(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0011】
<駐車装置の全体構成>
図1は、本発明の実施形態による駐車装置10の全体構成図である。
図2は、
図1のII−II矢視図である。
図3は、
図1のIII−III矢視図である。
図1は、
図2のX−X線矢視図である。駐車装置10は、本実施形態ではエレベータ式駐車装置である。エレベータ式駐車装置10は、入庫した自動車1を載せて昇降路4を昇降するリフト3と、昇降路4の横に配置され自動車1を格納する格納棚5とを備える。
【0012】
リフト3が入出庫階に位置する時に、自動車1が、駐車装置10の外部から入庫のために車路6を走行してリフト3に乗り込み可能であり、自動車1が出庫のためにリフト3から車路6へ乗り出し可能であってよい。複数の格納棚5が、昇降路4の横方向一方側または横方向両側(
図1では、横方向両側)において、それぞれ複数の格納階に設けられていてよい。いずれかの格納棚5の高さに停止したリフト3と、当該格納棚5との間で横方向に自動車1が受け渡されるようになっている。なお、昇降とは、上昇と下降の一方または両方を意味する(以下同様)。また、横又は横方向は、水平方向であって、昇降路4から見た格納棚5が位置する方向であり、縦又は縦方向は、横方向に直交する水平方向であってよい(以下同様)。なお、リフト3には、自動車が縦方向を向いて積載されるようになっている。
【0013】
エレベータ式駐車装置10では、入庫時に次の手順で動作が行われる。入出庫階において、例えば自動車1が入庫するために自走してリフト3に乗り込むことで、リフト3に自動車1が積載される。次に、リフト3が、いずれかの格納階へ移動して停止する。その後、リフト3から当該格納階の格納棚5へ自動車1が渡される。この自動車1は出庫時まで当該格納棚5に保管されてよい。出庫時には、入庫時と逆の動作が行われる。
【0014】
エレベータ式駐車装置10は、
図1のように、自動車1が積載されるパレット2を用いるものであってよい。この場合、パレット2は、各格納棚5に設けられ、リフト3は、いずれかの格納棚5のパレット2を載せて昇降可能である。パレット2を載せたリフト3が入出庫階に位置する時に、自動車1が入庫のために当該パレット2に乗り込み可能になっている。リフト3と格納棚5との間でのパレット2の受け渡しは、例えばリフト3に搭載された公知の横行駆動装置により行われてよい(例えば特許文献2を参照)。この時、当該パレット2は、自動車1が積載されたパレット2であってもよいし、自動車1が積載されていない空のパレット2であってもよい。なお、パレット2の下面には、
図1の例のように、格納棚5上とリフト3上を横方向に転動可能な複数の車輪2aが設けられていてよい。
【0015】
あるいは、エレベータ式駐車装置10において、リフト3は、櫛歯状リフトであってよい(例えば特許文献3を参照)。この場合、パレット2は設けらず、以下の説明においてリフト3は、櫛歯状リフトを意味する。櫛歯状リフト3は、自動車1を直接載せて昇降する。この場合には、各格納棚5には、上述のパレット2ではなく、櫛歯状横行トレイが設けられる。櫛歯状横行トレイは、昇降路4と、格納棚5との間で横行駆動される。櫛歯状横行トレイが昇降路4に位置する時に櫛歯状リフト3が櫛歯状横行トレイを通過できるように、櫛歯状リフト3と櫛歯状横行トレイの形状が設定されている。この通過により、自動車1が、櫛歯状リフト3と櫛歯状横行トレイとの間で受け渡される。
【0016】
<リフトを昇降するための構成>
駐車装置10は、リフト3を昇降させるために、カウンターウェイト7と索状体9と吊り下げ機構11を備える。カウンターウェイト7は、リフト3の重量の少なくとも一部を支持する。索状体9は、一例では、一端側部分がリフト3に連結され、この一端側部分から上方に延びて、索状体9の吊り下げ機構11に掛けられ、吊り下げ機構11から下方に延びて、他端側部分がカウンターウェイト7に連結されている。
図1では、索状体9は、ワイヤロープであるが、他のもの(例えばチェーン)であってもよい。索状体9の他端側部分とカウンターウェイト7との連結は、両者同士の固定であってもよいし、他の方式によるものであってもよい。例えば、図示を省略するが、索状体9の他端側部分は、カウンターウェイト7に設けられた従動シーブに掛けられて、その後、上方へ延びて当該他端側部分の先端が駐車装置10の静止構造体13に結合されていてもよい。
【0017】
吊り下げ機構11は、リフト3の重量の少なくとも一部がカウンターウェイト7により相殺されるように、索状体9を介してリフト3とカウンターウェイト7を昇降可能に吊り下げる。吊り下げ機構11は、駐車装置10の静止構造体13に取り付けられてよい。
図2のように、吊り下げ機構11は、索状体9が掛けられ回転駆動される回転部材11a(例えばドラム又はスプロケット)を含む。回転部材11aが回転駆動されることにより、索状体9が駆動されてリフト3とカウンターウェイト7が互いに逆向きに昇降させられる。
図2の例では、吊り下げ機構11は、更に従動シーブ11bを備える。
図2において、索状体9として、実線で示す索状体9aと一点鎖線で示す索状体9bを図示している。
【0018】
索状体9aは、
図2において、リフト3における縦方向一端側の連結位置から上方へ延びて従動シーブ11bとドラム11aと従動シーブ11bにこの順で掛けられ、その後、下方へ延びてカウンターウェイト7に連結される。索状体9bは、リフト3における縦方向他端側の連結位置から上方へ延びて従動シーブ11bとドラム11aと従動シーブ11bにこの順で掛けられ、その後、下方へ延びてカウンターウェイト7に連結される。
【0019】
図2では、横方向一方側(
図1の左側)における索状体9a,9bを図示しているが、横方向他方側にも、索状体9として、2本の索状体9c,9d(
図1を参照)が設けられる。これらの索状体9c,9dは、索状体9a,9bの場合と同様に、吊り下げ機構11(例えば、
図2ではドラム11aと従動シーブ11b)に掛けられている。これにより、ドラム11aが回転駆動されることにより、索状体9a〜9dが同期して駆動されてよい。
【0020】
<リフトとカウンターウェイトの昇降を案内する構成>
本実施形態では、リフト3とカウンターウェイト7の昇降を案内するために、駐車装置10は、鉛直方向に延びるガイド部材15を備える。ガイド部材15は、リフト3とカウンターウェイト7の両方の昇降を案内する。本実施形態では、ガイド部材15は、格納棚5を支える支持部17を有する棚柱である。
【0021】
当該ガイド部材15を第1ガイド部材として、駐車装置10は、第1ガイド部材15に加えて、鉛直方向に延びる第2ガイド部材27を備える。本実施形態では、第2ガイド部材27は、格納棚5を支える支持部29を有する棚柱である。
図3のように、2つの第1ガイド部材15が、リフト3の縦方向一方側(
図3の上側)において、それぞれ、昇降路4の横方向両側に設けられている。また、
図3のように、2つの第2ガイド部材27が、リフト3の縦方向他方側において、それぞれ、昇降路4の横方向両側に設けられている。第1ガイド部材15は、リフト3とカウンターウェイト7の両方の昇降を案内し、第2ガイド部材27は、リフト3の昇降を案内する。したがって、
図3の例では、カウンターウェイト7の昇降は、2つの第1ガイド部材15により案内され、リフト3の昇降は、2つの第1ガイド部材15と2つの第2ガイド部材27とにより案内される。
【0022】
(第1ガイド部材による昇降案内の構成)
各第1ガイド部材15は、本実施形態では、以下で説明する構成を有する。2つの第1ガイド部材15は、横方向に直交する鉛直面に関して互いに対称な構成を有していてよい。
図4(A)は、
図3における左側の第1ガイド部材15付近の部分拡大図である。
【0023】
第1ガイド部材15は、
図4(A)のように、水平面による断面(以下で水平断面ともいう)において、1対の離間部15a,15bと、結合部15cとを有する。1対の離間部15a,15bは、所定の離間方向に互いに間隔をおいて位置し、離間方向と交差する方向に(例えば互いに平行に)延びている。離間方向は、
図4(A)では縦方向であるが、他の方向(例えば横方向)であってもよい。結合部15cは、一方の離間部15aの中間位置から他方の離間部15bの中間位置まで延びて該1対の離間部15a,15bを互いに結合している。なお、以下において、各高さの水平断面である離間部15aにより構成される三次元部分も離間部15aという(離間部15bと結合部15cについても同様である)。
【0024】
第1ガイド部材15は、
図4(A)のように、支持部17とウェイトガイド部18とリフトガイド部21(この図の太線部分)を有する。支持部17は、格納棚5を支える。複数の支持部17が、
図2のように、鉛直方向に間隔をおいて配置され、それぞれ、複数の格納棚5を支持する。
【0025】
ウェイトガイド部18は、カウンターウェイト7の昇降を案内する。これに対して、カウンターウェイト7は、ウェイトガイド部18により昇降を案内される被ガイド部23(
図4(A)の太線部分)を有する。2つの第1ガイド部材15のウェイトガイド部18(
図4では後述の面F1)が、それぞれ、リフト3が揺れるとカウンターウェイト7における横方向一方側と横方向他方側の被ガイド部23(
図4では後述の面F3)に、互いに反対を向く横方向に接触する。これにより、いずれの横方向へのカウンターウェイト7の揺れも制限される。また、ウェイトガイド部18(
図4では後述の面F2と第2ガイド部分18b)は、リフト3が揺れると、互いに反対を向く縦方向のいずれの方向にも被ガイド部23(
図4では後述の面F4と第2被ガイド部分23b)に接触するように構成されている。これにより、いずれの縦方向へのカウンターウェイト7の揺れも制限される。なお、ウェイトガイド部18と被ガイド部23とは、常時、接触していてもよい。
【0026】
本実施形態では、ウェイトガイド部18は、
図4(A)において太線の部分である第1ガイド部分18aと第2ガイド部分18bを含み、被ガイド部23は、第1被ガイド部分23aと第2被ガイド部分23bを含む。第1ガイド部分18aは、1対の離間部15a,15bのうち昇降路4から縦方向に遠い側の一方の離間部15aに含まれ、第2ガイド部分18bは、他方の離間部15bに含まれている。
図4(A)では、第1ガイド部分18aは、離間部15aにおける互いに反対側の端部のうち、カウンターウェイト7の側の端部に位置する。第1ガイド部分18aと第2ガイド部分18bは、それぞれ、リフト3が揺れると第1被ガイド部分23aと第2被ガイド部分23bに接触して、第1被ガイド部分23aと第2被ガイド部分23bの昇降を案内する。なお、離間部15a,15b(及び後述の離間部27a,27b)の端部と端面は、それぞれ、離間部15a,15b(及び後述の離間部27a,27b)が延びている方向(
図4(A)では横方向)における端部と端面を意味する。
【0027】
一方の離間部15aは、その端部において角部を有する。この角部はウェイトガイド部18(第1ガイド部分18a)を構成する。角部18aは、第1ガイド部材15の2つの面F1,F2により形成される。すなわち、第1ガイド部材15は、角部18aを形成し互いに異なる水平方向を向く2つの面F1,F2を含む。被ガイド部23の第1被ガイド部分23aは、角部18aの2つの面F1,F2をそれぞれ水平方向に覆うように位置する。
図4(A)では、2つの面F1,F2のうち、一方の面F1が、横方向を向いており(すなわち、縦方向に平行であり)、他方の面F2が、縦方向を向いている。これに対し、第1被ガイド部分23aは、2つの面F1,F2にそれぞれ対向して、リフト3の揺れると面F1,F2にそれぞれ接触する2つの面F3,F4を有する。
【0028】
第2ガイド部分18bは、角部18aが第1被ガイド部分23aに接触する縦方向と反対の縦方向に第2被ガイド部分23bに接触する。第2ガイド部分18bは、
図4(A)では、他方の離間部15bの内面であって、当該内面は、第1ガイド部分18aがある離間部15aの側に縦方向に向いている。これに対し、第2被ガイド部分23bは、1対の離間部15a,15bの間に位置する。
図4(A)の例では、第2被ガイド部分23bは、横方向を向く軸回りに回転自在なローラであるが、これに限定されない。
【0029】
リフトガイド部21は、リフト3の昇降を案内する。これに対して、リフト3は、揺れるとリフトガイド部21に接触し、リフトガイド部21により昇降を案内される被ガイド部25(
図4(A)の太線部分)を有する。本実施形態では、2つの第1ガイド部材15のリフトガイド部21は、各水平方向(例えば、互いに逆を向く2つの縦方向と互いに逆を向く2つの横方向)のうち一部の方向(
図3では、互いに逆を向く2つの横方向)におけるリフト3の揺れを制限する。また、本実施形態では、リフトガイド部21は、離間部15bの端面である。この端面21は、
図4(A)では、リフト3側の横方向を向いている。この場合、
図3において、横方向一方側と横方向他方側の第1ガイド部材15のリフトガイド部21(端面21)が、それぞれ、リフト3における横方向一方側と横方向他方側の被ガイド部25に、リフト3が揺れると互いに反対を向く横方向に接触する。これにより、いずれの横方向へのリフト3の揺れも制限される。なお、リフトガイド部21被ガイド部25とは、常時、接触していてもよい。
【0030】
<第2ガイド部材による昇降案内の構成>
各第2ガイド部材27は、本実施形態では、以下で説明する構成を有する。なお、2つの第2ガイド部材27は、横方向に直交する鉛直面に関して互いに対称な構成を有していてよい。
図5(A)は、
図3における左側の第2ガイド部材27付近の部分拡大図である。
【0031】
第2ガイド部材27は、
図5(A)のように、第1ガイド部材15と同様に、水平面による断面において、1対の離間部27a,27bと、結合部27cとを有する。1対の離間部27a,27bは、所定の離間方向に互いに間隔をおいて位置し、離間方向と交差する方向に(例えば互いに平行に)延びている。離間方向は、
図5(A)では縦方向であるが、他の方向(例えば横方向)であってもよい。結合部27cは、一方の離間部27aの中間位置から他方の離間部27bの中間位置まで延びて該1対の離間部27a,27bを結合している。なお、以下において、各高さの水平断面である離間部27aにより構成される三次元部分も離間部27aという(離間部27bと結合部27cについても同様である)。
【0032】
第2ガイド部材27は、支持部29とリフトガイド部31を有する。支持部29は、格納棚5を支える。支持部29は、
図5(A)の例では、一方の離間部27aに設けられている。複数の支持部29が、
図2のように、鉛直方向に間隔をおいて配置され、それぞれ、複数の格納棚5を支持する。
【0033】
リフトガイド部31は、リフト3の昇降を案内する。これに対して、リフト3は、リフトガイド部31により昇降を案内される被ガイド部33(
図5(A)の太線部分)を有する。本実施形態では、2つの第2ガイド部材27のリフトガイド部31は、各水平方向(例えば、互いに逆を向く2つの縦方向と互いに逆を向く2つの横方向)のうち、少なくとも、第1ガイド部材15のリフトガイド部21により揺れが制限されない残り方向におけるリフト3の揺れを制限する。なお、
図3の例では、2つの第2ガイド部材27のリフトガイド部31は、各水平方向(すなわち、互いに逆を向く2つの縦方向と互いに逆を向く2つの横方向)におけるリフト3の揺れを制限する。
【0034】
図5(A)では、リフトガイド部31は、リフト3側に位置する一方の離間部27aの端部である。これに対して、被ガイド部33は、第1被ガイド面33aと第2被ガイド面33bと第3被ガイド面33cを有する。第1被ガイド面33aと第2被ガイド面33bは、離間部27aの端部31を離間方向(
図5(A)では縦方向)に挟んで、リフト3が揺れると端部31に互いに逆の離間方向に接触する。第3被ガイド面33cは、端部31(離間部27a)の端面に、離間方向に交差する方向(
図5(A)では横方向)に接触する。
【0035】
なお、
図3のように、昇降路4の横方向一方側において鉛直方向に配列された複数の格納棚5は、棚柱としての第1ガイド部材15と第2ガイド部材27の他に、別の棚柱32にも結合されて支えられてよい。同様に、昇降路4の横方向他方側において鉛直方向に配列された複数の格納棚5は、棚柱としての第1ガイド部材15と第2ガイド部材27の他に、別の棚柱32にも結合されて支えられてよい。
【0036】
<ガイド部材の連結機構>
図4(B)は
図4(A)のB−B矢視図である。
図4(B)のように、第1ガイド部材15は、複数の柱要素16を連結機構35により鉛直方向に連結して構成されている。各柱要素16は、上述した1対の離間部15a,15bと結合部15cを有する。
【0037】
連結機構35は、柱要素16の連結箇所毎に設けられ、当該連結箇所において柱要素16同士を連結させている。これらの連結機構35は、鉛直方向から見た場合に、ウェイトガイド部18とリフトガイド部21からずれて位置している。例えば
図4(A)のように、連結機構35は、1対の離間部15a,15bの少なくともいずれかの中間部位に位置する。
図4(A)では、連結機構35は、1対の離間部15a,15bにおける中間部位と結合部15cに配置されている。ここで、中間部位は、離間部15a,15bの端部を除く部位を意味する(後述の各離間部27a,27bにおける中間部位についても同様)。なお、各柱要素16は、H形鋼であってよいが、これに限定されない。
【0038】
各連結機構35は、複数組のボルト35aとナット35b、および連結プレート35cを備える。一例では、
図4のように、複数の連結機構35が柱要素16の連結箇所毎に設けられる。
【0039】
連結プレート35cは、隣接する柱要素16(以下で隣接柱要素16という)に跨るように配置されている。隣接柱要素16の各々には、連結用のボルト穴(図示せず)が形成されている。これらのボルト穴に対応して、連結プレート35cにはボルト穴(図示せず)が形成されている。各ボルト35aは、互いに対応する上記ボルト穴を貫通するように配置され、当該ボルト35aの頭35a1と、当該ボルト35aの先端側部分に螺合したナット35bとで、柱要素16と連結プレート35cとを挟み込んでいる。これにより、隣接柱要素16は互いに連結されている。
【0040】
図4の例のように、離間部15bに設けられた連結プレート35cには、格納棚5を支持する上述の支持部17が結合されていてもよい。この場合、複数の柱要素16は、鉛直方向に間隔を置いた複数の連結箇所で互いに連結されており、これらの連結箇所は、それぞれ、鉛直方向に間隔を置いた複数の格納棚5の高さに対応していてよい。これにより、離間部15bに設けられた各連結プレート35cは、支持部17が結合されていることにより、格納棚5を支持する機能も有する。ただし、本発明は、このような構成に限定されず、支持部17は、連結プレート35cから分離して、第1ガイド部材15に結合されていてもよい。
【0041】
図5(B)は、
図5(A)のB−B矢視図である。
図5(B)のように、第2ガイド部材27は、複数の柱要素28を連結機構37により鉛直方向に連結して構成されている。各柱要素28は、上述した1対の離間部27a,27bと結合部27cを有する。連結機構37は、柱要素28の連結箇所毎に設けられ、当該連結箇所において柱要素28同士を連結させている。これらの連結機構37は、鉛直方向から見た場合に、リフトガイド部31からずれて位置している。例えば
図5(A)のように、連結機構37は、各離間部27a,27bにおける中間部位と結合部27cに配置されている。なお、各柱要素28は、H形鋼であってよいが、これに限定されない。
【0042】
各連結機構37は、複数組のボルト37aとナット37b、および連結プレート37cを備える。一例では、
図5のように、複数の連結機構35が柱要素16の連結箇所毎に設けられる。
【0043】
連結プレート37cは、隣接する柱要素28(以下で隣接柱要素28という)に跨るように配置されている。隣接柱要素28の各々には、連結用のボルト穴(図示せず)が形成されている。これらのボルト穴に対応して、連結プレート37cにはボルト穴(図示せず)が形成されている。各ボルト37aは、互いに対応する上記ボルト穴を貫通するように配置され、当該ボルト37aと、当該ボルト37aの先端側部分に螺合したナット37bとで、柱要素28と連結プレート37cとを挟み込んでいる。これにより、隣接柱要素28は互いに連結されている。
【0044】
図5の例のように、離間部27aに設けられた連結プレート37cには、格納棚5を支持する支持部29が結合されていてもよい。この場合、複数の柱要素28は、鉛直方向に間隔を置いた複数の連結箇所で互いに連結されており、これらの連結箇所は、それぞれ、鉛直方向に間隔を置いた複数の格納棚5の高さに対応していてよい。これにより、離間部27aに設けられた各連結プレート37cは、支持部29が結合されていることにより、格納棚5を支持する機能も有する。ただし、本発明は、このような構成に限定されず、支持部29は、連結プレート37cから分離して、第2ガイド部材27に結合されていてもよい。
【0045】
<実施形態の効果>
以下は、本実施形態による効果の一例であり、本発明を限定するものではない。
【0046】
上述した本実施形態によると、ガイド部材15は、リフト3とカウンターウェイト7の両方の昇降を同時に案内する。したがって、リフト3を案内する部材とカウンターウェイト7を案内する部材を別々に設ける必要が無いので、リフト3とカウンターウェイト7の昇降を案内する部材の数を減らすことができる。
【0047】
一例では、ガイド部材15に、格納棚5を支える棚柱としての機能と、リフト3の昇降を案内する機能と、カウンターウェイト7の昇降を案内する機能を持たせたので、部材の数を減らすことができる。すなわち、これら3つの機能に対してそれぞれ3種類の部材を設ける必要がなく、これらの機能に対して1種類の部材を設ければよくなる。
【0048】
ガイド部材15の水平断面における一方の離間部15aの端部の角部18aがウェイトガイド部18を構成する。したがって、ガイド部材15のごく一部である角部18aを利用してカウンターウェイト7の昇降を案内できる。
【0049】
カウンターウェイト7の被ガイド部23は、ウェイトガイド部18を構成する角部18aの2つの面F1,F2をそれぞれ水平方向に覆うように位置する。したがって、角部18aにより、被ガイド部23を介してカウンターウェイト7の揺れを、少なくとも2方向において制限できる。このように、ガイド部材15のごく一部である角部18aを利用して、カウンターウェイト7の揺れを、少なくとも2方向において制限できる。
【0050】
一方の離間部15aの端部(角部18a)がウェイトガイド部18を構成し、他方の離間部15bの端面がリフトガイド部21を構成するので、離間部15a,15bの中間部位を、連結機構35を配置するスペースとして確保できる。
【0051】
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、以下の変更例1〜5のいずれかを単独で採用してもよいし、変更例1〜5の2つ以上を任意に組み合わせて採用してもよい。この場合、以下で述べない点は、上述と同じである。
【0052】
(変更例1)
2つの第1ガイド部材15は、各水平方向のうち一部の方向におけるリフト3の揺れを制限し、2つの第2ガイド部材27は、各水平方向のうち、少なくとも残り方向におけるリフト3の揺れを制限する。そのための構成は、上述に限定されない。例えば、当該構成の別の一例は、
図6に示す構成であってもよい。
図6は、
図4(A)において一部を変更した図である。
【0053】
図6では、他方の離間部15bにおける端部の角部がリフトガイド部21(この図の太線部分)を構成する。この角部21は、離間部15bにおいて互いに異なる水平方向を向く2つの面F5,F6により形成される。この場合、リフト3の被ガイド部25は、2つの面F5,F6にそれぞれ水平方向に対向して、リフト3の揺れにより接触する2つの面F7,F8を有する。この場合、例えば、
図5において、第2ガイド部材31に対応するリフト3の被ガイド部33は、第1被ガイド面33aと第2被ガイド面33bと第3被ガイド面33cのうち一部(例えば第1被ガイド面33a)を有していてよい。
【0054】
(変更例2)
第1ガイド部材15と第2ガイド部材27の一方または両方には、格納棚5を支持する支持部17,29が設けられていなくてもよい。この場合、格納棚5は、第1ガイド部材15と第2ガイド部材27の一方または両方とは異なる適宜の構造体により支持されてよい。
【0055】
(変更例3)
吊り下げ機構11は、リフト3の重量の少なくとも一部がカウンターウェイト7により相殺されるように、索状体9を介してリフト3とカウンターウェイト7を吊り下げていればよく、
図2の例に限定されない。例えば、1本の索状体9がリフト3から延びて回転部材11aに掛けられ(例えば巻かれ)、別の索状体9がカウンターウェイト7から延びて同じ回転部材11aに逆方向に掛けられ(例えば巻かれ)ていることにより、リフト3の重量の少なくとも一部がカウンターウェイト7により相殺されてもよい。
【0056】
(変更例4)
所定の入庫エリアに乗り込んだ自動車1が、適宜の駆動機構によりリフト3(
図1の場合にはリフト3上のパレット2)に載せられてもよい。
【0057】
(変更例5)
入出庫階よりも高い階と低い階の一方または両方に1つ又は複数の格納階が存在してよい。また、駐車装置10は、格納階が地上よりも低い位置にある地下駐車装置であってもよい。