(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御信号生成部は、前記入力部での入力に基づいて、前記複数の電子機器のそれぞれの赤外線信号の受信に対応する制御信号を生成して、前記発信機に送信する、請求項1から4のいずれか記載の電子機器制御装置。
前記発信機は、居室の人の存在を検出する人体検出センサーを有し、前記人体検出センサーの検出結果に基づいて、前記複数の電子機器の少なくとも一つに所定制御を示す赤外線信号を発信する、請求項1から7のいずれか記載の電子機器制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の第1の発明に係る電子機器制御装置は、複数の電子機器のそれぞれに赤外線信号を発信する発信機と、
複数の電子機器のそれぞれに対応する操作を受け付けると共に、操作に基づく制御信号を生成して発信機に送信する操作機器と、を備え、
発信機は、
複数の電子機器のそれぞれに対応するリモコンコードを記憶する記憶部と、
制御信号をリモコンコードに組み入れることで、赤外線信号を生成する赤外線信号生成部と、を有し、
操作機器は、
複数の電子機器のそれぞれに対応する操作画面を表示する表示画面と、
操作の入力を受け付ける入力部と、
入力部が受け付けた入力内容に基づいて制御信号を生成する制御信号生成部と、を有し、
赤外線信号は、複数の電子機器のそれぞれにおいて受信可能な規格に対応する。
【0031】
この構成により、複数のリモコンを使用せずに、操作機器だけで複数の電子機器を制御できる。また、設置なども容易である。
【0032】
本発明の第2の発明に係る電子機器制御装置では、第1の発明に加えて、操作機器は、多言語に対応可能である。
【0033】
この構成により、様々な使用言語の使用者でも、操作が可能である。
【0034】
本発明の第3の発明に係る電子機器制御装置では、第2の発明に加えて、表示画面は、使用者の選択により選択された言語で、操作画面を表示する。
【0035】
この構成により、使用者の操作が簡単になる。
【0036】
本発明の第4の発明に係る電子機器制御装置では、第1から第3のいずれかの発明に加えて、表示画面は、複数の電子機器のそれぞれに対応する操作画面を表示し、
入力部は、操作画面に対応する入力を受け付ける。
【0037】
この構成により、一つの操作機器のみで、複数の電子機器の操作に対応できる。
【0038】
本発明の第5の発明に係る電子機器制御装置では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、制御信号生成部は、入力部での入力に基づいて、複数の電子機器のそれぞれの赤外線信号の受信に対応する制御信号を生成して、発信機に送信する。
【0039】
この構成により、発信機は、電子機器のそれぞれに適した制御信号を組み入れた赤外線信号を発信できる。
【0040】
本発明の第6の発明に係る電子機器制御装置では、第1から第5のいずれかの発明に加えて、複数の居室のそれぞれに、電子機器制御装置が設置される場合において、操作機器は、居室に設定された無線通信機器との識別機能を有する。
【0041】
この構成により、操作機器が他の居室で使用されることがなくなる。
【0042】
本発明の第7の発明に係る電子機器制御装置では、第6の発明に加えて、操作機器は、識別機能で対応する無線通信機器以外とは通信ができない。
【0043】
この構成により、操作機器が他の居室で使用されることが無くなる。
【0044】
本発明の第8の発明に係る電子機器制御装置では、第1から第7のいずれかの発明に加えて、発信機と操作機器は物理的に分離した別体である。
【0045】
この構成により、操作機器の使用がやりやすくなる。また、既存の端末を操作機器に転用しやすくなる。
【0046】
本発明の第9の発明に係る電子機器制御装置では、第1から第8のいずれかの発明に加えて、発信機は、時間計測機能を有し、所定時間経過後に、複数の電子機器の少なくとも一つに、所定制御を示す赤外線信号を発信する。
【0047】
この構成により、タイマー機能が実現できる。
【0048】
本発明の第10の発明に係る電子機器制御装置では、第1から第8のいずれかの発明に加えて、発信機は、居室の人の存在を検出する人体検出センサーを有し、人体検出センサーの検出結果に基づいて、複数の電子機器の少なくとも一つに所定制御を示す赤外線信号を発信する。
【0049】
この構成により、人の在室に合わせた最適な電子機器の制御が行える。
【0050】
本発明の第11の発明に係る電子機器制御装置では、第9または第10の発明に加えて、所定制御は、起動、停止および状態変化の少なくとも一つを含む。
【0051】
この構成により、電子機器の制御がさまざまに自動で行える。
【0052】
本発明の第12の発明に係る電子機器制御装置では、第1から第11のいずれかの発明に加えて、発信機および操作機器と通信可能なサーバーを更に備え、サーバーは、発信機に、制御信号を送信可能である。
【0053】
この構成により、サーバーによって直接的な電子機器の制御が可能である。
【0054】
本発明の第13の発明に係る電子機器制御装置では、第1から第12のいずれかの発明に加えて、複数の居室のそれぞれに、電子機器制御装置が設置される場合において、
サーバーは、発信機および操作機器と複数の居室のそれぞれとの対応関係を識別し、
サーバーは、操作機器と恒常的に通信を実施可能である。
【0055】
この構成により、サーバーによって、電子機器制御装置と居室との対応関係(ペアリング)が、常に確立する。
【0056】
以下、図面を用いながら本発明の実施の形態について説明する。
【0057】
(実施の形態1)
(全体概要)
まず、本発明の実施の形態1における電子機器制御装置の全体概要について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における電子機器制御装置と周辺を示すブロック図である。
図2は、本発明の実施の形態1における電子機器制御装置の内部ブロック図である。
【0058】
図1に示されるように、電子機器制御装置1は、電子機器を制御する。居室には複数の電子機器20、30、40が設置されている。例えば、電子機器20は、テレビなどの受像機であり、電子機器30は、照明装置であり、電子機器40は、空調機器である。
【0059】
このように、種類の異なる複数の電子機器20、30、40が居室に設置されている。これらは、それぞれに付属しているリモコンによって操作制御がなされる。それぞれのリモコンは、赤外線信号によって、電子機器20、30、40を制御する。
【0060】
これに対して、電子機器制御装置1は、それぞれのリモコンに代わって、複数の電子機器20、30、40のそれぞれを制御する。受像機であれば、起動、停止、選曲、音量の変更などの制御が行われる。照明装置であれば、照度の変更やON、OFFの切り替えなどの制御が行われる。空調機器であれば、起動、停止、温度変更、風量変更などの制御が行われる。電子機器制御装置1は、これらの電子機器20、30、40に赤外線信号をリモコンの代わりに発信して、これらのような制御を実現する。
【0061】
電子機器制御装置1は、発信機2と操作機器3とを備える。発信機2は、複数の電子機器20、30、40のそれぞれに赤外線信号を発信する。操作機器3は、複数の電子機器20、30、40のそれぞれに対応する操作を受け付けると共に、操作に基づく制御信号を生成して、発信機2に送信する。
【0062】
すなわち、操作機器3は、電子機器20、30、40のそれぞれに対応した操作を受け付ける。例えば、受像機の選曲や空調機器の温度変更などの操作である。操作機器3が操作を受け付けると、発信機2にこの内容を伝える。発信機2は、この操作内容に対応する赤外線信号を、リモコンの代わりに発信する。この発信によって、電子機器20、30、40のそれぞれは、操作内容に対応した動作を実行する。
【0063】
図2に示されるように、発信機2および操作機器3のそれぞれは、必要な要素を備える。
【0064】
発信機2は、記憶部21と赤外線信号生成部22を備える。記憶部21は、複数の電子機器20、30、40のそれぞれに対応するリモコンコードを記憶する。リモコンコードは、電子機器20、30、40のそれぞれが付属のリモコンで動作するように設定されているコードである。ある電子機器20(製造業者や製造番号などによって特定される)は、特定のリモコンコードで動作するように設定されている。赤外線信号は、このリモコンコードによって特定される。
【0065】
発信機2は、赤外線信号を発信する際に、この特定のリモコンコードによって、対象となる電子機器を区別しつつ、電子機器の制御を確実に行える。記憶部21は、電子機器20、30、40のそれぞれに対応するリモコンコードを記憶していることで、発信する赤外線信号を、電子機器20、30、40のそれぞれを制御できる信号にできる。
【0066】
もちろん、
図1では、例として電子機器20、30、40を示しているが、他の種類の電子機器や更に多くの電子機器が設置されている場合には、記憶部21は、これら別の電子機器に対応するリモコンコードを記憶する。記憶部21は、予め、これらのリモコンコードを記憶していればよい。また、電子機器の追加や変更に対応して、事後的にリモコンコードを記憶してもよい。
【0067】
赤外線信号生成部22は、操作機器3から送信される制御信号を、リモコンコードに組み入れることで、赤外線信号を生成する。発信機2は、この生成された赤外線信号を発信する。このとき、赤外線信号生成部22が、赤外線信号を発信してもよい。あるいは、発信を行う別の要素が設けられて、この別の要素が赤外線信号を発信してもよい。
【0068】
操作機器3は、表示画面31、入力部32、制御信号生成部33とを備える。表示画面31は、複数の電子機器20、30、40のそれぞれに対応する操作画面を表示する。例えば、モニター画面が備わっており、このモニター画面に、電子機器の例である受像機、照明装置、空調機器のそれぞれに必要となる操作画面を表示する。温度の変更、照度の変更、音量の変更などを示す表示である。
【0069】
入力部32は、この表示画面31の表示に基づいて、操作の入力を受け付ける。このとき、入力部32がタッチパネル等であれば、表示画面31を操作することで、入力部32による操作の入力となる。あるいは、ボタンやキーボードなどが備わっている場合には、これらが入力部32の一部となる。このときも、表示画面31の表示に対応して、入力部32から操作が入力されればよい。
【0070】
制御信号生成部33は、入力部32が受け付けた入力内容に基づいて(表示画面31が入力画面である場合には、入力部32を兼用する表示画面からの入力内容に基づいて)、制御信号を生成する。例えば、入力部32が、受像機である電子機器20の音量を増加させるとの入力内容を受け付けた場合には、制御信号生成部33は、受像機である電子機器20の音量を増加させる制御信号を生成する。
【0071】
もちろん、他の入力内容であれば、この入力内容に合わせた制御信号を生成する。これらの処理によって、入力部32に入力された入力内容(操作内容)が反映された制御信号が生成される。
【0072】
制御信号生成部33は、この生成した制御信号を発信機2に送信する。
【0073】
発信機の赤外線信号生成部22は、送信された制御信号を、リモコンコードに組み込む。このとき、制御信号に基づいて、どの電子機器を対象とするかを判別して、記憶部21に記憶されているリモコンコードのいずれに(電子機器によってリモコンコードが異なる)制御信号を組み入れるかを、赤外線信号生成部22は、決定する。
【0074】
この決定に基づいて、赤外線信号生成部22は、対象となる電子機器に対応する赤外線信号を生成して発信する。この赤外線信号を受信した電子機器は、その制御信号に含まれる操作に対応する動作を行う(制御される)。
【0075】
例えば、電子機器20が受像機であり、制御信号が受像機の音量増加である場合には、赤外線信号は、電子機器20に音量増加を示す信号となっている。発信機2が発信するこの赤外線信号を受けて、電子機器20は、その音量を増加させる。
【0076】
ここで、発信機2から発信される赤外線信号は、複数の電子機器20、30、40において受信可能な規格に対応している。操作機器3で複数の電子機器20、30、40のそれぞれの操作を実現しつつ、発信機2からそれぞれに対応する赤外線信号を発信してこれらを制御する。この結果、付属のリモコンのそれぞれをばらばらに使用する必要が無くなる。リモコンを無くすなどの問題もない。
【0077】
また、操作機器3は、既存の携帯端末、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、ノートブック型パソコンなどが用いられれば良い。加えて、発信機2は、居室内に簡単に設置できる。これらの結果、設置作業や配線作業などの不便も無い。居室内に設置されている電子機器の全てを、電子機器制御装置1は、まとめて制御できる。
【0078】
また、電子機器が追加あるいは変更されても、事後的に対応できる。
【0079】
電子機器が追加あるいは変更されると、記憶部21に新しいリモコンコードが記憶されればよい。また操作機器3の操作画面や入力画面に、新しい電子機器に対応する画面が追加されればよい。これらは、ソフトウェアとして事後的な変更やアップデートが可能である。
【0080】
次に、各部の詳細やバリエーションについて説明する。
【0081】
(操作機器の多言語対応)
操作機器は、上述のように、既存の携帯端末、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、ノートブック型パソコンなどが用いられれば良い。これらに、予めあるいは事後的に、複数の電子機器20、30、40やそれ以外に対応する操作画面や入力画面が表示でき、操作できるようにしていればよい。
【0082】
例えば、表示画面31に、音声切り替えや選曲などの表示がされる。使用者は、これを操作することで、入力部32を通じた操作入力を行うことができる。既存の携帯端末などが操作機器3として使用される場合には、携帯端末などにソフトウェアが組み込まれて、操作可能な表示画面31が作られればよい。
【0083】
あるいは、操作機器3は、電子機器制御装置1に対応して専用に作られて使用されてもよい。
【0084】
ここで、操作機器3は、多言語での対応が可能であることも好適である。日本語、英語、韓国語、中国語、イタリア語、スペイン語、ロシア語、アラビア語など、様々な言語に対応可能であることが好適である。操作機器3は、ソフトウェアの組み込みによって、あるいは組み込み済みのソフトウェアによって、操作画面となる表示画面31を多言語対応にすることができる。
【0085】
多言語対応であることで、使用者の使用言語の差異に係らず、操作機器3を容易に使用できる。電子機器のそれぞれに付属しているリモコンでは多言語対応を行うことは困難である。物理的な記載スペースが足りず、液晶画面などを用いるには大きさも容量も電気容量も足りないからである。
【0086】
これに対して、電子機器制御装置1では、既存もしくは専用の操作機器3を用いるので、ソフトウェアとして画面表示を切り替えが可能である。このため、多言語対応が可能となる。
【0087】
例えば、ホテルなどの宿泊施設の居室においては、様々な使用言語の宿泊客が宿泊する。このとき、電子機器制御装置1の操作機器3については、多言語で対応可能であることが好ましい。そうすれば、操作機器3や電子機器制御装置1を、宿泊客によって設置しなおす必要が無いからである。
【0088】
操作機器3が多言語対応であることで、表示画面31は、使用者の選択により選択された言語で、操作画面を表示する。英語なら英語、中国語なら中国語にした状態で、表示画面31は、操作画面を表示する。使用者は、これにより、自身の使用言語でストレスなく操作機器3を操作できる。
【0089】
なお、操作機器3の言語については、使用者が手動で切り替えてもよいし、使用者の属性を把握したサーバーが切り替えることでもよい。
【0090】
(操作機器の操作画面)
図3は、本発明の実施の形態1における操作機器の正面図である。内部要素の一部をブロックとして示している。操作機器3は、表示画面31を備える。表示画面31は、複数の電子機器のそれぞれに対応する操作画面を表示する。
図3では、操作画面として、テレビの操作と空調機器の操作とを示す操作画面が示されている。
【0091】
例えば、テレビの操作画面であれば、音量、選曲、ON、OFF、タイマーが示されている。空調機器の操作画面であれば、温度、風量、ON、OFF、タイマーが示されている。使用者は、操作画面を操作する。操作画面の操作に対応して、入力部32は、操作入力を受け付ける。
【0092】
この結果、操作画面を通じた入力内容が、制御信号として生成される。
【0093】
表示画面31に、入力操作を可能とする操作画面が表示されることで、使用者は、操作画面の操作だけで操作内容を入力することができる。入力部32が、この入力内容を受けて、制御信号生成部33に出力する。
【0094】
(制御信号生成部)
制御信号生成部33は、入力部32の入力に基づいて、制御信号を生成する。このとき、
図3のような操作画面での入力に基づくので、例えば、空調機器の温度を上昇させるとの入力に基づいて、空調機器の温度を上昇させるとの制御信号を生成する。
【0095】
このとき、操作機器3での入力においては、電子機器制御装置1が対象とする電子機器のいずれに対する操作であるかが区別される。この区別を含む信号が、制御信号に含まれて生成される。
【0096】
この状態で、制御信号生成部33は、発信機2に制御信号を送信する。この結果、発信機2は、どの電子機器に対するどのような制御であるかを博することができる。
【0097】
制御信号生成部33は、リモコンコードに組み込み可能な態様での制御信号を生成する。この態様であることで、制御信号はリモコンコードに組み込みが可能となる。
【0098】
(発信機)
発信機2の記憶部21は、電子機器のそれぞれに対応するリモコンコードを記憶している。電子機器のそれぞれは、種類、製造業者、製造番号などによって、赤外線信号に反応するリモコンコードをもっている。この特定のリモコンコードによる赤外線信号でしか、反応しない。
【0099】
電子機器のそれぞれに付属しているリモコンは、出荷時にこのリモコンコードが設定されている。記憶部21は、このリモコンが備えているリモコンコードを記憶する。リモコンから移植することでもよいし、他の手段で記憶部21にリモコンコードが記憶されればよい。
【0100】
制御信号生成部33から送信される制御信号は、赤外線信号生成部22に入力する。赤外線信号生成部22は、記憶部21に記憶されているリモコンコードを読み出せる。例えば、制御信号の受信をした場合に、制御信号に含まれる対象となる電子機器のリモコンコードを、記憶部21から読み出す。
【0101】
赤外線信号生成部22は、読み出してリモコンコードに受信した制御信号を組み入れる。組み入れた上で、赤外線信号を生成する。発信機2は、この赤外線信号を発信する。
【0102】
赤外線信号は、居室内の複数の電子機器のいずれかに対応しているので、対応している電子機器に対して、必要な操作の実行を実現させることができる。操作機器3で入力される操作内容に応じて、電子機器制御装置1は、電子機器のリモート制御を可能とする。上述したように、リモコンを削減しつつ、多言語にも対応できる。
【0103】
(発信機と操作機器)
電子機器制御装置1において、発信機2と操作機器3とは、同じ筐体に含まれる要素であってもよい。あるいは、別体であってもよい。前者であれば、電子機器制御装置1が一体として製造されればよい。
【0104】
後者であれば、既存の携帯端末などが操作機器3として使用されて、発信機2と物理的に分離した状態で組み合わされればよい。もちろん、専用機器として製造される場合でも、分離した状態であってもよい。分離した状態であることで、使用者は、都合の良い場所で操作機器3を使用でき、電子機器への赤外線信号の送信が確実となる場所に発信機2が設置される。
【0105】
なお、発信機2は、様々な電子機器へ確実に赤外線信号を発信するために、壁や天井などに設置されることも好適である。
【0106】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、発信機2による自動的な赤外線信号の発信について説明する。
【0107】
実施の形態1においては、使用者が操作機器3を操作することで、操作内容に対応する赤外線信号が発信された。実施の形態2では、操作ではなく、発信機2が何らかの起点に基づいて、自動で赤外線信号を発信する場合について説明する。
【0108】
(時間計測)
発信機2は、時間を計測する時間計測機能を備えていることも好適である。例えば、タイマーを有している。ここで、時間計測機能によって所定時間が計測されると、所定時間経過後に、発信機2は、赤外線信号を発信する。
【0109】
このとき、複数の電子機器のいずれかに対して、所定制御を示す赤外線信号を発信する。例えば、所定時間を経過すると、発信機2は、電子機器のいずれかに対して(一部でも全てでもよい)、停止を命ずる赤外線信号を発信する。あるいは、停止および状態変化の少なくとも一つの赤外線信号を発信する。
【0110】
対象となる複数の電子機器が受像機である場合に、所定時間の経過後あるいは所定時刻になると、発信機2は、これの停止、起動および状態変化の少なくとも一つの赤外線信号を発信する。例えば、所定時刻になると受像機を停止させたい場合に、自動で停止させることができる。
【0111】
もちろん、空調機器を所定時間経過後に自動で停止あるいは起動させたりする場合にも、発信機2が、自動でこの赤外線信号を発信することが適当である。照明装置である場合も同様である。
【0112】
このように、自動で赤外線信号を発信できることで、時間や時刻に対応した電子機器の自動制御が可能となる。
【0113】
図4は、本発明の実施の形態2における発信機の内部ブロック図である。時間計測機能23が備わり、これの結果を受けて、赤外線信号生成部22が赤外線信号を発信する。
【0114】
なお、時間計測機能23での設定時間や設定時刻は、使用者によって定められてもよいし、予め組み込まれてもよいし、外部から設定されてもよい。
【0115】
(人体検出センサー)
また、発信機2は、人体検出センサーを有していることも好適である。人体検出センサーは、居室の人の存在を検出できる。人体検出センサーの検出結果に基づいて、発信機2は、電子機器の少なくとも一つに、所定制御を示す赤外線信号を発信する。
【0116】
所定制御は、起動、停止および状態変化の少なくとも一つを含む。
【0117】
例えば、人体検出センサーが人の存在を検出する場合には、発信機2は、照明装置に対して起動の赤外線信号を発信する。人体が検出されると、自動で照明装置が発光する。あるいは、人体を検出すると、発信機2は、空調機器へ起動の赤外線信号を発信する。居室に人が入ることで、必要となる電子機器の動作が実現されるメリットがある。
【0118】
図5は、本発明の実施の形態2における発信機の内部ブロック図である。人体検出センサー24が備わり、これの結果を受けて、赤外線信号生成部22が赤外線信号を発信する。
【0119】
自動で発信するので、自動で、電子機器が制御される。これらの結果、使用者の操作わすれや設定わすれなどによる、電子機器の付け忘れや消し忘れを防止できる。また居室内での作業や生活をより快適にできる。
【0120】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3では、ホテルなどの宿泊施設やオフィスなどの集合施設において、多数の居室がある場合についての対応について説明する。宿泊施設などにおいては、複数の居室が存在する。
【0121】
これら複数の居室のそれぞれに、複数の電子機器が設置される。また、居室のそれぞれにおいては、同様の種類の電子機器が設置される。例えば、宿泊施設においては、複数の客室のそれぞれに、受像機、ネット接続機器、空調機器、照明装置などの同様のものが設置される。
【0122】
この場合には、複数の居室のそれぞれに、電子機器制御装置1が設置される。
図6は、本発明の実施の形態3における宿泊施設の模式図である。
【0123】
宿泊施設100には、複数の居室110が備わっている。
図6では、省略しているが、複数の居室110のそれぞれには、上述のように電子機器が備わっている。電子機器制御装置1は、これらの電子機器を実施の形態1,2で説明したように制御する。
【0124】
また、電子機器制御装置1は、各居室110に設置されている無線通信機器5と無線通信が可能である。電子機器制御装置1は、宿泊施設100のサーバー200と通信を行いながら動作することがあり得る。このため、無線通信機器5が居室110に備わっており、電子機器制御装置1は、この無線通信機器5と通信しながら、動作を実行する。
【0125】
ここで、電子機器制御装置1は、複数の居室110のそれぞれに備わる。電子機器制御装置1が、宿泊客によって持ち出されて、他の居室110で使用されたり、宿泊施設100と別の場所で使用されたりすることは好ましくない。特に、操作機器3は、物理的に別体であることもあり、操作機器3が持ち出されて、他の場所で使用されることは好ましくない。
【0126】
ここで、操作機器3は、無線通信機器5と無線通信を行うことが可能である。この無線通信において、操作機器3は、無線通信機器5と識別機能を有することも好適である。すなわち、
図6の201号室に備わっている操作機器3は、同じ201号室に備わっている無線通信機器5とのペアリングの識別がなされている。
【0127】
このペアリングの識別によって、201号室の操作機器3は、201号室の無線通信機器5とのみ通信が可能となる。すなわち、201号室以外の無線通信機器5とは、通信ができない。結果として、201号室から操作機器3が持ち出されても、他の場所では、サーバー200との通信ができず、電子機器制御装置1としての機能を発揮できなくなる。
【0128】
図6のような複数の居室110がある場合には、サーバー200が、電子機器制御装置1を制御していたり、発信機2のリモコンコードの記憶を制御していたり、操作機器3による操作を発信機2から発信することを制御していたりする。
【0129】
操作機器3は、サーバー200と無線通信機器5と通信してサーバー200と通信して操作可能となるので、無線通信機器5とのペアリングが成立しない場合には、電子機器制御装置1そのものが使用できなくなる。
【0130】
この結果、持ち出しによる問題を防止できる。
【0131】
また、無線通信機器5がサーバー200との通信ではなく、発信機2と操作機器3との間の無線通信を実現する場合でも、このような無線通信機器5と操作機器3との通信のペアリングは有効である。
【0132】
操作機器3が、他の居室110に持ち出されても、他の居室110で発信機2に操作機器3からの制御信号を渡せなくなるからである。この場合にも、持ち出しによる問題を防止できる。
【0133】
(実施の形態4)
次に実施の形態4について説明する。実施の形態4では、複数の居室を備える施設において、サーバーを含めた電子機器制御装置について説明する。
【0134】
図7は、本発明の実施の形態4における複数の居室を備える施設での電子機器制御装置の使用隊を示す模式図である。施設120は、例えば宿泊施設であったりオフィスであったり集合住宅であったりする。
【0135】
施設120には、複数の居室110がある。これらの複数の居室110のそれぞれに、同様の電子機器が設置されている(
図7においては省略)。このため、実施の形態1、2で説明した電子機器制御装置1が居室110のそれぞれに設置されている。電子機器制御装置1は、発信機2と操作機器3を備えている。
【0136】
ここで、
図7のように、実施の形態4の電子機器制御装置1は、発信機2および操作機器3の少なくとも一方と(もちろん両方と)通信可能なサーバー200を更に備えている。
【0137】
サーバー200は、次のような役割を有する。
【0138】
(リモコンコードのアップデート)
発信機2は、記憶部21に電子機器のそれぞれに対応するリモコンコードを記憶する。このとき、居室110のいずれかに設置されている電子機器が変更される可能性がある。修理による置き換えなどの為である。例えば、203号室の受像機が入れ替えられる可能性がある。この場合、203号室の受像機に対応するリモコンコードを、記憶部21は入れ替える必要がある。
【0139】
サーバー200は、複数の居室110を様々に管理する。この管理の一つの中に、居室110に設置される電子機器の管理もある。このため、203号室の受像機が入れ替えられたことは、サーバー200が管理(把握)している。また、サーバー200は、発信機2、操作機器3と通信可能である。このたえ、サーバー200が203号室の発信機2と通信を行い、記憶部21の受像機に関するリモコンコードをアップデートできる。
【0140】
あるいは、サーバー200は、各居室110の発信機2と定期的に通信をとって、リモコンコードを正しいものに設定していくことも好適である。サーバー200は、居室110のそれぞれに設置されている電子機器の情報を常に有している。
【0141】
これに基づき、定期的にサーバー200が発信機2と通信して、有している電子機器の情報に合わせたリモコンコードをアップデートしていくことができる。
【0142】
(居室との対応関係の整理)
図7のように、複数の居室110に発信機2と操作機器3とが設置されていることがある。この場合に、サーバー200は、発信機2および操作機器3と、居室110のそれぞれの対応関係を識別することも好適である。例えば、ある発信機2と操作機器3は、301号室に設置されているものと識別する。
【0143】
この識別のために、サーバー200は、居室110に設置されている発信機2および操作機器3と恒常的に(定期的に)通信を行うことも可能である。工場的に通信を行うことで、サーバー200は、居室110にあるべき発信機2などが備わっているかを把握できるようになるからである。
【0144】
この結果、操作機器3の持ち出しによる問題を防止することもできる。
【0145】
また、上述のように記憶部21の記憶するリモコンコードを、定期的にアップデートすることも可能である。あるいは、操作機器3の操作画面や入力部32のアップデートも合わせて行うことも可能である。
【0146】
(サーバーによる直接の制御)
サーバー200は、発信機2に直接的に制御信号を送信することも可能である。例えば、空調機器を起動させる制御信号や、受像機を停止させる制御信号などを、サーバー200は、発信機2に送信できる。
【0147】
例えば、居室110にこれから人が入る際には、居室110には人が不在の状態である。この場合には、居室110の中で操作機器3を操作して電子機器を制御できない。しかし、人が入る前に空調機器を動作させて、快適にしておくことも好適である。
【0148】
施設120で、人力でこのようなことを行うことは好ましくない。人手不足などに繋がるからである。
【0149】
そこで、サーバー200が居室110に人が入る一定時間前に、発信機2に空調機器の起動を指示する制御信号を送信することも好適である。発信機2は、この制御信号を受信すると、空調機器に対応するリモコンコードに組み込んで、赤外線信号を発信する。
【0150】
空調機器は、発信機2からの赤外線信号を受信して、動作を開始できる。
【0151】
もちろん、サーバー200は、他の種類の制御信号を送信することができ、サーバー200による直接的な制御が可能となる。
【0152】
サーバー200が発信機2に制御信号を送信するだけで、各居室110の電子機器を集中的に制御できる。
【0153】
(サーバーを含む全体像)
図8は、本発明の実施の形態4における電子機器制御装置のブロック図である。
図8の電子機器制御装置1は、サーバー200を含んでいる。すなわち、電子機器制御装置1は、発信機2、操作機器3、サーバー200を備えている。発信機2、操作機器3、サーバー200のそれぞれの機能と役割は、実施の形態1〜4の前述で説明した通りである。
【0154】
発信機2は、居室にある複数の電子機器のそれぞれに赤外線信号を発信する。発信機2は、記憶部21と赤外線信号生成部22を備える。記憶部21は、電子機器のそれぞれに対応するリモコンコードを記憶する。赤外線信号生成部22は、操作機器3から受信する制御信号を、リモコンコードに組み入れて赤外線信号を生成する。
【0155】
操作機器2は、電子機器のそれぞれに対応する操作を受け付けると共に、操作に基づく制御信号を生成して、発信機2に送信する。操作機器2は、表示画面31、入力部32、制御信号生成部33を備える。表示画面31は、電子機器のそれぞれに対応する操作を表示する。入力部32は、操作の入力を受け付ける。制御信号生成部33は、入力部32の入力に基づいて制御信号を生成する。
【0156】
発信機2から発信される赤外線信号は、複数の電子機器のそれぞれにおいて受信可能な規格に対応する。
【0157】
サーバー200は、複数の居室のそれぞれに設置された発信機2および操作機器3と通信を行うことで、複数の居室のいずれに発信機2および操作機器3が設置されているかの識別を行う。この結果、居室110と電子機器制御装置1とのペアリングを確立できる。更に、サーバー200は、発信機2に直接的に制御信号を送信することもできる。
【0158】
このような電子機器制御装置1により、複数の居室110に設置される複数の電子機器に対しても、複数のリモコンを使うことなく、使用者は電子機器を操作できる。また、多言語対応も可能である。もちろん、発信機2を設置して、操作機器3を使用状態にするだけであるので、配線作業や設置作業も簡易である。
【0159】
更に、サーバー200によるペアリングや直接的な制御による、管理の容易性を高めることもできる。
【0160】
なお、実施の形態1〜4で説明された電子機器制御装置は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。