(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6986983
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】米びつ
(51)【国際特許分類】
A47J 47/04 20060101AFI20211213BHJP
【FI】
A47J47/04 A
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-11505(P2018-11505)
(22)【出願日】2018年1月26日
(65)【公開番号】特開2019-126644(P2019-126644A)
(43)【公開日】2019年8月1日
【審査請求日】2020年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000103138
【氏名又は名称】エムケー精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】有井 真吾
(72)【発明者】
【氏名】片山 智也
(72)【発明者】
【氏名】大屋 七海
【審査官】
根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】
特開平02−303544(JP,A)
【文献】
特開2004−065537(JP,A)
【文献】
特開平11−244162(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 39/00−39/02
A47J 47/00−47/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホッパー形状の米貯蔵部に収容した米が所定レベルより少なくなったことを検知する残量センサを備えた米びつであって、前記米貯蔵部の傾斜する底面の一部に、垂直に立ち上げた検知面を有するセンサ取付室を形成し、前記残量センサを反射型光電センサとして、前記センサ取付室の検知面から前記米貯蔵部の傾斜する底面に水平反射光軸を形成したことを特徴とする米びつ。
【請求項2】
米を貯蔵する米貯蔵部と、該米貯蔵部に収容した米を検知する残量センサと、該米貯蔵部から一定量の米を計量排出する計量部と、該米貯蔵部及び計量部を断熱する断熱箱体と、該断熱箱体内を冷却する冷却ユニットとを備えた米びつであって、前記米貯蔵部の傾斜する底面の一部に、垂直に立ち上げた検知面を有するセンサ取付室を形成し、前記残量センサを反射型光電センサとして、前記センサ取付室の検知面から前記米貯蔵部の傾斜する底面に水平反射光軸を形成したことを特徴とする米びつ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米を保存する米びつに関し、特に米貯蔵部内の米の残量を確実に検知することができる米びつに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の米びつとして、特許文献1が知られている。特許文献1では、ホッパー形状の米貯蔵部の傾斜面に光センサや重量センサを取り付け、これらセンサの検知信号に基づいて米の補給を促している。このような米びつでは、米貯蔵部を樹脂で形成しているため、米同士の摩擦により帯電して傾斜面上に米粒が残留することがあり、この傾斜面に光センサや重量センサを取り付けると米残量を確実に検知することができない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−212230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、米貯蔵部内の米の残量を確実に検知することができる米びつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明は、ホッパー形状の米貯蔵部に収容した米が所定レベルより少なくなったことを検知する残量センサを備えた米びつであって、米貯蔵部の傾斜する底面の一部に、垂直に立ち上げた検知面を有するセンサ取付室を形成し、残量センサを反射型光電センサとして、センサ取付室の検知面から米貯蔵部の傾斜する底面に水平反射光軸を形成したことを特徴とする。
【0006】
また、米を貯蔵する米貯蔵部と、該米貯蔵部から一定量の米を計量排出する計量部と、該米貯蔵部及び計量部を断熱する断熱箱体と、該断熱箱体内を冷却する冷却ユニットとを備えた米びつであって、米貯蔵部の傾斜する底面の一部に、垂直に立ち上げた透明又は半透明の検知面を有するセンサ取付室を形成し、残量センサを反射型光電センサとして、センサ取付室の検知面から米貯蔵部の傾斜する底面に水平反射光軸を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、米貯蔵部の傾斜面において、残量検知センサの光軸が水平に形成されるように取り付けることで、傾斜面に滞留する米糠や静電気により貼り付いた米の影響を受けにくくなり、入光する外光の影響も軽減された検知動作が行える。
【0008】
また、センサ取付室の垂直の検出面から水平に光軸を形成したことで、傾斜面による光軸の乱反射が防止され、安価な光電センサであっても米の有無を確実に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】残量検知センサ8の検知状態を示す説明図である。
【
図4】米貯蔵室4及びセンサ取付室12の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を基に本発明の実施態様について説明する。
図1は米びつの外観斜視図、
図2は内部断面図を示している。尚、ここでは、冷却機能を有する米びつを例示している。
1は断熱箱体で、断熱素材の前面上部パネル・左右側面パネル・背面パネル・底面パネルとを組み合わせて直方体に形成され、この断熱箱体1の前面下部に開閉自在に取り付けられる扉体2と、断熱箱体1の上面に開閉自在に取り付けられる蓋体3によって形成されている。この断熱箱体1の内部には、米を貯蔵する米貯蔵部4と、米貯蔵部4内の米を計量排出する計量装置5と、計量装置5から米を受ける米受け容器6と、断熱箱体1内を冷却する冷却装置7を備えている。
【0011】
扉体2及び蓋体3は、断熱素材で構成され、それぞれ断熱箱体1の開口部に密着するシール部材及び閉じた状態を保持するロック機構(図示しない)により、断熱箱体1の断熱性を確保している。米貯蔵部4は、前面・側面・背面・底面を樹脂で一体形成し、底面に計量装置5への米排出口4aを開口するとともに、米排出口4aに向かって傾斜した傾斜面4bを有するホッパー形状をなし、この傾斜面4bに米貯蔵部4内の米の残量を検知する残量検知センサ8が設けられている。
【0012】
計量装置5は、米貯蔵部4の米排出口4aと連通して一定量の米を取り出し、米受け容器6に排出するもので、扉体2によって開閉される断熱箱体1の前面に露出した操作レバー9によって操作される。米受け容器6は、同じく扉体2によって開閉される断熱箱体1の前面から着脱可能で、計量装置5によって計量された米を取り出すものである。
【0013】
冷却装置7は、ペルチェ素子を冷却ヒートシンクと放熱ヒートシンクで挟んだペルチェユニットからなり、断熱箱体1の内側に冷却ヒートシンク、断熱箱体1の外側に放熱ヒートシンクが来るように断熱箱体1の背面パネルに取り付けられている。冷却ヒートシンクの近傍には、循環ファン10が配置され、断熱箱体1の内部に冷気を循環する。また、放熱ヒートシンクの近傍には、放熱ファン11が配置され、断熱箱体1の外部に熱気を排出する。
【0014】
残量検知センサ8は、
図3に示すように、発光部8aと受光部8bを並列し、発光部8aからの発光が検出物(ここでは米)に反射して受光部8bで受光されるか否かにより物体の有無を検知する反射型の光電センサからなり、米貯蔵部4の傾斜面4bに形成したセンサ取付室12に設けられている。センサ取付室12は、
図4に示すように、米貯蔵部4の傾斜面4bの後部に膨出され、垂直に立ち上がった周面部12aと、傾斜面4bと同程度もしくは急角度に傾斜した上面部12bとで構成されている。尚、ここでは、残量検知センサ8の発光部8aと受光部8bを上下に並べているが、左右に並べても良い。
【0015】
このセンサ取付室12において、米貯蔵部4の傾斜面4bにおいて残量検知センサ8の光軸が水平に形成されるように、残量検知センサ8を取り付けた回路基板13をセンサ取付室12の下方から差し込んで取り付けられる。このとき、残量検知センサ8と対面するセンサ取付室12の周面部12a(検出面)とは所定の間隔Sを持つように取り付けられ、静電気の影響を軽減させている。また、光軸の位置は、米貯蔵部4の最大容量に対して貯蔵される米の量が1割程度になったことを認識できるレベルに設定しており、例えば米貯蔵部4が12kgの容量であるときは、米の貯蔵残量が1.2〜1.5kg程度になったことを検知できるレベルに設定している。これにより、残量検知センサ8で検知された時点で、一般的に市販される10kgの米を余すことなく全て米貯蔵部4に補充することができる。
【0016】
このように米貯蔵部4の傾斜面4bにおいて、残量検知センサ8の光軸が水平に形成されるように取り付けることで、傾斜面4bに滞留する米糠や静電気により貼り付いた米の影響を受けにくくなり、蓋体3を開放したときに入光する外光の影響も軽減された検知動作が行える。また、米貯蔵部4の傾斜面4bにセンサ取付室12を膨出形成し、残量検知センサ8と対面する垂直の検出面から水平に光軸を形成したことで、傾斜面4bによる光軸の乱反射が防止され、安価な光電センサであっても米の有無を検出することが可能となる。更に、センサ取付室12の上面部12bは、米貯蔵部4の傾斜面4bと同じ角度で傾斜しているため、米貯蔵部4内の米が米排出口4aに向かって流れる動作を阻害せず、検出面に米が滞留することが防止される。尚、センサの取付位置として、米貯蔵部4の前面・側面・背面といった垂直面に取り付けることも考えられるが、米びつの性質上、底面を傾斜面4bとする必要があり、米貯蔵部4の各垂直面では残量レベルが高すぎてしまうため、好ましくない。
【0017】
この他の装備として、断熱箱体1の前面上部パネルに設けられる表示ランプ14と、循環ファン10の吸い込み側に備えられる温度センサ15と、放熱ファン11が取り付けられ、外気の取込口と排気口が備えられる背面カバー16とを設けている。尚、扉体2及び蓋体3の開閉状態を検知するセンサ等の検出手段、扉体2及び蓋体3の閉塞状態をロックする機構等を備えるとよい。
【0018】
このような構成により、米貯蔵部4を断熱箱体1内周面と空間を形成するように配置し、この空間に冷却装置7で冷やされた空気を循環ファン10を介して循環させることで米貯蔵部4が冷却される。米を取り出す際には、扉体2を開いて計量装置5の操作レバー9を操作することで、定量の米が米受け容器6に排出される。米貯蔵部4に貯蔵される米の量が少なくなると、残量検知センサ8がそれを検知し、表示ランプ14が点灯し、米の補給を報知する。米の補給は、蓋体3を開いて断熱箱体1の上面開口部から投入することで行われる。
【0019】
図5は制御系を示すブロック図である。
17は制御部で、残量検知センサ8・温度センサ15からの出力信号を受けて冷却装置7・循環ファン10・放熱ファン11・表示ランプ14を駆動する。
以下、これら制御系における動作について説明する。電源を投入すると、冷却装置7が作動して断熱箱体1内の冷却が行われる。冷却装置7が作動すると、ペルチェユニットの冷却ヒートシンクが冷やされ、この冷気が循環ファン10により米貯蔵部4と断熱箱体1内壁との間に流れていき、計量装置5や米受け容器6にも送り込まれて再び循環ファン10に戻る循環経路を辿り、断熱箱体1内を全体的に冷却する。この循環する冷気は、循環ファン10の吸い込み側に設けた温度センサ15で温度検知され、断熱箱体1内が所定温度に保持されるように冷却装置7が制御される。
【0020】
残量検知センサ8では、常時米の残量が検知される。制御部17では、残量検知センサ8の発光部8aをパルス発光出力し、受光部8bで検知される光が発光部8aからの光なのか外光によるものなのかを区別している。米貯蔵部4の米が所定レベルよりも貯蔵されている状態では、残量検知センサ8の発光部8aからの光が米で反射して受光部8bに受光される(
図3a)。一方、米貯蔵部4の米が所定レベルよりも減った状態になると、残量検知センサ8の発光部8aからの光が米で反射されず受光部8bで受光されなくなる(
図3b)。すると、制御部17では、米貯蔵部4内の米残量が所定レベルより少なくなったと判断し、表示ランプ14を点灯させて使用者に対して米の補給を報知する。米が補給されて残量検知センサ8の発光部8aからの光が米で反射して受光部8bに受光されるようになると、表示ランプ14を消灯する。尚、米残量が少なくなったことを受けて、冷却装置7の運転を通常より低下させるようにしても良い。
【符号の説明】
【0021】
1 断熱箱体
4 米貯蔵室
7 冷却装置
8 残量検知センサ
12 センサ取付室