特許第6986959号(P6986959)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986959
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】吐出容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20211213BHJP
   B65D 25/56 20060101ALI20211213BHJP
   B65D 23/00 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   B65D83/00 K
   B65D25/56
   B65D23/00 H
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-252483(P2017-252483)
(22)【出願日】2017年12月27日
(65)【公開番号】特開2019-116314(P2019-116314A)
(43)【公開日】2019年7月18日
【審査請求日】2020年7月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】星野 真弥
【審査官】 米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−162230(JP,A)
【文献】 特開2010−173701(JP,A)
【文献】 特開2007−062821(JP,A)
【文献】 実開平07−002238(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0326867(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/00
B65D 23/00−25/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容され、前記内容物の残量を表示する表示部が設けられた容器体と、
前記内容物を吐出させる吐出器と、
前記容器体内に配設されるとともに、前記内容物の減少に伴って前記容器体に対して上下動する中皿と、
前記容器体に対して下降可能に設けられた可動部材と、を備え、
前記可動部材には、前記可動部材の前記容器体に対する最下端位置を決める規制部が設けられ、
前記容器体には、上下方向に延びるガイド溝が形成され、
前記ガイド溝の底面に前記表示部が設けられ、
前記可動部材は、前記ガイド溝内に位置する遮蔽部を有し、
前記表示部は前記遮蔽部に覆われるとともに、前記可動部材の前記容器体に対する下降に伴って前記表示部が露出される、吐出容器。
【請求項2】
前記表示部が、前記容器体の一部であって、内部が視認可能に形成されている、請求項1に記載の吐出容器。
【請求項3】
前記可動部材は、前記容器体の底部をその下方から覆い、かつこの吐出容器の正立時に接地する接地部を備え、
前記底部と前記接地部との間に、前記容器体を上方付勢し、かつ前記内容物の残量に応じて伸縮する付勢部材が配置されている、請求項1に記載の吐出容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、下記特許文献1に示されるような吐出容器が知られている。この吐出容器は、内容物が収容される容器体と、内容物を吐出させる吐出器と、内容物の減少に伴って容器体に対して上下動する中皿と、を備えている。容器体には、内容物の残量を視認可能とするための透視窓が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−173701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、容器体に透視窓が形成されているため、非使用時に透視窓から光が容器体内に入らないようにすることが容易ではなかった。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、内容物の残量を容器体の側面から視認可能であり、かつ非使用時の遮光性をより向上させた吐出容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る吐出容器は、内容物が収容され、前記内容物の残量を表示する表示部が設けられた容器体と、前記内容物を吐出させる吐出器と、前記容器体内に配設されるとともに、前記内容物の減少に伴って前記容器体に対して上下動する中皿と、前記容器体に対して下降可能に設けられた可動部材と、を備え、前記可動部材には、前記可動部材の前記容器体に対する最下端位置を決める規制部が設けられ、前記容器体には、上下方向に延びるガイド溝が形成され、前記ガイド溝の底面に前記表示部が設けられ、前記可動部材は、前記ガイド溝内に位置する遮蔽部を有し、前記表示部は前記遮蔽部に覆われるとともに、前記可動部材の前記容器体に対する下降に伴って、前記表示部が露出される。
【0007】
上記態様によれば、可動部材の容器体に対する下降に伴い、表示部が露出される。このため、表示部が容器体の一部であって、透明または半透明な材質により形成されている場合でも、可動部材を下降させるまで表示部が露出しないため、この表示部を通して光が容器体内の内容物に照射することが抑えられる。また、可動部材を下降させることで、表示部を通して容器体の内部が視認可能となり、内容物の残量を確認することができる。また、可動部材に設けられた規制部により、可動部材の容器体に対する所定量以上の下降が規制されるため、可動部材が容器体から不意に脱落してしまうことが抑えられる。
【0008】
ここで、前記表示部が、前記容器体の一部であって、内部が視認可能に形成されていてもよい。
【0009】
この場合、可動部材を下降させた後、表示部を通して容器体の内部を視認することで、内容物の残量を確認することができる。
【0010】
また、前記可動部材は、前記容器体の底部をその下方から覆い、かつこの吐出容器の正立時に接地する接地部を備え、前記底部と前記接地部との間に、前記容器体を上方付勢し、かつ前記内容物の残量に応じて伸縮する付勢部材が配置されていてもよい。
【0011】
この場合、内容物の残量に応じて付勢部材が伸縮することで、この付勢部材の上方付勢力を受けた容器体の上下方向における位置が変化する。これにより、内容物の残量に応じて、容器体と可動部材との上下方向における相対的な位置が変化するため、表示部の露出面積も変化する。従って、容器体の全体を不透明な材質により形成して遮光性を確保したとしても、表示部の露出面積の大小によって内容物の残量を確認することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の上記態様によれば、内容物の残量を視認可能であり、かつ容器体内の遮光性を確保した吐出容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態に係る吐出容器の半縦断面図である。
図2図1のA−A断面矢視図である。
図3図1のB方向矢視図である。
図4図3の状態から可動部材を下降させた場合を示す図である。
図5】第2実施形態に係る吐出容器の半縦断面図である。
図6】第3実施形態に係る吐出容器の半縦断面図である。
図7図6の状態から内容物の残量が減った場合を示す図である。
図8図7の状態から内容物の残量がさらに減った場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態の吐出容器について図面に基づいて説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0015】
図1に示すように、吐出容器1Aは、内容物が収容される容器体10と、容器体10の口部12に装着されて内容物を吐出する吐出器30と、容器体10内に配設された中皿60と、吐出器30の後述する押下ヘッド31を覆うオーバーキャップ40と、を備えている。吐出容器1Aは、いわゆる中皿上昇式であり、容器体10に充填されている内容物の量の減少に伴って、中皿60が上昇する。内容物としては、特に限定されないが、光の影響によって性質が変化または劣化しやすい化粧料などが好適に用いられる。なお、内容物はこのような化粧料などでなくてもよい。
【0016】
(方向定義)
ここで本実施形態では、容器体10、吐出器30、および中皿60は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置する状態で配設されている。以下、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸Oに沿う方向を上下方向という。また、上下方向に沿う容器体10の口部12側を上方といい、後述する底壁51側を下方という。また、上下方向から見た平面視において、容器軸Oに交差する方向を径方向といい、容器軸O周りに周回する方向を周方向という。
なお、以降の説明では、例えば机上などの載置面Tに吐出容器1Aが正立姿勢で載置されたときの状態を、待機状態という。
【0017】
(容器体)
容器体10は、上下方向に延びる筒状に形成されており、その下端開口が底部材(底部)50により覆われている。本実施形態では、容器体10と底部材50とが別体に形成されているが、これらは一体に形成されていてもよい。容器体10の内部は、中皿60によって上下に隔てられている。本実施形態では、容器体10の内部空間のうち、中皿60よりも上方に位置する部分を液室S1といい、中皿60よりも下方に位置する部分を空気室S2という。内容物は、液室S1内に収容されている。空気室S2は、不図示の外気導入孔によって、容器体10の外部と連通している。
【0018】
図3に示すように、容器体10は、上方から下方に向けてこの順に連設された口部12、本体部11、および小径部13を有している。口部12は容器体10の上端部に位置し、小径部13は容器体10の下端部に位置している。口部12の内径および外径は、本体部11の内径および外径よりも小さい。小径部13の内径は本体部11の内径と略同等であり、小径部13の外径は本体部11の外径よりも小さい。口部12の上端開口部には、環状のパッキン37が配設されている。小径部13の内周面には、径方向内側に向けて突出する第1嵌合部13aが形成されている。
【0019】
図1および図3に示すように、本体部11には、径方向内側に向けて窪み、かつ上下方向に延びるガイド溝11aが形成されている。ガイド溝11aの底面は、小径部13の外周面に連なっている。ガイド溝11aの底面における上端部には、表示部11bが設けられている。換言すると、表示部11bは、容器体10の側面に設けられている。
【0020】
ここで本実施形態では、容器体10が透明または半透明な材質により形成されるとともに、容器体10のうち側面の一部分が遮光材に覆われておらず、当該部分を通じて内部を視認可能となっている。以下、容器体10のうち内部が視認可能に形成された部分を、表示部11bという。本実施形態では、容器体10の表面が、表示部11bを除いて遮光性を有する材質(以下遮光材という)によって覆われている。従って、表示部11bが露出した状態では、この表示部11bを通して、容器体10の内部を視認することができる。遮光材は、塗装、蒸着、又は転写などの方法により、容器体10の表面に設けることができる。
【0021】
なお、内部が視認可能である表示部11bを形成するための構成は、上記に限られない。例えば、透明または半透明な材質によって表示部11bの形状を予め成形しておおき、この表示部11bをインサート品として容器体10を成形してもよい。あるいは、表示部11bと、容器体10のその他の部分とを、二色成形などを用いて一体に形成してもよい。これらの場合には、容器体10のうち表示部11bを除く部分を、遮光性を有する第1の材質により形成し、表示部11bを、透明または半透明な第2の材質により形成してもよい。
【0022】
底部材50は、容器体10の下端開口(小径部13の下端開口)に嵌合されている。底部材50は、平面視で円板状の底壁51と、底壁51から上方に向けて延びる筒状の内ガイド部52、外ガイド部53、および連結部54と、を有している。底壁51、内ガイド部52、外ガイド部53、および連結部54は、容器軸Oと同軸上に配置されている。外ガイド部53は内ガイド部52の径方向外側に位置し、連結部54は外ガイド部53の径方向外側に位置している。図1に示すように、底壁51には、この底壁51を上下方向に貫通する貫通孔51aが形成されている。図示は省略するが、貫通孔51aは、周方向に等間隔を空けて複数形成されている。
【0023】
図1および図2に示すように、内ガイド部52の外周面には、径方向内側に向けて窪み、上下方向に延びる縦溝52aが形成されている。縦溝52aは、周方向に等間隔を空けて複数形成されている。
図1に示すように、連結部54の外周面には、径方向外側に向けて突出する第2嵌合部54aが形成されている。第2嵌合部54aが、小径部13の第1嵌合部13aにアンダーカット嵌合されることで、底部材50が容器体10に固定されている。
【0024】
(吐出器)
吐出器30は、内容物が吐出される吐出ノズル32を有する押下ヘッド31と、ステム33と、シリンダ34と、装着キャップ35と、外装筒36と、を備えている。また、吐出器30は、シリンダ34内に上下摺動可能に配設されたピストン部材(不図示)と、ステム33を上方に向けて付勢する付勢部材(不図示)と、を備えている。吐出器30は、押下ヘッド31の上下動に伴い、容器体10内の内容物をシリンダ34内に吸い上げ、吐出ノズル32から内容物を吐出するように構成されている。ステム33、シリンダ34、装着キャップ35、および外装筒36は、容器軸Oと同軸上に配設されている。
【0025】
装着キャップ35は、容器体10の口部12に装着されている。シリンダ34は、装着キャップ35に組み付けられるとともに、容器体10内に配設されている。ステム33は、シリンダ34から上方に向けて延び、上方付勢状態で下降可能に設けられている。押下ヘッド31は、有頂筒状に形成され、ステム33の上端部に装着されている。吐出ノズル32は、押下ヘッド31の周壁から径方向外側に向けて突出している。外装筒36は、多段の筒状に形成され、装着キャップ35を径方向外側から囲っている。
【0026】
装着キャップ35は、口部12に装着される装着筒部35aと、装着筒部35aの上端部から径方向内側に向けて延びる環状の接続部35bと、接続部35bから上方に向けて延びる取付部35cおよびガイド筒部35dと、を有している。
装着筒部35aの内周面には、径方向内側に向けて突出し、口部12の嵌合突起にアンダーカット嵌合する嵌合部が形成されている。なお、装着筒部35aは、口部12に螺着されていてもよい。接続部35bは、パッキン37を介して口部12と上下方向で対向している。接続部35bおよび口部12は、パッキン37を、上下方向で圧縮した状態で挟んでいる。取付部35cは、上下方向に延びる二重の筒状に形成され、シリンダ34の上端開口部に嵌合されている。ガイド筒部35dは、押下ヘッド31を径方向外側から囲っており、押下ヘッド31の上下動をガイドする。
【0027】
外装筒36の外周面には、径方向外側に向けて突出する突部36aが形成されている。突部36aは、曲面状に形成され、周方向に間隔を空けて複数形成されている。
オーバーキャップ40は、有頂筒状に形成されており、押下ヘッド31および外装筒36を覆っている。オーバーキャップ40の周壁における下端部には、径方向内側に向けて突出し、突部36aにアンダーカット嵌合する係止部が形成されている。前記係止部は、オーバーキャップ40の内周面に、その全周にわたって形成されている。
【0028】
(中皿)
中皿60は、容器体10内を液室S1と空気室S2とに仕切る隔壁部61と、容器体10内に摺動可能に嵌合された摺動筒部63と、隔壁部61と摺動筒部63とを接続する接続部62と、を有している。
隔壁部61は、径方向中央部に位置して平面視で円板状の下板部61aと、下板部61aの外周縁から上方に向けて延びる接続筒部61bと、接続筒部61bの上端部から径方向外側に向けて延びる環状の上板部61cと、を有している。接続部62は、上板部61cの外周縁から下方に向けて延びる筒状に形成されている。
【0029】
隔壁部61および接続部62は、摺動筒部63の径方向内側を閉塞している。摺動筒部63は、本体部11の内周面に密に接した状態で上下摺動可能に嵌合されている。中皿60は、容器体10内の内容物の減少に伴って液室S1内が負圧になることにより、本体部11内を上昇するように構成されている。
【0030】
押下ヘッド31が押下されることで吐出器30が作動し、内容物が吐出ノズル32から吐出されると、容器体10の液室S1内の内容物の量が減少する。これに伴い、液室S1内が負圧となり、この負圧によって中皿60が上昇する。なお、中皿60の上昇に伴い、可動部材20と容器体10との間の隙間や、底部材50の貫通孔51aなどを通じて、空気室S2内に外気が導入される。
液室S1内の内容物の残量が少なくなると、図1図3の二点鎖線に示すように、中皿60が容器体10の本体部11内における上端部まで上昇する。このとき、上下方向における中皿60の位置は、表示部11bの位置と同等になる。
【0031】
(可動部材)
可動部材20は、吐出容器1Aの底部に位置し、底部材50を下方から覆っている。可動部材20は、容器体10に対して下方に向けてスライド移動可能(下降可能)に設けられている。可動部材20は、底部材50を下方から覆う接地部21と、接地部21から上方に向けて延びる可動周壁22と、を有している。接地部21は、容器軸Oと同軸の円板状に形成されている。接地部21は、吐出容器1Aの正立時に、載置面Tなどに接地する。可動周壁22は、接地部21の外周縁から上方に延びる筒状に形成され、小径部13および底部材50を径方向外側から囲っている。可動周壁22の外径は、本体部11の外径と略同等である。可動周壁22の下端部には、径方向外側に向けて突出した指掛け部22aが形成されている。指掛け部22aの下面は、接地部21の下面に連なっている。
【0032】
図1に示すように、接地部21には、上方に向けて延びる規制片24が形成されている。規制片24は、底部材50の貫通孔51a内に挿通されている。規制片24の上端部には、径方向内側に向けて突出する規制部24aが形成されている。図2に示すように、規制片24および規制部24aは、周方向に等間隔を空けて複数形成されている。規制片24の数(図では3つ)は、縦溝52aの数と同じである。規制部24aの周方向における幅は、縦溝52aの周方向における幅よりも小さい。また、規制部24aの一部は、縦溝52a内に位置しており、底壁51に対して上下方向で対向している。規制部24aは、可動部材20の容器体10に対する所定量以上の下降を規制することによって、可動部材20の容器体10に対する最下端位置を決めている。
【0033】
そして本実施形態の可動部材20には、図1および図3に示すように、可動周壁22から上方に向けて延び、本体部11のガイド溝11a内に位置する遮蔽部23が形成されている。周方向において、遮蔽部23の幅は、ガイド溝11aの幅よりも小さく、表示部11bの幅よりも大きい。遮蔽部23は、図1および図3に示す待機状態において、表示部11bを径方向外側から覆っている。遮蔽部23は、遮光性を有する材質により形成されている。図1および図2に示すように、遮蔽部23の外周面は、ΔRだけ、可動周壁22の外周面よりも径方向内側に位置している。これにより、後述するように可動周壁22を把持した際に、指などが遮蔽部23に触れて、遮蔽部23が本体部11に押し付けられてしまうことが抑制される。
【0034】
次に、以上のように構成された吐出容器1Aの作用について説明する。
【0035】
図4に示すように、吐出容器1Aを載置面Tから持ち上げた状態で、可動部材20を下降させると、遮蔽部23が表示部11bに対して下降し、表示部11bが露出される。なお、可動部材20の下方に向けた移動は、可動部材20の自重によるものでもよいし、使用者による可動部材20の引き下げ操作によるものでもよい。引き下げ操作を行う場合には、指掛け部22aに手指などを掛けることで、スムーズに操作を行うことができる。ただし、指掛け部22aは可動部材20に形成されていなくてもよい。
【0036】
なお、可動部材20が所定量下降すると、規制部24aが底壁51に対してその上方から当接するため、それ以上の可動部材20の下降が規制される。これにより、可動部材20が不意に容器体10から脱落することが抑えられる。
可動部材20の下降に伴って表示部11bが露出されると、表示部11bは透明または半透明な材質により形成されているため、この表示部11bを通して、容器体10内を視認することができる。
【0037】
ここで、容器体10の残量が少ない場合は、先述の通り中皿60が図1の2点鎖線に示す位置まで上昇し、中皿60が表示部11bを本体部11の内側から覆う。このため、表示部11bが中皿60によって本体部11の内側から覆われていない場合と比較して、表示部11bを通した見た目が異なることになる。つまり、表示部11bは、内容物の残量を表示する。使用者は、表示部11bを視認することで、内容物の残量が少ないか否かを判断することができる。
【0038】
表示部11bの視認が終わった後は、吐出容器1Aを再び載置面Tに載置することで、容器体10および吐出器30などの自重が作用し、可動部材20が容器体10に対して上昇する。これにより、表示部11bが再び遮蔽部23に覆われることとなり、容器体10内の遮光性を確保することができる。このように、吐出容器1Aの自重を用いて吐出容器1Aを待機状態に戻すことができる。この場合、可動部材20を元の位置に戻す操作が省かれて、操作性を向上することができる。また、吐出容器1Aを正立姿勢としたまま容易に残量を確認することができる。
なお、吐出容器1Aの自重によらず、例えば可動部材20を容器体10に対して押し上げる操作を行うことで、可動部材20を元の位置に戻してもよい。
【0039】
そして、図1図3に示す待機状態では、先述の通り、遮蔽部23が表示部11bを覆っている。このため、表示部11bが内部を視認可能に形成されていても、表示部11bを通して容器体10内の内容物に光が当たることが抑えられる。従って、内容物に光が長時間にわたって当たり、例えば内容物が変質してしまうのを抑えることができる。
【0040】
以上説明したように、本実施形態では、可動部材20の容器体10に対する下降に伴い、内容物の残量を示す表示部11bが露出される。そしてこの構成により、表示部11bによって内容物の残量が視認可能であるとともに、容器体10内の遮光性を確保した吐出容器1Aを提供することができる。
【0041】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図5に示すように、本実施形態の吐出容器1Bでは、底部材50の形状が第1実施形態と異なっており、底部材50と可動部材20との間に付勢部材70が配設されている。
【0042】
底部材50は、平面視で円板状の底壁51と、底壁51から上方に向けて延びる筒状の内ガイド部52および外ガイド部53を有している。外ガイド部53の上端部には、径方向外側に向けて延びる環状のバネ座部55が形成されている。バネ座部55の外周縁には、下方に向けて延びる筒状の連結部54が形成されている。底壁51、内ガイド部52、外ガイド部53、連結部54、およびバネ座部55は、容器軸Oと同軸上に配置されている。
【0043】
外ガイド部53は内ガイド部52の径方向外側に位置し、連結部54は外ガイド部53の径方向外側に位置している。底壁51には、この底壁51を上下方向に貫通する貫通孔51aが形成されている。貫通孔51aには、可動部材20の規制片24が挿通されている。連結部54の外周面には、径方向外側に向けて突出する第2嵌合部54aが形成されている。第2嵌合部54aが、小径部13における第1嵌合部13aにアンダーカット嵌合されることで、底部材50が容器体10に連結されている。
【0044】
付勢部材70としては、コイルバネなどを用いることができる。付勢部材70は、待機状態において、底部材50のバネ座部55と可動部材20の接地部21との間で、上下方向に圧縮されている。すなわち、待機状態において、付勢部材70は可動部材20を下方付勢し、底部材50および容器体10を上方付勢している。
【0045】
本実施形態によれば、吐出容器1Bが机上などの載置面Tから持ち上げられた際に、付勢部材70の下方付勢力によって、可動部材20をより確実に下降させることができる。従って、表示部11bを露出させるために可動部材20を下方に引き下げる操作が省かれるため、操作性をより向上させることができる。
【0046】
なお、吐出容器1Bを載置面Tに載置して待機状態に戻した場合には、付勢部材70に容器体10や吐出器30などの自重が作用し、この自重によって付勢部材70が再び圧縮される。付勢部材70の付勢力は、容器体10、吐出器30などの自重よりも小さい。これにより、内容物の残量が少なくなったとしても、待機状態において遮蔽部23が表示部11bを覆う状態とすることができる。なお、付勢部材70の付勢力は、例えば内容物の自重を加味した容器体10および吐出器30の重量より小さくするなど、適宜設計変更してもよい。
【0047】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態について説明するが、第2実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態では、容器体10の全体が遮光性を有する材質により形成されていたとしても、内容物の残量を視認可能である点が第2実施形態と異なる。
【0048】
図6に示すように、本実施形態の吐出容器1Cでは、容器体10における小径部13の上下方向の長さが、第2実施形態と異なっている。本実施形態の小径部13の上端は、容器体10の上下方向における略中央部に位置している。小径部13の外径は、本体部11の外径よりも小さいため、小径部13と本体部11との接続部には、下方を向く段差14が形成されている。段差14は平面視で環状であり、可動部材20の可動周壁22における上端面22bに対して上下方向で対向している。
【0049】
次に、以上のように構成された吐出容器1Cの作用について説明する。なお、以下の説明では、吐出容器1Cが机上などの載置面Tに正立姿勢で置かれた待機状態にあるものとして説明する。
【0050】
図6に示すように、液室S1内の内容物の残量が多い場合には、可動周壁22の上端面22bと段差14とが当接若しくは近接した状態となる。
図7は、図6に示す状態から内容物が吐出されて、液室S1内の内容物の残量が減少し、中皿60が上昇した状態を示している。このように内容物の量が減ると、付勢部材70に作用する内容物の自重も小さくなる。つまり、内容物の残量に応じて、付勢部材70に作用する圧縮荷重が変化する。これに伴い、内容物の残量に応じて付勢部材70が伸縮し、付勢部材70の上方付勢力によって、容器体10の上下方向における位置も変化する。すなわち、容器体10と可動部材20との上下方向の位置関係が変化し、可動周壁22の上端面22bと段差14との間の上下方向の間隔Lも変化する。そして、小径部13の外周面が露出される面積も変化する。
【0051】
図8は、図7からさらに内容物の残量が減少した状態を示している。図8では、内容物の自重の減少に伴って、小径部13の外周面がより大きく露出されている。このように、本実施形態では、小径部13の外周面が、可動部材20の容器体10の下降に伴って露出し、内容物の残量を表示する表示部15として機能する。そして、露出された表示部15の上下方向における長さ(前記間隔L)を視認することで、内容物の残量を確認することができる。
【0052】
さらに本実施形態では、図7および図8に示すように、表示部15に、互いに異なる色で着色された着色部15a〜15cが設けられている。着色部15a〜15cは、上下方向に並べて配置されている。使用者は、着色部15a〜15cのうち、いずれの部分まで露出しているかによって、内容物の残量がどの程度であるかを確認することができる。
なお、着色部15a〜15cに限られず、例えば容器体10の成形時における刻印、転写、印刷、塗装などの加飾によって、残量を確認しやすくするための目印を設けてもよい。
【0053】
以上説明したように本実施形態では、可動部材20の容器体10に対する下降に伴って内容物の残量を示す表示部15が露出され、底部材(底部)50と可動部材20の接地部21との間に、容器体10を上方付勢し、かつ内容物の残量に応じて伸縮する付勢部材70が配置されている。この構成により、容器体10の全体を不透明な材質により形成し、遮光性を確保したとしても、表示部15の露出面積の大小によって内容物の残量を確認することができる。
【0054】
また、本実施形態では、吐出容器1Cを机上などの載置面Tに置いた状態で、内容物の残量を確認することができる。つまり、吐出容器1Cを持ち上げる操作を行わなくとも、内容物の残量を確認することができる。これにより、操作性をより向上させることができる。
【0055】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0056】
例えば、内容物の残量の減少に伴って中皿60が上昇する構成を、前記第1〜第3実施形態に採用してもよい。
また、第3実施形態の吐出容器1Cにおいて、表示部15として機能する小径部13の外周面に、目盛などを設けてもよい。
【0057】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1A〜1C…吐出容器 10…容器体 11b、15…表示部 20…可動部材 21…接地部 24a…規制部 30…吐出器 50…底部材 60…中皿 70…付勢部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8