特許第6987041号(P6987041)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6987041脊髄性筋萎縮症におけるエクソン包含のための修飾アンチセンスオリゴマー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6987041
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】脊髄性筋萎縮症におけるエクソン包含のための修飾アンチセンスオリゴマー
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/113 20100101AFI20211213BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20211213BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20211213BHJP
   A61K 31/675 20060101ALI20211213BHJP
   A61K 47/64 20170101ALI20211213BHJP
【FI】
   C12N15/113 ZZNA
   A61P21/00
   A61P43/00 111
   A61P43/00 105
   A61K31/675
   A61K47/64
【請求項の数】15
【全頁数】230
(21)【出願番号】特願2018-510718(P2018-510718)
(86)(22)【出願日】2016年8月26日
(65)【公表番号】特表2018-525015(P2018-525015A)
(43)【公表日】2018年9月6日
(86)【国際出願番号】US2016048965
(87)【国際公開番号】WO2017040271
(87)【国際公開日】20170309
【審査請求日】2019年8月22日
(31)【優先権主張番号】62/379,696
(32)【優先日】2016年8月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/211,678
(32)【優先日】2015年8月28日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515192368
【氏名又は名称】サレプタ セラピューティクス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】パッシーニ, マルコ エー.
(72)【発明者】
【氏名】ハンソン, ガンナー ジェイ.
【審査官】 佐久 敬
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−504650(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/120450(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/169243(WO,A2)
【文献】 国際公開第2014/113540(WO,A1)
【文献】 特表2012−530715(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0329772(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/086207(WO,A1)
【文献】 特表2015−523854(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/035460(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N
A61K
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(V):
【化302】
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の化合物または薬学的に許容されるその塩であって、
式中、
各Nuは、一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり;
Zは、6〜38の整数であり;
各Yは、Oおよび−NRから独立に選択され、式中、各Rは、H、C〜Cアルキル、アラルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNRC(=NH)NH、−C(O)(CHNHC(O)(CHNRC(=NH)NH、およびGから独立に選択され、式中、Rは、HおよびC〜Cアルキルから選択され、nは、1〜5の整数であり;
Tは、OHおよび式:
【化303】
[この文献は図面を表示できません]

の部分から選択され、式中、
Aは、−OH、−N(RおよびRから選択され、式中、
各Rは、HおよびC〜Cアルキルから独立に選択され、
は、電子対およびHから選択され、そして
は、OH、−N(R)CHC(O)NH、および式:
【化304】
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の部分から選択され、式中、
は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
10は、G、−C(O)−R11OH、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR12C(=NH)NH、および−C(O)(CHNHC(O)(CHNR12C(=NH)NHから選択され、式中、
mは、1〜5の整数であり、
11は、式−(O−アルキル)−を有し、式中、yは、3〜10の整数であり、
y個のアルキル基の各々は、C〜Cアルキルから独立に選択され;
12は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
の各例は、
−N(R1314[式中、各R13は、HおよびC〜Cアルキルから独立に選択され、そしてR14は電子対およびHから選択される];
式(II):
【化305】
[この文献は図面を表示できません]

の部分[式中、
15は、H、G、C〜Cアルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR18C(=NH)NH、および−C(O)(CHNHC(O)(CHNR18C(=NH)NHから選択され、式中、
18は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
qは、1〜5の整数であり;
16は、電子対およびHから選択され;そして
各R17は、Hおよびメチルから独立に選択される];および
式(III):
【化306】
[この文献は図面を表示できません]

の部分[式中、
19は、H、C〜Cアルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR22C(=NH)NH、−C(O)CH(NH)(CHNHC(=NH)NH、−C(O)(CHNHC(O)(CHNR22C(=NH)NH、−C(O)CH(NH)(CHNH、およびGから選択され、式中、
22は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
rは、1〜5の整数であり、
20は、HおよびC〜Cアルキルから選択され、R21は、電子対およびHから選択される]
から独立に選択され;
は、G、H、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、およびC〜Cアルキルから選択され、
ここで、Gは、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNHC(O)(CHNH−CPP、および−C(O)CHNH−CPPから選択される細胞透過性ペプチド(「CPP」)およびリンカー部分であるか、またはGは、式:
【化307】
[この文献は図面を表示できません]

を有し、式中、該CPPは、Gの最大で1つの例が存在するという条件で、該CPPのカルボキシ末端において、アミド結合により、リンカー部分に結合しており、
該ターゲティング配列は、(a)配列番号37を含むか、または(b)配列番号35および37から選択され、
ここで、以下の条件のうちの少なくとも1つが存在する:
)少なくとも1つのRが式(II)または式(III)であるか、あるいは
b)RがGであるか、またはTが
【化308】
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である、化合物または薬学的に許容されるその塩。
【請求項2】
Tが式:
【化309】
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であり、RがHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
各R
【化310】
[この文献は図面を表示できません]
および−N(CHから独立に選択され、Tが
【化311】
[この文献は図面を表示できません]

であり、RがHであり、ここで、少なくとも1つのR
【化312】
[この文献は図面を表示できません]

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
各R
【化313】
[この文献は図面を表示できません]

および−N(CHから独立に選択され、Tが
【化314】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RがHであり、ここで、少なくとも1つのR
【化315】
[この文献は図面を表示できません]

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
がGであり、Tが式:
【化317】
[この文献は図面を表示できません]

であり、各Rが−N(CHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
がHおよびアシルから選択され、Tが式:
【化318】
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であり、各Rが−N(CHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
Gが式:
【化319】
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であり、式中、RがH、アセチル、ベンゾイルおよびステアロイルから選択される、請求項5または6に記載の化合物。
【請求項8】
前記ターゲティング配列が、配列番号35および37から選択される、請求項1からのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
前記ターゲティング配列が配列番号37である、請求項1からのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
前記ターゲティング配列が配列番号35である、請求項1からのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
Zが16〜23の整数であり、前記ターゲティング配列が配列番号35および37から選択される、請求項1からのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
Zが16であり、前記ターゲティング配列が配列番号35である、請求項1からのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
Zが23であり、前記ターゲティング配列が配列番号37である、請求項1からのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
式(V):
【化320】
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の化合物または薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物であって、
式中、
各Nuは、一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり;
Zは、6〜38の整数であり;
各Yは、Oおよび−NRから独立に選択され、式中、各Rは、H、C〜Cアルキル、アラルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNRC(=NH)NH、−C(O)(CHNHC(O)(CHNRC(=NH)NH、およびGから独立に選択され、式中、Rは、HおよびC〜Cアルキルから選択され、nは、1〜5の整数であり;
Tは、OHおよび式:
【化321】
[この文献は図面を表示できません]

の部分から選択され、式中、
Aは、−OH、−N(RおよびRから選択され、式中、
各Rは、HおよびC〜Cアルキルから独立に選択され、
は、電子対およびHから選択され、そして
は、OH、−N(R)CHC(O)NH、および式:
【化322】
[この文献は図面を表示できません]

の部分から選択され、式中、
は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
10は、G、−C(O)−R11OH、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR12C(=NH)NH、および−C(O)(CHNHC(O)(CHNR12C(=NH)NHから選択され、式中、
mは、1〜5の整数であり、
11は、式−(O−アルキル)−を有し、式中、yは、3〜10の整数であり、
y個のアルキル基の各々は、C〜Cアルキルから独立に選択され;
12は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
の各例は、
−N(R1314[式中、各R13は、HおよびC〜Cアルキルから独立に選択され、そしてR14は電子対およびHから選択される];
式(II):
【化323】
[この文献は図面を表示できません]

の部分[式中、
15は、H、G、C〜Cアルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR18C(=NH)NH、および−C(O)(CHNHC(O)(CHNR18C(=NH)NHから選択され、式中、
18は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
qは、1〜5の整数であり;
16は、電子対およびHから選択され;そして
各R17は、Hおよびメチルから独立に選択される];および
式(III):
【化324】
[この文献は図面を表示できません]

の部分[式中、
19は、H、C〜Cアルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR22C(=NH)NH、−C(O)CH(NH)(CHNHC(=NH)NH、−C(O)(CHNHC(O)(CHNR22C(=NH)NH、−C(O)CH(NH)(CHNH、およびGから選択され、式中、
22は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
rは、1〜5の整数であり、
20は、HおよびC〜Cアルキルから選択され、R21は、電子対およびHから選択される]
から独立に選択され;
は、G、H、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、およびC〜Cアルキルから選択され、
ここで、Gは、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNHC(O)(CHNH−CPP、および−C(O)CHNH−CPPから選択される細胞透過性ペプチド(「CPP」)およびリンカー部分であるか、またはGは、式:
【化325】
[この文献は図面を表示できません]

を有し、式中、該CPPは、Gの最大で1つの例が存在するという条件で、該CPPのカルボキシ末端において、アミド結合により、リンカー部分に結合しており、
該ターゲティング配列は、(a)配列番号37を含むか、または(b)配列番号35および37から選択され、
ここで、以下の条件のうちの少なくとも1つが存在する:
)少なくとも1つのRが式(II)または式(III)であるか、あるいは
b)RがGであるか、またはTが
【化326】
[この文献は図面を表示できません]

である、医薬組成物。
【請求項15】
式(V):
【化327】
[この文献は図面を表示できません]

の化合物または薬学的に許容されるその塩を含む、脊髄性筋萎縮症の処置を必要とする対象において脊髄性筋萎縮症を処置するための組成物であって、
式中、
各Nuは、一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり;
Zは、6〜38の整数であり;
各Yは、Oおよび−NRから独立に選択され、式中、各Rは、H、C〜Cアルキル、アラルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNRC(=NH)NH、−C(O)(CHNHC(O)(CHNRC(=NH)NH、およびGから独立に選択され、式中、Rは、HおよびC〜Cアルキルから選択され、nは、1〜5の整数であり;
Tは、OHおよび式:
【化328】
[この文献は図面を表示できません]

の部分から選択され、式中、
Aは、−OH、−N(RおよびRから選択され、式中、
各Rは、HおよびC〜Cアルキルから独立に選択され、
は、電子対およびHから選択され、そして
は、OH、−N(R)CHC(O)NH、および式:
【化329】
[この文献は図面を表示できません]

の部分から選択され、式中、
は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
10は、G、−C(O)−R11OH、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR12C(=NH)NH、および−C(O)(CHNHC(O)(CHNR12C(=NH)NHから選択され、式中、
mは、1〜5の整数であり、
11は、式−(O−アルキル)−を有し、式中、yは、3〜10の整数であり、
y個のアルキル基の各々は、C〜Cアルキルから独立に選択され;
12は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
の各例は、
−N(R1314[式中、各R13は、HおよびC〜Cアルキルから独立に選択され、そしてR14は電子対およびHから選択される];
式(II):
【化330】
[この文献は図面を表示できません]

の部分[式中、
15は、H、G、C〜Cアルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR18C(=NH)NH、および−C(O)(CHNHC(O)(CHNR18C(=NH)NHから選択され、式中、
18は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
qは、1〜5の整数であり;
16は、電子対およびHから選択され;そして
各R17は、Hおよびメチルから独立に選択される];および
式(III):
【化331】
[この文献は図面を表示できません]

の部分[式中、
19は、H、C〜Cアルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR22C(=NH)NH、−C(O)CH(NH)(CHNHC(=NH)NH、−C(O)(CHNHC(O)(CHNR22C(=NH)NH、−C(O)CH(NH)(CHNH、およびGから選択され、式中、
22は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
rは、1〜5の整数であり、
20は、HおよびC〜Cアルキルから選択され、R21は、電子対およびHから選択される]
から独立に選択され;
は、G、H、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、およびC〜Cアルキルから選択され、
ここで、Gは、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNHC(O)(CHNH−CPP、および−C(O)CHNH−CPPから選択される細胞透過性ペプチド(「CPP」)およびリンカー部分であるか、またはGは、式:
【化332】
[この文献は図面を表示できません]

を有し、式中、該CPPは、Gの最大で1つの例が存在するという条件で、該CPPのカルボキシ末端において、アミド結合により、リンカー部分に結合しており、
該ターゲティング配列は、(a)配列番号37を含むか、または(b)配列番号35および37から選択され、
ここで、以下の条件のうちの少なくとも1つが存在する:
)少なくとも1つのRが式(II)または式(III)であるか、あるいは
b)RがGであるか、またはTが
【化333】
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である、組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本国際出願は、2015年8月28日に出願された米国仮出願第62/211,678号および2016年8月25日に出願された米国仮出願第62/379,696号に対する優先権を主張し、これらのそれぞれは、その全体が参考として本明細書に援用される。
【0002】
機能的な生存運動ニューロン(SMN)タンパク質の発現レベルを増大させるための方法、脊髄性筋萎縮症(SMA)を処置するための方法、およびSMAのための処置としてエクソン包含を誘導するための方法を含む、修飾アンチセンスオリゴマーならびに関連の組成物および方法が開示される。さらに、SMN遺伝子によってコードされるSMNタンパク質のレベルを回復させるためのエクソン7の包含を誘導するための方法が開示される。
【背景技術】
【0003】
アンチセンス技術は近年、メッセンジャーRNA前駆体(プレmRNA)のスプライシング過程を変更するように適応している。プレmRNAとは、転写として公知の過程を介して、DNA転写物から合成されるメッセンジャーRNAの未成熟一本鎖である。プレmRNA転写物は、2つの異なるセグメント型である、イントロンおよびエクソンを含む。イントロンは、スプライソソーム複合体により一般になされる、スプライシングと呼ばれる過程において除去される。残りのエクソンは、一体に接続され、最終的な成熟mRNA分子の一部となる。
【0004】
イントロン/エクソンスプライシングの正確な過程は、イントロン領域内の、多様な構造エレメントを伴う。これらは、イントロンの5’末端に位置するイントロンスプライスドナー部位、イントロンの3’末端近傍に位置する分岐部位、およびイントロンの3’末端に位置するスプライスアクセプター部位を含む。スプライスドナー部位は一般に、エクソン/イントロン接合部の5’末端において、保存的GU配列を含む。スプライスアクセプター部位は一般に、イントロン/エクソン接合部の3’末端において、AG配列を含む。
【0005】
スプライシング過程の変異は、mRNA内のエクソン組成を変異させることにより、結果として生じるmRNAの変異を創出する場合があり、選択的スプライシングと称することが多い過程である。選択的スプライシングは、多くの形で生じうる。エクソンは、延長される場合もあり、スキップされる場合もある。イントロンの一部が保持される場合もある。選択的スプライシングは、単一の遺伝子から複数のタンパク質を産生することにより、ヒトゲノムのコード潜在力を増加させる。不適切な選択的スプライシングはまた、ヒト疾患数の増加とも関連する。
【0006】
SMAは、生存運動ニューロンSMN遺伝子によってコードされるSMNタンパク質の喪失から生じる、多くの場合致死性の遺伝性障害である。SMN遺伝子、SMN1およびSMN2は、第5染色体に位置付けられており、SMAは両染色体由来のSMN1の喪失によって生じる。SMN2は、SMN1とほとんど同一であるが、SMNタンパク質を作製する効果がより低い。SMAの重症度は、いくつかのコピーがあるSMN2がSMNタンパク質を産生する効率によって影響を受ける。
【0007】
SMN1は、細胞生存のために必須の工程である、snRNPの組み立てのために必要である、遍在的に発現される38kDa SMNタンパク質をコードしている。ほとんど同一のコピーの遺伝子であるSMN2は、エクソン7スキッピングのためにSMN1の喪失を代償できず、不安定な切断型タンパク質であるSMNΔ7を産生する。SMN1およびSMN2は、エクソン7の6位におけるCからTへの決定的な置換だけ異なっている(SMN2の転写物中のC6U)。C6Uは、コード配列を変化させないが、SMN2においてエクソン7スキッピングを生じるのに十分である。
【0008】
SMAに対する現在の処置は、慢性運動単位喪失の二次的影響の予防および管理からなる。現在、SMAの処置または予防のために利用可能な薬物療法はない。
【0009】
RNA下方制御のために主に使用されるアンチセンス技術は、スプライシングプロセスを変えるように近年適応されている。SMN2プレmRNAのスプライシングを変えることができる有効な薬剤は、治療的に有用である可能性が高い。
【0010】
したがって、新規のアンチセンスオリゴマーおよび本明細書に記載する通りの機能的なSMNタンパク質の発現を増加させる方法は、有利であると考えられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
ある特定の態様では、本開示は、機能的なSMNタンパク質の発現を増大させるための組成物および方法を提供する。さらなる態様では、本開示は、被験体におけるエクソン7含有SMN2 mRNAのレベルを増強するための多様に記載される修飾アンチセンスオリゴマーを提供する。さらなる態様では、本開示は、SMN2プレmRNA内の領域に特異的にハイブリダイズするのに十分な長さおよび相補性を有する修飾アンチセンスオリゴマーを投与するステップを含む、被験体においてエクソン7含有SMN2 mRNAのレベルを増強する方法を提供する。ある特定の態様では、被験体は、SMAを有する。
【0012】
多様な態様は、(i)修飾ヌクレオシド間連結、(ii)修飾糖部分、または(iii)前出の組合せを有するヌクレオチド類似体である、少なくとも1つのサブユニットと;SMN2遺伝子のイントロン6、エクソン7、イントロン7またはエクソン8内の領域(またはスプライス接合部をまたぐ領域)などのSMN2プレmRNA内の8またはこれを超える連続ヌクレオチドの標的領域と相補的なターゲティング配列とを任意選択で含む8〜40サブユニットの修飾アンチセンスオリゴマーを含む。さらなる態様では、修飾アンチセンスオリゴマーは、細胞取り込みを増強するペプチド部分をさらに含む。
【0013】
さらなる態様は、(i)修飾ヌクレオシド間連結、(ii)修飾糖部分、および(iii)SMN2プレmRNAのイントロン6またはイントロン7に相補的なターゲティング配列を有するヌクレオチド類似体である少なくとも1つのサブユニットを含む8〜40サブユニットの修飾アンチセンスオリゴマーを含む。さらなる態様では、アンチセンスオリゴマーは、SMN2プレmRNAのイントロン7の−7/−14、−7/−16、−10/−27、−10/−29、−10/−34、−137/−159、−149/−174、−167/−186、−249/−273もしくは−281/−299領域またはイントロン6の−58/−39、−112/−67もしくは−264/−245領域に相補的な配列を含む。一部の態様では、修飾アンチセンスオリゴマーは、SMN2プレmRNAのイントロン7の−10/−27、−10/−29または−10/−34領域に相補的な配列を含む。
【0014】
さらなる態様は、(i)修飾ヌクレオシド間連結、(ii)修飾糖部分、および(iii)配列番号4〜16から選択される配列を含むターゲティング配列を有するヌクレオチド類似体である少なくとも1つのサブユニットを含む8〜40サブユニットの修飾アンチセンスオリゴマーを含む。一部の態様では、アンチセンスオリゴマーは、配列番号6、7および8から選択される配列を含む。
【0015】
さらなる態様は、修飾糖部分を含むヌクレオチド類似体サブユニットを有する、修飾アンチセンスオリゴマーを含む。多様な実施形態では、少なくとも1つの修飾糖部分は、ペプチド核酸(PNA)サブユニット、ロックト核酸(LNA)サブユニット、2’O,4’C−エチレン架橋核酸(ENA)サブユニット、トリシクロDNA(tc−DNA)サブユニット、2’O−メチルサブユニット、2’O−メトキシエチルサブユニット、2’−フルオロサブユニット、2’−O−[2−(N−メチルカルバモイル)エチル]サブユニット、およびモルホリノサブユニットを含む。一部の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、少なくとも1つの修飾糖部分を有し、ここで、少なくとも1つの修飾糖部分は、モルホリノサブユニットである。
【0016】
さらなる態様は、修飾ヌクレオシド間連結を含むヌクレオチド類似体サブユニットを有する、修飾アンチセンスオリゴマーを含む。多様な実施形態では、修飾ヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結、ホスホルアミデートヌクレオシド間連結、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結、およびホスホロトリアミデートヌクレオシド間連結から選択される。さらなる実施形態では、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結は、(1,4−ピペラジン)−1−イル部分、置換(1,4−ピペラジン)−1−イル部分、4−アミノピペリジン−1−イル部分、または置換4−アミノピペリジン−1−イル部分に共有結合したリン原子を含む。
【0017】
さらなる態様は、修飾糖部分と修飾ヌクレオシド間連結との少なくとも1つの組合せを含む、ヌクレオチド類似体サブユニットを有する、修飾アンチセンスオリゴマーを含み、ここで、1または複数のサブユニットは、
任意選択で、ホスホルアミデートヌクレオシド間連結、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結、ホスホロトリアミデートヌクレオシド間連結もしくはホスホロチオエートヌクレオシド間連結で置換された、モルホリノサブユニット、
任意選択で、ホスホルアミデートヌクレオシド間連結、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結、もしくはホスホロチオエートヌクレオシド間連結で置換された、2’O−メチルサブユニット、
任意選択で、ホスホルアミデートヌクレオシド間連結、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結、もしくはホスホロチオエートヌクレオシド間連結で置換された、2’O−メトキシエチルサブユニット、
任意選択で、ホスホルアミデートヌクレオシド間連結、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結、もしくはホスホロチオエートヌクレオシド間連結で置換された、2’−フルオロサブユニット、
任意選択で、ホスホルアミデートヌクレオシド間連結、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結、もしくはホスホロチオエートヌクレオシド間連結で置換された、2’O,4’C−エチレン架橋核酸サブユニット、
任意選択で、ホスホルアミデートヌクレオシド間連結、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結、もしくはホスホロチオエートヌクレオシド間連結で置換された、2’−O−[2−(N−メチルカルバモイル)エチル]サブユニット、
任意選択で、ホスホルアミデートヌクレオシド間連結、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結、もしくはホスホロチオエートヌクレオシド間連結で置換された、トリシクロDNAサブユニット、
任意選択で、ホスホルアミデートヌクレオシド間連結、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結、もしくはホスホロチオエートヌクレオシド間連結で置換された、ロックト核酸サブユニット、
ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結をさらに含み、ホスホロジアミデートのリン原子を、モルホリノ環の窒素原子に共有結合させ、かつ、(1,4−ピペラジン)−1−イル部分、もしくは置換(1,4−ピペラジン)−1−イル部分に共有結合させたモルホリノサブユニット、
ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結をさらに含み、ホスホロジアミデートのリン原子を、モルホリノ環の窒素原子に共有結合させ、かつ、4−アミノピペリジン−1−イル(4−aminopiperdin−1−yl)部分、もしくは置換4−アミノピペリジン−1−イル部分に共有結合させたモルホリノサブユニット、
ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結をさらに含み、ホスホロジアミデートのリン原子を、モルホリノ環の窒素原子に共有結合させ、かつ、ジメチルアミノ部分に共有結合させたモルホリノサブユニット、
ホスホロチオエートヌクレオシド間もしくはホスホルアミデートヌクレオシド間連結で置換された、リボース糖サブユニット、
ホスホロチオエートヌクレオシド間連結もしくはホスホルアミデートヌクレオシド間連結で置換された、デオキシリボース糖サブユニット、
任意選択で置換された、ペプチド核酸サブユニット、
または前出の任意の組合せから選択される。
【0018】
多様な態様および実施形態では、アンチセンスオリゴマーは、アンチセンスオリゴマーに共有結合したペプチドをさらに含む。多様な実施形態では、アルギニンに富む細胞透過性ペプチドは、アンチセンスオリゴマーの3’末端または5’末端にコンジュゲートしている。
【0019】
多様な実施形態では、アンチセンスオリゴマーは、以下:表1に明示されたターゲティング配列、表1のターゲティング配列のうちの、少なくとも8連続ヌクレオチドの断片、または表1のターゲティング配列に対する、少なくとも90%の配列同一性を有する改変体のうちのいずれかを含む。さらなる実施形態では、アンチセンスオリゴマーは、表1に明示されたターゲティング配列からなるかまたはこれらから本質的になる。
【0020】
多様な態様および実施形態では、ヌクレオチドサブユニットのヌクレオ塩基は、アデニン、グアニン、チミン、ウラシル、シトシン、イノシン、ヒポキサンチン、2,6−ジアミノプリン、5−メチルシトシン、C5−プロピニル修飾ピリミジン、および10−(9−(アミノエトキシ)フェノキサジニル)から独立に選択される。
【0021】
多様な態様では、本開示のアンチセンスオリゴマーは、式(I):
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物または薬学的に許容されるその塩[式中、
各Nuは、一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり;
Zは、6〜38の整数であり;
各Yは、Oおよび−NRから独立に選択され、式中、各Rは、H、C〜Cアルキル、アラルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNRC(=NH)NH、−C(O)(CHNHC(O)(CHNRC(=NH)NH、およびGから独立に選択され、式中、Rは、HおよびC〜Cアルキルから選択され、nは、1〜5の整数であり;
Tは、OHおよび式:
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
の部分から選択され、式中、
Aは、−OHおよび−N(Rから選択され、式中、
各Rは、HおよびC〜Cアルキルから独立に選択され、
は、電子対およびHから選択され、そして
は、OH、−N(R)CHC(O)NH、および式:
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
の部分から選択され、式中、
は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
10は、G、−C(O)−R11OH、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR12C(=NH)NH、および−C(O)(CHNHC(O)(CHNR12C(=NH)NHから選択され、式中、
mは、1〜5の整数であり、
11は、式−(O−アルキル)−を有し、式中、yは、3〜10の整数であり、
y個のアルキル基の各々は、C〜Cアルキルから独立に選択され;
12は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
の各例(instance)は、
−N(R1314[式中、各R13は、HおよびC〜Cアルキルから独立に選択され、そしてR14は電子対およびHから選択される];
式(II):
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
の部分[式中、
15は、H、G、C〜Cアルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR18C(=NH)NH、および−C(O)(CHNHC(O)(CHNR18C(=NH)NHから選択され、式中、
18は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
qは、1〜5の整数であり;
16は、電子対およびHから選択され;そして
各R17は、Hおよびメチルから独立に選択される];および
式(III):
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
の部分[式中、
19は、H、C〜Cアルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR22C(=NH)NH、−C(O)CH(NH)(CHNHC(=
NH)NH、−C(O)(CHNHC(O)(CHNR22C(=NH)NH、−C(O)CH(NH)(CHNH、およびGから選択され、式中、
22は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
rは、1〜5の整数であり、
20は、HおよびC〜Cアルキルから選択され、R21は、電子対およびHから選択される]
から独立に選択され;
は、H、G、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、C〜Cアルキル、−C(=NH)NH、−C(O)−R23、−C(O)(CHNR24C(=NH)NH、−C(O)(CHNHC(O)(CHNR24C(=NH)NH、−C(O)CH(NH)(CHNHC(=NH)NH、および式:
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
の部分から選択され、式中、
23は、式−(O−アルキル)−OHを有し、式中、vは、3〜10の整数であり、v個のアルキル基の各々は、C〜Cアルキルから独立に選択され;
24は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
sは、1〜5の整数であり;
Lは、−C(O)(CHC(O)−および−C(O)(CH(CHC(O)−から選択され;
各R25は、式−(CHOC(O)N(R26を有し、式中、各R26は、式−(CHNHC(=NH)NHを有し、
ここで、Gは、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNHC(O)(CHNH−CPP、および−C(O)CHNH−CPPから選択される細胞透過性ペプチド(「CPP」)およびリンカー部分であるか、またはGは、式:
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、式中、CPPは、Gの最大で1つの例が存在するという条件で、CPPのカルボキシ末端において、アミド結合により、リンカー部分に結合しており、
ここで、ターゲティング配列は、SMN2プレmRNA内の標的領域内の、8またはこれを超える連続ヌクレオチドと相補的である]
である。一部の実施形態では、連続ヌクレオチドは、SMN2プレmRNAのイントロン6またはイントロン7内の8またはこれを超える連続ヌクレオチドの標的領域を含む。
多様な実施形態では、Nuは独立に、アデニン、グアニン、チミン、ウラシル、シトシン、イノシン、ヒポキサンチン、2,6−ジアミノプリン、5−メチルシトシン、C5−プロピニル修飾ピリミジン、または10−(9−(アミノエトキシ)フェノキサジニル)である。
【0022】
多様な実施形態では、ターゲティング配列は、(a)配列番号4〜16から選択される配列を含むか、(b)配列番号4〜16から選択されるか、(c)配列番号4〜16から選択されるターゲティング配列のうちの、少なくとも8連続ヌクレオチドの断片であるか、または、(d)配列番号4〜16から選択されるターゲティング配列に対する、少なくとも90%の配列同一性を有する改変体であり、ここで、各Xは、ウラシル(U)またはチミン(T)から独立に選択され、各Yは、シトシン(C)または5−メチルシトシン(5mC)から独立に選択される。一部の実施形態では、配列番号4〜16の各Xはチミン(T)であり、配列番号4〜16の各Yはシトシン(C)である。
【0023】
一部の実施形態では、式(I)のターゲティング配列は、
a)配列番号7(XYAYXXXYAXAAXGYXGG)(Zは16である)、
b)配列番号8(AXXYAYXXXYAXAAXGYXGG)(Zは18である)、および
c)配列番号6(GXAAGAXXYAYXXXYAXAAXGYXGG)(Zは23である)、
から選択され、ここで、各Xは、ウラシル(U)またはチミン(T)から独立に選択され、各Yは、シトシン(C)または5−メチルシトシン(5mC)から独立に選択される。一部の実施形態では、配列番号6〜8の各Xはチミン(T)であり、配列番号6〜8の各Yはシトシン(C)である。
【0024】
種々の実施形態では、ターゲティング配列の少なくとも1つのXはTである。種々の実施形態では、ターゲティング配列の各XはTである。
【0025】
種々の実施形態では、ターゲティング配列の少なくとも1つのXはUである。種々の実施形態では、ターゲティング配列の各XはUである。
【0026】
種々の実施形態では、ターゲティング配列の少なくとも1つのYは5mCである。種々の実施形態では、ターゲティング配列の各Yは5mCである。
【0027】
種々の実施形態では、ターゲティング配列の少なくとも1つのYはCである。種々の実施形態では、ターゲティング配列の各YはCである。
【0028】
種々の実施形態では、配列番号4〜16の少なくとも1つのXはTである。種々の実施形態では、配列番号4〜16の各XはTである。
【0029】
種々の実施形態では、ターゲティング配列の少なくとも1つのXはUである。種々の実施形態では、配列番号4〜16の各XはUである。
【0030】
種々の実施形態では、配列番号4〜16の少なくとも1つのYは5mCである。種々の実施形態では、配列番号4〜16の各Yは5mCである。
【0031】
種々の実施形態では、配列番号4〜16の少なくとも1つのYはCである。種々の実施形態では、配列番号4〜16の各YはCである。
【0032】
多様な実施形態では、式(I)のRは、−N(CHである。一部の実施形態では、R基のうちの約50〜約90%は、−N(CHである。一部の実施形態では、少なくとも1つのRは、
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0033】
多様な実施形態では、Tは、式:
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、Aは、−N(CHであり、Rは、式:
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、式中、R10は、−C(O)R11OHである。
【0034】
多様な実施形態では、アンチセンスオリゴマーは、式(V):
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物または薬学的に許容されるその塩[式中、
各Nuは、一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり;
Zは、6〜38の整数であり;
各Yは、Oおよび−NRから独立に選択され、式中、各Rは、H、C〜Cアルキル、アラルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNRC(=NH)NH、−C(O)(CHNHC(O)(CHNRC(=NH)NH、およびGから独立に選択され、式中、Rは、HおよびC〜Cアルキルから選択され、nは、1〜5の整数であり;
Tは、OHおよび式:
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
の部分から選択され、式中、
Aは、−OH、−N(RおよびRから選択され、式中、
各Rは、HおよびC〜Cアルキルから独立に選択され、
は、電子対およびHから選択され、そして
は、OH、−N(R)CHC(O)NH、および式:
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
の部分から選択され、式中、
は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
10は、G、−C(O)−R11OH、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR12C(=NH)NH、および−C(O)(CHNHC(O)(CHNR12C(=NH)NHから選択され、式中、
mは、1〜5の整数であり、
11は、式−(O−アルキル)−を有し、式中、yは、3〜10の整数であり、
y個のアルキル基の各々は、C〜Cアルキルから独立に選択され;
12は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
の各例(instance)は、
−N(R1314[式中、各R13は、HおよびC〜Cアルキルから独立に選択され、そしてR14は電子対およびHから選択される];
式(II):
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
の部分[式中、
15は、H、G、C〜Cアルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR18C(=NH)NH、および−C(O)(CHNHC(O)(CHNR18C(=NH)NHから選択され、式中、
18は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
qは、1〜5の整数であり;
16は、電子対およびHから選択され;そして
各R17は、Hおよびメチルから独立に選択される];および
式(III):
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
の部分[式中、
19は、H、C〜Cアルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR22C(=NH)NH、−C(O)CH(NH)(CHNHC(=
NH)NH、−C(O)(CHNHC(O)(CHNR22C(=NH)NH、−C(O)CH(NH)(CHNH、およびGから選択され、式中、
22は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
rは、1〜5の整数であり、
20は、HおよびC〜Cアルキルから選択され、R21は、電子対およびHから選択される]
から独立に選択され;
は、G、H、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、およびC〜Cアルキルから選択され、式中、Gは、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNHC(O)(CHNH−CPP、および−C(O)CHNH−CPPから選択される細胞透過性ペプチド(「CPP」)およびリンカー部分であるか、またはGは式
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、該CPPは、Gの最大で1つの例が存在するという条件で、該CPPのカルボキシ末端において、アミド結合により、リンカー部分に結合しており、
以下の条件のうち少なくとも1つが存在する:
a)少なくとも1つのRは式(II)または式(III)である、または
b)RはGであるか、またはTは
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0035】
種々の実施形態では、化合物(V)のターゲティング配列は、(a)配列番号4〜16から選択される配列を含むか、(b)配列番号4〜16から選択されるか、(c)配列番号4〜16から選択される配列のうちの、少なくとも8連続ヌクレオチドの断片であるか、または(d)配列番号4〜16から選択される配列に対する、少なくとも90%の配列同一性を有する改変体であり、ここで、各Xは、(U)またはチミン(T)から独立に選択され、各Yはシトシン(C)または5−メチルシトシン(5mC)から独立に選択される。一部の実施形態では、配列番号4〜16の各Xはチミン(T)であり、配列番号4〜16の各Yはシトシン(C)である。
【0036】
一部の実施形態では、式(V)のターゲティング配列は、
a)配列番号7(XYAYXXXYAXAAXGYXGG)(Zは16である)、
b)配列番号8(AXXYAYXXXYAXAAXGYXGG)(Zは18である)、および
c)配列番号6(GXAAGAXXYAYXXXYAXAAXGYXGG)(Zは23である)
から選択され、ここで、各Xは、ウラシル(U)またはチミン(T)から独立に選択され、各Yは、シトシン(C)または5−メチルシトシン(5mC)から独立に選択される。一部の実施形態では、配列番号6〜8の各Xはチミン(T)であり、配列番号6〜8の各Yはシトシン(C)である。
【0037】
種々の実施形態では、ターゲティング配列の少なくとも1つのXはTである。種々の実施形態では、ターゲティング配列の各XはTである。
【0038】
種々の実施形態では、ターゲティング配列の少なくとも1つのXはUである。種々の実施形態では、ターゲティング配列の各XはUである。
【0039】
種々の実施形態では、ターゲティング配列の少なくとも1つのYは5mCである。種々の実施形態では、ターゲティング配列の各Yは5mCである。
【0040】
種々の実施形態では、ターゲティング配列の少なくとも1つのYはCである。種々の実施形態では、ターゲティング配列の各YはCである。
【0041】
種々の実施形態では、配列番号4〜16の少なくとも1つのXはTである。種々の実施形態では、配列番号4〜16の各XはTである。
【0042】
種々の実施形態では、ターゲティング配列の少なくとも1つのXはUである。種々の実施形態では、配列番号4〜16の各XはUである。
【0043】
種々の実施形態では、配列番号4〜16の少なくとも1つのYは5mCである。種々の実施形態では、配列番号4〜16の各Yは5mCである。
【0044】
種々の実施形態では、配列番号4〜16の少なくとも1つのYはCである。種々の実施形態では、配列番号4〜16の各YはCである。
【0045】
一部の実施形態では、ターゲティング配列は配列番号4〜16から選択される。
【0046】
多様な実施形態では、アンチセンスオリゴマーは、細胞取込みを増強するペプチド部分をさらに含む。
【0047】
種々の態様では、SMN2プレmRNA内の標的領域における8またはそれより多くの連続ヌクレオチドに相補的なターゲティング配列を含む修飾アンチセンスオリゴマーが提供される。一部の実施形態では、連続ヌクレオチドは、SMN2プレmRNAのイントロン6またはイントロン7内の8またはそれより多くの連続ヌクレオチドの標的領域を含む。一部の実施形態では、ターゲティング配列は、(a)配列番号4〜16のうちの1つを含むか、(b)配列番号4〜16から選択されるか、(c)配列番号4〜16から選択される配列のうちの、少なくとも8連続ヌクレオチドの断片であるか、または(d)配列番号4〜16から選択される配列に対する、少なくとも90%の配列同一性を有する改変体であり、ここで、各Xは、ウラシル(U)またはチミン(T)から独立に選択され、各Yは、シトシン(C)または5−メチルシトシン(5mC)から独立に選択される。種々の実施形態では、ターゲティング配列は、配列番号4〜16を含む。
【0048】
また、生理学的に許容される担体と、本明細書で記載される修飾アンチセンスオリゴマーとを含む医薬組成物も含まれる。
【0049】
多様な態様は、それを必要とする被験体において、脊髄性筋萎縮症(SMA)を処置する方法であって、それを必要とする被験体に、有効量の、本明細書で記載される修飾アンチセンスオリゴマーを投与するステップを含む方法に関する。そのような方法は、エクソン欠失SMN2 mRNAに対するエクソン7含有SMN2 mRNAのレベルが増強され、それにより患者を処置するように、SMN2遺伝子内の領域に特異的にハイブリダイズするのに十分な長さおよび相補性を有するヌクレオチド配列を含む修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドを患者に投与するステップを含む。多様な実施形態では、アンチセンスオリゴマーは、本明細書で記載される通りの修飾アンチセンスオリゴマーを含む。さらなる実施形態では、アンチセンスオリゴマーは、モルホリノ部分を含む。
【0050】
機能的な生存運動ニューロン(SMN)タンパク質の発現を増大させるための方法は、それを必要とする被験体に修飾アンチセンスオリゴマーを投与するステップを含み、ここで、修飾アンチセンスオリゴマーは、SMN2プレmRNAの標的領域に結合し、機能的なSMNタンパク質の発現が増大される。エクソン7を含有するSMN2 mRNAの発現が、増大される。多様な実施形態では、標的はSMN2プレmRNAのイントロン6またはイントロン7内の領域である。さらなる実施形態では、標的領域は、SMN2プレmRNAのイントロン7内の領域である。さらなる実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、モルホリノ部分を含む。
【0051】
種々の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーを投与することは、エクソン7を有するSMN2のmRNAの量における少なくとも約5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%の増大をもたらす。
【0052】
種々の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーを投与することは、発現される機能的SMNタンパク質の量における少なくとも約5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または100%の増大をもたらす。
【0053】
脊髄性筋萎縮症(SMA)を処置するための医薬であって、(i)修飾ヌクレオシド間連結、(ii)修飾糖部分、または(iii)前出の組合せを有するヌクレオチド類似体である少なくとも1つのサブユニットと;SMN2プレmRNA内の標的領域中の8またはこれを超える連続ヌクレオチドと相補的なターゲティング配列であって、連続ヌクレオチドが、SMN2プレmRNAのイントロン6またはイントロン7内の8またはこれを超える連続ヌクレオチドの標的領域を含む、ターゲティング配列とを含む8〜40サブユニットの修飾アンチセンスオリゴマー化合物を含む医薬が提供される。一部の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、モルホリノ部分を含む。
【0054】
脊髄性筋萎縮症(SMA)の進行を阻害する方法は、SMN2プレmRNAの標的領域に結合し、機能的なSMNタンパク質の翻訳を増大させる本明細書で記載される通りの修飾アンチセンスオリゴマーを投与するステップを含む。一部の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、モルホリノ部分を含む。
【0055】
それを必要とする被験体において脊髄性筋萎縮症を処置する方法は、多様な実施形態では、有効量の本開示の修飾アンチセンスオリゴマーを被験体に投与するステップを含み、ここで、修飾アンチセンスオリゴマーは、SMN2プレmRNAの標的領域に結合し、機能的なSMNタンパク質の発現が増大される。さらなる態様は、脊髄性筋萎縮症を処置するための医薬の調製において使用するための修飾アンチセンスオリゴマーを含む。一部の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、モルホリノ部分を含む。
【0056】
ある特定の実施形態では、本明細書で記載される方法は、有効量の本開示の修飾アンチセンスオリゴマーを被験体に投与することによって、被験体における機能的なSMNタンパク質の発現レベルを対照と比べて少なくとも約10%だけ増大させるステップを含む。一部の実施形態では、被験体における機能的なSMNタンパク質のレベルは、少なくとも約5、10、20、30、40、50、60、70、80、90および100%だけ増大される。
【0057】
以下の詳細な記載および添付の図面を参照すれば、本開示のこれらの態様および他の態様が明らかとなるであろう。本明細書で開示される全ての参考文献は、あたかも各々が個別に組み込まれたように、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
8〜40サブユニットの修飾アンチセンスオリゴマー化合物であって、
a.(i)修飾ヌクレオシド間連結、(ii)修飾糖部分、または(iii)前出のものの組合せを有するヌクレオチド類似体である、少なくとも1つのサブユニットと;
b.SMN2プレmRNA内の標的領域中の8またはこれを超える連続ヌクレオチドと相補的なターゲティング配列であって、前記標的領域がSMN2プレmRNAのイントロン6またはイントロン7内の領域を含む、ターゲティング配列と
を含む、修飾アンチセンスオリゴマー化合物。
(項目2)
前記修飾ヌクレオシド間連結が、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結、ホスホルアミデートヌクレオシド間連結、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結、ホスホロトリアミデートヌクレオシド間連結、またはホスホロジアミデートから選択され、ここで、リン原子は、(1,4−ピペラジン)−1−イル部分、置換(1,4−ピペラジン)−1−イル部分、4−アミノピペリジン−1−イル部分、または置換4−アミノピペリジン−1−イル部分に共有結合している、項目1に記載の修飾アンチセンスオリゴマー化合物。
(項目3)
前記修飾糖部分が、ペプチド核酸(PNA)サブユニット、ロックト核酸(LNA)サブユニット、2’O,4’C−エチレン架橋核酸(ENA)サブユニット、トリシクロDNA(tc−DNA)サブユニット、2’O−メチルサブユニット、2’O−メトキシエチルサブユニット、2’−フルオロサブユニット、2’−O−[2−(N−メチルカルバモイル)エチル]サブユニット、またはモルホリノサブユニットのうちの少なくとも1つを含む、項目1または2に記載の修飾アンチセンスオリゴマー化合物。
(項目4)
前記修飾アンチセンスオリゴマー化合物の3’末端または5’末端にコンジュゲートしたアルギニンに富む細胞透過性ペプチドをさらに含む、項目1〜3のいずれかに記載の修飾アンチセンスオリゴマー化合物。
(項目5)
前記ターゲティング配列が、配列番号4〜16または33〜45から選択される、項目1〜4のいずれか一項に記載の修飾アンチセンスオリゴマー化合物。
(項目6)
前記サブユニットの各々のヌクレオ塩基が独立に、アデニン、グアニン、チミン、ウラシル、シトシン、イノシン、ヒポキサンチン、2,6−ジアミノプリン、5−メチルシトシン、C5−プロピニル修飾ピリミジン、または10−(9−(アミノエトキシ)フェノキサジニル)から選択される、項目1から4のいずれか一項に記載の修飾アンチセンスオリゴマー。
(項目7)
式(V):
【化302】
[この文献は図面を表示できません]

の化合物または薬学的に許容されるその塩であって、
式中、
各Nuは、一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり;
Zは、6〜38の整数であり;
各Yは、Oおよび−NRから独立に選択され、式中、各Rは、H、C〜Cアルキル、アラルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNRC(=NH)NH、−C(O)(CHNHC(O)(CHNRC(=NH)NH、およびGから独立に選択され、式中、Rは、HおよびC〜Cアルキルから選択され、nは、1〜5の整数であり;
Tは、OHおよび式:
【化303】
[この文献は図面を表示できません]

の部分から選択され、式中、
Aは、−OH、−N(RおよびRから選択され、式中、
各Rは、HおよびC〜Cアルキルから独立に選択され、
は、電子対およびHから選択され、そして
は、OH、−N(R)CHC(O)NH、および式:
【化304】
[この文献は図面を表示できません]

の部分から選択され、式中、
は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
10は、G、−C(O)−R11OH、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR12C(=NH)NH、および−C(O)(CHNHC(O)(CHNR12C(=NH)NHから選択され、式中、
mは、1〜5の整数であり、
11は、式−(O−アルキル)−を有し、式中、yは、3〜10の整数であり、
y個のアルキル基の各々は、C〜Cアルキルから独立に選択され;
12は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
の各例は、
−N(R1314[式中、各R13は、HおよびC〜Cアルキルから独立に選択され、そしてR14は電子対およびHから選択される];
式(II):
【化305】
[この文献は図面を表示できません]

の部分[式中、
15は、H、G、C〜Cアルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR18C(=NH)NH、および−C(O)(CHNHC(O)(CHNR18C(=NH)NHから選択され、式中、
18は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
qは、1〜5の整数であり;
16は、電子対およびHから選択され;そして
各R17は、Hおよびメチルから独立に選択される];および
式(III):
【化306】
[この文献は図面を表示できません]

の部分[式中、
19は、H、C〜Cアルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR22C(=NH)NH、−C(O)CH(NH)(CHNHC(=NH)NH、−C(O)(CHNHC(O)(CHNR22C(=NH)NH、−C(O)CH(NH)(CHNH、およびGから選択され、式中、
22は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
rは、1〜5の整数であり、
20は、HおよびC〜Cアルキルから選択され、R21は、電子対およびHから選択される]
から独立に選択され;
は、G、H、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、およびC〜Cアルキルから選択され、
ここで、Gは、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNHC(O)(CHNH−CPP、および−C(O)CHNH−CPPから選択される細胞透過性ペプチド(「CPP」)およびリンカー部分であるか、またはGは、式:
【化307】
[この文献は図面を表示できません]

を有し、式中、該CPPは、Gの最大で1つの例が存在するという条件で、該CPPのカルボキシ末端において、アミド結合により、リンカー部分に結合しており、
該ターゲティング配列は、(a)配列番号4〜16から選択される配列を含むか、(b)配列番号4〜16または33〜45から選択されるか、(c)配列番号4〜16または33〜45から選択されるターゲティング配列のうちの、少なくとも8連続ヌクレオチドの断片であるか、または、(d)配列番号4〜16または33〜45から選択されるターゲティング配列に対する、少なくとも90%の配列同一性を有する改変体であり、ここで、各Xは、ウラシル(U)またはチミン(T)から独立に選択され、各Yは、シトシン(C)または5−メチルシトシン(5mC)から独立に選択され、
ここで、以下の条件のうちの少なくとも1つが存在する:
a)Rの少なくとも1つが式(II)または式(III)であるか、あるいは
b)RがGであるか、またはTが
【化308】
[この文献は図面を表示できません]

である、化合物または薬学的に許容されるその塩。
(項目8)
Tが式:
【化309】
[この文献は図面を表示できません]

であり、RがHである、項目7に記載の化合物。
(項目9)
各R
【化310】
[この文献は図面を表示できません]

および−N(CHから独立に選択され、Tが
【化311】
[この文献は図面を表示できません]

であり、RがHであり、ここで、少なくとも1つのR
【化312】
[この文献は図面を表示できません]

である、項目7に記載の化合物。
(項目10)
各R
【化313】
[この文献は図面を表示できません]

および−N(CHから独立に選択され、Tが
【化314】
[この文献は図面を表示できません]

であり、RがHであり、ここで、少なくとも1つのR
【化315】
[この文献は図面を表示できません]

である、項目7に記載の化合物。
(項目11)
各Rが−N(CHであり、RがHおよびアシルから選択され、Tが式:
【化316】
[この文献は図面を表示できません]

である、項目7に記載の化合物。
(項目12)
がGであり、Tが式:
【化317】
[この文献は図面を表示できません]

であり、各Rが−N(CHである、項目7に記載の化合物。
(項目13)
がHまたはアシルから選択され、Tが式:
【化318】
[この文献は図面を表示できません]

であり、各Rが−N(CHである、項目7に記載の化合物。
(項目14)
Gが式:
【化319】
[この文献は図面を表示できません]

であり、式中、RがH、アセチル、ベンゾイルおよびステアロイルから選択される、項目11、12または13のいずれか一項に記載の化合物。
(項目15)
前記ターゲティング配列が、配列番号35、36または37から選択される、項目1から14のいずれか一項に記載の化合物。
(項目16)
前記ターゲティング配列が配列番号37である、項目1から15のいずれか一項に記載の化合物。
(項目17)
前記ターゲティング配列が配列番号35である、項目1から15のいずれか一項に記載の化合物。
(項目18)
前記ターゲティング配列が配列番号36である、項目1から15のいずれか一項に記載の化合物。
(項目19)
Zが16〜23の整数であり、前記ターゲティング配列が配列番号35、36または37から選択される、項目7から14のいずれか一項に記載の化合物。
(項目20)
Zが16であり、前記ターゲティング配列が配列番号35である、項目7から15のいずれか一項に記載の化合物。
(項目21)
Zが18であり、前記ターゲティング配列が配列番号36である、項目7から15のいずれか一項に記載の化合物。
(項目22)
Zが23であり、前記ターゲティング配列が配列番号37である、項目7から15のいずれか一項に記載の化合物。
(項目23)
式(V):
【化320】
[この文献は図面を表示できません]

の化合物または薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物であって、
式中、
各Nuは、一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり;
Zは、6〜38の整数であり;
各Yは、Oおよび−NRから独立に選択され、式中、各Rは、H、C〜Cアルキル、アラルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNRC(=NH)NH、−C(O)(CHNHC(O)(CHNRC(=NH)NH、およびGから独立に選択され、式中、Rは、HおよびC〜Cアルキルから選択され、nは、1〜5の整数であり;
Tは、OHおよび式:
【化321】
[この文献は図面を表示できません]

の部分から選択され、式中、
Aは、−OH、−N(RおよびRから選択され、式中、
各Rは、HおよびC〜Cアルキルから独立に選択され、
は、電子対およびHから選択され、そして
は、OH、−N(R)CHC(O)NH、および式:
【化322】
[この文献は図面を表示できません]

の部分から選択され、式中、
は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
10は、G、−C(O)−R11OH、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR12C(=NH)NH、および−C(O)(CHNHC(O)(CHNR12C(=NH)NHから選択され、式中、
mは、1〜5の整数であり、
11は、式−(O−アルキル)−を有し、式中、yは、3〜10の整数であり、
y個のアルキル基の各々は、C〜Cアルキルから独立に選択され;
12は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
の各例は、
−N(R1314[式中、各R13は、HおよびC〜Cアルキルから独立に選択され、そしてR14は電子対およびHから選択される];
式(II):
【化323】
[この文献は図面を表示できません]

の部分[式中、
15は、H、G、C〜Cアルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR18C(=NH)NH、および−C(O)(CHNHC(O)(CHNR18C(=NH)NHから選択され、式中、
18は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
qは、1〜5の整数であり;
16は、電子対およびHから選択され;そして
各R17は、Hおよびメチルから独立に選択される];および
式(III):
【化324】
[この文献は図面を表示できません]

の部分[式中、
19は、H、C〜Cアルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR22C(=NH)NH、−C(O)CH(NH)(CHNHC(=NH)NH、−C(O)(CHNHC(O)(CHNR22C(=NH)NH、−C(O)CH(NH)(CHNH、およびGから選択され、式中、
22は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
rは、1〜5の整数であり、
20は、HおよびC〜Cアルキルから選択され、R21は、電子対およびHから選択される]
から独立に選択され;
は、G、H、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、およびC〜Cアルキルから選択され、
ここで、Gは、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNHC(O)(CHNH−CPP、および−C(O)CHNH−CPPから選択される細胞透過性ペプチド(「CPP」)およびリンカー部分であるか、またはGは、式:
【化325】
[この文献は図面を表示できません]

を有し、式中、該CPPは、Gの最大で1つの例が存在するという条件で、該CPPのカルボキシ末端において、アミド結合により、リンカー部分に結合しており、
該ターゲティング配列は、(a)配列番号4〜16から選択される配列を含むか、(b)配列番号4〜16または33〜45から選択されるか、(c)配列番号4〜16または33〜45から選択されるターゲティング配列のうちの、少なくとも8連続ヌクレオチドの断片であるか、または、(d)配列番号4〜16または33〜45から選択されるターゲティング配列に対する、少なくとも90%の配列同一性を有する改変体であり、ここで、各Xは、ウラシル(U)またはチミン(T)から独立に選択され、各Yは、シトシン(C)または5−メチルシトシン(5mC)から独立に選択され、
ここで、以下の条件のうちの少なくとも1つが存在する:
c)Rの少なくとも1つが式(II)または式(III)であるか、あるいは
d)RがGであるか、またはTが
【化326】
[この文献は図面を表示できません]

である、医薬組成物。
(項目24)
有効量の式(V):
【化327】
[この文献は図面を表示できません]

の化合物または薬学的に許容されるその塩を対象に投与するステップを含む、脊髄性筋萎縮症の処置を必要とする該対象において脊髄性筋萎縮症を処置する方法であって、
式中、
各Nuは、一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり;
Zは、6〜38の整数であり;
各Yは、Oおよび−NRから独立に選択され、式中、各Rは、H、C〜Cアルキル、アラルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNRC(=NH)NH、−C(O)(CHNHC(O)(CHNRC(=NH)NH、およびGから独立に選択され、式中、Rは、HおよびC〜Cアルキルから選択され、nは、1〜5の整数であり;
Tは、OHおよび式:
【化328】
[この文献は図面を表示できません]

の部分から選択され、式中、
Aは、−OH、−N(RおよびRから選択され、式中、
各Rは、HおよびC〜Cアルキルから独立に選択され、
は、電子対およびHから選択され、そして
は、OH、−N(R)CHC(O)NH、および式:
【化329】
[この文献は図面を表示できません]

の部分から選択され、式中、
は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
10は、G、−C(O)−R11OH、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR12C(=NH)NH、および−C(O)(CHNHC(O)(CHNR12C(=NH)NHから選択され、式中、
mは、1〜5の整数であり、
11は、式−(O−アルキル)−を有し、式中、yは、3〜10の整数であり、
y個のアルキル基の各々は、C〜Cアルキルから独立に選択され;
12は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
の各例は、
−N(R1314[式中、各R13は、HおよびC〜Cアルキルから独立に選択され、そしてR14は電子対およびHから選択される];
式(II):
【化330】
[この文献は図面を表示できません]

の部分[式中、
15は、H、G、C〜Cアルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR18C(=NH)NH、および−C(O)(CHNHC(O)(CHNR18C(=NH)NHから選択され、式中、
18は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
qは、1〜5の整数であり;
16は、電子対およびHから選択され;そして
各R17は、Hおよびメチルから独立に選択される];および
式(III):
【化331】
[この文献は図面を表示できません]

の部分[式中、
19は、H、C〜Cアルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR22C(=NH)NH、−C(O)CH(NH)(CHNHC(=NH)NH、−C(O)(CHNHC(O)(CHNR22C(=NH)NH、−C(O)CH(NH)(CHNH、およびGから選択され、式中、
22は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
rは、1〜5の整数であり、
20は、HおよびC〜Cアルキルから選択され、R21は、電子対およびHから選択される]
から独立に選択され;
は、G、H、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、およびC〜Cアルキルから選択され、
ここで、Gは、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNHC(O)(CHNH−CPP、および−C(O)CHNH−CPPから選択される細胞透過性ペプチド(「CPP」)およびリンカー部分であるか、またはGは、式:
【化332】
[この文献は図面を表示できません]

を有し、式中、該CPPは、Gの最大で1つの例が存在するという条件で、該CPPのカルボキシ末端において、アミド結合により、リンカー部分に結合しており、
該ターゲティング配列は、(a)配列番号4〜16から選択される配列を含むか、(b)配列番号4〜16または33〜45から選択されるか、(c)配列番号4〜16または33〜45から選択されるターゲティング配列のうちの、少なくとも8連続ヌクレオチドの断片であるか、または、(d)配列番号4〜16または33〜45から選択されるターゲティング配列に対する、少なくとも90%の配列同一性を有する改変体であり、ここで、各Xは、ウラシル(U)またはチミン(T)から独立に選択され、各Yは、シトシン(C)または5−メチルシトシン(5mC)から独立に選択され、
ここで、以下の条件のうちの少なくとも1つが存在する:
a)Rの少なくとも1つが式(II)または式(III)であるか、あるいは
b)RがGであるか、またはTが
【化333】
[この文献は図面を表示できません]

である、方法。


【図面の簡単な説明】
【0058】
図1A図1Aは、修飾オリゴマーの実施形態を例示する。
図1B図1Bは、細胞透過性ペプチド(CPP)にコンジュゲートしたアンチセンスオリゴマーを例示する。
図1C図1Cは、細胞透過性ペプチド(CPP)にコンジュゲートしたアンチセンスオリゴマーを例示する。
図1DEFG図1D、1E、1F、および1Gは、D〜Gと称する、例示的なホスホロジアミデートモルホリノベースのオリゴマーの、反復サブユニットセグメントを例示する。
【0059】
図2A図2Aは、トリチルピペラジンフェニルカルバメートの調製を例示する。
図2B図2Bは、樹脂/試薬混合物の調製を例示する。
【0060】
図3図3は、イントロン7中の重複領域をターゲティングするホスホロジアミデートモルホリノベースのオリゴマー(PMOベースのオリゴマー)のインビトロのエクソン7包含率を示す。x軸に表される0.003μM〜10μMの複数の用量を、GM03813、SMA患者由来線維芽細胞で試験した。y軸に表されるエクソン7包含率は、エクソン7が包含された増幅産物およびエクソン7が排除された増幅産物の強度から算出した。
【0061】
図4図4は、イントロン7をターゲティングするPMOベースのオリゴマーのインビトロのエクソン7包含率を示す。x軸に表される0.01μM〜1μMの複数の用量を、GM03813線維芽細胞で試験した。y軸に表されるエクソン7包含率は、エクソン7が包含された増幅産物およびエクソン7が排除された増幅産物の強度から算出した。
【0062】
図5A図5Aおよび5Bは、異なる長さを有するPMOベースのオリゴマーのインビトロのエクソン7包含率を示す。18量体および20量体のデータは図5Aに示されており、18量体および25量体のデータは図5Bに示されている。0.001μM〜1μMの複数の用量をGM03813線維芽細胞で試験したが、x軸に表されている。y軸に表されるエクソン7包含率は、エクソン7が包含された増幅産物およびエクソン7が排除された増幅産物の強度から算出した。
図5B図5Aおよび5Bは、異なる長さを有するPMOベースのオリゴマーのインビトロのエクソン7包含率を示す。18量体および20量体のデータは図5Aに示されており、18量体および25量体のデータは図5Bに示されている。0.001μM〜1μMの複数の用量をGM03813線維芽細胞で試験したが、x軸に表されている。y軸に表されるエクソン7包含率は、エクソン7が包含された増幅産物およびエクソン7が排除された増幅産物の強度から算出した。
【0063】
図6図6は、異なる化学修飾を有するPMOベースのオリゴマーのインビトロのエクソン7包含率を示す。同じ領域をターゲティングする2’−OMe修飾アンチセンスオリゴマーを同様に試験した。x軸に表される0.003μM〜1μMの複数の用量を、GM03813線維芽細胞で試験した。y軸に表されるエクソン7包含率は、エクソン7が包含された増幅産物およびエクソン7が排除された増幅産物の強度から算出した。
【0064】
図7A図7Aは、異なる化学修飾を有するPMOベースのオリゴマーによって誘導した場合のエクソン7含有SMNタンパク質のウエスタンブロット分析を示す。PMOベースのオリゴマーと同じ領域をターゲティングする2’−OMe修飾アンチセンスオリゴマーを並行して試験した。SMN2タンパク質を、抗SMN抗体でブロットした。アクチンを、ローディング対照として抗アクチン抗体で検出した。
【0065】
図7B図7Bは、SMNタンパク質に対応するバンドの平均定量強度を図7Aに示す各実験群について表す。
【0066】
図8図8Aは、20μgのPMO、PMO−APN、PMO−PlusもしくはPMO−RGly化合物または生理食塩水のいずれかで処置したSMNΔ7マウスの生存曲線を示す。各マウスは、P1(出生翌日)に生理食塩水またはPMOベースのオリゴマーの脳室内(ICV)注射で処置した。各実験群の最初のマウス数と比較した任意の残りのマウスの百分率がy軸に表されている。図8Bは、実験を通しての各実験群の体重増加を示す。生理食塩水で処置した野生型マウスの群を参照として使用した。
【0067】
図9図9Aは、20μgのPMO−、PMO−APN、PMO−PlusもしくはPMO−R6Gly化合物または生理食塩水で処置したSMNΔ7マウスの立直り反射を示す。生理食塩水で処置した野生型マウスの群を参照として使用した。各マウスは、P1(出生翌日)に脳室内(ICV)注射で処置し、立直り反射試験は4日目から定期的に実施した。マウスが立ち上がるのに要した時間を測定したが、各実験群の平均時間がy軸に秒(s)で表されている。図9Bは、実験を通して定期的に測定した各実験群の握力試験を示す。メッシュを握るためにマウスがかけた力のピーク量を測定し、各群の平均力がy軸にグラム(g)で表されている。得られたデータは、PMOベースのオリゴマーのサブセットが平均力を野生型マウスのものに正常化したことを示している。具体的には、驚くべきことにPMO−APN、PMO−PlusおよびPMO−RGlyは、14日目からの研究期間を通しておよび延長された生存期間の間、握力を野生型マウスに正常化した。
【0068】
図10A図10Aは、図7Aで試験されたマウスから得られた試料中のエクソン7含有SMNタンパク質のウエスタンブロット分析を示す。SMN2タンパク質を、抗SMN抗体でブロットした。アクチンを、ローディング対照として抗アクチン抗体で検出した。W1〜W4は、4匹の異なる生理食塩水処置野生型マウス由来の頸髄試料を表している。S1〜S3は、3匹の異なる生理食塩水処置SMNΔ7マウス由来の頸髄試料を表している。A1は、PMO−3で処置したSMNΔ7マウスから得られた頸髄試料を表している。B1〜B6は、PMO−APN−16で処置した6匹の異なるSMNΔ7マウス由来の頸髄試料を表している。C1〜C2およびD1は、それぞれ、PMO−Plus−8およびPMO−R−Gly−3で処置したSMNΔ7マウス由来の頸髄試料を表している。
【0069】
図10B図10Bは、SMNタンパク質に対応するバンドの平均定量強度を図10Aに示す各実験群について表す。
【0070】
図11図11は、20μgの2つの異なる長さを有するPMO、PMO−APN、PMO−PlusもしくはPMO−RGly化合物または生理食塩水のいずれかで処置したSMNΔ7マウスの生存曲線を示す。生理食塩水で処置した野生型マウスの群を参照として使用した。各マウスは、P1(出生翌日)に生理食塩水またはPMOベースのオリゴマーの脳室内(ICV)注射で処置した。各実験群の最初のマウス数と比較した任意の残りのマウスの百分率がy軸に表されている。
図12図12は、図11に示す実験を通しての各実験群の体重増加を示す。生理食塩水で処置した野生型マウスの群を参照として使用した。統計解析は、線形回帰で行った。
【0071】
図13図13は、図11に示す実験を通して定期的に測定した各実験群の握力試験を示す。メッシュを握るためにマウスがかけた力のピーク量を測定し、各群の平均力がy軸にグラム(g)で表されている。
【0072】
図14A図14Aは、図11で試験されたマウスから得られた試料中のエクソン7含有SMNタンパク質のウエスタンブロット分析を示す。SMN2タンパク質を、抗SMN抗体でブロットした。アクチンを、ローディング対照として抗アクチン抗体で検出した。WT1〜WT3は、3匹の異なる生理食塩水処置野生型マウス由来の頸髄試料を表している。S1〜S3は、3匹の異なる生理食塩水処置SMNΔ7マウス由来の頸髄試料を表している。B1〜B5は、PMO−APN−16で処置した5匹の異なるSMNΔ7マウスから得られた頸髄試料を表している。C1〜C4は、PMO−2で処置した4匹の異なるSMNΔ7マウスから得られた頸髄試料を表している。D1〜D3は、PMO−APN−11で処置した3匹の異なるSMNΔ7マウスから得られた頸髄試料を表している。E1〜E4は、PMO−Plus−3で処置した4匹の異なるSMNΔ7マウスから得られた頸髄試料を表している。最後にF1は、PMO−RGly−2で処置したSMNΔ7マウスから得られた頸髄試料を表している。
【0073】
図14B図14Bは、SMNタンパク質に対応するバンドの平均定量強度を図14Aに示す各実験群について表す。
【発明を実施するための形態】
【0074】
詳細な説明
I.定義
そうでないことが規定されない限りにおいて、本明細書で使用される、全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者により一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書で記載される方法および材料と同様または同等な、任意の方法および材料を、本開示の主題の実施または試験において使用しうるが、好ましい方法および材料について記載する。本開示の目的で、下記では、以下の用語について規定する。
【0075】
本明細書では、冠詞の「1つの(a)」および「1つの(an)」を、冠詞の文法的対象物の1つまたは1つを超える対象物(すなわち、少なくとも1つの対象物)を指すのに使用する。例を目的として述べると、「ある要素」とは、1つの要素または1つを超える要素を意味する。
【0076】
用語「約」は、基準の数量、レベル、値、数、頻度、百分率、寸法、サイズ、量、重量、または長さに対して、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1%ほど変動する、数量、レベル、値、数、頻度、百分率、寸法、サイズ、量、重量、または長さを意味する。「約」という用語は、数的範囲と共に使用される場合、記載の数値の上下に境界を広げることによってその範囲を改変する。一般に、「約」という用語は、記述された値の上下に10%以下の変動だけ数値を改変するように意図される。
【0077】
用語「配列」および「コード配列」は、遺伝子のポリペプチド産物のコードに寄与する、任意の核酸配列を意味する。これに対して、「非コード配列」という用語は、遺伝子のポリペプチド産物のコードに直接寄与しない、任意の核酸配列を指す。
【0078】
本開示を通して、文脈によりそうでないことが要請されない限り、「〜を含む」、「〜を含む」、および「〜を含むこと」という語は、言明されるステップもしくは要素またはステップもしくは要素の群の包含を含意するが、他の任意のステップもしくは要素またはステップもしくは要素の群の除外は含意しないことが理解されるであろう。
【0079】
用語「〜からなること」は、「〜からなること」という語句に後続するあらゆる語句を含み、かつ、これに限定されることを意味する。したがって、「〜からなること」という語句は、列挙される要素が要請されるかまたは必須であり、他の要素は存在しえないことを指し示す。用語「〜から本質的になること」は、この語句の後に列挙される任意の要素を含み、かつ、列挙される要素について、本開示で指定される活性または作用に干渉または寄与しない、他の要素に限定されることを意味する。したがって、「〜から本質的になること」という語句は、列挙される要素が要請されるかまたは必須であるが、他の要素は任意選択であり、それらが列挙される要素の活性または作用に、実質的に影響を及ぼすのかどうかに応じて、存在してもよく、存在しなくてもよいことを示す。
【0080】
「〜を投与すること」または「〜を投与する」という用語は、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの、被験体への、局所投与または全身投与による送達を含む。投与は、局所投与(眼投与、ならびに膣送達および直腸送達を含む、粘膜への投与を含む)、例えば、噴霧器による投与を含む、粉末またはエアゾールによる吸入または送気による、肺投与、気管内投与、鼻腔内投与、表皮投与および経皮投与、経口投与、または非経口投与でありうる。非経口投与は、静脈内注射もしくは静脈内注入、動脈内注射もしくは動脈内注入、皮下注射もしくは皮下注入、腹腔内注射もしくは腹腔内注入、または筋内注射もしくは筋内注入;あるいは頭蓋内投与、例えば、髄腔内投与または脳室内投与を含む。
【0081】
「細胞を接触させること」、「導入すること」、または「送達すること」という用語は、本開示のオリゴマーの、細胞への、当技術分野で慣例的な方法、例えば、トランスフェクション(例えば、リポソーム、リン酸カルシウム、ポリエチレンイミン)、エレクトロポレーション(例えば、ヌクレオフェクション)、マイクロインジェクション)による送達を含む。
【0082】
「アルキル」という用語は、直鎖状(すなわち、非分枝状または非環式)、分枝状、環式、または多環式非芳香族の炭化水素基であって、任意選択で、1または複数の官能基により置換された炭化水素基を指す。そうでないことが指定されない限りにおいて、「アルキル」基は、1〜8個の炭素原子を含有し、好ましくは、1〜6個の炭素原子を含有する。C〜Cアルキルとは、Cアルキル基、Cアルキル基、Cアルキル基、Cアルキル基、Cアルキル基、およびCアルキル基を含むことを意図する。低級アルキルとは、1〜6個の炭素原子を含有するアルキル基を指す。アルキルの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロブチル、ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシルなどを含むがこれらに限定されない。アルキルは、置換アルキルの場合もあり、非置換アルキルの場合もある。例示的な置換アルキル基は、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、ベンジル、置換ベンジル、フェネチル、置換フェネチルなどを含むがこれらに限定されない。
【0083】
「アルコキシ」という用語は、アルキルのサブセットであって、上記で規定した、表示の数の炭素を伴うアルキル基が、酸素架橋を介して結合しているサブセットを指す。例えば、「アルコキシ」とは、直鎖状立体配置、分枝状立体配置、環式立体配置である、1〜8個の炭素原子を含有する−O−アルキル基を指す。「アルコキシ」の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、t−ブトキシ、n−ブトキシ、s−ペントキシなどを含むがこれらに限定されない。
【0084】
単独で、または「アラルキル」、「アラルコキシ」、または「アリールオキシアルキル」における通り、より大型の部分の一部として使用される「アリール」という用語は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントラシル、および2−アントラシルなど、6〜14個の環原子を有する芳香環基を指す。「アリール」環は、1または複数の置換基を含有しうる。「アリール」という用語は、「アリール環」という用語と互換的に使用することができる。「アリール」はまた、芳香環を1または複数の環へと縮合させた、縮合多環式芳香環系も含む。有用なアリール環基の非限定的な例は、フェニル、ヒドロキシフェニル、ハロフェニル、アルコキシフェニル、ジアルコキシフェニル、トリアルコキシフェニル、アルキレンジオキシフェニル、ナフチル、フェナントリル、アントリル、フェナントロなどのほか、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントラシル、および2−アントラシルを含む。本明細書で使用される「アリール」という用語の範囲内にはまた、芳香環を1または複数の非芳香環へと縮合させた基であって、ラジカルまたは結合点が芳香環上にある、インダニル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロナフチルなどにおける基も含まれる。
【0085】
「アシル」という用語は、C(O)R基(式中、Rは、上記で規定したH、アルキル、またはアリールを意味する)を指す。アシル基の例は、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、フェニルアセチル、および類似の基を含む。
【0086】
「同族化合物」という用語は、同じ化学基の逐次的付加により規則的に異なる化合物を指す。例えば、化合物の同族化合物は、1または複数の−CH−基、アミノ酸残基、ヌクレオチド、またはヌクレオチド類似体の付加により異なりうる。
【0087】
「細胞透過性ペプチド」(CPP)または「細胞取込みを増強するペプチド部分」という用語は、互換的に使用され、「輸送ペプチド」、「担体ペプチド」、または「ペプチド導入ドメイン」ともまた呼ばれる、カチオン性細胞透過性ペプチドを指す。例えば、ペプチドコンジュゲートホスホルアミデートまたはホスホロジアミデートモルホリノ(PPMO)は、本明細書で記載される、細胞取込みを増強する細胞透過性ペプチドまたは細胞透過性ペプチド部分を含みうる。多様な実施形態では、ペプチドは、修飾アンチセンスオリゴマーに共有結合させることができる。さらなる実施形態では、ペプチドは、修飾アンチセンスオリゴマーの3’末端または5’末端にコンジュゲートさせることができる。さらなる実施形態では、ペプチドは、3’末端のモルホリノ環のピペラジニル部分または窒素原子へと連結することができる。一部の実施形態では、細胞取込みを増強する、細胞透過性ペプチドまたは細胞透過性ペプチド部分は、本明細書で記載される、アルギニンに富むペプチドを含みうる。非限定的例では、本明細書で開示される通りの修飾アンチセンスオリゴマーは、(Arg)6Gly(アルギニン6個およびグリシン1個がオリゴヌクレオチドに連結される)などのアルギニンに富むペプチドに結合されてよい。
【0088】
本明細書で示されるペプチドは、全身投与されると、所与の細胞培養物集団の細胞のうちの約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、もしくは100%、または少なくともほぼこれらの比率の細胞内の細胞透過を誘導し、インビボにおいて、複数の組織内の高分子のトランスロケーションを可能とする能力を有する。一部の実施形態では、CPPは、式−[(C(O)CHR’NH)]R’’[式中、R’は、天然に存在するアミノ酸、またはその1炭素同族化合物もしくは2炭素同族化合物の側鎖であり、R’’は、水素またはアシルから選択され、mは、最大で50の整数である]を有する。当技術分野では、さらなるCPPも周知であり、例えば、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、米国出願公開第20100016215号において開示されている。他の実施形態では、mは、1〜50から選択される整数であり、ここで、mが1である場合、部分は、単一のアミノ酸またはその誘導体である。
【0089】
「アミノ酸」という用語は、一級アミノ基、カルボン酸基、側鎖、および水素原子が結合している炭素原子を含む化合物を指す。例えば、「アミノ酸」という用語は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、アスパラギン、グルタミン、リシン、アスパラギン酸、ヒスチジン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、システイン、グルタミン酸、セリン、チロシン、ピロリシン、セレノシステイン、およびアルギニンを含むがこれらに限定されない。加えて、本明細書で使用される「アミノ酸」はまた、エステル、およびアミド、および塩など、アミノ酸の誘導体のほか、活性形態へと代謝されると薬理学的特性を有する誘導体を含む、他の誘導体も含む。したがって、「アミノ酸」という用語は、天然に存在するアミノ酸および天然に存在しないアミノ酸を含むことが理解される。
【0090】
「電子対」という用語は、他の原子と結合しないかまたは共有されていない、電子の原子価対を指す。
【0091】
「相同性」という用語は、同一なアミノ酸、または保存的置換を構成するアミノ酸の百分率数を指す。相同性は、GAPなどの配列比較プログラムを使用して決定することができる(Deverauxら、1984年、Nucleic Acids Research、12巻、387〜395頁)。このようにして、本明細書で引例される配列と、類似の長さまたは実質的に異なる長さの配列を、アラインメントへのギャップの挿入により比較することができ、このようなギャップを、例えば、GAPにより使用される比較アルゴリズムにより決定する。
【0092】
「単離された」という用語は、その生来の状態では通常それに随伴する成分を、実質的または本質的に含まない材料を指す。例えば、本明細書で使用される「単離オリゴヌクレオチド」または「単離オリゴマー」とは、天然に存在する状態ではそれを挟む配列から精製されるかまたは取り出されたオリゴマー、例えば、ゲノム内の断片に隣接する配列から取り出されたDNA断片を指す場合がある。細胞に関する場合の、「〜を単離すること」という用語は、細胞(例えば、線維芽細胞、リンパ芽球)の、供給源となる被験体(例えば、オリゴヌクレオチドリピート病を伴う被験体)からの精製を指す。mRNAまたはタンパク質の文脈では、「〜を単離すること」とは、mRNAまたはタンパク質の、供給源、例えば、細胞からの回収を指す。
【0093】
「〜をモジュレートする」という用語は、1または複数の定量化可能なパラメータを、任意選択で、規定された量および/または統計学的に有意な量で「増加」または「減少」させることを含む。「〜を増加させる」もしくは「〜を増加させること」、「〜を増強する」もしくは「〜を増強すること」、または「〜を刺激する」もしくは「〜を刺激すること」とは一般に、1または複数の修飾アンチセンスオリゴマー化合物または組成物が、細胞または被験体において、アンチセンスオリゴマー化合物を伴わずに引き起こされる応答、または対照化合物により引き起こされる応答と比べて、より大きな生理学的応答(すなわち、下流における効果)をもたらすかまたは引き起こす能力を指す。関係のある生理学的応答または細胞応答(インビボまたはインビトロ)は、当業者には明らかであり、SMN2 mRNAにおけるエクソン7の包含の増加、および/または細胞、もしくは例えばそれを必要とする被験体の組織における機能的なSMNタンパク質の発現の増加を含みうる。「減少された」または「低減された」量とは、典型的には、「統計学的に有意な」量であり、修飾アンチセンスオリゴマー化合物の投与の非存在下で、それを必要とする被験体によりもたらされる量(例えば、特定の被験体またはコホートの、「生来」または「天然」の発現率)、または対照化合物によりもたらされる量の、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50分の1またはこれ未満(例えば、100、500、1000分の1)であって、全ての整数およびそれらの間にあり1より大きい小数(decimal point)(例えば、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9)を含む分数の減少を含みうる。「〜を低減する」または「〜を阻害する」という用語は一般に、1または複数のアンチセンスオリゴマー化合物または組成物が、本明細書で記載される疾患または状態の症状など、関与性の生理学的応答または細胞応答であって、診断技術分野で慣例的な技法に従い、測定される応答「を減少させる」能力に関する場合がある。「増加した」または「増強された」量とは通常、「統計学的に有意な」量であり、修飾アンチセンスオリゴマー化合物の投与の非存在下で、それを必要とする被験体によりもたらされる量(例えば、特定の被験体またはコホートの「生来の」または「天然の」発現率)または対照化合物によりもたらされる量に対して、全ての整数およびその間にあって1より大きい小数(例えば、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9)を含めて1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50倍またはそれを超える(例えば、100、500、1000倍)増加を含みうる。「〜を増強する」という用語は一般に、1または複数の修飾アンチセンスオリゴマー化合物または組成物が、本明細書で記載される疾患または状態の症状などの関係のある生理学的応答または細胞応答を、診断技術分野における慣例的な技法に従って測定したとき「増加させる」能力に関しうる。
【0094】
関係のある生理学的応答または細胞応答(インビボまたはインビトロ)は、当業者には明らかであり、SMA I型、SMA II型、SMA III型およびSMA IV型などの脊髄性筋萎縮症(SMA)の症状または病変の軽減を包含し得る。他の実施形態では、例えば、症状または病変の軽減が、機能的なSMNタンパク質の発現の増加に随伴するか、またはこれに関連しうる、脊髄性筋萎縮症を処置する方法が提供される。応答の「増加」は、修飾アンチセンスオリゴマー化合物の投与の非存在下で、それを必要とする被験体によりもたらされる応答(例えば、特定の被験体またはコホートの「生来の」または「天然の」発現率)または対照化合物によりもたらされる応答に比べて「統計学的に有意」であり得、間にある全ての整数を含めて、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%の増加を含みうる。
【0095】
SMNタンパク質に関しての「機能的」という用語は、エクソン7が含まれているmRNA転写由来のおよび/または野生型もしくは正常SMNタンパク質の機能性を保有しているSMNタンパク質を包含する。
【0096】
非機能的、機能不全または不活性タンパク質は、エクソン7が除かれたmRNA転写物由来のおよび/または野生型SMNタンパク質の機能性をほとんど乃至全く有しないタンパク質を包含する。
【0097】
したがって、多様な実施形態では、機能的なSMNタンパク質の存在、発現または発現の増大は、例えば、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーで処置したSMA患者由来線維芽細胞のウエスタンブロット分析およびSMN2遺伝子発現によって判定することができる。多様な実施形態では、SMA線維芽細胞またはSMAの処置を必要とする被験体を本開示の修飾アンチセンスオリゴマーで処置すると、例えば、正常細胞または正常被験体における正常なSMNタンパク質発現量の約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、もしくは100%、または上で開示した百分位数範囲のいずれかである量でのエクソン7含有SMNタンパク質の発現をもたらしうる。
【0098】
多様な実施形態では、組織またはSMAの処置を必要とする被験体によって発現されたエクソン7包含SMNタンパク質の機能性は、例えば、筋肉中の神経筋接合部の構造、脊髄中の運動ニューロンの量および質、非処置同等物と比較した場合のエクソン7含有SMNタンパク質の量の免疫組織化学分析によって判定することができる。SMAの処置を必要とする被験体のエクソン7包含SMNタンパク質の機能性は、筋肉サイズの測定、筋緊張、圧痛、強さ、反射、筋肉の不随意運動、筋電図検査、神経伝達速度試験、および心電図(EKGまたはEGG)を含む心血管系機能試験を含む運動機能試験などの身体および生理学的試験によってさらに分析することができる。
【0099】
この場合では、修飾アンチセンスオリゴマーを使用してエクソン7包含を誘起した結果として、非処置に比べて約30%〜約100%の範囲または機能性に関して上で開示した百分率で、脊髄性筋萎縮症症状が改善される(すなわち、SMNタンパク質の機能性または安定性が回復する)。症状のそのような改善は、ミクロレベル(すなわち、例えば、免疫組織化学、免疫蛍光、ウエスタンブロット分析によって測定される、SMN1/2タンパク質発現の回復;運動ニューロンの増大;筋肉中の神経筋接合部の回復)および生理学的レベル(すなわち、身体検査によって評価される運動機能の改善)で観察することができる。
【0100】
「ヌクレオチド」という用語は、ヌクレオ塩基と、糖と、少なくとも1つのリン酸基(例えば、ホスホジエステル連結基)とを含む、天然に存在するヌクレオチドを指す。
【0101】
「ヌクレオチド類似体」という用語は、天然に存在するヌクレオチドの誘導体、または天然に存在するヌクレオチドに対する修飾、例えば、少なくとも1つの修飾を含むヌクレオチドを指す。このような修飾は、(i)修飾ヌクレオシド間連結、(ii)修飾糖部分、または(iii)前出の組合せのうちの少なくとも1つを含みうる。当業者は、修飾を、ヌクレオチドサブユニットのうちの任意の1つの構成要素(例えば、修飾糖)に関して指定する場合、ヌクレオチドサブユニットのうちの、指定されていない部分は、依然として非修飾(例えば、非修飾ヌクレオシド間連結、非修飾ヌクレオ塩基)でありうることを察知すると予想される。
【0102】
「オリゴヌクレオチド」、「オリゴマー」、「オリゴ」、「アンチセンスオリゴヌクレオチド」、「アンチセンスオリゴマー」、「修飾アンチセンスオリゴマー」および「アンチセンスオリゴ」という用語、ならびにこれらの他の適切な組合せおよび派生語は、ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体の直鎖状配列であって、1または複数のヌクレオ塩基が、ワトソン−クリック塩基対合により、標的配列と称される、オリゴマーが指向される標的RNAの部分とハイブリダイズして、標的配列内で、オリゴマー:RNAヘテロ二重鎖を形成しうる直鎖状配列を指す。具体的に、「アンチセンス」、「オリゴヌクレオチド」、「オリゴマー」、「オリゴ」、および「化合物」という用語は、このようなオリゴマーを指すように、多様な組合せで、かつ、互換的に使用することができる。ヌクレオチドの部分を含む環式サブユニットは、リボースまたは別の五炭糖、糖類似体に基づく場合もあり、ある特定の実施形態では、修飾糖、例えば、モルホリノ基である場合もある(下記のモルホリノベースのオリゴマーについての記載を参照されたい)。
【0103】
オリゴマーに言及する場合の、「修飾された」、「天然に存在しない」、または「類似体」という用語、ならびにこれらの他の適切な組合せおよび派生形は、(i)修飾ヌクレオシド間連結、例えば、天然に存在するオリゴヌクレオチド内に見出される、標準的なホスホジエステル連結以外のヌクレオシド間連結、(ii)修飾糖部分、例えば、天然に存在するオリゴヌクレオチド内に見出される、リボース部分もしくはデオキシリボース部分以外の部分、または(iii)前出の組合せから選択される、少なくとも1つの修飾を有する、1または複数のヌクレオチドサブユニットを有するオリゴマーを指す。多様な実施形態では、修飾ヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結、ホスホルアミデートヌクレオシド間連結、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結から選択される。さらなる実施形態では、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結は、(1,4−ピペラジン)−1−イル部分、置換(1,4−ピペラジン)−1−イル部分、4−アミノピペリジン−1−イル部分、または置換4−アミノピペリジン−1−イル部分に共有結合したリン原子を含む。多様な実施形態では、修飾糖部分は、ペプチド核酸(PNA)サブユニット、ロックト核酸(LNA)サブユニット、2’O,4’C−エチレン架橋核酸(ENA)サブユニット、トリシクロDNA(tc−DNA)サブユニット、2’O−メチルサブユニット、2’O−メトキシエチルサブユニット、2’−フルオロサブユニット、2’−O−[2−(N−メチルカルバモイル)エチル]サブユニット、およびモルホリノサブユニットから選択される。
【0104】
ヌクレオシド間連結への修飾は、オリゴマーの、少なくとも2つの糖部分および/または修飾糖部分の間の修飾でありうる。ヌクレオチド類似体は、ワトソン−クリック塩基対合により、天然に存在するオリゴヌクレオチド塩基への水素結合が可能な塩基を担い、ここで、類似体は、オリゴマー類似体分子と、天然に存在するオリゴヌクレオチド(例えば、一本鎖RNAまたは一本鎖DNA)内の塩基との間で、配列特異的に、このような水素結合を可能とするように、塩基を提示する。例示的な類似体は、実質的に非荷電の、リンを含有するヌクレオシド間連結を有する類似体である。
【0105】
「ヌクレアーゼ耐性」オリゴマーとは、そのヌクレオシド間連結が、非ハイブリダイズ形態でも、ハイブリダイズ形態でも、ヌクレアーゼによる切断であって、体内の、一般的な、細胞外ヌクレアーゼおよび細胞内ヌクレアーゼによる(例えば、3’−エクソヌクレアーゼなどのエクソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼ、RNアーゼHによる)切断に対
して実質的に耐性であるオリゴマーを指す;すなわち、オリゴマーは、オリゴマーが曝露される、体内の正常なヌクレアーゼ条件下で、ヌクレアーゼによる切断を、ほとんどまたは全く示さない。「ヌクレアーゼ耐性ヘテロ二重鎖」とは、ヘテロ二重鎖が、細胞内ヌクレアーゼおよび細胞外ヌクレアーゼによる、インビボにおける分解であって、二本鎖RNA/RNA複合体または二本鎖RNA/DNA複合体を切断することが可能な分解に対して、実質的に耐性となるように、修飾アンチセンスオリゴマーの、その相補的な標的への結合により形成されるヘテロ二重鎖を指す。「ヘテロ二重鎖」とは、修飾アンチセンスオリゴマーと、標的RNAの相補的部分との二重鎖を指す。例えば、ヌクレアーゼ耐性オリゴマーは、本明細書で記載される修飾アンチセンスオリゴマーでありうる。
【0106】
「ヌクレオ塩基」(Nu)、「塩基対合部分」、または「塩基」という用語は、自然発生または「生来」のDNAまたはRNA(例えば、ウラシル、チミン、アデニン、シトシン、およびグアニン)のほか、天然に存在するプリンおよびピリミジンの類似体であって、結合アフィニティーなど、改善された特性を、オリゴマーへと付与する類似体において見出される、プリン塩基またはピリミジン塩基を指すように、互換的に使用される。例示的な類似体は、ヒポキサンチン(ヌクレオシドであるイノシンの塩基成分);2,6−ジアミノプリン;5−メチルシトシン;C5−プロピニル修飾ピリミジン;10−(9−(アミノエトキシ)フェノキサジニル(Gクランプ)などを含む。
【0107】
塩基対合部分のさらなる例は、それらのそれぞれのアミノ基を、アシル保護基で保護した、ウラシル、チミン、アデニン、シトシン、グアニン、およびヒポキサンチン(イノシン)、2−フルオロウラシル、2−フルオロシトシン、5−ブロモウラシル、5−ヨードウラシル、2,6−ジアミノプリン、アザシトシン、シュードイソシトシンおよびシュードウラシルなどのピリミジン類似体、ならびに8−置換プリン、8−置換キサンチン、または8−置換ヒポキサンチン(後者の2つは、天然の分解産物である)など、他の修飾ヌクレオ塩基を含むがこれらに限定されない。それらの内容が参照により本明細書に組み込まれる、ChiuおよびRana、RNA、2003年、9巻、1034〜1048頁、Limbachら、Nucleic Acids Research、1994年、22巻、2183〜2196頁;ならびにRevankarおよびRao、Comprehensive Natural Products Chemistry、7巻、313頁において開示されている修飾ヌクレオ塩基もまた想定される。
【0108】
塩基対合部分のさらなる例は、1または複数のベンゼン環を付加したサイズ拡大型ヌクレオ塩基を含むがこれらに限定されない。Glen Researchのカタログ(www.glenresearch.com);Krueger ATら、Acc. Chem. Res.、2007年、40巻、141〜150頁;Kool, ET、Acc.
Chem. Res.、2002年、35巻、936〜943頁;Benner S.A.ら、Nat. Rev. Genet.、2005年、6巻、553〜543頁;Romesberg, F.E.ら、Curr. Opin. Chem. Biol.、2003年、7巻、723〜733頁;Hirao, I.、Curr. Opin. Chem. Biol.、2006年、10巻、622〜627頁(これらの内容は、本明細書において参考として援用される)において記載されている核塩基置換(nucleic base replacement)も、本明細書で記載されるオリゴマーの合成に有用であると想定される。サイズ拡大型ヌクレオ塩基の例を、下記:
【化18】
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に示す。
【0109】
リボース、糖類似体、修飾糖、またはモルホリノに共有結合的に連結されたヌクレオ塩基は、ヌクレオシドを含む。「ヌクレオチド」は、少なくとも1つの連結リン酸基と併せたヌクレオシドを含む。リン酸基は、オリゴマーを形成するように、隣接するヌクレオチドへの共有結合的連結を含む。こうして、ヌクレオチドのリン酸基は一般に、「ヌクレオシド間連結」を形成すると称する。したがって、ヌクレオチドは、本明細書でさらに記載されるヌクレオシドと、ヌクレオシド間連結とを含む。一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、サブユニットを含み、ここで、「サブユニット」は、天然に存在するヌクレオチド、本明細書で記載されるヌクレオチド類似体、およびこれらの組合せを含む。ある特定の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、サブユニットを含み、ここで、少なくとも1つのサブユニットは、ヌクレオチド類似体である。
【0110】
「PMO−APN」という用語は、ジメチルアミノホスホロジアミデート連結および2−(4−アミノピペラジニル)ホスホロジアミデート連結(「APN」連結とも称される)からそれぞれ独立に選択されるサブユニット間連結を含むホスホロジアミデート(phosphorodiamitate)モルホリノオリゴマーを指し、ここで少なくとも1つのサブユニット間連結は、APN連結である。例えば、本開示の一部の実施形態では、「PMO−APN」は、例えば式(I)、(V)、(Va)、(Vb)、(VI)、(VIa)、(VII)および(VIIa)の化合物の各R
【化19】
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(APN連結について)および−N(CH(ジメチルアミノホスホロジアミデート連結について)から独立に選択され、少なくとも1つのR
【化20】
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である(APN連結について)ものを含む。
【0111】
「PMO−Plus」という用語は、ジメチルアミノホスホロジアミデート連結および1−ピペラジニルホスホロジアミデート連結(「Plus」連結とも称される)からそれぞれ独立に選択されるサブユニット間連結を含むホスホロジアミデート(phosphorodiamitate)モルホリノオリゴマーを指し、ここで少なくとも1つのサブユニット間連結は、Plus連結である。例えば、本開示の一部の実施形態では、「PMO−Plus」は、例えば式(I)、(V)、(Va)、(Vb)、(VI)、(VIa)、(VIII)および(VIIIa)の化合物の各R
【化21】
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(Plus連結について)および−N(CH(ジメチルアミノホスホロジアミデート連結について)から独立に選択され、少なくとも1つのR
【化22】
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である(Plus連結について)ものを含む。
【0112】
「PMO−RGly」という用語は、ジメチルアミノホスホロジアミデート連結および、グリシンリンカーによってオリゴマーの3’または5’末端のいずれかに連結された6個のアルギニン残基からなる細胞透過性ペプチド(下にさらに詳細に考察される「CPP」)を含むホスホロジアミデートモルホリノオリゴマーを指す。3’連結CPPについて、例えば、グリシンは、アミド結合によって最も3’側のモルホリノサブユニット環窒素に結合されてよい。5’連結CPPについて、グリシンはアミド結合によってPIP基の環窒素に連結されてよい。「PIP」は、式:
【化23】
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の化学部分を指す。
【0113】
「2’−OMe」という用語は、下にさらに記載する2’−Oメチルホスホロチオエートオリゴマーを指す。
【0114】
「PMO−ETpipT」という用語は、ジメチルアミノホスホロジアミデート連結および1−(2−エチルピペラジニル)ホスホロジアミデート連結(ETpipT連結とも称される)からそれぞれ独立に選択されるサブユニット間連結を含むホスホロジアミデート(phosphorodiamitate)モルホリノオリゴマーを指し、ここで少なくとも1つのサブユニット間連結は、ETpipT連結である。例えば、本開示の一部の実施形態では、「PMO−ETpipT」は、例えば式(I)、(V)、(Va)、(Vb)、(VI)、(VIa)、(VIII)および(VIIIa)の化合物の各R
【化24】
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(ETpipT連結について)および−N(CH(ジメチルアミノホスホロジアミデート連結について)から独立に選択され、少なくとも1つのR
【化25】
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である(ETpipT連結について)ものを含む。
【0115】
「配列同一性」および「配列相同性」という用語(例えば、「〜と50%同一な配列」)は、配列が、ヌクレオチド対ヌクレオチドベースで、比較ウィンドウ(window of comparison)にわたり同一である程度を指す。「同一性百分率」は、2つの最適にアラインメントされた配列を、比較ウィンドウにわたり比較し、両方の配列内で、同一な核酸塩基(例えば、A、T、C、G、I)が生じる位置の数を決定して、マッチさせた位置の数をもたらし、マッチさせた位置の数を、比較ウィンドウ内の位置の総数(すなわち、ウィンドウサイズ)で除し、結果に100を乗じて、配列同一性の百分率をもたらすことにより計算することができる。比較ウィンドウをアラインメントするための、配列の最適のアラインメントは、コンピュータへのアルゴリズム(Wisconsin Genetics Software Package Release 7.0、Genetics Computer Group、575 Science Drive Madison、Wis.、USAにおける、GAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)の実行により行うこともでき、精査と、選択される多様な方法のうちのいずれかにより生成される、最良のアラインメント(すなわち、比較ウィンドウにわたり最高の相同性百分率をもたらすアラインメント)とにより行うこともできる。また、例えば、Altschulら、Nucl. Acids Res.、25巻:3389頁、1997年により開示されている通り、BLASTファミリーのプログラムも参照することができる。多様な実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、表1におけるターゲティング配列(配列番号4〜16)に対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の配列同一性を有しうる。
【0116】
本明細書で使用される通り、融点(Tm)が、40℃、45℃、50℃を実質的に超え、多様な実施形態では、60℃〜80℃またはこれを超える生理学的条件下で、オリゴマーが、標的とハイブリダイズする場合に、オリゴマーは、標的オリゴヌクレオチドと、「特異的にハイブリダイズする」。このようなハイブリダイゼーションは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件に対応することが好ましい。所与のイオン強度およびpHにおいて、Tmは、標的配列のうちの50%が、相補的な配列とハイブリダイズする温度である。このようなハイブリダイゼーションは、修飾アンチセンスオリゴマーの、標的配列への「ほぼ(near)」または「実質的な」相補性により生じうるほか、正確な相補性によっても生じうる。一部の実施形態では、オリゴマーは、標的配列と、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%でハイブリダイズしうる。
【0117】
本明細書で使用される、「サブユニット」という用語は、天然に存在するヌクレオチド、または少なくとも1つの修飾を含む、天然に存在するヌクレオチドを指す。修飾は、(i)修飾ヌクレオシド間連結、(ii)修飾糖部分、または(iii)前出の組合せのうちの少なくとも1つを含みうる。さらなる実施形態では、修飾は、修飾ヌクレオ塩基を含みうる。
【0118】
本明細書で使用するとき、「十分な長さ」という用語は、SMN2プレmRNAのイントロン6またはイントロン7などのSMN2プレmRNA内の領域内の少なくとも8、より典型的には8〜40の連続ヌクレオ塩基と相補的な修飾アンチセンスオリゴマーを指す。多様な実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、SMN2プレmRNA配列の標的領域と特異的にハイブリダイズすることが可能な、少なくともいくつかのヌクレオチドを含む。好ましくは、十分な長さのオリゴマーは、8〜30ヌクレオチド、8〜25ヌクレオチド、8〜20ヌクレオチド、8〜18ヌクレオチド、10〜30ヌクレオチド、10〜25ヌクレオチド、10〜20ヌクレオチド、10〜18ヌクレオチド、15〜30ヌクレオチド、15〜25ヌクレオチド、15〜20ヌクレオチド、15〜18ヌクレオチド、18〜30ヌクレオチド、18〜25ヌクレオチド、または18〜20ヌクレオチド、これらの範囲の間の全ての整数を含めた長さである。好ましくは、修飾アンチセンスオリゴマーは、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40ヌクレオチドの長さである。好ましくは、十分な長さのオリゴマーは、18〜25ヌクレオチドの長さである。
【0119】
本明細書で使用するとき「被験体」または「それを必要とする被験体」という用語は、ヒト被験体などの哺乳動物被験体を含む。例示的な哺乳動物被験体は、脊髄性筋萎縮症を有する。
【0120】
本明細書で使用するとき、「標的」または「標的領域」という用語は、本明細書で企図する修飾アンチセンスオリゴマーと関係している、プレmRNA転写物内の領域を指す。多様な態様では、標的は、SMN2プレmRNAの領域である。多様な態様では、標的領域は、SMN2プレmRNAのイントロン6またはイントロン7を含む領域である。多様な実施形態では、標的領域は、イントロン7の−7/−14、−7/−16、−10/−27、−10/−29、−10/−34、−137/−159、−149/−174、−167/−186、−249/−273もしくは−281/−299領域またはイントロン6の−58/−39、−112/−67もしくは−264/−245領域を含む。好ましくは一部の態様では、標的領域は、SMN2プレmRNAのイントロン7の−10/−27、−10/−29もしくは−10/−34領域を含む。
【0121】
多様な実施形態では、「ターゲティング配列」という用語は、アンチセンスオリゴマー内またはアンチセンスオリゴマー類似体内の配列であって、プレmRNA転写物内の標的配列と相補的な配列を指す。修飾アンチセンスオリゴマーの全配列が、標的配列と相補的な場合もあり、アンチセンスオリゴマーの一部分だけが、標的配列と相補的な場合もある。例えば、15〜30塩基を有するオリゴマー内の、約7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30個は、プレmRNA転写物内の標的領域と相補的な配列(例えば、「ターゲティング配列」)を含有しうる。ターゲティング配列は、オリゴマー内の連続塩基から形成されることが典型的であるが、代替的に、例えば、オリゴマーの反対側の末端から一体とされると、標的配列にわたる配列を構成する非連続配列から形成される場合もある。
【0122】
「ターゲティング配列」は、標的配列に対して「ほぼ」または「実質的な」相補性を有し得、それでもなお、その意図した目的のため、例えば、エクソン7含有SMN2 mRNAのレベルを向上させる、または機能的なSMNタンパク質の発現を増加させるために機能しうる。本開示で用いる修飾アンチセンスオリゴマー化合物は、標的配列に対して、多くても12ヌクレオチドに1つのミスマッチ、好ましくは、多くても20ヌクレオチドに1つのミスマッチを有することが好ましい。代替的に、用いる修飾アンチセンスオリゴマーは、本明細書で示す例示的なターゲティング配列に対して、少なくとも90%の配列相同性、好ましくは、少なくとも95%の配列相同性を有する。ターゲティング配列は、配列番号4〜16から選択される配列を含むか、配列番号4〜16から選択されるか、配列番号4〜16から選択される配列のうちの、少なくとも8連続ヌクレオチドの断片であるか、または配列番号4〜16から選択される配列に対する、少なくとも90%の配列同一性を有する改変体であり得、ここで、各Xは、ウラシル(U)またはチミン(T)から独立に選択され、各Yは、シトシン(C)または5−メチルシトシン(5mC)から独立に選択される。一部の実施形態では、配列番号4〜16の各Xはチミン(T)であり、配列番号4〜16の各Yはシトシン(C)である。
【0123】
一部の実施形態では、ターゲティング配列は、
a)配列番号7(XYAYXXXYAXAAXGYXGG)(Zは16である)、
b)配列番号8(AXXYAYXXXYAXAAXGYXGG)(Zは18である)、および
c)配列番号6(GXAAGAXXYAYXXXYAXAAXGYXGG)(Zは23である)
から選択され、ここで、各Xは、ウラシル(U)またはチミン(T)から独立に選択され、各Yは、シトシン(C)または5−メチルシトシン(5mC)から独立に選択される。一部の実施形態では、配列番号6〜8の各Xはチミン(T)であり、配列番号6〜8の各Yはシトシン(C)である。
【0124】
種々の実施形態では、ターゲティング配列の少なくとも1つのXはTである。種々の実施形態では、ターゲティング配列の各XはTである。
【0125】
種々の実施形態では、ターゲティング配列の少なくとも1つのXはUである。種々の実施形態では、ターゲティング配列の各XはUである。
【0126】
種々の実施形態では、ターゲティング配列の少なくとも1つのYは5mCである。種々の実施形態では、ターゲティング配列の各Yは5mCである。
【0127】
種々の実施形態では、ターゲティング配列の少なくとも1つのYはCである。種々の実施形態では、ターゲティング配列の各YはCである。
【0128】
種々の実施形態では、配列番号4〜16の少なくとも1つのXはTである。種々の実施形態では、配列番号4〜16の各XはTである。
【0129】
種々の実施形態では、ターゲティング配列の少なくとも1つのXはUである。種々の実施形態では、配列番号4〜16の各XはUである。
【0130】
種々の実施形態では、配列番号4〜16の少なくとも1つのYは5mCである。種々の実施形態では、配列番号4〜16の各Yは5mCである。
【0131】
種々の実施形態では、配列番号4〜16の少なくとも1つのYはCである。種々の実施形態では、配列番号4〜16の各YはCである。
【0132】
本明細書で使用される「TEG」、「トリエチレングリコールテール」または「EG3」という用語は、例えば、その3’末端または5’末端でオリゴマーにコンジュゲートしたトリエチレングリコール部分を指す。例えば、一部の実施形態では、「TEG」は、例えば、式(I)、(IV)、(V)、(Va)、(Vb)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(IXa)および(X)の化合物のTが、式:
【化26】
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を有するものを含む。
【0133】
本明細書で使用される、組成物の「治療有効量」または「有効量」という用語は、組成物が有効な処置のために、障害の防止または処置において有効な量を指す。「障害」とは、任意のSMA I型、SMA II型、SMA III型およびSMA IV型などの脊髄性筋萎縮症を指す。
【0134】
本明細書で使用される「〜を定量化すること」、「定量化」という用語、または他の類縁の語は、核酸、オリゴヌクレオチド、オリゴマー、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質の、数量、質量、または単位容量中の濃度を決定することを指す。
【0135】
多様な実施形態では、本明細書で使用される「処置」という用語は、被験体(例えば、ヒトなどの哺乳動物)または細胞の処置(処理)であって、被験体または細胞の現在の経過を変更する処置を含む。処置は、医薬組成物の投与を含むがこれに限定されず、予防的に実施することもでき、病理学的事象の開始または病因作用物質との接触に後続して実施することもできる。また、処置される疾患もしくは状態の進行速度の低減、この疾患もしくは状態の発症の遅延、またはその発症の重症度の軽減を指向しうる「予防的」処置も含まれる。「処置」または「予防」とは、必ずしも、疾患もしくは状態、またはこれらの関連する症状の、完全な根絶、治癒、または防止を指し示すものではない。
II.SMN2プレmRNAのスプライシングのモジュレーション
【0136】
多様な態様は、所与の試料(例えば、血清試料、血漿試料、組織試料、細胞試料など)においてエクソン7含有SMN2 mRNAのレベルがエクソン7欠失SMN2 mRNAのレベルと比べて増強されるように、SMN2プレmRNAのイントロンおよびエクソンのスプライシングをモジュレートするための方法に関する。多様な方法は、SMN2プレmRNA内の標的領域と相補的な、本明細書で記載される修飾アンチセンスオリゴマーを投与するステップを含み、エクソン7含有SMN2 mRNAの発現は、エクソン7欠失SMN2 mRNAの発現と比べて増加する。
【0137】
例示を目的とし、理論に束縛されずに述べると、本明細書で記載される通りのアンチセンスオリゴマーは、スプライソソームの作用および成熟mRNA転写物の産生を阻害するなどにより、プレmRNAのプロセシングの遮断、阻害、またはモジュレーションを促進すると考えられ、また、標的としたmRNAの分解も誘導しうる。一部の例では、スプライソソームがエクソン/イントロンスプライス接合部に結合するのを阻害して、エクソン/イントロンスプライス接合部がスキップされ、mRNA転写物から1つまたは複数のエクソンが除去されるようにすることができる。野生型mRNA転写物より1つまたは複数少ないエクソンを有する成熟mRNA転写物は、オープンリーディングフレームを保持するmRNA転写物をもたらし得、それにより、mRNA転写物は、分解されるのでなく、機能的なタンパク質へと翻訳されうる。野生型mRNAより少ないエクソンを有するmRNA転写物から翻訳されたタンパク質は、結果として、野生型mRNA転写物から転写されたタンパク質より少ないアミノ酸残基を含む転写タンパク質となりうる。野生型タンパク質より少ないアミノ酸残基で構成された機能的なタンパク質は、野生型タンパク質と同じまたは同様の活性/機能性を有しうる。修飾アンチセンスオリゴマーは、それがハイブリダイズする標的配列または標的領域「を指向する」またはこれら「に対してターゲティングされた」ということができる。ある特定の実施形態では、標的配列は、プレmRNAの3’スプライス接合部位もしくは5’スプライス接合部位を含む領域、分岐点、エクソンのスプライシングエンハンサー(ESE)もしくはイントロンのスプライシングエンハンサー(ISE)、またはスプライシングの調節に関与する他の配列を含む。イントロン内では、ドナー部位(イントロンの5’末端)およびアクセプター部位(イントロンの3’末端)がスプライシングに必要である。スプライスドナー部位は、イントロンの5’末端にあるほとんど不変の配列GUを、より大きい、それほど高度に保存されていない領域内に含む。イントロンの3’末端にあるスプライスアクセプター部位は、ほとんど不変のAG配列によってイントロンを終結させる。標的配列は、エクソン/イントロンスプライス接合部部位内にある、またはエクソン/イントロンスプライス接合部にわたる配列を含み得る。標的配列は、エクソン/イントロンドナースプライス部位を含み得る。
【0138】
標的プレmRNA配列に対する配列相補性であって、標的RNAのスプライシングをモジュレートするのに十分な配列相補性を有する修飾アンチセンスオリゴマーは、スプライソソーム複合体に対する結合部位の遮蔽または妨害を誘発するのに十分な配列であって、他の点で、このようなスプライシングに影響を及ぼし、かつ/または、他の点で、ターゲティングされたプレmRNAの三次元構造の変更を含む配列を有する修飾アンチセンスオリゴマーを含む。
【0139】
多様な実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、SMN2プレmRNA内の配列に対する、十分な長さと相補性とを有する。多様な実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマー内のターゲティング配列は、SMN2プレmRNA内の標的配列の領域、例えば、SMN2プレmRNAのイントロン7の−7/−14, −7/−16、−10/−27、−10/−29、−10/−34、−137/−159、−149/−174、−167/−186、−249/−273もしくは−281/−299領域またはイントロン6の−58/−39、−112/−67もしくは−264/−245領域とハイブリダイズする。一部の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、約8塩基〜約40塩基であり得、配列が、標的配列へのハイブリダイゼーション時に、スプライスモジュレーションを行うのに十分に相補的であり、任意選択で、RNAと共に、Tmが、45℃またはこれを超える、ヘテロ二重鎖を形成する限り、少数のミスマッチを含む。
【0140】
多様な実施形態では、アンチセンスターゲティング配列と、標的配列との相補性の程度は、安定的な二重鎖を形成するのに十分である。修飾アンチセンスオリゴマーの、標的配列との相補性の領域は、8〜15塩基という短い領域でありうるが、8〜18塩基またはこれを超える領域であることが可能であり、例えば、これらの範囲の間の全ての整数を含む、8〜40塩基、8〜30塩基、8〜25塩基、8〜22塩基、8〜20塩基、15〜25塩基、15〜22塩基、または15〜20塩基でありうる。ある特定の実施形態では、本明細書で論じられる、必須の結合Tmを達成するのに、最小の長さの相補塩基が要請されうる。
【0141】
多様な態様では、オリゴマーを、バイオアベイラビリティー、安定性、細胞更新(cellular update)、およびヌクレアーゼ分解に対する耐性を含むがこれらに限定されない、さらなる機能性のために構成する。一般に、40塩基を含むオリゴマーは、適切である可能性があり、ここで、少なくとも最小数の塩基、例えば、8塩基は、標的配列と相補的である。多様な態様では、オリゴマーを、促進された細胞取込みまたは能動的な細胞取込みを増強するように構成する。多様な態様では、修飾アンチセンスオリゴマーは、1または複数のホスホルアミデートモルホリノ単量体サブユニットまたはホスホロジアミデートモルホリノ単量体サブユニットを含む。多様な実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、約8〜40ホスホルアミデートモルホリノ単量体サブユニットまたはホスホロジアミデートモルホリノ単量体サブユニットを含む。多様な実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、約8〜26ホスホルアミデートモルホリノ単量体サブユニットまたはホスホロジアミデートモルホリノ単量体サブユニットを含む。多様な実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、約15〜25ホスホルアミデートモルホリノ単量体サブユニットまたはホスホロジアミデートモルホリノ単量体サブユニットを含む。多様な実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、約18〜25ホスホルアミデートモルホリノ単量体サブユニットまたはホスホロジアミデートモルホリノ単量体サブユニットを含む。多様な実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、約18〜26ホスホルアミデートモルホリノ単量体サブユニットまたはホスホロジアミデートモルホリノ単量体サブユニットを含む。
【0142】
多様な態様では、修飾アンチセンスオリゴマーは、任意選択で、(i)修飾ヌクレオシド間連結、(ii)修飾糖部分、または(iii)前出の組合せを有するヌクレオチド類似体である少なくとも1つのサブユニットと;SMN2プレmRNA内の8またはこれを超える連続ヌクレオチドの標的領域と相補的なターゲティング配列とを含む8〜40サブユニットを含むか、これらからなるか、またはこれらから本質的になる。多様な実施形態では、標的領域は、SMN2遺伝子のイントロン6、エクソン7、イントロン7またはエクソン8の領域(またはスプライス接合部をまたぐ領域)内の8またはこれを超える連続ヌクレオチドを含む。多様な実施形態では、標的領域は、SMN2プレmRNAのイントロン6またはイントロン7内の領域を含む。さらなる実施形態では、標的領域は、SMN2プレmRNAのイントロン7の−7/−14、−7/−16、−10/−27、−10/−29、−10/−34、−137/−159、−149/−174、−167/−186、−249/−273もしくは−281/−299領域またはイントロン6の−58/−39、−112/−67もしくは−264/−245領域を含む。さらなる実施形態では、標的領域は、SMN2プレmRNAのイントロン7の−10/−27、−10/−29または−10/−34領域を含む。
【0143】
多様な態様では、修飾アンチセンスオリゴマーは、(i)修飾ヌクレオシド間連結、(ii)修飾糖部分、または(iii)前出の組合せを有するヌクレオチド類似体である少なくとも1つのサブユニットと;配列番号4〜16から選択される配列を含むか、これらからなるか、またはこれらから本質的になるターゲティング配列とを任意選択で含む8〜40サブユニットを含むか、これらからなるか、またはこれらから本質的になる。好ましくは、一部の態様では、修飾アンチセンスオリゴマーは、配列番号6、7および8から選択される配列を含む。
【0144】
追加の態様は、SMN2プレmRNA内の標的領域に特異的にハイブリダイズする8〜40サブユニットの修飾アンチセンスオリゴマーを含む。多様な実施形態では、標的領域は、SMN2遺伝子のイントロン6、エクソン7、イントロン7またはエクソン8内の領域(またはスプライス接合部をまたぐ領域)を含む。多様な実施形態では、標的領域は、SMN2プレmRNAのイントロン6またはイントロン7内の領域を含む。さらなる実施形態では、標的領域は、SMN2プレmRNAのイントロン7の−7/−14、−7/−16、−10/−27、−10/−29、−10/−34、−137/−159、−149/−174、−167/−186、−249/−273もしくは−281/−299領域またはイントロン6の−58/−39、−112/−67もしくは−264/−245領域を含む。さらなる実施形態では、標的領域は、SMN2プレmRNAのイントロン7の−10/−27、−10/−29または−10/−34領域を含む。
【0145】
さらなる態様は、修飾糖部分を含む、ヌクレオチド類似体サブユニットを有する、修飾アンチセンスオリゴマーを含む。多様な実施形態では、修飾糖部分は、ペプチド核酸(PNA)サブユニット、ロックト核酸(LNA)サブユニット、2’O,4’C−エチレン架橋核酸(ENA)サブユニット、トリシクロDNA(tc−DNA)サブユニット、2’O−メチルサブユニット、2’O−メトキシエチルサブユニット、2’−フルオロサブユニット、2’−O−[2−(N−メチルカルバモイル)エチル]サブユニット、およびモルホリノサブユニットから選択される。
【0146】
さらなる態様は、修飾ヌクレオシド間連結を含む、ヌクレオチド類似体サブユニットを有する、修飾アンチセンスオリゴマーを含む。多様な実施形態では、修飾ヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結、ホスホルアミデートヌクレオシド間連結、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結およびホスホロトリアミデートヌクレオシド間連結から選択される。さらなる実施形態では、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結は、(1,4−ピペラジン)−1−イル部分、置換(1,4−ピペラジン)−1−イル部分、4−アミノピペリジン−1−イル部分、または置換4−アミノピペリジン−1−イル部分に共有結合したリン原子を含む。
【0147】
さらなる態様は、修飾糖部分と修飾ヌクレオシド間連結との少なくとも1つの組合せを含む、ヌクレオチド類似体サブユニットを有する、修飾アンチセンスオリゴマーであって、多様な実施形態では、1または複数のサブユニットが、
任意選択で、ホスホルアミデートヌクレオシド間連結、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結、ホスホロトリアミデートヌクレオシド間連結、もしくはホスホロチオエートヌクレオシド間連結で置換された、モルホリノサブユニット、
任意選択で、ホスホルアミデートヌクレオシド間連結、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結、もしくはホスホロチオエートヌクレオシド間連結で置換された、2’O−メチルサブユニット、
任意選択で、ホスホルアミデートヌクレオシド間連結、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結、もしくはホスホロチオエートヌクレオシド間連結で置換された、2’O−メトキシエチルサブユニット、
任意選択で、ホスホルアミデートヌクレオシド間連結、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結、もしくはホスホロチオエートヌクレオシド間連結で置換された、2’−フルオロサブユニット、
任意選択で、ホスホルアミデートヌクレオシド間連結、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結、もしくはホスホロチオエートヌクレオシド間連結で置換された、2’O,4’C−エチレン架橋核酸サブユニット、
任意選択で、ホスホルアミデートヌクレオシド間連結、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結、もしくはホスホロチオエートヌクレオシド間連結で置換された、2’−O−[2−(N−メチルカルバモイル)エチル]サブユニット、
任意選択で、ホスホルアミデートヌクレオシド間連結、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結、もしくはホスホロチオエートヌクレオシド間連結で置換された、トリシクロDNAサブユニット、
任意選択で、ホスホルアミデートヌクレオシド間連結、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結、もしくはホスホロチオエートヌクレオシド間連結で置換された、ロックト核酸サブユニット、
ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結をさらに含み、ホスホロジアミデートのリン原子を、モルホリノ環の窒素原子に共有結合させ、かつ、(1,4−ピペラジン)−1−イル部分、もしくは置換(1,4−ピペラジン)−1−イル部分に共有結合させたモルホリノサブユニット、
ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結をさらに含み、ホスホロジアミデートのリン原子を、4−アミノピペリジン−1−イル部分、もしくは置換4−アミノピペリジン−1−イル部分に共有結合させたモルホリノサブユニット、
ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結をさらに含み、ホスホロジアミデートのリン原子を、モルホリノ環の窒素原子に共有結合させ、かつ、ジメチルアミノ部分に共有結合させたモルホリノサブユニット、
ホスホロチオエートヌクレオシド間もしくはホスホルアミデートヌクレオシド間連結で置換された、リボース糖サブユニット、
ホスホロチオエートヌクレオシド間連結もしくはホスホルアミデートヌクレオシド間連結で置換された、デオキシリボース糖サブユニット、
任意選択で置換された、ペプチド核酸サブユニット、
または前出の任意の組合せ
から選択されるアンチセンスオリゴマーを含む。
【0148】
多様な態様および実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、修飾アンチセンスオリゴマーに共有結合したペプチドをさらに含む。多様な実施形態では、アルギニンに富む細胞透過性ペプチドを、アンチセンスオリゴマーの3’末端または5’末端にコンジュゲートさせる。
【0149】
種々の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、約8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40塩基からなる場合もあり、8〜40、8〜30、8〜30、8〜25、8〜20、8〜18、10〜30、10〜25、10〜20、10〜18、15〜30、15〜25、15〜20、15〜18、18〜30、18〜25または18〜20塩基の、これらの範囲の間の全ての整数を含む範囲の場合もある。一部の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、約8〜約40または約8〜約30塩基の長さである。一部の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、約18〜約25塩基の長さである。一部の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマー配列は、少なくとも約8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40の連続塩基または非連続塩基であって、SMN2プレmRNAのイントロン6またはイントロン7などのSMN2プレmRNA内の標的配列、あるいはSMN2プレmRNAの少なくとも一部にわたる配列と相補的な連続塩基または非連続塩基を含む。
【0150】
修飾アンチセンスオリゴマーは、SMNタンパク質のSMN2プレmRNA配列のイントロン6、エクソン7もしくはイントロン7内の配列もしくは領域と十分に相補的な塩基配列を含むことが典型的である。以下の表1は、イントロン6、エクソン7およびイントロン7内の配列もしくは領域を列挙する。
【表1-1】
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【表1-2】
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【0151】
修飾アンチセンスオリゴマーは、SMN2プレmRNAの異常なスプライシングを、有効にモジュレートし、これにより、機能的なSMNタンパク質の発現を増加させることが可能なことが理想的である。この要件は、任意選択で、オリゴマー化合物が、哺乳動物細胞により能動的に取り込まれ、取り込まれると、標的mRNAと共に、任意選択で、Tmが、約40℃または45℃を超える、安定的な二重鎖(またはヘテロ二重鎖)を形成する能力を有する場合に満たされる。
【0152】
本明細書で使用される「相補的(complementary)」または「相補的(complementary)」とは、標的配列と相補的なヌクレオチド配列のうちの、約90%〜約100%を有する修飾アンチセンスオリゴマーを指す。複数の実施形態では、相補的なヌクレオチド配列は、標的配列と特異的にハイブリダイズして、所望の効果、例えば、本明細書で記載される治療効果を誘導する。ある特定の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、オリゴマーと標的配列との間に形成されるヘテロ二重鎖が、細胞ヌクレアーゼの作用、およびインビボにおいて生じうる、他の様態の分解に抗するのに十分に安定である限りにおいて、標的配列と100%相補的な場合もあり、例えば、改変体を擁するように、ミスマッチを含む場合もある。よって、ある特定のオリゴマーは、オリゴマーと、標的配列との間の、約90%または少なくとも約90%の配列相補性、例えば、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列相補性を意味する、実質的な相補性を有しうる。本明細書では、ヌクレアーゼによる切断を受けにくいオリゴマーのヌクレオシド間連結が提供される。ミスマッチは、存在する場合、ハイブリッド二重鎖の中央部より、末端領域に向かって、より不安定化しにくくなることが典型的である。許容されるミスマッチの数は、よく理解されている、二重鎖安定性の原理に従い、オリゴマーの長さ、二重鎖内のG:C塩基対の百分率、および二重鎖内のミスマッチの位置に依存すると予想される。このような修飾アンチセンスオリゴマーは必ずしも、標的配列に対する、100%の相補性を含むわけではないが、標的プレmRNAのスプライシングを十分にモジュレートする、例えば、本明細書で記載される治療効果を達成するように、標的配列に、有効に、安定的に、かつ特異的に結合するのに十分な相補性を有するべきである。
【0153】
理論に束縛されずに述べると、オリゴマーと、標的配列との間で形成される二重鎖の安定性は、結合Tmと、二重鎖の、細胞酵素による切断の受けやすさとの関数であると考えられる。相補配列であるRNA二重鎖との関連における、オリゴマーのTmは、Hamesら、「Nucleic Acid Hybridization」、IRL Press、1985年、107〜108頁により記載されている方法、またはMiyada C. G.およびWallace R. B.、1987年、「Oligomer Hybridization Techniques」、Methods Enzymol.、154巻、94〜107頁(この内容は、本明細書中に参考として援用される)において記載されている方法など、従来の方法により測定することができる。多様な実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、相補配列であるRNA二重鎖との関連における結合Tmであって、例えば、約45℃または50℃を超えるなど、体温を超えるTmを有する。60〜80℃またはこれを超える範囲のTmもまた含まれる。周知の原理に従い、相補性ベースのRNAハイブリッド二重鎖との関連における、オリゴマーのTmは、二重鎖内のC:G対合塩基の比を増加させ、かつ/またはヘテロ二重鎖の長さ(塩基対での)を増加させることにより、上昇させることができる。
【0154】
下記の表2は、SMN2プレmRNAのイントロン6またはイントロン7内の標的領域と相補的な例示的なターゲティング配列を示す(5’−3’の配向性で)。
【表2-1】
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【表2-2】
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【0155】
ある特定の修飾アンチセンスオリゴマーは、表1における配列(例えば、配列番号4〜16)を含むか、これらからなるか、またはこれらから本質的になるか、配列番号4〜16から選択されるか、配列番号4〜16から選択される配列のうちの、少なくとも8連続ヌクレオチドの断片であるか、あるいは、配列番号4〜16から選択される配列に対する、少なくとも90%の配列同一性を有する改変体であり、ここで、各Xは、独立に、ウラシル(U)またはチミン(T)から選択され、各Yは、独立に、シトシン(C)または5−メチルシトシン(5mC)から選択される。例えば、ある特定のアンチセンスオリゴマーは、配列番号4〜16のいずれかのうちの約8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30の連続ヌクレオチドもしくは非連続ヌクレオチド、または少なくともほぼこれらの数の連続ヌクレオチドもしくは非連続ヌクレオチドを含む。非連続部分については、介在ヌクレオチドを、欠失させるか、または異なるヌクレオチドで置換することもでき、介在ヌクレオチドを付加することもできる。改変体のさらなる例は、約90%または少なくとも約90%の配列同一性または配列相同性、例えば、配列番号4〜16のいずれかの全長にわたる、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性または配列相同性を有するオリゴマーを含む。ある特定の実施形態では、ターゲティング配列は、配列番号4〜16から選択される。
【0156】
修飾アンチセンスオリゴマーおよびその改変体の活性/機能性は、当技術分野における慣例的な技法に従いアッセイすることができる。例えば、サーベイされるRNAのスプライス形態および発現レベルを、転写される核酸またはタンパク質のスプライス形態および/または発現を検出するための、多種多様な周知の方法のうちのいずれかにより評価することができる。このような方法の非限定的な例は、RNAのスプライシング形態についてのRT−PCRに続く、PCR産物のサイズによる分離、核酸ハイブリダイゼーション法、例えば、ノーザンブロット、ならびに/または核酸アレイ;核酸増幅法;タンパク質を検出するための免疫学的方法;タンパク質精製法;およびタンパク質機能アッセイまたはタンパク質活性アッセイの使用を含む。
【0157】
RNA発現レベルは、mRNA/cDNA(すなわち、転写されるオリゴヌクレオチド)を、細胞、組織、または生物体から調製し、mRNA/cDNAを、アッセイされる核酸またはその断片の相補体である基準オリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせることにより評価することができる。cDNAは、任意選択で、相補的オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションの前に、様々なポリメラーゼ連鎖反応またはインビトロにおける転写法のうちのいずれかを使用して増幅することもできるが;増幅しないことが好ましい。1または複数の転写物の発現はまた、転写物の発現レベルについて評価する、定量的PCRを使用して検出することもできる。
【0158】
III.修飾アンチセンスオリゴマー化学
A.一般的特徴
多様な態様および実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、SMN2プレmRNA内の標的領域と特異的にハイブリダイズする。例示的な修飾アンチセンスオリゴマーは、表1に明示されたターゲティング配列、表1のターゲティング配列のうちの、少なくとも8連続ヌクレオチドの断片、または表1のターゲティング配列に対する、少なくとも90%の配列同一性を有する改変体を含む。他の例示的な修飾アンチセンスオリゴマーは、表1に明示されたターゲティング配列からなるか、またはこれらから本質的になる。
【0159】
さらなる態様では、ヌクレアーゼ耐性修飾アンチセンスオリゴマーが提供される。多様な実施形態では、1または複数のヌクレオシド間連結の修飾を含む修飾アンチセンスオリゴマーが提供される。他の実施形態では、1または複数の修飾糖部分を含む修飾アンチセンスオリゴマーが提供される。他の実施形態では、1または複数の修飾ヌクレオシド間連結と、1または複数の修飾糖部分との組合せを含む、修飾アンチセンスオリゴマーが提供される。他の実施形態では、修飾ヌクレオ塩基単独、または修飾ヌクレオシド間連結もしくは修飾糖部分のうちのいずれかと組み合わせた修飾ヌクレオ塩基を含む、修飾アンチセンスオリゴマーが提供される。
【0160】
多様な実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、完全に修飾されたヌクレオシド間連結を有するオリゴマーを含むことが可能であり、例えば、ヌクレオシド間連結の100%が修飾されている(例えば、25量体の修飾アンチセンスオリゴマーは、本明細書で記載される修飾のうちの1つまたはこれらの任意の組合せで修飾された、24のヌクレオシド間連結を含む)。多様な実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、そのヌクレオシド間連結の約100%〜2.5%が修飾されたものを含みうる。多様な実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、そのヌクレオシド間連結のうちの約99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、または2.5%、およびその間の整数(iteration)の%が修飾されたものを含みうる。他の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、本明細書で記載される修飾の任意の組合せを含みうる。
【0161】
修飾ヌクレオシド間連結のパーセントについての実施形態と組み合わせた実施形態を含む、多様な実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、完全修飾糖部分を有するオリゴマーを含むことが可能であり、例えば、糖部分の100%が修飾されている(例えば、25量体の修飾アンチセンスオリゴマーは、本明細書で記載される修飾のうちの1つまたはこれらの任意の組合せで修飾された、25の糖部分を含む)。多様な実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、その糖部分の約100%〜2.5%が修飾されたものを含みうる。多様な実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、その糖部分のうちの約99%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、または2.5%、およびその間の整数の%が修飾されたものを含みうる。他の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、本明細書で記載される修飾の任意の組合せを含みうる。
【0162】
多様な実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、実質的に非荷電であり、任意選択で、細胞膜を横切る、能動的な輸送または促進された輸送のための基質として適する。一部の実施形態では、全てのヌクレオシド間連結は、非荷電である。オリゴマーが、標的プレmRNAと共に、安定的な二重鎖を形成する能力はまた、標的との関連における、修飾アンチセンスオリゴマーの相補性の長さおよび程度、G:C塩基マッチの、A:T塩基マッチに対する比、ならびに任意のミスマッチ塩基の位置を含む、オリゴマーの他の特色にも関しうる。修飾アンチセンスオリゴマーが、細胞ヌクレアーゼに抵抗する能力は、薬剤の存続および細胞質への最終的な送達を促進しうる。
【0163】
多様な実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、生理学的pHで正に荷電しているか、またはカチオン性である、少なくとも1つのヌクレオシド間連結を有する。さらなる実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、約5.5〜約12の間のpKaを呈示する、少なくとも1つのヌクレオシド間連結を有する。さらなる実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、約1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、もしくは10のヌクレオシド間連結、少なくともほぼこれらの数のヌクレオシド間連結、またはほぼこれらの数を超えないヌクレオシド間連結であって、約4.5〜約12の間のpKaを呈示するヌクレオシド間連結を含有する。一部の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、もしくは100%のヌクレオシド間連結、または少なくともほぼこれらの比率のヌクレオシド間連結であって、約4.5〜約12の間のpKaを呈示するヌクレオシド間連結を含有する。任意選択で、修飾アンチセンスオリゴマーは、塩基性の窒素と、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基との両方を伴う、少なくとも1つのヌクレオシド間連結を有する。特定の実施形態では、1または複数のカチオン性ヌクレオシド間連結は、4−アミノピペリジン−1−イル(APN)基またはその誘導体を含む。一部の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、モルホリノ環を含む。理論に束縛されるわけではないが、オリゴマー内の、1または複数のカチオン性連結(例えば、APN基またはAPN誘導体)の存在は、標的ヌクレオチド内の、負に荷電したホスフェートへの結合を促進することが考えられる。こうして、変異体RNAと、カチオン性連結を含有するオリゴマーとの間のヘテロ二重鎖の形成は、イオン性引力およびワトソン−クリック塩基対合の両方により一体に保持されうる。
【0164】
多様な実施形態では、カチオン性連結の数は、少なくとも2つであり、全ヌクレオシド間連結の約半分を超えず、例えば、約1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20のカチオン性連結、またはほぼこれらを超えないカチオン性連結である。一部の実施形態では、しかし、ヌクレオシド間連結のうちの、最大で全ては、カチオン性連結であり、例えば、全ヌクレオシド間連結のうちの約1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、もしくは40、または少なくともほぼこれらの数は、カチオン性連結である。さらなる実施形態では、約19〜20単量体サブユニットのオリゴマーは、2つ〜10、例えば、4〜8つのカチオン性連結と、残りの非荷電連結とを有しうる。他の具体的な実施形態では、14〜15サブユニットのオリゴマーは、2〜7つ、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つのカチオン性連結と、残りの非荷電連結とを有しうる。こうして、オリゴマー内のカチオン性連結の総数は、約1〜10〜18〜20〜30またはこれを超えて(間の全ての整数を含む)変動することが可能であり、オリゴマー全体にわたり散在しうる。
【0165】
一部の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、10の非荷電連結ごとに約4つ〜5つまたは4つもしくは5つなど、2つ〜5つまたは2つ、3つ、4つ、もしくは5つの非荷電連結ごとに約1つのカチオン性連結または最大で約1つのカチオン性連結を有しうる。
【0166】
ある特定の実施形態は、約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%のカチオン性連結を含有する修飾アンチセンスオリゴマーを含む。ある特定の実施形態では、アンチセンス活性の最適な改善は、ヌクレオシド間連結のうちの約25%がカチオン性である場合に見ることができる。ある特定の実施形態では、増強は、少数(例えば、10〜20%)のカチオン性連結に関して見ることもでき、カチオン性連結の数が、約60%など、50〜80%の範囲内にある場合に見ることもできる。
【0167】
さらなる実施形態では、カチオン性連結を、ヌクレオシド間連結に沿って散在させる。このようなオリゴマーは任意選択で、少なくとも2つの連続非荷電連結を含有する;すなわち、オリゴマーは任意選択で、その全長に沿って、厳密に交互のパターンを有さない。具体的な場合では、各1つまたは2つのカチオン性連結は、ヌクレオシド間連結に沿って、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、もしくは5つの非荷電連結により隔てられる。
【0168】
また、カチオン性連結のブロックと、非荷電連結のブロックとを有するオリゴマーも含まれる。例えば、中央の非荷電連結のブロックが、カチオン性連結のブロックに挟まれる場合もあり、この逆の場合もある。一部の実施形態では、オリゴマーは、ほぼ等長の5’領域、3’領域、および中央領域を有し、中央領域内のカチオン性連結の百分率は、カチオン性連結の総数のうちの、約50%、60%、70%、または80%を超える。
【0169】
ある特定の修飾アンチセンスオリゴマーでは、カチオン性連結のバルク(例えば、カチオン性連結のうちの70、75%、80%、90%)は、ヌクレオシド間連結の「中央領域」、例えば、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、または15の真ん中の連結(centermost linkage)に近接して分布する。例えば、16、17、18、19、20、21、22、23、または24量体のオリゴマーは、全カチオン性連結のうちの、少なくとも50%、60%、70%、または80%を、8つ、9つ、10、11、または12の真ん中の連結へと局在化させうる。
【0170】
B.化学の特色
修飾アンチセンスオリゴマーは、様々なヌクレオチド類似体サブユニットを含有しうる。さ
らなる例は、
ホスホルアミデートを含有するオリゴマー、
ホスホロジアミデートを含有するオリゴマー、
ホスホロトリアミデートを含有するオリゴマー、
ホスホロチオエートを含有するオリゴマー、
モルホリノを含有するオリゴマーであって、任意選択で、ホスホルアミデートヌクレオシド間連結またはホスホロジアミデートヌクレオシド間連結で置換されたオリゴマー、
2’O−メチルを含有するオリゴマーであって、任意選択で、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結で置換されたオリゴマー、
ロックト核酸(LNA)を含有するオリゴマーであって、任意選択で、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結で置換されたオリゴマー、
2’O−メトキシエチル(MOE)を含有するオリゴマーであって、任意選択で、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結で置換されたオリゴマー、
2’−フルオロを含有するオリゴマーであって、任意選択で、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結で置換されたオリゴマー、
2’O,4’C−エチレン架橋核酸(ENA)を含有するオリゴマーであって、任意選択で、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結で置換されたオリゴマー、
トリシクロDNA(tc−DNA)を含有するオリゴマーであって、任意選択で、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結で置換されたオリゴマー、
2’−O−[2−(N−メチルカルバモイル)エチル]を含有するオリゴマーであって、任意選択で、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結で置換されたオリゴマー、
モルホリノを含有するオリゴマーであって、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結をさらに含み、ホスホロジアミデートのリン原子を、モルホリノ環の窒素原子に共有結合させ、かつ、(1,4−ピペラジン)−1−イル部分、または置換(1,4−ピペラジン)−1−イル(PMOプラス)部分に共有結合させたオリゴマー、
モルホリノを含有するオリゴマーであって、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結をさらに含み、ホスホロジアミデートのリン原子を、モルホリノ環の窒素原子に共有結合させ、かつ、4−アミノピペリジン−1−イル部分(すなわち、APN)または置換4−アミノピペリジン−1−イル(PMO−X)部分に共有結合させたオリゴマー、
ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結をさらに含むモルホリノサブユニットであって、ホスホロジアミデートのリン原子を、モルホリノ環の窒素原子に共有結合させ、かつ、ジメチルアミノ部分に共有結合させたサブユニット、
リボース糖を含有するオリゴマーであって、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結またはホスホルアミデートヌクレオシド間連結をさらに含むオリゴマー、
デオキシリボース糖を含有するオリゴマーであってホスホロチオエートヌクレオシド間連結オリゴマーまたはホスホルアミデートヌクレオシド間連結をさらに含むオリゴマー、
任意選択でさらに置換された、ペプチドコンジュゲートホスホロジアミデートモルホリノ含有オリゴマー(PPMO)、
さらなる置換を含む、任意選択でさらに置換された、ペプチド核酸(PNA)オリゴマー、
および前出のうちのいずれかの組合せを含む。
【0171】
ある特定の実施形態では、ホスホロジアミデート連結のリン原子を、(1,4−ピペラジン)−1−イル部分、置換(1,4−ピペラジン)−1−イル部分、4−アミノピペリジン−1−イル部分、または置換4−アミノピペリジン−1−イル部分で、さらに置換する。
【0172】
一般に、PNA化学およびLNA化学は、PMOおよび2’O−Meオリゴマーと比べた、それらの比較的高度な標的結合強度のために、より短いターゲティング配列を活用しうる。ホスホロチオエート化学と、2’O−Me化学とを組み合わせて、2’O−Me−ホスホロチオエート類似体を作出することができる。例えば、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、PCT公開第WO/2013/112053号および同第WO/2009/008725号を参照されたい。
【0173】
場合によって、ホスホロジアミデートモルホリノオリゴマー(PMO)などの修飾アンチセンスオリゴマーを、細胞透過性ペプチド(CPP)にコンジュゲートさせて、細胞内送達を促進することができる。ペプチドコンジュゲートPMOは、PPMOと呼ばれ、ある特定の実施形態は、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、PCT公開第WO/2012/150960号において記載されているPPMOを含む。一部の実施形態では、例えば、本明細書で記載される修飾アンチセンスオリゴマーの3’末端にコンジュゲートまたは連結させた、アルギニンに富むペプチド配列を使用することができる。
【0174】
1.ペプチド核酸(PNA)
ペプチド核酸(PNA)とは、骨格が、デオキシリボース骨格と構造的に同形である、DNAの類似体であって、ピリミジン塩基またはプリン塩基を結合させた、N−(2−アミノエチル)グリシン単位からなる類似体である。天然のピリミジン塩基およびプリン塩基を含有するPNAは、ワトソン−クリック塩基対合則に従う相補的オリゴマーとハイブリダイズし、塩基対認識の点で、DNAを模倣する(Egholm、Buchardtら、1993年)。PNAのヌクレオシド間連結は、ホスホジエステル結合ではなく、ペプチド結合により形成されることから、アンチセンス適用(下記の構造を参照されたい)に良好に適する。骨格が非荷電である結果として、通常を超える熱安定性を呈示する、PNA/DNA二重鎖またはPNA/RNA二重鎖がもたらされる。PNAは、ヌクレアーゼによっても、プロテアーゼによっても認識されない。PNAサブユニットを含むPNAオリゴマーの非限定的な例を、下記:
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
に描示する。
【0175】
天然構造に対する大幅な構造変化にもかかわらず、PNAは、ヘリックス形態による、DNAまたはRNAへの配列特異的結合が可能である。PNAの特徴は、相補的なDNAまたはRNAに対する高結合アフィニティー、単一塩基ミスマッチにより引き起こされる不安定化効果、ヌクレアーゼおよびプロテアーゼに対する耐性、塩濃度に依存しない、DNAまたはRNAとのハイブリダイゼーション、およびホモプリンDNAとの三重鎖形成を含む。PANAGENE(Daejeon、Korea)は、Bts PNA単量体(Bts;ベンゾチアゾール−2−スルホニル基)と、オリゴマー化工程とを開発している。Bts PNA単量体を使用する、PNAのオリゴマー化は、脱保護、カップリング、およびキャッピングの反復的サイクルから構成される。PNAは、当技術分野で公知の任意の技法を使用して、合成により作製することができる。例えば、米国特許第6,969,766号、同第7,211,668号、同第7,022,851号、同第7,125,994号、同第7,145,006号、および同第7,179,896号を参照されたい。PNAの調製についてはまた、米国特許第5,539,082号;同第5,714,331号;および同第5,719,262号も参照されたい。PNA化合物についてのさらなる教示は、Nielsenら、Science、254巻:1497〜1500頁、1991年においても見出すことができる。前出の各々は、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる。
【0176】
2.ロックト核酸(LNA)
修飾アンチセンスオリゴマー化合物はまた、「ロックト核酸」サブユニット(LNA)も含有しうる。「LNA」とは、架橋核酸(BNA)と呼ばれる修飾のクラスのメンバーである。BNAは、リボース環のコンフォメーションを、C30−エンド(ノーザン)糖パッカー(sugar pucker)にロックする共有結合的連結を特徴とする。LNAでは、架橋は、2’−O位と4’−C位との間のメチレンから構成される。LNAは、骨格の事前組織化(preorganization)および塩基スタッキングを増強して、ハイブリダイゼーションおよび熱安定性を増加させる。
【0177】
LNAの構造は、例えば、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、Wengelら、Chemical Communications(1998年)、455巻;Tetrahedron(1998年)、54巻:3607頁、およびAccounts of Chem. Research(1999年)、32巻:301頁);Obikaら、Tetrahedron Letters(1997年)、38巻:8735頁;(1998年)、39巻:5401頁、ならびにBioorganic Medicinal Chemistry(2008年)、16巻:9230頁において見出すことができる。LNAサブユニットと、ホスホジエステルヌクレオシド間連結とを含む、LNAオリゴマーの非限定的な例を、下記:
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
に描示する。
【0178】
本開示の化合物には、1または複数のLNAを組み込むことができ、場合によって、化合物を、LNAから完全に構成することもできる。個別のLNAヌクレオシドサブユニットの合成およびオリゴマーへのそれらの組込みのための方法については、例えば、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、米国特許第7,572,582号、同第7,569,575号、同第7,084,125号、同第7,060,809号、同第7,053,207号、同第7,034,133号、同第6,794,499号、および同第6,670,461号において記載されている。典型的なヌクレオシド間リンカーは、ホスホジエステル部分およびホスホロチオエート部分を含み、代替的に、リン非含有リンカーを使用することもできる。さらなる実施形態は、LNA含有化合物を含み、各LNAサブユニットは、DNAサブユニットで隔てられている。ある特定の化合物は、交互のLNAサブユニットおよびDNAサブユニットから構成され、ヌクレオシド間リンカーは、ホスホロチオエートである。
【0179】
2’O,4’C−エチレン架橋核酸(ENA)は、BNAのクラスの別のメンバーである。ENAサブユニットおよびホスホジエステルヌクレオシド間連結の非限定的な例を、下記:
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
に描示する。
ENAオリゴマーおよびそれらの調製については、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、Obikaら、Tetrahedron Ltt、38巻(50号):8735頁において記載されている。本開示の化合物には、1または複数のENAサブユニットを組み込むことができる。
【0180】
3.ホスホロチオエート
「ホスホロチオエート」(またはS−オリゴ)とは、生来DNAまたは生来RNAの改変体であって、ホスホジエステルヌクレオシド間連結の非架橋酸素のうちの1つを、硫黄で置きかえた改変体である。デオキシリボースサブユニットと、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結とを含む、ホスホロチオエートDNA(左)、および、リボースサブユニットと、ホスホロチオエート(phosophorothioate)ヌクレオシド間連結とを含む、ホスホロチオエートRNA(右)の非限定的な例を、下記:
【化30】
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に描示する。
ヌクレオシド間結合の硫黄化(sulfurization)は、5’−3’および3’−5’DNA POL 1エクソヌクレアーゼ、ヌクレアーゼS1およびP1、RNアーゼ、血清ヌクレアーゼ、ならびにヘビ毒ホスホジエステラーゼを含む、エンドヌクレアーゼおよびエクソヌクレアーゼの作用を低減する。ホスホロチオエートは、2つの主要な経路:ホスホン酸水素上の炭素ジスルフィド内の硫黄元素の溶解作用、または亜リン酸トリエステルを、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)もしくは3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン1,1−ジオキシド(3H−1,2−bensodithiol−3−one 1,1−dioxide;BDTD)で硫黄化する方法(例えば、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、Iyerら、J. Org. Chem.55巻、4693〜4699頁、1990年を参照されたい)により作製し得る。後者の方法は、大半の有機溶媒中の硫黄元素の不溶性および炭素ジスルフィドの毒性の問題を回避する。TETD法およびBDTD法はまた、高純度のホスホロチオエートももたらす。
【0181】
4.トリシクロDNAおよびトリシクロホスホロチオエートヌクレオチド
トリシクロDNA(tc−DNA)とは、各ヌクレオチドを、シクロプロパン環の導入
により修飾して、骨格のコンフォメーション可撓性を制約し、ねじれ角γの骨格形状を最適化した、拘束DNA類似体のクラスである。ホモ塩基性のアデニン含有tc−DNAおよびチミン含有tc−DNAは、相補的なRNAと共に、極めて安定的なA−T塩基対を形成する。トリシクロDNAおよびそれらの合成については、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、PCT公開第WO2010/115993号において記載されている。本開示の化合物には、1または複数のトリシクロDNAサブユニットを組み込むことができ、場合によって、化合物は、トリシクロDNAサブユニットから完全に構成されうる。
【0182】
トリシクロホスホロチオエートヌクレオチドとは、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結を伴うトリシクロDNAサブユニットである。トリシクロホスホロチオエートヌクレオチドおよびそれらの合成については、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、PCT公開第WO2013/053928号において記載されている。本開示の化合物には、1または複数のトリシクロDNAサブユニットを組み込むことができ、場合によって、化合物は、トリシクロDNAヌクレオチドから完全に構成されうる。トリシクロDNA/三環系(tricycle)サブユニットおよびホスホジエステルヌクレオシド間連結の非限定的な例を、下記:
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
に描示する。
5. 2’O−メチルオリゴマー、2’O−MOEオリゴマー、および2’−Fオリゴマー
「2’O−Meオリゴマー」分子は、リボース分子の2’−OH残基において、メチル基を保有するサブユニットを含む。2’−O−Me−RNAは、DNAと同じ(または類似の)挙動を示すが、ヌクレアーゼによる分解に対して保護されている。2’−O−Me−RNAはまた、さらなる安定化のために、ホスホロチオエートオリゴマー(PTO)と組み合わせることもできる。2’O−Meオリゴマー(2’OMeサブユニットが、ホスホジエステルヌクレオシド間連結またはホスホロチオエートヌクレオシド間連結により接続されている)は、当技術分野における慣例的な技法(例えば、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、Yooら、Nucleic Acids Res.、32巻:2008〜16頁、2004年を参照されたい)に従い、合成することができる。2’OMeサブユニットおよびホスホジエステルサブユニット間連結を含む2’O−Meオリゴマーの非限定的な例を、下記:
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
に描示する。
2’O−Meオリゴマーはまた、ホスホロチオエート連結(2’O−Meホスホロチオエートオリゴマー)も含みうる。2’O−Meオリゴマーなどの2’O−メトキシエチルオリゴマー(2’−O MOE)は、リボース分子の2’−OH残基において、メトキシエチル基を保有するサブユニットを含み、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、Martinら、Helv. Chim. Acta、78巻、486〜504頁、1995年において論じられている。2’O−MOEサブユニットの非限定的な例を、下記:
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
に描示する。
【0183】
前出のアルキル化2’OHリボース誘導体と対照的に、2’−フルオロオリゴマーは、2’位において、2’OHの代わりにフルオロラジカルを有するサブユニットを含む。2’−Fサブユニットおよびホスホジエステルヌクレオシド間連結を含む2’−Fオリゴマーの非限定的な例を、下記:
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
に描示する。
2’−フルオロオリゴマーについては、参照によりその全体において本明細書に組み込
まれる、WO2004/043977においてさらに記載されている。本開示の化合物には、1または複数の2’O−メチルサブユニット、2’O−MOEサブユニット、および2’−Fサブユニットを組み込むことができ、本明細書で記載されるヌクレオシド間連結のうちのいずれかを活用することができる。場合によって、本開示の化合物は、2’O−メチル、2’O−MOE、または2’−Fサブユニットから完全に構成しうると予想される。本開示の化合物についての一実施形態は、2’O−メチルサブユニットから完全に構成される。
【0184】
6. 2’−O−[2−(N−メチルカルバモイル)エチル]オリゴマー(MCE)
MCEは、本開示の化合物中で有用な、2’O修飾リボヌクレオチドの別の例である。この例では、2’OHを、2−(N−メチルカルバモイル)エチル部分へと誘導体化して、ヌクレアーゼ耐性を増加させる。MCEサブユニットおよびホスホジエステルヌクレオシド間連結を含むMCEオリゴマーの非限定的な例を、下記:
【化35】
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に描示する。
MCEおよびそれらの合成については、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、Yamadaら、J. Org. Chem.、76巻(9号):3042〜53頁において記載されている。本開示の化合物には、1または複数のMCEサブユニットを組み込むことができる。
【0185】
7.モルホリノベースのオリゴマー
モルホリノベースのオリゴマーとは、ヌクレオ塩基を支持するモルホリノサブユニットを含むオリゴマーを指し、リボースの代わりに、モルホリニル環を含有する。例示的なヌクレオシド間連結は、例えば、1つのモルホリノサブユニットのモルホリニル環窒素を、隣接するモルホリノサブユニットの4’環外炭素に接合する、ホスホルアミデートヌクレオシド間連結またはホスホロジアミデートヌクレオシド間連結を含む。各モルホリノサブユニットは、塩基特異的水素結合により、オリゴヌクレオチド内の塩基に結合するのに有効な、プリンまたはピリミジンのヌクレオ塩基を含む。
【0186】
モルホリノベースのオリゴマー(修飾アンチセンスオリゴマーを含む)については、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、米国特許第5,698,685号;同第5,217,866号;同第5,142,047号;同第5,034,506号;同第5,166,315号;同第5,185,444号;同第5,521,063号;同第5,506,337号;ならびに係属中の米国特許出願第12/271,036号;同第12/271,040号;およびPCT公開第WO/2009/064471号および同第WO/2012/043730号;ならびにSummertonら、1997年、「Antisense and Nucleic Acid Drug Development」、7巻、187〜195頁において詳述されている。本明細書では、用語「モルホリノサブユニット」を、Summertonらに記載されるとおりに使用する。
【0187】
オリゴマー構造内で、リン酸基は一般に、オリゴマーの「ヌクレオシド間連結」を形成する基として言及される。RNAおよびDNAの天然に存在するヌクレオシド間連結は、3’−5’ホスホジエステル連結である。「ホスホルアミデート」基が、3つの結合酸素原子と、1つの結合窒素原子とを有するリンを含むのに対し、「ホスホロジアミデート」基は、2つの結合酸素原子と、2つの結合窒素原子とを有するリンを含む。「ホスホロトリアミデート」基(またはリン酸トリアミド基)は、接合した酸素原子1個および接合した窒素原子3個を有するリンを含む。本明細書で記載されるモルホリノベースのオリゴマーの非荷電ヌクレオシド間連結またはカチオン性ヌクレオシド間連結では、1つの窒素は常に、連結鎖に対してペンダントであるものである。ホスホロジアミデート連結における第2の窒素は、モルホリン環構造内の環窒素であることが典型的である。
【0188】
「PMO」とは、(i)モルホリン環の窒素原子への共有結合、および(ii)ジメチルアミノの窒素への第2の共有結合を伴うリン原子を有するホスホロジアミデートモルホリノベースのオリゴマーを指す。「PMO−X」とは、(i)モルホリン環の窒素原子への共有結合、および(ii)例えば、4−アミノピペリジン−1−イル(すなわち、APN)または4−アミノピペリジン−1−イルの誘導体の環窒素への第2の共有結合を伴うリン原子を有するホスホロジアミデートモルホリノベースのオリゴマーを指す。例示的なPMO−Xオリゴマーについては、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、PCT出願第PCT/US2011/38459号およびPCT公開第WO2013/074834号において開示されている。PMO−Xは、リン原子を、モルホリノ基、および4−アミノピペリジン−1−イル(すなわち、APN)の環窒素へと連結する、少なくとも1つのヌクレオシド間連結を含む、PMO−Xオリゴマーを指す、「PMO−apn」、「PMO−APN」または「APN」を含む。具体的な実施形態では、表2に明示されたターゲティング配列を含む修飾アンチセンスオリゴマーは、少なくとも1つのAPNを含有する連結またはAPN誘導体を含有する連結を含む。多様な実施形態は、モルホリノベースのオリゴマーであって、約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%の、APN/APN誘導体を含有する連結を有し、残りの連結(100%未満である場合)が、非荷電連結であり、例えば、全ヌクレオシド間連結のうちの約1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40、または少なくともほぼこれらの数が、APN/APN誘導体を含有する連結であるオリゴマーを含む。
【0189】
多様な実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、式(I):
【化36】
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の化合物または薬学的に許容されるその塩[式中、
各Nuは、一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり;
Zは、6〜38の整数であり;
各Yは、Oおよび−NRから独立に選択され、式中、各Rは、H、C〜Cアルキル、アラルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNRC(=NH)NH、−C(O)(CHNHC(O)(CHNRC(=NH)NH、およびGから独立に選択され、式中、Rは、HおよびC〜Cアルキルから選択され、nは、1〜5の整数であり;
Tは、OHおよび式:
【化37】
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の部分から選択され、式中、
Aは、−OH、−N(RおよびRから選択され、式中、
各Rは、HおよびC〜Cアルキルから独立に選択され、
は、電子対およびHから選択され、そして
は、OH、−N(R)CHC(O)NH、および式:
【化38】
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の部分から選択され、式中、
は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
10は、G、−C(O)−R11OH、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR12C(=NH)NH、および−C(O)(CHNHC(O)(CHNR12C(=NH)NHから選択され、式中、
mは、1〜5の整数であり、
11は、式−(O−アルキル)−を有し、式中、yは、3〜10の整数であり、
y個のアルキル基の各々は、C〜Cアルキルから独立に選択され;
12は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
の各例(instance)は、
−N(R1314[式中、各R13は、HおよびC〜Cアルキルから独立に選択され、そしてR14は電子対およびHから選択される];
式(II):
【化39】
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の部分[式中、
15は、H、G、C〜Cアルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR18C(=NH)NH、および−C(O)(CHNHC(O)(CHNR18C(=NH)NHから選択され、式中、
18は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
qは、1〜5の整数であり;
16は、電子対およびHから選択され;そして
各R17は、Hおよびメチルから独立に選択される];および
式(III):
【化40】
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の部分[式中、
19は、H、C〜Cアルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR22C(=NH)NH、−C(O)CH(NH)(CHNHC(=
NH)NH、−C(O)(CHNHC(O)(CHNR22C(=NH)NH、−C(O)CH(NH)(CHNH、およびGから選択され、式中、
22は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
rは、1〜5の整数であり、
20は、HおよびC〜Cアルキルから選択され、R21は、電子対およびHから選択される]
から独立に選択され;
は、H、G、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、C〜Cアルキル、−C(=NH)NH、−C(O)−R23、−C(O)(CHNR24C(=NH)NH、−C(O)(CHNHC(O)(CHNR24C(=NH)NH、−C(O)CH(NH)(CHNHC(=NH)NH、および式:
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
の部分から選択され、式中、
23は、式−(O−アルキル)−OHを有し、式中、vは、3〜10の整数であり、v個のアルキル基の各々は、C〜Cアルキルから独立に選択され;
24は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
sは、1〜5の整数であり;
Lは、−C(O)(CHC(O)−および−C(O)(CH(CHC(O)−から選択され;
各R25は、式−(CHOC(O)N(R26を有し、式中、各R26は、式−(CHNHC(=NH)NHを有し、
ここで、Gは、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNHC(O)(CHNH−CPP、および−C(O)CHNH−CPPから選択される細胞透過性ペプチド(「CPP」)およびリンカー部分であるか、またはGは、式:
【化42】
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を有し、式中、CPPは、Gの最大で1つの例が存在するという条件で、CPPのカルボキシ末端において、アミド結合により、リンカー部分に結合している]
である。
【0190】
一部の実施形態では、Rは、式:
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
の部分であり、
式中、Lは−C(O)(CHC(O)−または−C(O)(CH(CHC(O)−から選択され、
各R25は式−(CHOC(O)N(R26を有し、各R26は式−(CHNHC(=NH)NHを有する。そのような部分は、米国特許第7,935,816号に記載されており、これは、その全体が参考として本明細書に援用される。
【0191】
ある特定の実施形態では、Rは、
【化44】
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に描示するいずれかの部分を含みうる。
【0192】
種々の実施形態では、各YはOであり、Rは、HまたはGから選択される。一部の実施形態では、RはGであり、式中、CPPは配列番号17〜32から選択される配列を有する。ある特定の実施形態では、RはHである。
【0193】
ある特定の実施形態では、各Rは−N(CHである。一部の実施形態では、R基の約50〜95%はジメチルアミノ(すなわち−N(CH)である。ある特定の実施形態では、R基の約70%〜約80%はジメチルアミノである。ある特定の実施形態では、R基の約75%はジメチルアミノである。ある特定の実施形態では、R基の約66%はジメチルアミノである。
【0194】
本開示の一部の実施形態では、Rは、
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
から選択されうる。
【0195】
ある特定の実施形態では、少なくとも1つのRは、
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0196】
一部の実施形態では、少なくとも1つのR
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0197】
種々の実施形態では、少なくとも1つのR
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0198】
一部の実施形態では、少なくとも1つのR
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
であり、少なくとも1つの他のR
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0199】
ある特定の実施形態では、Tは式:
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、
式中、Aは−N(CHであり、Rは式:
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、
式中、R10は−C(O)R11OHである。
【0200】
一部の実施形態では、各YはOであり、RはH、Gまたはアシルであり、Tは、
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0201】
一部の実施形態では、Tは、
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0202】
ある特定の実施形態では、Tは式:
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
を有する。
【0203】
種々の実施形態では、Tは式:
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、
各YはOであり、RはGである。
【0204】
一部の実施形態では、Tは式:
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、
各YはOであり、RはHまたはアシルである。
【0205】
種々の実施形態では、Rは、Hまたはアシルから選択され、Tは式:
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、各YはOであり、各Rは−N(CHである。
【0206】
ある特定の実施形態では、Tは式:
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、各YはOであり、各Rは−N(CHであり、RはGである。
【0207】
種々の実施形態では、Tは式:
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、各YはOであり、RはHである。
【0208】
一部の実施形態では、各YはOであり、各R
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
および−N(CHから独立に選択され、Tは
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはHであり、式中、少なくとも1つのR
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0209】
ある特定の実施形態では、各YはOであり、各R
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
および−N(CHから独立に選択され、Tは
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはHであり、式中、少なくとも1つのR
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0210】
一部の実施形態では、少なくとも1つのR
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Tは
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはGである。
【0211】
一部の実施形態では、CPPは配列番号17〜32から選択される配列を有する。
【0212】
一部の実施形態では、Gは式:
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、
式中、Rは、H、アセチル、ベンゾイル、およびステアロイルから選択される。
【0213】
ある特定の実施形態では、CPPは式:
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、
式中、Rは、H、アセチル、ベンゾイル、およびステアロイルから選択される。
【0214】
種々の実施形態では、各YはOであり、Rは、HまたはGから選択される。一部の実施形態では、RはGであり、式中、CPPは以下で記載される配列番号17〜32から選択される配列を有する。
【0215】
他の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、式(IV):
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
各Nuは一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり、
Zは、6〜38の整数であり、
Tは、式:
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
の部分から選択され、
式中、Rは、HおよびC〜Cアルキルから選択され、
の各例は独立に−N(Rであり、式中、各RはHおよびC〜Cアルキルから独立に選択され、
は、H、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、およびC〜Cアルキルから選択される。
種々の実施形態では、Rは、Hまたはアシルから選択される。一部の実施形態では、RはHである。
【0216】
ある特定の実施形態では、Tは式:
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、Rは水素である。
【0217】
別の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、式(IVa):
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
各Nuは、一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり、
Zは6〜38の整数である。
【0218】
別の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、式(V):
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物または薬学的に許容されるその塩[式中、
各Nuは、一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり;
Zは、6〜38の整数であり;
各Yは、Oおよび−NRから独立に選択され、式中、各Rは、H、C〜Cアルキル、アラルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNRC(=NH)NH、−C(O)(CHNHC(O)(CHNRC(=NH)NH、およびGから独立に選択され、式中、Rは、HおよびC〜Cアルキルから選択され、nは、1〜5の整数であり;
Tは、OHおよび式:
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
の部分から選択され、式中、
Aは、−OH、−N(RおよびRから選択され、式中、
各Rは、HおよびC〜Cアルキルから独立に選択され、
は、電子対およびHから選択され、そして
は、OH、−N(R)CHC(O)NH、および式:
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
の部分から選択され、式中、
は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
10は、G、−C(O)−R11OH、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR12C(=NH)NH、および−C(O)(CHNHC(O)(CHNR12C(=NH)NHから選択され、式中、
mは、1〜5の整数であり、
11は、式−(O−アルキル)−を有し、式中、yは、3〜10の整数であり、
y個のアルキル基の各々は、C〜Cアルキルから独立に選択され;
12は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
の各例(instance)は、
−N(R1314[式中、各R13は、HおよびC〜Cアルキルから独立に選択され、そしてR14は電子対およびHから選択される];
式(II):
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
の部分[式中、
15は、H、G、C〜Cアルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR18C(=NH)NH、および−C(O)(CHNHC(O)(CHNR18C(=NH)NHから選択され、式中、
18は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
qは、1〜5の整数であり;
16は、電子対およびHから選択され;そして
各R17は、Hおよびメチルから独立に選択される];および
式(III):
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
の部分[式中、
19は、H、C〜Cアルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNR22C(=NH)NH、−C(O)CH(NH)(CHNHC(=
NH)NH、−C(O)(CHNHC(O)(CHNR22C(=NH)NH、−C(O)CH(NH)(CHNH、およびGから選択され、式中、
22は、HおよびC〜Cアルキルから選択され;
rは、1〜5の整数であり、
20は、HおよびC〜Cアルキルから選択され、R21は、電子対およびHから選択される]
から独立に選択され;
は、G、H、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、およびC〜Cアルキルから選択され、
ここで、Gは、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNHC(O)(CHNH−CPP、および−C(O)CHNH−CPPから選択される細胞透過性ペプチド(「CPP」)およびリンカー部分であるか、またはGは、式:
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、式中、CPPは、Gの最大で1つの例が存在するという条件で、CPPのカルボキシ末端において、アミド結合により、リンカー部分に結合しており、
ここで、以下の条件のうちの少なくとも1つが存在する:
c)Rの少なくとも1つが式(II)または式(III)であるか、または
d)RがGであるか、またはTが
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
である]
である。
【0219】
ある特定の実施形態では、少なくとも1つのRは、
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0220】
一部の実施形態では、少なくとも1つのR
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0221】
一部の実施形態では、各YはOであり、各R
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
および−N(CHから独立に選択され、Tは
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはHであり、式中、少なくとも1つのR
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0222】
種々の実施形態では、少なくとも1つのR
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0223】
ある特定の実施形態では、各YはOであり、各R
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
および−N(CHから独立に選択され、Tは
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはHであり、式中、少なくとも1つのR
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0224】
一部の実施形態では、少なくとも1つのR
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
少なくとも1つの他のR
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0225】
ある特定の実施形態では、少なくとも1つのR
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Tは
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはHまたはアシルである。
【0226】
一部の実施形態では、少なくとも1つのR
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Tは
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはHまたはアシルである。
【0227】
ある特定の実施形態では、少なくとも1つのR
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
であり、少なくとも1つの他のR
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Tは
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはHまたはアシルである。
【0228】
一部の実施形態では、Tは式:
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、各YはOであり、RはHである。
【0229】
種々の実施形態では、Tは式:
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、RはGである。
【0230】
一部の実施形態では、Tは式:
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、RはHまたはアシルである。
【0231】
種々の実施形態では、RはHまたはアシルから選択され、Tは式:
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、各YはOであり、各Rは−N(CHである。
【0232】
ある特定の実施形態では、Tは式:
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、各YはOであり、各Rは−N(CHであり、RはGである。
【0233】
一部の実施形態では、少なくとも1つのR
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Tは
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはGである。
【0234】
一部の実施形態では、少なくとも1つのR
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Tは式:
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、RはHまたはアシルである。
【0235】
種々の実施形態では、CPPは配列番号17〜32から選択される配列を有する。
【0236】
一部の実施形態では、Gは式:
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、
式中、Rは、H、アセチル、ベンゾイル、およびステアロイルから選択される。
【0237】
ある特定の実施形態では、CPPは式:
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、
式中、Rは、H、アセチル、ベンゾイル、およびステアロイルから選択される。
【0238】
種々の実施形態では、各YはOであり、Rは、HまたはGから選択される。一部の実施形態では、RはGであり、式中、CPPは配列番号17〜32から選択される配列を有する。ある特定の実施形態では、RはHである。
【0239】
一部の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、式(Va):
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
各Nuは、一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり、
Zは、6〜38の整数であり、
Tは、
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される部分であり、
各Rは、
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
から独立に選択され、
は、G、H、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、およびC〜Cアルキルから選択され、
式中、Gは、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNHC(O)(CHNH−CPPおよび−C(O)CHNH−CPPから選択される細胞透過性ペプチド(「CPP」)およびリンカー部分であるか、またはGは式:
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、
式中、CPPは、CPPのカルボキシ末端において、アミド結合により、リンカー部分に結合しており、
ここで、以下の条件のうち少なくとも1つが存在する:
e)少なくとも1つのR
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
である、または
f)RはGであるか、またはTは
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0240】
ある特定の実施形態では、少なくとも1つのRは、
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0241】
一部の実施形態では、少なくとも1つのR
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0242】
一部の実施形態では、各R
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
および−N(CHから独立に選択され、Tは
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはHであり、式中、少なくとも1つのR
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0243】
種々の実施形態では、少なくとも1つのR
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0244】
ある特定の実施形態では、各R
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
および−N(CHから独立に選択され、Tは
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはHであり、式中、少なくとも1つのR
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0245】
一部の実施形態では、少なくとも1つのR
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
少なくとも1つの他のR
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0246】
ある特定の実施形態では、少なくとも1つのR
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Tは
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはHまたはアシルである。
【0247】
ある特定の実施形態では、各Rは、
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
から独立に選択される。
【0248】
種々の実施形態では、以下の条件のうち少なくとも1つが存在する:
a)少なくとも1つのR
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
である、または
b)RはGであるか、またはTは
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0249】
一部の実施形態では、少なくとも1つのR
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Tは
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはHまたはアシルである。
【0250】
種々の実施形態では、RはHまたはアシルから選択され、Tは式:
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、各Rは−N(CHである。
【0251】
ある特定の実施形態では、少なくとも1つのR
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
であり、少なくとも1つの他のR
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Tは
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはHまたはアシルである。
【0252】
種々の実施形態では、Tは式:
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、RはGである。
【0253】
ある特定の実施形態では、Tは式:
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、各Rは−N(CHであり、RはGである。
【0254】
一部の実施形態では、Tは式:
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、RはHまたはアシルである。
【0255】
一部の実施形態では、少なくとも1つのR
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Tは
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはGである。
【0256】
一部の実施形態では、少なくとも1つのR
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Tは式:
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、RはHまたはアシルである。
【0257】
種々の実施形態では、CPPは配列番号17〜32から選択される配列を有する。
【0258】
一部の実施形態では、Gは式:
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、
式中、Rは、H、アセチル、ベンゾイル、およびステアロイルから選択される。
【0259】
ある特定の実施形態では、CPPは式:
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、
式中、Rは、H、アセチル、ベンゾイル、およびステアロイルから選択される。
【0260】
一部の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、式(Vb):
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
各Nuは一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり、
Zは、6〜38の整数であり、
Tは、
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される部分であり、
各Rは、
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
から独立に選択され、
は、G、H、およびアシルから選択され、
式中、Gは、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNHC(O)(CHNH−CPPおよび−C(O)CHNH−CPPから選択される細胞透過性ペプチド(「CPP」)およびリンカー部分であるか、Gは式:
【化151】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、
式中、CPPは、CPPのカルボキシ末端において、アミド結合により、リンカー部分に結合しており、
ここで、以下の条件のうち少なくとも1つが存在する:
c)少なくとも1つのR
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
である、または
d)RはGであるか、またはTは
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0261】
ある特定の実施形態では、各Rは、
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
から独立に選択される。
【0262】
種々の実施形態では、以下の条件のうち少なくとも1つが存在する:
a)少なくとも1つのR
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
である、または
b)RはGであるか、またはTは
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0263】
一部の実施形態では、少なくとも1つのR
【化157】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0264】
一部の実施形態では、各R
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
および−N(CHから独立に選択され、Tは
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはHであり、式中、少なくとも1つのR
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0265】
ある特定の実施形態では、各R
【化161】
[この文献は図面を表示できません]
および−N(CHから独立に選択され、Tは
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはHであり、式中、少なくとも1つのR
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0266】
種々の実施形態では、少なくとも1つのR
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0267】
一部の実施形態では、少なくとも1つのR
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
であり、少なくとも1つの他のR
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0268】
ある特定の実施形態では、少なくとも1つのR
【化167】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Tは
【化168】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはHまたはアシルである。
【0269】
一部の実施形態では、少なくとも1つのR
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Tは
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはHまたはアシルである。
【0270】
ある特定の実施形態では、少なくとも1つのR
【化171】
[この文献は図面を表示できません]
であり、少なくとも1つの他のR
【化172】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Tは
【化173】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはHまたはアシルである。
【0271】
種々の実施形態では、Tは式:
【化174】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、RはGである。
【0272】
一部の実施形態では、Tは式:
【化175】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、RはHまたはアシルである。
【0273】
一部の実施形態では、少なくとも1つのR
【化176】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Tは
【化177】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはGである。
【0274】
ある特定の実施形態では、Tは式:
【化178】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、各Rは−N(CHであり、RはGである。
【0275】
種々の実施形態では、RはHまたはアシルから選択され、Tは式:
【化179】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、各Rは−N(CHである。
【0276】
一部の実施形態では、少なくとも1つのR
【化180】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Tは式:
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、RはHまたはアシルである。
【0277】
一部の実施形態では、Gは式:
【化182】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、
式中、Rは、H、アセチル、ベンゾイル、およびステアロイルから選択される。
【0278】
ある特定の実施形態では、CPPは式:
【化183】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、
式中、Rは、H、アセチル、ベンゾイル、およびステアロイルから選択される。
【0279】
一部の実施形態では、Tは式:
【化184】
[この文献は図面を表示できません]
を有する。
【0280】
ある特定の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、式(VI):
【化185】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
各Nuは、一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり、
Zは、6〜38の整数であり、
各YはOおよび−NRから独立に選択され、式中、各Rは、H、C〜Cアルキル、アラルキル、−C(=NH)NH、−C(O)(CHNRC(=NH)NH、−C(O)(CHNHC(O)(CHNRC(=NH)NH、およびGから独立に選択され、ここで、RはHおよびC〜Cアルキルから選択され、nは、1〜5の整数であり、
Tは、式:
【化186】
[この文献は図面を表示できません]
の部分から選択され、
式中、Rは、HおよびC〜Cアルキルから選択され、
各Rは、
【化187】
[この文献は図面を表示できません]
から独立に選択され、
は、H、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、およびC〜Cアルキルから選択され、
式中、少なくとも1つのR
【化188】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0281】
一部の実施形態では、各YはOであり、少なくとも1つのR
【化189】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0282】
種々の実施形態では、各YはOであり、少なくとも1つのR
【化190】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0283】
一部の実施形態では、各YはOであり、少なくとも1つのR
【化191】
[この文献は図面を表示できません]
であり、少なくとも1つの他のR
【化192】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0284】
ある特定の実施形態では、各YはOであり、少なくとも1つのR
【化193】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Tは
【化194】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはHまたはアシルである。
【0285】
種々の実施形態では、各YはOであり、各R
【化195】
[この文献は図面を表示できません]
から独立に選択され、式中、少なくとも1つのR
【化196】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Tは
【化197】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはHまたはアシルである。
【0286】
一部の実施形態では、各YはOであり、少なくとも1つのR
【化198】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Tは
【化199】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはHまたはアシルである。
【0287】
種々の実施形態では、各YはOであり、各R
【化200】
[この文献は図面を表示できません]
から独立に選択され、式中、少なくとも1つのR
【化201】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Tは
【化202】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはHまたはアシルである。
【0288】
ある特定の実施形態では、各YはOであり、少なくとも1つのR
【化203】
[この文献は図面を表示できません]
であり、少なくとも1つの他のR
【化204】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Tは
【化205】
[この文献は図面を表示できません]
であり、RはHまたはアシルである。
【0289】
ある特定の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、式(VIa):
【化206】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
各Nuは、一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり、
Zは、6〜38の整数であり、
各Rは、
【化207】
[この文献は図面を表示できません]
から独立に選択され、
は、H、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、およびC〜Cアルキルから選択され、
式中、少なくとも1つのR
【化208】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0290】
一部の実施形態では、少なくとも1つのR
【化209】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0291】
種々の実施形態では、各Rは、
【化210】
[この文献は図面を表示できません]
から独立に選択され、式中、少なくとも1つのR
【化211】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Tは
【化212】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0292】
種々の実施形態では、少なくとも1つのR
【化213】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0293】
種々の実施形態では、各Rは、
【化214】
[この文献は図面を表示できません]
から独立に選択され、式中、少なくとも1つのR
【化215】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Tは
【化216】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0294】
一部の実施形態では、少なくとも1つのR
【化217】
[この文献は図面を表示できません]
であり、少なくとも1つの他のR
【化218】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0295】
一部の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、式(VII):
【化219】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
各Nuは、一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり、
Zは、6〜38の整数であり、
Tは、
【化220】
[この文献は図面を表示できません]
の部分から選択され、
各Rは、
【化221】
[この文献は図面を表示できません]
から独立に選択され、
は、H、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、およびC〜Cアルキルから選択され、
式中、少なくとも1つのR
【化222】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0296】
一部の実施形態では、少なくとも1つのR
【化223】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0297】
ある特定の実施形態では、少なくとも1つのR
【化224】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Tは
【化225】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0298】
種々の実施形態では、各Rは、
【化226】
[この文献は図面を表示できません]
から独立に選択され、式中、少なくとも1つのR
【化227】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Tは
【化228】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0299】
一部の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、式(VIIa):
【化229】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
各Nuは、一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり、
Zは、6〜38の整数であり、
各Rは、
【化230】
[この文献は図面を表示できません]
から独立に選択され、
式中、少なくとも1つのR
【化231】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0300】
種々の実施形態では、各YはOであり、Rは、HまたはGから選択される。一部の実施形態では、RはGであり、式中、CPPは配列番号17〜32から選択される配列を有する。ある特定の実施形態では、RはHである。
【0301】
一部の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、式(VIII):
【化232】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
各Nuは、一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり、
Zは、6〜38の整数であり、
Tは、式:
【化233】
[この文献は図面を表示できません]
の部分から選択され、
各Rは、
【化234】
[この文献は図面を表示できません]
から独立に選択され、
は、H、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、およびC〜Cアルキルから選択され、
式中、少なくとも1つのR
【化235】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0302】
ある特定の実施形態では、Tは
【化236】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0303】
一部の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、式(VIIIa):
【化237】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
各Nuは、一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり、
Zは、6〜38の整数であり、
各Rは、
【化238】
[この文献は図面を表示できません]
から独立に選択され、
式中、少なくとも1つのR
【化239】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0304】
ある特定の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、式(IX):
【化240】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
各Nuは、一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり、
Zは、6〜38の整数であり、
Tは、
【化241】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される部分であり、式中、Rは、HおよびC〜Cアルキルから選択され、
の各例は独立に−N(Rであり、ここで、各RはHおよびC〜Cアルキルから独立に選択され、
は、G、H、アシル、トリチル、4−メトキシトリチル、およびC〜Cアルキルから選択され、
式中、Gは、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNHC(O)(CHNH−CPPおよび−C(O)CHNH−CPPから選択される細胞透過性ペプチド(「CPP」)およびリンカー部分であるか、またはGは式:
【化242】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、
式中、CPPは、CPPのカルボキシ末端において、アミド結合により、リンカー部分に結合しており、
式中、RはGであるか、またはTは
【化243】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0305】
種々の実施形態では、Tは式:
【化244】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、RはGである。
【0306】
一部の実施形態では、Tは式:
【化245】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、RはHまたはアシルである。
【0307】
一部の実施形態では、CPPは配列番号17〜32から選択される配列を有する。
【0308】
一部の実施形態では、Gは式:
【化246】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、式中、Rは、H、アセチル、ベンゾイル、およびステアロイルから選択される。
【0309】
ある特定の実施形態では、CPPは式:
【化247】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、式中、Rは、H、アセチル、ベンゾイル、およびステアロイルから選択される。
【0310】
一部の実施形態では、各Rは−N(CHである。
【0311】
ある特定の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、式(IXa):
【化248】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
各Nuは、一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり、
Zは、6〜38の整数であり、
Tは、
【化249】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される部分であり、
は、G、H、およびアシルから選択され、
式中、Gは、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNHC(O)(CHNH−CPPおよび−C(O)CHNH−CPPから選択される細胞透過性ペプチド(「CPP」)およびリンカー部分であるか、またはGは式:
【化250】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、
式中、CPPは、CPPのカルボキシ末端において、アミド結合により、リンカー部分に結合しており、
式中、RはGであるか、またはTは
【化251】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0312】
種々の実施形態では、Tは式:
【化252】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、RはGである。
【0313】
一部の実施形態では、Tは式:
【化253】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、RはHまたはアシルである。
【0314】
一部の実施形態では、CPPは配列番号17〜32から選択される配列を有する。
【0315】
一部の実施形態では、Gは式:
【化254】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、式中、Rは、H、アセチル、ベンゾイル、およびステアロイルから選択される。
【0316】
ある特定の実施形態では、CPPは式:
【化255】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、式中、Rは、H、アセチル、ベンゾイル、およびステアロイルから選択される。
【0317】
ある特定の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、式(X):
【化256】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
各Nuは、一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり、
Zは、6〜38の整数であり、
Tは、
【化257】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される部分であり、
式中、Rは、HおよびC〜Cアルキルから選択され、
の各例は独立に−N(Rであり、ここで、各RはHおよびC〜Cアルキルから独立に選択され、
式中、Gは、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNHC(O)(CHNH−CPPおよび−C(O)CHNH−CPPから選択される細胞透過性ペプチド(「CPP」)およびリンカー部分であるか、またはGは式:
【化258】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、
式中、CPPは、CPPのカルボキシ末端において、アミド結合により、リンカー部分に結合している。
【0318】
種々の実施形態では、Tは式:
【化259】
[この文献は図面を表示できません]
を有する。
【0319】
一部の実施形態では、CPPは配列番号17〜32から選択される配列を有する。
【0320】
一部の実施形態では、Gは式:
【化260】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、式中、Rは、H、アセチル、ベンゾイル、およびステアロイルから選択される。ある特定の実施形態では、CPPは式:
【化261】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、
式中、Rは、H、アセチル、ベンゾイル、およびステアロイルから選択される。
【0321】
一部の実施形態では、各Rは−N(CHである。
【0322】
ある特定の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、式(Xa):
【化262】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
各Nuは、一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり、
Zは、6〜38の整数であり、
は、H、アセチル、ベンゾイル、およびステアロイルから選択される。
【0323】
一部の実施形態では、Rはアシルである。
【0324】
ある特定の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、式(XI):
【化263】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
各Nuは、一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり、
Zは、6〜38の整数であり、
の各例は独立に−N(Rであり、ここで、各RはHおよびC〜Cアルキルから独立に選択され、
RはHまたはアシルから選択され、
式中、Gは、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNHC(O)(CHNH−CPPおよび−C(O)CHNH−CPPから選択される細胞透過性ペプチド(「CPP」)およびリンカー部分であるか、またはGは式:
【化264】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、
式中、CPPは、CPPのカルボキシ末端において、アミド結合により、リンカー部分に結合している。
【0325】
一部の実施形態では、CPPは配列番号17〜32から選択される配列を有する。
【0326】
一部の実施形態では、Gは式:
【化265】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、
式中、Rは、H、アセチル、ベンゾイル、およびステアロイルから選択される。ある特定の実施形態では、CPPは式:
【化266】
[この文献は図面を表示できません]
を有し、
式中、Rは、H、アセチル、ベンゾイル、およびステアロイルから選択される。
【0327】
一部の実施形態では、各Rは−N(CHである。
【0328】
ある特定の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、式(XIa):
【化267】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
各Nuは、一緒になってターゲティング配列を形成するヌクレオ塩基であり、
Zは、6〜38の整数であり、
Rは、Hまたはアシルから選択され、
は、H、アセチル、ベンゾイル、およびステアロイルから選択される。
一部の実施形態では、Rはアシルである。ある特定の実施形態では、RはHである。
【0329】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)、および(XIa)のターゲティング配列は、
a)配列番号7(XYAYXXXYAXAAXGYXGG)(Zは16である)、
b)配列番号8(AXXYAYXXXYAXAAXGYXGG)(Zは18である)、および
c)配列番号6(GXAAGAXXYAYXXXYAXAAXGYXGG)(Zは23である)
から選択され、ここで、各Xは、ウラシル(U)またはチミン(T)から独立に選択され、各Yは、シトシン(C)または5−メチルシトシン(5mC)から独立に選択される。一部の実施形態では、配列番号6〜8の各Xはチミン(T)であり、配列番号6〜8の各Yはシトシン(C)である。
【0330】
種々の実施形態では、ターゲティング配列の少なくとも1つのXはTである。種々の実施形態では、ターゲティング配列の各XはTである。
【0331】
種々の実施形態では、ターゲティング配列の少なくとも1つのXはUである。種々の実施形態では、ターゲティング配列の各XはUである。
【0332】
種々の実施形態では、ターゲティング配列の少なくとも1つのYは5mCである。種々の実施形態では、ターゲティング配列の各Yは5mCである。
【0333】
種々の実施形態では、ターゲティング配列の少なくとも1つのYはCである。種々の実施形態では、ターゲティング配列の各YはCである。
【0334】
種々の実施形態では、配列番号4〜16の少なくとも1つのXはTである。種々の実施形態では、配列番号4〜16の各XはTである。
【0335】
種々の実施形態では、ターゲティング配列の少なくとも1つのXはUである。種々の実施形態では、配列番号4〜16の各XはUである。
【0336】
種々の実施形態では、配列番号4〜16の少なくとも1つのYは5mCである。種々の実施形態では、配列番号4〜16の各Yは5mCである。
【0337】
種々の実施形態では、配列番号4〜16の少なくとも1つのYはCである。種々の実施形態では、配列番号4〜16の各YはCである。
【0338】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの各Zは、6〜28の整数である。
【0339】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの各Zは、8〜28の整数である。
【0340】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの各Zは、14〜28の整数である。
【0341】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの各Zは、16〜28の整数である。
【0342】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの各Zは、6〜26の整数である。
【0343】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの各Zは、8〜26の整数である。
【0344】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの各Zは、14〜26の整数である。
【0345】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの各Zは、16〜26の整数である。
【0346】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの各Zは、6〜23の整数である。
【0347】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの各Zは、8〜23の整数である。
【0348】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの各Zは、14〜23の整数である。
【0349】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの各Zは、16〜23の整数である。
【0350】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの各Zは、6〜16の整数である。
【0351】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの各Zは、は6である。
【0352】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの各Zは、8〜16の整数である。
【0353】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの各Zは、は8である。
【0354】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの各Zは、6〜10の整数である。
【0355】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの各Zは、は10である。
【0356】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの各Zは、16〜18の整数である。
【0357】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの各Zは、は16である。
【0358】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの各Zは、18〜20の整数である。
【0359】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの各Zは、は18である。
【0360】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの各Zは、23〜25の整数である。
【0361】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの各Zは、は23である。
【0362】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(Vb)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)、および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの各Nuは、アデニン、グアニン、チミン、ウラシル、シトシン、ヒポキサンチン(イノシン)、2,6−ジアミノプリン、5−メチルシトシン、C5−プロピニル修飾ピリミジン、および10−(9−(アミノエトキシ)フェノキサジニル)から独立に選択される。
【0363】
例えば、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Vb)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)、および(XIa)の化合物を含む多様な実施形態では、ターゲティング配列は、SMN2プレmRNA内の標的領域に相補的である。一部の実施形態では、ターゲティング配列は、SMN2プレmRNAのイントロン6またはイントロン7(例えば、配列番号4〜16または33〜45)内の標的領域における8またはそれより多くの連続ヌクレオチドに相補的である。
【0364】
種々の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)、および(XIa)のターゲティング配列は、配列番号4〜16または33〜45のうちの1つを含むか、配列番号4〜16または33〜45のうちの1つから選択されるか、配列番号4〜16または33〜45のうちの少なくとも1つから選択される配列のうちの、少なくとも8連続ヌクレオチドの断片であるか、または配列番号4〜16または33〜45のうちの少なくとも1つから選択される配列に対する、少なくとも90%の配列同一性を有する改変体であり、ここで、配列番号4〜16について、各Xは、ウラシル(U)またはチミン(T)から独立に選択され、各Yは、シトシン(C)または5−メチルシトシン(5mC)から独立に選択される。一部の実施形態では、配列番号4〜16の各Xはチミン(T)であり、および配列番号4〜16の各Yはシトシン(C)である。
【0365】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Vb)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)、および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーのターゲティング配列は、配列番号4〜16から選択される配列を含むか、配列番号4〜16から選択されるか、配列番号4〜16から選択される配列のうちの、少なくとも8連続ヌクレオチドの断片であるか、または配列番号4〜16から選択される配列に対する、少なくとも90%の配列同一性を有する改変体であり、ここで、各Xは、ウラシル(U)またはチミン(T)から独立に選択され、各Yは、シトシン(C)または5−メチルシトシン(5mC)から独立に選択される。
【0366】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(Vb)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)、および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーのターゲティング配列は、配列番号6、7、および8から選択される配列を含むか、配列番号6、7、および8から選択されるか、配列番号6、7、および8から選択される配列のうちの、少なくとも8連続ヌクレオチドの断片であるか、または配列番号6、7、および8から選択される配列に対する、少なくとも90%の配列同一性を有する改変体であり、ここで、各Xは、ウラシル(U)またはチミン(T)から独立に選択され、各Yは、シトシン(C)または5−メチルシトシン(5mC)から独立に選択される。
【0367】
種々の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)、および(XIa)のターゲティング配列は、配列番号33〜45のうちの1つを含むか、配列番号33〜45のうちの1つから選択されるか、配列番号33〜45のうちの少なくとも1つから選択される配列のうちの、少なくとも8連続ヌクレオチドの断片であるか、または配列番号33〜45のうちの少なくとも1つから選択される配列に対する、少なくとも90%の配列同一性を有する改変体である。
【0368】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(Vb)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)、および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーのターゲティング配列は、配列番号35、36、および37から選択される配列を含むか、配列番号35、36、および37から選択されるか、配列番号35、36、および37から選択される配列のうちの、少なくとも8連続ヌクレオチドの断片であるか、または配列番号35、36、および37から選択される配列に対する、少なくとも90%の配列同一性を有する改変体である。
【0369】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)、および(XIa)のターゲティング配列は、
a)配列番号35(TCACTTTCATAATGCTGG)(Zは16である)、
b)配列番号36(ATTCACTTTCATAATGCTGG)(Zは18である)、および
c)配列番号37(GTAAGATTCACTTTCATAATGCTGG)(Zは23である)
から選択される。
【0370】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(Vb)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)、および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、配列番号7、10、14、および15から選択されるターゲティング配列を含む。
【0371】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(Vb)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)、および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、配列番号8および12から選択されるターゲティング配列を含む。
【0372】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(Vb)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)、および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、配列番号13および16から選択されるターゲティング配列を含む。
【0373】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(Vb)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)、および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、配列番号6、7、および8から選択されるターゲティング配列を含む。
【0374】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(Vb)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)、および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、配列番号6であるターゲティング配列を含む。
【0375】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(Vb)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)、および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、配列番号7であるターゲティング配列を含む。
【0376】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(Vb)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)、および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、配列番号8であるターゲティング配列を含む。
【0377】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(Vb)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)、および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、配列番号35、36、および37から選択されるターゲティング配列を含む。
【0378】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(Vb)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)、および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、配列番号35であるターゲティング配列を含む。
【0379】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(Vb)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)、および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、配列番号36であるターゲティング配列を含む。
【0380】
一部の実施形態では、式(I)、(IV)、(IVa)、(V)、(Va)、(Vb)、(VI)、(VIa)、(VII)、(VIIa)、(VIII)、(VIIIa)、(IX)、(IXa)、(X)、(Xa)、(XI)、および(XIa)の化合物を含む本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、配列番号37であるターゲティング配列を含む。
【0381】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A1-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表A1-2】
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【表A1-3】
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【0382】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A2-1】
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【表A2-2】
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【0383】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A3】
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【0384】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A4】
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【0385】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A5】
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【0386】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A6】
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【0387】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A7】
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【0388】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A8】
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【0389】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A9】
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【0390】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A10】
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【0391】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A11】
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【0392】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A12】
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【0393】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A13】
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【0394】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A14】
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【0395】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A15】
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【0396】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A16】
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【0397】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A17】
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【0398】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A18】
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一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A19-1】
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【表A19-2】
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【表A19-3】
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【0399】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A20-1】
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【表A20-2】
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【表A20-3】
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【0400】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A21】
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【0401】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A22】
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【0402】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A23】
[この文献は図面を表示できません]
【0403】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A24】
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【0404】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A25】
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【0405】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A26】
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【0406】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A27】
[この文献は図面を表示できません]
【0407】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A28】
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【0408】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A29】
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【0409】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A30】
[この文献は図面を表示できません]
【0410】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A31】
[この文献は図面を表示できません]
【0411】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A32】
[この文献は図面を表示できません]
【0412】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A33】
[この文献は図面を表示できません]
【0413】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A34】
[この文献は図面を表示できません]
【0414】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A35】
[この文献は図面を表示できません]
【0415】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A36】
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【0416】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A37】
[この文献は図面を表示できません]
【0417】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A38】
[この文献は図面を表示できません]
【0418】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A39】
[この文献は図面を表示できません]
【0419】
一部の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、以下の化合物から選択される。
【表A40】
[この文献は図面を表示できません]
【0420】
先行頁の表に記載の化合物それぞれについて、ターゲティング配列の配列番号の各Xはチミン(T)であり、ターゲティング配列の配列番号の各Yはシトシン(cystosine)(C)であり、各太字および下線付き塩基はそのサブユニットと先行するサブユニットとの間に修飾の列に示す種類のサブユニット間連結を有するサブユニットを示している。太字および下線付きではない場合、サブユニット間連結はジメチルアミノホスホロジアミデート連結である。
【0421】
上記の表および本開示全体において記載の化合物それぞれの化学構造は、本開示全体を通じて提供される記載に基づいて当業者によって容易に理解される。例えばPMO−2が次の構造:
【化268】
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を有し、PMO−APN−11が次の構造:
【化269】
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を有することは容易に理解される。
【0422】
同様に、PMO−Plus−3が次の構造:
【化270】
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を有し、PMO−RGly−2が次の構造:
【化271】
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を有することは容易に理解される。
【0423】
既に考察の通り、表の全ての他の化合物の構造も同様に理解される。明確にするために、例えばPMO−2、PMO−APN−11、PMO−Plus−3およびPMO−RGly−2の上の構造を含む本開示の構造は、5’から3’に連続的であり、コンパクトな形態で全体構造を示す利便性のために、「中断A」および「中断B」および「中断C」と標識される多様な図示による中断が含まれている。当業者によって理解される通り、例えば「中断A」という各表示は、これらの点における構造の図の連続を示している。当業者は、上の構造中の「中断B」および「中断C」の各場合についても同じであることを理解する。しかし、図の中断は、上の構造の実際の不連続性を示すことを意図しておらず、当業者はそれを意味すると理解しない。
【0424】
本開示に従い使用されうる、さらなる修飾アンチセンスオリゴマー/化学は、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、以下の特許および特許公報:PCT公開第WO2007/002390号;同第WO2010/120820号;および同第WO2010/148249号;米国特許第7,838,657号;ならびに米国特許出願第2011/0269820号において記載されているアンチセンスオリゴマー/化学を含む。
【0425】
C.モルホリノサブユニットおよびホスホルアミデートヌクレオシド間リンカーの調製
モルホリノ単量体サブユニット、修飾ヌクレオシド間連結、およびこれらを含むオリゴマーは、例えば、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、米国特許第5,185,444号および同第7,943,762号において記載されている通りに調製することができる。モルホリノサブユニットは、以下の一般的な反応スキームIに従い調製することができる。
【化272】
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【0426】
反応スキーム1[式中、Bは、塩基対合部分を表し、PGは、保護基を表す]を参照すると、モルホリノサブユニットは、示される通り、対応するリボヌクレオシド(1)から調製することができる。モルホリノサブユニット(2)は、任意選択で、適切な保護基前駆体、例えば、トリチルクロリドを伴う反応により保護することができる。下記でより詳細に記載される通り、3’保護基は一般に、固体オリゴマー合成時に除去する。塩基対合部分は、固相オリゴマー合成に適するように保護することができる。適切な保護基は、アデニンおよびシトシンのためのベンゾイル、グアニンのためのフェニルアセチル、およびヒポキサンチン(I)のためのピバロイルオキシメチルを含む。ピバロイルオキシメチル基は、ヒポキサンチン複素環塩基のN1位へと導入することができる。非保護のヒポキサンチンサブユニットも使用しうるが、塩基を保護する場合の活性化反応の収率は、はるかに優れている。他の適切な保護基は、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、米国特許第8,076,476号において開示されている保護基を含む。
【0427】
活性化リン化合物4を伴う化合物3の反応は、所望の連結部分である化合物5を有するモルホリノサブユニットをもたらす。構造4の化合物は、任意の数の、当業者に公知の方法を使用して調製することができる。例えば、このような化合物は、対応するアミンと、オキシ塩化リン(phosphorous oxychloride)との反応により調製することができる。この点で、アミン出発材料は、当技術分野で公知の任意の方法、例えば、実施例、ならびに参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,185,444号、同第7,943,762号、および同第8,779,128号において記載されている方法を使用して調製することができる。
【0428】
構造5の化合物は、ヌクレオシド間連結を含むオリゴマーを調製するための固相自動式オリゴマー合成において使用することができる。このような方法は、当技術分野で周知である。略述すると、構造5の化合物は、固体支持体へのリンカーを含有するように、5’末端において修飾することができる。例えば、化合物5は、L11およびL15を含むリンカーにより、固体支持体へと連結することができる。支持がなされたら、保護基(例えば、トリチル)を除去し、遊離アミンを、第2の構造5の化合物の活性化リン部分と反応させる。このシークエンスを、所望の長さのオリゴが得られるまで繰り返す。5’末端における保護基は、除去することもでき、5’修飾が望ましい場合は、残すこともできる。オリゴは、任意の数の方法、例えば、DTTによる処理に続く、水酸化アンモニウムによる処理を使用して、固体支持体から除去することができる。
【0429】
修飾モルホリノサブユニットおよびモルホリノベースのオリゴマーの調製については、実施例においてより詳細に記載する。本明細書で記載される方法、当技術分野で公知であり、かつ/または参照により本明細書で記載される方法を使用して、任意の数の修飾連結を含有するモルホリノベースのオリゴマーを調製することができる。実施例ではまた、既に記載されている(例えば、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、PCT公開第WO2008/036127号を参照されたい)通りに調製された、モルホリノベースのオリゴマーの全般的な修飾についても記載する。
【0430】
「保護基」という用語は、化合物の一部または全部の反応性部分をブロックし、保護基を除去するまで、このような部分が、化学反応に参与することを防止する化学的部分、例えば、T.W. Greene、P.G.M. Wuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、3版、John Wiley & Sons(1999年)(その全体が本明細書において参考として援用される)において列挙および記載されている部分を指す。異なる保護基を使用する場合、各(異なる)保護基が、異なる手段により除去可能であることは、有利でありうる。完全に非対応の反応条件下で切断される保護基は、このような保護基の示差的な除去を可能とする。例えば、保護基は、酸、塩基、および加水分解により除去することができる。トリチル、ジメトキシトリチル、アセタール、およびtert−ブチルジメチルシリルなどの基は、酸不安定性であり、加水分解により除去可能なCbz基、および塩基不安定性のFmoc基で保護されるアミノ基の存在下で、カルボキシ反応性部分およびヒドロキシ反応性部分を保護するのに使用することができる。カルボン酸部分は、限定なしに述べると、メチルまたはエチルなどの塩基不安定性基でブロックすることができ、ヒドロキシ反応性部分は、tert−ブチルカルバメートなどの酸不安定性基、または酸安定性であり、かつ、塩基安定性であるが、加水分解により除去可能なカルバメートでブロックされるアミンの存在下では、アセチルなどの塩基不安定性基でブロックすることができる。
【0431】
カルボン酸反応性部分およびヒドロキシル反応性部分はまた、ベンジル基など、加水分解により除去可能な保護基でブロックしうるのに対し、アミン基は、Fmocなどの塩基不安定性基でブロックすることができる。式(I)の化合物を合成するのに、特に有用なアミン保護基は、トリフルオロアセトアミドである。カルボン酸反応性部分が、2,4−ジメトキシベンジルなど、酸化により除去可能な保護基(protective group)でブロックしうるのに対し、共存するアミノ基は、フルオリド不安定性シリルカルバメートでブロックすることができる。
【0432】
アリルブロッキング基は、酸保護基および塩基保護基の存在下において、前者が、安定であり、その後、金属またはパイ−酸触媒により除去されうるので、有用である。例えば、アリルでブロックされたカルボン酸は、酸不安定性t−ブチルカルバメートまたは塩基不安定性アセテートアミン保護基の存在下で、パラジウム(0)触媒反応により脱保護することができる。保護基のさらに別の形態は、化合物または中間体が結合しうる樹脂である。残基が樹脂に結合する限りにおいて、その官能基は、ブロックされており、反応することができない。樹脂から放出されると、官能基は、反応に利用可能である。
【0433】
典型的なブロッキング/保護基は、当技術分野で公知であり、以下:
【化273】
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の部分を含むがこれらに限定されない。
【0434】
そうでないことが注記されない限りにおいて、全ての化学物質は、Sigma−Aldrich−Fluka(St.Louis、MO)から得た。ベンゾイルアデノシン、ベンゾイルシチジン、およびフェニルアセチルグアノシンは、Carbosynth Limited(Berkshire、UK)から得た。
【0435】
本明細書で記載される、さらなる連結修飾を含有する、PMO、PMOプラス、PPMO、およびPMO−Xの合成は、当技術分野で公知であり、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、米国特許出願第12/271,036号および同第12/271,040号ならびにPCT公開第WO2009/064471号において記載されている方法を使用して行った。
【0436】
3’トリチル修飾を伴うPMOは、脱トリチル化(detritylation)ステップを省くことを除き、本質的に、PCT公開第WO2009/064471号において記載されている通りに合成する。
【0437】
D.細胞透過性ペプチド
本開示の修飾アンチセンスオリゴマー化合物は、本明細書ではまた、細胞透過性ペプチド(CPP)とも称するペプチドにコンジュゲートしていてもよい。ある特定の好ましい実施形態では、ペプチドは、化合物の、細胞への輸送を増強するのに有効な、アルギニンに富むペプチド輸送部分である。輸送部分は、オリゴマーの末端に結合させることが好ましい。ペプチドは、全身投与されると、所与の細胞培養物集団の細胞のうちの30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%であって、間の全ての整数を含む%の細胞内の細胞透過を誘導し、インビボにおいて、複数の組織内の高分子のトランスロケーションを可能とする能力を有する。一実施形態では、細胞透過性ペプチドは、アルギニンに富むペプチド輸送体でありうる。別の実施形態では、細胞透過性ペプチドは、ペネトラチンまたはTatペプチドでありうる。当技術分野では、これらのペプチドが周知であり、例えば、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、米国公開第2010−0016215A1号において開示されている。ペプチドの、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーへのコンジュゲーションのための1つの手法は、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、PCT公開第WO2012/150960号において見出すことができる。本開示のペプチドコンジュゲートオリゴマーについての一部の実施形態は、CPPと、修飾アンチセンスオリゴマーとの間のリンカーとして、グリシンを活用する。例えば、本開示のペプチドコンジュゲートPMOは、R−G−PMOからなる。
【0438】
上記で記載した輸送部分は、結合オリゴマーの細胞移入を、結合輸送部分の非存在下におけるオリゴマーの取込みと比べて大幅に増強することが示されている。取込みは、非コンジュゲート化合物と比べて、少なくとも10倍増強することが好ましく、20倍増強することがより好ましい。
【0439】
アルギニンに富むペプチド輸送体(すなわち、細胞透過性ペプチド)の使用は、本開示を実施するのに特に有用である。ある特定のペプチド輸送体は、アンチセンス化合物の、筋細胞を含む初代細胞への送達において、高度に有効であることが示されている(参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、Marshall, Odaら、2007年;Jearawiriyapaisarn, Moultonら、2008年;Wu, Moultonら、2008年)。さらに、ペネトラチンおよびTatペプチドなど、他の公知のペプチド輸送体と比較して、本明細書で記載されるペプチド輸送体は、アンチセンスPMOにコンジュゲートさせると、複数の遺伝子転写物のスプライシングを変更する能力の増強を裏付ける(参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、Marshall, Odaら、2007年)。
【0440】
リンカーを除く、例示的なペプチド輸送体を、下記の表3に示す。
【表3】
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【0441】
多様な実施形態では、G(式I、IV、V、Va、Vb、IX、IXa、XおよびXIで列挙された)は、以下:
−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNH−CPP、−C(O)(CHNHC(O)(CHNH−CPP、および−C(O)CHNH−CPPから選択される細胞透過性ペプチド(「CPP」)およびリンカー部分であるか、またはGは、式:
【化274】
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を有し、式中、CPPは、CPPのカルボキシ末端において、アミド結合により、リンカー部分に結合している。一部の実施形態では、CPPは、配列番号17〜32から選択される。
【0442】
一部の実施形態では、G(式I、IV、V、Va、Vb、IX、IXa、XおよびXIにおいて列挙する通り)は、式:
【化275】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Rは、H、アセチル、ベンゾイル、およびステアロイルから選択され、Jは、4〜9の整数である。ある特定の実施形態では、Jは、6である。
【0443】
一部の実施形態では、G(式I、IV、V、Va、Vb、IX、IXa、XおよびXIにおいて列挙する通り)はAc−RGly−であり、式中Gは式:
【化276】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Rは、アセチルである。
【0444】
多様な実施形態では、CPP(式I、IV、V、Va、Vb、IX、IXa、XおよびXIにおいて列挙する通り)は、式:
【化277】
[この文献は図面を表示できません]
であり、Rは、H、アセチル、ベンゾイル、およびステアロイルから選択され、Jは、4〜9の整数である。ある特定の実施形態では、CPPは、配列番号15である。多様な実施形態では、Jは、6である。一部の実施形態では、Rは、Hおよびアセチルから選択される。例えば、一部の実施形態では、Rは、Hである。ある特定の実施形態では、Rは、アセチルである。
【0445】
IV.製剤
本開示の化合物はまた、取込み、分布、および/または吸収を支援するために、例えば、リポソーム、受容体にターゲティングされた分子、経口製剤、直腸製剤、局所製剤、または他の製剤として、他の分子、分子構造、または化合物の混合物と混合するか、これらと共に封入するか、これらにコンジュゲートさせるか、またはこれらと他の形で会合させることもできる。このような取込み支援製剤、分布支援製剤、および/または吸収支援製剤の調製について教示する、代表的な米国特許は、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、米国特許第5,108,921号;同第5,354,844号;同第5,416,016号;同第5,459,127号;同第5,521,291号;同第5,543,158号;同第5,547,932号;同第5,583,020号;同第5,591,721号;同第4,426,330号;同第4,534,899号;同第5,013,556号;同第5,108,921号;同第5,213,804号;同第5,227,170号;同第5,264,221号;同第5,356,633号;同第5,395,619号;同第5,416,016号;同第5,417,978号;同第5,462,854号;同第5,469,854号;同第5,512,295号;同第5,527,528号;同第5,534,259号;同第5,543,152号;同第5,556,948号;同第5,580,575号および同第5,595,756号を含むがこれらに限定されない。
【0446】
本開示のアンチセンス化合物は、任意の薬学的に許容される塩、エステル、もしくはこのようなエステルの塩、またはヒトを含む動物へと投与されると、生物学的に活性の代謝物もしくはその残余物をもたらす(直接的または間接的に)ことが可能な、他の任意の化合物を包含する。したがって、例えば、本開示はまた、本開示の化合物のプロドラッグおよび薬学的に許容される塩、このようなプロドラッグの薬学的に許容される塩、および他の生物学的同等物へも導かれる。
【0447】
「プロドラッグ」という用語は、内因性酵素または他の化学物質および/もしくは条件の作用により、体内またはその細胞内で活性形態(すなわち、薬物)へと転換される、不活性形態で調製された治療剤を指し示す。特に、本開示のオリゴマーのプロドラッグバージョンは、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、1993年12月9日に公開された、GosselinらによるPCT公開第WO1993/24510号またはImbachらによる、PCT公開第WO1994/26764号および米国特許第5,770,713号において開示されている方法に従い、SATE[(S−アセチル−2−チオエチル)ホスフェート]誘導体として調製される。
【0448】
「薬学的に許容される塩」という用語は、本開示の化合物の、生理学的かつ薬学的に許容される塩:すなわち、親化合物の望ましい生物学的活性を保持し、望ましくない毒性効果をこれに付与しない塩を指す。オリゴマーについては、薬学的に許容される塩およびそれらの使用の例については、その全体において本明細書に参考として援用される、米国特許第6,287,860号においてさらに記載されている。
【0449】
本開示はまた、本開示のアンチセンス化合物を含む医薬組成物および製剤も含む。本開示の医薬組成物は、局所処置が望ましいのか、全身処置が望ましいのか、および処置される領域に応じて、多数の方式で投与することができる。投与は、局所投与(眼投与および膣送達および直腸送達を含む粘膜への投与を含む)、肺投与、例えば、噴霧器による投与を含む、散剤またはエアゾールによる吸入または送気による投与;気管内投与、鼻腔内投与、表皮投与および経皮投与、経口投与、または非経口投与でありうる。非経口投与は、静脈内注射もしくは静脈内注入、動脈内注射もしくは動脈内注入、皮下注射もしくは皮下注入、腹腔内注射もしくは腹腔内注入、または筋内注射もしくは筋内注入;あるいは頭蓋内投与、例えば、髄腔内投与または脳室内投与を含む。少なくとも1つの2’−O−メトキシエチル修飾を伴うオリゴマーは、経口投与に特に有用であると考えられる。局所投与のための医薬組成物および製剤は、経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、ドロップ、坐剤、スプレー、液剤(liquid)、および散剤を含みうる。従来の医薬担体、水性、粉末、または油性の基剤、増粘剤などが、必要であるかまたは望ましい場合がある。コーティングされたコンドーム、手袋などもまた、有用でありうる。
【0450】
単位剤形で提示されると好都合でありうる本開示の医薬製剤は、製薬業界で周知の従来の技法に従い調製することができる。このような技法は、有効成分を、医薬担体または賦形剤と会合させるステップを含む。一般に、製剤は、有効成分を、液体担体もしくは微細に分割された固体担体、またはこれらの両方と、均一かつ十分に会合させ、次いで、必要な場合、生成物を成形することにより調製する。
【0451】
本開示の組成物は、錠剤、カプセル、ゲルカプセル、液体シロップ、軟質ゲル、坐剤、および浣腸剤(enema)などであるがこれらに限定されない、多くの可能な剤形のうちのいずれかへと製剤化することができる。本開示の組成物はまた、水性媒体中、非水性媒体中、または混合媒体中の懸濁物としても製剤化することができる。水性懸濁物は、懸濁物の粘性を増加させる物質であって、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、および/またはデキストランを含む物質をさらに含有しうる。懸濁物はまた、安定化剤も含有しうる。
【0452】
本開示の医薬組成物は、溶液、エマルジョン、泡沫、およびリポソームを含有する製剤を含むがこれらに限定されない。本開示の医薬組成物および製剤は、1または複数の浸透増強剤、担体、賦形剤、または他の活性成分もしくは不活性成分を含みうる。
【0453】
エマルジョンは、通常0.1μmの直径を超える液滴の形態で、別の液体中に分散させた1つの液体による不均質系であることが典型的である。エマルジョンは、分散相に加えたさらなる成分と、水相中、油相中の溶液、または分離相としてのそれ自体として存在しうる活性薬物とを含有しうる。マイクロエマルジョンは、本開示の実施形態として含まれる。当技術分野では、エマルジョンおよびそれらの使用が周知であり、その全体において本明細書に参考として援用される、米国特許第6,287,860号においてさらに記載されている。
【0454】
本開示の製剤は、リポソーム製剤を含む。本開示で使用される「リポソーム」という用語は、1または複数の球状の二重層内に配置された、両親媒性脂質から構成される小胞を意味する。リポソームとは、親油性材料から形成された膜と、送達される組成物を含有する水性の内部とを有する、単層または多重層の小胞である。カチオン性リポソームは、正に荷電したリポソームであり、負に荷電したDNA分子と相互作用して、安定的な複合体を形成すると考えられる。pH感受性であるか、または負に荷電したリポソームは、DNAと複合体化するのではなく、DNAを捕獲すると考えられる。カチオン性リポソームおよび非カチオン性リポソームのいずれも、DNAを、細胞へと送達するのに使用されている。
【0455】
リポソームはまた、本明細書で使用される用語であって、1または複数の特殊化された脂質を含むリポソームを指す、「立体安定化」リポソームも含み、この脂質は、リポソームへと組み込まれると、このような特殊化された脂質を欠くリポソームと比べて、循環寿命の増強を結果としてもたらす。立体安定化リポソームの例は、リポソームの小胞形成脂質部分の一部が、1もしくは複数の糖脂質を含むか、またはリポソームの小胞形成脂質部分の一部を、ポリエチレングリコール(PEG)部分など、1もしくは複数の親水性ポリマーで誘導体化した立体安定化リポソームである。リポソームおよびそれらの使用については、その全体において本明細書に参考として援用される、米国特許第6,287,860号においてさらに記載されている。
【0456】
本開示の医薬製剤および医薬組成物はまた、界面活性剤も含みうる。当技術分野では、薬物製品中、製剤中、およびエマルジョン中の界面活性剤の使用が周知である。界面活性剤およびそれらの使用については、その全体において本明細書に参考として援用される、米国特許第6,287,860号においてさらに記載されている。
【0457】
一部の実施形態では、本開示は、多様な浸透増強剤を使用して、核酸、特に、オリゴマーの効率的な送達を行う。細胞膜を横切る非親油性薬物の拡散の支援に加えて、浸透増強剤はまた、親油性薬物の透過性も増強する。浸透増強剤は、5つの大きな類別、すなわち、界面活性剤、脂肪酸、胆汁酸塩、キレート化剤、および非キレート化非界面活性剤のうちの1つに属するものとして分類することができる。浸透増強剤およびそれらの使用については、その全体において本明細書に参考として援用される、米国特許第6,287,860号においてさらに記載されている。
【0458】
当業者は、製剤が、それらの意図される使用、すなわち、投与経路に従い、慣例的にデザインされることを認識するであろう。
【0459】
局所投与のための製剤は、本開示のオリゴマーを、脂質、リポソーム、脂肪酸、脂肪酸エステル、ステロイド、キレート化剤、および界面活性剤など、局所送達剤と混合した製剤を含む。脂質およびリポソームは、中性(例えば、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミンDOPE、ジミリストイルホスファチジルコリンDMPC、ジステアロイルホスファチジルコリン)、陰性(例えば、ジミリストイルホスファチジルグリセロールDMPG)、およびカチオン性(例えば、ジオレオイルテトラメチルアミノプロピルDOTAPおよびジオレオイルホスファチジルエタノールアミンDOTMA)を含む。
【0460】
局所投与または他の投与のために、本開示のオリゴマーを、リポソーム内に封入することもでき、リポソーム、特に、カチオン性リポソームとの複合体を形成することもできる。代替的に、オリゴマーは、脂質、特に、カチオン性脂質と複合体化させることもできる。脂肪酸およびエステル、薬学的に許容されるそれらの塩、ならびにそれらの使用については、その全体において本明細書に参考として援用される、米国特許第6,287,860号においてさらに記載されている。局所製剤については、それらの全体において本明細書に参考として援用される、1999年5月20日に出願された、米国特許出願第09/315,298号およびMourichら,2009, J. Invest. Dermatol., 129(8):1945−53において詳細に記載されている。
【0461】
経口投与のための組成物および製剤は、粉末または顆粒、マイクロ粒子、ナノ粒子、水中または非水性媒体中の懸濁物または溶液、カプセル、ゲルカプセル、小袋(sachet)、錠剤またはミニ錠剤(minitablet)を含む。増粘剤、矯味矯臭剤、希釈剤、乳化剤、分散助剤、または結合剤が望ましい場合がある。経口製剤は、本開示のオリゴマーを、1または複数の浸透増強剤、界面活性剤、およびキレート剤と共に投与する経口製剤である。界面活性剤は、脂肪酸および/またはそのエステルもしくは塩、胆汁酸および/またはその塩を含む。胆汁酸/塩および脂肪酸ならびにそれらの使用については、その全体において本明細書に参考として援用される、米国特許第6,287,860号においてさらに記載されている。一部の実施形態では、本開示は、浸透増強剤の組合せ、例えば、胆汁酸/塩と組み合わせた脂肪酸/塩を提示する。例示的な組合せは、ラウリン酸、カプリン酸、およびUDCAのナトリウム塩である。さらなる浸透増強剤は、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−20−セチルエーテルを含む。本開示のオリゴマーは、経口送達することもでき、噴霧乾燥粒子を含む顆粒形態で送達することもでき、マイクロ粒子またはナノ粒子を形成するように複合体化させることもできる。オリゴマー複合体化剤およびそれらの使用については、その全体において本明細書に参考として援用される、米国特許第6,287,860号においてさらに記載されている。オリゴマーのための経口製剤およびそれらの調製については、それらの全体において本明細書に参考として援用される、米国出願第09/108,673号(1998年7月1日に出願された)、同第09/315,298号(1999年5月20日に出願された)、および同第10/071,822号(2002年2月8日に出願された)において詳細に記載されている。
【0462】
非経口投与、髄腔内投与、または脳室内投与のための組成物および製剤は、浸透増強剤、担体化合物、および他の薬学的に許容される担体または賦形剤などであるがこれらに限定されない、緩衝液、希釈剤および他の適切な添加剤もまた含有しうる、滅菌水溶液を含みうる。
【0463】
別の関連する実施形態では、本開示の組成物は、第1の核酸へとターゲティングされた、1または複数のアンチセンス化合物、特にオリゴマーと、第2の核酸標的へとターゲティングされた、1または複数のさらなるアンチセンス化合物とを含有しうる。代替的に、本開示の組成物は、同じ核酸標的の異なる領域へとターゲティングされた、2つまたはこれを超えるアンチセンス化合物を含有しうる。当技術分野では、アンチセンス化合物の多数の例が公知である。2つまたはこれを超える組合せ化合物を、併せて使用することもでき、逐次的に使用することもできる。
【0464】
V.使用方法
ある特定の態様は、治療目的(例えば、脊髄性筋萎縮症を有する被験体を処置すること)のために本明細書で記載される通りの修飾アンチセンスオリゴマーを使用して機能的なSMNタンパク質を増大させる方法に関する。一部の態様では、修飾アンチセンスオリゴマーは、SMN2遺伝子のプレmRNA内の領域に特異的にハイブリダイズするのに十分な長さおよび相補性を有するヌクレオチド配列を含み、ここでこの領域への修飾アンチセンスオリゴマーの結合は、被験体の細胞および/または組織におけるエクソン7含有SNM2 mRNAのレベルを増大させる。被験体におけるエクソン7含有SMN2 mRNAの増大は、機能的なSMNタンパク質の発現を増大させるようにさらに変換される場合がある。それにより、本開示は、本明細書で記載される通りの修飾アンチセンスオリゴマーを使用してエクソン7含有SMN2 mRNAを増大させることによる機能的なSMNタンパク質の増大方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、脊髄性筋萎縮症(SMA)に罹患しているか、またはこれを発症する危険性がある個体を処置する方法であって、有効量の本開示の修飾アンチセンスオリゴマーを、被験体に投与するステップを含む方法を提供する。本明細書で記載される通りの修飾アンチセンスオリゴマーによってターゲティングされる例示的な配列は、表1および2に示されている。
【0465】
また、SMAを処置するためまたはSMAを処置するための医薬の調製において使用するための修飾アンチセンスオリゴマーであって、処置または医薬が本明細書で記載される通りの修飾アンチセンスオリゴマーを含む、修飾アンチセンスオリゴマーも含まれ、例えば、ここで修飾アンチセンスオリゴマーは、(i)修飾ヌクレオシド間連結、(ii)修飾糖部分、または(iii)前出の組合せを有するヌクレオチド類似体である少なくとも1つのサブユニットと;SMN2プレmRNA内の標的領域中の8またはこれを超える連続ヌクレオチドと相補的なターゲティング配列とを任意選択で有する8〜40のサブユニットを含む。一部の実施形態では、標的領域は、SMN2遺伝子および/またはプレmRNA SMN2のイントロン6、イントロン7、またはエクソン7内の領域(配列番号1〜3)を含む。さらなる実施形態では、標的領域は、イントロン7内の領域(配列番号1)を含む。一部の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーのターゲティング配列は、(a)配列番号4〜16から選択される配列を含む、(b)配列番号4〜16から選択される、(c)配列番号4〜16から選択される配列の少なくとも8の連続ヌクレオチドの断片である、または(d)配列番号4〜16から選択される配列に少なくとも90%の配列同一性を有する改変体であり、ここでXはウラシル(U)またはチミン(T)から選択され、Cはシトシン(C)または5−メチルシトシン(5mC)から選択される。
【0466】
一部の実施形態では、SMAを処置する方法またはSMAの処置のための医薬は、修飾糖部分を含む、ヌクレオチド類似体サブユニットを有する、修飾アンチセンスオリゴマーを含む。修飾糖部分は、ペプチド核酸(PNA)サブユニット、ロックト核酸(LNA)サブユニット、2’O,4’C−エチレン架橋核酸(ENA)サブユニット、トリシクロDNA(tc−DNA)サブユニット、2’O−メチルサブユニット、2’O−メトキシエチルサブユニット、2’−フルオロサブユニット、2’−O−[2−(N−メチルカルバモイル)エチル]サブユニット、およびモルホリノサブユニットから選択されうる。
【0467】
これらのさらなる態様および実施形態は、修飾ヌクレオシド間連結を含む、ヌクレオチド類似体サブユニットを有する、修飾アンチセンスオリゴマーを含む。多様な実施形態では、修飾ヌクレオシド間連結は、ホスホロチオエートヌクレオシド間連結、ホスホルアミデートヌクレオシド間連結、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結から選択される。さらなる実施形態では、ホスホロジアミデートヌクレオシド間連結は、(1,4−ピペラジン)−1−イル部分、置換(1,4−ピペラジン)−1−イル部分、4−アミノピペリジン−1−イル部分、または置換4−アミノピペリジン−1−イル部分に共有結合したリン原子を含む。
【0468】
これらのさらなる態様および実施形態は、修飾糖部分と修飾ヌクレオシド間連結との少なくとも1つの組合せを含む、ヌクレオチド類似体サブユニットを有する、修飾アンチセンスオリゴマーを含む。
【0469】
一部の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、哺乳動物細胞によって活発に取り込まれる。さらなる実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、そのような取り込みを促進するために本明細書で記載される通りの輸送部分(例えば、輸送ペプチドまたはCPP)にコンジュゲートされてよい。
【0470】
多様な態様は、本明細書で記載される通りの修飾アンチセンスオリゴマーを使用してエクソン7含有SMN mRNA転写物および/または機能的なSMNタンパク質の発現を増大させる方法に関する。いくつかの場合では、エクソン7含有SMN mRNA転写物および/または機能的なSMNタンパク質を、対照、例えば、対照細胞/被験体(例えば、SMAを有する被験体)、修飾アンチセンスオリゴマーを含まない対照組成物、処置の非存在、および/またはより前の時点と比べて約または少なくとも約5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%もしくは100%だけ増大されるまたは増強される。また、対照、例えばSMAを有する被験体のレベルと比べて、機能的なSMNタンパク質の発現を増大させる方法も含まれる。本明細書で使用するとき「有効量」または「治療量」は、SMNプレmRNA転写物の標的領域に結合でき、エクソン7含有SMN2 mRNA転写物および機能的なSMNタンパク質の発現を、被験体に投与された場合に対照細胞/被験体と比較したときの増大に関して開示された百分率の範囲内で増大できる修飾アンチセンスオリゴマーの用量を指す。
【0471】
多様な態様は、本明細書で記載される通りの修飾アンチセンスオリゴマーを使用して、細胞、組織、および/または被験体においてエクソン7含有SMN mRNA転写物および/または機能的なSMNタンパク質の発現を増大させる方法に関する。いくつかの場合では、エクソン7欠失SMN mRNA転写物または機能不全SMNタンパク質を、対照、例えば、対照細胞/被験体(例えば、SMAを有する被験体)、修飾アンチセンスオリゴマーを含まない対照組成物、処置の非存在、および/またはより前の時点と比べて約5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%もしくは100%、またはほぼこれらの比率で減少させるまたは低減する。また、対照、例えばSMAを有する被験体のレベルと比べて、エクソン7含有SMN mRNA転写物の発現を増大させるまたは機能不全SMNタンパク質の発現を減少させる方法も含まれる。
【0472】
本明細書で使用するとき、被験体は、脊髄、脳および末梢神経系などの神経系組織、心臓、筋肉、腎臓ならびに肝臓を含む1つまたは複数の組織におけるSMNタンパク質の発現および/または活性が低減している(例えば、健常被験体またはより前の時点と比べて)場合がある。一部の実施形態では、被験体は脊髄中の運動ニューロンの数が減少している。被験体は、クレアチンキナーゼを含む脊髄性筋萎縮症に関連する生物学的マーカーの循環レベルが上昇している場合がある。一部の実施形態では、被験体はこれだけに限らないが、筋力低下、脊柱湾曲症ならびに呼吸、吸気、嚥下および真っすぐに座ることに伴う困難などのSMAに関する1つまたは複数の症状を呈する。一部の実施形態では、被験体はそのような症状をまだ呈しておらず、被験体は、SMN1遺伝子の存在、変異および/または欠失を検出する現在利用可能な遺伝子試験によって同定されていてもよい。ある特定の実施形態では、被験体は、SMA I型、II型、III型またはIV型を有するとして診断された患者である。
【0473】
本明細書の修飾アンチセンスオリゴマーは、SMAを処置するために被験体に投与することができる。一部の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーは、SMAの1つまたは複数の症状を呈している被験体に対して好適な医薬用担体において投与される。本明細書で使用するとき、「処置する」という用語は、SMA、またはSMAに関する少なくとも1つの識別可能な症状の改善を指す。一部の実施形態では「処置する」は、被験体によって必ずしも識別可能ではない少なくとも1つの測定可能な身体的および/または生物学的パラメーターの改善を指す。被験体は、例えば、筋肉の力および協調の身体的改善、および脊髄中の運動ニューロンの数の増大を経験する場合がある。これらのパラメーターは、例えば、自己評価、医師の検査、身体的および生理学的測定物のための検査室の試験、ならびに被験体由来の試料の生物学的試験によって評価することができる。別の実施形態では、「処置する」はSMAの進行を遅くするまたは進行を元に戻すことを指す。本明細書で使用するとき、「予防する」または「阻害する」は、SMAの発病を遅らせるまたは発症の危険性を低減することを指す。
【0474】
このような処置と共に、ゲノム薬理学(すなわち、個体の遺伝子型と、外来化合物または薬物へのその個体の応答との関係についての研究)について考慮することもできる。治療剤の代謝の差違は、薬理学的な活性薬物の用量と血中濃度との関係を変更することにより、重度の毒性または治療の失敗をもたらしうる。こうして、医師または臨床医は、治療剤を投与すべきなのかどうかの決定においてのほか、治療剤による処置の投与量および/または治療レジメンの調整においても関与性のゲノム薬理学研究において得られる知見の適用について考慮することができる。
【0475】
修飾アンチセンスオリゴマーの、標的核酸への有効な投与および送達は、処置の1つの側面である。修飾アンチセンスオリゴマーの送達経路は、経口経路および非経口経路を含む、多様な全身経路、例えば、静脈内送達、皮下送達、腹腔内送達、および筋内送達のほか、吸入送達、経皮送達、および局所送達を含むがこれらに限定されない。適切な経路は、当業者が、処置下にある被験体の状態に適切な経路として決定することができる。血管循環または血管外循環の、血液またはリンパ系、および脳脊髄液は、RNAを導入しうる、一部の非限定的な部位である。直接的なCNS送達を使用することができ、例えば、脳室内(ICV)投与または髄腔内(IT)投与を、投与経路として使用することができる。
【0476】
一部の実施形態では、本明細書で記載される通りの修飾アンチセンスオリゴマーは、ICV投与によって被験体に投与される。例示的目的のためだけに、脳内脳室を通じて修飾アンチセンスオリゴマーを投与するための例示的方法は、次の通り提供される:被験体は、脳半球中の側脳室に位置付けられた頭蓋内カテーテルを受ける。非優位脳半球は、カテーテルを埋め込むために好ましい。カテーテルは、修飾アンチセンスオリゴマーの溶液を含有する皮下に埋め込まれた注入ポンプまたは体外ポンプに繋がれていてもよい。ある特定の実施形態では、本明細書で記載される通りの修飾アンチセンスオリゴマーは、IT投与によって被験体に投与される。例えば、被験体は側臥位にされる。修飾アンチセンスオリゴマーは、脊髄穿刺針を有するシリンジにロードされ、この針が下部腰椎間空に挿入され、修飾アンチセンスオリゴマーを脊髄に直接送達する。一部の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーのPMO、PMO−XまたはPPMO形態はICVまたはIT注射によって投与される。
【0477】
特定の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーを、被験体に、静脈内(IV)または皮下(SC)投与する、すなわち、アンチセンスオリゴマーを、静脈へと静脈内投与もしくは静脈内送達するか、または皮膚と筋肉との間の脂肪層へと皮下投与もしくは皮下送達する。静脈内注射部位の非限定的な例は、腕、手、脚、または足の静脈を含む。皮下注射部位の非限定的な例は、腹部、大腿部、下方背部(lower back)、または上腕部を含む。例示的な実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーのPMO形態、PMO−X形態、またはPPMO形態を、IV投与またはSC投与する。他の実施形態では、修飾アンチセンスオリゴマーを、被験体に、筋内内(IM)投与する、例えば、修飾アンチセンスオリゴマーを、腕部の三角筋、脚部の外側広筋、腰部の腹側臀筋(ventrogluteal muscle)、臀部の背側臀筋(dorsogluteal muscle)、横隔膜および胸郭の肋間筋へと投与または送達する。
【0478】
ある特定の実施形態では、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは、経皮的な方法により(例えば、このような修飾アンチセンスオリゴマーを、任意選択で、リポソームへとパッケージングする、修飾アンチセンスオリゴマーの、例えば、エマルジョンへの組込みを介して)送達することができる。送達のこのような経皮的な方法およびエマルジョン/リポソーム媒介型の方法は、修飾アンチセンスオリゴマーの送達について、当技術分野、例えば、それらの全体において本明細書に参考として援用される、米国特許第6,965,025号において記載されている。
【0479】
本明細書で記載される修飾アンチセンスオリゴマーはまた、植込み可能なデバイスを介して送達することもできる。このようなデバイスのデザインは、当技術分野で認知された工程であって、例えば、それらの全体において本明細書に参考として援用される、米国特許第6,969,400号において記載されている、例えば、合成インプラントデザインを伴う工程である。
【0480】
当技術分野で認知された技法(例えば、トランスフェクション、エレクトロポレーション、融合、リポソーム、コロイド状ポリマー性粒子、およびウイルスベクターおよび非ウイルスベクターのほか、当技術分野で公知の他の手段)を使用して、修飾アンチセンスオリゴマーを、細胞へと導入することができる。選択される送達法は、少なくとも、オリゴマー化学、処置(処理)される細胞、および細胞の場所に依存し、そして当業者には明らかであろう。例えば、局在化は、表面上にリポソームを方向づける特異的なマーカーを伴うリポソーム、標的細胞を含有する組織への直接的な注射、特異的な受容体媒介型の取込みなどにより達成することができる。
【0481】
当技術分野で公知の通り、修飾アンチセンスオリゴマーは、例えば、リポソーム媒介型の取込み、脂質コンジュゲート、ポリリシン媒介型の取込み、ナノ粒子媒介型の取込み、および受容体媒介型のエンドサイトーシスのほか、マイクロインジェクション、透過化(例えば、ストレプトリジンOによる透過化、アニオン性ペプチドによる透過化)、エレクトロポレーション、およびエンドサイトーシス以外の多様な非侵襲性送達法であって、当技術分野で公知の送達法など、エンドサイトーシス以外のさらなる送達方式(参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、DokkaおよびRojanasakul、Advanced Drug Delivery Reviews、44巻、35〜49頁(2000)を参照されたい)を伴う方法を使用して送達することができる。
【0482】
修飾アンチセンスオリゴマーは、生理学的および/または薬学的に許容される、任意の好都合なビヒクルまたは担体により投与することができる。このような組成物は、薬学的に許容される、様々な標準的担体であって、当業者により使用される担体のうちのいずれかを含みうる。例は、食塩水、リン酸緩衝食塩水(PBS)、水、水性エタノール、油/水エマルジョンまたはトリグリセリドエマルジョンなどのエマルジョン、錠剤、およびカプセルを含むがこれらに限定されない。生理学的に許容される適切な担体の選出は、選び出される投与方式に応じて変動するであろう。「薬学的に許容される担体」は、薬学的投与に適合性の担体など、任意で全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤を含むことを意図する。当技術分野では、薬学的に活性な物質のための、このような媒体および薬剤の使用が周知である。任意の従来の媒体または薬剤が、活性化合物に不適合性である場合を除き、組成物中のその使用が想定される。補充の活性化合物もまた、組成物へと組み込むことができる。
【0483】
本開示の修飾アンチセンスオリゴマーは一般に、遊離酸または遊離塩基として活用することができる。代替的に、本開示の化合物は、酸付加塩または塩基付加塩の形態で使用することもできる。本開示の遊離アミノ化合物の酸付加塩は、当技術分野で周知の方法により調製することができ、有機酸および無機酸から形成することができる。適切な有機酸は、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、マンデル酸、ケイ皮酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、グリコール酸、グルタミン酸、およびベンゼンスルホン酸を含む。
【0484】
適切な無機酸は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、および硝酸を含む。塩基付加塩は、カルボン酸アニオンと共に形成される塩を含み、さらに、アルカリ金属およびアルカリ土類金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、バリウム、およびカルシウム)から選択されるもののほか、アンモニウムイオンおよびその置換誘導体(例えば、ジベンジルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、2−ヒドロキシエチルアンモニウムなど)などの、有機カチオンおよび無機カチオンと共に形成される塩を含む。こうして、「薬学的に許容される塩」という用語は、任意で全ての許容される塩形態を包含することを意図する。
【0485】
加えて、本開示の文脈にはまた、プロドラッグも含まれる。プロドラッグとは、このようなプロドラッグを、患者へと投与すると、インビボにおいて、化合物を放出する、共有結合した任意の担体である。プロドラッグは一般に、慣例的な操作により、またはインビボにおいて、修飾が切断されて、親化合物をもたらすように、官能基を修飾することにより調製する。プロドラッグは、例えば、本開示の化合物であって、ヒドロキシ基、アミン基、またはスルフヒドリル基を、患者へと投与されると、切断されて、ヒドロキシ基、アミン基、またはスルフヒドリル基を形成する任意の基に結合させた化合物を含む。こうして、プロドラッグの代表例は、本開示の修飾アンチセンスオリゴマーのアルコール官能基およびアミン官能基の、酢酸誘導体、ギ酸誘導体、および安息香酸誘導体を含む(がこれらに限定されない)。さらに、カルボン酸(−COOH)の場合は、メチルエステル、エチルエステルなどのエステルも使用することができる。
【0486】
場合によって、リポソームを使用して、修飾アンチセンスオリゴマーの、細胞への取込みを促進することもできる(例えば、Williams, S.A.、Leukemia、10巻(12号):1980〜1989頁、1996年;Lappalainenら、Antiviral Res.、23巻:119頁、1994年;Uhlmannら、「modified antisense oligomers: a new therapeutic principle」、Chemical Reviews、90巻、4号、25 544〜584頁、1990年;Gregoriadis, G.、14章、「Liposomes, Drug Carriers in Biology and Medicine」、287〜341頁、Academic Press、1979年を参照されたい)。例えば、PCT公開番号WO1993/01286において記載されている通り、ヒドロゲルもまた、修飾アンチセンスオリゴマーを投与するためのビヒクルとして使用することができる。代替的に、オリゴマーは、マイクロスフェアまたはマイクロ粒子により投与することもできる(例えば、Wu, G.Y.およびWu, C.H.、J. Biol. Chem.、262巻:4429〜4432頁、30 1987年を参照されたい)。代替的に、米国特許第6,245,747号において記載されている通り、修飾アンチセンスオリゴマーと複合体化させたガス充填マイクロバブルの使用によっても、標的組織への送達を増強することができる。持続放出組成物もまた、使用することができる。これらは、フィルムまたはマイクロカプセルなどの成形品の形態にある半透性ポリマーマトリクスを含みうる。かかる文献の各々は、その全体が本明細書において参考として援用される。
【0487】
一部の実施形態では、アンチセンス化合物を、少なくとも200〜400nMの修飾アンチセンスオリゴマーのピーク血中濃度を結果としてもたらすのに有効な量および様式で投与する。一般に、約1〜2週間にわたり、定期的な間隔で、1または複数の用量の修飾アンチセンスオリゴマーが投与されることが典型的である。経口投与に好ましい用量は、70kg当たりのオリゴマー約1〜1000mgである。場合によって、患者1人当たりのオリゴマー1000mgを超える用量が必要でありうる。i.v.投与では、好ましい用量は、70kg当たりのオリゴマー約0.5〜1000mgである。修飾アンチセンスオリゴマーは、短期間にわたり、定期的な間隔で、例えば、2週間またはこれ未満にわたり、毎日投与することができる。しかし、場合によって、オリゴマーを、より長期間にわたり、間欠的に投与する。投与は、抗生剤または他の治療的処置の投与が後続する場合もあり、これらと共時的な場合もある。処置レジメンは、処置下の被験体についての、イムノアッセイ、他の生化学的試験および生理学的精査の結果に基づき指し示される通りに、調整することができる(用量、頻度、経路など)。
【0488】
本開示の修飾アンチセンスオリゴマーを使用する、インビボにおける有効な処置レジメンは、持続期間、用量、頻度、および投与経路のほか、処置下の被験体の状態(すなわち、限局感染または全身感染に応答した投与と対比した予防的投与)に従い変化させることができる。したがって、このようなインビボにおける治療は、最適な治療転帰を達成するために、処置下にある特定の種類の障害に適切な試験によるモニタリング、および用量または処置レジメンにおける対応する調整を要請することが多いであろう。
【0489】
処置は、例えば、当技術分野で公知の、疾患についての一般的な指標によりモニタリングすることができる。インビボにおいて投与される、修飾アンチセンスオリゴマーの効力は、修飾アンチセンスオリゴマーの投与前、投与時、および投与後に、被験体から採取される生物学的試料(組織、血液、尿など)により決定することができる。このような試料についてのアッセイは、(1)当業者に公知の手順、例えば、電気泳動によるゲル移動度アッセイを使用して、標的配列および非標的配列とのヘテロ二重鎖形成の存在または非存在についてモニタリングすること;(2)RT−PCR、ノーザンブロット法、ELISA、またはウエスタンブロット法などの標準的技法により決定される、基準のエクソン7欠失SMNタンパク質のmRNAとの関係で、SMNタンパク質エクソン7を含むmRNAの量をモニタリングすることを含む。一部の実施形態では、処置は症状の評価によってモニタリングされる。これらの評価として、これだけに限らないが、自己評価、医師の検査、運動機能試験(例えば、改訂ハマースミス運動機能スケール[MHFMS]およびフィラデルフィア小児病院の乳児神経筋疾患試験[CHOP INTEND])、例えば、筋肉サイズの測定、筋緊張、圧痛、強さ、反射、筋肉の不随意運動、筋電図検査、神経伝達速度測定試験、および心電図(EKGまたはEGG)を含む心血管系機能試験が挙げられる。
【0490】
VI.投薬
治療用組成物の製剤化およびそれらのその後における投与(投薬)は、当業者の技術の範囲内にあると考えられる。投薬は、処置される疾患状態の重症度および応答性に依存し、処置の過程は、数日間から数カ月間にわたり持続するか、または治癒がなされるか、もしくは疾患状態の減殺が達成されるまで持続する。最適の投薬スケジュールは、患者の体内の薬物蓄積の測定値から計算することができる。当業者は、最適の投与量、投薬法、および反復速度を容易に決定することができる。最適の投与量は、個々のオリゴマーの相対的効力に応じて変動させることができ、一般に、インビトロおよびインビボの動物モデルにおいて有効であることが見出されているEC50に基づき推定することができる。一般に、投与量は、体重1kg当たり0.01μg〜100gであり、毎日、毎週、毎月、もしくは毎年1回もしくは複数回にわたり、なおまたは2〜20年間ごとに1回施すことができる。当業者は、体液中または組織内の、薬物の測定された滞留時間および濃度に基づき、投薬の反復速度を、容易に推定することができる。処置が成功した後、患者に、疾患状態の再発を防止する維持療法であって、オリゴマーを、経口投与のためには、体重70kg当たり1〜1000mgのオリゴマー、またはi.v.投与のためには、体重70kg当たり0.5mg〜1000mgのオリゴマーの範囲の維持用量で、毎日1回または複数回〜20年ごとに1回投与する維持療法を受けさせることが望ましい場合がある。
【0491】
その実施形態のうちのいくつかに従い、本開示について具体的に記載してきたが、以下の実施例は、本開示を例示することだけに資するものであり、これを限定することを意図するものではない。本出願で列挙される、参考文献、特許、特許出願、GenBank受託番号などの各々は、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる。
【実施例】
【0492】
VII.実施例
次の実施例は、例示的目的のために使用されてよく、本発明の範囲を狭めると考えるべきではない。
【0493】
本開示の修飾アンチセンスオリゴマーを、SMN2プレmRNA転写物内の標的領域に結合するように設計し、次のプロトコルを使用して調製した。
活性サブユニットの調製のための手順A:
【化278】
[この文献は図面を表示できません]
【0494】
ジクロロメタン中の6(1当量)の撹拌溶液にPOCl(1.1当量)、続いてジイソプロピルエチルアミン(3当量)を0℃で添加し、氷浴で冷却した。15分後、氷浴を除き、溶液を1時間室温に温めた。反応完了時に、反応溶液をジクロロメタンで希釈し、10%クエン酸水溶液で3回洗浄した。MgSOで乾燥した後、有機層をシリカゲルのプラグに通し、減圧下で濃縮した。得られたホスホロアミドジクロリド(4)をさらなる精製を行わずに次のステップに直接使用した。
【0495】
ジクロロメタン中のホスホロアミドジクロリド(4)(1当量)、2,6−ルチジン(1当量)の溶液にMo(Tr)T(7)(0.5当量)/ジクロロメタン溶液、続いてN−メチルイミダゾール(0.2当量)を添加した。反応は室温で一晩撹拌した。反応完了時に、反応溶液をジクロロメタンで希釈し、10%クエン酸水溶液で3回洗浄した。MgSOで乾燥した後、有機層を濾過し、次いで濃縮した。生成物(8)をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサンの勾配で溶出)によって精製し、次いで−20℃で保存した。構造をLCMS分析によって確認した。
活性化サブユニットの調製のための手順B:
【化279】
[この文献は図面を表示できません]
【0496】
ジクロロメタン中のPOCl(1.1当量)の溶液に2,6−ルチジン(2当量)を添加した後、Mo(Tr)T(7)(1当量)/ジクロロメタン溶液を0℃で滴下添加した。1時間後、反応溶液をジクロロメタンで希釈し、10%クエン酸水溶液で素早く3回洗浄した。MgSOで乾燥させ、溶媒を蒸発させた後、所望のホスホジクロリデート(9)を得た。
【0497】
ジクロロメタン中のホスホジクロリデート(1当量)の溶液にアミン(1当量)/ジクロロメタンを溶液への滴下によって0℃で添加した。15分後、反応混合物を約1時間室温に温めた。反応完了時に、ヘキサンの添加によって沈殿させた後、濾過によって白色固体の生成物(8)を回収した。生成物を真空での乾燥後に−20℃で保存した。構造をLCMS分析によって確認した。
(実施例1)
((2S,6R)−6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチルホスホロジクロリデート
【化280】
[この文献は図面を表示できません]
【0498】
オキシ塩化リン(2.12mL、22.7mmol)の冷却(氷/水浴)DCM溶液(20mL)に、2,6−ルチジン(4.82mL、41.4mmol)を滴下添加し、次いでDCM溶液(20mL)Mo(Tr)T(2)(10.0g、20.7mmol)を15分間かけて滴下添加し(開始温度0〜10℃)、次いで浴を除き、周囲温度で20分間撹拌を続けた。反応物をクエン酸溶液(40mL×3、10%w/v水溶液)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、白色のフォーム(9.79g)に濃縮し、次いで続く手順に直接使用した。
(実施例2)
(6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−(ジメチルアミノ)ピペリジン−1−イル)ホスホノクロリデート
【化281】
[この文献は図面を表示できません]
【0499】
実施例1からのジクロロホスフェート(5.00g、5.00mmol)の冷却(氷/水浴)DCM溶液(5mL)にピペリジン(0.61g、4.76mmol)のDCM溶液(5mL)を滴下添加し、次いで浴を除き、周囲温度で30分間撹拌し続けた。反応物をカラムに直接ロードした。[SiOカラム(40g)、DCM/EtOH溶離液(1:0から1:1への勾配)]でのクロマトグラフィーは、表題化合物(2.5g)を白色のフォームとして与えた。1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン誘導体C4655PについてESI/MS計算値は862.4、実測値m/z=863.6(M+1)だった。
(実施例3)
1−(1−(クロロ((6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メトキシ)ホスホリル)ピペリジン−4−イル)−1−メチルピロリジン−1−イウムクロリド
【化282】
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【0500】
表題化合物を実施例2に記載の方法と類似した方法で合成し、表題化合物(0.6g)が白色固体として生じた。1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン誘導体C4960PについてESI/MS計算値は903.4、実測値m/z=903.7(M+)だった。
(実施例4)
((2S,6R)−6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−メチルピペラジン−1−イル)ホスホノクロリデート
【化283】
[この文献は図面を表示できません]
【0501】
オキシ塩化リン(1.02mL、11.0mmol)の冷却(氷/水浴)DCM溶液(10mL)に、2,6−ルチジン(3.49mL、29.9mmol)を滴下添加し、次いでメチルピペラジン(1.00g、10.0mmol)のDCM溶液(10mL)を滴下添加し、1時間撹拌を続けた。Mo(Tr)T(2)(4.82、10.0mmol)のDCM溶液(10mL)およびNMI(79μL、1.0mmol)を加え、4時間撹拌し、次いでカラムに直接ロードした。
【0502】
[SiOカラム(80g)、2%TEAを含むDCM/アセトン溶離液(1:0から0:1への勾配)]でのクロマトグラフィーは、表題化合物(0.8g)を白色のフォームとして与えた。1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン誘導体C4348PについてESI/MS計算値は834.4、実測値m/z=835.5(M+l)だった。
(実施例5)
((2S,6R)−6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−エチルピペラジン−1−イル)ホスホノクロリデート
【化284】
[この文献は図面を表示できません]
【0503】
表題化合物を実施例4に記載の方法と類似した方法で合成し、表題化合物(11.5g)が白色のフォームとして生じた。1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン誘導体C4553PについてESI/MS計算値は848.4、実測値m/z=849.7(M+l)だった。
(実施例6)
((2S,6R)−6−(6−ベンズアミド−9H−プリン−9−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−エチルピペラジン−1−イル)ホスホノクロリデート
【化285】
[この文献は図面を表示できません]
【0504】
表題化合物を実施例4に記載の方法と類似した方法で合成し、表題化合物(4.5g)が白色のフォームとして生じた。1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン誘導体C525611PについてESI/MS計算値は961.4、実測値m/z=962.8(M+l)だった。
(実施例7)
((2S,6R)−6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−イソプロピルピペラジン−1−イル)ホスホノクロリデート
【化286】
[この文献は図面を表示できません]
【0505】
表題化合物を実施例4に記載の方法と類似した方法で合成し、表題化合物(3.5g)が白色のフォームとして生じた。1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン誘導体C4655PについてESI/MS計算値は862.4、実測値m/z=863.7(M+1)だった。
(実施例8)
((2S,6R)−6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチルメチル(2−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)エチル)ホスホラミドクロリデート
【化287】
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【0506】
表題化合物を実施例4に記載の方法と類似した方法で合成し、表題化合物(1.0g)が白色のフォームとして生じた。1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン誘導体C4448PについてESI/MS計算値は904.3、実測値m/z=903.7(M−1)だった。
(実施例9)
((2S,6R)−6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチルメチル(2−(2,2,2−トリフルオロ−N−メチルアセトアミド)エチル)ホスホルアミドクロリデート
【化288】
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【0507】
表題化合物を実施例4に記載の方法と類似した方法で合成し、表題化合物(1.8g)が白色のフォームとして生じた。1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン誘導体C4550PについてESI/MS計算値は918.3、実測値m/z=1836.6(2M+)だった。
(実施例10)
((2S,6R)−6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ピペリジン−1−イル)ホスホノクロリデート
【化289】
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【0508】
DCM(190mL)中のオキシ塩化リン(17.7mL、190mmol)の冷却溶液(氷/水浴)に、2,6−ルチジン(101mL、864mmol)を滴下添加し、次いでMo(Tr)T(2)(83.5g、173mmol)を少量ずつ15分間かけて添加し(開始温度0〜10℃)、撹拌した。30分後、4−アミノピペリジンモノトリフルオロアセトアミド(48.9g、約190mmol)を15分間かけて滴下添加し(開始温度0〜8℃)、撹拌した。1時間後、DIPEA(50mL)を滴下添加し(開始温度0〜10℃)、1時間撹拌した。反応物をクエン酸溶液(500mL×3、10%w/v水溶液)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、粘性オイルに濃縮し、カラムに直接ロードした。[SiOカラム(330g)、ヘキサン/EtOAc溶離液(1:0から0:1への勾配)]でのクロマトグラフィーは、表題化合物(91.3g、収率70%)を白色のフォームとして与えた。1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン誘導体C4348PについてのESI/MS計算値は930.9、実測値m/z=954.4(M+Na)だった。
【0509】
実施例11から14を、上に記載の手順Aを介して調製した。
(実施例11)
(6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−(1−(2,2,2−トリフルオロアセチル)ピペリジン−4−イル)ピペラジン−1−イル)ホスホノクロリデート
【化290】
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(実施例12)
(6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−モルホリノピペリジン−1−イル)ホスホノクロリデート
【化291】
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(実施例13)
(6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチルビス(3−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)プロピル)ホスホルアミドクロリデート
【化292】
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(実施例14)
(6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル[1,4’−ビピペリジン]−1’−イルホスホノクロリデート
【化293】
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下の実施例15から20を、上に記載の手順Bを介して調製した。
(実施例15)
(6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)ホスホノクロリデート
【化294】
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(実施例16)
(6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−(2−(ジメチルアミノ)エチル)ピペラジン−1−イル)ホスホノクロリデート
【化295】
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(実施例17)
(6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−フェニルピペラジン−1−イル)ホスホノクロリデート
【化296】
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(実施例18)
(6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−(2,2,2−トリフルオロ−N−メチルアセトアミド)ピペリジン−1−イル)ホスホノクロリデート
【化297】
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(実施例19)
(6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチルメチル(3−(2,2,2−トリフルオロ−N−メチルアセトアミド)プロピル)ホスホルアミドクロリデート
【化298】
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(実施例20)
((2S,6R)−6−(6−ベンズアミド−9H−プリン−9−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)ピペリジン−1−イル)ホスホノクロリデート
【化299】
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(実施例21)
(4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)ホスホン酸ジクロリド塩酸塩
【0510】
DCM(30mL)中のオキシ塩化リン(5.70mL、55.6mmol)の冷却(氷/水浴)溶液に、2,6−ルチジン(19.4mL、167mmol)および4−(1−ピロリジニル)−ピペリジン(8.58g、55.6mmol)のDCM溶液(30mL)を添加し、1時間撹拌した。懸濁物を濾過し、固形物を過剰のジエチルエーテルで洗浄し、表題のピロリジン(17.7g、収率91%)が白色固体として生じた。1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン誘導体C1930PについてESI/MS計算値は423.2、実測値m/z=422.2(M−1)だった。
【化300】
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(実施例22)
((2S,6R)−6−(5−メチル−2,4−ジオキソ−3,4−ジヒドロピリミジン−1(2H)−イル)−4−トリチルモルホリン−2−イル)メチル(4−(ピロリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)ホスホノクロリデート塩酸塩
【化301】
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【0511】
DCM(100mL)中の実施例21からのジクロロホスホルアミデート(17.7g、50.6mmol)の撹拌冷却(氷/水浴)溶液にMo(Tr)T(2)(24.5g、50.6mmol)、2,6−ルチジン(17.7mL、152mmol)および1−メチルイミダゾール(0.401mL、5.06mmol)のDCM溶液(100mL)を10分間かけて滴下添加した。懸濁物を撹拌しながら浴を周囲温度に温めた。6時間後、懸濁物をジエチルエーテル(1L)に注ぎ、15分間撹拌し、濾過し、固形物を追加のエーテルで洗浄し、白色固体(45.4g)が生じた。粗産生物をクロマトグラフィー[SiOカラム(120グラム)、DCM/MeOH溶離液(1:0から6:4への勾配)]によって精製し、合わせた画分をジエチルエーテル(2.5L)に注ぎ、15分間撹拌し、濾過し、生じた固形物を追加のエーテルで洗浄し、白色固体として表題化合物(23.1g、収率60%)が生じた。1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン誘導体C4857PについてESI/MS計算値は888.4、実測値m/z=887.6(M−1)だった。
(実施例23)
修飾アンチセンスオリゴマーの設計および製造ならびに例示的な修飾アンチセンスオリゴマー
【0512】
トリチルピペラジンフェニルカルバメート35の調製:ジクロロメタン中の化合物11の冷却懸濁物(6mL/gの11)に、水中の炭酸カリウム(3.2当量)溶液(4mL/gの炭酸カリウム)を添加した。この2相混合物に、ジクロロメタン中のクロロギ酸フェニル(1.03当量)溶液(2g/gのクロロギ酸フェニル)を、ゆっくりと添加した。反応混合物を、20℃へと温めた。反応が完了したら(1〜2時間)、層を分離した。有機層を、水で洗浄し、無水炭酸カリウムで乾燥させた。生成物35を、アセトニトリルからの結晶化により単離した。
【0513】
カルバメートアルコール36の調製:水素化ナトリウム(1.2当量)を、1−メチル−2−ピロリジノン(32mL/gの水素化ナトリウム)中に懸濁させた。この懸濁物に、トリエチレングリコール(10.0当量)および化合物35(1.0当量)を添加した。結果として得られるスラリーを、95℃へと加熱した。反応が完了したら(1〜2時間)、混合物を、20℃へと冷却した。この混合物に、30%のジクロロメタン/メチルtert−ブチルエーテル(v:v)および水を添加した。生成物を含有する有機層を、水性NaOH、水性コハク酸、および飽和水性塩化ナトリウムで、逐次洗浄した。生成物36を、ジクロロメタン/メチルtert−ブチルエーテル/ヘプタンからの結晶化により単離した。
【0514】
テール型酸(Tail acid)37の調製:テトラヒドロフラン中の化合物36の溶液(7mL/gの36)に、無水コハク酸(2.0当量)およびDMAP(0.5当量)を添加した。混合物を、50℃へと加熱した。反応が完了したら(5時間)、混合物を、20℃へと冷却し、水性NaHCOにより、pH8.5へと調整した。メチルtert−ブチルエーテルを添加し、生成物を、水性層へと抽出した。ジクロロメタンを添加し、混合物を、水性クエン酸により、pH3へと調整した。生成物を含有する有機層を、クエン酸緩衝液と、飽和水性塩化ナトリウムとの、pH=3の混合物で洗浄した。この37のジクロロメタン溶液を、単離せずに、化合物38の調製において使用した。
【0515】
38の調製:化合物37の溶液に、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド(HONB)(1.02当量)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.34当量)を添加し、次いで、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミドヒドロクロリド(EDC)(1.1当量)を添加した。混合物を、55℃へと加熱した。反応が完了したら(4〜5時間)、混合物を、20℃へと冷却し、1:1の0.2Mクエン酸/ブラインおよびブラインで、逐次洗浄した。ジクロロメタン溶液に、アセトンへの溶媒交換、次いで、N,N−ジメチルホルムアミドへの溶媒交換を施し、生成物を、アセトン/N,N−ジメチルホルムアミドからの、飽和水性塩化ナトリウムへの沈殿により単離した。粗生成物を、水中で、複数回にわたり、再スラリー化させて、残留するN,N−ジメチルホルムアミドおよび塩を除去した。
【0516】
活性化「テール」の、アンカーロード樹脂への導入は、固相合成におけるサブユニットの組込みのために使用される手順により、ジメチルイミダゾリジノン(DMI)中で実施した。
【0517】
モルホリノベースのオリゴマーの合成のための固体支持体の調製:この手順は、粗い多孔性(40〜60μm)のガラスフリット、オーバーヘッド撹拌機、および、フリットを介してN2を沸騰させるかまたは真空抽出を可能とする、Teflon製の三方止め栓を伴う、シラン化、ジャケット付きのペプチド容器(ChemGlass、NJ、USA)内で実施した。
【0518】
以下の手順における樹脂処理/洗浄ステップは、2つの基本的な操作からなる:樹脂流動化または撹拌床樹脂反応器および溶媒/溶液抽出。樹脂の流動化のために、フリットを通ってN2の逆流(flow up)を可能とするように、止め栓を位置付け、指定の樹脂処理/洗浄液を、反応器へと添加し、樹脂を透過化させ、完全に湿潤させた。次いで、混合を開始し、指定の回数にわたり、樹脂スラリーを混合した。溶媒/溶液抽出のために、混合およびN2の流れを停止させ、真空ポンプを始動させ、次いで、樹脂処理/洗浄液を排出して廃棄することを可能とするように、止め栓を位置付けた。そうでないことが注記されない限りにおいて、樹脂処理/洗浄液の全容量は、樹脂1g当たり15mLであった。
【0519】
シラン化、ジャケット付きのペプチド容器内のアミノメチルポリスチレン樹脂(100〜200メッシュ;窒素置換に基づき、1g当たり約1.0mmolのロード;75g、1当量、Polymer Labs、UK、型番:1464−X799)に、1−メチル−2−ピロリジノン(NMP;樹脂1g当たり20ml)を添加し、樹脂を、混合しながら、1〜2時間にわたり膨潤させた。膨潤溶媒(swell solvent)の排出後、樹脂を、ジクロロメタン(2×1〜2分間)、25%のイソプロパノール/ジクロロメタン中に5%のジイソプロピルエチルアミン(2×3〜4分間)、およびジクロロメタン(2×1〜2分間)で洗浄した。最終洗浄液を排出した後、樹脂を、1−メチル−2−ピロリジノン中の、ジスルフィドアンカー34溶液(0.17M;樹脂1g当たり15mL、約2.5当量)で処理し、樹脂/試薬混合物を、45℃で60時間にわたり加熱した。反応が完了したら、加熱を中断し、アンカー溶液を排出し、樹脂を、1−メチル−2−ピロリジノン(4×3〜4分間)およびジクロロメタン(6×1〜2分間)で洗浄した。樹脂を、ジクロロメタン中に10%(v/v)のジエチルジカーボネート溶液(16mL/g;2×5〜6分間)で処理し、次いで、ジクロロメタン(6×1〜2分間)で洗浄した。樹脂39を、N2流下で、1〜3時間にわたり、次いで、真空下で、一定の重量(±2%)まで乾燥させた。収率:元の樹脂重量の110〜150%。
【0520】
アミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂のローディングの決定:樹脂のローディング(潜在的に利用可能な反応性部位の数)は、分光アッセイにより、樹脂1グラム当たりのトリフェニルメチル(トリチル)基の数について決定する。
【0521】
公知の重量(25±3mg)の乾燥樹脂を、25mlのシラン化メスフラスコへと移し、ジクロロメタン中に2%(v/v)のトリフルオロ酢酸約5mLを添加する。内容物を、静かな回旋により混合し、次いで、30分間にわたり静置する。容量を、ジクロロメタン中に2%(v/v)の、さらなるトリフルオロ酢酸により、25mLへと増量し、内容物を、完全に混合した。容積型ピペット(positive displacement pipette)を使用して、トリチル含有溶液(500μL)のアリコートを、10mLのメスフラスコへと移し、容量を、メタンスルホン酸により、10mLへと増量する。
【0522】
最終溶液中のトリチルカチオン含量は、431.7nmにおけるUV吸光度により測定し、樹脂のローディングは、適切な容量、希釈率、消衰係数(ε:41μmol−1cm−1)、および樹脂重量を使用して、樹脂1グラム当たりのトリチル基(μmol/g)により計算する。アッセイは、三連で実施し、平均ローディングを計算する。
【0523】
本実施例における樹脂のローディング手順により、約500μmol/gのローディングを有する樹脂を提供する。ジスルフィドアンカーの組込みステップを、室温で24時間にわたり実施する場合、μmol/g単位で300〜400のローディングが得られた。
【0524】
テールローディング:アミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂を調製するための設定および容量と同じ設定および容量を使用して、テールを、固体支持体へと導入することができる。アンカーロード樹脂をまず、酸性条件下で脱保護し、結果として得られる材料を中性化させてから、カップリングした。カップリングステップのために、ジスルフィドアンカー溶液の代わりに、4−エチルモルホリン(NEM、0.4M)を含有するDMI中の、38の溶液(0.2M)を使用した。45℃で2時間後、樹脂39を、25%のイソプロパノール/ジクロロメタン中に5%のジイソプロピルエチルアミンで2回にわたり洗浄し、DCMで1回洗浄した。樹脂に、安息香酸無水物(0.4M)およびNEM(0.4M)の溶液を添加した。25分後、反応器ジャケットを、室温へと冷却し、樹脂を、25%のイソプロパノール/ジクロロメタン中に5%のジイソプロピルエチルアミンで、2回にわたり洗浄し、DCMで、8回にわたり洗浄した。樹脂40を濾過し、高真空下で乾燥させた。樹脂40に対するローディングは、テールローディングにおいて使用した、元のアミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂39のローディングであると規定する。
【0525】
固相合成:モルホリノベースのオリゴマーは、Gilson AMS−422 Automated Peptide Synthesizer上、2mLのGilsonポリプロピレン反応カラム(型番:3980270)内で調製した。カラムを合成器に静置するときに、カラムの周囲に、水流のためのチャネルを伴うアルミニウム製のブロックを入れた。AMS−422は、代替的に、試薬/洗浄液を添加し、指定された時間にわたり保持し、真空を使用して、カラムを排気する。
【0526】
最大で約25サブユニットの長さの範囲のオリゴマーでは、ローディングを、樹脂1g当たり約500μmolとする、アミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂が好ましい。より大型のオリゴマーでは、ローディングを、樹脂1g当たり300〜400μmolとする、アミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂が好ましい。5’テールを伴う分子が所望される場合も、同じローディング指針により、テールでローディングした樹脂を選択する。
【0527】
以下の試薬溶液を調製した。
脱トリチル化溶液:4:1ジクロロメタン/アセトニトリル中に、10%のシアノ酢酸(w/v);中性化溶液:3:1のジクロロメタン/イソプロパノール中に、5%のジイソプロピルエチルアミン;カップリング溶液:所望の塩基型および連結型を有する、0.18M(または20サブユニットより長くなったオリゴマーには、0.24M)の活性化モルホリノサブユニット、ならびに1,3−ジメチルイミダゾリジノン中に、0.4MのNエチルモルホリン。ジクロロメタン(DCM)を、異なる試薬溶液の洗浄を隔てる、一過性洗浄液として使用した。
【0528】
ブロックを42℃に設定した合成器上で、30mgのアミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂(またはテール樹脂)を含有する各カラムに、2mLの1−メチル−2−ピロリジノンを添加し、室温で、30分間にわたり静置した。2mLのジクロロメタンで、2回にわたる洗浄の後、以下の合成サイクルを使用した。
【表4】
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【0529】
各カラムが、適正な配列の、適正なカップリング溶液(A、C、G、T、I)を受容するように、個々のオリゴマーの配列を、合成器へとプログラムした。カラム内のオリゴマーが、その最終的なサブユニットの組込みを完了したら、カラムを、ブロックから取り出し、0.89Mの4−エチルモルホリンを含有する、4−メトキシトリフェニルメチルクロリド(DMI中に0.32M)を含むカップリング溶液により、最終サイクルを、手動で実施した。
【0530】
樹脂からの切断ならびに塩基および保護基の除去:メトキシトリチル化の後、樹脂を、2mLの1−メチル−2−ピロリジノンで、8回にわたり洗浄した。1−メチル−2−ピロリジノン中に、0.1Mの1,4−ジチオトレイトール(DTT)および0.73Mのトリエチルアミンを含む、1mLの切断溶液を添加し、カラムに蓋をし、室温で、30分間にわたり静置した。この時間の後、溶液を、12mLのWheatonバイアルへと排出した。大幅に縮んだ樹脂を、300μLの切断溶液で、2回にわたり洗浄した。溶液に、4.0mLの濃縮アンモニア水(−20℃で保存された)を添加し、バイアルにきつく蓋をし(テフロン(登録商標)加工のねじ蓋により)、混合物を回旋にかけて、溶液をミックスした。バイアルを、45℃のオーブンに、16〜24時間にわたり入れて、塩基および保護基の切断を行った。
【0531】
粗生成物の精製:バイアルに入れた(vialed)アンモノリシス溶液を、オーブンから取り出して、室温へと冷却した。溶液を、20mLの0.28%の水性アンモニアで希釈し、Macroprep HQ樹脂(BioRad)を含有する、2.5×10cmのカラムに通した。塩勾配(A:0.28%のアンモニアに、B:0.28%のアンモニア中に1Mの塩化ナトリウムを伴う;60分間でBを0〜100%とする)を使用して、メトキシトリチルを含有するピークを溶出させた。合わせた画分をプールし、所望される生成物に応じて、さらに加工した。
【0532】
モルホリノベースのオリゴマーの脱メトキシトリチル化:Macroprepによる精製からプールされた画分を、1MのH3PO4で処理して、pHを2.5へと低下させた。初期の混合の後、試料を、室温で4分間にわたり静置し、この時間に、それらを、2.8%のアンモニア/水で、pH10〜11へと中性化させる。生成物は、固相抽出(SPE)により精製した。
【0533】
SPEカラムのパッキングおよびコンディショニング:Amberchrome CG−300M(Rohm and Haas;Philadelphia、PA)(3mL)を、20mLのフリットカラム(BioRad Econo−Pac Chromatography Columns(732〜1011))へとパッキングし、樹脂を、3mLの以下のもの:0.28%のNH4OH/80%のアセトニトリル;0.5MのNaOH/20%のエタノール;水;50mMのH3PO4/80%のアセトニトリル;水;0.5のNaOH/20%のエタノール;水;0.28%のNH4OHですすいだ。
【0534】
SPEの精製:脱メトキシトリチル化からの溶液を、カラムへとロードし、樹脂を、0.28%の水性アンモニア3〜6mLで、3回にわたりすすいだ。Wheatonバイアル(12mL)を、カラムの下に置き、生成物を、0.28%の水性アンモニア中に、45%のアセトニトリル2mLで2回にわたる洗浄により溶出させた。
【0535】
生成物の単離:溶液を、ドライアイス内で凍結させ、バイアルを凍結乾燥機に入れて、綿毛状の白色粉末をもたらした。試料を、水中に溶解させ、シリンジを使用して、0.22ミクロンのフィルター(Pall Life Sciences、Acrodisc 25mmシリンジフィルターに、0.2ミクロンのHT Tuffryn膜を伴う)を通して濾過し、UV分光光度計上で、光学濃度(OD)を測定して、存在するオリゴマーのOD単位を決定したほか、試料を解析のために分注した。次いで、凍結乾燥させるために、溶液を、Wheatonバイアルに戻した。
【0536】
MALDIによる、モルホリノベースのオリゴマーについての解析:MALDI−TOF質量分析を、使用して、精製物中の画分の組成を決定したほか、オリゴマーの正体の証拠(分子量)ももたらした。マトリックスとしての、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシケイ皮酸(シナピン酸)、3,4,5−トリヒドロキシアセトフェノン(THAP)、またはアルファ−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸(HCCA)の溶液による希釈後に、試料を試行にかけた。
【0537】
以下の表5は、合成した本開示の修飾アンチセンスオリゴマーの非限定例を提供する。これらの例において、ターゲティング配列の配列番号の各Xはチミン(T)であり、ターゲティング配列の配列番号の各Yはシトシン(C)である。さらに、それぞれの太字かつ下線の塩基は、そのサブユニットと先行するサブユニットとの間に修飾の列に示される種類のサブユニット間連結を有するサブユニットを示し、そうでなければ、サブユニット間連結はジメチルアミノホスホロジアミデート連結である。
【表5-1】
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【表5-2】
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【表5-3】
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*「Ac」は、ペプチドのアミノ末端にコンジュゲートしたCHC(=O)−部分を示す
(実施例24)
PMOベースのオリゴマーのインビトロのエクソン7包含率
【0538】
インビトロのエクソン7包含率を測定するための例示的方法を本明細書に記載する。PMOベースのオリゴマーを、アンチセンスオリゴマーがSMN2エクソン7包含を増強するかどうかを判定するために試験した。表1に示すそれぞれのアンチセンスオリゴマーを下に記載するヌクレオフェクションプロトコルを使用して細胞に導入した。エクソン7包含率を下に提供する逆転写酵素PCRプロトコルおよび可視化技術を使用して算出した。エクソン7含有SMN2タンパク質の発現がアンチセンスオリゴマーによって誘導されたことを確認するために、ウエスタンブロット分析を下に記載するプロトコルに従って実施した。
PMOベースのオリゴマーのSMA細胞へのヌクレオフェクション
【0539】
PMOベースのオリゴマーをヌクレアーゼ不含有水(DEPCによる処理なし)中の1〜2mM保存溶液として調製し、それから適切な希釈物をヌクレオフェクションのために作製した。SMAを有する個体由来の患者由来線維芽細胞(Coriell、GM03813)を、10%ウシ胎児血清を含むイーグル最小必須培地で培養した。細胞を実験の3〜5日前に継代し、ヌクレオフェクションのときにおよそ80%コンフルエントであった。線維芽細胞をトリプシン処理し、計数し、90rcfで10分間遠心分離した。1ウエルあたり細胞1〜5×10個をP3ヌクレオフェクション溶液(Lonza)に再懸濁した。PMOベースのオリゴマー溶液および細胞を次いでNucleocuvette 16ウエルストリップの各ウエルに加え、プログラムCA−137でパルスした。細胞を室温、10分間インキュベートし、24ウエルプレートに2回反復で移し、37℃の細胞インキュベーターに入れた。インキュベーション24時間後、全RNAをGE Illustra RNAspin 96 RNA isolation kit(GE Healthcare)で製造者の推奨プロトコルに従って処置細胞から単離した。単離したRNA試料を分析前に−80℃で保存した。
逆転写酵素PCR
【0540】
SMN2対立遺伝子を増幅するために、SuperScript III One−Step RT−PCR system(Invitrogen)を使用して逆転写酵素PCRを実施した。ヌクレオフェクトした細胞から単離した400ngのRNAを逆転写し、次の遺伝子特異的プライマーで増幅した:フォワードプライマー5’−ACTTTCCCCAATCTGTGAAGT−3’(配列番号52)およびリバースプライマー5’−CATTTAGTGCTGCTCTATGCC−3’(配列番号54)。逆転写および増幅のためのPCR条件は、次の通り設定した:逆転写、55℃、20分間;RT不活性化、94℃、2分間;変性、94℃、2分間;アニーリング、59℃、45秒間;伸長、68℃、1分間;変性/アニーリング/伸長を45サイクル繰り返した。エクソン7が適切に含まれる場合、増幅産物のサイズは、494bpであるはずである。エクソン7排除物の増幅産物のサイズは、434bpのはずである。cDNA試料は、さらなる分析のために−20℃で保存した。
【0541】
エクソン7包含率を算出するためにcDNA試料を可視化し、試料中の増幅産物のモル濃度を測定した。cDNA試料を調製し、LabChip(Perkin Elmer)に製造者のプロトコルに従ってロードした。簡潔には、cDNA試料を融解し、製造者による提供のDNA色素と混合した。試料をLabChipにロードして、調製したLabChipをLabChip GX instrument(Caliper)に挿入した。LabChip GXは各増幅産物のモル濃度を増幅産物に対応するバンドの強度に基づいて算出する。
ウエスタンブロット分析
【0542】
PMOオリゴマーを上に記載のSMA患者由来線維芽細胞にヌクレオフェクトした。ヌクレオフェクション24時間後、細胞をRIPA溶解緩衝液(Thermo Scientific)で溶解した。各溶解物を14,000xgで10分間遠心下降させた。細胞デブリのペレットを遠心分離後に廃棄し、上清だけをさらなる分析のために回収した。20ugの各タンパク質試料をTGX stain free gel(Bio−rad)にロードし、タンパク質電気泳動によって分離した。ゲルをPVDF transfer membrane(Bio−rad)に移し、SMNタンパク質を抗SMN抗体(BD Transduction Laboratories)で検出した。SMNタンパク質がエクソン7によってコードされる部分を含有する場合、タンパク質のサイズは38kDaである。アクチンを抗アクチン抗体(Abcam)でブロッティングすることによってローディング対照として測定した。
重複領域をターゲティングするPMOベースのオリゴマーのインビトロのエクソン7包含率
【0543】
イントロン7中の重複領域をターゲティングするPMOベースのオリゴマーを、この化合物がインビトロのエクソン7包含を誘導する効率を測定するために試験した。イントロン7の−7/−14領域をターゲティングするさまざまな量のPMO、PMO−APNおよびPMO−Plus8量体オリゴマー(化合物PMO−1、PMO−APN−2およびPMO−Plus−2)ならびにイントロン7の−10/−27領域をターゲティングするPMO、PMO−APNおよびPMO−Plus18量体オリゴマー(化合物PMO−3、PMO−APN−16およびPMO−Plus−8)をSMA患者由来線維芽細胞(GM03813)にヌクレオフェクトした。インビトロのエクソン7包含率を各PMOベースのオリゴマーについて上に記載の通り算出した。図3および表6に要約の通り、−10/−27領域をターゲティングする化合物は、−7/−14領域をターゲティングするものと比べて100倍効力があった。PMO−APNおよびPMO−Plus修飾は、両標的領域においてPMO修飾と比べてエクソン7包含を誘導する効力をさらに増強した。
【表6】
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異なる領域をターゲティングするPMOベースのオリゴマーのインビトロのエクソン7包含率
【0544】
イントロン7中の領域をターゲティングするPMOベースのオリゴマーを試験し、この化合物がインビトロのエクソン7包含を誘導する効率を上に記載の通り算出した。イントロン7の−10/−29領域をターゲティングするさまざまな量のPMO、PMO−APNおよびPMO−Plusオリゴマー(化合物PMO−4、PMO−APN−17およびPMO−Plus−9)をGM03813線維芽細胞にヌクレオフェクトした。並行して、イントロン7の−137/−159領域または−149/−174領域をターゲティングするさまざまな量のPMO、PMO−APNおよびPMO−PLUSオリゴマー(化合物PMO−7、PMO−9、PMO−APN−29、PMO−APN−31およびPMO−Plus−11およびPMO−Plus−13)を同様にヌクレオフェクトした。インビトロのエクソン7包含率を各PMOベースのオリゴマーについて上に記載の通り算出した。図4および表7に示す通り、−10/−27領域をターゲティングするオリゴマーは、他の化合物と比べてはるかにより効力があった。PMO−APNおよびPMO−Plus修飾はイントロン7の−10/−29領域をターゲティングする化合物の効力をさらに増強した一方で、これらの化学修飾の増強効果は、イントロン7の−149/−174領域をターゲティングする化合物よりはるかに低かった。驚くべきことに、これらの化学修飾は、イントロン7の−137/−159領域をターゲティングするオリゴマーでエクソン7包含よりもエクソン7スキッピング(エクソン7包含の代わりにエクソン7排除)の増大を生じた。
【表7】
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異なる長さを有するPMOベースのオリゴマーのインビトロのエクソン7包含率
【0545】
さまざまな長さを有するPMOベースのオリゴマーを、この化合物がインビトロのエクソン7包含を誘導する効率を測定するために試験した。異なる長さを有するさまざまな量のPMO、PMO−APN、PMO−Plus、およびPMO−RGlyオリゴマー(化合物PMO−2−4、PMO−APN−11、PMO−APN−16、PMO−Plus−8、PMO−Plus−9、PMO−RGly−2およびPMO−RGly−3)をGM03813線維芽細胞にヌクレオフェクトした。インビトロのエクソン7包含率を各PMOベースのオリゴマーについて上に記載の通り算出した。図5Aおよび表8に修飾18量体および20量体のヌクレオフェクションによるエクソン7包含率を要約する。試験した用量範囲内では、修飾18量体および20量体は、インビトロのエクソン7包含を誘導する同様の効力を示した。同様に、図5Bおよび表9に示す通り、インビトロのエクソン7包含を誘導する同様の効力が修飾18量体および25量体で観察された。前記と同様に、PMO−APN、PMO−PlusおよびPMO−RGly修飾を有する化合物は、PMO化合物よりも優れていた。
【表8】
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【表9】
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異なる修飾を有するPMOベースのオリゴマーのインビトロのエクソン7包含率
【0546】
PMO、PMO−APN、PMO−PlusおよびPMO−RGlyで修飾されたPMOベースのオリゴマーを、化学修飾のインビトロのエクソン7包含への効果を分析するために試験した。2’−OMe修飾オリゴマーをPMOベースのオリゴマーと並行して試験した。上に記載のプロトコルに従って、さまざまな量のPMO、PMO−APN、PMO−Plus、PMO−RGlyおよび2’−OMeオリゴマー(化合物PMO−3、PMO−APN−16、PMO−Plus−8、PMO−RGly−3および2’−OMe−2)をGM03813線維芽細胞にヌクレオフェクトした。インビトロのエクソン7包含率を各化合物について上に記載の通り算出した。図6および表10に示す通り、PMO−APN、PMO−PLUSまたはPMO−RGlyで修飾された化合物は、PMOで修飾された化合物と比べてエクソン7包含を誘導する効力の顕著な改善を示した。さらに、PMOまたは次世代PMOで修飾された全ての化合物は、2’−OMeオリゴマーの効力をはるかに超える大きな効力の改善を示した。
【表10】
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【0547】
エクソン7包含が誘導されると、エクソン7コード部分を含むSMN2タンパク質の発現レベルもそれにより増大されるはずである。PMOベースのオリゴマーが実際にインビトロでエクソン7包含を誘導することを確認するためにウエスタンブロット分析を上に記載の通り実施した(図7Aおよび7B)。0.1μMの低濃度で、PMO、PMO−APN、PMO−PlusおよびPMO−RGly化合物は、SMA患者由来線維芽細胞において正常線維芽細胞におけるSMN1発現のレベルに匹敵するエクソン7コード部分を含むSMN2タンパク質の発現を誘導できた。
(実施例25)
PMOベースのオリゴマーのインビボ投与
【0548】
PMOベースのオリゴマーの治療有効性および安全性を適切な動物モデルで試験した。SMAの処置におけるPMOベースのオリゴマーの有効性を分析するための例示的な方法を提供する。PMOベースのオリゴマーで処置したマウスを、寿命、体重増加、握力および立直り反射について下のプロトコルに従ってモニタリングおよび試験した。本明細書で記載される他の例示的な方法は、PMOベースのオリゴマーのインビボ投与における組織像、毒性および免疫原性応答を評価することに関する。表11は、次のインビボ試験で使用したPMOベースのオリゴマーを要約している。
【表11】
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SMAマウスモデル
【0549】
多様なSMAマウスモデルが当技術分野において公知である(例えば、Schrankら、1997年;Hsieh−Liら、2000年;Monaniら、2000年を参照されたい)。マウスにおけるSMA表現型の重症度は、マウスに存在するSMN遺伝子のコピー数に依存する。例えば、mSMN遺伝子の1コピーを欠失しているヘテロ接合性マウスは、ヒトのIII型SMAを模倣する。SMNノックアウトマウスは、胚性致死性である。ヒトのI型またはII型SMAに類似したマウス株を作製するために、ヒトSMN2をマウスに導入することができる。例えば、Taiwanese−SMAマウスモデルは、SMN−ヌルバックグラウンドにおいてヒトSMN2遺伝子の4コピーを有する(Smn−/−、hSMN2tg/tg)。Taiwaneseマウスは、ヒトでのI型またはII型SMAに類似する中程度から重症のSMA表現型を呈する。「sSMA」株マウス(Smn−/−、hSMN2+/+)は、2コピーのヒトSMN2遺伝子だけを保有しており、Taiwaneseマウスよりも重症の表現型を生じる。別の重症のSMAマウス株は、SMNΔ7マウス(Smn−/−、hSMN2+/+、SMNΔ7+/+)である。SMNΔ7マウスの平均寿命は、およそ15〜20日間である。SMNΔ7マウスは、ヒトI型SMA患者に類似した症状および神経病理を示す。
PMOベースのオリゴマーの投与
【0550】
PMOベースのオリゴマーを、以前記載された通りSMNΔ7マウスに脳室内(ICV)注射を介して送達した(Passiniら、2001年)。インビボで試験した全てのPMOベースのオリゴマーを注射の前に5μg/μlの濃度で生理食塩水に溶解した。インビボでPMOベースのオリゴマーをスクリーニングするための典型的投与量は20μgであり、日齢P1(出生翌日)にICV注射によって送達した。各マウスに、2μlのPMOベースのオリゴマー溶液の注射を各側脳室に与え、マウス1匹あたり合計4μlとした。インビボで使用される投与量は、数を増やしてもよく、一度にまたは複数回の注射で送達され得る。他の例示的な送達方法は、皮下注射、筋肉内注射、末梢顔面静脈注射、眼注射、くも膜下腔内注射および尾静脈注射を含む。送達方法のいずれかの1つが、マウスに異なる日齢でPMOベースのオリゴマーを複数回投与するために組み合わされてよい。
【0551】
ヒトにおけるSMA発症の分子機構に基づいて、早期のCNS処置が頑強な効果をもたらすと期待されることが理解される。ICV注射がPMOベースのオリゴマーを脳および脊髄に直接送達し、若年齢で投与できることから、ICV注射は、ニューロン内のSMNレベルを回復させるための好ましい方法であり得る。血液脳関門の外の自律神経系においてSMN発現を増大させることがSMA関連症状の重症度を軽減できる可能性もある。
PMOベースのオリゴマーの投与におけるSMA関連症状の分析
【0552】
PMOベースのオリゴマーで処置したSMNΔ7マウスを寿命および体重についてモニタリングし、筋力および運動機能について試験した。SMAマウスモデルはヒトSMA患者において同様に観察されるSMA関連症状を呈するので、マウスのSMA関連症状および表現型を測定するさまざまな試験が、当技術分野において公知である(Passiniら、2011年)。SMAマウスモデルの最も注目すべき表現型は、寿命の減少である。野生型マウスの典型的寿命は、およそ2年である。しかし、SMA表現型の重症度に応じてSMAマウスモデルの寿命の平均中央値は、5〜25日間の間で変動しうる。それにより、生理食塩水処置マウスと比べてPMOベースのオリゴマー処置マウスの寿命をモニタリングすることは、SMAの処置におけるオリゴマーの有効性を評価するための良好な測定であり得る。体重増加などの他の生体測定結果ならびに、オープンフィールド試験および歩行時の歩き方(walking gait)を含む行動的生体測定結果は、処置マウスの健康を評価するために同様に分析され得る。MRIによって測定される除脂肪率および体脂肪率などの身体組成は、試験を通して同様に分析されてよい。
【0553】
SMAマウスモデルの他の表現型は、筋力および運動機能の衰弱などの神経筋機能障害を含む。神経筋機能を定量的に測定するために、PMOベースのオリゴマーで処置したマウスを、14日目に開始して、握力試験に供した。各マウスの前肢をワイヤグリッドに置き、次いでマウスをメッシュに沿って水平に穏やかに引いた。メッシュを握るためにマウスがかけた力のピーク量を力変換器(Columbus Instruments)でグラムで測定した。前肢および後肢の評価は、同時の試験で実施してもよいし、別々の試験で実施してもよい。最初の注射後の4日目に始めて、立直り反射を以前に記載のプロトコル(Passiniら、2011年)に従って同様に測定した。簡潔には、立直り反射を、背臥位に置かれた後にマウスが4本の全ての肢を軸とした体位に変わるのに要する時間を測定することによって判定した。立ち直りに要する時間は、神経筋力に反比例する。トレッドミルの使用および車輪運動などの他の試験を、PMOベースのオリゴマーの投与における全般的な筋力の改善を測定するために使用できる。筋肉サイズ、筋緊張、圧痛、不随意運動の頻度および心血管系機能の測定を含む身体検査を、SMAマウスモデルにおいてPMOベースのオリゴマーの全身効果を分析するために追加的に行う。
PMOベースのオリゴマーによる処置における分子分析および細胞分析
【0554】
分子および細胞アッセイをPMOベースのオリゴマーのインビボでの生理学的効果を分析するために行う。PMOベースのオリゴマーをマウスに投与した後、脳、脊髄および末梢器官などの組織由来の生検試料を、実験を通して定期的に回収する。処置マウスを実験の最後に屠殺し、そのような組織をさらなる分析のために秤量し、回収する。そのようなアッセイは、当技術分野において慣用的に使用され、例示的な方法は本明細書に記載されている。
【0555】
PMOベースのオリゴマーが実際にエクソン7包含をインビボで誘導することを確認するために、脳、脊髄および末梢器官などの組織におけるエクソン7包含率を測定する。全RNAを単離し、cDNAを上に記載の逆転写PCRによって生成する。増幅産物を可視化し、エクソン7包含率を上に記載の通り算出する。生検試料をさらに処理して、エクソン7コード部分を含むSMN2タンパク質の量を、上に記載のプロトコルに従ってウエスタンブロット分析によって測定する。
【0556】
脊髄生理に対するPMOベースのオリゴマーの効果を定量的に分析する。例えば、処置SMAマウスの脊髄に存在する運動ニューロンの数を計数し、対照マウスと比較する。脊髄中の運動ニューロンを分析するための方法は、当技術分野において公知である(Passiniら、2011年)。簡潔には、マウスから単離された脊髄の試料をパラホルムアルデヒドで固定し、H&E(ヘマトキシリンおよびエオシン)で染色する。複数の横断切片を生成し、ニューロンを可視化するためにコリンアセチルトランスフェラーゼなどの運動ニューロンに特異的なマーカーに対する抗体で染色する。
【0557】
心臓および筋肉を当技術分野において公知の方法(Aviliaら、2007年;Passiniら、2010年;Passiniら、2011年)に従って同様に組織学的に分析する。例えば、心臓ならびに大腿四頭筋および肋間筋を含む筋肉を回収し、パラホルムアルデヒドで固定し、H&Eで染色する。組織の横断切片に基づいて、これらの組織における筋肉繊維の平均厚を測定する。これらの組織の神経筋接合部の構造は、神経フィラメント中鎖およびアセチルコリン受容体などの特異的マーカーに対する抗体で可視化することができる。
非ヒト霊長類へのPMOベースのオリゴマーの投与
【0558】
カニクイザルなどの非ヒト霊長類をPMOベースのオリゴマーの送達実行可能性を分析するために使用する。くも膜下腔内およびICV注射などのさまざまな注射選択肢が、当技術分野において公知である(例えば、Passiniら、2011年;Smithら、2006年を参照されたい)。これらの方法は、両方の投与経路が非ヒト霊長類およびヒトにおいて治療剤を送達するために日常的に使用されていることから、臨床的に実行可能である。くも膜下腔内注射のためにカニクイザルを麻酔し、くも膜下腔内留置カテーテルを埋め込む。ICV注射のために、右(もしくは左または両方の)大脳側脳室にカニューレを埋め込むための定位脳手術を各サルに実施する。PMOベースのオリゴマーの注入を受ける前にサルを数日間埋め込み手術から回復させる。さまざまな用量のPMOベースのオリゴマーを1日または複数日かけて注入する。初回注入の5〜20日後、全てのサルを屠殺し、上に記載のさらなる分析のために組織を回収する。
PMOベースのオリゴマーの安全性分析
【0559】
PMOベースのオリゴマーのインビボでの安全性を当技術分野において公知のさまざまな方法(例えば、Huaら、2010年を参照されたい)によって評価する。慢性炎症がSMAなどの神経変性疾患と関連していることから、神経炎症に関する多様なバイオマーカーを、PMOベースのオリゴマーの投与における脳、脊髄、心臓および筋肉などの組織内の炎症性応答を分析するために使用する。例示的なバイオマーカーは、同種移植炎症因子−1、腫瘍壊死因子−αおよびインターロイキン−1βを含む。免疫細胞浸潤もCD4およびCD8などの特異的免疫細胞マーカーで測定することができる。これらの組織における反応性酸素種は、当技術分野において公知の方法(Dikalovら、2007年)に従って同様に測定することができる。
【0560】
炎症マーカーに加えて、毒性に関連する他の生理学的パラメーターを、PMOベースのオリゴマーで処置したマウスまたは非ヒト霊長類において測定できる。動物に、望ましい生物学的応答、すなわち100%のインビボのエクソン7包含率を誘発する最大用量を超えて、各化合物の単一用量または複数用量を負荷する。さまざまな用量の化合物で処置した動物を、任意の急性応答についてモニタリングする。局所注射部位も同様にモニタリングする。血圧および心拍数などの心血管系パラメーターならびに血清および尿の生化学をPMOベースのオリゴマーの潜在的な任意の急性または慢性効果を検出するために測定する。遺伝毒性を当技術分野において公知のプロトコル(例えば、Sazaniら、2010年)に従って同様に評価する。化合物の薬物動態および薬力学も、当技術分野において公知のプロトコル(Healdら、2015年)に従って治療用量を推定するために各処置動物の血清を試料採取することによって測定する。
SMNΔ7マウスへのPMOベースのオリゴマーの投与
【0561】
初期スクリーニング方法として、SMNΔ7マウスをインビボ実験に使用した。日齢P1(出生翌日)において、マウスを上に記載のICV注射によって生理食塩水または20μgのPMOベースのオリゴマー(化合物PMO−3、PMO−APN−16、PMO−Plus−8およびPMO−RGly−3)で処置した。全ての注射は、Passiniら(2001年)に記載のものと同様に30.5ゲージハミルトンシリンジで実施した。日齢が一致する野生型マウスの群も参照として同時にモニタリングした。日齢63において、全ての残っているマウスを上に記載のとおりのさらなる分子および細胞分析のために屠殺した。表12は、各実験群のために使用した遺伝子型、処置、用量およびマウスの数を要約している。
【表12】
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PMOベースのオリゴマーで処置したSMNΔ7マウスの生存
【0562】
図8Aおよび表13に示す通り、PMOベースのオリゴマーによる処置は、SMNΔ7マウスの寿命中央値を顕著に増大させた。各実験群のP値は、ログランクマンテル−コックス検定によって算出した。生理食塩水処置SMNΔ7マウスは21日を超えて生存しなかった一方で、全ての試験したオリゴマーは生存中央値を34〜42日間に延ばすことができた。さらに、オリゴマーで処置したマウスの8〜46%は、63日齢でも依然として生きていた。さらに、PMOオリゴマーで処置したマウスは、生理食塩水処置SMNΔ7マウスと比べてそれらが十分身繕いされ、自発的で、より活発であることから、警戒性および一般的健康の改善を呈した。
【表13】
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PMOベースのオリゴマーで処置したSMNΔ7マウスの体重
【0563】
実験の間、体重を毎日記録した(図8B)。63日目の各実験群の平均体重を表14に要約する。PMOベースのオリゴマーで処置したマウスは、野生型群に匹敵するほど、実験を通して体重が顕著に増大していた。驚くべきことに、PMO−APN、PMO−PlusまたはPMO−RGlyオリゴマーで処置したマウスは、PMOオリゴマーよりも顕著に多く体重が増加し、これらの化学修飾がインビボでSMA関連症状を処置するオリゴマーの有効性をさらに増大させたことを実証している。
【表14】
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筋力および運動機能へのPMOベースのオリゴマーの効果
【0564】
筋力および運動機能に対するPMOベースのオリゴマーの効果を分析するために、オリゴヌクレオチドで処置したマウスの立直り反射を上に記載のプロトコルに従って実験を通して定期的に測定した。図9Aおよび表15に示す通り、PMOベースのオリゴマーで処置したマウスは、生理食塩水処置SMNΔ7マウスと比較して立直り反射の顕著な改善を呈した。オリゴマーで処置した全てのマウスは、28日後に野生型に匹敵する反射を示した。驚くべきかつ予想外なことに、PMO−APN、PMO−PlusまたはPMO−RGlyオリゴマーで処置したマウスは、PMOオリゴマーで処置したマウスより7日早く、21日目に野生型と同様に行動し始めた。
【0565】
オリゴマーで処置したマウスの握力を上に記載のプロトコルに従って同様に定期的に試験したが、これを図9Bおよび表16に示す。表15および16は、14、21、28、42および56または63日目に測定した各実験群の筋力および立直り反射を要約している。試験した全てのオリゴマーは、SMNΔ7マウスの筋力を増強した。立直り反射と一致して、PMO−APN、PMO−PlusまたはPMO−RGlyオリゴマーで処置したマウスは、野生型群と統計的に識別できなかった。PMOオリゴマーはマウスの筋力を増強したが、PMO−APN、PMO−PlusおよびPMO−RGly修飾はPMO修飾よりも顕著に有効であり、驚くべきことに強さを野生型マウスのものに正常化した。さらにより予想外かつ驚くべきことに、PMO−APN、PMO−PlusおよびPMO−RGly処置マウスの握力は、約28日目に野生型へと正常化し、試験終了までの延長された生存期間を通して野生型と統計的に識別不能なままであった。このことは、上に記載のインビトロスクリーニングからは予測できなかった。
【表15】
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【表16】
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上記データについての単位は「力(g)」である
:p<0.001(生理食塩水で処置したSMAマウスと比べて)
:p<0.05(PMO−3で処置したSMAマウスと比べて)
:p<0.05、:p<0.01および: p<0.001(生理食塩水で処置した野生型マウスと比べて)
NT:「非試験」(残りのマウスは、前肢壊死のため試験を実施できなかった)
インビボにおけるSMNタンパク質発現に対するPMOベースのオリゴマーの効果
【0566】
PMOベースのオリゴマーの投与がインビボでSMNタンパク質の発現を誘導するかどうかを確認するために、PMOベースオリゴマーで処置したマウス由来の脊髄試料を日齢63で回収した。陽性対照として、日齢が一致する野生型マウスも脊髄試料回収のために屠殺した。生理食塩水処置SMNΔ7マウスを日齢12で屠殺し、これらのマウス由来の脊髄試料を比較として回収した。脊髄試料由来のタンパク質抽出物を実施例24に記載の方法に従って得た。各試料のSMNタンパク質発現レベルを同様に実施例24に記載のウエスタンブロット分析によって検出した。
【0567】
図10Aに示す通り、PMOベースのオリゴマーで処置したマウス由来の脊髄試料は、顕著により高いSMNタンパク質発現レベルを示した。図10Bは、図10Aに示すウエスタンブロット分析の定量を示している。驚くべきことに、PMO−APN−16で処置したマウスにおけるSMNタンパク質発現レベルは、野生型マウスのものの約25%であった。
(実施例26)
異なる長さを有するPMOベースのオリゴマーのインビボ効果
【0568】
PMOベースのオリゴマーの第2のセットのインビボ有効性をSMNΔ7マウスにおいて実施例25に記載の方法に従って試験した。簡潔には、日齢P1(出生翌日)に、マウスを生理食塩水または20μgのPMOベースのオリゴマー(長さ18ヌクレオチドの化合物PMO−APN−16および長さ25ヌクレオチドの化合物PMO−2、PMO−APN−11、PMO−Plus−3、PMO−RGly−2)で処置した。日齢が一致する野生型マウスの群も参照として同時にモニタリングした。表17は、各実験群のために使用した遺伝子型、処置、用量およびマウスの数を要約している。
【表17】
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PMOベースのオリゴマーで処置したSMNΔ7マウスの生存
【0569】
図11および表18に示す通り、PMOベースのオリゴマーによる処置は、SMNΔ7マウスの寿命中央値を顕著に増大させた。各実験群のP値は、ログランクマンテル−コックス検定によって算出した。特に、PMO−APN修飾オリゴマーは、生理食塩水処置SMNΔ7マウスと比較してSMNΔ7マウスの生存中央値をおよそ3倍にした。PMOベースのオリゴマーで処置したSMNΔ7マウスは、生理食塩水処置SMNΔ7マウスと比較して健康で、十分身繕いされ、自発的で、活発であった。
【表18】
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PMOベースのオリゴマーで処置したSMNΔ7マウスの体重
【0570】
各処置群の体重を投与後63日間毎日記録した(図12)。日齢63での各処置群の体重を表19に要約する。PMOベースのオリゴマーで処置したマウスは、野生型群に匹敵するほど、実験を通して体重が顕著に増大していた。実施例25で考察した体重データと一致して、PMO−APN、PMO−PlusまたはPMO−RGlyオリゴマーで処置したマウスは、対応するPMOオリゴマーよりも顕著に多く体重が増加した。これらのデータは、これらの化学修飾がPMOベースのオリゴマーのインビボ有効性をさらに増大させたことを再度証明している。
【表19】
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筋力に対するPMOベースのオリゴマーの効果
【0571】
実施例25に記載の手順に従って、PMOベースのオリゴマーで処置したSMNΔ7マウスの筋力を実験の間モニタリングした。図13および表20は、28、35、42、49、56および63日目に測定した各実験群の筋力を要約している。表19に示す統計は、一元配置ANOVAチューキーの多重比較によって算出されている。驚くべきことに、PMOベースのオリゴマーで処置したマウスの平均筋力は、野生型マウス群のレベルに匹敵した。実施例25に示す結果と同様に、PMO−APN、PMO−PlusおよびPMO−RGly修飾は、PMO修飾と比べた場合に、長さ25ヌクレオチドのオリゴマーの有効性を顕著に増強した。
【表20】
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上記データについての単位は「力(g)」である
:p<0.001(生理食塩水で処置したSMAマウスと比べて)
:p<0.05(PMO−2で処置したSMAマウスと比べて)
:p<0.05、:p<0.01および:p<0.001(生理食塩水で処置した野生型マウスと比べて)
NT:非試験(残りのマウスは、前肢壊死のため試験を実施できなかった)
インビボでのSMNタンパク質発現に対するPMOベースのオリゴマーの効果
【0572】
PMOベースのオリゴマーの投与がインビボでSMNタンパク質の発現を誘導するかどうかを確認するために、PMOベースのオリゴマーで処置したマウス由来の脊髄試料を日齢63で回収した。陽性対照として、日齢が一致する野生型マウスも脊髄試料回収のために屠殺した。生理食塩水処置SMNΔ7マウスを日齢12で屠殺し、これらのマウス由来の脊髄試料を比較として回収した。脊髄試料由来のタンパク質抽出物を実施例24に記載の方法に従って得た。各試料のSMNタンパク質発現レベルを同様に実施例24に記載のウエスタンブロット分析によって検出した。
【0573】
図14Aおよび14Bに示す通り、PMOベースのオリゴマーで処置したマウス由来の脊髄試料は、高いSMNタンパク質発現レベルを示した。
【0574】
前出の詳細な記載および付随する実施例が単なる例示であり、添付の特許請求の範囲およびその等価物によってのみ規定される本発明の範囲に対する限定として解釈されないことが理解されるべきである。開示の実施形態へのさまざまな変更および改変は、当業者に明らかである。本発明の化学構造、置換体、誘導体、中間体、合成、製剤および/または使用方法に関するものを非限定的に含むそのような変更および改変は、その精神および範囲から逸脱することなく行うことができる。本明細書に引用する全ての刊行物、特許および特許出願は、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図1A
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図1B
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図1C
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図1D
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図1E
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図1F
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図1G
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図2A
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図2B
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図3
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図4
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図5A
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図5B
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図6
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図7A
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図7B
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図8
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図9
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図10A
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図10B
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図11
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図12
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図13
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図14A
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図14B
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【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]