【0027】
本発明について好適な実施形態を参照して説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができ、またその要素を等価物で置き換えることができることは、当業者には理解されるであろう。さらに、特定の状況または材料に適応させるために、その本質的範囲から逸脱することなく、本発明の教示に多くの修正を行うことができる。したがって、本発明は、本発明を実施するために考えられる最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明は添付の特許請求の範囲内に属するすべての実施形態を含むことになることを意図している。
[実施態様1]
下端(201)に引き出し領域(205)を備えている鋳造炉(200)における鋳造方法(100)であって、
前記鋳造炉(200)内に鋳型(210)を配置するステップ(120)と、
前記鋳型(210)内に溶融した状態の材料(220)を配置するステップ(130)と、
前記鋳型(210)を、部分的に引き出された部分(213)をもたらす引き出し距離(217)だけ、前記鋳造炉(200)の前記引き出し領域(205)を通って部分的に引き出し、前記部分的に引き出された部分(213)を少なくとも部分的に凝固させるステップ(140)と、
その後に、前記部分的に引き出された部分(213)の少なくとも一部分を、前記引き出し領域(205)を通って前記鋳造炉(200)へと再挿入し、前記部分的に引き出された部分(213)を少なくとも部分的に再び溶融させるステップ(150)と、
次いで、前記鋳型(210)を前記引き出し領域(205)を通って前記鋳造炉(200)から完全に引き出し、方向性凝固または単結晶の鋳造品(300)を生み出すステップ(160)と
を含んでおり、
前記部分的に引き出された部分(213)を少なくとも部分的に再び溶融させることで、前記部分的に引き出された部分(213)からフレックル粒子(214)が低減され、あるいは除去される、鋳造方法(100)。
[実施態様2]
前記鋳型(210)を部分的に引き出す際の部分引き出し速度を変更することを含んでおり、該変更は、前記鋳型(210)のうちのフレックル粒子(214)の形成が多いという特徴を含む部分に対応する、実施態様1に記載の鋳造方法(100)。
[実施態様3]
前記鋳型(210)を完全に引き出す際の完全引き出し速度を変更することを含んでおり、該変更は、前記鋳型(210)のうちのフレックル粒子(214)の形成が多いという特徴を含む部分に対応する、実施態様1に記載の鋳造方法(100)。
[実施態様4]
前記鋳型(210)のうちの大きな厚さを含んでいる部分に対応して部分引き出し速度および完全引き出し速度の少なくとも一方を下げることを含む、実施態様1に記載の鋳造方法(100)。
[実施態様5]
前記鋳型(210)の部分的な引き出し(140)は、約1インチ/時〜約10インチ/時の部分引き出し速度を含み、前記鋳型(210)の完全な引き出し(160)は、約1インチ/時〜約10インチ/時の完全引き出し速度を含み、前記再挿入(150)は、約1インチ/時〜約20インチ/時の再挿入速度を含む、実施態様1に記載の鋳造方法(100)。
[実施態様6]
前記部分引き出し速度は、前記完全引き出し速度から相違する、実施態様5に記載の鋳造方法(100)。
[実施態様7]
前記再挿入速度は、前記部分引き出し速度および前記完全引き出し速度よりも大きい、実施態様5に記載の鋳造方法(100)。
[実施態様8]
前記再挿入速度、前記部分引き出し速度、および前記完全引き出し速度は、同等である、実施態様5に記載の鋳造方法(100)。
[実施態様9]
前記再挿入(150)の前の部分引き出し保持時間および前記完全な引き出し(160)の前の再挿入保持時間をさらに含む、実施態様1に記載の鋳造方法(100)。
[実施態様10]
1つ以上の追加の鋳型を前記鋳造炉(200)内に配置することをさらに含む、実施態様1に記載の鋳造方法(100)。
[実施態様11]
前記1つ以上の追加の鋳型を配置することは、垂直インデキシング、計算された案内、前記1つ以上の追加の鋳型の間に形成される熱的に半絶縁のギャップ、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、実施態様10に記載の鋳造方法(100)。
[実施態様12]
前記引き出し距離(217)は、約0.250インチ〜約6.0インチである、実施態様1に記載の鋳造方法(100)。
[実施態様13]
前記完全な引き出し(160)の前に前記鋳型(210)の前記部分的な引き出し(140)および前記再挿入(150)を繰り返すこと(155)、をさらに含む実施態様1に記載の鋳造方法(100)。
[実施態様14]
前記部分的な引き出し(140)の繰り返し(155)により、前記鋳型(210)の未露出部分(413)が露出させられ、前記再挿入(150)の繰り返し(155)により、前記鋳型(210)の前記未露出部分(413)内の凝固部分が部分的に再び溶融させられる、実施態様13に記載の鋳造方法(100)。
[実施態様15]
前記部分的に引き出された部分(213)を少なくとも部分的に再び溶融させることで、前記鋳造品(300)からフレックル粒子(214)が除去される、実施態様1に記載の鋳造方法(100)。
[実施態様16]
前記部分的に引き出された部分(213)は、タービンバケット先端シュラウドを含み、前記鋳造品(300)は、タービンバケットを含む、実施態様1に記載の鋳造方法(100)。
[実施態様17]
下端(201)に引き出し領域(205)を備えている鋳造炉(200)における鋳造方法(100)であって、
前記鋳造炉(200)内に鋳型(210)を配置するステップ(120)と、
前記鋳型(210)内に溶融した状態の材料(220)を配置するステップ(130)と、
前記鋳型(210)を引き出し時間にわたって前記鋳造炉(200)の前記引き出し領域(205)を通って部分的に引き出すことによって部分的に引き出された部分(213)をもたらし、該部分的に引き出された部分(213)を少なくとも部分的に凝固させるステップ(140)と、
前記部分的に引き出された部分(213)の少なくとも一部分を、前記引き出し領域(205)を通って前記鋳造炉(200)へと再挿入し、前記部分的に引き出された部分(213)を少なくとも部分的に再び溶融させるステップ(150)と、
次いで前記鋳型(210)を前記引き出し領域(205)を通って前記鋳造炉(200)から完全に引き出し、方向性凝固または単結晶の鋳造品(300)を生み出すステップ(160)と
を含んでおり、
前記部分的に引き出された部分(213)を少なくとも部分的に再び溶融させることで、前記部分的に引き出された部分(213)からフレックル粒子(214)が低減され、あるいは除去される、鋳造方法(100)。
[実施態様18]
方向性凝固または単結晶の鋳造品(300)であって、
部分的な引き出し(140)による引き出された部分の一部分の凝固と、前記引き出された部分を少なくとも部分的に再び溶融させるための再挿入(150)と、鋳型(210)を鋳造炉(200)から完全に引き出す(160)ことによる方向性凝固または単結晶の鋳造品(300)の形成とを含むプロセスによる形成に対応する方向性凝固または単結晶のミクロ組織ならびにフレックル粒子(214)の発生を含む、方向性凝固または単結晶の鋳造品(300)。
[実施態様19]
前記ミクロ組織は、方向性凝固である、実施態様18に記載の鋳造品(300)。
[実施態様20]
前記ミクロ組織は、単結晶である、実施態様18に記載の鋳造品(300)。