特許第6987032号(P6987032)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6987032-魚釣り用スナップ開閉具 図000002
  • 特許6987032-魚釣り用スナップ開閉具 図000003
  • 特許6987032-魚釣り用スナップ開閉具 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6987032
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】魚釣り用スナップ開閉具
(51)【国際特許分類】
   A01K 97/00 20060101AFI20211213BHJP
【FI】
   A01K97/00 M
   A01K97/00 Z
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-157327(P2018-157327)
(22)【出願日】2018年8月24日
(65)【公開番号】特開2020-28271(P2020-28271A)
(43)【公開日】2020年2月27日
【審査請求日】2020年8月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】399073218
【氏名又は名称】株式会社しいの食品
(74)【代理人】
【識別番号】100109553
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】椎野 雅之
【審査官】 佐藤 智子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0089353(US,A1)
【文献】 特開2008−030183(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3137408(JP,U)
【文献】 特開2016−137562(JP,A)
【文献】 特開2002−142632(JP,A)
【文献】 実開平04−130163(JP,U)
【文献】 特開2004−130397(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 97/00
B25B 27/20
B25B 9/02
A61B 17/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体が金属よりなり、爪を有する先端把持部と、指をあてる部分と、後端部とを有し、先端の把持部の両爪に切り欠き部を有し、後端部は曲げによりUの字を描いており、全体を握り、指をあてる部分を押すことにより弾力が生じ、両爪の切り欠き部は、指をあてる部分を押して両爪を閉止した状態において、両爪の切り欠き部同士が合わさって空間となっていることが正面から見てわかるように配置されている魚釣り用スナップ開閉具。
【請求項2】
両爪の切り欠き部は、市販の魚釣り用スナップのU字状フック金属線を係止可能な切り欠き幅である請求項1に記載の魚釣り用スナップ開閉具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は魚釣り用スナップ開閉具に関する。
【背景技術】
【0002】
釣りはレジャーとしての人気が高まり、一部のマニアのものから幅広い層に親しまれるようになってきている。釣り糸には先糸と道糸がある。先糸は道糸と仕掛け(釣り針、おもりなどをセットにしたもの)の間に付ける釣り糸である道糸は釣り竿のリールに巻いている釣り糸のことであり、両糸は太さがことなる。
【0003】
前記先糸と道糸とを容易に結べるように、中間にサルカンという両側に輪のついた金具が使われる。サルカンは糸の連結に加え、金具が回転するように作られており、糸のひねりを取るという働きがある。ひねりをとることにより、餌の回転をなくし食いつきをよくする、直結よりも強度が安定し食いちぎられてもサルカンより下に限られるなどの利点がある。さらに下部にスナップのあるスナップ付きサルカンが開発されており容易にかつ迅速に仕掛けのセットや交換が可能なので、釣り糸を結び慣れていない初心者でも確実に取り付けることができるため人気が高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特快2002−142824公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スナップ付きサルカンは上記利点がある一方で、押して開き、再度押して閉めるスナップ部の直径1ミリメートルに満たない細い針金状の形状から開閉が難しい。その上、力が必要であり、また確実に閉めずに失敗した例なども絶えない。力のある男性でもうまくはずれないこともあるので、多くの女性にとってスナップは非常に扱いにくいものとなっている。寒く手がかじかんでいる状態でなくても、うまくスナップをはずしたり、装着したりすることは難しい。スナップの開閉を親指の爪で行う男性も多いが、爪が割れることもあるので、爪に化粧をする女性には扱えないのである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はそのような課題を解決するため、小型軽量で持ち運びが容易で、釣り用のウェアーのポケット等に簡単に入れることができ、かつ取出しも簡単であり、男性女性にかかわらず、スナップの開閉を容易にする魚釣り用スナップ開閉具を提供する。
【0007】
具体的に本発明では、海等水に触れる機会の多い場所でも耐久力があり、スナップを挟んで開閉できる魚釣り用スナップ開閉具を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、釣り用スナップを用いる釣りにおいて男女どちらも容易に使用できて、釣りの楽しみを増加させる魚釣り用スナップ開閉具を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】魚釣り用スナップ開閉具外観図(a)、開閉具先端図(b)
図2】先端を閉じた場合の正面図
図3】魚釣り用スナップと本発明の開閉具(a)、魚釣り用スナップの先端を本発明の開閉具が挟んだ状態の外観図断面図(b)、魚釣り用スナップの先端を本発明の開閉具が挟み押した状態で先端がカバーより外れている状態の説明図(c)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本件発明の実施形態を説明する。
<実施形態1>
【0011】
本発明の魚釣り用スナップ開閉具は全体(図1)がとげぬき様形態をなし、先端の把持部の両爪に切り欠き部(図1:0104)を有する。図1は本特許の魚釣り用スナップ開閉具の外観図であり、先端部(図1:0101)には上記のように上下に切り欠き部(図1:0104)がある。先端部に対し、後端部(図1:0103)は金属が曲げによりUの字を描いており、全体を握り、指をあてる部分(図1:0102)を押すことにより、弾力が感じられる。すなわち先端部は指をあてる部分に必要な力が加わっていない場合、上下が離れる構造となっている。
【0012】
魚釣り用スナップ開閉具の寸法は、全長が60から130ミリメートルである。幅(図1:0105)は3から12ミリメートルである。切り欠き部の形状は図1図2にはU字型で描かれているが、この形だけでなくV字型、半円状等その他が可能である。V字状の場合にはスナップの金属線径が多様であっても切り欠きに係止し易いために便利である。またU字状であっても、U字の底の部分が穏やかなカーブを描いていると、V字状の切り欠きがある場合と同様の効果を得ることができる。切り欠き部の幅(図1:0110)は0.3から3.0ミリメートルで、切り欠き部の高さ(図1:0109)は0.5から3.0ミリメートルがよい。それぞれ下限値がこれよりも小さくなるとスナップの金属線をつかみ損ねることが多くなり、上限値がこれを超えるとスナップの金属線が切り欠き内で遊びを持ちすぎるからである。ちなみに、スナップの金属線の直径としては、スナップの大小にもよるが、小さいスナップで0.3ミリメートル程度、大きいスナップで1.5ミリメートル程度であり、前記下限値は小さいスナップ向け、前記上限値は大きいスナップ向けである。なお、切り欠きがV字状の場合には、V字の交差角度が30度から60度程度が好ましい。30度よりも急角度であると、太い線径のスナップをつかみづらくなり、60度よりも広角であると、つかんだスナップにがたつきが生じやすい。なおV字の開口部分は0.5ミリから2.5ミリの範囲が最適である。これよりも狭いとスナップが零れ落ちる場合が多くなり、2.5ミリよりも広くなるとスナップを把持した際にがたつきが大きくなる。
【0013】
上下の先端部(図1:0106)の距離は通常3から14ミリメートル程度となる。下限値3ミリメートルよりも小さくなると、スナップの金属線を爪と爪の間に挿入しがたく、逆に上限値の14ミリメートルよりも大きくなるとスナップの金属線を挟むために狙いにくくなる。先端部の付け根部(図1:0107)の距離は通常が6から17ミリメートルであり、閉じた場合は3〜4ミリメートルとなる。先端部の最大開き幅(図1:0106)は通常が5から15ミリメートルであり、最大は15から30ミリメートルである。後端部の幅(図1:0108)は3から8ミリメートルである。
【0014】
魚釣り用スナップ開閉具の材質はステンレス鋼等錆に対して強い金属が使用される。釣りに使用されることからさびない材料であるか、防錆処理がされていることが好ましくステンレスはさびにくい点で適している。防錆処理としては金属表面に酸化被覆を付すことが考えられる。
<実施形態2>
【0015】
本発明の魚釣り用スナップ開閉具の先端に配置される両爪の切り欠き部(図2:0204、0205)は両爪を閉止した場合に合わさる位置に配置されている。
【0016】
図2(0200)は魚釣り用スナップ開閉具の閉止した状態を正面から見たものである。ここで上側の先端の爪(図2:0201)と下側の先端の爪(図2:0202)が閉止されると上側の爪の切り欠き部と下側の爪の切り欠き部が合わさり、先端部にスナップを挟み込む空間となっていることがわかる。前記の状態は、上下の指の圧力(図2:0203)により切り欠き部が合わさることを示している。
<実施形態3>
【0017】
本発明の魚釣り用スナップ開閉具の両爪の切り欠き部は、市販の魚釣り用スナップのU字状フック金属線を係止可能な切り欠き幅となっている。
【0018】
図3図3:0300)は本発明の魚釣り用スナップ開閉具の動作を、魚釣り用スナップと関連させて説明している。図3(a)は魚釣り用スナップ(図3:0302)の先端に本発明の魚釣り用スナップ開閉具(図3:0301)の先端が近付き並んでいる状態である。開閉具はまだスナップに接触しておらず、これからスナップの開閉が行なわれる状態である。
【0019】
図3(b)は前記図3(a)の状況から一歩進み、魚釣り用スナップ開閉器(図3:0302)が魚釣り用スナップの先端(図3:0303)に当てられている状態であるが、まだ魚釣り用スナップ開閉器には力が加えられていない。
【0020】
図3(c)は前記図3(b)の、魚釣り用スナップの先端に魚釣り用スナップ開閉器が当てられている状態から、さらに魚釣り用スナップ開閉器(図3:0304)に力がかかり、スナップ先端(図3:0305)が押されてカバー(図3:0306)から外れている状態を示している。この状態で魚釣り用スナップを交換することが可能となる。図3(c)により、魚釣り用スナップ交換が終了すると、再び図3(a)に戻り、次の作業を待機する。以上が魚釣りスナップ開閉器と魚釣りスナップの動きとなる。
【符号の説明】
【0021】
0101:魚釣り用スナップ開閉器先端部
0102:魚釣り用スナップ開閉器握り部
0103:魚釣り用スナップ開閉器後端部
0104:魚釣り用スナップ開閉器先端爪先部
0105:上側の幅
0106:通常の先端開閉幅
0107:通常の先端付け根部の幅
0108:通常の後端部の幅
0109:切り欠き部の高さ
0110:切り欠き部の幅
0201:魚釣り用スナップ開閉器先端部正面図
0202:魚釣り用スナップ開閉器先端部爪先
0203:上下からの圧力
0204:上側の切り欠き部
0205:下側の切り欠き部
0206:切り欠き部を合わせた際の長さ
0301:通常時のスナップ開閉器先端図
0303:スナップに充てた際のスナップ開閉器先端図
0305:スナップに力をかけて枠から外す時のナップ開閉器先端図
0302:魚釣り用スナップ図
0304:スナップ開閉器の先端をあてた状態のスナップ図
0306:スナップ開閉器の力で枠から外れた状態のスナップ図
0307:魚釣り用スナップのカバー
図1
図2
図3