(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記連絡空間内において前記吐出孔と対向する部分には、下方移動した前記操作部に上方に向けた付勢力を与える付勢部が設けられている、請求項1に記載のコンパクト容器。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施形態のコンパクト容器について図面に基づいて説明する。
図1および
図2に示すように、コンパクト容器1は、内容物が収容される内容器2と、内容器2の内部を封止する内蓋3と、内容物を吐出させる吐出孔4aが形成された中蓋4と、弁部材5と、外容器7と、を備えている。内容器2、内蓋3、中蓋4、および弁部材5は、外容器7の内部に収容されている。中蓋4は、第2弁体4bを有している。弁部材5は、第1弁体5bを有している。外容器7は、回転軸R回りに相対的に回転可能な蓋部材50および底部材60を備えている。
【0015】
(方向定義)
本実施形態では、外容器7の中心軸線(コンパクト容器1の中心軸線)を容器軸Oといい、容器軸Oに沿う方向を上下方向という。また、蓋部材50が閉じられた状態において、上下方向に沿って底部材60から蓋部材50へ向かう方向を上方といい、蓋部材50から底部材60へ向かう方向を下方という。また、容器軸Oに沿う断面を縦断面という。
上下方向から見た平面視で、容器軸Oに交差する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。径方向に沿って容器軸Oに接近する方向を径方向内側といい、容器軸Oから離間する方向を径方向外側という。径方向のうち、回転軸Rに平行な方向を左右方向と呼び、回転軸Rに直交する方向を前後方向という。前後方向に沿って、容器軸Oから回転軸Rへ向かう方向を後方と呼び、回転軸Rから容器軸Oへ向かう方向を前方という。
【0016】
(外容器)
図2に示すように、底部材60は、容器軸Oと同軸に配置された円板状の底板部61と、底板部61の外周縁から上方に延びる円筒状の筒状壁部62と、を備え、有底筒状に形成されている。底部材60の後端部には、前方に向けて窪む凹部63が設けられている。
筒状壁部62の前端部には、後方に向けて窪む係合空間7aが設けられている。係合空間7aは、前方および上方に向けて開口している。係合空間7aは、前方を向く後壁部65と、上方を向く底壁部64と、により画成されている。
【0017】
後壁部65のうち左右方向の中央に位置する部分には、前方に向けて突出したガイド壁部68が形成されている。ガイド壁部68の上面は、前方に向かうにしたがい下方に向けて傾斜する傾斜面とされている。後壁部65のうちガイド壁部68よりも上方に位置する部分には、前方に向けて突出した第1係合部69が形成されている。後壁部65のうちガイド壁部68よりも下方に位置する部分には、後壁部65を前後方向に貫通する逃げ孔66が形成されている。
【0018】
図2に示すように、蓋部材50は、容器軸Oと同軸に配置された円板状の天板部51と、天板部51の外周縁から下方に延びる円筒状の筒部52と、を備える。蓋部材50の後端部には、筒部52から下方に向けて突出する連結部54が形成されている。連結部54は、底部材60の凹部63内に位置しており、凹部63内で回転軸R回りに回動可能となっている。この構成により、蓋部材50は、底部材60に対して回転軸R回りに回動可能であり、底部材60の上端開口を開閉可能に閉塞する。
【0019】
蓋部材50の天板部51の下面には、鏡Mが固定される。蓋部材50と内蓋3との間には、パフP(塗布具)が配置されている。パフPは、中蓋4の後述する操作部33上に載置されている。
【0020】
蓋部材50のうち前端部には、下方に向けて係合片53が突設されている。係合片53は、筒部52における内周面から下方に向けて突出するとともに左右方向に延びた板状に形成され、係合空間7a内に上方から入り込んでいる。
係合片53の下端部には、後方に向けて突出するとともに、底部材60の第1係合部69に対して離脱可能にアンダーカット嵌合される第2係合部53aが形成されている。第1係合部69に対して第2係合部53aが下方から係合することによって、蓋部材50は閉状態でロックされる。
【0021】
係合空間7a内には、第1係合部69と第2係合部53aとの係合を解除するプッシュピース8が設けられている。
プッシュピース8は、係合片53よりも前方に配置された操作壁部8aと、操作壁部8aから後方に向けて突設され、ガイド壁部68の傾斜面上に位置する解除突起8bと、操作壁部8aの下端部から後方に向けて突設され、底壁部64に載置されるベース部8cと、を備える。プッシュピース8は、後方に向けて押し込まれたときに、底部材60および蓋部材50に対して後方へ移動可能である。
【0022】
解除突起8bは、プッシュピース8の後方への移動にともなってガイド壁部68の傾斜面に沿って後方に移動し、第2係合部53aを下方から押し上げて、第1係合部69から離脱させる。これにより、第1係合部69と第2係合部53aとの係合を解除することができ、蓋部材50を開操作可能な状態とすることができる。
なお、プッシュピース8は、後方に移動したときに、解除突起8bの復元変形によって、前方に向けて復元移動する。
【0023】
ベース部8cは、プッシュピース8の後方への移動にともなって、後壁部65に形成された逃げ孔66内に前方から入り込む。また、ベース部8cには、下方に向けて突出し、底壁部64に形成された係止凹部67に係止する係止凸部が形成されている。これにより、プッシュピース8は、前方への抜け止めがされた状態で、外容器7に組み合わされている。
【0024】
なお、コンパクト容器1はプッシュピース8を備えていなくてもよい。例えば指先等によって、係合片53の下端部を前方に向けて僅かに撓ませるように変形させることで、第1係合部69と第2係合部53aとの係合を解除し、蓋部材50の閉状態のロックを解除してもよい。
【0025】
(内容器)
内容器2は、底部材60の筒状壁部62の径方向内側に配置されている。内容器2は、容器軸Oと同軸に配置され、上方に開口する扁平円筒状の容器である。内容器2は、可撓性を有し減容可能(減容変形可能)である。内容器2は、例えば、積層のフィルムや薄肉の樹脂成形品などで構成されている。内容器2は、可撓性に富む内側容器が、内側容器よりも硬質な外側容器の内面に積層されてなる、いわゆるデラミ容器などであってもよい。あるいは、内容器2内の収容空間S3が減容可能なその他の構成を採用してもよい。
【0026】
内容器2の内部である収容空間S3には、流動性を有する内容物が収容されている。
内容物は、液状であっても、ゲル状であっても、ゼリー状であってもよい。内容物は、例えば、リキッドファンデーション等の化粧品である。
内容器2の上端部には、内容器2の上端部を径方向外側から囲む環状の取付リング81が固定されている。取付リング81は、上方に突出する取付筒部82を有する。取付リング81は、内容器2を中蓋4に取り付ける役割を有する。取付リング81を内容器2に固定する方法としては、例えば内容器2をインサート品として取付リング81を射出成形してもよい。あるいは、内容器2と取付リング81とを接着若しくは溶着してもよいし、内容器2の成形および取付リング81の内容器2への固定を同時に行ってもよい。
【0027】
(内蓋)
内蓋3は、内容器2の上方に配設されている。内蓋3は、内容器2の上方の開口を塞ぎ、内容器2の内部を封止している。内蓋3は、内容器2に取付リング81を介して装着された下部材10と、下部材10を介して内容器2に装着された上部材20と、を備えている。なお、下部材10は、取付リング81と一体に形成されていてもよい。
【0028】
下部材10は、内容器2の上方の開口を覆う下側環状部11と、下側環状部11の内周縁に接続されたシールリング12と、下側環状部11の外周縁から上方に向けて延びる内側筒部13と、内側筒部13の上端部から径方向外側に向けて延びる環状の接続部14と、接続部14の外周縁から下方に向けて延びる外側筒部15と、を有している。下側環状部11、シールリング12、内側筒部13、接続部14、および外側筒部15は、容器軸Oと同軸上に配置されている。
【0029】
下側環状部11の下面には、下方に向けて突出するリブ11aが複数形成されている。
図1に示すように、各リブ11aは径方向に延び、容器軸Oを中心として放射状に配置されている。
シールリング12は、径方向内側に向かうに従って漸次上方に向けて延びている。シールリング12の内周縁には、下方に向けて延びるシール部12aが形成されている。シール部12aは、上部材20の後述する内筒部22の外周面に嵌合している。
【0030】
外側筒部15は、内側筒部13よりも径方向外側に位置している。径方向において、内側筒部13は内容器2の外周部と略同等の位置に配置され、外側筒部15は内容器2の外周部よりも外側に位置している。外側筒部15と内側筒部13との間には、取付リング81の取付筒部82が嵌合されている。これにより、取付リング81を介して、内容器2と内蓋3とが固定されている。
【0031】
上部材20は、平面視で環状の支持部21と、支持部21の外周縁から上方に向けて延びる内筒部22と、内筒部22の上端部から径方向外側に向けて延びる上側環状部23と、上側環状部23の外周縁から下方に向けて延びる外周筒部24と、外周筒部24の下端部から径方向外側に向けて延びる下フランジ部25と、を備える。さらに上部材20は、支持部21の内周縁から上方に向けて延びる連通筒部21bと、連通筒部21bの上端部から径方向内側に延びる環状の弁座部21cと、を備えている。
支持部21、連通筒部21b、弁座部21c、内筒部22、上側環状部23、外周筒部24、および下フランジ部25は、容器軸Oと同軸上に配置されている。
【0032】
支持部21は、弁部材5を下方から支持している。弁座部21cの内周面は、後述する連絡空間S1と内容器2内とを連通させる連通孔21aとされている。連通孔21aは、容器軸Oと同軸の円孔状に形成されている。
内筒部22は、下部材10のシールリング12内に嵌合している。内筒部22の上下方向における中央部には、径方向内側に突出する規制突起22aが形成されている(
図3(b)参照)。下フランジ部25は、下側環状部11の径方向外側の端部に対して、その上方から対向している。
【0033】
上側環状部23は、平面視で環状かつ表裏面が上下方向を向く板状に形成されている。上側環状部23は、後述する操作部33と上下方向で対向している。上側環状部23の内径および外径は、操作部33の内径および外径と略同等である。上側環状部23の上面には、下方に向けて窪む環状凹部23cが形成されている。上側環状部23の内周縁部には、上方に向けて突出する内側支持部23aが形成されている。内側支持部23aは、周方向に間隔を空けて複数形成されている。上側環状部23の外周部には、上方に向けて突出する環状の外側支持部23bが形成されている。
【0034】
(中蓋)
中蓋4は、有頂筒状に形成されており、頂壁部に位置する頂壁部材30と、周壁部に位置する装着リング40と、を備えている。中蓋4は、内蓋3の上方に設けられて、内蓋3との間に、連通孔21aに連通する連絡空間S1を画成する。本実施形態の中蓋4は、装着リング40をインサート品として、頂壁部材30を射出成形することで一体に形成されている。なお、頂壁部材30および装着リング40をそれぞれ別体に形成した後、これらを組み合わせることで中蓋4を形成してもよい。
【0035】
装着リング40は、上端部同士が連結された内筒41および外筒42を有する二重円筒状に形成されている。外筒42の内周面の下部には、径方向内側に向けて突出する嵌合部42aが形成されている。嵌合部42aが取付リング81にアンダーカット嵌合することで、取付リング81および内容器2の装着リング40に対する下方移動が規制されている。
【0036】
装着リング40の外周面には、径方向外側に向けて延びる環状の載置部44が設けられている。載置部44は、装着リング40の外周面に、全周にわたって設けられている。載置部44の下面は、底部材60の筒状壁部62の上面に対して、その上方から接触する。載置部44は、中蓋4のうち、底部材60に載置される部分である。
以上の構成により、内容器2または後述のリフィル容器2Aは、装着リング40を介して底部材60に装着されている。
【0037】
本実施形態では、内容器2、内蓋3、および中蓋4が、リフィル容器2Aを構成している。リフィル容器2Aは、外容器7に対して着脱自在に設けられている。これにより、使用者は、内容器2内の内容物を使い切った後に、リフィル容器2Aを、内容物が充填された新しいリフィル容器2Aと交換することができる。
【0038】
装着リング40の上面には、上方に突出する環状の隆起部43が形成されている。隆起部43の内周面は、上方に向かうにしたがい径方向外側へ向けて延びる曲面状に形成されている。隆起部43により、後述する吐出孔4aから吐出された内容物をパフPで掬う操作が容易となる。また、隆起部43は、吐出された内容物を堰き止めて、例えばこの内容物が装着リング40の外側に垂れることを抑止したり、中蓋4上に載置されたパフPの位置を安定させたりする役割なども有する。
【0039】
頂壁部材30は、平面視で円形状の頂部32と、頂部32から下方に向けて延びる係止筒部31と、を有している。頂部32のうち、内蓋3の内筒部22よりも径方向内側に位置する部分は、内蓋3の上部材20とともに連絡空間S1を画成している。連絡空間S1は、平面視で容器軸Oと同軸の円形状に形成されている。
【0040】
係止筒部31は、装着リング40の内筒41内に係止されている。なお、頂壁部材30と装着リング40とを別体に形成した後、係止筒部31を内筒41内に嵌合することで、係止筒部31を内筒41内に係止してもよい。係止筒部31は、内蓋3の外周筒部24に外嵌されている。
頂部32の径方向中央部には、この頂部32を上下方向に貫通する吐出孔4aが形成されている。吐出孔4aは、連絡空間S1に向けて開口しており、連絡空間S1内に連通している。
【0041】
頂部32のうち、内蓋3の上側環状部23と上下方向で対向する部分には、弾性変形可能な操作部33が設けられている。操作部33は、上面視で環状に形成されている。操作部33は、上側環状部23との間に作動空間S2を画成している。作動空間S2は、上面視で環状に形成されている。作動空間S2は、周方向に間隔を空けて配置された複数の内側支持部23a同士の間の隙間を通じて、連絡空間S1に連通している。縦断面視において、操作部33の下面33aは、上方に向けて凸となる形状に形成されている。本実施形態では、下面33aが、上方に向けて凸となる曲面状に形成されている。なお、下面33aの形状として、例えば縦断面視で上方に向けて凸の台形状などを採用してもよい。
【0042】
操作部33は、上下方向に弾性変形可能に形成されている。操作部33は、弾性変形することで作動空間S2および連絡空間S1の内圧を増減させる。操作部33の材質は、例えばエラストマー、ニトリルゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、軟質ポリエチレンおよびウレタン等(以下、単に「エラストマー等」という)の軟材質である。操作部33は、装着リング40よりも軟質であり、装着リング40は、操作部33より硬質である。
【0043】
操作部33の内周縁部には上方に向けて窪む内側溝部33bが形成され、操作部33の外周縁部には上方に向けて窪む外側溝部33cが形成されている。このため、操作部33は、内側溝部33bおよび外側溝部33cを固定端として変形しやすくなっている。内側溝部33bおよび外側溝部33cは、平面視で容器軸Oを中心とした環状に形成されている。頂壁部材30のうち、内側溝部33bに径方向内側で隣接する部分は内側支持部23aに当接若しくは近接し、外側溝部33cに径方向外側で隣接する部分は外側支持部23bに当接若しくは近接している。これにより、操作部33が押下されると、操作部33は内側支持部23aおよび外側支持部23bによって支持されながら、内側溝部33bおよび外側溝部33cを固定端とするように上下方向に弾性変形する。
【0044】
頂部32のうち、吐出孔4aの周縁部は、第2弁体4bとして機能する。第2弁体4bは、下方に向けて凸となる曲面状に形成され、上下方向に弾性変形可能となっている。第2弁体4bの下端開口部は、後述する付勢部5cに、その上方から当接している。これにより、第2弁体4bは吐出孔4aを開放可能に閉塞している。
図3(b)に示すように、第2弁体4bの下端開口部には、下方に向けて突出する環状の突部4cが形成されている。突部4cは、全周にわたって、後述する付勢部5cにその上方から当接する。これにより、突部4cは連絡空間S1をシールしている。なお、他の構成によって連絡空間S1をシールしてもよい。係止筒部31、頂部32、操作部33、吐出孔4a、第2弁体4b、および突部4cは、容器軸Oと同軸上に配置されている。
【0045】
(弁部材)
図3(b)に示すように、弁部材5は、弁筒部5aと、第1弁体5bと、付勢部5cと、を有し、各部が一体に形成されている。第1弁体5bは、内蓋3の連通孔21aと連絡空間S1との連通、およびその遮断を切り替える役割を有する。第1弁体5bは、内容器2の収容空間S3から連絡空間S1への内容物の流れを許容し、連絡空間S1から収容空間S3への内容物の流れを遮断する逆止弁である。
【0046】
第1弁体5bは、弁筒部5aの内側に位置し、弁筒部5aに接続されている。第1弁体5bは、弁座部21cにその上方から当接しており、連通孔21aの上方を覆っている。第1弁体5bは、円板状に形成されている。第1弁体5bの外径は、連通孔21aの内径よりも大きい。
弁筒部5aは、内蓋3の内筒部22内に嵌合しており、内筒部22の規制突起22aよりも下方に位置している。これにより、弁筒部5aおよび第1弁体5bは内蓋3に固定されている。弁筒部5aの下端は、支持部21に対して、その上方から当接している。
【0047】
本実施形態の例では、第1弁体5bとして、三点弁を用いている。すなわち、第1弁体5bは、弁筒部5aに接続された複数の弾性脚を備えている。弾性脚が弾性変形することで、第1弁体5bは、弁筒部5aに対して上下方向に移動可能である。
なお、内容器2に収容する内容物の性状などに応じて、例えば、三点弁の形状を適宜変更したり、三点弁とは異なる構成の逆止弁を第1弁体5bとして採用したりすることができる。
【0048】
付勢部5cは、連絡空間S1内において吐出孔4aと対向する部分に設けられている。付勢部5cは、中蓋4の径方向中央部に配置されており、吐出孔4aと上下方向で対向している。付勢部5cは、弁筒部5aの上端面から上方へ向けて突設された板状に形成されている。付勢部5cは、弾性変形可能である。付勢部5cは、帯板状(長方形板状)であり、その延在方向の両端部が、弁筒部5aの上端部にそれぞれ接続されている。付勢部5cの長手方向における両端部は、弁筒部5aの上端部のうち、容器軸Oを挟んで径方向で対向する両部分にそれぞれ接続されている。付勢部5cの長手方向における中央部は、付勢部5cの他の部位よりも厚肉に形成されている。図示の例では、付勢部5cの長手方向が、前後方向に沿っている。付勢部5cの長手方向は、前後方向でなくてもよい。
【0049】
操作部33が押し下げられたとき、若しくは頂部32の径方向中央部(吐出孔4aの近傍)が押し下げられたときに、付勢部5cは下方に向けて弾性変形する。このとき、付勢部5cは、復元変形力によって頂部32の径方向中央部を上方に向けて付勢する。この付勢力は、操作部33にも伝わる。このように、付勢部5cは、下方移動した操作部33に上方に向けた付勢力を与える。これにより、操作部33の復元性が向上する。
【0050】
連絡空間S1内には、上下方向に延び、吐出孔4a内に挿通されて中蓋4を貫く軸部5dが設けられている。軸部5dの下端部は、固定状態となっている。本実施形態では、軸部5dと付勢部5cとが一体に形成されており、軸部5dの下端部が付勢部5cに固定されている。なお、軸部5dの下端部は、内蓋3または中蓋4などに固定されていればよい。軸部5dの上端には、径方向外側に向けて突出する突出部5eが形成されている。
【0051】
軸部5dは、付勢部5cの長手方向における中央部に位置しており、吐出孔4a内に下方から挿通されている。軸部5dは、中蓋4を上下方向に貫いている。軸部5dは、円柱状に形成されている。軸部5dの外径は、吐出孔4aの内径よりも小さい。このため、軸部5dと吐出孔4aとの間には、径方向の隙間が形成されている。突出部5eは、
図3(a)に示すように、平面視で円板状に形成されている。突出部5eの外径は、吐出孔4aの内径よりも大きい。突出部5eは、吐出孔4aを上方から覆っており、平面視で第2弁体4bに重なっている。
【0052】
突出部5eの下面には、上方に向けて窪み、かつ径方向に延びる溝部5fが形成されている。
図3(a)の例では、突出部5eに4つの溝部5fが形成され、各溝部5fが軸部5dの外周面から突出部5eの外周面にかけて放射状に延びている。各溝部5fは、突出部5eの外周面に開口している。溝部5fは、第2弁体4bが上方に弾性変形して突出部5eの下面に当接したときに、連絡空間S1内と外部空間とを連通させて空気または内容物の流路を確保する役割を有する。
なお、溝部5fの形状は、第2弁体4bが上方に弾性変形したときに内容物の流路が確保可能な形状であれば、適宜変更してもよい。
【0053】
次に、本実施形態におけるコンパクト容器1の作用について説明する。
【0054】
コンパクト容器1が未使用状態の場合、内容物は、収容空間S3内にのみ収容されており、連絡空間S1および作動空間S2には、例えば空気が充填されている。
使用者は、プッシュピース8を操作して、外容器7の蓋部材50を開く。次に、操作部33を上方から押圧して、下方に窪ませるように弾性変形させる。このとき、操作部33は、内側支持部23aおよび外側支持部23bによって支持されながら、内側溝部33bおよび外側溝部33cを固定端とするように下方に弾性変形する。操作部33が下方に弾性変形すると作動空間S2の容積が小さくなるため、作動空間S2およびこれに連通する連絡空間S1の内圧が上昇する。すると、連絡空間S1の内圧によって第2弁体4bが上方に弾性変形して吐出孔4aが開放され、連絡空間S1内の空気の一部が吐出孔4aから外部へと排出される。このように、第2弁体4bは、吐出孔4aを開放可能に閉塞している。
【0055】
なお、第2弁体4bが上方に弾性変形して突出部5eの下面に当接した場合であっても、溝部5fによって、連絡空間S1と外部空間とが連通する。従って、この場合には連絡空間S1内の空気が吐出孔4aおよび溝部5fを通じて外部へと排出される。
【0056】
また、吐出孔4aから空気若しくは内容物が吐出されて、連絡空間S1の内圧が下がると、第2弁体4bは復元変形して付勢部5cに当接し、再び吐出孔4aが閉塞される。従って、第2弁体4bは、吐出孔4aから吐出された内容物または外気が連絡空間S1内に逆流することを抑える逆止弁としても機能する。すなわち、第2弁体4bは、連絡空間S1から外部への吐出孔4aを通じた内容物または空気の流れを許容し、外部から連絡空間S1への内容物および空気の流れを遮断する。
【0057】
操作部33に加えられた押圧力が解除されると、弾性変形していた操作部33が元の状態に復元変形する。これにより、作動空間S2の容積が増加して、作動空間S2および連絡空間S1内が負圧となる。このとき、吐出孔4aは第2弁体4bによって閉塞されているため、外部から連絡空間S1へ空気が入ることが抑制される。その一方で、連絡空間S1が負圧となると、この負圧によって第1弁体5bに上方に向けた力が作用する。この結果、第1弁体5bが上方に弾性変位して連通孔21aと連絡空間S1とが連通し、収容空間S3内の内容物が、連通孔21aを通じて連絡空間S1および作動空間S2内に吸い上げられる。このように、操作部33が上方移動して連絡空間S1および作動空間S2の内圧が下降したときに、第2弁体4bは吐出孔4aと連絡空間S1との連通を遮断し、かつ、第1弁体5bは連通孔21aと連絡空間S1とを連通させる。
【0058】
上述した操作部33の弾性変形および復元変形が繰り返し行われると、連絡空間S1および作動空間S2内の空気が外部に排出されるとともに、連絡空間S1および作動空間S2内に内容物が充填される。なお、内容器2は可撓性を有しているため、内容物が連通孔21aを通して連絡空間S1等に流出することにともない減容変形する。これにより、内容物が連絡空間S1等に流入して収容空間S3内の内容物の総量が減った場合であっても、収容空間S3から連絡空間S1および作動空間S2へと安定して内容物を送ることが可能である。
【0059】
連絡空間S1に内容物が充填された状態で、操作部33を下方に弾性変形させると、連絡空間S1内の内容物が第2弁体4bに上方に向けた圧力を作用させる。内容物による連絡空間S1内の圧力が所定の大きさになると、第2弁体4bが上方に向けて弾性変形し、吐出孔4aが開放され、吐出孔4aから内容物が吐出される。このとき、上方に弾性変形した第2弁体4bが突出部5eの下面に当接しても、溝部5fによって連絡空間S1と外部空間とが連通する。従って、この場合には連絡空間S1内の内容物が吐出孔4aおよび溝部5fを通じて吐出される。
【0060】
以上の作用により、使用者は、操作部33の押下およびその解除を繰り返すことで、内容物を吐出させることができる。なお、内容物は隆起部43の内側に吐出されるため、隆起部43によって中蓋4の上面から垂れることが抑制される。使用者は、パフP等によって中蓋4の上面を拭い、内容物をパフP等に付着させて、これを使用することができる。
【0061】
また、本実施形態のコンパクト容器1によれば、連絡空間S1内において吐出孔4aと対向する部分に、下方移動した操作部33に上方に向けた付勢力を与える付勢部5cが設けられている。このため、操作部33の押し下げを解除したときに、付勢部5cが、操作部33を押し下げ前の元の位置まで安定して戻す。つまり、弾性変形させられた操作部33が復元変形することを、付勢部5cがアシストする。これにより、内容器2から連絡空間S1へと内容物が安定して吸い込まれ、次に操作部33を押し下げたときの内容物の吐出量を安定させることができる。
【0062】
さらに、付勢部5cには、吐出孔4a内に挿通された軸部5dと、軸部5dの上端から径方向外側に向けて突出する突出部5eと、が形成されている。このため、吐出孔4aの近傍が下方に押下されたとしても、吐出孔4aが閉塞されてしまうことが抑えられ、より確実に内容物を吐出させることができる。
さらに、例えば内容物が吐出孔4aから上方に向けて勢いよく吐出されたとしても、この内容物が突出部5eの下面に当たることで、内容物の流動方向が上向きから径方向外側へと変わる。従って、内容物が吐出孔4aから勢いよく噴出する現象の発生を抑えることができる。
【0063】
さらに、突出部5eの下面には、上方に向けて窪む溝部5fが形成されている。このため、上方に弾性変形した第2弁体4bが突出部5eの下面に当接した場合でも、溝部5fによって吐出孔4aと外部空間とが連通し、内容物の流通路が確保される。従って、より確実に内容物を吐出させることができる。また、複数の溝部5fが軸部5dから放射状に延びていることで、内容物をバランスよく操作部33上に吐出させることができる。
【0064】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0065】
例えば、溝部5fの形状や数は適宜変更してもよい。あるいは、突出部5eに溝部5fが形成されていなくてもよい。
また、前記実施形態では、第2弁体4bが操作部33と一体に形成されていたが、第2弁体4bは操作部33と別体であってもよい。
また、前記実施形態では軸部5dと付勢部5cとが一体に形成されていたが、これらは別体であってもよい。
また、前記実施形態では第1弁体5bと付勢部5cとが一体に形成されていたが、これらは別体であってもよい。
また、前記実施形態では軸部5dの下端部が固定された構成を示したが、例えば軸部5dの上下方向における中間部等が固定されてもよい。
【0066】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。