を達成する露出パラメータを出発点に、ユーザが露出パラメータを所望の値に変更して撮影することができる。従って、ユーザは、露出の微調整を素早く行うことができる。特に、第2の実施形態では、S403及びS404の処理があるために、ユーザが特定の露出パラメータを微調整することを可能としつつ、適正露出を維持した制御値での撮影が可能となる。
【0075】
以上説明したように、第2の実施形態では、AEロック中にユーザ指示に応じた露出パラメータの変更が行われた場合、デジタルカメラ100は、変更前後で露出が変化しないように、自動的に設定又は更新された露出パラメータの設定値を自動的に更新する。これにより、複数の設定項目を設定する際の操作性が向上する。
【0076】
なお、システム制御部50が行うものとして説明した上述の各種制御は、1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
【0077】
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0078】
また、上述した実施形態においては、本発明をデジタルカメラ100に適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されず、複数の設定項目を有する電子機器であれば適用可能である。すなわち、本発明は、パーソナルコンピュータやPDA、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、ディスプレイを備えるプリンタ装置、デジタルフォトフレーム、音楽プレーヤーなどに適用可能である。また、本発明は、ゲーム機、電子ブックリーダー、タブレット端末、スマートフォン、投影装置、ディスプレイを備える家電装置や車載装置などにも適用可能である。
【0079】
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0080】
17…AEセンサ、22…撮像部、28…表示部、50…システム制御部、52…システムメモリ、56…不揮発性メモリ、70…操作部、74…十字キー、100…デジタルカメラ、101…シャッター、102…絞り、103…レンズ、150…レンズユニット
図1
図2
図3
図4
図5