特許第6986975号(P6986975)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986975
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】ショーケース用ガラス扉
(51)【国際特許分類】
   A47F 3/04 20060101AFI20211213BHJP
   F25D 23/02 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   A47F3/04 E
   A47F3/04 F
   F25D23/02 302
   F25D23/02 303M
   F25D23/02 304C
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-2947(P2018-2947)
(22)【出願日】2018年1月11日
(65)【公開番号】特開2019-122418(P2019-122418A)
(43)【公開日】2019年7月25日
【審査請求日】2020年10月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000239585
【氏名又は名称】フクシマガリレイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148138
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡
(72)【発明者】
【氏名】菊野 真二
(72)【発明者】
【氏名】高橋 昇悟
【審査官】 大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−059588(JP,A)
【文献】 特開2005−323830(JP,A)
【文献】 特開平02−247475(JP,A)
【文献】 特開2001−227245(JP,A)
【文献】 特開2010−275752(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 3/04
F25D 23/02
E06B 3/54〜 3/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス板(10)を含む扉本体(7)と、扉本体(7)の四周縁に固定される上枠(14)、下枠(15)、基端枠(16)、および先端枠(17)からなる縁枠(8)とを備える揺動式のショーケース用ガラス扉であって、
各枠(14・15・16・17)は、それぞれ扉本体(7)の周縁部に装着される樹脂製条材からなる内枠(18)と、内枠(18)の外面を覆う金属製条材からなる外枠(19)とで構成されており、
内枠(18)は、扉本体(7)の周端面に正対する内枠ベース(22)と、内枠ベース(22)の前後にそれぞれ連設される前壁(23)および後壁(24)とを備えており、
外枠(19)は、内枠(18)の外周面を覆う外周面壁(41)と、外周面壁(41)の前端に連設されて内枠(18)の前面を覆う前面壁(42)とでL字状に形成されており、
外枠(19)と内枠(18)とは、両枠(18・19)の間に設けられる2組の枠連結構造(50)を介して連結されており、
枠連結構造(50)は、互いに係合する係合リブ(51)と係合溝(52)とで構成されており、
内枠(18)の前壁(23)および後壁(24)に係合溝(52)が凹み形成され、外枠(19)の外周面壁(41)および前面壁(42)の内面に係合リブ(51)が突設されて、前壁(23)と前面壁(42)との間、および後壁(24)と外周面壁(41)との間に、枠連結構造(50)がそれぞれ設けられており、
内枠(18)に対して外枠(19)を連結するときの枠連結構造(50)の連結形態として、
1組の枠連結構造(50)の係合リブ(51)と係合溝(52)とを内枠(18)の長手方向に仮係合させた状態で、枠連結構造(50)を仮係合させた仮係合支点(64)の回りに外枠(19)を回動させることにより、残る枠連結構造(50)の係合リブ(51)と係合溝(52)とが圧嵌係合される圧嵌連結形態と、
各枠連結構造(50)の係合リブ(51)と係合溝(52)とが互いに係合する状態で、内枠(18)の一端から他端にわたって外枠(19)をスライドさせることにより、各枠連結構造(50)の係合リブ(51)と係合溝(52)とが差込み係合されるスライド連結形態とのいずれかを選択可能に構成されており、
上下の枠(14・15)の外枠(19・19)、または基端および先端の枠(16・17)の外枠(19・19)のいずれか一方の前面壁(42)の両端に、他方の前面壁(42)が接合されるL字状の連結部(59)がそれぞれ切欠き形成されており、
連結部(59)が形成された外枠(19・19)のうち、少なくとも片方の外枠(19)の外周面壁(41)の一端に、枠連結構造(50)をスライド連結形態で連結させる際に、係合リブ(51)が外周面壁(41)に当接するのを回避するための逃げ切欠き部(60)が設けられていることを特徴とするショーケース用ガラス扉。
【請求項2】
扉本体(7)は上下に長い長方形状に形成されており、
短辺側の上下の枠(14・15)の外枠(19A・19B)の前面壁(42)の両端に、連結部(59)がそれぞれ切欠き形成されており、
下枠(15)の外枠(19B)の外周面壁(41)の一端に、逃げ切欠き部(60)が設けられている請求項1に記載のショーケース用ガラス扉。
【請求項3】
内枠ベース(22)は、扉本体(7)の各辺部における周端面に密着する第1ベース壁(25)と、第1ベース壁(25)の前端に扉本体(7)の周端面へ近づく向きに設けられる第2ベース壁(26)と、第2ベース壁(26)の連設端に前向きに設けられる第3ベース壁(27)とでクランク状に形成されており、
第3ベース壁(27)の先端に扉本体(7)の周端面へ近づく向きに前壁(23)が設けられ、第1ベース壁(25)の先端に扉本体(7)の周端面から離れる向きに後壁(24)が設けられて、前壁(23)および後壁(24)のそれぞれが、内枠ベース(22)から片持ち状に突設されている請求項1または2に記載のショーケース用ガラス扉。
【請求項4】
扉本体(7)と内枠(18)との間に、縁枠(8)内部への結露水の侵入を防ぐシール体(30)が設けられており、
内枠(18)が、扉本体(7)の表裏を挟持する一対の前後の挟持壁(28・29)を備え、各挟持壁(28・29)にシール体(30)が一体的に設けられている請求項1から3のいずれかひとつに記載のショーケース用ガラス扉。
【請求項5】
内枠(18)に設けたヒーター装着溝(36)に、縁枠(8)表面の結露を防ぐ防露ヒーター(35)が装着されており、
外枠(19)を内枠(18)に連結した状態において、防露ヒーター(35)の一部が外枠(19)に接触している請求項から4のいずれかひとつに記載のショーケース用ガラス扉。
【請求項6】
扉本体(7)の周端面から離れた側の後壁(24)の端面に設けられたヒーター装着溝(36)に、防露ヒーター(35)が装着されている請求項に記載のショーケース用ガラス扉
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クローズド型ショーケースの前面開口を開閉するガラス扉に関し、とくにガラス板を含む扉本体の四周縁に固定される縁枠の組付け性の向上を図る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明のショーケース用ガラス扉の縁枠は、樹脂製の内枠と金属製の外枠とで構成されるが、このような縁枠を備えるガラス扉は、特許文献1に開示されており公知である。特許文献1のショーケース用扉では、内枠(第一枠材)に撓み変形可能な第一係止片および第二係止片が設けられており、外枠(第二枠材)に前記第一および第二の係止片と係合可能な第一係止受部および第二係止受部が設けられている。第一および第二の係止片を撓み変形させつつ第一および第二の係止受部に係合させることにより、外枠を内枠に組付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−59588号公報(図4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のショーケース用扉においては、撓み変形させながら係合させるだけの簡単な圧嵌係合操作で外枠を内枠に組付けることができる。しかし、第一および第二の係止片を撓み変形させるためには、ある程度強い力が必要であり、とくに扉の長辺部においてはより大きな力が必要になる。そのため、非力な作業者の場合には扉の長辺部における内枠に対する外枠の組付けが困難であった。
【0005】
本発明の目的は、外枠を内枠により簡便に組付けることが可能であり、従って縁枠の組付け性に優れたショーケース用ガラス扉を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ガラス板10を含む扉本体7と、扉本体7の四周縁に固定される上下左右の枠14・15・16・17からなる縁枠8とを備えるショーケース用ガラス扉を対象とする。各枠14・15・16・17は、それぞれ扉本体7の周縁部に装着される樹脂製条材からなる内枠18と、内枠18の外面を覆う金属製条材からなる外枠19とで構成されている。内枠18は、扉本体7の周端面に正対する内枠ベース22と、内枠ベース22の前後にそれぞれ連設される前壁23および後壁24とを備えている。外枠19は、内枠18の外周面を覆う外周面壁41と、外周面壁41の前端に連設されて内枠18の前面を覆う前面壁42とでL字状に形成されている。外枠19と内枠18とは、両枠18・19の間に設けられる2組の枠連結構造50を介して連結されている。枠連結構造50は、互いに係合する係合リブ51と係合溝52とで構成されている。内枠18の前壁23および後壁24に係合溝52が凹み形成され、外枠19の外周面壁41および前面壁42の内面に係合リブ51が突設されて、前壁23と前面壁42との間、および後壁24と外周面壁41との間に、枠連結構造50がそれぞれ設けられている。内枠18に対して外枠19を連結するときの枠連結構造50の連結形態として、1組の枠連結構造50の係合リブ51と係合溝52とを内枠18の長手方向に仮係合させた状態で、枠連結構造50を仮係合させた仮係合支点64の回りに外枠19を回動させることにより、残る枠連結構造50の係合リブ51と係合溝52とが圧嵌係合される圧嵌連結形態と、各枠連結構造50の係合リブ51と係合溝52とが互いに係合する状態で、内枠18の一端から他端にわたって外枠19をスライドさせることにより、各枠連結構造50の係合リブ51と係合溝52とが差込み係合されるスライド連結形態とのいずれかを選択可能に構成されている。
【0007】
下の枠14・15の外枠19・19、または基端および先端の枠16・17の外枠19・19のいずれか一方の前面壁42の両端に、他方の前面壁42が接合されるL字状の連結部59がそれぞれ切欠き形成されている。連結部59が形成された外枠19・19のうち、少なくとも片方の外枠19の外周面壁41の一端に、枠連結構造50をスライド連結形態で連結させる際に、係合リブ51が外周面壁41に当接するのを回避するための逃げ切欠き部60が設けられていることを特徴とする
【0008】
具体的には、扉本体7は上下に長い長方形状に形成されており、短辺側の上下の枠14・15の外枠19・19の前面壁42の両端に、連結部59がそれぞれ切欠き形成されており、下枠15の外枠19の外周面壁41の一端に、逃げ切欠き部60が設けられている。
【0009】
内枠ベース22は、扉本体7の各辺部における周端面に密着する第1ベース壁25と、第1ベース壁25の前端に扉本体7の周端面へ近づく向きに設けられる第2ベース壁26と、第2ベース壁26の連設端に前向きに設けられる第3ベース壁27とでクランク状に形成されている。第3ベース壁27の先端に扉本体7の周端面へ近づく向きに前壁23が設けられ、第1ベース壁25の先端に扉本体7の周端面から離れる向きに後壁24が設けられて、前壁23および後壁24のそれぞれが、内枠ベース22から片持ち状に突設されている形態を採ることができる。
【0010】
扉本体7と内枠18との間に、縁枠8内部への結露水の侵入を防ぐシール体30が設けられている。内枠18が、扉本体7の表裏を挟持する一対の前後の挟持壁28・29を備え、各挟持壁28・29にシール体30が一体的に設けられている形態を採ることができる。
【0011】
内枠18に設けたヒーター装着溝36に、縁枠8表面の結露を防ぐ防露ヒーター35が装着されている。外枠19を内枠18に連結した状態において、防露ヒーター35の一部が外枠19に接触している形態を採ることができる。
【0012】
扉本体7の周端面から離れた側の後壁24の端面に設けられたヒーター装着溝36に、防露ヒーター35が装着されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のショーケース用ガラス扉においては、縁枠8の外枠19と内枠18は、両枠18・19の間に設けられる少なくとも2組の枠連結構造50を介して連結した。内枠18に対して外枠19を連結するときの枠連結構造50の連結形態として、圧嵌連結形態と、スライド連結形態とのいずれかを選択可能に構成した。こうしたガラス扉によれば、すべての枠14・15・16・17において圧嵌連結形態で連結できる作業者であれば、外枠19を内枠18に素早く簡便に組付けることができ、一部圧嵌連結形態での連結が困難な作業者であれば、当該部分をスライド連結形態で連結することで、外枠19を内枠18に簡便に組付けることができる。以上のように、本発明によれば、内枠18に対する外枠19の連結作業を行う作業者に応じて連結形態を選択して組付けを行うことができるので、外枠19を内枠18により簡便に組付けることが可能であり、従って縁枠8の組付け性に優れたショーケース用ガラス扉とすることができる。なお、すべての枠14・15・16・17においてスライド連結形態で連結することもでき、圧嵌係合を行わない分作業者の作業負担を軽減することもできる。
【0014】
この種のガラス扉の縁枠8の四隅部は、外枠19・19どうしが直角に突き合わされた部分に隙間が生じないよう各外枠19の両端部が整形されている。しかし、3辺の外枠19を内枠18に連結した状態では、残る内枠18の両端面が隣り合う辺部の内枠18に連結された外枠19の外周面壁41で覆われて、係合リブ51と係合溝52とを互いに係合させることができないため、最後に連結する外枠19は、スライド連結形態を選択することができない。そこで本発明のように、外周面壁41が接合される連結部59が形成された外枠19・19のうち、少なくとも片方の外枠19の外周面壁41の一端に、枠連結構造50をスライド連結形態で連結させる際に、係合リブ51が外周面壁41に当接するのを回避するための逃げ切欠き部60を設けると、逃げ切欠き部60を介して係合リブ51と係合溝52とを互いに係合させることができ、また、外周面壁41どうしが当接するのを連結壁59で回避できる。そのため、逃げ切欠き部60に臨む内枠18の外枠19を最後に連結することにより、最後に連結される外枠19をスライド連結形態で内枠18に連結させることができる。
【0015】
短辺側の上下の枠14・15の外枠19・19の前面壁42の両端に、連結部59をそれぞれ切欠き形成し、下枠15の外枠19の外周面壁41の一端に、逃げ切欠き部60を設けると、圧嵌係合により強い力を必要とする長辺部側となる基端枠16の外枠19、あるいは先端枠17の外枠19を最後に連結する場合でも圧嵌連結形態とスライド連結形態のいずれかを選択でき、より組付け性に優れたショーケース用ガラス扉とすることができる。
【0016】
内枠ベース22を第1ベース壁25、第2ベース壁26、および第3ベース壁27でクランク状に形成した。また、第3ベース壁27の先端に扉本体7の周端面へ近づく向きに前壁23を設け、第1ベース壁25の先端に扉本体7の周端面から離れる向きに後壁24を設けて、前壁23および後壁24のそれぞれを内枠ベース22から片持ち状に突設した。こうした内枠18によれば、圧嵌連結形態においては、枠連結構造50が設けられる前壁23および後壁24を大きく撓み変形させることができるので、圧嵌係合に必要な力を軽減することができる。また、スライド連結形態においては、内枠18に対して外枠19を差込み係合する際に、係合リブ51と係合溝52と間に隙間ができるように前壁23および後壁24を僅かに撓み変形させることで、両者51・52が摺接することに起因する摩擦抵抗力を低減でき、摩擦抵抗力が最大となる係合終端付近においても外枠19の差込み係合をスムーズに行える。以上のように、前壁23および後壁24を片持ち状に突設することにより、圧嵌連結形態およびスライド連結形態のいずれにおいても内枠18に対する外枠19の組付けを簡便化できる。
【0017】
内枠18は、扉本体7の表裏を挟持する一対の前後の挟持壁28・29を備え、各挟持壁28・29に縁枠8内部への結露水の侵入を防ぐシール体30を一体的に設けた。これによれば、シール体30を別部材として設ける場合に比べて、縁枠8を組付ける際の部品点数を減らすことができ、従って組付け作業の手間を軽減し、縁枠8の組付け性をさらに向上できる。
【0018】
内枠18に設けたヒーター装着溝36に、縁枠8表面の結露を防ぐ防露ヒーター35を装着すると、防露ヒーター35に電力を供給するリード線を内枠18側に固定しておくことができるので、外枠19の組付け時に防露ヒーター35から伸びるリード線が邪魔にならず、内枠18に対して外枠19をより簡便に組付けることができる。逆に、外枠19に防露ヒーター35が装着されていると、リード線を保持しながら内枠18に対して外枠19を組付ける必要があり、その分組付けに手間を要する。加えて、外枠19を内枠18に連結した状態において、防露ヒーター35の一部が外枠19に接触していると、防露ヒーター35の熱を外枠19に確実に伝導でき、縁枠8表面に結露が発生するのをよく防止できる。
【0019】
扉本体7の周端面から離れた側の後壁24の端面に設けられたヒーター装着溝36に、防露ヒーター35を装着すると、扉本体7から遠ざけた位置に防露ヒーター35を配置できる。これにより、防露ヒーター35の熱が扉本体7に伝導して庫内温度を上昇させる要因となるのを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係るショーケース用ガラス扉における縁枠の基端枠部分を示す横断平面図である。
図2】本発明のガラス扉を適用したショーケースの正面図である。
図3】上外枠、下外枠、基端外枠、先端外枠、および内枠の断面形状を説明するための断面図である。
図4】ガラス扉の分解正面図である。
図5】縁枠の先端枠部分を示す横断平面図である。
図6】縁枠の上枠部分を示す縦断側面図である。
図7】縁枠の締結部分を示す縦断正面図である。
図8】基端枠部分を圧嵌連結形態で連結する方法を示す説明図である。
図9】圧嵌連結形態を選択した場合の組付け順序の一例を示す説明図である。
図10】スライド連結形態を選択した場合の組付け順序の一例を示す説明図である。
図11】圧嵌連結形態およびスライド連結形態の両方を選択した場合の組付け順序の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施例) 図1から図11は、本発明に係るショーケース用ガラス扉をクローズド型のショーケースに適用した実施例を示す。この実施例における前後、左右、上下とは、図1図2図5、および図6に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。図2においてショーケースは、前面開口を有する断熱箱体からなるケース本体1を備える。ケース本体1の内部は陳列室2とされており、陳列室2の前面は観音開き構造の左右一対のガラス扉3・3で開閉される。各ガラス扉3は、揺動基端側の上下に設けられる揺動軸4・4で前後揺動可能に支持されている。
【0022】
一対のガラス扉3・3は左右勝手違いの構造であり、以下ではショーケースの正面視において左側に配置されるガラス扉3について説明する。ガラス扉3は、扉本体7と、扉本体7の四周縁に固定される縁枠8と、ガラス扉3を開閉操作するためのハンドル9を備えている。扉本体7は、上下に長い長方形状の3枚のガラス板10がスペーサ11を介して一体に接合された複層ガラスで構成されており(図3参照)、複層ガラスを使用することによりガラス扉3の断熱性を向上させることができる。縁枠8は、扉本体7の上下に固定される上枠14および下枠15と、揺動基端側に固定される基端枠16と、揺動先端側に固定される先端枠17とで構成されている。なお、ショーケースの右側に配置されるガラス扉3においては、右枠が基端枠16となり左枠が先端枠17となる。
【0023】
図1図3および図4に示すように、上下、基端、および先端の各枠14〜17は、それぞれ扉本体7の周縁部に装着される内枠18と、内枠18の外面を覆う外枠19とで構成されている。内枠18は樹脂製条材からなり、各枠14〜17において同じ条材で構成されている。外枠19はアルミニウム製(金属製)条材からなり、上枠14に適用される上外枠19A(外枠19)、下枠15に適用される下外枠19B(外枠19)、基端枠16に適用される基端外枠19C(外枠19)と、先端枠17に適用される先端外枠19D(外枠19)の四種類がある。上外枠19Aと下外枠19Bは同じ条材で構成される。
【0024】
内枠18は、扉本体7の各辺部における周端面に正対する内枠ベース22と、内枠ベース22の前後にそれぞれ連設される前壁23および後壁24とを備えている。内枠ベース22は、扉本体7の各辺部における周端面に密着する第1ベース壁25と、第1ベース壁25の前端に扉本体7の周端面から離れる向きに設けられる第2ベース壁26と、第2ベース壁26の連設端から前向きに設けられる第3ベース壁27とでクランク状に形成されている。前壁23は第3ベース壁27の前端(先端)に扉本体7の周端面へ近づく向きに設けられており、後壁24は第1ベース壁25の後端(先端)に扉本体7の周端面から離れる向きに設けられている。これにより、前壁23および後壁24のそれぞれは、内枠ベース22から片持ち状に突設されている。第3ベース壁27と前壁23の接続部分は丸められている。
【0025】
内枠18が扉本体7に装着された状態において、前壁23の先端面は、その後側過半部分が扉本体7の周端面に密着しており、残る前側部分が扉本体7の庫外側表面より前側に突出している。また、第1ベース壁25の後端は扉本体7の庫内側表面より後側に突出している。これら前壁23の前側突出部分と、第1ベース壁25の後側突出部分のそれぞれには、扉本体7の表裏を挟持する前後一対の前挟持壁28および後挟持壁29が扉本体7側に向かって突設されている。
【0026】
扉本体7と内枠18との間に、縁枠8内部への結露水の侵入を防ぐシール体30が設けられている。具体的には、前挟持壁28が前側のシール体30を兼ねており、後挟持壁29の前面に、平行な2条のリブ状突起からなる後側のシール体30が設けられている。内枠18と前挟持壁28と後側のシール体30は、2色押出成形法によって異種樹脂材が一体的に形成されている。本実施例では、シール体30部分は比較的軟質のABS樹脂からなり、残る内枠18部分は比較的硬質のABS樹脂からなる。このように、内枠18の各挟持壁28・29にシール体30を一体的に設けると、シール体30を別部材として設ける場合に比べて、縁枠8を組付ける際の部品点数を減らすことができ、従って組付け作業の手間を軽減し、縁枠8の組付け性を向上できる。装着状態における内枠18は、前挟持枠28(シール体30)と後挟持壁29のシール体30とが扉本体7の表裏に密着している(図1参照)。
【0027】
後壁24の中途部にはパッキン装着溝34が後向きに開口する状態で設けられており、同溝34にマグネットパッキン33が圧嵌装着されている。マグネットパッキン33は、ケース本体1とガラス扉3との間をシールして冷気と外気を遮断し、さらにガラス扉3を閉鎖位置において位置保持するために設けられている。後壁24の先端(突端)には、縁枠8に結露が生じるのを防止する防露ヒーター35を装着するためのヒーター装着溝36が外向きに開口する状態で設けられている。防露ヒーター35は、シリコンゴムで被覆されたフレキシブルなコードヒーターで構成されており、同ヒーター35の長さ寸法は、内枠18と略同一長さに設定されている。防露ヒーター35は、ヒーター装着溝36に圧嵌装着される。外枠19が内枠18に装着された状態においては、防露ヒーター35の周面の一部が外枠19に接触しており、これにより、外枠19と防露ヒーター35とは線接触状に接触している。
【0028】
上記のように、内枠18に設けたヒーター装着溝36に防露ヒーター35を装着すると、防露ヒーター35に電力を供給するリード線を内枠18側に配置することができるので、外枠19の組付け時に防露ヒーター35から伸びるリード線が邪魔にならず、内枠18に対して外枠19をより簡便に組付けることができる。逆に、外枠19に防露ヒーター35が装着されていると、リード線を保持しながら内枠18に対して外枠19を組付ける必要があり、その分組付けに手間を要する。加えて、外枠19を内枠18に連結した状態において、防露ヒーター35の一部が外枠19に接触していると、防露ヒーター35の熱を外枠19に確実に伝導でき、縁枠8表面に結露が発生するのをよく防止できる。
また、内枠18の後壁24を、内枠ベース22の後端から外枠19の外周面壁41に向かって連設して、その突端に設けたヒーター装着溝36に防露ヒーター35を装着すると、扉本体7から遠ざけた位置に防露ヒーター35を配置できる。これにより、防露ヒーター35の熱が扉本体7に伝導して庫内温度を上昇させる要因となるのを回避できる。
【0029】
ヒーター装着溝36の前側の溝壁37は、薄肉壁で構成されて弾性変形可能となっている。このように、ヒーター装着溝36を形成する一方の溝壁37を弾性変形可能に形成すると、ヒーター装着部36への防露ヒーター35の圧嵌装着時に、溝壁37が弾性変形して防露ヒーター35の装着を容易に行うことができるので、縁枠8の組付け作業の手間を軽減できる。
【0030】
図3に示すように、上外枠19A、下外枠19B、基端外枠19C、および先端外枠19Dは、基本構成は同一であり、内枠18の外周面を覆う外周面壁41と、外周面壁41の前端に連設されて内枠18の前面を覆う前面壁42とでL字状に形成されている。各外枠19A・19B・19C・19Dにおいて外周面壁41と前面壁42との接続部分は、それぞれ丸められている。上下の外枠19A・19Bの外周面壁41には、その中途部内面に締結壁43が外周面壁41と直交する向きに突設されており、締結壁43の先端には、後述するビス56をねじ込むためのボス44が一体に設けられている。基端外枠19Cおよび先端外枠19Dの外周面壁41には、その中途部内面に規制壁45が外周面壁41と直交する向きに突設されている。さらに、先端外枠19Dの規制壁45の先端には、ハンドル9を締結固定する際の締結座となる座壁46が設けられている。規制壁45は、外枠19を内枠18に装着した状態において、第2ベース壁26の外端の係合突起47と係合している。これにより、規制壁45と外周面壁41が協同して外枠19の前後方向のずれ動きを規制できる。
【0031】
図1図3図5、および図6に示すように、上外枠19A、下外枠19B、基端外枠19C、および先端外枠19D(外枠19)は、内枠18と各外枠19A・19B・19C・19Dとの間に設けられる2組の枠連結構造50で内枠18に連結されている。枠連結構造50は、互いに係合する係合リブ51と係合溝52とで構成されており、係合リブ51が外枠19に設けられ、係合溝52が内枠18に設けられている。なお、係合リブ51が内枠18に設けられ、係合溝52が外枠19に設けられている形態を採ることもできる。
【0032】
係合リブ51は、前面壁42、および外周面壁41にそれぞれ設けられている。前面壁42側の係合リブ51はつの状に形成されており、同壁42の中途部内面から後向きに突設されている。また、外周面壁41側の係合リブ51はL字状に形成されており、外周面壁41の後端内面から扉本体7の周端面へ近づく向きに突設されている。係合溝52は、前壁23、および後壁24にそれぞれ設けられている。前壁23側の係合溝52は、前壁23の先端外面に前向きに開口するように凹み形成されており、つの状の係合リブ51のつの先が接する側の溝内面がく字状に突出している。また、後壁24側の係合溝52は、後壁24の先端外面に後向きに開口するように凹み形成されている。後壁24の係合溝52は、後壁24の突端側の溝壁が一段浅くなっており、外枠19を内枠18に連結した状態において、後壁24の後面と係合リブ51の後面とが面一状になるように形成されている(図1参照)。図1および図5において、符号53は、前側の係合リブ51と協同して基端枠16および先端枠17の左右方向のずれ動きを規制する規制リブである。
【0033】
上記のように構成した枠連結構造50においては、1組の枠連結構造50の係合リブ51と係合溝52とを内枠18の長手方向に仮係合させた状態で、枠連結構造50を仮係合させた仮係合支点64の回りに外枠19を回動させることにより、残る枠連結構造50の係合リブ51と係合溝52とが圧嵌係合される圧嵌連結形態で内枠18に対して外枠19を連結することができる。また、各枠連結構造50の係合リブ51と係合溝52とが互いに係合する状態で、内枠18の一端から他端にわたって外枠19をスライドさせることにより、各枠連結構造50の係合リブ51と係合溝52とが差込み係合されるスライド連結形態で内枠18に対して外枠19を連結することができる。このように、内枠18に対して外枠19を連結するときの枠連結構造50の連結形態として、圧嵌連結構造と、スライド連結形態とのいずれかの連結形態を選択可能に構成されている。具体的な連結手順については後述する。
【0034】
各内枠18に装着された外枠19は、ビス56により互いに締結固定される。具体的には、図4および図7に示すように、基端枠16および先端枠17の外周面壁41の上下端において、上下の枠14・15のボス44に対応する位置にビス挿通用のビス孔57が設けられており、外枠19を内枠18に連結したのち、各ビス孔57にビス56を挿通してボス44にねじ込むことにより、上外枠19A、下外枠19B、基端外枠19C、および先端外枠19Dが突き合わせ部分で締結固定され、縁枠8が扉本体7に分離不能に固定される。
【0035】
ここで、扉本体7に対する縁枠8の組付けについて説明する。最初に扉本体7の四周縁に各枠14〜17の内枠18を仮装着する。各枠14〜17の内枠18は、条材を所定寸法に切断加工して得られる。図4に示すように、上下の枠14・15に対応する内枠18の左右寸法は、扉本体7の左右寸法より僅かに大きく形成されており、基端および先端の枠16・17に対応する内枠18の上下寸法は、扉本体7の上下寸法より僅かに大きく形成されている。内枠18は、前後の挟持枠28・29で扉本体7の表裏を挟持するように四周縁に差込むことで仮装着できる。このとき、額縁状に仮装着された内枠18の四隅の突き合わせ部分が隙間なく合致するように、前後の挟持枠28・29の両端部に斜めに切除した切除部58が設けられている。なお、切除部58は、突き合わせ部分のいずれか一方をL字状に切欠いた切除部58であってもよい。内枠18を仮装着したのち、ヒーター装着溝36に防露ヒーター35を圧嵌装着しておく。
【0036】
各外枠19A・19B・19C・19Dは、条材を所定寸法に切断加工して得られ、組付け時において各外枠19A・19B・19C・19Dの突き合わせ部分が合致するようにプレス加工が施され整形されている。図4に示すように、上外枠19Aおよび下外枠19Bは前面壁42の左右端に、基端枠16および先端枠17の前面壁42が接合されるL字状の連結部59がそれぞれ切欠き形成されている。さらに、下枠15の下外枠19Bには外周面壁41の右端部に、外枠19を内枠18に対してスライド連結形態で連結する際に、一対の係合リブ51が当接するのを回避する逃げ切欠き部60が、一対の係合リブ51に対応する位置にそれぞれ切欠き形成されている。逃げ切欠き部60の近傍の外周面壁41には、規制壁45、座壁46、および規制リブ53が当接するのを回避する逃げ切欠き部61が、前記各部材に対応する位置にそれぞれ切欠き形成されている。基端外枠19Cおよび先端外枠19Dは、上外枠19Aおよび下外枠19Bの外周面壁41と干渉するのを回避するために、規制壁45、座壁46、一対の係合リブ51、および規制リブ53が外周面壁41の厚み寸法分だけ切除されている。両外枠19B・19Cの上下端にはビス56用のビス孔57がそれぞれ開設されている。なお、符号62は揺動軸4を軸支する軸受体(図示していない)が装着される軸受体用の装着孔である。
【0037】
先に説明したように本実施例においては、外枠19は内枠18に対して、圧嵌連結形態、またはスライド連結形態のどちらでも組付けることができるので、作業者はいずれかの連結形態を選択して縁枠8の組付け作業を行うことができる。先に圧嵌連結形態による内枠18に対する外枠19の連結方法を説明する。図8に示すように、後側の枠連結構造50の係合溝52に係合リブ51を差し込むように係合させて、係合リブ51と係合溝52を内枠18の長手方向に仮係合させる。この状態で仮係合させた枠連結構造50を仮係合支点64として、外枠19を仮係合支点64の回りに回動(先端外枠19Dについては図8に向かって時計まわり)させて、前側の枠連結構造50の係合リブ51と係合溝52を圧嵌係合させる。このとき、内枠ベース22から片持ち状に突設された前壁23および後壁24は、大きく撓み変形させることができるので、圧嵌係合に必要な力を軽減することができる。
【0038】
図9に各外枠19A〜19Dをすべて圧嵌連結形態で連結する際の組付け手順の一例について説明する。ここでは、まず先端外枠19Dを連結し(図9(a))、次に基端外枠19Cを連結し(図9(b))、次に上外枠19Aを連結し(図9(c))、最後に下外枠19Bを連結して(図9(d))、縁枠8を組付けた。すべての外枠19A〜19Dを圧嵌連結形態で連結する場合には、とくに連結順序は限定されずどのような順序でも縁枠8を組付けることができる。
【0039】
続いて、スライド連結形態による内枠18に対する外枠19の連結方法を説明する。上枠14の内枠18に上外枠19Aを連結するときは、図10(a)に示すように、内枠18の右端に上外枠19Aの左端を正対させ、2組の枠連結構造50の係合リブ51と係合溝52が互いに係合するように位置合わせしたうえで、上外枠19Aを左側に向かってスライドさせ、係合溝52に係合リブ51を差込み係合させながら、上外枠19Aを右端(係合始端)から左端(係合終端)までスライドさせればよい。他の下外枠19B、基端外枠19C、先端外枠19Dにおいても、内枠18の端部に各外枠19B・19C・19Dの端部を正対させ、係合リブ51と係合溝52を位置合わせしたうえで、係合先端から係合終端に向かってスライドさせればよい。
【0040】
図10に各外枠19A〜19Dをすべてスライド連結形態で連結する際の組付け手順の一例について説明する。ここでは、まず上外枠19Aを連結し(図10(a))、次に基端外枠19Cを連結し(図10(b))、次に下外枠19Bを連結し(図10(c))、最後に先端外枠19Dを連結して(図10(d))、縁枠8を組付けた。なお、上外枠19Aと下外枠19Bの連結順序は逆であってもよく、上外枠19Aと下外枠19Bの連結の前に基端外枠19Cを連結してあってもよい。
【0041】
スライド連結形態による連結時、枠連結構造50は、前後に離れた前壁23と後壁24に設けられ、さらに、外枠19は外周面壁41と前面壁42とで構成される簡素なL字状に形成されているので、2組の枠連結構造50を目視しやすく、従って、差込み係合開始時の係合リブ51と係合溝52との位置合わせを容易に行える。また、前壁23および後壁24のそれぞれが内枠ベース22から片持ち状に突設されているので、係合リブ51と係合溝52と間に隙間ができるように前壁23および後壁24を僅かに撓み変形させることで、両者51・52が摺接することに起因する摩擦抵抗力を低減できる。従って、摩擦抵抗力が最大となる係合終端付近においても上外枠19A(外枠19)の差込み係合をスムーズに行える。
【0042】
本実施例においては、すべての外枠19A〜19Dをスライド連結形態で連結する場合には、最後に先端外枠19Dを連結する必要がある。これは、下外枠19Bの外周面壁41の右端に、逃げ切欠き部60・61を形成したためである。例えば、上、下、および先端の3辺の各外枠19A・19B・19Dを内枠18に連結した状態では、残る基端枠16の内枠18の両端面が隣り合う上下の枠14・15の内枠18に連結された上下の外枠19A・19Bの外周面壁41で覆われて、係合リブ51と係合溝52とを互いに係合させることができない。しかし、先端外枠19Dを最後に連結させることで、逃げ切欠き部60・61を介して問題なく係合リブ51と係合溝52とを互いに係合させることができる。なお、下外枠19Bの外周面壁41の両端に逃げ切欠き部60・61を切欠き形成した場合には、基端外枠19Cまたは先端外枠19Dのいずれかを最後に連結すればよい。上外枠19Aの外周面壁41の両端にも逃げ切欠き部60・61を切欠き形成することができる。
【0043】
続いて、圧嵌係合に比較的強い力が必要な長辺側の基端外枠19Cおよび先端外枠19Dをスライド連結形態で連結し、残る上外枠19Aと下外枠19Bを圧嵌連結形態で連結する際の組付け手順の一例について説明する。ここでは、まず先端外枠19Cをスライド連結形態で連結し(図11(a))、次に上外枠19Aを圧嵌連結形態で連結し(図11(b))、次に下外枠19Bを圧嵌連結形態で連結し(図11(c))、最後に先端外枠19Dをスライド連結形態で連結して(図11(d))、縁枠8を組付けた。なお、上外枠19Aと下外枠19Bの連結順序は逆であってもよく、上外枠19Aと下外枠19Bの連結の前に基端外枠19Cを連結してあってもよい。最後に先端外枠19Dを連結する理由は、上記と同様であるので省略する。
【0044】
上記のいずれかの手順で扉本体7に縁枠8を組付けたのちは、4箇所のビス56をねじ込んで、各外枠19A・19B・19C・19Dを互いに締結固定することにより、縁枠8の組付けが完了する。こののち、揺動軸4を軸支する上下の軸受体、ハンドル9、およびマグネットパッキン33を固定して、ガラス扉3の組付けが完了する。
【0045】
以上のように、本実施例に係るショーケース用ガラス扉によれば、内枠18に対して外枠19を連結するときの枠連結構造50の連結形態として、圧嵌連結形態と、スライド連結形態とのいずれかを選択可能に構成した。こうしたガラス扉によれば、すべての枠14・15・16・17において圧嵌連結形態で連結できる作業者であれば、外枠19を内枠18に素早く簡便に組付けることができ、一部圧嵌連結形態での連結が困難な作業者であれば、当該部分をスライド連結形態で連結することで、外枠19を内枠18に簡便に組付けることができる。以上のように、本実施例によれば、内枠18に対する外枠19の連結作業を行う作業者に適した連結形態を選択して組付けを行うことができるので、外枠19を内枠18により簡便に組付けることが可能であり、従って縁枠8の組付け性に優れたショーケース用ガラス扉とすることができる。
【0046】
上記の実施例以外に、連結部59は基端外枠19Cおよび先端外枠19Dに形成することができる。この場合には、逃げ切欠き部60・61は基端外枠19Cあるいは先端外枠19Dに形成する。圧嵌連結形態、およびスライド連結形態による外枠19の組付け順序は、上記実施例で説明した順序に限られない。内枠ベース22はクランク状に形成したが、第1ベース壁25と第3ベース壁27が扉本体7の各辺部における周端面に密着するように両壁25・27を直線状に形成して、内枠18を断面E字状に形成することもできる。扉本体7は3層の積層ガラスである必要はなく、2層あるいは4層以上の積層ガラスで構成できる。
【符号の説明】
【0047】
7 扉本体
8 縁枠
10 ガラス板
14 上枠
15 下枠
16 基端枠
17 先端枠
18 内枠
19 外枠
19A 上外枠
19B 下外枠
22 内枠ベース
23 前壁
24 後壁
25 第1ベース壁
26 第2ベース壁
27 第3ベース壁
28 前挟持壁
29 後挟持壁
30 シール体
35 防露ヒーター
36 ヒーター装着溝
41 外周面壁
42 前面壁
50 枠連結構造
51 係合リブ
52 係合溝
59 連結部
60 逃げ切欠き部
64 仮係合支点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11