(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6987058
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】製品をパッケージングおよびディスペンスするためのデバイス
(51)【国際特許分類】
B65D 83/00 20060101AFI20211213BHJP
A45D 34/04 20060101ALI20211213BHJP
B05C 17/005 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
B65D83/00 J
A45D34/04 555
B05C17/005
【請求項の数】16
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-532055(P2018-532055)
(86)(22)【出願日】2016年12月6日
(65)【公表番号】特表2019-502607(P2019-502607A)
(43)【公表日】2019年1月31日
(86)【国際出願番号】EP2016079932
(87)【国際公開番号】WO2017102458
(87)【国際公開日】20170622
【審査請求日】2019年11月11日
(31)【優先権主張番号】1562617
(32)【優先日】2015年12月17日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティ ホン リエン プラナール−ルオン
(72)【発明者】
【氏名】フランク マンディカ
(72)【発明者】
【氏名】ジョアン サバティエ
(72)【発明者】
【氏名】レジス フェレイレ
【審査官】
種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】
特表2015−510419(JP,A)
【文献】
特開平05−192379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/00
A45D 34/04
B05C 17/005
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージングおよびディスペンシングデバイス、好ましくは、電流によるトリートメントのためのデバイスであって、前記デバイスは、
− ディスペンスされる製品を含有し、可撓性の壁部によって少なくとも部分的に画定されているコンテナを含む、リフィル(20)と、
− その中に含有されている前記製品に圧力を印加するために前記可撓性の壁部を押圧するための押圧部材(31)と
を含み、
前記押圧部材が、互いにヒンジ式に接続されている2つのフラップ(31)を含み、それぞれが、前記リフィルに当接するようにフラップを付勢する機械的なシステム(30)に接続されていることを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記機械的なシステムは、それぞれのフラップに関して、スプリング(53)によって軸線に沿って移動するように付勢されたスライダー(42)と、端部でそれぞれ前記スライダーおよび前記フラップにヒンジ式に接続されたリンク(70)とを含み、前記リンクと前記軸線との角度を増加させようとする、前記軸線に沿った前記スライダーの移動が、前記リンクによって前記フラップに印加される圧力に付随して起こる請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
2つのスライダーは、2つのリンクの関節としての役割を果たす共通の軸(60)によって互いに接続されている請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記軸(60)は、前記スプリングに対して反対側方向に開口したスライダーハウジングの中へスナップフィットされている請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記スプリング(53)は螺旋状であり、前記スライダーがその上を移動するロッド(51)に係合されている請求項2乃至4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記リフィルは、長手方向軸線に沿って細長く、前記フラップは、前記リフィルの前記長手方向軸線に対して平行な幾何学的なヒンジ軸線(R)を中心として互いにヒンジ式に接続されている請求項1乃至5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
2つのフラップ(31)はそれぞれ、枢動サポートエレメント(78)にヒンジ式に接続されており、前記枢動サポートエレメント(78)は、前記フラップの移動を伴うように枢動することが可能である請求項1乃至6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記枢動サポートエレメントは、前記リンク(70)を関連するフラップ(31)に接続するための軸として使用されるフック(77)の端部に設けられたブランチ(78)から形成されている請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記ブランチ(78)は、コの字型の形態のループを形成しており、前記ブランチの反対側の辺は、前記デバイスに固定されているフック(80)の底部に当接している請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記ループは、スプリングワイヤーから作製されている請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
リフィルは、可撓性の壁部を画定する可撓性のポーチを含む請求項1乃至10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記リフィルは、前方にディスペンシングカニューレ(23)を含む請求項1乃至11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記リフィル(20)を保持するためのハウジング(14)を備えたケースと、前記製品がそれによってディスペンスされるトリートメントヘッド(11)とを含む請求項1乃至12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記トリートメントヘッドは、前記ケースに取り外し可能に固定されており、かつ、前記リフィルの据え付けおよび取り外しのために引き抜かれることができる請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記フラップは、それらの前方端部および後方端部にガイドリリーフ(100)を含み、前記ガイドリリーフ(100)は、前記デバイスの残りの部分と協働し、これらのリリーフは、熱可塑性の材料から前記フラップとともに成形されたピンの形態に作製されており、後方ピンは、好ましくは、対応するスロット(201)の中へガイドされる請求項1乃至14のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項16】
前記リフィルは、化粧品製品または皮膚科製品を含む請求項1乃至15のいずれか一項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスペンスされる製品を含有したリフィル(refill)を含む、パッケージングおよびディスペンシングデバイスに関し、より具体的には、イオントフォレシスデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
可撓性のポーチの中に製品をパッケージングし、それを押圧部材の作用にさらし、押圧部材によって及ぼされる圧力の影響下で製品をポーチから流出させることが知られている。
【0003】
特許文献1は、ポーチと接触して移動するように圧力プレートを付勢するトグルメカニズム(toggle mechanism)を含む、可撓性のポーチを空にするためのデバイスを説明している。そのようなメカニズムの関心は、ポーチがどの程度空になっているかにかかわらず、実質的に一定の圧力を実現することである。
【0004】
特許文献2は、同じくトグルメカニズムを備えた、空にするデバイスの別の例を開示しており、圧力プレートが、4つのガイドによって変位可能となるようにガイドされる。
【0005】
特許文献3は、練り歯磨き粉のチューブに作用するように構成された、空にするデバイスを説明している。練り歯磨き粉のチューブは、トグルメカニズムによって互いに接続されている2つの圧力プレートの間に保持される。刊行物の特許文献1および特許文献2の中に説明されているデバイスとは異なり、圧力プレートを移動するように付勢するための戻りバネは設けられておらず、圧力プレートは、ユーザーがそれらに作用するときにのみ付勢される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0539667A1号明細書
【特許文献2】米国特許第4,157,771号明細書
【特許文献3】米国特許第1,776,137号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
リフィルの内容物に圧力を印加するために、および、この圧力を使用してその内容物をディスペンスするために、パッケージングおよびディスペンシングデバイスにさらなる改善が必要とされている。
【0008】
とりわけ、特に信頼性が高く、コンパクトで、生産するのに比較的に安価であり、また、満足な様式でリフィルを空にすることを可能にするデバイスに関心が持たれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、パッケージングおよびディスペンシングデバイス、好ましくは、電流によるトリートメントのためのデバイスであって、デバイスは、
− ディスペンスされる製品を含有したリフィルであって、可撓性の壁部によって少なくとも部分的に画定されているコンテナを含む、リフィルと、
− その中に含有されている製品に圧力を印加するために可撓性の壁部を押圧するための押圧部材と
を含み、
押圧部材が、互いにヒンジ式に接続されている2つのフラップを含み、それぞれが、リフィルに当接するようにフラップを付勢する機械的なシステムに接続されていることを特徴とするデバイスを通して、この目的を実現する。
【0010】
本発明において、互いにヒンジ式に接続されている少なくとも2つの押さえフラップの使用は、コンパクトな設計を使用して、リフィルが適正に空にされることを可能にする。2つのフラップは、それらの間の角度の閉鎖の方向に、互いに対して枢動するように付勢され得、それは、リフィルの中央軸線に向けて製品を押し出し、その内容物の排出を促進させることが可能である。
【0011】
好ましくは、フラップは、それらの前方端部および後方端部にガイドリリーフを含み、ガイドリリーフは、デバイスの残りの部分と協働する。これらのガイドリリーフは、好ましくは、熱可塑性の材料からフラップとともに成形されたピンの形態に作製される。
【0012】
それぞれのフラップは、ポーチを空にすることを伴うフラップの下降の間に対応するリリーフと協働するピンを含むことが可能である。この協働は、それが他のフラップに接近するときに、フラップを枢動させようとする。ピンは、好ましくは、リングの外周部に当接しており、リングの外周部は、開口部を画定しており、この開口部を通して、リフィル製品のための流出カニューレに係合させられる。
【0013】
とりわけ、それぞれのフラップは、有利には、前方におけるピン、および、後方におけるピンを含むことが可能であり、それらは、下降局面の間に、対応するスロットの中をガイドされ、リフィルが可能な限り良好に空にされることを保証する。
【0014】
フラップが下降するときに、それらは、引き戻される傾向があり、すなわち、それらは、上方の開口部から離れるように移動する。リングに当接しているピンは、フラップの前方および上向きの傾きを推進することが可能であり、リフィルを完全に空にすることに有利に働く。
【0015】
フラップが十分に引き戻されると、ピンは、リングと接触することを止め、フラップは、それらの配向において、リングによって拘束されない。
【0016】
機械的なシステムは、好ましくは、それぞれのフラップに関して、スプリングによって軸線に沿って移動するように付勢されたスライダーと、端部でそれぞれスライダーおよびフラップにヒンジ式に接続されたリンクとを含み、リンクと軸線との角度を増加させようとする、前記軸線に沿ったスライダーの移動が、リンクによってフラップに印加される圧力に付随して起こる。
【0017】
2つのスライダーは、2つのリンクの関節としての役割を果たす共通の軸によって互いに接続され得る。この軸は、その端部のそれぞれにおいて、スプリングに対して反対側方向に開口したスライダーハウジングの中へスナップフィットされ得る。スプリングは、好ましくは、螺旋状であり、スライダーがその上を移動するロッドの上に係合されている。
【0018】
リフィルは、長手方向軸線に沿って細長くなっていることが可能であり、フラップは、好ましくは、リフィルの長手方向軸線に対して実質的に平行な幾何学的なヒンジ軸線を中心として互いにヒンジ式に接続されている。特に、2つのフラップはそれぞれ、枢動サポートエレメントにヒンジ式に接続され得、枢動サポートエレメントは、フラップの移動を伴うように枢動することが可能である。この枢動サポートエレメントおよびリンクは、一緒にトグルメカニズムを完成させており、枢動サポートエレメントは、有利には、リンクを関連するフラップに接続するための軸として使用されるフックの端部に設けられたブランチから形成されている。ブランチは、オープンループの一部を形成していることが可能であり、ブランチの反対側の辺は、デバイスに固定されているフックの底部に当接している。好ましくは、ループは、スプリングワイヤーから作製され得る。したがって、ループの弾性変形は、所定の静止位置においてフラップを付勢しながら、フラップ互いに対してわずかに枢動することを可能にする。
【0019】
リフィルは、好ましくは、上述の可撓性の壁部を画定する可撓性のポーチを含む。リフィルは、上述のように、前方にディスペンシングカニューレを含むことが可能である。
【0020】
デバイスは、有利には、リフィルを保持するためのハウジングを備えたケースと、製品がそれによってディスペンスされるトリートメントヘッドとを含む。好ましくは、トリートメントヘッドは、ケースに取り外し可能に固定されており、かつ、リフィルの据え付けおよび取り外しのために引き抜かれ得る。
【0021】
リフィルは、化粧品製品または皮膚科製品、好ましくは、導電体を含有することが可能である。
【0022】
製品は、コンテナの内側とデバイスの少なくとも1つの出口開口部との間に流体連通が確立されることを可能にする通路を選択的に開くことによって、ディスペンスされ得る。好ましくは、デバイスは、この通路を画定するソレノイドバルブ、または、製品をディスペンスするために手動で活性化させられ得るバルブを含む。
【0023】
本発明は、非限定的な例示的な実装形態の以下の詳細な説明を読み、添付の図面を検討することによって、より良好に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】リフィルがアプライアンスの外側に別々に表されている、本発明によるパッケージングおよびディスペンシングデバイスの斜視図の概略表現である。
【
図2】押圧部材が
図1および
図2とは異なる位置をとっている状態の、別の角度からの
図1のアプライアンスの斜視図である。
【
図3】保護キャップがトリートメントヘッドから取り外された後のアプライアンスの図である。
【
図4】フラップおよび機械的なシステムを別々に表す図であって、機械的なシステムは、リフィルに当接するようにフラップを付勢し、リフィルを空にすることに対応する低下位置にある状態を示す図である。
【
図5】リフィルが満杯になっている、上昇した位置における、
図4と同様の図である。
【
図6】フラップおよび機械的なシステムの斜視図である。
【
図7】フラップおよび機械的なシステムの斜視図である。
【
図10】リフィルを空にする間のアプライアンスのヘッドに対するフラップの移動を図示する斜視図である。
【
図11】リフィルを空にする間のアプライアンスのヘッドに対するフラップの移動を図示する斜視図である。
【
図12】後方においてフラップをガイドすることを図示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明によるパッケージングおよびディスペンシングデバイス1は、アプライアンス10を含み、アプライアンス10は、アプライアンスを使用してトリートメント対象の領域に塗布される製品を含有したリフィル20を保持している。
【0026】
考察される例では、リフィル20の中に含有されている製品は、化粧品製品または皮膚科製品であり、アプライアンス10は、電流を使用して人間のケラチン物質をトリートメントするように意図されたイオントフォレシスアプライアンスである。この目的のために、アプライアンス10は、とりわけ
図3に見られるように、トリートメントヘッド11を含み、トリートメントヘッド11は、このケースでは、複数のアプリケーションボール12を含み、複数のアプリケーションボール12は、トリートメント対象の領域の上に、それに接触してアプライアンスを移動させながら、製品を塗布することを可能にする。アプライアンス10は、電子回路(図示せず)を含むことが可能であり、リフィル20の中に含有されている製品を塗布するのと同時に、トリートメント対象の領域を電流にさらす。アプライアンスは、組成物に接触している電極、および、ユーザーによって保持されている対電極を含むことが可能である。組成物は、電気を伝導する。
【0027】
アプライアンス10は、図示されているように、電流強度を調節するためのボタン170、ならびに、アプライアンスの制御に有用な他のボタンおよび/またはインジケーターを含むことが可能である。
【0028】
使用されていないとき、トリートメントヘッド11は、
図1に図示されるように、除去可能なキャップ13によってカバーされ得る。
【0029】
リフィル20は、とりわけ
図9に見られるハウジング14の中で、アプライアンス10の内側に保持される。明確にするために、リフィル20は、同図ではアプライアンス10の内側に表されていない。アプライアンスのケースは、ウィンドウ90を有しており、ウィンドウ90は、ハウジング14へのアクセスを可能にする。
【0030】
アプライアンス10は、リフィル20を空にするデバイス30を含み、それは、とりわけ
図4から
図7に示されているように、2つのフラップ31を含み、それは、リフィル20がアプライアンス10の内側の適切な場所にあるときにリフィル20の上側21と接触する押圧部材を一緒に構成している。2つのフラップ31は、幾何学的なヒンジ軸線Rを中心として互いにヒンジ式に接続されており、ヒンジ軸線Rは、リフィル20を保持するハウジングの長手方向軸線Xに対して実質的に平行になっている。リフィルは、それ自身、長手方向軸線を中心として細長くなっており、その長手方向軸線は、リフィル20がアプライアンス10の内側の適切な場所にあるときに、長手方向軸線Xと実質的に一致している。
【0031】
考察される例では、フラップ31は、そのような関節を可能にするオス型ヒンジエレメント32およびメス型ヒンジエレメント33を有しており、ヒンジエレメント32および33は、それぞれ、フラップ31の前方および後方に設けられており、すなわち、それらの長手方向の末端部の近くに設けられている。
【0032】
ピン100がフラップ31の端部に存在している。それらの役割については、本文献の中で後に説明される。
【0033】
フラップ31によって構成されている押圧部材を付勢し、下向きに移動させるために、すなわち、リフィル20を保持しているハウジング14の底部を構成する壁部36に向けて移動させるために、機械的なシステムが設けられている。この機械的なシステムは、2つのロッド51を含み、2つのロッド51は、長手方向軸線Xに対して実質的に平行になっており、スライダー52は、それぞれ、対応するロッド51の上に配置されているヘリカルスプリング53の戻り効果の下で、長手方向軸線Xの上を移動する。スライダー52の反対側のそれぞれのスプリングの端部は、ストップエレメント54に当接しており、ストップエレメント54は、ロッド51のためのスペーサーとしても使用される。このストップエレメント54は、スクリューを保持するためのシャフト55を有しており、スクリューは、それがアプライアンス10のケースの本体部101に取り付けられることを可能にする。ストップエレメント54の反対側のロッド51の端部は、パーツ57によって保持されており、パーツ57は、また、シャフト58によってケースの本体部に取り付けられており、スクリュー(図示せず)がシャフト58に係合されている。
【0034】
ストップエレメント54およびパーツ57は、デバイス30の動作の間に、ケース101の内側で互いに取り付けられている。
【0035】
スライダー52は、軸60によって互いに接続されており、軸60は、ロッド51の軸に対して垂直になっており、軸60は、考察される例では、金属ロッドから形成されている。金属ロッドは、ハウジング62の中へスナップフィットされており、ハウジング62は、材料をスライダー52とともに成形することによって作製された
ウィングの中に形成されている。
ウィングは、ロッド51の下にスライダー52を拡張させている。
リンク70は、それぞれのスライダー52を対応するフラップ31に接続している。これらのリンク70は、軸60によって横断されている端部61と、フラップ31にヒンジ式に接続されている反対側端部63とを含む。端部63は、とりわけ
図8に見られるように、クレビス継手を形成しており、対応するフラップ31とともに成形することによって単一のパーツから作製されたヒンジエレメント75が、クレビス継手のブランチの間に係合されている。それぞれのリンク70の端部63、および、関連のヒンジエレメント75は、フック77によって横断されており、フック77は、オープンフレームの形態のループのブランチ78を曲げることによって形成されている。開口部の反対側のループの辺79は、フック80の中に保持されており、フック80は、パーツ57とともに、フラップ31の方を向けられたその面の上に成形されている。ループは、スプリングワイヤーから作製されており、それは、ブランチ78が互いに対してわずかに屈曲することを可能にし、また、フック80の中に保持されているループの辺を捩じることによってブランチ78が回転を行うことも可能にする。
【0036】
図10および
図11を参照すると、ヘッド11はリング105を含み、リング105は、リフィル20の前方にディスペンシングカニューレ23を挿入するための開口部106を画定していることが分かる。
【0037】
ヘッド11は、チャネルを有しており、チャネルは、製品をボール12に向けてガイドし、また、ボール12とそれらのハウジングとの間のクリアランスを通って製品がデバイスから離れることを可能にする。
【0038】
リフィル20が満杯になっているときに、フラップ31は、
図10に図示されているように、上昇した位置になっている。スプリング53は、可能な限り圧縮されており、また、フラップ31は、ヘッド11に向けて可能な限り前方に位置決めされている。
【0039】
前方端部におけるピン100は、リング105の上方に位置決めされている。
【0040】
後方に位置しているピン100は、
図12に図示されているように、デバイス1の壁部202のそれぞれのスロット201の中に係合されている。スロット201は、互いに平行になっており、ピン100は、リフィル20が空になる間に、それらの内側に入り込んでいる。
【0041】
好ましくは、ピン100は、それらが容易に枢動することを可能にするのに十分なガイド用クリアランスを有している。
【0042】
デバイス1の動作は、以下の通りである。
【0043】
リフィル20をアプライアンス10の中へ挿入するために、ユーザーは、前方からハウジング14にアクセスするために、トリートメントヘッド11を除去することによって始める。ユーザーは、トリートメントヘッドの開口部106の中へカニューレ23を挿入することによって、ヘッド11の上にリフィル20を取り付け、次いで、場合によっては、最初にフラップ31を上昇した位置へ持っていくために、ケースの本体部の中に配置されているウィンドウ90を使用して、そのようにトリートメントヘッド11に連結されたリフィル20をハウジング14の中へ挿入する。
【0044】
リフィル20が適切な場所になると、フラップ31がそれを押圧し、リフィルの下側が、フラップ31の反対側において、ハウジング14の底部を画定している壁部36に当接する。
【0045】
リンク70は、トグルメカニズムとしての役割を果たし、それは、スプリング53が引き伸ばされながら、リフィル20に対するフラップ31の実質的に一定の当接力を維持することを可能にする。したがって、リフィル20から出ていくとき、連通(それによって、ディスペンシングカニューレ53が1つまたは複数のディスペンシング開口部と接触する)が開いていれば、製品は、実質的に一定の速度でディスペンスされ得る。
【0046】
バルブまたはソレノイドバルブシステム(描写せず)は、ユーザーによるディスペンシングボタンの作動に応答して、または、そのようなディスペンシングがトリガーされるべきであるとアプライアンスが決定したときに自動的に、リフィルの内側と1つまたは複数のディスペンシング開口部との間のこの流体連通を開くことを可能にする。
【0047】
バルブシステムは、たとえば、開閉システムを含み、開閉システムの中では、製品が、可撓性の導管の中を循環しており、メカニズムが、導管を平らにしてそれを閉じ、また、製品が再び通過することを可能にするためにそれから離れるように移動する。
【0048】
リフィルが挿入されるときに、ディスペンシングシステムは閉じられており、ユーザーが自分の指でリフィルを押圧した場合でも、製品が間違って出ていくことができないようになっている。
【0049】
アプライアンスはプラグを含み、プラグは、リフィル20の流出カニューレ23に接続されているか、または、ユーザーの命令で開く端部に接続されているかのいずれかである。たとえば、プラグは、スプリングを使用する加圧フラップを含む。フラップは、フラップが引き戻されることを可能にするスプリングの反対側のボタンを押圧することによって引き戻すことができ、それにより、調合物(formula)が通過することを可能にする。リフィル20の容積は、たとえば、10mlから20mlの間であるが、本発明は、この容積範囲に限定されない。
【0050】
フラップ31によって圧縮されなければならないリフィル20の厚さは、たとえば、9mmから13mmの間であり、リフィル20がないときのそれらの下降移動の間のフラップ31の行程は、好ましくは、より大きい。