特許第6987046号(P6987046)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6987046消費者製品用包装体、包装体用ブランク及び消費者製品用包装体を折り曲げて組み立てる方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6987046
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】消費者製品用包装体、包装体用ブランク及び消費者製品用包装体を折り曲げて組み立てる方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/10 20060101AFI20211213BHJP
   B65D 5/66 20060101ALI20211213BHJP
   B65D 5/42 20060101ALI20211213BHJP
   B65D 5/44 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   B65D85/10
   B65D5/66 321B
   B65D5/42 C
   B65D5/44 B
【請求項の数】15
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2018-514301(P2018-514301)
(86)(22)【出願日】2016年9月29日
(65)【公表番号】特表2018-530483(P2018-530483A)
(43)【公表日】2018年10月18日
(86)【国際出願番号】EP2016073296
(87)【国際公開番号】WO2017055474
(87)【国際公開日】20170406
【審査請求日】2019年9月4日
(31)【優先権主張番号】15187688.5
(32)【優先日】2015年9月30日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エス.エイ.
【氏名又は名称原語表記】JT INTERNATIONAL S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】ニシデ,カズヒロ
(72)【発明者】
【氏名】ズルバ,オレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】ピアソン,アンドリュー
【審査官】 ▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/097200(WO,A1)
【文献】 特表2002−540013(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/10
B65D 5/00−5/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費者製品用包装体(14)であって、
容器下壁(40)、並びに、該容器下壁(40)から延びる、容器前壁(42)、容器後壁(38)、及び、二つの対向する容器側壁(44、46)であってそれぞれが前記容器前壁(42)を前記容器後壁(38)に接続している前記容器側壁(44、46)、により定められた区画が形成された、容器(34)であって、
前記容器前壁(42)、前記容器後壁(38)及び前記二つの容器側壁(44、46)は、前記区画にアクセスできるようにするための前記容器下壁(40)に対向している上部開口を定めている、容器(34)と、
蓋体上壁(16)、蓋体前壁(24)、蓋体後壁(28)、及び、二つの対向する蓋体側壁(30、32)であってそれぞれが前記蓋体前壁(24)を前記蓋体後壁(28)に接続している前記蓋体側壁(30、32)、を備えた、蓋体(12)であって、
前記蓋体(12)は、前記容器前壁(42)、前記容器後壁(38)又は前記容器側壁(44、46)の一つ、のうちいずれか一つに対してヒンジ(36)の周りを閉じた位置と開いた位置との間で回動可能となっており、
前記蓋体(12)は、閉じた位置においては前記容器(34)の前記上部開口を閉じており、開いた位置においては後方に傾けられて前記上部開口を通して前記容器(34)における前記区画にアクセス可能にする、蓋体(12)と、を備え、
前記蓋体(12)は、さらに、前記蓋体上壁(16)の接触表面(16a−2)に結合された強化構造(16bから16d)を備え、
該強化構造は、前記蓋体前壁(24)又は前記蓋体後壁(28)から延びている蓋体上壁カウンターパネル(16b)、前記二つの蓋体側壁(30、32)のうち第1蓋体側壁(30)から延びている第1安定化フラップ(16c)、及び、前記二つの蓋体側壁(30、32)のうち第2蓋体側壁(32)から延びている第2安定化フラップ(16d)を備え、
前記強化構造は、さらに、前記第1安定化フラップ(16c)における、前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)と対向する端縁(18)が前記蓋体上壁(16)に平行な平面において、前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)における、前記第1安定化フラップ(16c)と対向する第1端縁(20)に接し、且つ、前記第2安定化フラップ(16d)における、前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)と対向する端縁(22)が前記蓋体上壁(16)に平行な、前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)および前記第1安定化フラップ(16c)と同一の平面において、前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)における、前記第2安定化フラップ(16d)と対向する第2端縁(20)に接するように、構成されている、包装体(14)。
【請求項2】
少なくとも前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)が、該蓋体上壁カウンターパネル(16b)が結合した前記蓋体上壁(16)の前記接触表面(16a−2)に対向する前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)の内側表面(16b−1)に印刷された印を備える、請求項1に記載の包装体(14)。
【請求項3】
前記蓋体前壁(24)が、該蓋体前壁(24)における蓋体前壁パネル(24a)に結合されたもう一つの強化構造(24b)を備える、請求項1又は2に記載の包装体(14)。
【請求項4】
前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)は、長方形状であり、且つ、前記第1蓋体側壁(30)から前記第2蓋体側壁(32)への方向における前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)の最大寸法は、前記二つの蓋体側壁(30、32)の間の最大距離よりも小さい、請求項1乃至3いずれか1項に記載の包装体(14)。
【請求項5】
前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)は、前記蓋体前壁(24)に隣接する第1基端、及び、該第1基端に平行であり且つ該第1基端より小さく前記蓋体後壁(28)に隣接する第2基端を有する台形状である、請求項1乃至3いずれか1項に記載の包装体(14)。
【請求項6】
前記二つの蓋体側壁(30、32)それぞれには、二つのサイドフラップ(30a、30b、32a、32b)が形成されている、請求項1乃至5いずれか1項に記載の包装体(14)。
【請求項7】
前記二つの容器側壁(44、46)それぞれには、二つの容器サイドフラップ(44a、44b、46a、46b)が形成されている、請求項1乃至6いずれか1項に記載の包装体(14)。
【請求項8】
消費者製品用包装体(14)を折り曲げて組み立てるための包装体用ブランク(10)であって、
蓋体上壁パネル(16a)、蓋体上壁カウンターパネル(16b)、第1安定化フラップ(16c)及び第2安定化フラップ(16d)を備え、
前記包装体(14)の蓋体(12)における蓋体上壁(16)が、前記蓋体上壁パネル(16a)、前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)、前記第1安定化フラップ(16c)及び前記第2安定化フラップ(16d)を備え、且つ、前記蓋体上壁パネル(16a)の外側表面(16a−1)が、前記蓋体上壁(16)の外側表面(16a−1)を形成するように、前記包装体用ブランク(10)は、前記包装体へと折り曲げて組み立て可能となっており、
前記第1安定化フラップ(16c)における、前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)と対向する端縁(18)が前記蓋体上壁(16)に平行な平面において、前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)における、前記第1安定化フラップ(16c)と対向する第1端縁(20)に接し、且つ、前記第2安定化フラップ(16d)における、前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)と対向する端縁(22)が前記蓋体上壁(16)に平行な、前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)および前記第1安定化フラップ(16c)と同一の平面において、前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)における、前記第2安定化フラップ(16d)と対向する第2端縁(20)に接するように、前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)、前記第1安定化フラップ(16c)及び前記第2安定化フラップ(16d)のそれぞれは、前記蓋体上壁パネル(16a)の前記外側表面(16a−1)に対向する前記蓋体上壁パネル(16a)の接触表面(16a−2)に直接結合可能となっている、包装体用ブランク(10)。
【請求項9】
前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)は、長方形状であり、且つ、前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)の長手方向における最大寸法は、前記蓋体上壁パネル(16a)の長手方向における最大寸法よりも小さく、
前記ブランクの長手方向における前記第1安定化フラップ及び前記第2安定化フラップ(16c、16d)の寸法は、前記蓋体上壁パネル(16a)及び前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)それぞれの最大寸法の差の50%に等しい、請求項8に記載の包装体用ブランク(10)。
【請求項10】
前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)は、前記蓋体上壁パネル(16a)に隣接する大基端と、該大基端に平行であり且つ該大基端に対向している小基端とを有する台形状であり、
前記第1安定化フラップ及び前記第2安定化フラップ(16c、16d)は、前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)、前記第1安定化フラップ(16c)及び前記第2安定化フラップ(16d)が、前記蓋体上壁パネル(16a)の前記接触表面(16a−2)に、折り曲げられて結合されることにより、前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)の側端縁に接するように構成された上部自由端縁を備える四辺形状である、請求項8に記載の包装体用ブランク(10)。
【請求項11】
第1折曲線(26a)により前記蓋体上壁パネル(16a)から区切られた蓋体前壁パネル(24a)と、
第2折曲線(26b)により前記蓋体前壁パネル(24a)から区切られ、且つ、第3折曲線(26c)により前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)から区切られた蓋体前壁カウンターパネル(24b)と、
前記第1折曲線(26a)に対向している第4折曲線(26d)により前記蓋体上壁パネル(16a)から区切られた蓋体後壁パネル(28a)と、
少なくとも一つの折曲線(31)により前記蓋体前壁パネル(24a)からそれぞれが区切られたサイドフラップ(30a、32a)の第1の組と、
少なくとも一つの折曲線(31)により前記蓋体後壁パネル(28a)からそれぞれが区切られたサイドフラップ(30b、32b)の第2の組と、
第5折曲線(26e)により前記第2の組のうちの第1サイドフラップ(30b)から区切られている前記第1安定化フラップ(16c)と、
第6折曲線(26f)により前記第2の組のうちの第2サイドフラップ(32b)から区切られている前記第2安定化フラップ(16d)と、
をさらに備える、請求項8乃至10いずれか1項に記載の包装体用ブランク(10)。
【請求項12】
第7折曲線(26g)により前記蓋体後壁パネル(28a)から区切られている容器後壁パネル(38a)と、
第8折曲線(26h)により前記容器後壁パネル(38a)から区切られている容器下壁パネル(40a)と、
第9折曲線(26i)により前記容器下壁パネル(40a)から区切られている容器前壁パネル(42a)と、
少なくとももう一つの折曲線(31)により前記容器後壁パネル(38a)からそれぞれが区切られている二つの容器サイドフラップ(44a、46a)の第の組と、
少なくとももう一つの折曲線(31)により前記容器前壁パネル(42a)から区切られている二つの容器サイドフラップ(44b、46b)の第の組と、
第10折曲線(26j)により前記第の組のうちの第1容器サイドフラップ(44a)から区切られている第1強化舌部(40b)と、
第11折曲線(26k)により前記第の組のうちの第2容器サイドフラップ(46a)から区切られている第2強化舌部(40c)と、
をさらに備える、請求項11に記載の包装体用ブランク(10)。
【請求項13】
請求項8乃至12いずれか1項に記載のブランクを折り曲げて組み立てることにより包装体(14)を形成する方法であって、
前記第1安定化フラップ(16c)における、前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)と対向する端縁(18)が、前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)における、前記第1安定化フラップ(16c)と対向する第1端縁(20)に接し、且つ、前記第2安定化フラップ(16d)における、前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)と対向する端縁(22)が、前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)における、前記第2安定化フラップ(16d)と対向する第2端縁(20)に接するように、前記蓋体上壁カウンターパネル(16b)、前記第1安定化フラップ(16c)及び前記第2安定化フラップ(16d)を、前記蓋体上壁パネル(16a)の前記外側表面(16a−1)に対向する前記蓋体上壁パネル(16a)の接触表面(16a−2)に、直接結合する、方法。
【請求項14】
前記蓋体前壁パネル(24a)が前記蓋体前壁(24)の前記外側表面を形成するように、前記蓋体前壁カウンターパネル(24b)を前記第2折曲線(26b)にて折り曲げ且つ前記蓋体前壁パネル(24a)に結合し、
前記第1の組のうちの前記第1サイドフラップ(30a)と前記第2の組のうちの前記第1サイドフラップ(30b)とを結合することにより、第1蓋体側壁(30)を形成し、
前記第1の組のうちの前記第2サイドフラップ(32a)と前記第2の組のうちの前記第2サイドフラップ(32b)とを結合することにより、前記第1蓋体側壁(30)に対向する第2蓋体側壁(32)を形成する、請求項11を引用する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
容器後壁(38)を前記容器後壁パネル(38a)から形成し、ここで、前記蓋体(12)は、前記第7折曲線(26g)により実現されるヒンジ(36)を介して前記蓋体後壁(38)に連結されており、
容器下壁(40)を、前記第1強化舌部(40b)と前記第2強化舌部(40c)とを前記容器下壁パネル(40a)に結合することにより形成し、
前記容器後壁(38)に対向する容器前壁(42)を、前記容器前壁パネル(42a)から形成し、
第1容器側壁(44)を、前記第の組のうちの前記第1容器サイドフラップ(44a)と前記第の組のうちの前記第1容器サイドフラップ(44b)とを結合することにより形成し、
前記第1容器側壁(44)に対向する第2容器側壁(46)を、前記第の組のうちの前記第2容器サイドフラップ(46a)と前記第の組のうちの前記第2容器サイドフラップ(46b)とを結合することにより形成する、請求項12を引用する請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費者製品用包装体、特に喫煙具用包装体に関する。また、本発明は、消費者製品用包装体、特に喫煙具用包装体を折り曲げて組み立てるための包装体用ブランクに関する。さらに、本発明は、このようなブランクを折り曲げて組み立てることによりこのような包装体を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、あらゆる種類の消費者製品用包装体に関するが、本発明は、例えば、たばこ用包装体に関し、ここでは、包装体用ブランクをヒンジ式の蓋体を備えた包装体へ折り曲げて組み立てることにより作成される包装体に関して述べられる。一般的に、消費者製品用包装体は、該包装体の目に見える外側表面に印刷された情報を示し、該情報は、例えば、ブランド品目及び製品についての消費者向けの情報と、たばこ用包装体の場合における義務付けられた健康への警告のような法的に義務付けられた情報とを含んでいる。この印刷された情報は、前記包装体用ブランクの印刷側が前記包装体の外側表面を形成するように前記包装体用ブランクを折り曲げて組み立てることにより包装体を形成する前に、前記包装体用ブランクの一方側に印刷される。
【0003】
一般的に、たばこや他の厳しく規制された産業において、前記包装体に印刷される法的に義務付けられた情報は増加しており、その結果、前記包装体の外側表面における該当する表面領域もまた増加している。結果として、ブランドや製品情報のような他の消費者向け情報のために残されている表面領域は、割合的に減少している。
【0004】
このため、消費者製品の製造者は、全ての義務付けられた法的要求に適合すると同時に、消費者に製品情報を伝達するための、前記包装体における利用可能な印刷表面領域の最適化を図っている。
【0005】
特許文献1には、ヒンジ式の蓋体を備えた喫煙具用包装体が記載されており、該包装体は、該包装体における蓋体上壁の内側表面に、該包装体を開いた後に購入者の目に見える追加的情報が付与されることになる。前記蓋体における前記蓋体上壁の内側表面に追加的情報を付与するために、前記包装体は、前記蓋体の上壁から延びており、且つ、前記蓋体の前壁、上壁及び後壁に対して前記蓋体の内側に折り曲げられる、カウンターパネル構造を備える。しかし、特許文献1に記載された特別な蓋体を備える包装体は、前記蓋体の内側におけるカウンターパネル構造、特に前記後壁及び前記上壁におけるカウンターパネル構造により付与される追加的な材料層のために、形成すること及び閉じることが特に困難となる。この追加的な材料層は、前記包装体を製造するための材料コストもかなり増加させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2014/097200号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それゆえに、本発明は、上記された欠点なしに、蓋体上壁の内側表面に印刷された情報を有するヒンジ式の蓋体を備えた包装体において、伝達スペースを増加させるための、少なくとも一つの改善された機会を付与することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の種々の態様は、独立請求項1及び8に列挙される。
【0009】
本発明に係る消費者製品用包装体、特に喫煙具用包装体は、
容器下壁、並びに、該容器下壁から延びる、容器前壁、容器後壁、及び、二つの対向する容器側壁であってそれぞれが前記容器前壁を前記容器後壁に接続している前記容器側壁、により定められた区画が形成された、容器であって、
前記容器前壁、前記容器後壁及び前記二つの容器側壁は、前記区画にアクセスできるようにするための前記容器下壁に対向している上部開口を定めている、容器と、
蓋体上壁、蓋体前壁、蓋体後壁、及び、二つの対向する蓋体側壁であってそれぞれが前記蓋体前壁を前記蓋体後壁に接続している前記蓋体側壁、を備えた、蓋体であって、
前記蓋体は、前記容器前壁、前記容器後壁又は前記容器側壁の一つ、のうちのいずれか一つに対してヒンジの周りを閉じた位置と開いた位置との間において回動可能になっており、
前記蓋体は、閉じた位置においては前記容器の前記上部開口を閉じており、開いた位置においては後方に傾けられて前記上部開口を通して前記容器における前記区画にアクセス可能にする、蓋体と、を備え、
前記蓋体は、さらに、前記蓋体上壁の接触表面に結合された強化構造を備え、
該強化構造は、前記蓋体前壁から延びている蓋体上壁カウンターパネル、第1蓋体側壁から延びている第1安定化フラップ、及び、第2蓋体側壁から延びている第2安定化フラップを備え、
前記強化構造は、さらに、前記第1安定化フラップにおける端縁の少なくとも一部が、前記蓋体上壁カウンターパネルにおける第1端縁の少なくとも一部に合わさり、且つ、前記第2安定化フラップにおける端縁の少なくとも一部が、前記蓋体上壁カウンターパネルにおける第2端縁の少なくとも一部に合わさるように、構成されている。
【0010】
さらに、本発明に係る消費者製品用包装体、特に喫煙具用包装体を折り曲げて組み立てるための包装体用ブランクは、
蓋体上壁パネル、蓋体上壁カウンターパネル、第1安定化フラップ及び第2安定化フラップを備え、
前記包装体の蓋体における蓋体上壁が、前記蓋体上壁パネル、前記蓋体上壁カウンターパネル、前記第1安定化フラップ及び前記第2安定化フラップを備え、且つ、前記蓋体上壁パネルの外側表面が、前記蓋体上壁の外側表面を形成するように、前記包装体用ブランクは、包装体へと折り曲げて組み立て可能となっており、
前記第1安定化フラップにおける端縁の少なくとも一部が、前記蓋体上壁カウンターパネルにおける第1端縁の少なくとも一部に合わさり、且つ、前記第2安定化フラップにおける端縁の少なくとも一部が、前記蓋体上壁カウンターパネルにおける第2端縁の少なくとも一部に合わさるように、前記蓋体上壁カウンターパネル、前記第1安定化フラップ及び前記第2安定化フラップのそれぞれは、前記蓋体上壁パネルの前記外側表面に対向する前記蓋体上壁パネルの接触表面に直接結合可能となっている。
【0011】
本発明のさらなる態様は、各従属請求項に列挙される。
【0012】
前記包装体の好ましい形態においては、少なくとも前記蓋体上壁カウンターパネルが、該蓋体上壁カウンターパネルが結合した前記蓋体上壁の前記接触表面に対向する前記蓋体上壁カウンターパネルの内側表面に印刷された印を備えてもよい。
【0013】
また、前記包装体の好ましい形態においては、前記蓋体前壁が、該蓋体前壁における蓋体前壁パネルに結合されたもう一つの強化構造を備える。
【0014】
好ましくは、前記蓋体上壁カウンターパネルは、長方形状であり、且つ、前記第1蓋体側壁から前記第2蓋体側壁への方向における前記蓋体上壁カウンターパネルの最大寸法は、二つの蓋体側壁の間の最大距離よりも小さい。
【0015】
前記包装体の他の好ましい形態においては、前記蓋体上壁カウンターパネルは、前記蓋体前壁に隣接する第1基端、及び、該第1基端に平行であり且つ該第1基端より小さく前記蓋体後壁に隣接する第2基端を有する台形状である。
【0016】
前記包装体の有利な形態においては、前記二つの蓋体側壁それぞれには、二つのサイドフラップが形成されている。
【0017】
前記包装体のさらに有利な形態においては、前記二つの容器側壁それぞれには、二つの容器サイドフラップが形成されている。
【0018】
前記包装体用ブランクの好ましい形態においては、前記蓋体上壁カウンターパネルは、長方形状であり、且つ、前記蓋体上壁カウンターパネルの長手方向における最大寸法は、前記蓋体上壁パネルの長手方向における最大寸法よりも小さく、
前記ブランクの長手方向における前記第1安定化フラップ及び前記第2安定化フラップの寸法は、実質的には、前記蓋体上壁パネル及び前記蓋体上壁カウンターパネルそれぞれの最大寸法の差の50%に等しい。
【0019】
あるいは、前記蓋体上壁カウンターパネルは、前記蓋体上壁パネルに隣接する大基端、及び、該大基端に平行であり且つ該大基端に対向している小基端を有する台形状であり、
前記第1安定化フラップ及び前記第2安定化フラップは、前記蓋体上壁パネルの前記接触表面に、前記蓋体上壁カウンターパネル、前記第1安定化フラップ及び前記第2安定化フラップが折り曲げられて結合されることにより、前記蓋体上壁カウンターパネルの側端縁に合わさるように構成された上部自由端縁を備える四辺形状である。
【0020】
前記包装体用ブランクの他の好ましい形態においては、前記包装体用ブランクは、さらに、第1折曲線により前記蓋体上壁パネルから区切られた蓋体前壁パネルと、
第2折曲線により前記蓋体前壁パネルから区切られ、且つ、第3折曲線により前記蓋体上壁カウンターパネルから区切られた蓋体前壁カウンターパネルと、
前記第1折曲線に対向している第4折曲線により前記蓋体上壁パネルから区切られた蓋体後壁パネルと、
少なくとも一つの折曲線により前記蓋体前壁パネルからそれぞれが区切られたサイドフラップの第1の組と、
少なくとも一つの折曲線により前記蓋体後壁パネルからそれぞれが区切られたサイドフラップの第2の組と、
第5折曲線により前記第2の組のうちの第1サイドフラップから区切られている前記第1安定化フラップと、
第6折曲線により前記第2の組のうちの第2サイドフラップから区切られている前記第2安定化フラップと、を備える。
【0021】
好ましくは、前記包装体用ブランクは、さらに、
第7折曲線により前記蓋体後壁パネルから区切られている容器後壁パネルと、
第8折曲線により前記容器後壁パネルから区切られている容器下壁パネルと、
第9折曲線により前記容器下壁パネルから区切られている容器前壁パネルと、
少なくとももう一つの折曲線により前記容器後壁パネルからそれぞれが区切られている二つの容器サイドフラップの第1の組と、
少なくとももう一つの折曲線により前記容器前壁パネルから区切られている二つの容器サイドフラップの第2の組と、
第10折曲線により前記第1の組のうちの第1容器サイドフラップから区切られている第1強化舌部と、
第11折曲線により前記第1の組のうちの第2容器サイドフラップから区切られている第2強化舌部と、を備える。
【0022】
本発明は、さらに、開示した前記ブランクにおける形態の一つを折り曲げて組み立てることにより、上記の包装体を形成する方法を提供し、
前記第1安定化フラップにおける端縁の少なくとも一部が、前記蓋体上壁カウンターパネルにおける第1端縁の少なくとも一部に合わさり、且つ、前記第2安定化フラップにおける端縁の少なくとも一部が、前記蓋体上壁カウンターパネルにおける第2端縁の少なくとも一部に合わさるように、前記蓋体上壁カウンターパネル、前記第1安定化フラップ及び前記第2安定化フラップを、前記蓋体上壁パネルの外側表面に対向する前記蓋体上壁パネルの接触表面に直接結合する。
【0023】
前記方法の好ましい形態においては、前記蓋体前壁パネルが前記蓋体前壁の前記外側表面を形成するように、前記蓋体前壁カウンターパネルを前記第2折曲線にて折り曲げ且つ前記蓋体前壁パネルに結合し、
前記第1の組の前記第1サイドフラップと前記第2の組の前記第1サイドフラップとを結合することにより第1蓋体側壁を形成し、
前記第1の組の前記第2サイドフラップと前記第2の組の前記第2サイドフラップとを結合することにより、前記第1蓋体側壁に対向する第2蓋体側壁を形成する。
【0024】
好ましくは、容器後壁を、前記容器後壁パネルから形成し、
前記蓋体は、前記第7折曲線により実現されるヒンジを介して前記蓋体後壁に連結されており、
容器下壁を、前記第1強化舌部と前記第2強化舌部とを前記容器後壁パネルに結合することにより形成し、
前記容器後壁に対向する容器前壁を、前記容器前壁パネルから形成し、
第1容器側壁を、前記第1の組のうちの前記第1容器サイドフラップと前記第2の組のうちの前記第1容器サイドフラップとを結合することにより形成し、
前記第1容器側壁に対向する第2容器側壁を、前記第1の組のうちの前記第2容器サイドフラップと前記第2の組のうちの前記第2容器サイドフラップとを結合することにより形成する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1a図1aは、第1実施形態に係る消費者製品用包装体を折り曲げて組み立てるための包装体用ブランクの平面図である。
図1b図1bは、第1実施形態に係る包装体用ブランクから形成された包装体の斜視図である。
図2図2は、第2実施形態に係る、消費者製品用包装体を折り曲げて組み立てるための包装体用ブランクの平面図である。
図3a図3aは、第3実施形態に係る、消費者製品用包装体を折り曲げて組み立てるための包装体用ブランクの平面図である。
図3b図3bは、第3実施形態に係る包装体用ブランクから形成された包装体の斜視図である。
図4図4は、第4実施形態に係る、消費者製品用包装体を折り曲げて組み立てるための包装体用ブランクの平面図である。
【0026】
図において、同一符号は、同一の又は機能的に等価な構成要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1a及び図1bは、第1実施形態に係る、消費者製品用包装体を折り曲げて組み立てるための包装体用ブランクの平面図、及び、該包装体用ブランクから形成された包装体の斜視図を示す。
【0028】
図1aに示された前記包装体用ブランク10は、例えば、厚紙により作成することができる。前記包装体用ブランク10は、第1ブランク面10−1と第2ブランク面10−2とを有する。前記第1ブランク面10−1は、少なくとも一つの印(例えば、少なくとも一つの、文字且つ/又は記号)が前記第1ブランク面10−1に印刷されるときに、良好な印刷品質を確保するように作製することができる。前記第1ブランク面10−1に対向する前記第2ブランク面10−2は、印刷されていても、印刷されていなくてもよい。好ましくは、前記包装体用ブランク10は、略一定のブランク厚みd(図1aに示されていない)を有する。
【0029】
前記包装体用ブランク10は、消費者製品用包装体14、特に、たばこ、シガリロ、葉巻のような喫煙具のための包装体14に折り曲げて組み立て可能である。このような物品は、単に、「喫煙具」と呼ぶことができる。しかし、本発明は、たばこ用包装に制限されない。むしろ、前記包装体用ブランク10は、あらゆる消費者製品を包装するために使用することができる。
【0030】
前記包装体用ブランク10は、少なくとも、蓋体上壁パネル16a、蓋体上壁カウンターパネル16b、第1安定化フラップ16c及び第2安定化フラップ16dを備える。前記包装体用ブランク10は、前記包装体14に折り曲げて組み立てることができるように、前記包装体14における蓋体12の蓋体上壁16が、前記蓋体上壁パネル16a、前記蓋体上壁カウンターパネル16b、前記第1安定化フラップ16c及び前記第2安定化フラップ16dを備える。
【0031】
図1aの包装体用ブランク10を折り曲げて組み立てることにより得られた包装体14における蓋体12の内側が、図1bに示されている。前記蓋体上壁パネル16aの外側表面16a−1は、前記蓋体上壁16の外側表面を形成している。該外側表面16a−1は、図1bに示されていない。前記蓋体上壁カウンターパネル16b、前記第1安定化フラップ16c及び前記第2安定化フラップ16dそれぞれは、(前記蓋体上壁パネル16aの前記外側表面16a−1に対向する)前記蓋体上壁パネル16aの接触表面16a−2に、直接結合可能になっている/結合されている。図1bに見られるように、前記蓋体上壁カウンターパネル16b、前記第1安定化フラップ16c及び前記第2安定化フラップ16dそれぞれは、前記蓋体上壁パネル16aの前記接触表面16a−2に直接結合されて、前記第1安定化フラップ16cにおける端縁18の少なくとも一部が、前記蓋体上壁カウンターパネル16bにおける第1端縁20の少なくとも一部に合わさるようになっている(前記第1安定化フラップ16cの前記端縁18は、前記蓋体上壁パネル16aの前記接触表面16a−2に接触している前記第1安定化フラップ16cの接触表面16c−1と、前記蓋体12の内側を向く前記第1安定化フラップ16cの内側表面16c−2との間にあるものとして定義される。同様に、前記蓋体上壁カウンターパネル16bの第1/第2端縁20は、前記蓋体上壁パネル16aの前記接触表面16a−2に接触している前記蓋体上壁カウンターパネル16bの接触表面16b−2と、前記蓋体上壁カウンターパネル16bの内側表面16b−1との間にあるものとして定義される。)。さらに、前記第2安定化フラップ16dの端縁20の少なくとも一部は、前記蓋体上壁カウンターパネル16bにおける第2端縁20の少なくとも一部に合わさる(前記第2安定化フラップ16dの前記端縁22は、前記蓋体上壁パネル16aにおける前記接触表面16a−2に接触している前記第2安定化フラップ16dの接触表面16d−1と、前記蓋体12の内側を向く前記第2安定化フラップの内側表面16d−2との間にあるものとして定義される。)。
【0032】
このようにして、前記蓋体上壁カウンターパネル16b、前記第1安定化フラップ16c及び前記第2安定化フラップ16dは、ともに、前記ブランク厚みdに実質的に等しい層の厚みを有する単一層を形成している。このため、前記蓋体上壁16の総厚みは、単に前記ブランク厚みdの2倍に、前記蓋体上壁パネル16aと構成要素16b〜16dとの間における接着層の厚みを加えた厚みとなる。このため、図1bに示された蓋体12の厚みは、何らカウンターパネル16bを備えない(且つ、さらに、先行技術と比較してより薄い蓋体上壁16を有する)、標準的なヒンジ式の喫煙具用包装の蓋体の厚みと実質的に同じになる。このように、いくつかの標準的な喫煙具用包装体と同じくらい、前記蓋体12を備える前記包装体14の封止が容易となる。
【0033】
さらに、図1bに見られるように、前記第1安定化フラップ16cの前記端縁18及び前記第2安定化フラップ16dの前記端縁22それぞれは、前記蓋体上壁カウンターパネル16bの端縁20に直接接触している。このように、前記第1安定化フラップ16cの前記端縁18及び前記第2安定化フラップ16dの前記端縁22それぞれは、前記蓋体上壁カウンターパネル16bの前記端縁20に寄りかかっている。前記蓋体上壁カウンターパネル16bの前記端縁20に対して、前記二つの安定化フラップ16c及び16dの前記端縁18及び22が寄りかかっていることは、さらに前記蓋体12の機械的安定性を増加させる。このため、前記蓋体12は、標準的な喫煙具用包装体と比較して、該蓋体12に作用するあらゆる圧力/力、特に、前記蓋体上壁16及び前記蓋体12のいくつかの側壁における外側表面に作用するあらゆる圧力/力に対する抵抗が向上されていることを示す。
【0034】
さらに、前記蓋体上壁カウンターパネル16bの前記接触表面16b−2が、前記蓋体上壁パネル16aの前記接触表面16a−2に直接結合されるため、有利には、前記蓋体上壁カウンターパネル16bの前記内側表面16b−1は、前記蓋体12の内側を向いており、それによって、前記蓋体12内に内側印刷領域が付与され、該内側印刷領域では、前記包装体14を開けたときに、前記蓋体上壁カウンターパネル16bの前記内側表面16b−1に、少なくとも、一つの文字、記号及び/又はあらゆる他の印が使用者に見えるようになっている。
【0035】
このため、前記蓋体上壁16に追加された前記蓋体上壁カウンターパネル16bが、前記包装体14に追加的印刷スペースを付与するために、図1a及び1bの実施形態は、標準的なヒンジ式の包装体と比較して、前記包装体14に、消費者に知らせるために必要な印刷情報を十分に付与することを容易にする。
【0036】
さらに、前記蓋体上壁カウンターパネル16bの前記内側表面16b−1に少なくとも一つの印(例えば少なくとも一つの文字及び/又は記号)が、(折り曲げて組み立てられていない包装体用ブランク10の)前記第1ブランク面10−1に印刷されるため、前記蓋体上壁カウンターパネル16bの前記内側表面16b−1における少なくとも一つの印は良好な印刷品質を有する。さらに、前記第1ブランク面10−1は、前記包装体14の(ほとんど)全ての外側表面に使用することもできる。それゆえに、(折り曲げて組み立てられていない包装体用ブランク10の)前記第1ブランク面10−1のみが印刷される一回だけの印刷パスにより、前記包装体14における前記外側表面の他の全ての印刷とともに、前記蓋体上壁カウンターパネル16bの前記内側表面16b−1に少なくとも一つの印を付与することが可能となる。このように、前記第2ブランク面10−2は、前記蓋体12の内側に情報を表示するために印刷される必要がある。
【0037】
図1aの実施形態において、前記包装体用ブランク10は、前記蓋体上壁パネル16a、(第1折曲線26aにより前記蓋体上壁パネル16aから区切られている)蓋体前壁パネル24a、(第2折曲線26bにより前記蓋体前壁パネル24aから区切られている)蓋体前壁カウンターパネル24b及び(第3折曲線26cにより前記蓋体前壁カウンターパネル24bから区切られている)前記蓋体上壁カウンターパネル16bを備える。前記包装体用ブランク10に形成された前記蓋体12は、蓋体前壁24を備え、該蓋体前壁24は、(蓋体前壁24の外側の)前記蓋体前壁パネル24a及び(蓋体前壁24の内側の)前記蓋体前壁カウンターパネル24bにより形成されている。
【0038】
図1aに見られるように、前記包装体用ブランク10は、さらに、蓋体後壁パネル28aを備え、該蓋体後壁パネル28aは、(前記第1折曲線26aに対向する)第4折曲線26dにより前記蓋体上壁パネル16aから区切られている。このように、前記蓋体12に、前記蓋体後壁パネル28aが形成された(前記蓋体前壁24に対向する)蓋体後壁28を付与することが可能となる。
【0039】
前記包装体用ブランク10を折り曲げて組み立てるために、さらに有利には、前記包装体用ブランク10は、二つのサイドフラップ30a及び32aの第1の組を備え、該第1の組それぞれのサイドフラップ30a及び32aは、少なくとも別の折曲線31により(二つのサイドフラップ30a及び32aの前記第1の組の間に位置する)前記蓋体前壁パネル24aから区切られており、前記包装体用ブランク10は、二つのサイドフラップ30b及び32bの第2の組を備え、該第2の組それぞれのサイドフラップ30b及び32bは、少なくとも別の折曲線31により(二つのサイドフラップ30b及び32bの前記第2の組の間に位置する)前記蓋体後壁パネル28aから区切られている。これにより、前記包装体用ブランク10に形成される前記包装体14の前記蓋体12に、前記第1の組のうちの第1サイドフラップ30a及び前記第2の組のうちの第1サイドフラップ30bにより形成される第1蓋体側壁30、並びに、前記第1の組のうちの第2サイドフラップ32a及び前記第2の組のうちの第2サイドフラップ32bにより形成される(前記第1蓋体側壁30に対向する)第2蓋体側壁32を、付与することが容易になる。
【0040】
図1a及び1bの実施形態において、前記第1安定化フラップ16cは、第5折曲線26eにより前記第2の組のうちの前記第1サイドフラップ32bから区切られており、前記第2安定化フラップ16dは、第6折曲線26fにより前記第2の組のうちの前記第2サイドフラップ32bから区切られている。しかし、他の実施形態においては、さらに、前記第1の組のうちの前記第1サイドフラップ30aに隣接した前記第1安定化フラップ16c、及び/又は、前記第1の組のうちの前記第2サイドフラップ32aに隣接した前記第2安定化フラップ16dを付与することも可能である。
【0041】
図1aに示した前記包装体用ブランク10は、標準的なヒンジ式の蓋体を備えた包装のように、前記蓋体12が、開いた位置と閉じた位置との間において前記容器34に対して回転可能となるように、前記蓋体12が、ヒンジ36を介して前記包装体14の容器34に連結するようにして前記包装体14を形成するために設計されている。図1bは、前記蓋体12及び前記容器34を備えている前記包装体14を示し、前記蓋体は開いた位置となっている。このようにして、前記包装体14の購買者は、前記容器34の開放側を通して、前記包装体14から物品を取り出すことができる。前記容器34の開放側は、前記蓋体12が閉じた位置となったときに(図示せず)、前記蓋体12により覆われる。前記容器34に前記ヒンジ36を介した前記蓋体12の有利な連結を付与するために、前記包装体用ブランク10は、さらに、容器後壁パネル38aを備え、該容器後壁パネル38aは、第7折曲線26gにより前記蓋体後壁パネル28aから区切られている。このようにして、前記容器34の容器後壁38を前記容器後壁パネル38aにより形成することが可能となる。さらに、前記第7折曲線26gは、前記容器34に前記蓋体12をつなぐためのヒンジ36としても作用する。
【0042】
前記包装体用ブランク10は、さらに、(第8折曲線26hにより前記容器後壁パネル30aから区切られた)容器下壁パネル40a及び(第9折曲線26iにより前記容器下壁パネル40aから区切られた)容器前壁パネル42aを備える。このようにして、容器下壁40を少なくとも部分的な前記容器下壁パネル40aにより、及び、(前記容器後壁38に対向する)容器前壁42を前記容器前壁パネル42aにより形成することが可能となる。図1aに示された前記包装体用ブランク10は、さらに、二つの容器サイドフラップ44a及び46aの第1の組を備え、該第1の組それぞれの容器サイドフラップ44a及び46aは、少なくとも別の折曲線31により、(二つの容器サイドフラップ44a及び46aの前記第1の組の間に位置する)前記容器後壁パネル38aから区切られており、且つ、二つの容器サイドフラップ44b及び46bの第2の組を備え、該第2の組それぞれの容器サイドフラップ44b及び46bは、少なくとも別の折曲線31により、(二つの容器サイドフラップ44b及び46bの前記第2の組の間に位置する)前記容器前壁パネル42aから区切られている。これにより、前記第1の組のうちの第1容器サイドフラップ44a及び前記第2の組のうちの第1容器サイドフラップ44bを備える第1容器側壁44、並びに、前記第1の組のうちの第2容器サイドフラップ46a及び前記第2の組のうちの第2容器サイドフラップ46bを備える(前記第1容器側壁44に対向する)第2容器側壁46、の形成が容易になる。
【0043】
最後に、第1強化舌部40bは、第10折曲線26jにより前記第1の組のうちの前記第1容器サイドフラップ44aから区切られていてもよく、第2強化舌部40cは、第11折曲線26kにより前記第1の組のうちの前記第2容器サイドフラップ46aから区切られていてもよい(前記第1強化舌部40bは、さらに、前記第2の組のうちの前記第1容器サイドフラップ44bに隣接していてもよく、及び/又は、前記第2強化舌部40cは、前記第2の組のうちの前記第2容器サイドフラップ46bに隣接していてもよい。)。これら全ての場合において、前記容器下壁パネル40a、前記第1強化舌部40b及び前記第2強化舌部40cから前記容器下壁40を形成することが可能となる。前記容器下壁パネル40aの外側表面は、前記容器下壁40の外側表面を形成してもよく、このとき、前記第1強化舌部40b及び前記第2強化舌部40cが、前記容器下壁パネル40aの接触表面に結合される。このようにして、前記容器下壁40の良好な安定性が確保される。
【0044】
図1a及び1bの例示として、(前記包装体用ブランク10が折り曲げて組み立てられる前において)前記第1折曲線26aは、前記第3折曲線26cに対して平行である。特に、全ての折曲線26a〜26kは、前記包装体用ブランク10を前記包装体14に折り曲げて組み立てられる前において、それぞれが互いに平行であってもよい。さらに、図1aに見られるように、前記第3折曲線26cに対して平行な前記蓋体上壁カウンターパネル16bの最大寸法、例えば最大長さは、前記第1折曲線26aに対して平行な、すなわち、前記蓋体上壁パネル16a及び前記蓋体上壁カウンターパネル16bの長手方向における前記蓋体上壁パネル16aの最大寸法又は最大長さよりも短くてもよい。これにより、前記蓋体上壁カウンターパネル16bの前記接触表面16b−2により覆われない、前記蓋体上壁パネル16aにおける前記接触表面16a−2の「残余」領域が確保され、前記第1安定化フラップ16cの前記端縁18及び前記第2安定化フラップの前記端縁22それぞれが、前記蓋体上壁カウンターパネル16bの前記端縁20に接触するように、前記二つの安定化フラップ16c及び16dを結合するために十分な領域が確保される。さらに、(図1aに示すように)前記第3折曲線26cに平行な前記蓋体上壁カウンターパネル16bの最大寸法は、前記蓋体前壁カウンターパネル24bの最大寸法よりも小さい。好ましくは、前記蓋体上壁カウンターパネル16bは、長方形状である。
【0045】
図1bに見られるように、前記蓋体12及び前記容器14は、丸角に形成されてもよく、それぞれの丸角は、二つの隣接している蓋体壁24、28、30及び32/容器壁38、42、44及び46の間に配されている。このことは、サイドフラップ30a、30b、32a、32b、44a、44b、46a及び46bそれぞれと、これらに隣接したパネル24a、28a、38a及び42aそれぞれとの間に、いくつかの折曲線31を挿入することにより可能となる。
【0046】
前記包装体14は、さらに、フレームを備えていてもよく、該フレームは、前記容器34の開放側に部分的に突き出しており、前記蓋体12が閉じた位置のときに前記蓋体12の内側に接触するように、U字状に折り曲げられ、且つ、前記容器34の内側に接続されている。このため、図1aには、さらに、前記フレームを折り曲げて組み立てるためのブランク48が示されている。図1aに見られるように、前記ブランク48は、フレームパネル48aと、該フレームパネル48aの各側端部に二つのフレームサイドフラップ48b及び48cとを備えてもよい。前記フレームを折り曲げて組み立てた後に、前記フレームパネル48aとフレームサイドフラップ48b及び48cそれぞれとの間に丸角を付与するために、前記フレームパネル48aとフレームサイドフラップ48b及び48cそれぞれとの間にいくつかの折曲線50が配されてもよい。さらに、前記フレームは、好ましくは、前記蓋体12が閉じた位置のときに、摩擦を引き起こすために外側に突き出ている(折曲線31の間に)一対の突起52を有する。
【0047】
図2は、第2実施形態に係る消費者製品用包装体を折り曲げて組み立てるための包装体用ブランクの平面図である。
【0048】
図2の実施形態においては、サイドフラップ30a、30b、32a、32b、44a、44b、46a及び46bそれぞれは、二つの折曲線31により、これらに隣接するパネル24a、28a、38a及び42a、並びに、(二つの折曲線31の間の)中間帯54から区切られている。このようにして、八角形の蓋体上壁16及び八角形の容器下壁40を備える包装体14を形成することが可能となる。さらに、サイドフラップ30a、30b、32a、32b、44a、44b、46a及び46bそれぞれと、これらに隣接するパネル24a、28a、38a及び42aとの間に、一つの折曲線31のみを付与することにより、(厳密な)四角形状の包装体14を形成することが可能となる。
【0049】
図3a及び3bは、第3実施形態に係る、消費者製品用包装体を折り曲げて組み立てるための包装体用ブランクの平面図及び該包装体用ブランクから形成された包装体の斜視図である。
【0050】
図3a及び3bの実施形態は、前記蓋体上壁カウンターパネル16b並びに前記安定化フラップ16c及び16dの形状において、図1a及び1bに例示したものと異なる。図3a及び3bの実施形態においては、前記蓋体上壁カウンターパネル16bにおける前記内側表面16b−1及び前記接触表面16b−2の両方が、台形である。前記包装体用ブランク10が折り曲げて組み立てられる前において、前記蓋体上壁カウンターパネル16bは、前記第3折曲線26cに隣接した第1基端、及び、前記第3折曲線26cに対向している前記蓋体上壁カウンターパネル16bの末端に、前記第1基端に並行で且つ該第1基端より小さい第2基端を有する。さらに、前記安定化フラップ16c及び16dは、傾斜している/台形である。ここでも、前記蓋体上壁パネル16aの前記外側表面16a−1は、前記蓋体上壁16の前記外側表面を形成している。前記蓋体上壁カウンターパネル16b、前記第1安定化フラップ16c及び前記第2安定化フラップ16dのぞれぞれは、(前記蓋体上壁パネル16aの前記外側表面16a−1に対向する)前記蓋体上壁パネル16aの接触表面16a−2に直接結合している。前記第1安定化フラップ16cにおける端縁18の少なくとも一部は、前記蓋体カウンターパネル16bの第1端縁20の少なくとも一部に合わさり、且つ、前記第2安定化フラップ16dにおける端縁22の少なくとも一部は、前記蓋体カウンターパネル16bの第2端縁20の少なくとも一部に合わさる。これは、特に、前記安定化フラップ16c及び16dの傾斜/台形の形状、並びに、前記蓋体上壁カウンターパネル16bの形状により、(前記蓋体上壁パネル16aの前記接触表面16a−2に、それらが直接結合された後において)確実にされる。
【0051】
図4は、第4実施形態に係る消費者製品用包装体を折り曲げて組み立てるための包装体用ブランクの平面図である。
【0052】
図4に示した包装体用ブランク10は、サイドフラップ30a、30b、32a、32b、44a、44b、46a及び46bを、それらに隣接するパネル24a、28a、38a及び42aから区切る折曲線31の数においてのみ、図3に例示したものと異なる。
【0053】
上記した全ての実施形態は、蓋体上壁パネル16aに直接結合された蓋体上壁カウンターパネル16bを有する。さらに、(前記安定化フラップ16c及び16dの端縁18及び22が、前記蓋体上壁カウンターパネル16bの前記端縁20に接触するようにして、前記蓋体上壁パネル16aの前記接触表面16a−2に、それらを直接結合させることを可能にする)前記安定化フラップ16c及び16dを減らすこと/調節することは、蓋体の安定性をかなり改善する。これにより、前記蓋体12が形状を維持するための、該蓋体における剛性の強化がさらに確保される。
【符号の説明】
【0054】
10:包装体用ブランク、10−1:第1ブランク面、10−2:第2ブランク面、
12:蓋体、
14:包装体、
16:蓋体上壁、16a:蓋体上壁パネル、16a−1:外側表面、16a−2:接触表面、16b:蓋体上壁カウンターパネル、16b−1:内側表面、16b−2:接触表面、16c:第1安定化フラップ、16d:第2安定化フラップ、
18〜22:端縁、
24:蓋体前壁、24a:蓋体前壁パネル、24b:サイド前壁カウンターパネル、
26a〜26k:折曲線、
28:蓋体後壁、28a:蓋体平面パネル、
30:第1蓋体側壁、30a及び30b:サイドフラップ、
31:折曲線、
32:第2蓋体側壁、32a及び32b:サイドフラップ、
34:容器、
36:ヒンジ、
38:容器後壁、38a:容器後壁パネル、
40:容器下壁、40a:容器下壁パネル、
42:容器前壁、42a:容器前壁パネル、
44:第1容器側壁、44a及び44b:容器サイドフラップ、
46:第2容器側壁、46a及び46b:容器サイドフラップ、
48:ブランク、48a:フレームパネル、48b及び48c:フレームサイドフラップ、
50:折曲線、
52:突起、
54:中間帯
図1a
図1b
図2
図3a
図3b
図4