特許第6986963号(P6986963)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986963
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】溶接用センサ装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 21/00 20060101AFI20211213BHJP
   B23K 9/095 20060101ALI20211213BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20211213BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20211213BHJP
   B23K 31/00 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   G01B21/00 P
   B23K9/095 515Z
   G01B11/24 A
   G01B11/00 Z
   B23K31/00 K
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-253865(P2017-253865)
(22)【出願日】2017年12月28日
(65)【公開番号】特開2019-120534(P2019-120534A)
(43)【公開日】2019年7月22日
【審査請求日】2020年10月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷 信博
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 洋和
【審査官】 信田 昌男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−245517(JP,A)
【文献】 特許第5704735(JP,B1)
【文献】 特開昭56−68587(JP,A)
【文献】 特開2004−195502(JP,A)
【文献】 特開2003−001437(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 21/00
B23K 9/095
G01B 11/24
G01B 11/00
B23K 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接されるワークの状態または前記ワークまでの距離を測定するセンサユニットと、
前記センサユニットを収容する収容部と、前記ワークの溶接時に発生する輻射熱のうち、前記収容部に向かう輻射熱を遮蔽する遮蔽部と、を有した収容体と、
を少なくとも備えた、溶接用センサ装置であって、
前記遮蔽部の内部には、冷却媒体が流れる冷却流路が形成されており、
前記遮蔽部は、板状であり、
前記冷却流路は、前記遮蔽部の厚さ方向の断面における前記遮蔽部の中心線よりも、前記ワークが溶接される側の前記遮蔽部の内部に形成されていることを特徴とする溶接用センサ装置。
【請求項2】
前記ワークが溶接される側に面した側を前記遮蔽部の表側表面とし、その反対側の表面を裏側表面としたときに、
前記冷却流路を流れる冷却媒体の放出口が、前記遮蔽部の裏側表面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の溶接用センサ装置。
【請求項3】
前記遮蔽部は、前記収容部から前記ワーク側に向かって延在しており、前記遮蔽部の先端側の周縁に沿って、前記放出口が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の溶接用センサ装置。
【請求項4】
前記遮蔽部は、前記収容部から前記ワーク側に向かって延在しており、前記冷却流路は、前記遮蔽部の先端に向かって広がるように形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の溶接用センサ装置。
【請求項5】
前記遮蔽部は、前記収容部から前記ワーク側に向かって延在しており、前記冷却流路は、前記遮蔽部の先端に向かって前記冷却媒体が流れるように形成されており、
前記冷却流路には、前記遮蔽部の基端から先端に沿った方向に、複数のフィンが形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の溶接用センサ装置。
【請求項6】
前記ワークが溶接される側に面した側を前記遮蔽部の表側表面とし、その反対側の表面を裏側表面としたときに、
前記冷却流路への冷却媒体の導入口が、前記遮蔽部の裏側表面に形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の溶接用センサ装置。
【請求項7】
前記遮蔽部は、複数の板状部材を重ね合わせた構造であり、
前記複数の板状部材は、ワークが溶接される側に面した前記遮蔽部の表面が形成された表面板状部材と、ワークが溶接される側に面した表面と反対側の前記遮蔽部の裏面が形成された裏面板状部材と、前記表面板状部材と前記裏面板状部材とにより挟み込むことにより、前記冷却流路を形成する中間板状部材とを少なくとも備えることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の溶接用センサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークの溶接を行うに好適な溶接用センサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、開先形状を有した一対の鉄板などのワークに対して、アーク溶接などにより突合せ溶接などの溶接を行う際には、溶接トーチをワーク(突き合わせた開先形状の部分)に近づける。この状態で、溶接トーチから送られる溶接用ワイヤの先端と、ワークとの間に電圧を印加することにより、これらの間にアークを発生させる。これにより、溶接用ワイヤが溶融するとともに、ワークが加熱されて溶融し、ワーク同士の溶接を行うことができる。
【0003】
溶接を行う際には、溶接トーチとワークとの距離、または、ワークの形状は、ワークの溶接の品質に影響する。このような点から、例えば、特許文献1には、ワークの形状を測定する溶接用センサ装置が提案されている。
【0004】
特許文献1に示す溶接用センサ装置は、レーザ光を投光する投光部と、ワークの表面から反射したレーザ光を検出する検出部と、を備え、検出されたレーザ光から、ワークの形状を測定している。投光部と検出部とは、ハウジング(ケース本体)と保護カバーとで構成された収容ケース(収容部)に収容されている。保護カバーには、溶接時に発生するワークからのスパッタを遮蔽する遮蔽部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−195502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、特許文献1の溶接用センサ装置によれば、溶接部からセンサユニットが収容された収容部に向かう輻射熱を、遮蔽部により遮蔽することができるため、輻射熱に起因したセンサユニットの加熱を低減することができる。しかしながら、たとえば、連続して長時間溶接を行う場合、溶接部からの輻射熱が遮蔽部に連続して入熱されることがある。この他にも、たとえば、これまでよりも板厚が厚い被溶接部材同士を溶接する場合、溶接部に入熱されるエネルギをこれまでよりも高く設定されることもある。これらの場合には、溶接部から遮蔽部に入熱される輻射熱のエネルギが、これまで以上に大きくなり、結果として、遮蔽部の熱が収容部に伝わり、センサユニットが想定以上に加熱されてしまうことがある。
【0007】
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、溶接時にワークからセンサユニットに向かう輻射熱が、遮蔽部からセンサユニットを収容する収容部に伝導することを低減することができる溶接用センサ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を鑑みて、本発明に係る溶接用センサ装置は、溶接されるワークの状態または前記ワークまでの距離を測定するセンサユニットと、前記センサユニットを収容する収容部と、前記ワークの溶接時に発生する輻射熱のうち、前記収容部に向かう輻射熱を遮蔽する遮蔽部と、を有した収容体と、を少なくとも備えた、溶接用センサ装置であって、前記遮蔽部の内部には、冷却媒体が流れる冷却流路が形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、溶接用センサ装置の収容体が、遮蔽部を備えることにより、ワークの溶接時に発生する輻射熱のうち、収容部に向かう輻射熱を、遮蔽部で遮蔽することができる。これにより、この輻射熱により、収容部に収容されたセンサユニットが加熱されることを抑えることができる。
【0010】
さらに、遮蔽部の内部に、冷却媒体が流れる冷却流路が形成されているので、溶接部からの輻射熱で遮蔽部に入熱された熱を、冷却流路を流れる冷却媒体で吸熱することができる。これにより、溶接部から遮蔽部に入熱される輻射熱のエネルギが、これまで以上に大きくなったとしても、輻射熱が起因した遮蔽部の温度上昇を抑えることができる。この結果、溶接時にワークからセンサユニットに向かう輻射熱により、遮蔽部から、センサユニットを収容する収容部に熱が伝わることを低減することができる。
【0011】
ここで、遮蔽部の内部に冷却媒体を流すことができるのであれば、冷却流路を流れる放出口の位置は、特に限定されるものではないが、より好ましい態様としては、前記ワークが溶接される側に面した側を前記遮蔽部の表側表面とし、その反対側の表面を裏側表面としたときに、前記冷却流路を流れる冷却媒体の放出口が、前記遮蔽部の裏側表面に形成されている。
【0012】
この態様によれば、冷却媒体の放出口が、遮蔽部の裏側表面に形成されているので、裏面表面側から冷却媒体が放出される。この放出された冷却媒体により、収容部(具体的にはセンサユニット)に向かう溶接時のヒューム等を押し流すことができる。このような結果、ヒューム等が起因したセンサユニットの計測誤差等を低減することができる。また、遮蔽部の表側表面には、冷却媒体が放出されにくいため、例えばレーザ溶接などに際に、この冷却媒体に起因して、溶接部の回りに放出されるシールドガスが乱れることはない。
【0013】
また、このような放出口のより好ましい態様としては、前記遮蔽部は、前記収容部から前記ワーク側に向かって延在しており、前記遮蔽部の先端側の周縁に沿って、前記放出口が形成されている。この態様によれば、ワークから収容部に向かうヒュームを、ワークにより近い位置で、より確実に、冷却媒体で押し流すことができる。
【0014】
また、遮蔽部を冷却媒体で冷却することができるのであれば、冷却流路の形状は特に限定されるものではないが、より好ましい態様としては、前記遮蔽部は、前記収容部から前記ワーク側に向かって延在しており、前記冷却流路は、前記遮蔽部の先端に向かって広がるように形成されている。
【0015】
この態様によれば、冷却流路が、遮蔽部の先端に向かって広がるように形成されているため、ワークの溶接部により近い遮蔽部の先端側を、冷却流路を流れる冷却媒体により効果的に冷却することができる。
【0016】
さらに、さらに遮蔽部の内部に冷却媒体を流すことができるのであれば、冷却流路の構造は特に限定されるものではないが、より好ましくは、前記遮蔽部は、前記収容部から前記ワーク側に向かって延在しており、前記冷却流路は、前記遮蔽部の先端に向かって前記冷却媒体が流れるように形成されており、前記冷却流路には、前記遮蔽部の基端から先端に沿った方向に、複数のフィンが形成されている。
【0017】
この態様によれば、複数のフィンが形成されているので、冷却通路の内壁面からの遮蔽部に入熱された熱の放熱性を高めることができる。特に、この態様では、複数のフィンは、冷却通路の遮蔽部の基端から先端に沿った方向に形成されているため、冷却流路に流れる冷却媒体が遮蔽部の先端側に放出する構造を容易に採用することができる。
【0018】
さらに別の好ましい態様としては、前記遮蔽部は、板状であり、前記冷却流路は、前記遮蔽部の厚さ方向の断面における前記遮蔽部の中心線よりも、前記ワークが溶接される側の遮蔽部の内部に形成されている。
【0019】
ワークが溶接される側の遮蔽部の部分は、溶接部からの輻射熱により、加熱されやすいところ、この態様では、冷却流路が、遮蔽部の厚さ方向の断面における遮蔽部の中心線よりも、ワークが溶接される側の遮蔽部の内部に形成されているため、冷却媒体による遮蔽部の冷却効率を高めることができる。
【0020】
ここで、冷却通路に冷却媒体を導入することができるのであれば、冷却流路に導入する冷却媒体の導入口の位置は、特に限定されるものではないが、より好ましくは、前記ワークが溶接される側に面した側を前記遮蔽部の表側表面とし、その反対側の表面を裏側表面としたときに、前記冷却流路への冷却媒体の導入口が、前記遮蔽部の裏側表面に形成されている。
【0021】
この態様によれば、冷却流路への冷却媒体の導入口が、遮蔽部の裏側表面に形成されているので、たとえば、収容部に導入される冷却媒体、センサユニットにパージされるパージ用媒体の一部を、遮蔽部に供給することができる。このため、冷却流路に供給するための冷却媒体の供給源を新たなに設ける必要がないので、溶接用センサ装置の構造をシンプルにすることができ、小型化を図ることができる。
【0022】
ここで、遮蔽部は複数の板状部材を重ね合わせた構造であってもよく、収容部に向かう輻射熱を遮蔽することができ、この輻射熱により耐久性を有するのであれば、その構造は特に限定されるものではない。しかしながら、より好ましい態様としては、前記遮蔽部は、複数の板状部材を重ね合わせた構造であり、前記複数の板状部材は、ワークが溶接される側に面した前記遮蔽部の表面が形成された表面板状部材と、ワークが溶接される側に面した表面と反対側の前記遮蔽部の裏面が形成された裏面板状部材と、前記表面板状部材と前記裏面板状部材とにより挟み込むことにより、前記冷却流路を形成する中間板状部材とを少なくとも備える。
【0023】
この態様によれば、遮蔽部を構成する複数の板状部材のうち、ワークが溶接される側に面した遮蔽部の表面に表面板状部材が形成されているので、遮蔽部に溶接時のスパッタ等が付着した際には、遮蔽部全体を取り換える必要はなく、表面板状部材のみを取り換えればよいので、メンテナンス性を高めることができる。また、表面板状部材と、中間板状部材と、裏面板状部とのそれぞれに、最適な材料を選定することができる。たとえば、表面板状部材が、セラミックス材料からなり、裏面板状部材を、金属材料からなり、中間板状部材の材料を、金属材料にすれば、溶接時の輻射熱が表面板状部材から収容部に伝達されることを抑えることができる。また、仮に、表面板状部材から伝わる輻射熱に起因した熱は、中間板状部材と裏面板状部材に伝達したとしても、これを、冷却媒体で効率良く吸熱することができるので、輻射熱の熱伝導が起因した裏面板状部材の温度上昇を抑えることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、溶接時にワークからセンサユニットに向かう輻射熱が、遮蔽部からセンサユニットを収容する収容部に伝導することを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1実施形態に係る溶接装置に取付けられた状態の溶接用センサ装置の模式的側面図である。
図2図1に示す溶接用センサ装置を一方側から視た模式的斜視図である。
図3図1に示す溶接用センサ装置を他方側から視た模式的斜視図である。
図4図1に示す溶接用センサ装置の模式的側面図である。
図5図2に示す溶接用センサ装置の遮蔽部材と保護カバーとの模式的分解斜視図である。
図6】遮蔽部材を一方側から視た模式的分解斜視図である。
図7】遮蔽部材を他方側から視た模式的分解斜視図である。
図8】(a)は、図6のA−A線に沿った矢印方向の模式的断面図であり、(b)は、(a)のB−B線に沿った矢印方向の断面図であり、(c)は、(a)のC−C線に沿った矢印方向の断面図である。
図9】(a)および(b)は、第1実施形態の変形例に係る遮蔽部材の背面図である。
図10】第2実施形態に係る遮蔽部材を一方側から視た模式的分解斜視図である。
図11】第2実施形態に係る遮蔽部材を他方側から視た模式的分解斜視図である。
図12】(a)は、図10のD−D線に沿った矢印方向の模式的断面図であり、(b)は、(a)のE−E線に沿った矢印方向の断面図であり、(c)は、(a)のF−F線に沿った矢印方向の断面図である。
図13】第3実施形態に係る溶接用センサ装置を一方側から視た模式的斜視図である。
図14】(a)は、図8(a)に示す断面に相当する図9の遮蔽部材の模式的断面図であり、(b)は、図8(b)に示す断面に相当する図9の遮蔽部材の模式的断面図である。
図15】(a)および(b)は、第3実施形態の変形例に係る遮蔽部材の模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明の実施形態に係る溶接用センサ装置(以下、センサ装置という)を図1図15を参照しながら詳述する。
【0027】
<第1実施形態>
以下に図1図9を参照して、第1実施形態に係るセンサ装置1を説明する。
1.センサ装置1の取付け状態とセンサ装置1の全体構成について
図1に示すように、本実施形態に係るセンサ装置1は、取付け用治具8を介して、溶接装置9に取付けられている。溶接装置9の溶接トーチ91には、溶接用ワイヤ93が供給され、溶接の際には、溶接トーチ91から送られる溶接用ワイヤ93の先端と、ワークWとの間に電圧を印加することにより、これらの間にアークAを発生させる。これにより、溶接用ワイヤ93が溶融するとともに、ワークWに溶融池Pが生成され、ワークWの溶接を行うことができる。ワークWに溶融池Pを形成しつつ、図1に示す矢印の方向に溶接装置9が移動し、ワークW同士に溶接部(ビード)Bを形成する。なお、図1では、便宜的にワークWを1つのワークとして描いているが、2つ以上のワーク同士に対して突合せ溶接、すみ肉溶接、重ね溶接等するものであり、溶接方法は、特に限定されるものではない。また、本実施形態では、ワーク同士の溶接を溶接用ワイヤを用いたアーク溶接に特定しているが、この他にも、たとえば、TIG溶接、電子ビーム溶接、レーザビーム溶接、ガス溶接等の他の溶接であってもよい。
【0028】
溶接装置9により、ワークWに対して安定した溶接を行うためには、溶接トーチ91とワークWとの距離または、ワークWの形状を、測定することは重要である。そこで、本実施形態では、その一例としてセンサ装置1で、ワークWとの形状またはワークWまでの距離を測定する。
【0029】
図1に示すように、本実施形態に係るセンサ装置(センサヘッド)1は、センサユニット2と、センサユニット2を収容する収容体3Aとを備えている。本実施形態では、収容体3Aは、保護カバー40を備えた収容ケース(収容部)3と、収容ケース3に取付けられた遮蔽部材(遮蔽部)5と、を備えている。本実施形態では、収容ケース3と、遮蔽部材5とは、分離可能な部材であるが、これらが一体化した構造であってもよい。なお、これらの構成は、後述する第2および第3実施形態に係る溶接装置も同様である。
【0030】
2.センサユニット2について
センサユニット2は、検出されたレーザ光(検出光)L2により、ワークWの形状または(センサユニット2から)ワークWまでの距離を測定するための装置である。本実施形態では、センサユニット2は、その一例として、溶接されるワークWの表面にレーザ光L1を投光する投光部21と、ワークの表面から反射したレーザ光L2を検出する検出部22と、を備えている。投光部21は、レーザ光を発生させるレーザ光源21bと、レーザ光源21bから発生したレーザ光L1を、ワークWに投光(投射)する投光装置(光学系)21aと、を備えている。
【0031】
検出部22は、投光装置21aから投光されたレーザ光L1が、ワークWの表面から反射したレーザ光L2を受光する受光装置(光学系)22aと、受光装置22aから送られたレーザ光L2を検出する検出装置22bと、を備えている。受光装置22aは、検出装置22bに受光したレーザ光L2を送り、検出装置22bは、例えば撮像装置(カメラ)であり、レーザ光L2を検出し、検出したレーザ光L2のデータを、センサ装置外部またはセンサ装置内部の画像処理装置(図示せず)に送信する。画像処理装置では、ワークWの形状(状態)またはセンサユニット2(具体的にはレーザ光源21b)からワークWまでの距離が測定され、例えば、測定された距離から、溶接トーチ91とワークWとの距離が換算される。
【0032】
なお、本実施形態では、センサユニットの一例として、投光部21と検出部22とを備えたセンサユニット2を示したが、例えば、投光部を別ユニットとして、これを溶接用センサ装置1の外部に設け、センサユニット2の投光部21を省略してもよい。
【0033】
また、本実施形態では、センサユニット2は、レーザ光L1、L2を利用して、ワークWの状態(形状)または検出部22からワークWまでの距離を測定したが、例えば、レーザ光を利用せず、溶接時にワークWの例えば溶融池Pから発生した光、または、外部の光源等からワークWに反射した光を検出光として検出してもよい。この場合も、本実施形態で示した、センサユニット2の投光部21が省略され、検出部は、ワークWの表面に向かう検出光を受光する受光装置(光学系)と、受光装置から送られた検出光を検出する撮像装置(カメラ)とを少なくとも備えればよい。溶接用センサ装置1は、投光部21を有しないので、投光用の各部位を省略することができる。検出した検出光のデータは、センサ装置外部またはセンサ装置内部の画像処理装置(図示せず)に送信され、ワークWの状態(例えば溶融池Pの溶融状態等)を測定することができる。この測定したワークWの状態から、溶接時の溶接トーチ91から送られる溶接用ワイヤ93の先端と、ワークWとの間に印加される電圧を制御してもよい。その他にも、センサユニットが、超音波または電磁波を利用して、溶接されるワークWの状態またはワークWまでの距離を測定してもよい。なお、これらの構成は、後述する第2および第3実施形態に係る溶接装置も同じである。
【0034】
3.収容ケース3について
図1および図4に示すように、収容ケース3は、センサユニット2を収容するとともに、投光部21から発するレーザ光L1および検出部22へ向かうレーザ光L2が通過するように構成されている。レーザ光L1およびL2を透過させることができれば、例えば、開口した状態のものであってもよく、この開口した部分に、レーザ光L1およびL2が透過可能な材料(例えば、透明な樹脂またはガラスなど)が覆われていてもよい。本実施形態では、収容ケース3は、ケース本体30と、保護カバー40と、を備えている。
【0035】
3−1.ケース本体30について
本実施形態では、ケース本体30は、センサユニット2を収容するための組立体である。図2および図3に示すように、ケース本体30は、センサユニット2を収容する凹部(図示せず)を有した筐体31の両側に、カバー32a、32bがネジなどの締結具71を介して被着されている。なお、図2〜4では、センサ装置1の表面うち、溶接装置9が配置される側の表面を表側表面30aとし、その反対側を裏側表面30bとして表している。
【0036】
図4に示すように、ケース本体30には、保護カバー40に連通するパージ用の第1ガス流路35が形成されている。第1ガス流路35に供給される気体としては、エア(大気)、ヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガス、二酸化炭素ガス、および、これらの気体を混合した気体等を挙げることができる。ここで、溶接時にセンサ装置1の後述する第1および第2放出口42、43からパージエアを放出し、センサ装置1を冷却することができ、ワークWの溶接部に対し化学的に安定した気体であることがより好ましく、たとえば、溶接用のシールドガスの供給源(図示せず)からの気体を利用してもよい。
【0037】
ケース本体30の上面には、センサユニット2からの検出信号の出力等を行うための接続端子37a、センサユニット2に向かう電力の供給、および、センサユニット2への制御信号の入力等を行うための接続端子37bが、設けられている。さらに、ケース本体30の上面には、第1ガス流路35を介して保護カバー40に気体を供給するガス供給口37eと、が設けられている。この他にも、センサユニット2の電源のON,OFF等の状態を表示するランプ37dが設けられている。
【0038】
3−2.保護カバー40について
図2〜4に示すように、保護カバー40は、収容ケース3の一部を構成するものである。保護カバー40は、例えば、金属材料または樹脂材料からなり、ケース本体30の底面側からネジなどの締結具74により取付けられている。保護カバー40は、ケース本体30に取付けることにより、第1ガス流路35に連通した第2ガス流路45が形成されており、第2ガス流路45には、第1放出口42および第2放出口43が形成されている。
【0039】
第1放出口42は、第2ガス流路45からの気体が放出されるとともに、投光装置21aから投光されたレーザ光L1が通過する位置に形成されている。第1放出口42の下流には、第2放出口43がさらに形成されており、第2放出口43は、第2ガス流路45から気体が放出されるとともに、受光装置22aから投光されたレーザ光L2が通過する位置に形成されている。第2放出口43は、後述する遮蔽部材5の裏側表面50bに、放出された気体が吹き付けられるように形成されている。これにより、遮蔽部材5の放熱性を高めることができる。
【0040】
さらに、図5に示すように、保護カバー40には、後述する遮蔽部材5を取り付けるための第1取付け部47が形成されており、第1取付け部47には、シャフト(取付け具)73を挿通する貫通孔47aが形成されている。さらに、第1取付け部47には、レーザ光L1、L2等に対して適切な角度で、遮蔽部材5を保護カバー40に取付けるための設置面47bが形成されている。
【0041】
さらに、保護カバー40には、第2ガス流路45に連通し、冷却用の気体(流体)を供給するための供給口47cが形成されている。この冷却用の気体は、上述したパージ用の気体(パージエア)である。
【0042】
4.遮蔽部材5について
図1〜4に示すように、センサ装置1を構成する遮蔽部材5は、ワークWの溶接時に発生する輻射熱のうち、収容ケース3の下方側(具体的には、第1および第2放出口42、43)に向かう輻射熱Hを遮蔽している。遮蔽部材5は、溶融池Pから飛散して、収容ケース3の下方側の表面に向かうスパッタSを遮蔽している。遮蔽部材5は、板状の部材であり、収容ケース3からワークW側に向かって延在している。
【0043】
ここで、図5図7に示すように、ワークWが溶接される側を遮蔽部材5の表側とし、その反対側を裏側としたときに、遮蔽部材5の裏面には、保護カバー40に取付けるための一対の第2取付け部57、57が形成されている。遮蔽部材5を保護カバー40に取付けた状態で、保護カバー40の第1取付け部47は、遮蔽部材5の2つの第2取付け部57、57の間に配置される。
【0044】
第2取付け部57には、シャフト73を挿通する貫通孔57aが形成されている。ここで、2つの第2取付け部57、57の間に、第1取付け部47が配置され、かつ、設置面47bに遮蔽部材5を設置した状態で、第1取付け部47の貫通孔47aと、第2取付け部57の貫通孔57aとが繋がり、1つの貫通孔となる。これにより、シャフト73を、第1取付け部47の貫通孔47aと、第2取付け部57の貫通孔57aとに、遮蔽部材5の幅方向(横方向)から、挿通することができる。これにより、シャフト73の頭部73cと、ネジ体73bの頭部73dで挟み込み、遮蔽部材5を保護カバー40に取付けることができる。
【0045】
図6図8に示すように、本実施形態に係る遮蔽部材5は、第1板状部材51と第2板状部材52を重ね合わせた構造であり、遮蔽部材5の内部には、冷却媒体(エア)が流れる冷却流路54が形成されている。第1板状部材51と第2板状部材52とは、接着剤を介して接着されていてもよく、たとえば、ネジなどの締結具(図示せず)により分離可能に密着していてもよい。これにより、冷却流路54内の空間を封止することができる。本実施形態では、図6および図7に示すように、冷却流路54は、第1板状部材51の凹部54aと、第2板状部材52の凹部54bとにより形成されている。
【0046】
さらに、冷却流路54には、複数(具体的には4つの)フィン56が形成されており、より具体的には、フィン56は、ワークWが溶接される側に配置された第1板状部材51の凹部54aに形成されている。
【0047】
フィン56は、冷却媒体が流れる方向に沿って形成されており、本実施形態では、フィン56は、遮蔽部材5の基端から先端に沿った方向(すなわち、収容ケース3側からワークW側に向かって)形成されている。このフィン56により、冷却流路54を流れる冷却媒体の流れを整流化し、安定して冷却媒体を流すことができる。これに加えて、第1板状部材51からの熱を、冷却媒体により効率的に吸熱することができる。
【0048】
図8(c)に示すように、フィン56は、第2板状部材52に当接しているが、例えば、より好ましい態様としては、フィン56が第2板状部材52と非接触である(これらの間に間隙が形成されている)。この場合には、フィン56を介して第1板状部材51から第2板状部材52に熱を伝達することを抑えることができる。
【0049】
本実施形態では、Wワークが溶接される側に面した側を遮蔽部材5の表側表面50aとし、その反対側の表面を裏側表面50bとしたときに、冷却流路54への冷却媒体の導入口58が、遮蔽部材5の裏側表面50bに形成されている。導入口58は、第2板状部材52に形成され、保護カバー40に形成された供給口47cに連通している。これにより、第2ガス流路45から供給口47cに流れる冷却媒体(エア)を、冷却流路54に流すことができる。
【0050】
このように、冷却流路54への冷却媒体の導入口58が、遮蔽部材5の裏側表面50bに形成されているので、たとえば、収容ケース3に導入される冷却用のエア、センサユニット2にパージされるパージエアの一部を、遮蔽部材5に供給することができる。このため、冷却流路54に供給するための冷却媒体の供給源を新たなに設ける必要がないので、センサ装置1の構造をシンプルにすることができ、小型化を図ることができる。
【0051】
さらに、本実施形態では、冷却流路54を流れる冷却媒体の放出口59が、遮蔽部材5の裏側表面50bに形成されている。本実施形態では、放出口59は、第2板状部材52に形成されており、より具体的には、遮蔽部材5の先端側に形成されている。
【0052】
このように構成することにより、冷却媒体の放出口59が形成された裏側表面50b側から冷却媒体が放出される。この放出された冷却媒体により、収容ケース3(具体的にはセンサユニット2)に向かう溶接時のヒューム等を押し流すことができる。このような結果、ヒューム等が起因したセンサユニット2の計測誤差等を低減することができる。また、遮蔽部材5の表側表面50aには、冷却媒体が放出されにくいため、例えばレーザ溶接などに際に、この冷却媒体に起因して、溶接部の回りに放出されるシールドガスが乱れることはない。
【0053】
ここで、この実施形態では、放出口59を遮蔽部材5の裏側表面50b側の先端に形成したが、たとえば、図9(a)に示すように、遮蔽部材5の先端側の周縁に沿って、放出口59を複数配列してもよい。また、図9(b)に示すように、遮蔽部材5の先端側の周縁に沿って、スリットとなる放出口59を形成してもよい。このように構成することにより、ワークWから収容ケース3に向かうヒュームを、ワークWにより近い位置で、より確実に、冷却媒体で押し流すことができる。
【0054】
ここで、第1および第2板状部材51、52の材料は、700℃以上の耐熱温度(少なくとも融点)を有している材料からなることが好ましく、700℃以上でも機械的強度が低下し難い材料がより好ましい。たとえば、第1および第2板状部材51、52の材料は、金属材料またはセラミックス材料などを挙げることができ、ワークWの溶接時に発生する輻射熱に対して、耐熱性を有する材料であれば、特に限定されるものではない。たとえば、金属材料としては、鋳鉄、鋼、アルミニウム、銅、または、黄銅などを挙げることができ、セラミックス材料としては、アルミナ、イットリア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア、コージライト、サーメット、ステタイト、ムライト、窒化アルミニウム、またはサファイア等を挙げることができる。
【0055】
本実施形態では、第1板状部材51は、上述したセラミックス材料からなり、第2板状部材52は、上述したセラミックス材料または金属材料からなる。これにより、セラミックス材料は、金属材料に比べて、熱伝導性が低いため、表側に位置する第1板状部材51で、輻射熱Hを遮蔽することができる。一方、第2板状部材52を金属材料にすることにより、金属材料は、セラミックス材料に比べて、熱伝導率が高いため、輻射熱のうち伝熱された一部の熱は、裏側に位置する第2板状部材52で、遮蔽部材5の裏側表面50bから、より効果的に放熱することができる。特に、本実施形態では、第2板状部材52に、保護カバー40からのパージエアを吹き付けているので、第2板状部材52の放熱性を高めることができる。
【0056】
本実施形態では、センサ装置1の収容体3Aが、遮蔽部材5を備えることにより、ワークWの溶接時に発生する輻射熱のうち、収容ケース3に向かう輻射熱を、遮蔽部材5で遮蔽することができる。これにより、この輻射熱により、収容ケース3に収容されたセンサユニット2が加熱されることを抑えることができる。特に、遮蔽部材5の第1板状部材51は、セラミックス材料からなるので、遮蔽部材5の耐熱性を確保することができる。
【0057】
さらに、遮蔽部材5の内部には、冷却媒体が流れる冷却流路54が形成されているので、溶接部からの輻射熱で遮蔽部材5に入熱された熱を、冷却流路54を流れる冷却媒体で吸熱することができる。これにより、溶接部から遮蔽部材5に入熱される輻射熱のエネルギが、これまで以上に大きくなったとしても、輻射熱が起因した遮蔽部材5の温度上昇を抑えることができる。この結果、溶接時にワークWからセンサユニット2に向かう輻射熱により、遮蔽部材5から、センサユニット2を収容する収容部に熱が伝わることを低減することができる。
【0058】
<第2実施形態>
以下に図10図12を参照して、第2実施形態に係るセンサ装置1を説明する。なお、第2実施形態では、第1実施形態に対して、遮蔽部材5の構造のみが、相違するので、その他の構成は、同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0059】
本実施形態では、図11および図12に示すように、遮蔽部材5は、第1〜第3板状部材51〜53を重ね合わせた構造である。本実施形態では、第1板状部材51は、ワークWが溶接される側に面した遮蔽部材5の表面が形成された表面板状部材であり、第3板状部材53は、ワークが溶接される側に面した表面と反対側の遮蔽部材5の裏面が形成された裏面板状部材である。第2板状部材52は、第1板状部材51と第3板状部材53とにより挟み込むことにより、導入口58から放出口59までの冷却流路54を形成する中間板状部材である。第1〜第3板状部材51〜53は、冷却流路54内の空間が、密閉されるように密着しており、これらは、接着剤を介して接着されていてもよく、たとえば、ネジなどの締結具(図示せず)により分離可能に密着していてもよい。
【0060】
本実施形態では、第1板状部材51は、平板状であり、第2板状部材52に、凹部54aを設けることにより、第1板状部材51と第2板状部材52とを重ね合わせて、導入口58と放出口59を除く、冷却流路54が形成されている。
【0061】
図12(a)および(c)に示すように、冷却流路54は、遮蔽部材5の厚さ方向の断面における遮蔽部材の中心線CLよりも、ワークWが溶接される側の遮蔽部材5の内部に形成されている。
【0062】
ワークWが溶接される側の遮蔽部材5の部分は、溶接部からの輻射熱により、加熱されやすいところ、本実施形態では、冷却流路54が、遮蔽部材5の厚さ方向の断面における遮蔽部材5の中心線CLよりも、ワークWが溶接される側の遮蔽部材5の内部に形成されているため、冷却媒体による遮蔽部材5の冷却効率を高めることができる。
【0063】
さらに、第2板状部材52の凹部54aには、第1実施形態と同様のフィン56が形成されており、図12(c)に示すように、フィン56は、第1板状部材51に当接しているが、これらの間に隙間が形成されていてもよい。第2板状部材52には、さらに、第3板状部材53の導入口58と放出口59に連通する貫通孔58a、59aが形成されている。
【0064】
この態様によれば、遮蔽部材5を構成する第1〜第3板状部材51〜53のうち、ワークWが溶接される側に面した遮蔽部材5の表面に第1板状部材51が形成されている。このため、遮蔽部材5に溶接時のスパッタ等が付着した際には、遮蔽部材5全体を取り換える必要はなく、第1板状部材51のみを取り換えればよいので、メンテナンス性を高めることができる。さらに、冷却流路54の形状を変更する際には、第2板状部材52の形状を変更すればよいので、冷却効率の高い冷却流路に容易に変更することができる。
【0065】
また、第1〜第3板状部材51〜53のそれぞれに、最適な材料を選定することができる。たとえば、第1板状部材51が、上述したセラミックス材料からなり、第3板状部材53を、金属材料からなり、第2板状部材52の材料を、金属材料にすれば、溶接時の輻射熱が第1板状部材51から収容ケース3に伝達されることを抑えることができる。また、仮に、表面板状部材から伝わる輻射熱に起因した熱は、第2板状部材52と第3板状部材53に伝達したとしても、これを、冷却媒体で効率良く吸熱することができるので、輻射熱の熱伝導が起因した第3板状部材53の温度上昇を抑えることができる。
【0066】
<第3実施形態>
以下に図13図15を参照して、第3実施形態に係るセンサ装置1を説明する。なお、第2実施形態では、第1実施形態に対して、遮蔽部材5の構造と、冷却媒体の供給ルートが相違するので、その他の構成は、同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0067】
第3実施形態では、保護カバー40に、供給口47cを設けずに、別途、冷却媒体を供給する供給管80が設けられている。供給管80を流れる冷却媒体は、第2ガス流路45に流れる気体として、例示したものと同じである。本実施形態では、供給管80の先端81は、遮蔽部材5の基端において、第1板状部材51と第2板状部材52により形成された導入口58に冷却媒体が流れるように配置されている。
【0068】
図14に示すように、供給管80の先端81は、導入口58に連通している。導入口58は、第1板状部材51と第2板状部材52とを重ね合われることにより形成されている。本実施形態では、遮蔽部材5の基端側からその先端側に向かって、冷却媒体を円滑に流すことができる。
【0069】
ここで、図15(a)に示すように、遮蔽部材5は、収容ケース3からワークW側に向かって延在しており、冷却流路54Aは、遮蔽部材5の先端に向かって広がるように形成されていてもよい。このように、冷却流路54が、遮蔽部材5の先端に向かって広がるように形成されているため、ワークWの溶接部により近い遮蔽部材5の先端側を、冷却流路54を流れる冷却媒体により効果的に冷却することができる。
【0070】
また、図15(b)に示すように、冷却流路54Bを、ワークW側において、サーペンタイン状にしてもよい。これにより、冷却流路54Bに流れる冷却媒体に、入熱された熱を効率的に吸収することができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
【0072】
例えば、本実施形態では、冷却媒体に気体を用いたが、遮蔽部材内に流れる冷却媒体を回収することができるのであれば、液体であってもよい。さらに、第1実施形態では、冷却流路内にフィンを設けたが、たとえば、これを省略してもよい。また、第1実施形態のフィンを省略し、冷却流路を図15(a)および(b)に示す形状にしてもよい。
【0073】
本実施形態では、センサユニットは、レーザ光をワークに投光し、ワークから反射したレーザ光を検出光として受光し、ワークの状態(形状)および検出部からワークまでの距離を測定したが、たとえば、センサユニットが、ワークから反射する光または溶接時にワークから発する光を、検出光として撮像装置(カメラ)で撮像し、ワークの溶接状態等を検出してもよい。
【符号の説明】
【0074】
1:(溶接用)センサ装置、2:センサユニット、21:投光部、22:検出部、3A:収容体、3:収容ケース、30:ケース本体、35:第1ガス流路、40:保護カバー、5:遮蔽部材、51:第1板状部材(表面板状部材)、52:第2板状部材(中間板状部材)、53:第3板状部材(裏面板状部材)、54:冷却流路、56:フィン、57:第2取付け部、57a:貫通孔、58:導入口、59:放出口、73:シャフト、75:留め具、L1,L2:レーザ光、W:ワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14
図15