特許第6987055号(P6987055)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6987055
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】廃ガス処理装置および方法
(51)【国際特許分類】
   F23G 7/06 20060101AFI20211213BHJP
【FI】
   F23G7/06 101Z
   F23G7/06 DZAB
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-525584(P2018-525584)
(86)(22)【出願日】2016年10月27日
(65)【公表番号】特表2018-534522(P2018-534522A)
(43)【公表日】2018年11月22日
(86)【国際出願番号】GB2016053338
(87)【国際公開番号】WO2017085453
(87)【国際公開日】20170526
【審査請求日】2019年10月7日
(31)【優先権主張番号】1520427.4
(32)【優先日】2015年11月19日
(33)【優先権主張国】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507261364
【氏名又は名称】エドワーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】ナイト ゲアリー ピーター
【審査官】 岩▲崎▼ 則昌
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭52−160273(JP,U)
【文献】 特開昭56−018292(JP,A)
【文献】 特開平7−233913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23G 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃ガスを処理する処理装置であって、
燃焼チャンバを有し、
バーナを有し、
二次燃焼用空気を受け入れる入口を有し、
排気ガスを前記燃焼チャンバから出力する排気ガス出口を有し、
第1および第2の流体流路をそれぞれ通って流れる第1の流体と第2の流体との間で熱を交換する熱交換器を有し,前記第1の流体流路は、前記二次燃焼用空気が前記入口から前記第1の流体流路中に流れるよう前記入口に連結され、前記第2の流体流路は、前記出口のところで受け入れられた前記排気ガスが前記第2の流体流路中に流れるよう前記出口に連結され、
前記熱交換器は、前記第2の流体から前記第1の流体中への前記排気ガスの一部分の流れのための経路となる流体流れ連通経路を有し、
前記第1の流体を前記燃焼チャンバに入力するための複数の入口孔を有し、前記複数の入口孔の少なくとも1つは、流体偏向要素を有し、前記流体偏向要素は、前記少なくとも1つの入口孔によって出力された流体を偏向させて前記バーナから遠ざけるよう構成されており、
前記処理装置は、前記燃焼チャンバおよび前記熱交換器の周りに配置された冷却ジャケットを有し、前記冷却ジャケットは、冷却用流体の流れを受け入れるよう構成され、前記熱交換器は、前記排気ガスの流れが前記熱交換器の外周周りで互いに異なる配置場所に配置された複数の出力孔のところで前記冷却ジャケット内の前記冷却用流体に出力されるよう構成されている、処理装置。
【請求項2】
前記流体流れ連通経路は、前記第1の流体への前記第2の流体の所定の量および比率のうちの少なくとも一方を提供するよう構成されている、請求項1記載の処理装置。
【請求項3】
前記流体流れ連通経路は、前記第2の流体流路から前記第1の流体流路内のベンチュリ中に延びる較正流れ入口を有する、請求項1または2記載の処理装置。
【請求項4】
前記ベンチュリは、前記較正流れ入口に向いていて増大した圧力状態にあるガスを受け入れるよう洗浄モードで動作可能な入口を有し、前記増大した圧力状態にあるガスは、前記較正流れ入口から粒子を取り除くよう作用する、請求項3記載の処理装置。
【請求項5】
前記第1の流体流路は、複数の管を有し、前記第2の流体流路は、別の管を有し、前記複数の管は、前記別の管内に位置している、請求項1〜4のうちいずれか一に記載の処理装置。
【請求項6】
前記複数の管は、前記別の管内に配置された内側管に連結されていて、前記第1の流体は、前記複数の管から前記内側管に流れ、前記複数の入口孔は、前記内側管の内面上に位置する、請求項5記載の処理装置。
【請求項7】
前記複数の出力孔は、前記別の管の円周方向外面周りに配置されている、請求項5または6記載の処理装置。
【請求項8】
前記別の管は、一端部で前記排気ガスを受け入れるよう構成され、前記複数の出力孔は、前記別の管の他端部寄りに配置されている、請求項7記載の処理装置。
【請求項9】
前記複数の出力孔は、前記別の管の前記外面の周囲に沿って螺旋状に配置されている、請求項7または8記載の処理装置。
【請求項10】
前記複数の入口孔は、前記燃焼チャンバの外面の長さに沿って複数のリングの状態に配置された複数の入口孔を含む、請求項1〜9のうちいずれか一に記載の処理装置。
【請求項11】
前記複数の入口孔は、前記燃焼チャンバの長さに沿って変化するサイズを有する複数の入口孔を含む、請求項1〜10のうちいずれか一に記載の処理装置。
【請求項12】
前記バーナは、直火バーナを含む、請求項1〜11のうちいずれか一に記載の処理装置。
【請求項13】
前記バーナは、複数のバーナヘッドを有する、請求項1〜12のうちいずれか一に記載の処理装置。
【請求項14】
前記排気ガス出口は、前記バーナとは反対側の前記燃焼チャンバの端部のところに位置している、請求項1〜13のうちいずれか一に記載の処理装置。
【請求項15】
前記熱交換器は、前記燃焼チャンバの周りに配置されている、請求項1〜14のうちいずれか一に記載の処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃ガスを処理する処理システム、特に燃焼チャンバ内にバーナを備えたかかるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体を処理するためのプロセス、例えばプロセスチャンバから出力された廃ガスは、望ましくない化学物質の排出量を減少させるための処理を必要とする。例えば、半導体製造業界は、プロセスツールからポンプ輸送された廃ガス中に残留ペルフルオロ化合物(PFC)および他の危険なプロセスガス、例えばNH3およびNF3を含んだ状態で排出する場合がある。これらの化学物質は、廃ガスから除去するのが困難な場合があり、環境中へのこれらの放出は、これらが有毒である場合がありかつ/あるいは比較的高い温室効果作用を有する場合があるので望ましくない。かくして、処理または除害装置がこれら望ましくない化学物質を減少させて排出されないようにするために必要とされる。
【0003】
公知の処理装置は、廃ガス流から望ましくない化合物を除去するために燃焼を用いている。燃焼および除害効率を向上させて、危険なプロセスガス、例えばNH3およびNF3を除去するだけでなく燃焼副生物(例えば、CO、HCおよびNOX)のエミッション(排出、emission)を減少させることが望ましい。
【0004】
多くのかかる燃焼チャンバ内では、燃料と空気の混合物が火炎を生じさせるためにバーナに供給され、二次燃焼用空気が燃焼チャンバに追加される。しかしながら、この二次燃焼用空気がバーナヘッドの下流側に追加されると、バーナヘッド上の火炎構造が乱される場合があり、しかもプロセスガスがバーナヘッドを通過した直後に燃焼チャンバの温度が急に下がる場合があり、それにより高温ゾーン内のプロセスガスの有用な滞留時間が制限される。火炎のこの乱れにより、バーナヘッドに密接してプロセスガス(例えば、シラン)を生成する粒子の燃焼が生じ、その結果、バーナヘッド上に、更に重要なこととしてプロセス入口ノズル内にシリカが堆積する。また、火炎構造の乱れにより、プロセスガスが火炎をバイパスし、その結果、プロセスガス、例えば三フッ化窒素の放出が必要な程度以上に高くなる。また、火炎の時期尚早なクエンチングにより、一酸化炭素および未燃焼炭化水素の必要レベルよりも高いエミッションが生じる。
【0005】
燃焼ゾーンの時期尚早なクエンチングは、アンモニアの削減が検討されている場合に補足的な作用効果を有する。現在、水素ガスの実質的な流れは、アンモニアプロセスガスの流れに加えられなければならず、それにより燃焼チャンバ温度および高い温度ゾーンの長さが窒素および水素への全てのアンモニアの熱分解を可能にし、その後の水素の燃焼を可能にするのに十分であるようにする。例えば三フッ化窒素またはアンモニアのような化学種を含む窒素の燃焼により、燃料‐NOX機構により相当な量の窒素酸化物が生成する場合がある。環境規制により、これらエミッションを減少させることが必要である。これを行う一手法は、燃焼チャンバ内に酸素の少ない空気を使用することであり、これは、排気ガスを再循環させることによって実施できるが、この場合もまた、過度の乱流をもたらす場合があり、上述した関連の問題が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
過度の乱流を生じさせず、それにより燃焼プロセス中に生じる粒子が排出されずに、燃焼チャンバの部品、例えばバーナヘッドを汚すことがないようにすることができる、火炎と流入ガスの良好な混合を提供することが望ましい。また、効果的な燃焼をもたらす一方で、排出されるNOX化合物の量を制限することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点では、廃ガスを処理する処理装置であって、燃焼チャンバと、バーナと、二次燃焼用空気を受け入れる入口と、排気ガスを燃焼チャンバから出力する排気ガス出口と、第1および第2の流体流路をそれぞれ通って流れる第1の流体と第2の流体との間で熱を交換する熱交換器とを有し,第1の流体流路は、二次燃焼用空気が入口から第1の流体流路中に流れるよう入口に連結され、第2の流体流路は、出口のところで受け入れられた排気ガスが第2の流体流路中に流れるよう出口に連結され、熱交換器は、第2の流体から第1の流体中への排気ガスの一部分の流れのための経路となる流体流れ連通経路を有し、処理装置は、第1の流体を燃焼チャンバに入力するための少なくとも1つの入口孔を更に有することを特徴とする処理装置が提供される。
【0008】
本発明の発明者は、プロセスガスを処理するための燃焼チャンバを最適化する場合、特に二次燃焼用空気を燃焼チャンバに入力する場合に競合する要件が存在することを認識した。この点に関し、混合が燃焼を向上させる場合に二次燃焼用空気と廃ガスとの混合が必要であるが、燃焼チャンバ内における乱流の増大により、マイナスの効果が生じる場合があり、場合によって高温領域内における廃ガスの滞留時間が減少し、廃ガスのうちの何割かによるこの領域のバイパスの可能性があり、粒子が燃焼中に生じる場合にはバーナヘッドのファウリングが生じる。
【0009】
これらの問題は、二次燃焼用空気が低温である場合、そしてこの二次燃焼用空気が、酸素の少ない空気の源として燃焼チャンバからの排気ガスを含む場合、悪化することがある。かかるガスは、燃焼チャンバ内の粒子を増加させ、それにより乱流が一問題であるファウリングが増大する。
【0010】
これら競合する問題は、本発明では熱交換器を用いて排気ガスの流れと二次燃焼用空気の流れとの間で熱を交換することによって対処された。これにより、二次燃焼用空気を燃焼チャンバへの導入に先立って予熱することができるだけでなく、排気ガスを冷却するという別の利点が得られ、それによりこのシステムからのその排出を安価なダクトの使用によりそして安全な仕方で実施することができる。さらに、排気ガスの一部分を二次燃焼用空気と混合させるようになった熱交換器を用いると、2つの流体の幾分かの混合が燃焼チャンバへの導入に先立って起こる場合、酸素含有量が減少した二次燃焼用空気が得られる。
【0011】
上述したように、排気ガスを燃焼チャンバ中に導入する場合の問題は、もっともなこととして排気ガス中に粒子が含まれていることがあり、それにより乱流を制御することが特に重要になるということである。2つの流体の流れ相互間で熱を交換するだけでなく排気ガスの一部分を二次燃焼用空気流中に導入することができる熱交換器を用いることにより、予熱され、そして単一の流れとして燃焼チャンバ中に導入できる酸素含有量の少ない二次燃焼用空気流が得られる。ガスを単一の流れで導入することにより、一方だけの流体流れについて実施されるべき必要とされる混合および乱流の制御が可能であり、予熱され、そして酸素含有量の減少した燃焼用空気を提供するという追加の利点が得られる。さらに、冷却された排気ガスもまた生じる。
【0012】
幾つかの実施形態では、流体流れ連通経路は、第1の流体への第2の流体の所定の量および比率のうちの少なくとも一方を提供するよう構成されている。
【0013】
二次燃焼用空気中への排気ガスの一部分の追加は、その燃焼用空気の酸素含有量を減少させるのを助けるとともに更に入口ガスの幾分かの追加の加温をもたらすのを助けることができる。しかしながら、プロセスガスの燃焼が所望量の酸化をもたらす場合にはこのガスの量を制御することが重要である。この点に関し、酸素減少空気を追加することにより、望ましくないNOXガスとなる窒素ガスの酸化量を減少させることができるが、存在する他のガスが酸化を必要とすることになる。かくして、酸素の減少量を制御することが重要であり、これは、二次燃焼用空気に追加される排気ガスの比率および/または量を制御することによって達成できる。
【0014】
幾つかの実施形態では、流体流れ連通経路は、第2の流体流路から第1の流体流路内のベンチュリ中に延びる較正流れ入口を有する。
【0015】
第1の流体に対するこの第2の流体の所定の比率を提供する一手法は、較正流れ入口を備えたベンチュリの使用による。ベンチュリは、可動部品を備えていない単純な装置であるという利点を有する。燃焼チャンバの近くの環境は、極めて高温であり、排気ガスは、酸性である場合がありかつ粒子を含む場合がある。かくして、これらの環境では、可動部品を備えた装置は、故障する場合がある。さらに、これら装置は、不便であると言える点検整備を必要とする場合がある。ベンチュリの使用によりこれらの欠点が回避され、またかかるベンチュリの使用は、所望の量の排気ガスを二次燃焼用流れに提供するという単純ではあるがエレガントな手法であり、それによりかかる排気ガス量を処理されるべき廃ガスに基づく較正流れ入口の選択によって定めることができる。
【0016】
幾つかの実施形態では、ベンチュリは、較正流れ入口に向いていて、増大した圧力状態にあるガスを受け入れるよう洗浄モードで動作可能な追加の入口を有し、増大した圧力状態にあるガスは、較正流れ入口から粒子を取り除くよう作用する。
【0017】
ベンチュリは、可動部品を備えておらず、したがって所要量の流体を提供する手堅いやり方であるが、ベンチュリは、流体が粒子を含む場合には閉塞状態になる場合がある。かくして、較正流れ入口を洗浄ガスのブラストで定期的に洗浄することができるよう較正流れ入口に面した入口を提供することが有利な場合があり、それにより、入口表面周りに堆積している場合のある粒子の除去が可能である。
【0018】
幾つかの実施形態では、第1の流体流路は、複数の管を有し、第2の流体流路は、別の管を有し、複数の管は、この別の管内に位置している。
【0019】
熱交換器は、2つの流体相互間の熱を交換することができる表面が設けられることを条件として、多くの仕方で設計することができるが、熱交換器を提供する都合の良い一手法は、加熱されるべき燃焼用空気である第1の流体を受け入れる複数の管を提供することによってであり、これら複数の管は、別の管内に位置し、排気ガスの流れを含む第2の流体がこの別の管を通って流れるようにする。このようにすると、排気ガスは、二次燃焼用空気を流通させる管を加熱する。注目されるべきこととして、2つの流体の流れ方向が互いに逆であり、その結果、最も高温の排気ガスが既に加熱された燃焼用空気に接触すれば望ましい。かくして、排気ガスは、バーナから見て遠くに位置する燃焼チャンバの端部から出ることができ、そしてバーナに向かって燃焼チャンバ壁に沿って移動することができ、これに対し、二次燃焼用空気は、バーナの近くの端部で入力されて排気ガス入口に向かって移動することができる。
【0020】
幾つかの実施形態では、処理装置は、燃焼チャンバおよび熱交換器の周りに配置された冷却ジャケットを有し、冷却ジャケットは、冷却用流体の流れを受け入れるよう構成され、熱交換器は、排気ガス流れが熱交換器の外周周りの互いに異なる配置場所に配置された複数の出力孔のところで冷却ジャケット内の冷却用流体に出力されるよう構成される。
【0021】
燃焼チャンバおよび熱交換器の外面を安全上の理由で冷却することが望ましい場合があり、かくして、冷却用空気であるのが良く冷却用空気であっても良い冷却用流体を保持する冷却ジャケットが燃焼チャンバおよび熱交換器の周りに配置されるのが良く、そして冷却用空気の流れがこれを通過するのが良い。燃焼チャンバから排出されるべき排気ガスは、この冷却用流体に出力されるのが良く、これにより、これらの温度が減少し、排気ガスを燃焼チャンバから、より安全な仕方でダクトの加熱具合を減少させた状態で導き出すことができる。さらに、排気ガスが互いに異なる円周方向場所に配置された複数の孔を経て冷却用流体に出力される場合、排気ガスは、冷却用流体と混合し、これによりダクトの局所加熱が回避されまたは少なくとも部分的に減少し、それにより広範な材料を用いてこれらダクトを形成することができ、しかも安全な使用が可能である。
【0022】
幾つかの実施形態では、複数の出力孔は、上述の別の管の円周方向外面周りに配置される。
【0023】
熱交換器が燃焼用空気を外側管内で流通させる複数の管を有し、排気ガスがこの外側管を通って流れる場合、排気ガスを出力する孔は、この別の管の円周方向外面に沿って配置されるのが良く、幾つかの場合、これら孔は、周囲に沿ってぐるりと螺旋状に配置されるのが良く、その結果、互いに異なる円周方向位置だけでなく別の長手方向位置においてもこれらの出力が行われ、それにより排気ガスと冷却用流体の混合が一段と促進される。
【0024】
幾つかの実施形態では、上述の別の管は、一端部で排気ガスを受け入れるよう構成され、複数の出力孔は、この別の管の他端部寄りに配置される。
【0025】
排気ガスは、出力に先立って熱交換器を通って流れるので、出力は、排気ガスの入口から見て遠くに位置する別の管の端部のところに位置することが望ましい場合があり、それにより二次燃焼用空気との熱の交換時間を得ることができる。
【0026】
幾つかの実施形態では、複数の管は、別の管内に配置された内側管に連結されていて、第1の流体は、複数の管から内側管に流れ、少なくとも1つの孔は、内側管の内面上に位置する複数の入口孔を含む。
【0027】
二次燃焼用空気は、チャンバ壁に設けられた孔を経て燃焼チャンバに出力されるのが良い。チャンバ壁は、パイプ状構造体の内面を形成するのが良く、二次燃焼用ガスは、熱交換器を出る際にこのパイプ状構造体中に出力される。
【0028】
幾つかの実施形態では、複数の入口孔は、燃焼チャンバの外面の長さに沿って複数のリングの状態に配置される。
【0029】
上述したように、燃焼チャンバ中への二次燃焼用空気の入力は、燃焼チャンバの温度を減少させるという望ましくない効果を有する場合があり、それにより火炎のクエンチングが生じるとともに、結果として粒子がバーナヘッド上に集まるようにする場合のある過度の乱流が生じる。しかしながら、燃焼中における二次燃焼用空気と廃ガスとの幾分かの混合は、二次燃焼用空気が望ましい効果を発揮するようにするためには必要とされる。したがって、この混合が過度の乱流なしで所望量の混合を影響するよう注意深く制御されることが重要である。複数の入口孔を燃焼チャンバの外面の長さに沿ってリング状に配置することにより、排気ガスの一部分を含む二次燃焼用空気を制御された箇所でかつ制御された仕方で入力することができる。さらに、ガスの予熱および排気ガスの所望の比率の入力により、二次燃焼用空気に所望の減少酸素レベルが与えられ、そしてこの二次燃焼用空気が増大した温度で得られる。これは、燃焼効率を向上させるとともに望ましくない乱流を減少させるよう更に作用する。
【0030】
幾つかの実施形態では、複数の入口孔は、燃焼チャンバの長さに沿って変化するサイズを有する。
【0031】
乱流および二次燃焼用空気と廃ガスの混合を制御する別の仕方は、二次燃焼用空気を燃焼チャンバに流入させる孔のサイズを変化させることである。このようにすると、二次燃焼用ガスの量および流れの注意深い制御が可能であり、これは、この場合もまた、乱流に影響を及ぼして望ましい流れをもたらすことができる。注目されるべきこととして、変化は、特定の設計および特定のプロセスに依存する。幾つかの場合、孔がバーナに近いところよりも排気出口のところに近い方が小さいように漸減サイズの孔を提供することが望ましい場合がある。
【0032】
幾つかの実施形態では、少なくとも1つの入口孔は、孔と関連した流体偏向要素を有する。
【0033】
この流体の流れの入力を制御する別の仕方は、フィンの形態を取るのが良くかつ流れを所要の方向に差し向けるよう設計できる流体偏向要素の使用によってである。幾つかの場合、これは、燃焼チャンバの壁に沿う流れをバーナヘッドから遠ざかるよう差し向けることであるのが良い。かかる流れは、より温度の高い中央領域に向かう廃ガスを維持するのを助ける燃焼チャンバの縁周りにカーテンを形成することができる。各孔と関連して流体偏向要素が設けられても良く、またはサブセット(部分的な集まり、subset)をなす孔と関連した流体偏向要素が設けられても良い。
【0034】
幾つかの実施形態では、廃ガスの燃焼中に生じる流体内の粒子がバーナに向かって偏向されてこれらバーナを汚すおそれを減少させるために、流体偏向要素は対応の入口によって出力される流体を偏向させてバーナから遠ざけるよう構成されている。この点に関し、従来、酸素が減少した燃焼用空気が排気ガスによって提供されている場合、これは、燃焼チャンバ内におけるこれらガスの再循環によって行われていた。これにより、必然的にバーナヘッドへの逆流が生じ、その結果ファウリングが増大した。排気ガスを燃焼チャンバへの流入前に二次燃焼用空気に追加することによって、この空気中の酸素の減少が燃焼チャンバ中への流入に先立って達成され、チャンバ内で燃焼用空気と排気ガスを混合させる必要性がなくなり、したがって排気ガスをバーナヘッドの方に送り戻してこれを燃焼用空気と混合させる必要性は、もはや存在しない。
【0035】
この処理装置は、多くの形式の燃焼チャンバで有利である場合があるが、バーナが直火バーナである場合に特に有利であり、というのは、バーナは、特に粒子によって閉塞状態になりがちだからである。
【0036】
さらに、バーナが複数のバーナヘッドを有する場合、燃焼チャンバ内における乱流により火炎が互いに相互作用し、一方によって生じた粒子が他方のバーナヘッドを汚し得るため、かかる構成例では、提案されている処理装置は、特に有利である。
【0037】
幾つかの実施形態では、排気ガス出口は、バーナとは反対側の燃焼チャンバの端部のところに位置する。
【0038】
上述したように、排気ガスがバーナヘッドから遠くに離れて保たれ、かくしてバーナと反対側の燃焼チャンバの端部のところに排気ガス出口を設けることにより、流れを出口の方へバーナから遠ざけて差し向けることができ、それによりバーナヘッドのファウリングを減少させることができれば、それが望ましい。
【0039】
熱交換器は、燃焼チャンバから見て遠くに配置されるのが良いが、熱交換器は、燃焼チャンバの周りに配置されても有利であり、というのは、これによりコンパクトなシステムが提供され、しかも燃焼チャンバの熱が二次燃焼用空気の幾分かの加熱をもたらすことができ、そして二次燃焼用空気は、燃焼チャンバの外側部分の幾分かの冷却をもたらすことができるからである。
【0040】
本発明の第2の観点では、燃焼チャンバ内のバーナを用いて廃ガスを処理する方法であって、この方法は、入口のところで二次燃焼用空気を受け入れるステップと、二次燃焼用空気を熱交換器内の第1の流体流路に通して、第1および第2の流体流路をそれぞれ通って流れる第1の流体と第2の流体との間で熱を交換するステップと、燃焼チャンバからの排気ガスを熱交換器内の第2の流体流路に通すステップとを含み、熱交換器は、熱交換器を通って流れている第2の流体の一部分が第1の流体中に流れるよう第1の流体と第2の流体との間に位置する流れ連結経路を有し、この方法は、第1の流体を複数の孔から燃焼チャンバに入力するステップを更に含むことを特徴とする方法が提供される。
【0041】
別の特定のかつ好ましい観点が添付の独立形式および従属形式の請求項に記載されている。従属形式の請求項の特徴を適宜、そして特許請求の範囲に明示的に記載されている組み合わせ以外の組み合わせで独立形式の請求項の特徴と組み合わせることができる。
【0042】
機能を実行するよう動作可能であるものとして装置の特徴を説明したが、かかる装置特徴は、その機能をもたらしあるいはその機能をもたらすようになっておりまたは構成されている装置特徴を含むことは理解されよう。
【0043】
次に、添付の図面を参照して本発明の実施形態について更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】一実施形態による燃焼チャンバおよび熱交換器を示す図である。
図2A】一実施形態による燃焼チャンバの内側ビューおよび外側ビューの状態を示す図である。
図2B図2Aの上側部分の拡大図である。
図3】一実施形態に従って排気ガスを冷却用流体中に排出するための出口を含む燃焼チャンバおよび熱交換器の断面図である。
図4】一実施形態による熱交換器の外側管の外観図である。
図5】円形アレイ状態に配列された複数のバーナヘッドを備えたバーナヘッド構成例を示す図である。
図6】排気ガス再循環を提供するための較正流れ入口ベンチュリを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
実施形態をより詳細に説明する前に、先ず最初に概観を提供する。
【0046】
処理ガス装置から排出された高温燃焼ガスから、到来する燃焼用空気に熱を伝達するための熱交換器を有する処理装置が開示される。かかる装置は、ある特定の比率の高温排出ガスを燃焼用空気に追加することによって燃焼用空気内の酸素を減少させる仕方を提供する。かかる装置は、これを熱交換器内では、2つの流れを電熱性表面の各側で流して熱交換が行われるようにすることによって、高温排出ガスをこれよりも低い温度の燃焼用空気に熱接触させる。さらに、電熱性表面を通る限定されたサイズの流れ連通経路を提供することにより、排気ガスのうちの何割かが二次燃焼用空気中に流れることができ、それにより酸素の減少した二次燃焼用空気が提供される。このように熱交換器内での排気ガスの導入を可能にすることによって、二次燃焼用空気の温度を更に高め、二次燃焼用空気と排気ガスの幾分かの混合が燃焼チャンバへの入力前に起こることになる。
【0047】
熱交換器の設計は、幾つかの実施形態では、到来する燃焼用空気を運ぶ管束が高温燃焼排気ガスを通す環状空間によって包囲された状態で、シェルアンドチューブ(shell and tube)型熱交換器設計と類似している。
【0048】
別の設計では、高温燃焼排気ガスは、熱交換管を通過することができ、その間、到来している燃焼用空気が管の周りで環状空間内を通る。いずれの場合においても、2つの流れ相互間には流体流れ連通経路が存在し、その結果、予熱された燃焼用空気は、ある比率の排気ガスを含むようになる。次に、このガスを燃焼チャンバに通じるポートを備えた別の環状空間中に差し向け、それにより燃焼器またはバーナヘッドの近くの流れの方向に注意を払った状態で燃焼チャンバ中へのガスの注意深く制御された注入を可能にし、その結果、火炎構造がそれほど乱されないようにする。排気ガス再循環の使用により、バーナからのNOXエミッションの量を制御することができる。
【0049】
直火バーナのプロセスガス容量を増大させようとする技術的試みは、一般に、燃焼温度および高温ゾーンの長さを増大させるためにバーナ中への燃料の流れを増大することに関するものであった。これは、プロセスガス容量を向上させることができるが、プロセスガス容量は、特に全プロセス流量およびガス速度が増大するにつれて燃焼効率によって制限される。窒素酸化物、一酸化炭素および未燃焼炭化水素のエミッションは、受け入れることができない状態になる場合がある。TA Luft(大気防止汚染に関するガイドラインの表記)環境エミッション規制では、NOXとCOの両方を一緒に考慮することが必要であることに注目されたい。かくして、流体流量が増大するにつれて燃焼効率に取り組むことが重要である。
【0050】
システム流体力学の設計が貧弱であることに起因して、冷却用空気(場合によっては、第5ステージまたはED‐1エアと呼ばれる)もまた時期尚早に燃焼チャンバに入る空冷式設計では問題が生じる場合がある。また、これにより、燃焼チャンバの時期尚早なクエンチングが生じ、上述した関連の問題の全ておよび粒子の再吸い込みが起こる。
【0051】
現在、高温燃焼チャンバガスは、冷却用空気とは十分に混じり合わず、それにより燃焼器および排気部に高温スポットが生じる。加うるに、冷却用空気は、燃焼器から粒子を十分には一掃しない。
【0052】
上述した全てのことは、二次燃焼用空気の予熱、この空気の制御された酸素減少、出力に先立つ排気ガスの冷却と一緒に行われる燃焼チャンバ中へのこの空気の制御された流れを提供する本発明の実施形態によって取り組まれる。
【0053】
図1は、一端にバーナヘッド12を有するとともに反対側の端に排気ガス出口14を備えた燃焼チャンバ10を有する例示の実施形態を示している。流れを導くとともに粒子の堆積を減少させるよう流体デフレクタ(偏向板)が排気ガス出口に隣接して配置されている。図示していないバーナヘッドへの燃料と空気の混合入口が設けられるとともに二次燃焼用空気を処理装置5に流入させる別の二次燃焼用空気入口16が設けられている。二次燃焼用空気の比率、この場合10%が、バーナヘッドを横切ってバーナに直接送られてバーナヘッドを冷却させる。残りは、熱交換器20を通って下方に差し向けられて複数の管22を通って流れる。これら複数の管22は、別の外側管またはシェル内に保持され、かかる別の外側管または外側シェルは、外側が断熱層25によって境界付けられ、内側が内側管27によって境界付けられた環状空間を形成している。環状空間は、熱交換器20を通って上方に移動するよう排気ガス出口14を経て出力される排気ガスの経路となっている。
【0054】
熱交換器20内では、高温排気ガスをこれよりも低温の二次燃焼用空気に接触させ、これら2つの間で熱を交換する。さらに、管22のうちの少なくとも何本かと排気ガスを流通させる流路との間には流れ連通経路が設けられ、それによりある比率の排気ガスが二次燃焼用空気に入り、それによりこの二次燃焼用空気の酸素減少を引き起こす。
【0055】
酸素が減少した二次燃焼用空気は、次に、内側管27に入って燃焼管10の内縁部周りで上昇する。この内側管27から燃焼管10までの流路をもたらす入口孔13が設けられている。かくして、燃焼ガスの一部を含む二次燃焼用空気は、これら孔を通って燃焼チャンバに入る。孔およびこれら孔と関連した流れ偏向板15のサイズは、この二次燃焼用空気の流れを制御して乱流を制限しながら所要の混合度をもたらすよう選択されるのが良い。
【0056】
図2Aは、これら流れ偏向板15をもう少し詳しく示すとともにこの実施形態においてこれら流れ偏向板が入力二次燃焼用空気を下方に偏向させてバーナヘッドから遠ざけ、バーナに到達する排気ガスの量を減少させるのにどのように傾けられているかそしてバーナヘッドのファウリングをどのように生じさせる場合があるかを示している。熱交換器の周りには冷却ジャケット30が設けられ、この冷却ジャケットは、この場合、冷却用空気である冷却用流体を受け入れる入力部35および冷却空気と排気ガスの混合物を出力する出力部40を有している。この冷却用空気は、冷却ジャケット30内で燃焼チャンバの外面周りに旋回され、それにより装置の外面温度を減少させて安全な装置を与えるとともに更に高温燃焼ガスと混合してより低温の排出物をもたらすよう作用する。これにより、ガスを安全に抜くことができるとともにベントで用いられる材料のコストが減少する。
【0057】
図2Bは、二次燃焼用空気の一部分がバーナヘッド上に直接流れて図示のようにこれらを冷却することができるようにする入口11を備えた、図2Aに示されている燃焼チャンバのバーナヘッド部分の分解組立て図である。燃焼用空気の残りは、開口部17を通って熱交換管22中に流入する。典型的には空気のうちの10%が冷却のために用いられ、残りは、熱交換器を通過した後、燃焼チャンバに入力される。
【0058】
図3は、処理装置のその長さの別々の部分に沿った断面図である。上側の断面図は、熱交換器からの排気ガスを出力してジャケット30内の旋回状態の冷却用空気中に出力するための出口開口部33と一緒に排気ガスおよび冷却用空気出力部40を示している。これら孔は、熱交換器外壁上の互いに異なる円周方向位置にかつ互いに異なる高さのところに配置されており、ただし、これら孔のうちの全ては、出力に先立って相当な熱交換経路を可能にするよう上端部寄りに位置している。これら孔の分布状態は、排気ガスと冷却用空気の混合度を増大させる。
【0059】
下側の断面図は、冷却用空気を冷却ジャケット30に入力するための冷却用空気入力部35を示している。これら3つ全ての図は、内側管27および外側断熱層25で境界付けられたシェル21を示しており、このシェル内には熱交換管22が見え、またこのシェルは、排気ガスのための流路を構成する。
【0060】
図4は、冷却ジャケット30内の熱交換器の外側管23を示している。外側管23内を流れる排気ガスが冷却ジャケット30内に流出することができるようにする多数の出口孔33が設けられている。排気ガス/冷却用空気出口40寄りに排気ガス出口33のための互いに異なる円周方向および長手方向位置を提供することにより、排気ガスは、より長期間にわたって熱交換器内に留まることができる一方で、更に排気ガスと冷却用空気の混合をもたらすことができる。幾つかの実施形態では、冷却用空気は、図示されていない流体偏向装置によってかつ入口35および出口40の配置状態によって、冷却ジャケット周りに旋回状態になる。これにより、燃焼用空気と排気ガスの混合度が増大するとともに局所化ホットスポットが減少する。
【0061】
上述したように、燃焼チャンバ周りで外側空間30に入る冷却用空気は、接線方向に差し向けられ、その結果、ガスは、迅速に回転し、このガスが燃焼チャンバの外側を上昇しているときに環状空間全体を一掃する。燃焼コラムの頂部に向かって、排気ガス穴33により、熱交換器組立体からの高温燃焼ガスを迅速に回転している冷却用空気中に逃げ込むことができるようにし、それにより迅速かつ完全なまたはほぼ完全な2つのガス流の混合が保証される。この構成はまた、冷却用空気が排気ガスを出力する孔を通って時期尚早に燃焼チャンバに入るのを阻止しまたは少なくとも妨げる。
【0062】
図5は、円形のアレイをなして配列されている複数のバーナヘッド12が設けられている実施形態としてのバーナヘッド構成例を示している。かかる構成例は、バーナを提供する効率的な仕方であるが、1つのバーナヘッドのところでの燃焼によって生じる粒子が別のバーナヘッド12に向かって押し流されることは望ましくないので乱流を制限する必要があり、というのは、これによりバーナヘッドのファウリングが生じる場合があるからである。
【0063】
この点に関し、従来型燃焼管では、燃焼ガスの回転を促進して混合を促進することができる。しかしながら、マルチノズル型ヘッドでは、これは、望ましくない場合があり、実施形態によっては、減少した酸素含有量を有する二次燃焼用ガスの単純な下向きの流れが流体偏向フィン15を用いて促進され、かかる流体偏向フィンは、入力ガスを燃焼管壁に沿って差し向けてバーナヘッドから遠ざけるよう働く。この流れは、燃焼物質を押し流してヘッドから遠ざけるのを助ける一方で、燃焼ガスの所要の追加分をもたらして燃焼を促進する。
【0064】
幾つかの実施形態では、燃焼チャンバは、長さが1〜1.5mであり、これは、従来設計のものよりも長いと言える。これは、予熱された燃焼ガスと関連して、高温燃焼ゾーン内におけるプロセスガスの著しく長い滞留時間をもたらすとともに高い平均温度をもたらす。熱交換器を設計する際、環状空間内の管の寸法形状は、強制対流による熱伝達と放射による熱伝達の両方による熱の流れと圧力降下を考慮に入れるとともにさらに熱交換器の避けられないファウリングを許容するよう設計されるべきである。
【0065】
図6は、幾つかの実施形態では全てのまたは部分的な集まり(サブセット)をなす熱交換管22内に設けられた状態で減圧状態をもたらし、それにより排気ガスを較正流れ入口42を通って管22内に吸い込ませることができるようにするベンチュリ41を示している。このように、特定サイズの較正流れ入口42を提供することによって、所望量の排気ガスを排気ガスの流れから吸い取って二次燃焼用空気とともに燃焼チャンバ中に再循環させることができる。このようにして、燃焼用空気内における酸素の減少レベルを制御することができる。上述したように、燃焼用空気中の酸素を減少させる排気ガスの問題は、ファウリングを生じさせる場合のある粒子が存在するということである。較正流れ入口のサイズがこれを通って吸い込まれる排気ガスの量を定めるので、これは、ファウリング状態にならないということが望ましい。ブラストクリーナー連結部50がこのベンチュリ41上に設けられるのが良く、それにより、空気を流れ入口を横切って定期的に送って堆積状態の粒子を除くことができる。ベンチュリ組立体を清浄化するこの方法は、高温酸性ガスの近くの電動式洗浄機構体の必要性をなくす。
【0066】
添付の図面を参照して、本発明の例示の実施形態を本明細書において詳細に開示したが、本発明は、実施形態そのものには限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲およびその均等範囲から逸脱することなく、当業者であればかかる実施形態の種々の変更および改造を行うことができるということは言うまでもない。
【符号の説明】
【0067】
5 処理装置
10 燃焼チャンバ
11 バーナヘッドに適用される冷却用空気のための空気入口
12 バーナヘッド
13 二次燃焼用空気入口孔
14 排気ガス出口
15 流体偏向板
16 二次燃焼用空気入口
17 熱交換管の空気入口
20 熱交換器
21 熱交換器内の排気ガスの流れのための容積部
22 二次燃焼用空気の流れのための熱交換管
23 排気ガスの流れのための熱交換器外側管
25 断熱層
30 冷却用流体ジャケット
33 排気ガス出口孔
35 冷却用空気入口
40 排気ガスおよび冷却用空気出口
41 ベンチュリ
42 較正流れ入口
50 ブラストクリーナー連結部
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6