(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986981
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】バックライトおよび表示装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20211213BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20211213BHJP
F21V 15/01 20060101ALI20211213BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20211213BHJP
G02F 1/1333 20060101ALN20211213BHJP
【FI】
F21S2/00 443
F21S2/00 432
F21V8/00 310
F21V8/00 360
F21V15/01 380
G02F1/13357
!G02F1/1333
【請求項の数】12
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-7845(P2018-7845)
(22)【出願日】2018年1月22日
(65)【公開番号】特開2019-128993(P2019-128993A)
(43)【公開日】2019年8月1日
【審査請求日】2020年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】有田 研二
【審査官】
田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2009/057550(WO,A1)
【文献】
特開2014−123122(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0223867(US,A1)
【文献】
特開2015−40921(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 8/00
F21V 15/01
G02F 1/13357
G02F 1/1333
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
面光源を構成する光学部材を前記面光源の光出射面の前面側および背面側から保持する第1フレームおよび第2フレームを備え、
前記光出射面に垂直な方向を前後方向、平行な方向を内外方向とし、
前記第1フレームは、前記面光源の額縁を構成する部分を含み、かつ当該部分に選択的に複数設けられた、前記第2フレームに前記前後方向で対向する第1係止部を有し、
前記第2フレームは、前記面光源の額縁を構成する部分を含み、かつ当該部分に選択的に複数設けられた、前記第1フレームに前記前後方向で対向する第2係止部を有し、
前記第1フレームの前記第1係止部と前記第2フレームの前記第2係止部とは互いに係止し、前記内外方向の動きを規制し、
前記第1フレームおよび前記第2フレームは、平面視時に矩形以外の異形形状であり、
前記第1フレームおよび前記第2フレームにおける平面視時に形状が変化する変化点に前記第1係止部および前記第2係止部が設けられていることを特徴とする、バックライト。
【請求項2】
前記第1係止部は前記前後方向に延在する突起部であり、前記第2係止部は前記前後方向に延在するポケットであることを特徴とする、請求項1に記載のバックライト。
【請求項3】
前記突起部は、前記内外方向のうちの外方向の面であって予め定められた角度で傾斜している第1傾斜面を有することを特徴とする、請求項2に記載のバックライト。
【請求項4】
前記ポケットは、前記第1傾斜面に対向する第2傾斜面を有することを特徴とする、請求項3に記載のバックライト。
【請求項5】
前記ポケットの前記内外方向の幅は、前記前後方向に延在する前記第2フレームの前記内外方向の厚みの半分以下であることを特徴とする、請求項2から4のいずれか1項に記載のバックライト。
【請求項6】
前記突起部の前記内外方向のうちの内方向の面は、前記前後方向に延在する前記第2フレームの内壁よりも前記内外方向のうちの外方向に位置することを特徴とする、請求項2から5のいずれか1項に記載のバックライト。
【請求項7】
前記第1係止部は前記前後方向に延在するポケットであり、前記第2係止部は前記前後方向に延在する突起部であることを特徴とする、請求項1に記載のバックライト。
【請求項8】
前記突起部は、前記内外方向のうちの内方向の面が予め定められた角度で傾斜していることを特徴とする、請求項7に記載のバックライト。
【請求項9】
前記突起部は、前記前後方向に延在していることを特徴とする、請求項7に記載のバックライト。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載のバックライトと、
前記バックライト上に配置された表示面を有する表示パネルと、
前記表示パネルの前記表示面上に配置され、前記面光源の額縁に接合された保護部材と、
を備える、表示装置。
【請求項11】
前記バックライトおよび前記表示パネルの前記表示面は、湾曲していることを特徴とする、請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記バックライトおよび前記表示パネルの前記表示面は、平面視において矩形以外の形状であることを特徴とする、請求項10または11に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライトおよび当該バックライトを備える表示装置に関し、特に、湾曲した表示面を有する表示パネルに光を照射するバックライトと、当該バックライトを備える表示装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報電子機器の普及に伴い、表示パネルの前面に堅牢性を有する保護部材を備える表示装置が様々な分野で使用されている。このような表示装置では、外光が表面反射することによる視認性の悪化を防ぐために、あるいは外部からの衝撃、浸水、または埃などから表示装置を保護するために、表示装置の表示面とタッチパネルまたは保護部材とを透明樹脂などで一体化しているものがある。また、車載用途の表示装置としては、車内空間のデザイン性を高めるために、表示面が異形形状かつ湾曲した表示装置が普及しつつある。
【0003】
表示装置が液晶表示装置である場合、表示パネルの背面にバックライトが配置されている。バックライトは表示パネル側にモールドフレームを備えているが、デザイン性を優先させるために表示領域の額縁幅を狭くすると、これに伴ってモールドフレームの額縁幅も必然的に狭くなる。バックライトは、光源を含む光学部材をモールドフレームおよびリアフレームで内包して構成されており、モールドフレームおよびリアフレームは互いに係止して固定されている。
【0004】
表示面が異形形状かつ湾曲し、表示領域の額縁幅が狭い表示装置において、モールドフレームは、額縁幅が狭く、異形形状かつ湾曲しているため、リアフレームと係止するための構造が採り難い。従って、使用時に振動または衝撃が表示装置に付与されると、保護部材が揺れてモールドフレームが変形して開き、モールドフレームとリアフレームとの係止が外れてしまう。これにより、表示装置を構成する各部材間に隙間が生じ、この隙間から水または埃などが表示装置内に入り込んで表示異常が生じるという問題がある。
【0005】
従来、液晶パネルに光を照射するためのバックライトアセンブリと、バックライトアセンブリおよび液晶パネルが装着されて上部にフック突起を持つメインフレームと、メインフレームのフック突起に隣接するように位置する多数のフックプレートを持つケース−トップを備え、ケース−トップのフックプレートがメインフレームのフック突起にラッチされて締結される液晶表示装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−212930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、ケース−トップを備えない構造について言及していないため、ケース−トップを備えない構造において水または埃の侵入を防止して表示品位を維持することができない。また、特許文献1では、表示面が異形形状かつ湾曲し、表示領域の額縁幅が狭い表示装置について言及していないため、このような表示装置の表示品位を維持することができない。
【0008】
額縁幅の狭いモールドフレームの変形または開きを防止するために、モールドフレームとリアフレームとをテープで固定する手段がある。しかし、経年劣化によってテープの粘着強度が低下してテープが剥がれ、モールドフレームとリアフレームとを固定することができなくなってしまう。これにより、表示装置を構成する各部材間に隙間が生じ、この隙間から水または埃などが表示装置内に入り込んで表示装置に表示異常が生じるという問題がある。また、モールドフレームとリアフレームとを固定するテープが必要であるため、コストがかかるという問題がある。
【0009】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、表示品位を維持することが可能なバックライトおよび当該バックライトを備える表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明によるバックライトは、面光源を構成する光学部材を面光源の光出射面の前面側および背面側から保持する第1フレームおよび第2フレームを備え、光出射面に垂直な方向を前後方向、平行な方向を内外方向とし、第1フレームは、面光源の額縁を構成する部分を含み、かつ当該部分に選択的に複数設けられた、第2フレームに前後方向で対向する第1係止部を有し、第2フレームは、面光源の額縁を構成する部分を含み、かつ当該部分に選択的に複数設けられた、第1フレームに前後方向で対向する第2係止部を有し、第1フレームの第1係止部と第2フレームの第2係止部とは互いに係止し、内外方向の動きを規制し
、第1フレームおよび第2フレームは、平面視時に矩形以外の異形形状であり、第1フレームおよび第2フレームにおける平面視時に形状が変化する変化点に第1係止部および第2係止部が設けられている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、バックライトは、面光源を構成する光学部材を面光源の光出射面の前面側および背面側から保持する第1フレームおよび第2フレームを備え、光出射面に垂直な方向を前後方向、平行な方向を内外方向とし、第1フレームは、面光源の額縁を構成する部分を含み、かつ当該部分に選択的に複数設けられた、第2フレームに前後方向で対向する第1係止部を有し、第2フレームは、面光源の額縁を構成する部分を含み、かつ当該部分に選択的に複数設けられた、第1フレームに前後方向で対向する第2係止部を有し、第1フレームの第1係止部と第2フレームの第2係止部とは互いに係止し、内外方向の動きを規制し
、第1フレームおよび第2フレームは、平面視時に矩形以外の異形形状であり、第1フレームおよび第2フレームにおける平面視時に形状が変化する変化点に第1係止部および第2係止部が設けられているため、表示品位を維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施の形態1による表示装置の構成の一例を示す分解斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態1によるバックライトの構成の一例を示す分解斜視図である。
【
図3】本発明の実施の形態1によるバックライトの構成の一例を示す正面図である。
【
図4】本発明の実施の形態1によるバックライトの構成の一例を示す斜視図である。
【
図6】本発明の実施の形態1によるリアフレームの構成の一部を示す正面図である。
【
図7】本発明の実施の形態1によるモールドフレームの構成の一例を示す斜視図である。
【
図11】比較例による表示装置の構成の一例を示す断面図である。
【
図12】比較例による表示装置の構成の一例を示す断面図である。
【
図13】本発明の実施の形態2による表示装置の構成の一例を示す断面図である。
【
図14】本発明の実施の形態3による表示装置の構成の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態について、図面に基づいて以下に説明する。
【0014】
<実施の形態1>
<表示装置の構成>
図1は、本発明の実施の形態1による表示装置1の構成の一例を示す分解斜視図である。なお、以下では、表示装置1は液晶表示装置であるものとして説明する。
【0015】
図1に示すように、表示装置1は、画像を表示する表示パネル2と、表示パネル2に背面から光を照射するバックライト3と、バックライト3の背面に設けられ、表示パネル2を制御する制御用FPC(Flexible printed circuits)4および制御基板5とを備えている。表示パネル2は、制御用FPC4から出力された信号を表示パネル2に伝達する短冊FPC6を有している。また、表示パネル2の表示面には、粘着材8を介して保護部材7が接合されている。保護部材7は、ガラスまたはプラスチックなど、概ね透明な材料で構成されている。
【0016】
本実施の形態1による表示パネル2は、表示面が平面に対して湾曲しており、かつ紙面上下方向を中心軸として左右対称の形状となっている。また、バックライト3および保護部材7は、表示パネル2の形状に対応する形状となっている。
【0017】
<バックライトの構成>
図2は、バックライト3の構成の一例を示す分解斜視図である。
【0018】
バックライト3は、面光源を構成する光学部材を面光源の光出射面の前面側および背面側から保持する第1フレームであるモールドフレーム9と、第2フレームであるリアフレーム10とを備えている。面光源を構成する光学部材は、光学シート11、導光板12、反射シート13、および光源14である。以下、面光源の光出射面に垂直な方向を前後方向、面光源の光出射面に平行な方向を内外方向とする。
【0019】
モールドフレーム9の表面には、保護部材7とバックライト3とを接合して固定する接合部材15と、表示パネル2の裏面の保護および表示パネル2を保持するパネルクッション16とが設けられている。後述する
図9に示すように、保護部材7は、表示パネル2の表示面上に配置され、面光源の額縁に接合部材15を介して接合されている。
【0020】
リアフレーム10の背面には、バックライト3と制御用FPC4とを接合して固定する接合部材17が設けられている。
【0021】
図3は、バックライト3を表示パネル2側から見たときの正面図である。
図4は、バックライト3を表示パネル2側から見たときの斜視図である。
図5は、
図4のB部の拡大図である。なお、
図4,5では、モールドフレーム9の図示を省略しており、光学シート11の裏面側には導光板12、反射シート13、および光源14が配置されている。
図4,5に示すように、リアフレーム10の外周部の内壁面には、
図9,10に具体的に示されるようなリアフレームポケット18が設けられている。すなわち、リアフレーム10は、面光源の額縁を構成する部分を含み、かつ当該部分に選択的に複数設けられた、モールドフレーム9に前後方向で対向する第2係止部であるリアフレームポケット18を有している。
【0022】
本明細書において、ポケットとは、突起部を受け入れる空間を意味する。例えば、ポケットは、切り欠かれた段差、底を要する穴である凹み、または貫通穴であってもよい。ポケットは、突起部の突出方向に延在している。リアフレームポケット18の場合は、前後方向に延在している。
【0023】
図6は、リアフレーム10を表示パネル2側から見たときの正面図である。なお、
図6では、リアフレーム10が左右対称の形状であるため左側のみを示しているが、右側も同様の構成である。
【0024】
図6に示すように、リアフレーム10の外周部には、後述の
図8に示すモールドフレーム9のモールドフレーム穴部21と嵌合して固定するリアフレーム突起部19が設けられている。モールドフレーム9は、額縁幅が狭く、異形形状かつ湾曲している。従って、モールドフレーム9において強度不足で変形しやすい箇所をシミュレーション等で検証し、当該箇所に対応するリアフレーム10の位置をリアフレーム突起部19の最適な位置として設定する。例えば、屈曲点など、平面視で形状が変化する変化点にリアフレーム突起部19を設けることによって、リアフレーム突起部19とモールドフレーム穴部21とが嵌合しているときに変化点での変形を防止することができる。また、各変化点間にもリアフレーム突起部19を設けることによって、変化点での変形をより防止することができる。
【0025】
リアフレームポケット18は、リアフレーム突起部19と同じ位置に同じ数だけ設けることが望ましいが、バックライト3の組立性を考慮して、適宜にリアフレームポケット18の数を増減させることができる。より強固にモールドフレーム9とリアフレーム10とを係止する場合は、リアフレームポケット18をリアフレーム突起部19よりも多く設けた方が、保護部材7に付与される応力によるモールドフレーム9の変形を防止することができる。
【0026】
図7は、モールドフレーム9をバックライト3の背面側から見たときの斜視図である。
図8は、
図7のC部の拡大図である。
【0027】
図7に示すように、モールドフレーム9は、矩形形状と比較して、予め異形形状に変形させかつ湾曲させているため、内外方向であるモールドフレーム開き方向20に向かって開いて変形しやすい。
【0028】
このような問題の対策として、
図8に示すように、モールドフレーム9には、リアフレーム10に設けられたリアフレームポケット18に対応する位置に、
図9,10に具体的に示されるようなモールドフレーム突起部22が設けられている。すなわち、モールドフレーム9は、面光源の額縁を構成する部分を含み、かつ当該部分に選択的に複数設けられた、リアフレーム10に前後方向で対向する第1係止部であるモールドフレーム突起部22を有している。
【0029】
本明細書において、突起部とは、ポケットに受け入れ可能な構造体を意味する。突起部は、ポケットの延在方向に延在している。モールドフレーム突起部22の場合は、前後方向に延在している。
【0030】
リアフレームポケット18とモールドフレーム突起部22とは互いに係止し内外方向の動きを規制しているため、モールドフレーム9が開いて変形することを抑制することができる。
【0031】
また、
図8に示すように、モールドフレーム9には、リアフレーム10に設けられたリアフレーム突起部19に対応する位置にモールドフレーム穴部21が設けられている。リアフレーム突起部19とモールドフレーム穴部21とを嵌合させることによって、モールドフレーム9が開いて変形することを抑制することができる。
【0032】
図9は、
図3のA−A断面の一例を示す図である。
図10は、
図9のD部の拡大図である。
【0033】
図9,10に示すように、リアフレーム10のリアフレームポケット18とモールドフレーム9のモールドフレーム突起部22とが係止している。また、リアフレーム10のリアフレーム突起部19とモールドフレーム9のモールドフレーム穴部21とが嵌合している。
【0034】
図10に示すように、モールドフレーム9に設けられたモールドフレーム突起部22は、モールドフレーム突起部傾斜面25を有している。すなわち、モールドフレーム突起部22は、内外方向のうちの外方向の面であって予め定められた角度で傾斜している第1傾斜面であるモールドフレーム突起部傾斜面25を有している。また、リアフレーム10に設けられたリアフレームポケット18は、モールドフレーム突起部22と係止したときにモールドフレーム突起部傾斜面25と対向するリアフレームポケット傾斜面23を有している。すなわち、リアフレームポケット18は、モールドフレーム突起部傾斜面25に対向する第2傾斜面であるリアフレームポケット傾斜面23を有している。
【0035】
リアフレームポケット18とモールドフレーム突起部22とが係止すると、モールドフレーム9がモールドフレーム開き方向20に向かって開こうとしてもその動きが規制される。また、リアフレーム10とモールドフレーム9とを係止する際に、リアフレームポケット傾斜面23およびモールドフレーム突起部傾斜面25のそれぞれが傾斜して互いに滑り込みやすいため、容易に係止することができる。
【0036】
モールドフレーム突起部22は、モールドフレーム突起部傾斜面25を有しているため、先端部分よりも根元部分の方が幅広となっている。これにより、モールドフレーム突起部22の強度を確保することができ、モールドフレーム突起部22が根元部分から破損することを防止することができる。
【0037】
リアフレームポケット傾斜面23およびモールドフレーム突起部傾斜面25のそれぞれの傾斜角度は、強度および組立性を考慮して45度から70度の範囲が望ましい。また、リアフレームポケット18の内外方向の幅がリアフレーム10の内外方向の厚みの半分以上である場合、リアフレーム10の成型時に材料の充填に支障が生じ、リアフレーム10の強度が低下することがある。従って、リアフレームポケット18の内外方向の幅は、前後方向に延在するリアフレーム10の内外方向の厚みの半分以下であることが望ましい。
【0038】
リアフレーム10に光学部材を配置し、最後にモールドフレーム9をリアフレーム10に係止させる際、リアフレーム内壁24によって位置決めされた光学シート11にモールドフレーム突起部22が接触しないようにするために、モールドフレーム突起部内壁26が、前後方向に延在するリアフレーム10の内壁であるリアフレーム内壁24よりも外側に位置している。すなわち、モールドフレーム突起部22の内外方向のうちの内方向の面は、前後方向に延在するリアフレーム内壁24よりも内外方向のうちの外方向に位置している。リアフレーム内壁24とモールドフレーム突起部内壁26との間隔は、少なくとも0.1mm以上であることが望ましい。
【0039】
図11は、比較例による表示装置の構成の一例を示す断面図である。
【0040】
図11に示すように、比較例による表示装置では、モールドフレーム9にモールドフレーム突起部22が設けられておらず、リアフレーム10にリアフレームポケット18が設けられていない。その他の構成は、本実施の形態1による表示装置1と同様である。
【0041】
比較例による表示装置の使用時に振動または衝撃が表示装置に付与されると、保護部材7に応力がかかってモールドフレーム9がモールドフレーム開き方向20に向かって開き、モールドフレームとリアフレームとの係止が外れてしまう。これにより、表示装置を構成する各部材間に隙間が生じ、この隙間から水または埃などが表示装置内に入り込んで表示装置に表示異常が生じるという問題がある。
【0042】
このような問題の対策として、
図12に示すように、モールドフレーム9のモールドフレーム外周面27からリアフレーム10のリアフレーム底面28に渡って固定テープ29を貼り付けることによって、モールドフレーム9とリアフレーム10とを固定する手段がある。しかし、経年劣化によってテープの粘着強度が低下してテープが剥がれ、モールドフレーム9とリアフレーム10とを固定することができなくなってしまう。これにより、表示装置を構成する各部材間に隙間が生じ、この隙間から水または埃などが表示装置内に入り込んで表示装置に表示異常が生じるという問題がある。また、モールドフレームとリアフレームとを固定するテープが必要であるため、コストがかかるという問題がある。
【0043】
以上のことから、本実施の形態1によれば、リアフレーム10のリアフレームポケット18とモールドフレーム9のモールドフレーム突起部22とが係止している。従って、モールドフレーム9が変形して開くことを抑制し、水または埃などが表示装置内に入り込むことを防止することができるため、表示品位を維持することができる。本実施の形態1で説明した構成は、特に、表示面が異形形状かつ湾曲し、表示領域の額縁幅が狭い表示装置において有効である。また、
図12に示す比較例による表示装置で使用している固定テープ29が不要であるため、コストの削減に寄与する。
【0044】
なお、本実施の形態1では、表示面が異形形状かつ湾曲している場合について説明したが、表示面が平面視において矩形かつ平面であってもよく、平面視において矩形以外の形状、あるいは矩形かつ湾曲した形状であってもよい。平面視において矩形以外の形状とは、例えば、台形型の形状、またはドーム型の形状などが挙げられる。
【0045】
<実施の形態2>
実施の形態1では、リアフレーム10にリアフレームポケット18を設け、モールドフレーム9にモールドフレーム突起部22を設ける構成について説明した。
【0046】
本実施の形態2では、
図13に示すように、リアフレーム10はリアフレーム突起部30を有し、モールドフレーム9はモールドフレームポケット31を有していることを特徴としている。その他の構成は、実施の形態1と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0047】
図13に示すように、リアフレーム10に設けられたリアフレーム突起部30は、内外方向のうちの内方向の面が予め定められた角度で傾斜している傾斜面を有している。また、モールドフレーム9に設けられたモールドフレームポケット31は、リアフレーム突起部30と係止したときにリアフレーム突起部30の傾斜面と対向する傾斜面を有している。リアフレーム10のリアフレーム突起部30とモールドフレーム9のモールドフレームポケット31とは互いに係止し、内外方向の動きを規制している。このような構成とすることによって、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0048】
<実施の形態3>
本実施の形態3では、
図14に示すように、リアフレーム10は傾斜面を有しないリアフレーム突起部32を有し、モールドフレーム9は傾斜面を有しないモールドフレームポケット33を有していることを特徴としている。その他の構成は、実施の形態1と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0049】
図14に示すように、リアフレーム10に設けられたリアフレーム突起部32の側面は、モールドフレーム9に対して垂直である。すなわち、リアフレーム突起部32は、前後方向に延在している。また、モールドフレーム9に設けられたモールドフレームポケット33の内壁面は、リアフレーム突起部32の側面に対向している。リアフレーム10のリアフレーム突起部32とモールドフレーム9のモールドフレームポケット33とは互いに係止し、内外方向の動きを規制している。このような構成とすることによって、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0050】
なお、
図14の例では、モールドフレームポケット33がモールドフレーム9を貫通する穴部である場合を示しているが、これに限るものではない。例えば、モールドフレームポケット33は、モールドフレーム9を貫通しない穴部であってもよい。
【0051】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 表示装置、2 表示パネル、3 バックライト、4 制御用FPC、5 制御基板、6 短冊FPC、7 保護部材、8 粘着材、9 モールドフレーム、10 リアフレーム、11 光学シート、12 導光板、13 反射シート、14 光源、15 接合部材、16 パネルクッション、17 接合部材、18 リアフレームポケット、19 リアフレーム突起部、20 モールドフレーム開き方向、21 モールドフレーム穴部、22 モールドフレーム突起部、23 リアフレームポケット傾斜面、24 リアフレーム内壁、25 モールドフレーム突起部傾斜面、26 モールドフレーム突起部内壁、27 モールドフレーム外周面、28 リアフレーム底面、29 固定テープ、30 リアフレーム突起部、31 モールドフレームポケット、32 リアフレーム突起部、33 モールドフレームポケット。