(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記入口面の前記曲面形状が、光源の仮想位置を変更するように構成され、前記変更された仮想位置が、前記反射体面の焦点を基準としており、前記光源が、前記入口面に入射する光を提供するように構成された、請求項1に記載のバックライト。
前記二面コリメータの出力アパーチャの垂直方向の大きさが、前記平板ライトガイドの入力アパーチャの垂直方向の大きさよりも大きく、前記平板ライトガイドの入力アパーチャと、前記二面コリメータの出力アパーチャとの位置合わせが、前記入力アパーチャにおいて前記平板ライトガイドにカップリングして入れられる前記二方向にコリメートされた光の特性を調整するように構成された、請求項1から5のいずれか一項に記載のバックライト。
前記光源が、異なる光色を提供するように構成された複数の異なる光学源を備え、前記異なる光学源が互いにずれており、前記異なる光学源の前記ずれが、前記異なる光色のそれぞれに対応した、前記二方向にコリメートされた光の異なる色固有の非ゼロの伝播角度を提供するように構成された、請求項7に記載のバックライト。
前記平板ライトガイド表面にあるマルチビーム回折格子をさらに備え、前記マルチビーム回折格子が、前記導波される二方向にコリメートされた光の一部分を回折によりカップリングして、前記平板ライトガイド表面から放射される複数の光ビームとして前記平板ライトガイドから外へ出すように構成され、前記複数の光ビームのうちの1つの光ビームが、前記複数の光ビームのうちの他の光ビームの主角度方向とは異なる主角度方向を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載のバックライト。
前記光源が、異なる光色を提供するように構成された複数の異なる発光ダイオード(LED)を備え、前記異なるLEDが互いにずれており、前記異なるLEDの前記ずれが、前記二方向にコリメートされた光の異なる色固有の非ゼロの伝播角度を提供するように構成され、異なる色固有の非ゼロの伝播角度が、前記異なる光色のそれぞれに対応している、請求項15に記載の3D電子ディスプレイ。
前記二面コリメータの出力アパーチャの垂直方向の大きさが、前記二方向にコリメートされた光を受けるように構成された前記平板ライトガイドの入力アパーチャの垂直方向の大きさよりも大きく、前記平板ライトガイドの入力アパーチャと、前記二面コリメータの出力アパーチャとの位置合わせが、前記異なる色固有の非ゼロの伝播角度に応じて前記平板ライトガイドの入力アパーチャによって受けられることになる前記異なる光色の相対量を調整するように構成された、請求項16に記載の3D電子ディスプレイ。
【発明を実施するための形態】
【0007】
いくつかの例は、上記で参照した図に示される特徴に対する追加および代替のうちの1つである他の特徴を有する。これらおよび他の特徴は、上記で参照した図を参照して以下で詳述される。
【0008】
本明細書で説明する原理による実施形態および例は、二方向コリメーション、および二方向コリメーションを用いたディスプレイ背面照明を提供する。特に、本明細書で説明する原理の実施形態は、曲線状入口面と曲線状反射面の両方を有するコリメータを用いた二方向光コリメーションを提供する。したがってコリメータは、本明細書において「二面」コリメータと呼ばれる。二面コリメータに入る光は、曲線状入口面において屈折し、曲線状反射面において反射され曲線状入口面に向かって戻る。反射した光は、曲線状入口面において内部全反射によってさらに反射され、または「再反射」される。曲線状入口面および曲線状反射面のそれぞれの曲線形状に応じた光の屈折、反射、および再反射が組み合わさって、二面コリメータに入る光を、二面コリメータの出力部において二方向にコリメートされた光に変換するまたは変形させる。加えて、本明細書で説明する二方向コリメーションは、垂直方向に対応した垂直平面において、または同じことであるが、水平平面に対して、所定の非ゼロの伝播角度を有する二方向にコリメートされた光を提供することができる。
【0009】
様々な実施形態によれば、光源(例えば複数のLED)からの光は、曲線状入口面において二面コリメータにカップリングして入れられて、二方向コリメーションがなされてもよい。いくつかの実施形態によれば、二面コリメータからの二方向にコリメートされた光は、電子ディスプレイで用いられるバックライトのライトガイド(例えば平板ライトガイド)に、カップリングして入れられてもよい。例えばバックライトは、マルチビーム回折格子を有する格子ベースのバックライトを含むがこれに限定されない格子ベースのバックライトとすることができる。いくつかの実施形態では、電子ディスプレイは、3D情報を表示するために用いられる3次元(3D)電子ディスプレイ、例えばオートステレオスコピックなまたは「裸眼」の3D電子ディスプレイとすることができる。
【0010】
特に3D電子ディスプレイは、マルチビーム回折格子のアレイを有する格子ベースのバックライトを使用してもよい。マルチビーム回折格子を用いて、ライトガイドからの光をカップリングし、3D電子ディスプレイの画素に対応した、カップリングして外へ出される光ビームを提供することができる。例えば、カップリングして外へ出される光ビームは、互いに異なる
主角度方向を有してもよい(「異なる方向に向けられた光ビーム」とも呼ばれる)。いくつかの実施形態によれば、マルチビーム回折格子によって生成されたこれらの異なる方向に向けられた光ビームは、変調され、3D情報を表示するための「裸眼」の3D電子ディスプレイの3D視像に対応した3D画素として機能してもよい。これらの実施形態では、二面コリメータによって提供される二方向コリメーションは、ライトガイド内で実質的に均一である(すなわちストライピングのない)出力される二方向にコリメートされた光を生成するために用いられてもよい。次いで、マルチビーム回折格子の均一な照明が、本明細書で述べた原理にしたがって提供されてよい。
【0011】
本明細書において「ライトガイド」は、内部全反射を用いて構造体内で光を導波する構造体として定義される。特にライトガイドは、ライトガイドの動作波長において実質的に透明であるコアを含んでもよい。「ライトガイド」という用語は全般的に、ライトガイドの誘電体材料と、そのライトガイドを取り囲む材料または媒体との間の境界面において光を導波するために内部全反射を使用する誘電体光導波路を指す。定義上、内部全反射のための条件は、ライトガイドの屈折率が、ライトガイド材料の表面に隣接する周囲の媒体の屈折率より大きいことである。いくつかの実施形態では、ライトガイドは、内部全反射をさらに容易にするために、上述の屈折率差に加えてまたはその代わりにコーティングを含んでもよい。コーティングは、例えば反射コーティングであってもよい。ライトガイドは、平板またはスラブガイド、およびストリップガイドのうちの一方または両方を含むがこれらに限定されないいくつかのライトガイドのうちの任意のものとすることができる。
【0012】
さらに本明細書において、「平板」という用語は、「平板ライトガイド」のようにライトガイドに適用される場合は、区分的または個別的に平面状の層またはシートとして定義され、それらはときに「スラブ」ガイドと呼ばれる。特に、平板ライトガイドは、ライトガイドの上面と下面(すなわち、対向する表面)により境界を画された2つの実質的に直交する方向に光を導波するように構成されたライトガイドとして定義される。さらに、本明細書における定義上、上面および下面はともに互いに隔てられ、少なくとも個別的な意味で互いに実質的に平行であってもよい。すなわち、平板ライトガイドのいずれの個別的に小さな領域内でも、上面および下面は実質的に平行であるかまたは同一平面上にある。
【0013】
いくつかの実施形態では、平板ライトガイドは、実質的に平坦(例えば平面に制限される)であってよく、したがって平板ライトガイドは平面状ライトガイドである。他の実施形態では、平板ライトガイドは、1つまたは2つの直交する次元において曲線状であってもよい。例えば、平板ライトガイドは、円筒形状の平板ライトガイドを形成するように、単一の次元において曲線状であってもよい。しかし、いずれの曲率も、光を導波するために平板ライトガイド内での内部全反射が維持されることを確実にするように、十分大きな曲率半径を有する。
【0014】
本明細書で説明する様々な実施形態によれば、光をライトガイド(例えば平板ライトガイド)から光ビームとして散乱させるまたはカップリングして外へ出すために回折格子(例えばマルチビーム回折格子)が使用され得る。本明細書において、「回折格子」は、回折格子に入射する光の回折を実現するように配置された複数の特徴部(すなわち、回折特徴部)として全般的に定義される。いくつかの例では、複数の特徴部は、周期的にまたは準周期的に配置されてもよい。例えば、回折格子の複数の特徴部(例えば材料表面の複数の溝)は、1次元(1D)アレイに配置されてもよい。他の例では、回折格子は、特徴部の2次元(2D)アレイであってもよい。例えば、回折格子は、材料表面の突起または穴の2Dアレイであってもよい。
【0015】
このように、また本明細書における定義上、「回折格子」は、回折格子に入射する光の回折を実現する構造体である。光がライトガイドから回折格子に入射すると、そこで実現される回折または回折散乱は回折カップリングを生じ得、したがってそれは「回折カップリング」と呼ばれるが、それは回折格子が回折によりライトガイドから光をカップリングして外へ出すことができるからである。回折格子はまた、回折により光の角度を(すなわち回折角度で)方向変更する、または変化させる。特に、回折の結果として、回折格子を出る光(すなわち、回折された光)は、概して回折格子に入射する光(すなわち、入射光)の伝播方向とは異なる伝播方向を有する。本明細書では、回折による光の伝播方向の変化は、「回折方向変更」と呼ばれる。したがって、回折格子は、回折格子に入射する光を回折により方向変更する回折特徴部を含む構造体であると理解することができ、光がライトガイドから入射する場合には、回折格子はライトガイドからの光を回折によりカップリングして外へ出すこともできる。
【0016】
さらに、本明細書における定義上、回折格子の特徴部は、「回折特徴部」と呼ばれ、表面、表面内、および表面上のうちの1つまたは複数にあるものとすることができる(すなわち「表面」は、2つの材料間の境界を指す)。表面は、平板ライトガイドの表面とすることができる。回折特徴部は、溝、隆線、穴、および突起のうちの1つまたは複数を含むがこれらに限定されない、光を回折する様々な構造体のうちの任意のものを含むことができ、これらの特徴部は、表面、表面内、または表面上のうちの1つまたは複数にあるものとすることができる。例えば回折格子は、材料表面内の複数の平行な溝を含んでもよい。別の例では、回折格子は、材料表面から立ち上がった複数の平行な隆線を含んでもよい。(溝、隆線、穴、突起などのいずれであろうと)回折特徴部は、正弦波輪郭、長方形輪郭(例えば、バイナリ回折格子)、三角形輪郭、および鋸歯状輪郭(例えば、ブレーズ化格子)のうちの1つまたは複数を含むがこれらに限定されない、回折を実現する様々な断面形状または輪郭のうちの任意のものを有することができる。
【0017】
本明細書における定義上、「マルチビーム回折格子」は、複数の光ビームを含むカップリングして外へ出される光を生成する回折格子である。さらに、マルチビーム回折格子により生成される複数の光ビームは、本明細書における定義上、互いに異なる
主角度方向を有する。特に、定義上、マルチビーム回折格子による入射光の回折カップリングおよび回折方向変更の結果として、複数の光ビームのうちの1つの光ビームは、複数の光ビームのうちの別の光ビームとは異なる所定の
主角度方向を有する。複数の光ビームは、光照射野を表すことができる。例えば、複数の光ビームは、8つの異なる
主角度方向を有する8つの光ビームを含んでもよい。例えば、組み合わされた8つの光ビーム(すなわち、複数の光ビーム)が、光照射野を表してもよい。様々な実施形態によれば、様々な光ビームの異なる
主角度方向は、それぞれの光ビームの原点でマルチビーム回折格子の回折特徴部の格子ピッチまたは間隔と、配向または回転とを組み合わせることによって、マルチビーム回折格子に入射する光の伝播方向に対して決定される。
【0018】
特に、マルチビーム回折格子によって生成される光ビームは、本明細書における定義上、角度成分{θ,φ}によって与えられる
主角度方向を有する。角度成分θは、本明細書において、光ビームの「仰角成分」または「仰角」と呼ばれる。角度成分φは、光ビームの「方位角成分」または「方位角」と呼ばれる。定義上、仰角θは、(例えばマルチビーム回折格子の平面に垂直な)垂直平面における角度であり、方位角φは、(例えばマ
ルチビーム回折格子の平面に平行な)水平平面における角度である。
図1は、本明細書で説明する原理の一例による、特定の
主角度方向を有する光ビーム10の角度成分{θ,φ}を示す。加えて、本明細書における定義上、光ビーム10は特定の点から放射または発散される。すなわち定義上、光ビーム10は、マルチビーム回折格子内の特定の原点に関連付けられた中心光線を有する。
図1は、光ビームの原点Oも示す。入射光の例示的な伝播方向は、
図1において原点Oに向かって方向付けられた太線の矢印12を用いて示される。
【0019】
様々な実施形態によれば、マルチビーム回折格子の特性、およびその特徴(すなわち回折特徴部)は、光ビームの角度指向性、および光ビームのうちの1つもしくは複数に対するマルチビーム回折格子の波長もしくは色選択性のうちの一方または両方を制御するために用いられてもよい。角度指向性および波長選択性を制御するために用いられ得る特性は、格子長さ、格子ピッチ(特徴部の間隔)、特徴部の形状、特徴部のサイズ(例えば溝幅もしくは隆線幅)、および格子の配向のうちの1つまたは複数を含むが、これらに限定されない。いくつかの例では、制御のために用いられる様々な特性は、光ビームの原点の近傍に対して局所的な特性であってもよい。
【0020】
さらに本明細書で説明する様々な実施形態によれば、回折格子(例えばマルチビーム回折格子)によりライトガイドからカップリングして外へ出される光は、電子ディスプレイの画素を表す。特に、異なる
主角度方向を有する複数の光ビームを生成するためのマルチビーム回折格子を有するライトガイドは、「裸眼」3次元(3D)電子ディスプレイ(マルチビューもしくは「ホログラフィック」電子ディスプレイ、またはオートステレオスコピックディスプレイとも呼ばれる)などであるがこれらに限定されない電子ディスプレイのバックライト、またはそれらの電子ディスプレイと併せて用いられるバックライトの一部とすることができる。したがって、マルチビーム回折格子を用いてライトガイドから導波光をカップリングして外へ出すことにより生成される異なる方向に向けられた光ビームは、3D電子ディスプレイの「3D画素」とすることができる、または「3D画素」を表すことができる。さらに3D画素は、3D電子ディスプレイの異なる3D視像または3D視像角度に対応する。
【0021】
本明細書において、「コリメーション」反射体(collimating reflector)は、コリメーション反射体(例えばコリメーションミラー)によって反射される光をコリメートするように構成された曲線形状を有する反射体として定義される。例えば、コリメーション反射体は、放物曲線または放物形状を特徴とする反射面を有してもよい。別の例では、コリメーション反射体は、形成された放物面反射体を備えてもよい。「形成された放物面」とは、形成された放物面反射体の曲線状の反射面が、所定の反射特性(例えばコリメーションの程度)を達成するように決定された態様で、「真の」放物曲線から逸脱していることを意味する。いくつかの実施形態では、コリメーション反射体は連続した反射体(すなわち実質的に滑らかな連続した反射面を有する)とすることができ、他の実施形態では、コリメーション反射体は、光のコリメーションを実現するフレネル反射体またはフレネルミラーを備えてもよい。様々な実施形態によれば、コリメーション反射体によって実現されるコリメーションの量は、実施形態に応じて所定の程度または量で変化してもよい。さらに、コリメーション反射体は、2つの直交する方向(例えば垂直方向および水平方向)のうちの一方または両方へのコリメーションを実現するように構成されてもよい。すなわちいくつかの実施形態によれば、コリメーション反射体は、2つの直交する方向のうちの一方または両方において放物面形状を含んでもよい。
【0022】
本明細書において「光源」は、光の発生源(例えば光を放射する装置またはデバイス)として定義される。例えば光源は、作動されたときに光を放射する発光ダイオード(LED)とすることができる。光源は、発光ダイオード(LED)、レーザ、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード、プラズマに基づく光学エミッタ、蛍光ランプ、白熱ランプ、および事実上任意の他の光の発生源のうちの1つまたは複数を含むが、これらに限定されない実質的に任意の光の発生源、または光学エミッタとすることができる。光源によって生成される光は色を有してもよく、または特定の光の波長を含んでもよい。したがって、「異なる色の複数の光源」は、本明細書において明示的に、光源のうちの少なくとも1つが、複数の光源のうちの少なくとも1つの他の光源によって生成される光の色または波長とは異なる色、または同じことであるが波長を有する光を生成する光源のセットまたはグループとして定義される。さらに、「異なる色の複数の光源」は、複数の光源のうちの少なくとも2つの光源が異なる色の光源でありさえすれば(すなわち、少なくとも2つの光源間で異なる光色を生成しさえすれば)、同じまたは実質的に同様の色の2つ以上の光源を含んでもよい。したがって本明細書による定義上、異なる色の複数の光源は、第1の光色を生成する第1の光源と、第2の光色を生成する第2の光源とを含んでもよく、第2の色は第1の色とは異なる。
【0023】
さらに、本明細書で用いられるとき、冠詞「a(1つ)」は、特許技術における通常の意味、すなわち、「1つまたは複数(one or more)」を有することを意図するものである。本明細書では例えば、「(1つの)格子(a grating)」は1つまたは複数の格子を意味し、したがって「その(1つの)格子(the grating)」は「その1つまたは複数の格子(the grating(s))」を意味する。また、本明細書における「上部(top)」、「下部(bottom)」、「上側(upper)」、「下側(lower)」、「上向き(up)」、「下向き(down)」、「前面(front)」、「背面(back)」、「第1の」、「第2の」、「左」、または「右」に対するいずれの参照も、本明細書では限定を意図するものではない。本明細書では、「約」という用語は、値に適用されたときは全般的にその値を生成するために用いられる機器の許容差範囲内を意味し、または他に明示的に指定されない限り、±10%、または±5%、または±1%を意味し得る。さらに、本明細書で用いられるとき「実質的に」という用語は、大多数、またはほとんどすべて、またはすべて、または例えば約51%〜約100%の範囲内の量を意味する。さらに本明細書における例は、例示的にすぎず、考察の目的で示され、限定のためのものではないことが意図される。
【0024】
本明細書で説明する原理のいくつかの実施形態によれば、二面コリメータが提供される。
図2は、本明細書で説明する原理の一実施形態による、一例における二面コリメータ100の断面図を示す。二面コリメータ100は、光を受け、受けた光を少なくとも2つの異なる方向に、またはその方向に対してコリメートするように構成される。特にいくつかの実施形態によれば、受けた光を、水平方向と垂直方向の両方にコリメートすることができる。
【0025】
特に二面コリメータ100は、光102を光源104から受けるように構成される。
図2に示されるように、様々な実施形態によれば、光源104は二面コリメータ100の外部にある。いくつかの例では、外部光源104からの光102は、例えば実質的にコリメートされていない光を生成する光源104からの実質的にコリメートされていない光であってもよい。別の例では、光102は、部分的にコリメートされた光102として外部光源104によって提供されてもよい。例えば、光源104は、部分的にコリメートされた光102を提供するためのレンズまたは別のコリメーション手段を含んでもよい。したがって、二面コリメータ100によって受けられる光102は、コリメートされていない光、または部分的にコリメートされた光とすることができる。
【0026】
示される二面コリメータ100は、外部光源104から受けた光102を、以下で説明する屈折および反射を用いてコリメートして、コリメートされた光106を作り出し、コリメートされた光106を二面コリメータ100の出力部または出力アパーチャ108へと方向付けるようにさらに構成される。出力アパーチャ108は、二面コリメータ100の出力ポー
ト、出力平
面、出力
面などと呼ばれてもよい。様々な実施形態によれば、二面コリメータの出力アパーチャ108において提供されるコリメートされた光106は、少なくとも2つの方向に概してコリメートされる、または少なくとも実質的にコリメートされる。したがってコリメートされた光106は、「二方向」にコリメートされた光106と呼ばれてもよい。
【0027】
特に本明細書における定義上、「二方向」にコリメートされた光106は、二方向にコリメートされた光106の伝播方向に概して直交している2つの方向にコリメートされた光である。さらに本明細書における定義上、2つのコリメーション方向は、互いに相互に直交している。例えば二方向にコリメートされた光106は、水平方向(例えばx−y平面に平行な方向)に、またはそれに対してコリメートされるとともに、垂直方向(例えばz方向)にも、またはそれに対してもコリメートされ得る。したがって、二面コリメータ100によって提供される二方向にコリメートされた光106は、水平方向にコリメートされかつ垂直方向にコリメートされている、または同じことであるが、水平方向と垂直方向の両方にコリメートされていると言われてもよいが、これらは例であり、限定ではない(例えば、水平および垂直方向は、任意の参照フレームに対して決定され得るからである)。
【0028】
さらに様々な実施形態によれば、二面コリメータ100は、二方向にコリメートされた光106を二面コリメータの出力アパーチャ108において、以下でさらに説明する非ゼロの伝播角度θ’で提供するようにさらに構成される。本明細書において定義されるように「に非ゼロの伝播角度」は、平面(例えば水平なまたはx−y平面)に対する、または同じことであるが、ライトガイドの表面(例えば、水平平面に平行な表面)に対する角度である。例えば非ゼロの伝播角度θ’は、二面コリメータ100の水平平面に対する、またはそれに対して画成された角度とすることができる。いくつかの例では、二方向にコリメートされた光106の非ゼロの伝播角度θ’は、約10度〜約50度、またはいくつかの例では約20度〜約40度、または約25度〜約35度とすることができる。例えば非ゼロの伝播角度θ’は約30度とすることができる。他の例では、非ゼロの伝播角度θ’は約20度、または約25度、または約35度とすることができる。さらにいくつかの実施形態によれば、非ゼロの伝播角度θ’はゼロよりも大きく、かつ、以下で説明するようにライトガイド内の内部全反射の臨界角よりも小さい。
【0029】
図2に示されるように、二面コリメータ100は、曲線形状を有する入口面110を備える。曲線状入口面110は、入口面110に入射する(すなわち示されるようにz方向から入射する)光を屈折させるように構成される。特に様々な実施形態によれば、入口面110は、光源104からの入射光102を屈折させるように構成されてもよい。入口面110によって屈折した後、光は、二面コリメータ100内を伝播する屈折した光102’になる。
【0030】
図2は、入射光102を、入射点112(すなわち入射光線に対応する矢印が、入口面110と交わる点)において入口面110に入射する矢印として示す。二面コリメータ100の入射点112から離れるように伝播する屈折した光102’も、別の矢印として
図2に示されている。
図2の矢印は、例えば光102、102’の中心光線を表してもよい。概して入射光102は、入射光102の複数の光線を備え、それぞれの光線が、異なる入射角度および異なる入射点112において入口面
110に入射している。複数の入射光線の屈折から生じる屈折した光102’は、入射点112から離れるように伝播する同様の複数の屈折した光の102’の光線を二面コリメータ100内で生成する。さらに、入口面110から離れるように伝播するそれぞれの屈折した光線は、入口面110の曲線形状と、対応する入射光線の入射角度との両方によって決定される屈折角度を有する。
【0031】
様々な実施形態によれば、入口面110は、二面コリメータ100の材料表面に形成された曲線を有してもよい。例えば二面コリメータ100は、実質的に光学的に透明なプラスチックまたはポリマーなど(例えばポリ(メチルメタクリレート)、または「アクリルガラス」、ポリカーボネートなど)の材料を備えてもよいが、これらに限定されない。他の例では、入口面110の曲線が形成される二面コリメータの材料は、様々なタイプのガラス(例えば石英ガラス、アルカリアルミノシリケートガラス、ホウケイ酸ガラスなど)のうちの1つまたは複数を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0032】
いくつかの実施形態では、入口面110の曲線形状(または単に「曲線」)は、例えば二面コリメータ100の反射体面120(以下で説明する)を屈折した光102’で均等に照射するように、光源104からの光102を拡散するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、入口面110の曲線形状は、複数の異なる光源、例えば異なる光色を生成する光源、から入射する光を差動的に屈折させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、入口面110の曲線は、屈折した光102’を部分的にコリメートする、例えば二面コリメータ出力部108における二方向にコリメートされた光106の方向に対応した方向にコリメートするように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、入口面110の曲線形状は、光源104の仮想位置を変更するようにさらに構成される。変更された仮想位置は、以下で説明する二面コリメータ100の反射体面(例えば反射体面120)の焦点を基準とするものであってもよい。いくつかの実施形態によれば、入口面
110はいわゆる二重曲線形状を有してもよい。本明細書において「二重曲線」形状または表面は、2つの異なる方向(例えば互いに直交した2つの方向)の両方において曲線状である形状または表面として定義される。同様に、「単一曲線」形状または表面は、実質的に1つの方向において曲線状である形状または表面として定義される。
【0033】
様々な実施形態では、入口面110の曲線の特定の形状は、その屈折特性を強めるまたは微調整するように構成されてもよく、例えば調整、最適化、または他の態様で「成形」されてもよい。例えば、入口面110の曲線形状は、(例えば光の拡散などを実現するために)入口面110の目標屈折特性(例えば屈折角度)を提供するように構成されたまたは「最適化された」いわゆる「成形された円筒形」輪郭、またはいわゆる「成形された球形」輪郭のいずれかを有してもよい。さらに、成形された球形輪郭は、いくつかの実施形態では、光源104によって生成される入射光102の指向性のゆがみまたは(非理想的もしくは望ましくないものであるが)部分的なコリメーションを含むがこれらに限定されない光源の特性をもたらすように、またはそれらを緩和するように最適化されてもよい。
【0034】
図2に示される二面コリメータ100は、入口面110とは反対側の、別の曲線表面を有する反射体面120をさらに備える。「反対側の」とは、本明細書における定義上、反射体面120が、入口面110の表面とは別の二面コリメータ材料の表面にある、またはそこに形成されていることを意味する。さらに定義上「反対側の」とは、反射体面120が、入口面110からの屈折した光102’を受けるように位置決めされた二面コリメータ材料の別の表面であることを意味する。
図2は、例として限定ではなく、入口面110に対する反射体面120の反対側の位置の例を示す。
【0035】
様々な実施形態によれば、反射体面120は、屈折した光102’を反射するように構成される。特に反射体面120は、屈折点122において屈折した光102’のそれぞれの光線を反射するように構成される。さらに反射体面120は、屈折した光102’を反射して反射した光102”として入口面110に向かって戻すように構成される。
図2は、反射した光102”を、反射体面120から離れて入口面110の方を指す矢印として示す。
【0036】
いくつかの実施形態では、反射体面120の曲線形状は、放物形状または実質的に放物形状(もしくは輪郭)を有してもよい。様々な実施形態では、反射体面120の曲線の特定の形状(例えば放物形状)は、その反射特性を強めるまたは微調整するように構成されてもよく、例えば調整、最適化、または他の態様で「成形」されてもよい。例えば反射体面120の曲線形状は、(例えば光の拡散などを実現するために)反射体面120の目標反射特性(例えば反射角度)を提供するように「最適化された」または構成されたいわゆる「成形された放物」輪郭を有してもよい。したがって反射体面120の曲線形状は、反射体面120に沿った1つの反射点122から別の反射点まで異なってもよい。いくつかの実施形態によれば、反射体面120は二重曲線形状を有してもよい(例えば2つの直交した方向の両方において曲線状である)。例えば反射体面120は、二重曲線状の成形された放物面であってもよい。
【0037】
いくつかの実施形態によれば、光学的反射を実現するために、反射体面120は金属処理されてもよく、または他の態様で反射材料によりコーティングされてもよい。したがって反射点122は、いくつかの実施形態によれば、反射コーティングを含んでもよい。反射体面120の放物形状面をコーティングするために用いられる反射材料は、例えばアルミニウム、クロム、ニッケル、銀、または金を含んでもよいが、これらに限定されない。他の実施形態では、反射体面120による反射点122における反射は、二面コリメータ100の材料と、二面コリメータ100の外側の(すなわち反射体面120の向こう側の)空気などであるがこれに限定されない材料との間の屈折率を変えることによって実現されてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、反射体面120は傾斜角度をさらに含んでもよい(すなわち、反射体面120は、傾斜角度で傾斜していてもよい)。例えば傾斜角度は、二方向にコリメートされた光106またはその一部分の非ゼロの伝播角度θ’を提供するように構成されてもよい。さらに別の例では、傾斜角度は、曲線状反射体面120の焦点に対して入射光102を(例えば曲線状入口面によって結像されたものとして)提供する光源104の位置をシフトさせることによって提供されてもよく、またはそれによってさらに提供されてもよい。
【0039】
図2、具体的には入口面110を再び参照すると、様々な実施形態によれば、入口面110は、反射した光102”を二面コリメータ100の出力アパーチャ108に向けて再反射するようにさらに構成される。特に反射した光102”は、内部全反射(TIR)に応じて、入口面110によってまたは入口面110において再反射されてもよい。さらに入口面110からの再反射した光102”は、二方向にコリメートされた光106として出力アパーチャ108に向かう方向に再反射される。様々な実施形態によれば、反射体面120とは異なり、入口面110は概して反射コーティングを含まないことに留意すべきである。特に様々な実施形態によれば、TIRによる再反射は、二面コリメータ100の材料と、二面コリメータ100の外側の材料(例えば空気)との間の境界で屈折率が異なっている結果として、入口面110の内側114において生じる。
【0040】
様々な実施形態によれば、二面コリメータ100は、様々な実施形態によれば反射面120における反射と併せて、入口面110における屈折および再反射のそれぞれが、ともに入射光102を二方向にコリメートされた光106に変換するように、構成される。特に様々な実施形態によれば、入口面110
および反射体面120の
、曲線形状
と相対的な配向
とは、組み合わ
せて、入射光102を、出力アパーチャ108において二方向にコリメートされた光106に変換するように構成される。したがって、入口面110の曲線形状による入射光102の屈折、曲線形状の反射体面120による屈折した光102’の反射、および入口面110の曲線形状による反射した光102”のTIRによる再反射が、二方向にコリメートされた光106を出力アパーチャ108において提供する限り、入口面110と反射体面120の曲線および配向は、実質的に任意であってもよい。
【0041】
いくつかの実施形態によれば、入口面および反射体面110、120の様々な曲線は、二面コリメータ100のシミュレーションにおける同時最適化によって実現されてもよい。例えば、様々な曲線を調整または微調整するための最適化と併せて、光線追跡シミュレーションが用いられてもよい。光線追跡シミュレーションによれば、最適化は、シミュレーションされた入射光102がシミュレーションされた二方向にコリメートされた光106に出力アパーチャ108において変換されたときに、終了してもよい。さらに、様々な曲線または曲線形状は、二方向にコリメートされた光106のシミュレーションされた非ゼロの伝播角度θ’、例えば水平平面に対する非ゼロの伝播角度を実現するように、最適化中に調整または微調整されてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、入口面110の曲線または曲線形状は、反射体面120の端部に隣接した位置から、二面コリメータ100の出力アパーチャ108を表す面または境界に隣接した位置まで実質的に延在するように構成される。例えば、入口面110の曲線は、反射体面120と出力アパーチャ108との間で、入口面の約30パーセント(%)超、または約50パーセント(%)超、または約70パーセント(%)超、または約90パーセント(%)超を占めてもよい。例えば、
図2は、反射体面120の一端に隣接した位置から、出力アパーチャ108の一端に隣接した位置まで実質的に延在して、入口面110の約100パーセント(%)を表す入口面曲線を示す。
【0043】
例えばいくつかの実施形態では、入口面110の曲線形状は、光源104を囲み得る空洞を形成する(例えば曲線形状が凹状の曲線形状であり得る)ように、さらに構成されてもよい。
図3は、本明細書で説明する原理と一致した一実施形態による、一例における曲線状入口面110を含む二面コリメータ100の一部分の断面図を示す。示されるように、二面コリメータ100は、例えば反射体面120および出力アパーチャ108にそれぞれ隣接した曲線状入口面110の端部におい
て接触点
130’、130”において、基板130に接触している。さらにいくつかの例では、光源104が基板に取り付けられる。示されるように、入口面110の曲線形状は、曲線状入口面110と基板130との間に、接触点130’、130”によって境界を画された空洞132を形成するように構成される。さらに、空洞132は、基板130上の光源104を実質的に囲むように構成される。例えば空洞132は、光源104に対する保護を提供するように光源104を囲ってもよい。特にいくつかの実施形態では、光源104は、基板130の表面に取り付けられた発光ダイオード(LED)を備えてもよい。例えば、表面に取り付けられたLEDを、入口面110の曲線形状によって形成された空洞132によって囲むことは、機械的摩滅からの保護、および環境からの保護(例えば湿気、破片などからの保護)を含むがこれらに限定されない保護を提供することができる。
【0044】
本明細書で説明する原理のいくつかの実施形態によれば、二方向コリメーションを使用するバックライトが提供される。
図4Aは、本明細書で説明する原理の原理と一致した一実施形態による、一例におけるバックライト200の上面図を示す。
図4Bは、本明細書で説明する原理の原理と一致した一実施形態による、一例におけるバックライト200の断面図を示す。
図4Cは、本明細書で説明する原理と一致した一実施形態による、一例におけるバックライト200の斜視図を示す。
【0045】
図4A〜
図4Cに示されるように、バックライト200は、二面コリメータ210を備える。いくつかの実施形態では、二面コリメータ210は、上述した二面コリメータ100と実質的に同様であってもよい。特にいくつかの実施形態では、(例えば
図4Bに示されるような)二面コリメータ210は、入口面212および反射体面214を備え、そのそれぞれは、二面コリメータ100の入口面110および反射体面120のそれぞれと実質的に同様であってもよい。例えば
図4Aは、上面から見たような二面コリメータ210の複数の反射体面214を示す。例えば複数のうちのそれぞれの反射体面214は、反射体面120と実質的に同様であってもよい。さらに
図4A〜
図4Cに示される反射体面214は、例えば二重曲線形状の反射体(例えば成形された放物状反射体)を表してもよい。いくつかの例では、例えば
図4Bの断面図に示される入口面212は、
図2の入口面110と実質的に同様であってもよい。いくつかの実施形態では、入口面212は複数の入口面を含んでもよく、複数の入口面のうちのそれぞれの入口面212は、複数の反射体面のうちの対応する反射体面214に光を方向付けるように構成される。複数のうちのそれぞれの入口面212は、例えば別々の二重曲線形状(例えば入口面212ごとに別々の球形状)を有してもよい。他の実施形態では、入口面212は、複数の反射体面214の長さにわたる実質的に連続した曲線表面である。例えば入口面212は、二面コリメータ210の幅にわたる(すなわち示されるようにy方向の)単一曲線状の実質的に連続した円筒形状の表面であってもよい。
【0046】
様々な実施形態によれば、
図4Bを参照すると、二面コリメータ210は、(例えば以下で説明する光源230から)光202を受け、二面コリメータ210の出力部216において二方向にコリメートされた光204を提供するように構成される。さらに様々な実施形態によれば、二面コリメータ210は、二面コリメータ出力部216において水平なx−y平面に対する非ゼロの伝播角度を有する二方向にコリメートされた光204を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、二面コリメータ210によって提供される二方向にコリメートされた光204は、上述したように二面コリメータ100によって提供される二方向にコリメートされた光106と実質的に同様であってもよい。
【0047】
示されるバックライト200は、二面コリメータ210の出力部216にカップリングされた(例えば光学的にカップリングされた)平板ライトガイド220をさらに備える。平板ライトガイド220は、二方向にコリメートされた光204を受け、非ゼロの伝播角度でそれを導波するように構成される。特に平板ライトガイド220は、二方向にコリメートされた光204を、平板ライトガイド220の入力端部、または同じことであるが入力アパーチャにおいて受けることができる。様々な実施形態によれば、平板ライトガイド220は、導波される二方向にコリメートされた光204の一部分を平板ライトガイド220の表面から放射するようにさらに構成される。
図4Bでは、放射される
光は、平板ライトガイド表面から離れるように伸びる複数の光線(矢印)として示される。
【0048】
いくつかの実施形態では、平板ライトガイド220は、実質的に光学的に透明な誘電体材料の、長い平面状のシートを備えるスラブまたは平板の光導波路とすることができる。誘電体材料の平坦なシートは、二面コリメータ210からの二方向にコリメートされた光204を、内部全反射を用いて導波光ビー
ムとして導波するように構成される。 誘電体材料は、誘電体の光導波路を囲む媒体の第2の屈折率よりも大きい第1の屈折率を有し得る。屈折率の差は、平板ライトガイド220の1つまたは複数の導波モードに応じて、導波光ビー
ムの内部全反射を促進するように構成される。
【0049】
様々な例によれば、平板ライトガイド220の実質的に光学的に透明な材料は、様々なタイプのガラス(例えば石英ガラス、アルカリアルミノシリケートガラス、ホウケイ酸ガラスなど)、および実質的に光学的に透明なプラスチックまたはポリマー(例えばポリ(メチルメタクリレート)または「アクリルガラス」、ポリカーボネートなど)のうちの1つまたは複数を含むがこれらに限定されない様々な誘電体材料のうちの任意のものを含んでもよく、またはそれから構成されてもよい。いくつかの例では、平板ライトガイド220は、平板ライトガイド220の表面(例えば、上面および下面の一方または両方)の少なくとも一部分上にクラッド層(図示せず)をさらに含んでもよい。いくつかの例によれば、クラッド層は、内部全反射をさらに促進するために用いられ得る。
【0050】
いくつかの実施形態では(例えば
図4Aに示されるように)、平板ライトガイド220は二面コリメータ210と一体であってもよい。特に平板ライトガイド220および二面コリメータ210は、同じ材料から形成されてもよく、したがって同じ材料を備えてもよい。例えば平板ライトガイド220は、二面コリメータ210の出
力216
(または出力アパーチャ)の延長部であってもよい。他の例では(例えば
図4Bに示されるように)、二面コリメータ210と平板ライトガイド220は別々であり、出
力216と平板ライトガイド220の入力部との間の糊、接着層、別の境界材料、または空気さえもが、二面コリメータ210と平板ライトガイド220とのカップリング(例えば光学的カップリングおよび機械的カップリングの一方または両方)を提供する。例えば二面コリメータ210は、ポリマーまたはプラスチック材料を備えてもよく、平板ライトガイド220はガラスを備えてもよい。二面コリメータ210および平板ライトガイド220は、例えば
図4Bに示されるように、適切な接着層222(例えば光学的に適合性のある糊)を用いて互いに付着されてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、バックライト200は光源230をさらに備えてもよい。光源230は、二面コリメータ210に光202を提供するように構成される。特に光源230は、二面コリメータ210の入口面212に隣接して(例えば
図4B〜
図4Cに示されるように、その下に)位置付けられてもよく、入口面の曲線形状に入射する光202を提供するように構成される。様々な実施形態では、光源230は、1つまたは複数の発光ダイオード(LED)を含むがこれに限定されない実質的に任意の光の発生源を備えてもよい。いくつかの実施形態では、光源230は、特定の色により表される狭帯域のスペクトルを有する実質的に単色の光を生成するように構成された光学エミッタを備えてもよい。特に単色光の色は、特定の色空間または色モデル(例えば赤−緑−青(RGB)色モデル)の原色とすることができる。いくつかの実施形態では、光源230は、異なる光色を提供するように構成された複数の異なる光学源を備えてもよい。異なる光学源は、例えば互いにずれていてもよい。いくつかの実施形態によれば、異なる光学源のずれは、異なる光色のそれぞれに対応した二方向にコリメートされた光204の、異なる色固有の非ゼロの伝播角度を提供するように構成されてもよい。特にずれによって、例えば二面コリメータ210によって提供される非ゼロの伝播角度に、さらなる非ゼロの伝播角度成分が加えられてもよい。いくつかの実施形態では、二面コリメータ100に関して上述した光源104と光源230は、実質的に同様であってもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、二面コリメータ210の出
力216の垂直方向の大きさは、平板ライトガイド220の入力アパーチャの垂直方向の大きさよりも大きい。いくつかの実施形態によれば、平板ライトガイドの入力アパーチャと、二面コリメータの出
力216との位置合わせは、入力アパーチャにおいて平板ライトガイド220にカップリングして入れられる二方向にコリメートされた光204の特性を調整するように構成されてもよい。例えば平板ライトガイド220にカップリングして入れられる二方向にコリメートされた光204の強度は、特定の位置合わせ(すなわち二面コリメータ210に対する平板ライトガイド220の垂直位置)を選択することによって調整することができる。別の例では、平板ライトガイド220にカップリングして入れられる二方向にコリメートされた光204の様々な色の相対量を、位置合わせによって制御することができる。特に二方向にコリメートされた光204が、異なる色固有の非ゼロの伝播角度において異なる光色を含む場合には、異なる色のそれぞれの相対量を、それらの異なる色固有の非ゼロの伝播角度によって制御するために、アパーチャの位置合わせを用いることができる。
【0053】
図4Dは、本明細書で説明する原理と一致した一実施形態による、一例における二面コリメータ210の出
力216と平板ライトガイド220の入力アパーチャ224との位置合わせの断面図を示す。特に
図4Dは、平板ライトガイドの入力アパーチャ224の垂直方向の大きさよりも大きい垂直方向の大きさを有する二面コリメータの出
力216を示す。太線の両矢印は、出
力216と入力アパーチャ224との位置合わせの調整(例えば上向きまたは下向き)をそれぞれ示す。3つの(例えば実線、大きな破線、および小さな破線を有する)長い矢印は、3つの異なる色固有の非ゼロの伝播角度で伝播する二方向にコリメートされた光204の3つの異なる色を示す。様々な実施形態によれば、二面コリメータ210の出
力216に対する平板ライトガイドの入力アパーチャ224の特定の位置合わせ、または同じことであるが特定の垂直位置を選択することは、平板ライトガイド220にカップリングして入れられる二方向にコリメートされた光の3つの異なる色のそれぞれの相対量に影響を与え得る。
【0054】
いくつかの実施形態によれば(例えば
図4Bに示されるように)、バックライト200は、平板ライトガイド220の表面にマルチビーム回折格子240をさらに備えてもよい。マルチビーム回折格子240は、導波される二方向にコリメートされた光204の一部分を回折によりカップリングして、複数の光ビーム206として平板ライトガイド220から外へ出すように構成される。複数の光ビーム206(すなわち
図4Bに示される複数の光線(矢印))は、放射される光を表す。様々な実施形態では、複数の光ビームのうちの1つの光ビーム206は、複数の光ビームのうちの他の光ビーム206の
主角度方向とは異なる
主角度方向を有する。
【0055】
いくつかの実施形態では、マルチビーム回折格子240は、マルチビーム回折格子240のアレイの要素である、またはそのアレイに配置されている。いくつかの実施形態では、バックライト200は、3次元(3D)電子ディスプレイのバックライトであり、光ビーム206の
主角度方向は、3D電子ディスプレイの視認方向に対応している。
【0056】
図5Aは本明細書で説明する原理と一致した一実施形態による、一例におけるマルチビーム回折格子240を有するバックライト200の一部分の断面図を示す。
図5Bは、本明細書で説明する原理と一致した別の実施形態による、一例におけるマルチビーム回折格子240を有するバックライト200の一部分の断面図を示す。
図5Cは、本明細書で説明する原理と一致した一実施形態による、一例におけるマルチビーム回折格子240を含む
図5Aまたは
図5Bのいずれかのバックライトの一部分の斜視図を示す。
図5Aに示されるマルチビーム回折格子240は、例として限定ではなく、平板ライトガイド220の表面に溝を備える。
図5Bは、平板ライトガイド表面から突出した隆線を備えるマルチビーム回折格子240を示す。
【0057】
図5A〜
図5Bに示されるように、マルチビーム回折格子240はチャープ回折格子である。特に回折特徴部240aは、マルチビーム回折格子240の第
1の端部240
’においては、第
2の端部240
’’においてよりも互いに近くにある。さらに、示される回折特徴部240aの回折間隔dは、第1の端部240’から第2の端部240”まで変化する。いくつかの実施形態では、マルチビーム回折格子240のチャープ回折格子は、距離に伴って線形に変化する回折間隔dのチャープを有してもよくまたはそれを呈してもよい。したがって、マルチビーム回折格子240のチャープ回折格子は、「線形チャープ」回折格子と呼ばれてもよい。
【0058】
別の実施形態では、マルチビーム回折格子240のチャープ回折格子は、回折間隔dの非線形チャープを呈してもよい。チャープ回折格子を実現するために用いることができる様々な非線形チャープは、指数関数チャープ、対数チャープ、または別の実質的に不均一またはランダムであるが依然として単調に変化するチャープを含むが、これらに限定されない。正弦波チャープ、または三角形もしくは鋸歯状チャープなどであるが、これらに限定されない非単調なチャープも使用可能である。これらのタイプのチャープの任意の組み合わせを、マルチビーム回折格子240に用いることもできる。
【0059】
図5Cに示されるように、マルチビーム回折格子240は、平板ライトガイド220の表面内に、表面に、または表面上にともに曲線状のかつチャープされた回折特徴部240a(例えば溝または隆線)を含む(すなわち、示されるように、マルチビーム回折格子240は曲線状のチャープ回折格子である)。平板ライトガイド220内を導波される導波
光ビームとしての二方向にコリメートされた光204は、
図5A〜
図5Cに太線の矢印によって示されるように、マルチビーム回折格子240および平板ライトガイド220に対する入射方向を有する。また図には、平板ライトガイド220の表面でマルチビーム回折格子240から離れる方向を指すカップリングして外へ出されるまたは放射される複数の光ビーム206も示される。示される光ビーム206は、複数の異なる所定の
主角度方向に放射される。特に、放射される光ビーム206の異なる所定の
主角度方向は、(例えば光照射野を形成するように)方位角と仰角の両方において異なる。
【0060】
様々な例によれば、回折特徴部240aの事前定義されたチャープと回折特徴部240aの曲線との両方が、放射される光ビーム206のそれぞれの複数の異なる所定の
主角度方向に寄与し得る。例えば、回折特徴部が曲線状であることによって、マルチビーム回折格子240内の回折特徴部240aは、平板ライトガイド220内で導波される光ビームの入射方向に対して異なった配向を有することができる。特に、導波光ビームの入射方向に対する、マルチビーム回折格子240内の第1の点または位置における回折特徴部240aの配向は、別の点または位置における回折特徴部240aの配向とは異なり得る。カップリングして外へ出されるまたは放射される光ビーム206に関して、光ビーム206の
主角度方向{θ,φ}の方位角成分φは、光ビーム206の原点における(すなわち入射する導波される光ビームがカップリングして外へ出される点における)回折特徴部240aの方位配向角度(azimuthal orientation angle)φ
fによって決められ得る、またはそれに対応し得る。したがって、回折特徴部240aの配向がマルチビーム回折格子240内で異なっていることによって、少なくとも光ビーム206のそれぞれの方位角成分φに関しては、異なる
主角度方向(θ,φ)を有する異なる光ビーム206が生成される。
【0061】
特に、回折特徴部240aの曲線に沿った異なる点においては、曲線状回折特徴部240aに関連するマルチビーム回折格子240の「下にある回折格子」が、異なる方位配向角度φ
fを有する。「下にある回折格子」とは、重なっている複数の非曲線状回折格子のうちの1つの回折格子が、マルチビーム回折格子240の曲線状回折特徴部240aを生成することを意味する。したがって、曲線状回折特徴部240aに沿った所与の点において、曲線は、曲線状回折特徴部240aに沿った別の点における方位配向角度φ
fとは概して異なる特定の方位配向角度φ
fを有する。さらに、特定の方位配向角度φ
fは、所与の点から放射される光ビーム206の
主角度方向{θ,φ}の対応する方位角成分φをもたらす。いくつかの例では、回折特徴部240a(例えば溝、隆線など)の曲線は、円の一区分を表してもよい。円は、ライトガイド表面と同一平面上にあってもよい。他の例では、曲線は、例えば平板ライトガイド表面と同一平面上にある楕円または別の曲線形状の一区分を表してもよい。
【0062】
他の実施形態では、マルチビーム回折格子240は、「区分的に」曲線状の回折特徴部240aを含んでもよい。特に、回折特徴部240aは、マルチビーム回折格子240内の回折特徴部240aに沿った異なる点において、実質的に滑らかなまたは連続した曲線それ自体を描かないかもしれないが、回折特徴部240aはそれでもなお、
二方向にコリメートされた光204の導波される光ビー
ムの入射方向に対して異なる角度で配向され得る。例えば、回折特徴部240aは、複数の実質的に直線状の区分であって、それぞれの区分が、隣接する区分とは異なる配向を有する直線状の区分を含む溝であってもよい。様々な実施形態によれば、複数の区分の異なる角度を合わせると、曲線(円の一区分)に近似することができる。さらに他の例では、回折特徴部240aは、特定の曲線(例えば円または楕円)を近似することなく、単に、マルチビーム回折格子240内の異なる位置において導波光の入射方向に対して異なる配向を有するだけであってもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、回折特徴部240aを形成する溝または隆線は、平板ライトガイド表面内にエッチング、ミリング、またはモールドされてもよい。したがって、マルチビーム回折格子240の材料は、平板ライトガイド220の材料を含み得る。例えば
図5Bに示されるように、マルチビーム回折格子240は、平板ライトガイド220の表面から突出した隆線を含み、隆線は互いに実質的に平行であってもよい。
図5A(および
図4B)では、マルチビーム回折格子240は、平板ライトガイド220の表面に入り込んだ溝を含み、溝は互いに実質的に平行であってもよい。他の例では(図示せず)、マルチビーム回折格子240は、ライトガイド表面に塗布または付着されたフィルムまたは層を備えてもよい。マルチビーム回折格子240によって提供される異なる
主角度方向の複数の光ビーム206は、電子ディスプレイの視認方向に光照射野を形成するように構成される。特に二方向コリメーションを使用したバックライト200は、電子ディスプレイの画素に対応した情報、例えば3D情報を提供するように構成される。
【0064】
本明細書で説明する原理のいくつかの実施形態によれば、3次元(3D)電子ディスプレイが提供される。
図6は、本発明で説明する原理の一実施形態による、一例における3次元(3D)電子ディスプレイ300のブロック図を示す。3D電子ディスプレイ300は、異なる
主角度方向、およびいくつかの実施形態では複数の異なる色も有する光ビームを備える指向性の光を生成するように構成される。例えば3D電子ディスプレイ300は、異なる所定の
主角度方向に(例えば光照射野として)3D電子ディスプレイ300から出て行くように方向付けられた複数の異なる光ビーム306を提供または生成することができる。さらに異なる光ビーム306は、異なる光色のまたは異なる光色を有する光ビーム306を含んでもよい。次いで、いくつかの実施形態によれば、(例えば光ビーム306がカラー光ビームであるときに)色情報を含む情報の表示を促進するために、複数の光ビーム306は、変調された光ビーム306’として変調されてもよい。
【0065】
特に異なる
主角度方向を有する変調された光ビーム306’は、3D電子ディスプレイ300の複数の画素を形成してもよい。いくつかの実施形態では、3D電子ディスプレイ300は、3D電子ディスプレイ300の異なる「視像」に関連付けられた画素に光ビーム306’が対応しているいわゆる「裸眼」の3Dカラー電子ディスプレイ(例えばマルチビュー、「ホログラフィック」、またはオートステレオスコピックディスプレイ)であってもよい。例として、変調された光ビーム306’は、
図6において破線の矢印を用いて示され、変調前の異なる光ビーム306は、実線の矢印として示される。
【0066】
図6に示される3D電子ディスプレイ300は、二面コリメータ310を備える(
図6では「二面コリ」と略されている)。二面コリメータ310は、垂直なコリメーションと水平なコリメーションの両方を有する二方向にコリメートされた光を提供するように構成される。特に垂直および水平なコリメーションは、二面コリメータ310の垂直方向(例えばz方向)または垂直平面(例えばy−z平面)、および水平方向(例えばx方向)または水平平面(x−y平面)に対するものである。さらに二面コリメータ310は、二方向にコリメートされた光を、二面コリメータ310の水平平面に対する非ゼロの伝播角度で提供するように構成される。
【0067】
いくつかの実施形態では、二面コリメータ310は、上述した二面コリメータ100と実質的に同様である。特に二面コリメータ310は、曲線状入口面および曲線状反射体面を備える。曲線状反射体面は、曲線状入口面の反対側、例えば二面コリメータ310の材料の対向する側部、にある。さらにいくつかの実施形態によれば、曲線状入口面は、曲線形状を有する入口面110と実質的に同様であってもよく、曲線状の反射体面は、二面コリメータ100に関して上述した曲線形状を有する反射体面120と実質的に同様であってもよい。
【0068】
特に二面コリメータ310の曲線状入口面は、曲線状反射体面に向かって入射光を屈折させるように構成されてもよい。次いで、曲線状反射体面は、屈折した光を反射して曲線状入口面に向かって戻すように構成されてもよく、曲線状入口面は、曲線状反射体面からの反射した光を、平板ライトガイド(例えば以下で説明する平板ライトガイド320)に向かって再反射して、二方向にコリメートされた光を提供するようにさらに構成されてもよい。いくつかの実施形態によれば、曲線状入口面および曲線状反射体面のそれぞれの相対的な配向および曲線形状の組み合わせは、入射光を、非ゼロの伝播角度を有する二方向にコリメートされた光としてコリメートおよび方向変更するように構成される。
【0069】
いくつかの実施形態では、曲線状反射体面は、放物形状または実質的に放物形状の輪郭を有する光学反射体を備える。放物形状は、二方向にコリメートされた光の非ゼロの伝播角度を二面コリメータの出力部において決定するまたは提供するように構成されてもよい。さらに例えば、二面コリメータ310の曲線状反射体面は、放物形状を有する光学反射体を備えてもよい。例えば放物形状は、(例えば最適化によって)成形されてもよい。
【0070】
図6に示されるように、3D電子ディスプレイ300は、平板ライトガイド320をさらに備える。平板ライトガイド320は、二方向にコリメートされた光を、非ゼロの伝播角度で導波光ビームとして導波するように構成される。特に導波光ビームは、平板ライトガイド320の表面(例えば上面および下面の一方または両方)に対して非ゼロの伝播角度で導波されてもよい。いくつかの実施形態では、表面は水平平面に平行であってもよい。いくつかの実施形態によれば、平板ライトガイド320は、バックライト200に関して上述した平板ライトガイド220と実質的に同様であってもよい。
【0071】
様々な実施形態によれば、および
図6に示されるように、3D電子ディスプレイ300は、平板ライトガイド320の表面に位置付けられたマルチビーム回折格子330のアレイをさらに備える。いくつかの実施形態によれば、アレイのマルチビーム回折格子330は、バックライト200に関して上述したマルチビーム回折格子240と実質的に同様であってもよい。特にアレイのマルチビーム回折格子330は、導波光ビームの一部分を、異なる
主角度方向を有し
図6の光ビーム306を表すカップリングして外へ出される複数の光ビームとして、回折によりカップリングして外へ出すように構成される。さらに様々な実施形態によれば、マルチビーム回折格子330によってカップリングして外へ出された光ビーム306の異なる
主角度方向は、3D電子ディスプレイ300の異なる3D視像に対応する。いくつかの実施形態では、マルチビーム回折格子330は、曲線状回折特徴部を有するチャープ回折格子を備える。いくつかの実施形態では、チャープ回折格子のチャープは、線形チャープである。
【0072】
いくつかの実施形態では、(例えば
図6に示されるような)3D電子ディスプレイ300は、二面コリメータ310の入力部に光を提供するように構成された光源340をさらに備える。いくつかの実施形態では、光源340は、上述したバックライト200の光源230と実質的に同様であってもよい。特に光源340は、異なる光色を提供するように構成された複数の異なる発光ダイオード(LED)(考察をわかりやすくするために「異なる色のLED」と呼ばれる)を備えてもよい。いくつかの実施形態では、異なる色のLEDは、互いにずれて(例えば横方向にずれて)いてもよい。異なる色のLEDのずれは、二面コリメータ310からの二方向にコリメートされた光の異なる色固有の非ゼロの伝播角度を提供するように構成される。さらに、異なる色固有の非ゼロの伝播角度は、光源340によって提供される異なる光色のそれぞれに対応してもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では(図示せず)、異なる光色は、赤−緑−青(RGB)色モデルの赤色、緑色、および青色を備えてもよい。さらに平板ライトガイド320は、平板ライトガイド320内で、異なる色依存性の非ゼロの伝播角度の光ビームとして、異なる色を導波するように構成されてもよい。いくつかの実施形態によれば、例えば第1の導波カラー光ビーム(例えば赤光ビーム)は、第1の色依存性の非ゼロの伝播角度で導波されてもよく、第2の導波カラー光ビーム(例えば緑光ビーム)は、第2の色依存性の非ゼロの伝播角度で導波されてもよく、第3の導波カラー光ビーム(例えば青光ビーム)は、第3の色依存性の非ゼロの伝播角度で導波されてもよい。
【0074】
図6に示されるように、3D電子ディスプレイ300は、ライトバルブアレイ350をさらに備えてもよい。様々な実施形態によれば、ライトバルブアレイ350は、複数の光ビームのうちのカップリングして外へ出された光ビーム306を、3D電子ディスプレイ300の異なる3D視像に対応した3D画素を形成するまたはその3D画素として機能するための変調された光ビーム306’として変調するように構成される。いくつかの実施形態では、ライトバルブアレイ350は複数の液晶ライトバルブを備える。他の例では、例えばライトバルブアレイ350は、エレクトロウェッティングライトバルブ、電気泳動ライトバルブ、それらの組み合わせ、または液晶ライトバルブと別のタイプのライトバルブとの組み合わせを含むがこれらに限定されない別のライトバルブを備えてもよい。
【0075】
本明細書で説明する原理の他の実施形態によれば、二方向光コリメーションの方法が提供される。
図7は、本明細書で説明する原理と一致した一実施形態による、一例における二方向光コリメーションの方法400のフローチャートを示す。
図7に示されるように、二方向光コリメーションの方法400は、二面コリメータの入口面に入射しそれを通過する光を屈折させるステップ410を備える。様々な実施形態によれば、入口面は曲線形状を有する。いくつかの実施形態では、入口面は、二面コリメータ100に関して上述した曲線形状を有する入口面110と実質的に同様である。例えば入口面は、実質的に入口面の全大きさを占める曲線形状を有してもよい。他の例では曲線形状は、入口面の大きさの一部分を占める。加えて様々な実施形態では、入口面の曲線形状は、単一曲線状であっても二重曲線状であってもよい。
【0076】
二方向光コリメーションの方法400は、屈折した光を、二面コリメータの反射体面において反射するステップ420をさらに備える。様々な実施形態によれば、反射体面は別の曲線形状を有する。例えば反射体面の他の曲線形状は、入口面の曲線形状とは異なってもよい。いくつかの実施形態では、反射体面は、二面コリメータ100に関して上述した曲線形状を有する反射体面120と実質的に同様である。例えば反射体面は、放物形状を有してもよい。別の例では、反射体面は二重曲線表面を備えてもよい。
【0077】
図7に示される二方向光コリメーションの方法400は、反射した光を、内部全反射を用いて入口面において再反射するステップ430をさらに備える。様々な実施形態によれば、再反射するステップ430からの再反射した光は、二面コリメータの出力アパーチャに向かって方向付けられる。さらに様々な実施形態によれば、入口面
および反射体面の
、曲線形状
と相対的な配向
とは、組み合わ
せて、出力アパーチャにおいて二方向にコリメートされた光を提供するように構成される。さらに様々な実施形態によれば、二方向にコリメートされた光は、水平平面に対して非ゼロの伝播角度を有する。
【0078】
非ゼロの伝播角度は、例えば二面コリメータ100に関して上述した非ゼロの伝播角度と実質的に同様であってもよい。いくつかの実施形態では、反射体面の曲線形状は、二方向にコリメートされた光の非ゼロの伝播角度を提供するまたは少なくとも部分的に提供するように構成された傾斜角度を有する放物形状を備える。さらにいくつかの実施形態では、反射体面は、反射コーティングでコーティングされてもよい。
【0079】
本明細書で説明する原理のさらに他の実施形態によれば、3次元(3D)電子ディスプレイの動作方法が提供される。
図8は、本明細書で説明する原理と一致した一実施形態による、一例における3D電子ディスプレイの動作方法500のフローチャートを示す。
図8に示されるように、3D電子ディスプレイの動作方法500は、非ゼロの伝播角度を有する二方向にコリメートされた光を提供するステップ510を備える。様々な実施形態によれば、二方向にコリメートされた光は、二面コリメータを用いて提供510される。二面コリメータは、上述した二面コリメータ100と実質的に同様であってもよい。いくつかの実施形態では、二方向にコリメートされた光は、上述した二方向光コリメーションの方法400により提供510されてもよい。さらに二方向にコリメートされた光は、二面コリメータ100またはバックライト200に関してそれぞれ上述した二方向にコリメートされた光106または204と実質的に同様であってもよい。
【0080】
3D電子ディスプレイの動作方法500は、二方向にコリメートされた光を平板ライトガイド内で導波するステップ520をさらに備える。特に二方向にコリメートされた光は、平板ライトガイド内で非ゼロの伝播角度で導波520される。いくつかの実施形態によれば、平板ライトガイドは、上述したようなバックライト200の平板ライトガイド220と実質的に同様であってもよい。
【0081】
図8の3D電子ディスプレイの動作方法500は、複数の光ビームを生成するために、導波される二方向にコリメートされた光の一部分を、マルチビーム回折格子を用いて回折によりカップリングして平板ライトガイドから外へ出すステップ530をさらに備える。いくつかの実施形態によれば、マルチビーム回折格子は、平板ライトガイドの表面に位置付けられる。様々な実施形態によれば、導波される二方向にコリメートされた光の一部分を回折によりカップリングして外へ出すステップ530は、複数の異なる
主角度方向で、平板ライトガイドから離れるように方向付けられた複数の光ビームを提供するように構成される。特に、複数の異なる
主角度方向は、3D電子ディスプレイの異なる3D視像の方向に対応する。いくつかの実施形態によれば、マルチビーム回折格子は、上述したバックライト200のマルチビーム回折格子240と実質的に同様である。複数の光ビームのうちの回折によりカップリングして外へ出された530光ビームは、バックライト200または3D電子ディスプレイ300に関してそれぞれ上述した光ビーム206または306に対応する。
【0082】
様々な実施形態によれば、
図8に示される3D電子ディスプレイの動作方法500は、複数の光ビームのうちの光ビームを、ライトバルブのアレイを用いて変調するステップ540をさらに備える。様々な実施形態によれば、変調された540光ビームは、3D視像方向における3D電子ディスプレイの3D画素を形成する。いくつかの実施形態では、ライトバルブのアレイは、3D電子ディスプレイ300に関して上述したライトバルブアレイ350と実質的に同様であってもよい。
【0083】
いくつかの実施形態(図示せず)では、3D電子ディスプレイの動作方法500は、二方向にコリメートされることになる光を提供するステップをさらに備える。例えば、二方向にコリメートされた光を提供するステップ510において用いられ得る二面コリメータなどの二面コリメータに提供される光は、コリメートされていない光であってもよい。例えば光は、二面コリメータの入口面の入力部において光源を用いて提供されてもよい。さらにいくつかの実施形態では、光源は、バックライト200に関して上述した光源230と実質的に同様であってもよい。
【0084】
このように、二面コリメータ、二面コリメータを使用したバックライトおよび3D電子ディスプレイ、二方向コリメーションの方法、ならびに二方向コリメーションを使用した3D電子ディスプレイの動作方法の例が説明された。上述した例は、本明細書で説明する原理を表す多数の特定の例のいくつかを単に例示するものであることが理解されるべきである。明らかに当業者は、以下の特許請求の範囲により定義されるような範囲から逸脱せずに数多くの他の構成を容易に考案することができる。