【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によると、前記目的は、身体の表面上の場所の表面運動と身体内の対象の対象運動との間の関係を決定する装置により達成され、前記装置は、
‐前記表面運動を有する前記身体の前記表面上の前記場所に配置された第1の要素の位置を示す第1の位置信号を取得するように構成された第1の感知ユニットと、
‐介入装置に取り付けられ、前記対象の上又は中に配置された第2の要素の位置を示す第2の位置信号を取得するように構成された第2の感知ユニットであって、前記第1の位置信号及び前記第2の位置信号が、所定の持続時間中に同期して取得される、当該第2の感知ユニットと、
‐前記第1の位置信号及び前記第2の位置信号に基づいて前記表面運動と前記対象運動との間の関係を計算する第3のユニットと、
を有する。
【0007】
この装置を用いて、前記対象運動は、前記介入装置に取り付けられた前記第2の要素の位置信号に基づいて、例えば前記介入装置に取り付けられた前記第2の要素を身体内の前記対象の上又は中に単純に配置することによって、直接的に測定される。より具体的には、前記第2要素は、前記介入装置の先端に取り付けられる。前記介入装置の先端が、前記対象の表面に穿刺する場合、前記身体表面運動と前記対象運動との間の関係を規定する代理モデルを構築するモデル化段階が、トリガされる。前記介入装置は、前記モデル化段階において身体内の同じ場所に留まり、これにより、前記第2の要素が、前記対象とともに移動し、前記第2の要素によって感知された運動が、例えば呼吸効果のために内部の対象運動のみから生じる。同時に、身体表面に配置された前記第1の要素によって感知された第1の位置信号の位置は、各呼吸深さに同期して捕捉される。このような直接的な対象運動測定は、スペックル追跡技術が、超音波画像から前記対象の運動を追跡するために使用されることができるが、前記超音波画像のスペックルノイズ及び劣悪な画像品質が、前記対象の運動追跡の精度を制限し、このような不正確さが、呼吸運動補償の失敗の主な原因であるという本願の発明者の発見に基づいて提案される。 更に、本発明は、介入装置追跡の目的で前記介入装置に通常取り付けられている前記第2の要素を利用することによって、直接的な前記対象の運動測定を実行する。より具体的には、前記介入装置の位置を追跡する代わりに、前記介入装置に取り付けられた前記第2の要素が、前記代理モデルを構築するために前記対象運動を直接測定するように切り替えられる。代理モデル構築が完了すると、前記介入装置に取り付けられた前記第2の要素は、通常の介入装置追跡に戻すように切り替えられる。追加の対象運動測定のために前記介入装置に通常取り付けられている前記第2の要素を利用することによって、余分なハードウェア及び/又はソフトウェアが導入されず、前記第2の要素を前記対象の上又は中に配置するために余分な手術が行われない。結果として、前記対象表面運動と前記内部対象運動との間の関係を決定する、より費用対効果が高く、ユーザフレンドリでロバストな装置が、達成される。
【0008】
前記第1の位置情報及び前記第2の位置情報は、適切な感知ユニットを選択することによって正確に取得することができる。これは、呼吸運動によって引き起こされる身体内の対象の位置変化を検出する精度を改善する。
【0009】
この後に、前記取得された第1の位置情報及び第2の位置情報に基づいて、前記身体表面運動と前記対象運動との関係を構築することが、高い精度を有する。
【0010】
本発明の一実施例は、
‐前記第1の感知ユニットが、前記身体の表面の領域に向かって第1の所定の信号を生成するように構成された第1の信号ユニットを有し、
‐前記第1の要素が、前記表面上及び前記表面の領域内に配置されるように構成された第1の受信器を有し、
‐前記第1の感知ユニットが、第1の受信器によって感知された前記第1の所定の信号に基づいて前記第1の位置信号を導出するように構成される、
装置である。
【0011】
前記第1の受信器を身体の表面上に置くことは、操作が容易であり、身体の表面の位置を示す信号を高精度で検出することを可能にする。
【0012】
本発明の実施例は、前記第1の位置信号と、前記第1の信号ユニットによって生成された前記第1の所与の信号とに基づいて前記第1の位置情報を導出するように構成された装置である。
【0013】
本発明の一実施例は、
‐前記第2の感知ユニットが、前記対象に向かって第2の所定の信号を生成するように構成された第2の信号ユニットを有し、
‐前記第2の要素が、前記対象の上又は中に配置されるように構成された第2の受信器を有し、
‐前記第2の感知ユニットが、前記第2の受信器によって感知された前記第2の所与の信号に基づいて前記第2の位置信号を導出するように構成される、
装置である。
【0014】
前記第2の受信器を身体内の前記対象の上又は中に置くことは、前記対象の位置を示す信号を高精度に検出することを可能にする。
【0015】
本発明の一実施例は、前記第2の位置信号と、前記第2の信号ユニットによって生成された前記第2の所定の信号とに基づいて前記第2の位置情報を導出するように構成された装置である。
【0016】
前記第2の位置情報を導出することは、身体内の前記対象の直接位置情報を得ることを可能にする。
【0017】
本発明の一実施例は、以下のような装置である。
‐前記第1の信号ユニットが、電磁場発生器であり、
‐前記第1の受信器が、コイルであり、
‐前記装置が、前記第1の受信器で生成された電圧を測定するように構成されている。
【0018】
前記コイルを患者の身体上に置くことは、ユーザにとって操作しやすく、患者にとって安全である。磁界を発生させることは、治療処置全体の間に適用される場合、ユーザにとって操作が容易であり、患者にとって安全である。
【0019】
本発明の一実施例は、以下の装置である。
‐前記第2の信号ユニットは、超音波プローブを有し、
‐前記第2の受信器は、超音波音響センサであり、
‐前記装置は、(i)前記第2の受信器によって検出されたビームと、(ii)前記ビームを検出するための対応する持続時間とを識別するように構成される。
【0020】
前記超音波音響センサを患者身体内の対象内に置くことは、前記患者にとって安全である。超音波信号を生成することは、治療処置全体に適用される場合、ユーザにとって操作が容易であり、患者にとって安全である。加えて、前記音響センサを使用することにより、前記音響センサの2D/3D位置は、超音波撮像ビームが従来の撮像パルスエコー取得中に視野を掃引するので、前記音響センサにより受信された前記超音波撮像ビームを処理することによって得られ、角度位置情報は、最大振幅で前記音響センサに当たる超音波ビームの角度方向を処理することにより導出され、範囲情報は、これらのビームの出射から前記介入装置に取り付けられた前記音響センサによる受信までの飛行時間から導出される。音響追跡及びパルスエコー超音波撮像の両方が、同じ超音波ビームを使用するので、前記音響センサの位置及び超音波画像のバイアスなしの相互位置合わせは、音響追跡システム、例えばEMセンサのEMベースの追跡のための外部電磁場発生器を装備する必要なく、設計によって達成される。競争力の高い追跡精度に加えて、音響ベースの追跡は、より費用対効果が高く、反干渉、例えば反電磁干渉である。本発明の一実施例は、測定された電圧及び電磁的な位置決め計算に基づいて前記第1の受信器の前記第1の位置情報を導出するように構成された装置である。
【0021】
所与のマッピングを使用することは、前記第1の受信器において生成された電流と、前記第1の所与の信号、すなわち電磁気ユニットによって生成される磁場の領域内の対応する位置情報との間の接続に基づいて正確に前記第1の位置情報を導出することを可能にする。
【0022】
本発明の一実施例は、
‐前記対応する持続時間及び所与の速度に基づいて、前記第2の受信器から前記第2の信号ユニットまでの距離を計算し、
‐前記距離及び前記ビームの情報に基づいて前記第2の受信器の前記第2の位置情報を導出する、
ように構成された装置である。
【0023】
上記の装置を使用することは、前記超音波信号の所与の速度及び前記超音波音響センサによって感知された信号に基づいて、前記第2のセンサの位置情報を正確に導出することを可能にする。
【0024】
本発明の一実施例は、計算のための前記第3のユニットが、非線形フィッティング、ニューラルネットワーク、又は論理回帰を含む機械学習アルゴリズムに基づいて身体の表面上の場所の運動と前記対象の運動との間の関係を計算するように構成された装置である。
【0025】
機械学習アルゴリズムを適用することは、運動関係を計算する自動アプローチを提供する。
【0026】
本発明による装置の他の実施例において、前記介入装置に取り付けられた前記第2の要素は、前記介入装置の位置を追跡するように更に構成される。更に、前記装置は、前記表面運動と前記対象運動との間の関係の決定の完了時に、前記第2の要素の運動を対象運動測定から介入装置追跡に切り替えるように構成される。前記第2の受信器を前記介入装置に取り付けることは、前記介入装置を前記対象に挿入するときに、前記第2の受信器を前記患者の体内の前記対象の上又は中に配置することを可能にし、これは、前記対象の上又は中に配置するのに余計な手術が実行されないので、患者の快適性を改善する。また、前記介入装置に通常取り付けられている前記第2の要素を、通常の介入装置追跡から追加の対象運動測定に切り替えることにより、余分なハードウェア及び/又はソフトウェアが導入されず、費用効果の高い解決策を提供する。
【0027】
本発明による装置の他の実施例において、前記所与の持続時間は、生体の身体の少なくとも1つの呼吸周期であるように選択される。
【0028】
前記少なくとも1つの呼吸周期の情報は、呼吸周期内で完全な運動情報を得ることを可能にする。したがって、呼吸周期内の完全な運動関係が、導出され得る。
【0029】
本発明による装置の他の実施例において、前記装置は、前記第2の位置信号に基づいて、少なくとも前記対象の所与の画像及び前記第2の要素の位置情報を表示するディスプレイに接続されるように構成される。
【0030】
前記ディスプレイは、少なくとも前記対象の画像及び前記第2の要素の位置情報を画面上で視覚化することを可能にする。
【0031】
本発明の第2の態様によると、身体の表面上の場所の表面運動と身体内の対象の対象運動との間の関係を決定するための方法が、提供され、前記方法は、
‐前記表面運動を有する前記身体の前記表面上の前記場所に配置された第1の要素の位置を示す第1の位置信号を取得する第1のステップと、
‐介入装置に取り付けられ、前記対象の上又は中に配置された第2の要素の位置を示す第2の位置信号を取得する第2のステップであって、前記第1の位置信号及び前記第2の位置信号が、所与の持続時間の間に同期して取得される、当該第2のステップと、
‐前記第1の位置信号及び前記第1の位置信号に基づいて、前記表面運動と前記対象運動との間の関係を計算する第3のステップと、
を有する。
【0032】
本発明の詳細な説明及び他の態様が、以下に示される。
【0033】
本発明の特定の態様は、同一の部分又はサブステップが、同様に指定される添付の図面に関連して、以下に記載及び検討される実施例を参照して例により説明される。