特許第6986952号(P6986952)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986952
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】洗車装置
(51)【国際特許分類】
   B60S 3/06 20060101AFI20211213BHJP
【FI】
   B60S3/06
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-243332(P2017-243332)
(22)【出願日】2017年12月20日
(65)【公開番号】特開2019-108058(P2019-108058A)
(43)【公開日】2019年7月4日
【審査請求日】2020年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000103138
【氏名又は名称】エムケー精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】清水 則幸
(72)【発明者】
【氏名】高橋 遥
【審査官】 村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−254554(JP,A)
【文献】 特開2001−243476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 3/00−13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗車処理装置を搭載した本体フレームを、所定の停車位置に停止した自動車を跨いで走行させ、利用者が自動車に乗り込んだまま洗車サービスを受ける洗車装置であって、
前記本体フレーム外の定位置に設置され、前記停車位置に停止した自動車を含む範囲を撮影するカメラ装置と、
洗車開始前に該カメラ装置で撮影する自動車無し画像と自動車有り画像の差分から基礎画像を作成するとともに、該基礎画像を拡大/縮小した変倍画像を所定の拡大割合および所定の縮小割合それぞれにつき作成し、これら基礎画像と変倍画像をテンプレート画像として記憶して、洗車実行中に前記カメラ装置で撮影される入力画像と該テンプレート画像とを重ね合わせて比較して変倍画像との類似性が高いときに自動車が移動したと判断する洗車制御部と
を備えたことを特徴とする洗車装置。
【請求項2】
前記洗車制御部は、前記各テンプレート画像の前記入力画像に対する類似度を判定し、最も類似度が高いテンプレート画像が前記基礎画像を所定の倍率で変倍した画像である場合、他のテンプレート画像の類似度を参照し、自動車が移動したかどうかを判断することを特徴とする請求項1記載の洗車装置。
【請求項3】
前記洗車制御部は、前記各テンプレート画像の前記入力画像に対する類似度を判定し、最も類似度が高いテンプレート画像が前記基礎画像を所定の倍率で変倍した画像である場合、二番目に類似度が高いテンプレート画像を参照し、自動車が移動したかどうかを判断することを特徴とする請求項1または2記載の洗車装置。
【請求項4】
洗車処理装置を搭載した本体フレームを、所定の停車位置に停止した自動車を跨いで走行させ、利用者が自動車に乗り込んだまま洗車サービスを受ける洗車装置であって、
前記本体フレーム外の定位置に設置され、前記停車位置に停止した自動車を含む範囲を撮影するカメラ装置と、
洗車開始前に該カメラ装置で撮影する自動車無し画像と前記停車位置に停車した自動車有り画像の差分から基礎画像を作成するとともに、該基礎画像を等倍とした所定倍率の変倍画像と、前記等倍と前記所定倍率との間の中間倍率の変倍画像を作成し、これら基礎画像と変倍画像をテンプレート画像として記憶して、洗車実行中に前記カメラ装置で撮影される入力画像と該テンプレート画像とを比較して前記等倍の基礎画像よりも前記中間倍率および所定倍率の変倍画像の類似性が高いときに前記停車位置に停車した自動車が移動したと判断する洗車制御部と
を備えたことを特徴とする洗車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者が自動車に乗り込んだまま洗車サービスを受けるドライブスルータイプの洗車装置において、洗車中に自動車の移動を検知する洗車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の洗車装置では、利用者が洗車中に自動車を移動(自走)させてしまうケースがあったため、本出願人は特許文献1を提案し、洗車中の自走検知を行っている。特許文献1では、洗車機本体外に設置したカメラ装置で、停車位置に停止した自動車の所定部位を含む領域を撮影し、洗車前に撮影した画像における自動車の所定部位(例えばナンバープレート)の位置情報と、洗車中に撮影される画像における同部位の位置情報に変化が生じた場合に、自動車が移動したと判断するようにしている。
【0003】
しかしながら、特許文献1では、ナンバープレートの位置情報を、特徴点(コーナー部等)の座標で捉えているため、風等の外的要因でカメラ装置がずれて撮影領域が変わると正確な自走検知ができないという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許5030645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の課題は、風等の外的要因に関わらず、洗車中の自走を正確に検知することができる洗車装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するために本発明は、洗車処理装置を搭載した本体フレームを、所定の停車位置に停止した自動車を跨いで走行させ、利用者が自動車に乗り込んだまま洗車サービスを受ける洗車装置であって、本体フレーム外の定位置に設置され、停車位置に停止した自動車を含む範囲を撮影するカメラ装置と、洗車開始前に該カメラ装置で撮影する自動車無し画像と自動車有り画像の差分から基礎画像を作成するとともに、該基礎画像を所定割合で拡大/縮小した変倍画像を作成し、これら基礎画像と変倍画像をテンプレート画像として記憶して、洗車実行中にカメラ装置で撮影される入力画像と該テンプレート画像とを比較して変倍画像との類似性が高いときに自動車が移動したと判断する洗車制御部とを備えたものである。
【0007】
洗車制御部は、入力画像とテンプレート画像との比較において、各画像における自動車の所定部位についてテンプレートマッチング処理を行う機能を備える。また、洗車制御部は、自動車の移動を判断したとき、洗車動作を緊急停止する機能を備える。更に、洗車制御部は、洗車実行中に自動車が移動したと判断したとき、入力画像を外部メモリに保存して閲覧可能にする機能を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、洗車開始時に撮影した基礎画像及びこの基礎画像を所定割合で拡大/縮小した変倍画像とをテンプレート画像として記憶し、洗車中に撮影される入力画像がどのテンプレート画像と類似するかによって自動車の移動を判断するようにしたので、入力画像に自動車が撮影されていればテンプレート画像との比較が実行できるため、風等による僅かなズレが生じても自動車の移動を検知することができる。
【0009】
また、洗車中に自走検知されると、洗車動作を緊急停止して安全性を高め、その時の入力画像を保存して閲覧可能にしたので、自動車と洗車機本体との接触事故が発生した場合には、原因究明に役立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の洗車装置を示す側面図である。
図2】制御系を示すブロック図である。
図3】テンプレート画像作成処理を示すフローチャート図である。
図4】洗車前にカメラ装置17により撮影された画像を示す説明図である。
図5】作成されたテンプレート画像を示す説明図である。
図6】洗車中の自走検知処理を示すフローチャート図である。
図7】テンプレートマッチング処理を示す説明図である。
図8】テンプレートマッチング処理の結果を示す説明図である。
図9】テンプレートマッチング処理の結果を示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の洗車装置を示す平面図である。 1は本体フレームで、門型に形成され、レール2・2上を自動車Aを跨ぐように往復走行する。本体フレーム1は、図1に示すように、通常、レール2・2で与えられる走行範囲の後端部に停止し、この位置から洗車を開始する。本体フレーム1には、ブラシ3・4・4、ブロワノズル5・6・6をはじめ、散水ノズル、送風ユニット・給水ユニット(図示しない)等の洗車処理装置が備えられ、走行に伴って水,洗剤,ワックス等を散布してブラッシングする洗浄作業やブロワノズルより空気を吹き付ける乾燥作業を行う。
【0012】
ここで、洗車を受ける自動車は、本体フレーム1の走行範囲となる洗車エリアの前方から進入し、本体フレーム1の前方位置に停車して洗車を受けた後、洗車エリアの後方から退場する。すなわち、自動車は前進走行して進入し、洗車後は同じく前進走行して退場するもので、洗車機利用者が自動車に乗ったまま洗車を受けて通り抜ける、いわゆるドライブスルーによる洗車を可能にしている。
【0013】
前記ブラシは、本体フレーム1前側に位置し車体上面に沿って昇降し同上面をブラッシングする上面ブラシ3と、上面ブラシ3の後方に位置し車体に対して接離(開閉)動作して車体の前後面および側面をブラッシングする左右一対の側面ブラシ4・4とからなる。なお、このブラシ3・4・4はブロワノズル5・6・6より本体フレーム1前側にあって、洗浄部を形成している。
【0014】
前記ブロワノズルは、側面ブラシ4・4の後方にあって、車体上面に沿って昇降し同上面に空気を吹き付けて乾燥をはかる上面ブロワノズル5と、該上面ブロワノズル5より更に本体フレーム1後方に位置し車体側面に空気を吹き付けて乾燥をはかる左右一対の側面ブロワノズル6・6とからなり、本体フレーム1の後側に乾燥部を形成している。
【0015】
7は走行エンコーダで、走行モータ8の出力軸に取り付けられ、本体フレーム1が単位距離走行するごとにパルス信号を出力し、このパルス信号をカウントすることにより本体フレーム1の移動距離を検出する。9は車形センサで、本体フレーム1のブラシ装置よりも前方に備えられ、複数の発光素子を上下に配列した発光部と、複数の受光素子を上下に配列した受光部とを自動車を幅方向に挟んで対向させてなり、複数の発光素子と複数の受光素子との間で光信号(赤外光)の授受を行い、受光素子での受光レベルに応じて車体の有無を検知し、車体の上面位置を検出する。
【0016】
10は車形センサ9の下部に設けられ、自動車の入車を検出する入車センサ、11は本体フレーム1後面に取り付けられ、自動車の退車を検出する退車センサである。各センサ10・11は、自動車の端部を検出可能な高さに取り付けられ、いずれも発光部と受光部を車幅方向に対向させて一本の光軸を形成し、その光軸の透光/遮光によって車体の有無を出力するビームセンサからなる。尚、各センサ10・11は、ビームセンサ以外の赤外線や超音波を用いた車体検出センサでも代用できる。
【0017】
12は洗車受付装置で、洗車エリアの入場口に設置され、車体検出センサ13で自動車を検出すると受付操作パネル14で洗車受付を可能とし、洗車内容の選択や洗車料金の精算等の操作を行うものである。15はゲート装置で、洗車エリアの入場口を開閉して自動車の進入を禁止/許可する。16は案内表示器で、洗車エリアの退場口後方に設置され、洗車受付時には自動車の入場を誘導し、洗車中には洗車動作の進行状況等を表示し、洗車終了時には自動車の退場を案内する。17はカメラ装置で、停車位置に停止した自動車後面を含む領域を撮影できる位置に設置されている。ここでは、風雨等の影響を受けにくいよう、ハウジング内に収容された状態で、ゲート装置15の側部に立設したポール上端部に固定されている。
【0018】
尚、停車位置から前後に移動した自動車を撮影する必要があることから、カメラ装置17の画角は、ほぼ洗車スペースが捉えられる範囲とすることが望ましい。また、カメラ装置17として動画を撮影できるビデオカメラを採用することが望ましいが、撮影した画像がデジタルデータとして残せるものであれば何でも良く、例えば、静止画のみ撮影可能なデジタルカメラでもかまわない。更に、カメラ装置17は、ゲート装置15に埋め込んで設置してもかまわない。
【0019】
図2は実施例の制御系を示すブロック図である。
18は洗車制御部、19は受付制御部、20は洗車駆動部である。
洗車制御部18は、走行エンコーダ7・車形センサ9・入車センサ10・退車センサ11・カメラ装置17からの信号に基づき予めプログラムされたシーケンスに従って、本体フレーム1の走行モータ8、ブラシ3・4・4、ブロワノズル5・6・6の作動を制御する。受付制御部19は、洗車受付装置12の車体検出センサ13で自動車を検出して洗車受付を可能にし、受付操作パネル14において受け付けた洗車メニューを洗車制御部18に出力し、ゲート装置15の開閉、案内表示器16の表示切替を行う。洗車駆動部20は、洗車制御部18からの信号を受けて各洗車処理装置を駆動する。
【0020】
洗車制御部18には、走行エンコーダ7のパルス信号から本体フレーム1の走行位置を検出する走行検出部21と、走行エンコーダ7のパルス信号をトリガに車形センサ9を駆動して自動車の高さ位置を検出する車形検出部22と、走行検出部21と車形検出部22の検出結果から車形データを作成する車形データ作成部23と、カメラ装置17で撮影した画像に基づいてテンプレート画像を作成する画像作成部24と、洗車開始後にカメラ装置17で撮影した入力画像とテンプレート画像とをマッチング処理する画像処理部25と、各種データを記憶するデータ記憶部26と、車形データに沿って洗車処理装置を制御する動作制御部27とを備え、着脱自在な外部記憶装置28が抜き差しされる。
【0021】
洗車制御部20では、走行エンコーダ7からのパルス信号を受けて、走行検出部21で本体フレーム1の走行位置を検出するとともに、車形検出部22で車体の上面位置を検出し、車形データ作成部23で本体フレーム1の走行位置と車体の上面位置とを対応させて車形データを作成してデータ記憶部26に記憶し、車形データに基づいて動作制御部27でブラシなどの洗車処理装置を制御する。
【0022】
画像作成部24では、洗車開始前の自動車がない状態で撮影した車無し画像と、自動車が停止位置に停車した状態で撮影した車有り画像との差分から基礎画像を作成するとともに、この基礎画像を所定割合で拡大/縮小した変倍画像を複数作成し、これら基礎画像と変倍画像とをテンプレート画像としてデータ記憶部26に記憶する。画像処理部25では、洗車中にカメラ装置17で撮影する入力画像と、画像作成部24で作成したテンプレート画像とをマッチング処理し、どの画像と類似性が高いかを検出して自動車の移動を検知する。
【0023】
以上のように構成する洗車装置の動作について説明する。
図3はテンプレート画像を作成する処理を示すフローチャート図である。洗車機利用者が、洗車受付装置12に自動車を乗り入れたことを車体検出センサ13で検出すると(1)、操作パネル14での洗車受付を許可し、カメラ装置17で車無し画像を撮影する(2)。この画像は、図4(a)に示すように、自動車が入場する前の待機位置にある本体フレーム1が撮影される。
【0024】
洗車受付装置12で洗車受付が完了すると、ゲート装置15を開いて洗車スペースへの入場を許可し、案内表示器16で自動車の前進を促す表示案内を行う。洗車機利用者は、この案内表示を見て自動車を前進させていき、自動車が車形センサ9と入車センサ10で与える停車位置に停車したことを検出すると(3)、カメラ装置17で車有り画像を撮影する(4)。この画像は、図4(b)に示すように、停車位置に停車した自動車の後部を含む本体フレーム1が撮影される。
【0025】
こうして撮影された車無し画像と車有り画像との差分から、図4(c)に示すように、自動車後部の画像を切り出し、基礎画像を作成するとともに、この基礎画像を所定割合で拡大/縮小した変倍画像を複数作成する(5)。ここでは、図5に示すように、基礎画像を等倍(100%)とし、10%刻みに変倍画像を80〜120%までの範囲で作成すると、縮小画像2枚(80・90%)、拡大画像2枚(110・120%)とした変倍画像が作成され、基礎画像と合わせて80〜120%の5枚のテンプレート画像Tvが作成される。尚、この変倍割合や変倍範囲は適宜選択されるものである。
【0026】
図6は洗車中の自動車の移動を検知する処理を示すフローチャート図である。洗車が開始すると(6)、本体フレーム1が前進し、車形センサ9で自動車の上面形状を検出しながら、検出した上面形状に沿って上面ブラシ装置3及び側面ブラシ装置4を駆動して自動車を洗浄していく。洗車中は、常時、カメラ装置17で撮影を行い(7)、撮影された入力画像Ivをテンプレート画像Tvと比較するテンプレートマッチング処理(8)を行い、その結果に基づいて自動車の移動を監視する。
【0027】
テンプレートマッチング処理は、洗車中に撮影される入力画像Ivに、テンプレート画像Tvを当てはめていくことで行われる。例えば、図7に示すように、入力画像Ivの左上点Aからテンプレート画像Tvの左上点Bを重ね(a)、ここを起点として位置をずらしながらテンプレート画像Tvを入力画像Ivに重ねていき(b)、入力画像Iv内でテンプレート画像Tvが最も重合する位置を探す。ここでは、等倍テンプレート画像Tvの左上点Bを入力画像Iv上のC点に置いたときに(c)、最も重なり合うこと検出する。
【0028】
このような処理を、5枚のテンプレート画像Tvについて実行し、それぞれのテンプレート画像Tvでテンプレートマッチング処理した結果、最も入力画像Ivとの類似度が高いテンプレート画像Tvを判定し、洗車中の自動車が移動したか否かを判断している。すなわち、自動車が前進すると入力画像内での車体は小さく写り、自動車が後進すると入力画像内での車体は大きく写ることになるので、等倍テンプレート画像との類似度だけでなく、等倍テンプレート画像を拡大・縮小した変倍テンプレート画像を用意し、洗車中に撮影される自動車がどの縮尺のテンプレート画像と最も重なるかを照合することで、自動車が前進したか、後進したか、停止したままかを判定することができる。
【0029】
図8はマッチング処理の結果を示しており、図8(a)に示すように、等倍テンプレート画像との類似度が最も高い場合は、自動車の移動がないと判断する。図8(b)に示すように、縮小テンプレート画像(80%)との類似度が最も高い場合は、自動車が前進移動したと判断する。図8(c)に示すように、拡大テンプレート画像(120%)との類似度が最も高い場合は、自動車が後進移動したと判断する。
【0030】
このように、縮小テンプレート画像(80%)及び拡大テンプレート画像(120%)の変倍テンプレート画像は、自動車の移動を確定するフィルタとして機能させている。一方、縮小テンプレート画像(90%)及び拡大テンプレート画像(110%)の中間的な変倍テンプレート画像は、検出精度を向上させる機能を持つ。
【0031】
すなわち、縮小テンプレート画像(90%)との類似度が最も高い場合、2番目に類似度が高いテンプレート画像を参照して自動車の移動を判断する。ここで、図9(a)に示すように、等倍テンプレート画像が2番目に類似度が高いテンプレート画像である場合は、移動がないと判断し、図9(b)に示すように、縮小テンプレート画像(80%)が2番目に類似度が高いテンプレート画像である場合は、自動車が前進移動したと判断する。同様に、拡大テンプレート画像(110%)との類似度が最も高いとき、等倍テンプレート画像が2番目に類似度が高いテンプレート画像である場合は、移動がないと判断し、拡大テンプレート画像(120%)が2番目に類似度が高いテンプレート画像である場合は、自動車が後進移動したと判断する。
【0032】
また、類似度が最も高いテンプレート画像と、2番目に類似度が高いテンプレート画像が離れている場合(例えば、縮小テンプレート画像(80%)が最も高く、拡大テンプレート画像(120%)が2番目)には、その回に実行したマッチング処理が正確ではない可能性があるので、処理結果を保留し、次回のマッチング処理の結果に基づいて移動判断を行う。このように、テンプレート画像を複数持つことにより、処理結果の確からしさを判別することができる。また、複数回のマッチング処理で、連続してこのような処理結果となった場合は、カメラ装置の撮影自体に異常があると判断してエラーを表示することもできる。
【0033】
自動車の移動が発生するケースとしては、本体フレーム1が自動車の前方から接近する往行時に、自動車をブラシに近づけるために起こる前進移動、もしくは自動車をブラシとの衝突から回避するために起こる後進移動が多く、いずれも利用者が自動車の運転席からブラシの動作を確認できる状況で発生する場合が多い。本実施例では、ゲート装置の近傍に設けたカメラ装置17から自動車後部を撮影しており、自動車の移動が多く発生する本体フレーム1が自動車の前方から接近する往行時の移動監視に対応できる。
【0034】
尚、上面ブラシ3や側面ブラシ4がマッチング処理に影響を及ぼすようになると、自動車の移動検知は困難となる。しかし、前述の通り、洗車中の自動車の移動は、上面ブラシ3や側面ブラシ4が自動車の前方から接近してくるときの錯覚や恐怖心から発生するため、上面ブラシ3や側面ブラシ4が自動車の後面を洗浄しているときに、発生することはまれである。そのため、車形センサ9で自動車の後部が検出されたら(10)、移動監視は終了としている。但し、それ以降の移動を監視するため、洗車エリアの退車側に、自動車の前部を撮影するカメラ装置を設置し、同様のマッチング処理を行うようにしても良い。
【0035】
図6における処理(9)で、洗車中に自動車の移動が検知されると、洗車動作を緊急停止させ(11)、それまで撮影した画像及び作成したテンプレート画像をデータ記憶部26から外部記憶装置28に転送する(12)。これにより、洗車中に自動車が移動してブラシ等と衝突し、ブラシや自動車が損傷する事故が発生したとき、外部記憶装置28に保存した画像を別の端末で閲覧することで事故の状況を詳細に把握することができる。なお、外部記憶装置としてメモリーカードを採用しているが、例えば、ハードディスク、DVD等のディスクメディア等を用いたり、ネットワークを経由して別のパソコンに画像データを送信してもかまわない。尚、洗車が正常に終了したときでも、一定期間の画像を保存しておき、正常洗車の証明としてトラブル回避に利用することも可能である。
【0036】
以上、本発明の実施形態を説明してきたが、本発明の具体的な実施形態は、前述した実施形態に限るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があったとしても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0037】
1 本体フレーム
3 上面ブラシ
4 側面ブラシ
17 カメラ装置
18 洗車制御部
24 画像作成部
25 画像処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9