(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各分岐流体経路の前記主分岐が、前記第1の方向に対して、前記マニホールド構成要素の第1の端部に向かって位置し、各分岐流体経路の前記末端副分岐は、前記マニホールド構成要素の第2の端部に向かって位置している、請求項1に記載のマニホールド構成要素。
各主分岐が、前記マニホールド構成要素の外側に提供された流体入口又は流体出口ポートに流体的に接続されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のマニホールド構成要素。
前記第1の方向から見ると、各分岐流体経路のうちの少なくとも1つの副分岐が、別の分岐流体経路の副分岐と交差する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のマニホールド構成要素。
第1の分岐流体経路の第1の副分岐が、前記第1の方向に対して一方の側の第2の分岐流体経路の第1の副分岐と交差し、前記第1の分岐流体経路の第2の副分岐が、前記第1の方向に対して他方の側の前記第2の分岐流体経路の第2の副分岐と交差する、請求項7に記載のマニホールド構成要素。
前記フィルタが、複数の湾曲流体経路がこれらの湾曲流体経路の各々をそれらの長さに沿って分割するように、複数の湾曲流体経路と同じ平面にある、請求項12に記載のマニホールド構成要素。
前記このように分割された湾曲流体経路のうちの1つ以上が、各々、前記分岐流体経路のうちのそれぞれの1つの主分岐の部分を形成する、請求項14に記載のマニホールド構成要素。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示の実施形態は、一般に、液滴堆積ヘッドまたはそのためのマニホールド構成要素に関し、2つ以上の流体チャンバのアレイを含み、各流体チャンバは、それぞれの作動素子及びそれぞれのノズルを有する。
【0008】
かかる流体チャンバのアレイを提供するアクチュエータ構成要素は、特に、かかるアクチュエータ構成要素が、より大きなサイズのより小さい長方形のダイを標準円形ウェハから抽出することができるシリコンから作製される場合、典型的に製造コストが高くなることが理解されるべきである。関連する要因は、アレイの流体チャンバの数が多いほど、または特徴部のサイズが小さいほど(例えば高解像度アレイの場合)、製造中に欠陥が生じる可能性が高くなることである。したがって、多数の流体チャンバを有する単一のアレイではなく、より少ない数の流体チャンバを各々有する、複数のアレイを提供することが適切であり得る。場合によっては、生産にコスト効率の良いアレイの有効長さが過度に短く、同じヘッド内に複数のアレイが提供されていない限り、結果として得られるヘッドがユーザにとって扱いにくいサイズになることがある。
【0009】
更に、多数の別個の液滴堆積ヘッドを使用して複数のアレイを提供することが望ましい場合(例えば、ヘッドが紙、セラミックタイル、回路基板等の堆積媒体を単一パスで集合的にアドレス指定することを可能にするために)、これらのヘッドは、ヘッドが組み合わされて生成する液滴のパターンが対応する位置合わせになるように、注意深く位置合わせされなければならない。典型的には、これは、高精度のヘッドの位置合わせを必要とし、例えば、位置合わせ誤差は、ノズル間隔の一部であり得る。したがって、複数のアレイが多数のヘッドに提供されている場合(例えば、各ヘッドが1つのアレイのみを有する場合)、アレイの位置合わせは、各々がより多くの数のアレイを有するより少ない数のヘッドが提供される場合に比べて、時間がかかる可能性がある。例えば、各ヘッド内のアレイは、プリントヘッドの製造中に予め位置合わせされ得、これにより、後に実行されなければならない位置合わせ動作の量が低減される。
【0010】
しかしながら、複数のアレイが単一の液滴堆積ヘッド内に提供されている場合、アレイのチャンバへの流体供給は複雑になり得る。例えば、複数のアレイ内のチャンバに適切な流体特性を有する流体を供給するために、流体供給パイプを複数の入口ポートに接続する必要があり得る。
一態様において、以下の開示は、1つ以上のマニホールド構成要素であって、1つ以上の流体入口を提供し、流体入口の各々が、ヘッドが流体の液滴を受けることができるように流体供給システムに接続可能である、1つ以上のマニホールド構成要素を備える、液滴堆積ヘッドを説明する。
液滴堆積ヘッドは、流体チャンバの2つ以上のアレイ(一般に、規則的に間隔を置いて配置され得る)であって、各チャンバにそれぞれの作動素子及びそれぞれのノズルが提供され、各作動素子が、ノズルのうちの対応する1つを通って吐出方向に流体の液滴を吐出するように、作動可能であり、各アレイがアレイ方向に延在する、流体チャンバの2つ以上のアレイを備える。
ヘッドは、吐出方向に、1つ以上の流体入口が位置している第1の端部から、流体チャンバのアレイが位置している第2の端部へ延在する。1つ以上の分岐入口経路は、マニホールド構成要素内に、吐出方向のマニホールド構成要素の高さの第1の部分にわたって提供され、分岐経路の各々が、その主分岐において、流体入口のうちのそれぞれの1つから流体を受けるように、流体的に接続され、1つ以上の分岐点において分岐し、その結果、対象の分岐経路は、流体が送られる複数の末端副分岐になる。
【0011】
複数の拡大入口チャンバは、マニホールド構成要素内に、吐出方向のマニホールド構成要素の高さの第2の部分にわたって提供され、アレイ方向の各拡大入口チャンバの幅は、吐出方向の各拡大入口チャンバの第1の端部から第2の端部までの距離と共に増加し、第1の端部は、分岐経路のうちの1つ以上から流体を受けるように流体的に接続され、第2の端部は、アレイのうちの1つ以上へ流体を供給するように流体的に接続される。各拡大入口チャンバ内を流れる流体は、拡大端部の第2の端部に近づくにつれて「扇状に広がっている」と説明され得る。
分岐入口経路の各々は、拡大入口チャンバのうちの2つ以上へ流体を供給するように、流体的に接続されている。
【0012】
本明細書に記載される分岐入口経路及び拡大チャンバは、少数の入口ポートのみを、場合によっては単一の入口ポートを使用して、流体を複数のアレイに供給することを可能にする(したがって、ヘッドの流体供給システムへの簡単な接続を可能にし、ヘッドはユーザが到達するのが困難になる位置にあり得ることが留意される)が、流れ特徴を適切に制御してアレイのチャンバに分配することを可能にし得る。例えば、流体は、アレイの流体チャンバの各々に対して、実質的な平衡圧力及び/または平衡速度及び/または平衡速度で供給され得る。
いくつかの配列では、分岐経路及び拡大チャンバを含むかかる構造を提供することによって、アレイが延在する方向と直角な方向にヘッドのサイズを減少し得る。これは、ヘッドと媒体とが互いに対して相対的に移動しながら、媒体をアレイに対して所望の空間関係に維持することは、ヘッドが移動方向(一般に、アレイ方向に直角)において比較的より大きい場合には、典型的により複雑であるため、堆積媒体上の液滴配置の所望のレベルの精度を達成するのを支援し得る。これは、ボトル、缶等にグラフィックを印刷する場合等、堆積媒体が湾曲している場合に特に重要であり得る。
【0013】
追加的にまたは代わりに、分岐経路及び拡大チャンバを含むかかる構造は、いくつかの配列では、吐出方向に比較的コンパクトであり得、これにより、次に、ヘッド(または、実際には多数の同様のヘッド)の統合がより大きな液滴堆積装置に簡略化され得る。
【0014】
第1の部分と第2の部分とは重なり合うことがなくてもよく、例えば、第1の部分は第2の部分から離間配置されていてもよく、または実質的に隣接または近接していてもよい。
【0015】
いくつかの例では、アレイ方向は、吐出方向に直角であり得る。
【0016】
いくつかの例では、各分岐経路内の全ての末端副分岐は、同じ分岐レベルであり得る。更に、全ての分岐経路の全ての末端副分岐が同じ分岐レベルであり得る。
【0017】
追加的にまたは代替的に、入口の各々は、吐出方向に平行な方向に延在し、かつ/または吐出方向に平行な方向に流体を方向づける。
【0018】
加えてまたは代わりに、末端副分岐の各々は、流体を拡大入口チャンバのうちのそれぞれの1つに供給するように流体的に接続される。
【0019】
いくつかの例では、2つ以上の分岐入口経路が存在する。かかる例では、各分岐入口経路は、アレイ方向ならびにアレイ方向及び吐出方向に直角である深さ方向において、別の分岐入口経路と重なり合い、好ましくは、分岐入口経路は全て、アレイ方向及び深さ方向において重なり合う。
加えてまたは代わりに、吐出方向から見ると、各分岐入口経路のフットプリントは、別の分岐入口経路のフットプリントと重なり合い、好ましくは、吐出方向から見ると、フットプリントは、分岐入口経路の全てと重なり合う。追加的にまたは代替的に、分岐入口経路のうちの少なくとも1つは、別の分岐入口経路と絡み合い、好ましくは、各分岐入口経路が別の分岐入口経路と絡み合う。加えてまたは代わりに、吐出方向から見ると、1つの分岐入口経路の副分岐は、別の分岐入口経路の副分岐と交差し、好ましくは、吐出方向から見ると、各分岐入口経路のうちの少なくとも1つの副分岐は、別の分岐入口経路の副分岐と交差する。
【0020】
いくつかの例では、複数のマニホールド構成要素が、1つ以上の流体出口を更に提供し、各流体出口は、ヘッドが流体供給システムに液滴流体を戻すことができるように、流体供給システムに接続可能であり、1つ以上の分岐出口経路は、マニホールド構成要素内に、吐出方向のマニホールド構成要素の高さの第3の部分にわたって提供され、分岐出口経路の各々が、その主分岐から流体出口のうちのそれぞれの1つに流体を供給するように流体的に接続され、1つ以上の分岐点において2つ以上の副分岐に分岐し、流体が送られる複数の末端副分岐になり、複数の狭窄出口チャンバは、マニホールド構成要素内に、吐出方向のマニホールド構成要素の高さの第4の部分にわたって提供され、アレイ方向の各狭窄出口チャンバの幅が、その第1の端部から第2の端部までの吐出方向の距離と共に減少し、第1の端部が、1つ以上のアレイから流体を受けるように、流体的に接続され、第2の端部が、分岐経路のうちの1つ以上に流体を供給するように流体的に接続され、分岐出口経路の各々は、狭窄出口チャンバのうちの2つ以上から流体を受けるように流体的に接続される。
【0021】
かかる例では、マニホールド構成要素の高さの第1の部分は、第3の部分と同じであり、かつ/またはマニホールド構成要素の高さの第2の部分は、第4の部分と同じである。加えてまたは代わりに、各狭窄出口チャンバの各々の、アレイ方向の幅は、その第1の端部において、流体を受けるアレイの幅に実質的に等しい。
【0022】
追加的にまたは代替的に、吐出方向の各狭窄出口チャンバの範囲は、アレイ方向のその範囲に略等しいかまたはそれより大きい。加えてまたは代わりに、出口の各々は、吐出方向に対して反平行方向に延在し、かつ/または吐出方向に対して反平行方向に流体を方向づける。追加的にまたは代替的に、狭窄出口チャンバの各々の第1の端部は、アレイのうちのそれぞれの1つから流体を受けるように流体的に接続される。加えてまたは代わりに、末端副分岐の各々は、狭窄出口チャンバのうちのそれぞれ1つから流体を受けるように流体的に接続される。
【0023】
いくつかの例では、1つ以上のマニホールド構成要素は、複数の層から、少なくとも部分的に、好ましくは実質的に形成され、それらの各々が、好ましくは吐出方向へ略垂直に延在する。かかる例では、複数の層は、層に平行な複数の平面の各々において、複数の湾曲流体経路と、異なる平面の湾曲経路を一緒に流体的に接続する複数の層に直角な複数の流体経路と、を提供し、分岐入口経路及び/または分岐出口経路は、直角経路及び湾曲経路を含む。
【0024】
加えてまたは代わりに、直角経路は、層内の貫通孔によって画定される。
【0025】
追加的にまたは代替的に、同じ平面にある湾曲経路のN+1個は、合流部で交わり、合流部が、分岐経路の1つがN個の副分岐に分岐する分岐点を提供する。加えてまたは代わりに、第1の直角経路は、その長さの途中で、合流部で第1の湾曲経路と交わり、合流部が、前記分岐経路のうちの1つの分岐点を提供する。追加的にまたは代替的に、第2及び第3の直角経路は、その端部で第1の湾曲経路と合流し、好ましくは、第2及び第3の直角経路は、第1の垂直経路とは反対の方向に延在する。
【0026】
加えてまたは代わりに、液滴堆積ヘッドは、層に平行に延在する略平面のフィルタを更に含み、フィルタが、分岐経路のうちの少なくともいくつかを横切り、好ましくは、フィルタは、メッシュで形成される。追加的にまたは代替的に、層のうちの1つがフィルタを提供する。加えてまたは代わりに、フィルタは、合流部のうちの1つまたは合流部と同じ平面にある。追加的にまたは代替的に、フィルタは、複数の湾曲経路がこれらの湾曲経路の各々をその長さに沿って分割するように、複数の湾曲経路と同じ平面にある。加えてまたは代わりに、このように分割された湾曲経路のうちの1つ以上は、各々、分岐経路のうちのそれぞれの1つの主分岐の一部を形成する。追加的または代替的に、このように分割された湾曲経路のうちの少なくともいくつかは、各々、分岐経路の副分岐の一部を形成する。
【0027】
いくつかの例では、1つ以上のマニホールド構成要素は、少なくとも1つの上方マニホールド構成要素と1つ以上の下方マニホールド構成要素とを含み、分岐経路に、上方マニホールド構成要素内で、拡大入口チャンバが提供され、かつ存在する場合、狭窄出口チャンバが、下方マニホールド構成要素内に提供される。かかる例では、上方マニホールド構成要素は、複数の層から少なくとも部分的に形成され、好ましくは、上方マニホールド構成要素の層は、吐出方向に略直角に延在する。
【0028】
加えてまたは代わりに、上方マニホールド構成要素の層は、層に平行な複数の平面の各々において、複数の湾曲流体経路と、異なる平面の湾曲経路を一緒に流体的に接続する層に直角な複数の流体経路と、を提供し、分岐入口経路及び/または分岐出口経路は、直角経路と湾曲経路とを含む。追加的にまたは代替的に、直角経路は、層内の貫通孔によって画定される。加えてまたは代わりに、同じ平面にある湾曲経路のN+1は、合流部で交わり、合流部が、分岐経路のうちの1つがNの副分岐に分岐する分岐点を提供する。
【0029】
加えてまたは代わりに、第1の直角経路は、その長さの途中で、合流部で第1の湾曲経路と交わり、合流部が、分岐経路のうちの1つの分岐点を提供する。追加的にまたは代替的に、第2及び第3の直角経路は、その端部で第1の湾曲経路と合流し、好ましくは、第2及び第3の直角経路は、第1の垂直経路とは反対の方向に延在する。
【0030】
追加的にまたは代替的に、液滴堆積ヘッドは、層に平行に延在する略平面状フィルタを更に含み、フィルタが、分岐経路のうちの少なくともいくつかを横切り、好ましくは、フィルタは、メッシュで形成される。加えてまたは代わりに、上方マニホールド構成要素の層のうちの1つは、フィルタを提供する。追加的にまたは代替的に、フィルタは、合流部のうちの1つまたは合流部と同じ平面にある。
【0031】
加えてまたは代わりに、フィルタは、複数の湾曲経路がこれらの湾曲経路の各々をその長さに沿って分割するように、複数の湾曲経路と同じ平面にある。追加的にまたは代替的に、このように分割された湾曲経路のうちの1つ以上は、各々、分岐経路のうちのそれぞれの1つの主分岐の一部を形成する。加えてまたは代わりに、このように分割された湾曲経路のうちの少なくともいくつかは、各々、分岐経路の副分岐の一部を形成する。
【0032】
追加的にまたは代替的に、各下方マニホールド構成要素は、アレイの2つ以上のグループからのアレイへの流体接続を提供する。加えてまたは代わりに、下方マニホールド構成要素に対応する第1のグループの各アレイは、同じ下方マニホールド構成要素に対応する第2のグループのそれぞれのアレイとアレイ方向に位置合わせされる。追加的にまたは代替的に、各下方マニホールド構成要素は、アレイのグループの各々からの少なくとも2つのアレイに流体接続を提供する。
加えてまたは代わりに、同じ下方マニホールド構成要素に及び同じグループに対応するアレイは、それらのノズルがアレイ方向に対して散在するように、アレイ方向において互いに対してオフセットされる。追加的にまたは代替的に、各下方マニホールド構成要素について、同じグループからの対応する対のアレイが並んで提供され、両方とも同じ拡大入口チャンバまたは同じ狭窄出口チャンバに流体的に接続され、好ましくは、吐出方向から見ると、各対内のアレイは、共有された拡大入口または狭窄出口チャンバのいずれかの側に配列される。追加的または代替的に、各下方マニホールド構成要素のための狭窄出口チャンバのうちの少なくとも1つは、その下方マニホールド構成要素の外面に隣接して提供される。
【0033】
追加的または代替的に、ドライバICが外面に提供される。
【0034】
加えてまたは代わりに、各下方マニホールド構成要素は、複数の層から少なくとも部分的に形成される。追加的または代替的に、層の下方マニホールド構成要素は、各々、吐出方向に略直角に延在する。加えてまたは代わりに、下方マニホールド構成要素の層は各々、アレイ方向及び吐出方向に直角である、深さ方向に略直角に延在する。
【0035】
追加的または代替的に、下方マニホールド構成要素はアレイ方向において重なり合う。
【0036】
加えてまたは代わりに、上方マニホールド構成要素は、下方マニホールド構成要素に、複数の可撓性コネクタを介して接続され、その各々が、そこを通る流体経路を提供し、可撓性コネクタは、上方マニホールドから下方マニホールドへの機械的応力の伝達を低減する。
【0037】
本明細書に記載される分岐経路が存在し、吐出方向にコンパクトであるマニホールド構成要素を製造することは困難である。
【0038】
本開示の更なる態様によれば、液滴堆積ヘッドのためのマニホールド構成要素が提供され、マニホールド構成要素は、複数の層であって、それ各々が第1の方向に略垂直に延在する、複数の層を含み、複数の層は、層に平行な複数の平面の各々において、複数の湾曲流体経路と、異なる平面の湾曲経路を一緒に流体的に接続する、層に直角の複数の流体経路とを提供し、垂直経路及び湾曲経路は、マニホールド構成要素内に1つ以上の分岐流体経路を提供し、分岐経路の各々が、主分岐を有し、1つ以上の分岐点で2つ以上の副分岐に分岐し、複数の末端副分岐になる。
【0039】
かかるマニホールド構成要素のいくつかの例は、製造するのが簡単でありながら、吐出方向にコンパクトであり、かつ/または比較的複雑な分岐経路構造を提供することを可能にし得る。
【0040】
更に、本明細書に記載されるように、流体チャンバのアレイの全体にわたって所望の流体特性を提供するのに適した精度で、拡大入口チャンバが存在するマニホールド構成要素を製造することは困難である。
【0041】
本開示の更なる態様によれば、液滴堆積ヘッドのためのマニホールド構成要素が提供され、マニホールド構成要素は、複数の層であって、その各々が吐出方向に略垂直に延在する複数の層と、吐出方向に対してマニホールド構成要素の第1の端部に位置している少なくとも1つの流体入口と、を含み、マニホールド構成要素は、吐出方向に対してマニホールド構成要素の第2の端部において、第2の端部が第1の端部の反対側にあり、流体チャンバのうちの少なくとも1つのアレイを提供するアクチュエータ構成要素を受けるためのマウントを提供し、各チャンバに、それぞれの作動素子及びそれぞれのノズルが提供され、各作動素子が、ノズルのうちの対応する1つを通って吐出方向に流体の液滴を吐出するように作動可能であり、各アレイが、アレイ方向に延在し、少なくとも1つの拡大入口チャンバは、マニホールド構成要素内に提供され、アレイ方向の各拡大入口チャンバの幅が、吐出方向のマニホールド構成要素の第1の端部から第2の端部までの距離と共に増加し、第1の端部が、流体入口のうちの1つ以上から流体を受けるように流体的に接続され、第2の端部が、アレイのうちの1つ以上へ流体を供給するように、マウントにおいて流体接続を提供する。
【0042】
かかるマニホールド構成要素のいくつかの例は、製造するのが簡単でありながら、流体チャンバのアレイ全体にわたって所望の流体特性が達成され得るのに十分な精度を提供する。
用途に応じて、様々な流体が液滴堆積ヘッドによって堆積し得ることを理解されたい。例えば、液滴堆積ヘッドは、一枚の紙もしくはカード、または他の受容媒体、例えば、セラミックタイルもしくは成形物品(例えば、缶、ボトル等)に移動し得るインクの液滴を吐出して、(液滴堆積ヘッドがインクジェットプリントヘッドであり得、より具体的には、ドロップオンデマンドのインクジェットプリントヘッドであり得る)インクジェット印刷用途の場合と同様に、画像を形成し得る。
【0043】
代替的に、構造を構築するために、流体の液滴が使用され得、例えば、電気的に活性の流体は、電気デバイスのプロトタイピングを可能にするように、回路基板等の受容媒体上に堆積され得る。
別の例では、(3D印刷の場合のように)物体を含むプロトタイプモデルを生成するように、ポリマー含有流体または溶融ポリマーが、連続した層に堆積され得る。
【0044】
更に他の用途では、液滴堆積ヘッドは、生体物質または化学物質を含有する溶液の液滴をマイクロアレイ等の受容媒体上に堆積させるように適合され得る。
【0045】
かかる代替流体に適した液滴堆積ヘッドは、一般に、プリントヘッドに関して対象の特定の流体を取り扱うためになされるいくつかの適合と構造が類似し得る。
【0046】
以下の開示に記載される液滴堆積ヘッドは、ドロップオンデマンド液滴堆積ヘッドであり得る。かかるヘッドにおいて、吐出された液滴のパターンは、ヘッドに提供される入力データによって異なる。
【0047】
ここで
図1A〜
図1Dに移ると、実施形態の例は、一般に、例えば
図1C及び
図1Dの配置において、1つ以上のマニホールド構成要素と、上方マニホールド構成要素100と、下方マニホールド構成要素50とを含む液滴堆積ヘッド10に関する。液滴堆積ヘッド10は、マニホールド構成要素のうちの1つの端部において、流体チャンバの2つ以上のアレイ150を、対応する作動素子及び流体を吐出方向に吐出するためのノズルと共に含み得る。
【0048】
以下でより詳細に説明するように、マニホールド構成要素は、吐出方向505の液滴堆積ヘッド10の高さ11の第1の部分にわたって、少なくとも2つの対応する副分岐182(a)、182(b)に分岐する、1つ以上の分岐入口経路180を含む。1つ以上の分岐入口経路180は、例えば上方マニホールド構成要素10内に提供される。マニホールド構成要素はまた、複数の拡大チャンバ55も提供する。具体的には、これらは、マニホールド構成要素内に、それらの高さ12の第2の部分にわたって、吐出方向505に提供される。複数の拡大チャンバ55は、例えば、下方マニホールド構成要素50内に提供され得る。副分岐182(a)、(b)の各々は、それぞれの拡大チャンバ55に流体的に連結され得る。
【0049】
上述したように、分岐経路及び拡大チャンバは、少数の入口ポートのみを使用して、場合によっては単一の入口ポートを使用して、流体を液滴堆積ヘッドに供給することを可能にするだけでなく、例えば、実質的に均一な圧力及び流量で、アレイの流体チャンバの各々に流体を分配することを可能にする。これは、液滴堆積ヘッドの流体供給源への連結を単純化し得る。かかる分岐経路の及び拡大チャンバの配置は、液滴堆積ヘッドを吐出方向に比較的コンパクトにすることを可能にし得、これにより、次に、ヘッド(または実際には多数の同様のヘッド)の統合をより大きな液滴堆積装置に簡略化し得る。
【0050】
追加的に、または代わりに、かかる分岐経路及び拡大チャンバを有する特定の構成は、アレイ方向に直角な方向にコンパクトであり得る。上述したように、これは、ヘッドと媒体とが互いに対して相対的に移動しながら、媒体をアレイに対して所望の空間関係に維持することは、ヘッドが移動方向(一般に、アレイ方向に対して直角)において比較的大きい場合には、典型的により複雑であるため、堆積媒体上の液滴配置の所望のレベルの精度を達成するのを支援し得る。
本発明の実施形態による液滴堆積ヘッドの断面図及び液滴堆積ヘッドの端面図をそれぞれ示す(
図1Aの断面が
図1Bの線1Aで示される平面で取られる)、
図1A及び
図1Bの実施形態の例では、液滴堆積ヘッド10は、吐出方向において、流体入口120が位置している第1の端部から、流体チャンバの2つのアレイ150が位置している第2の端部まで、延在する。分かるように、ヘッド10は、マニホールド構成要素80を更に含み、2つのアレイ150が、マニホールド構成要素80の端部に取り付けられている。
【0051】
2つのアレイ150内の流体チャンバの各々に、それぞれの作動素子とそれぞれのノズルとが提供されている。
図1Bから分かるように、各アレイ150は、アレイ方向500内に延在する。
図1A及び
図1Bに示される2つのアレイ150は、深さ方向510(表示された特定の配置では、アレイ方向500に及び吐出方向505に実質的に直角である)において、互いに離間配置され、2つのアレイ150がアレイ方向500において重なり合うことを可能にする。アレイのための対応するノズルが同様に配置されることが理解されるであろう。
【0052】
図1A及び
図1Bに示される特定の構成では、流体チャンバの各アレイは、薄膜型液滴堆積ヘッドの場合にはシリコンダイスタックであり得る、それぞれのアクチュエータ構成要素によって提供される。かかるアクチュエータ構成要素の例は、
図13を参照して以下に更に説明される。
図1Bにも示されるように、アレイ方向500における重なり合いの量は、アレイ方向500における各アレイ150の長さと比較して小さい。この重なり合いは、2つのアレイ150が2つのアレイの全体的な幅を有する単一のアレイと同様の方法で、例えば深さ方向510において、ヘッド10を通過して指定されるように、堆積媒体(例えば、紙、セラミックタイル、回路基板等のシート等)に集合的にアドレス指定することを可能にし得る。2つのアレイは、例えば、それらの全体の幅が十分に大きい単一通路で媒体がアドレス指定することを可能にし得る。場合によっては、重なり合い領域は、例えば、重なり合い領域のアレイ間の適切なノズルを選択すること、及びそれらの個々の駆動波形を通してそれらの液滴吐出特性を制御することによって、電子手段による2つのアレイ間の微細な位置合わせを可能にし得る。
【0053】
図1Aに示されるように、分岐入口経路180は、流体入口120に流体的に連結され、マニホールド構成要素80内に、吐出方向505の液滴堆積ヘッド10の高さの第1の部分11にわたって提供される。分岐入口経路180は、分岐点186において、2つの副分岐182(a)、(b)に分割する。1つのみの分岐点186を有する
図1Aに示される単純な分岐構造では、これらの副分岐は末端副分岐182(a)、(b)であり、分岐入口経路180は、これらの端部副分岐182(a)、(b)になる。末端副分岐182(a)、(b)の各々は、分岐入口経路180の主分岐181を介して流体入口120に流体的に連結される。
【0054】
図1Aからも分かるように、2つの拡大入口チャンバ55(a)、55(b)は、吐出方向505の液滴堆積ヘッド10の高さの第2の部分12にわたって提供される。アレイ方向500の各拡大入口チャンバ55(a)、55(b)の幅は、吐出方向505のその第1の端部から第2の端部までの距離と共に増加する。このようにして、各拡大入口チャンバ55の幅は、アレイ150に近づくにつれて増加する。
【0055】
図1Aに示される特定の例では、アレイ方向500の拡大チャンバの幅は、吐出方向505の距離が増加するにつれて実質的に一定の割合で増加する。各拡大入口チャンバ55の側部は、深さ方向510(アレイ方向500及び吐出方向505に対して実質的に直角)から見ると、実質的に直線状である。
【0056】
拡大入口チャンバ55(a)、55(b)の側部(吐出方向505のチャンバ高さに対して)は、平衡流れ特徴(例えば、実質的な平衡圧力を有し、かつ/または平衡流速を有し、かつ/または平衡速度を有する)を有するアレイ150のうちの対応する1つの中で、流体をチャンバに提供することを支援するように成形され得ることに留意されたい。このように(または別様に)、いくつかの代替構成における各拡大入口チャンバ55の側部は、深さ方向510から見ると、代わりに凸状または凹状であり得る(かかる形状は、状況に応じて、製造するのがより困難であり得る)。
【0057】
より一般的には、アレイ方向500の各拡大入口チャンバ55の幅は、吐出方向505のその第1の端部から第2の端部までの距離と共に、任意の適切な方法で増加し得ることに留意されるべきである。この増加は、例えば、
図1Aの場合のように、段階的であり、かつ/またはアレイ方向の幅が、吐出方向505の距離に対して実質的に単調に増加し得る。
図1A〜
図1Dの特定の液滴堆積ヘッドでは、各拡大入口チャンバ55の深さは、拡大入口チャンバ55の高さにわたって大幅に変化しない、しかしながら、他の例では、深さは、拡大入口チャンバ55の第2の端部に向かって先細になり得、アレイ150のうちの対応する1つに流体的に接続されることに留意されるべきである。例えば、拡大入口チャンバの深さ方向510のサイズは、吐出方向505の距離が増加するにつれて減少し得る。拡大入口チャンバの深さ及び幅は、例えば、拡大入口チャンバの断面積が実質的にその高さ全体にわたって一定に保たれるように変化し得る。
【0058】
図1Aに示されるように、各拡大入口チャンバ55は、その第1の端部において、末端副分岐182(a)、182(b)のうちの対応する1つに、及びその第2の端部において、アレイ150のうちの対応する1つに、流体的に接続される。
【0059】
具体的には、
図1Aから分かるように、拡大入口チャンバ55(a)は、その第1の端部において副分岐182(a)に流体的に接続され、その第2の端部においてアレイ150(a)に流体的に接続される一方、拡大入口チャンバ55(b)は、その第1の端部において副分岐182(b)に流体的に接続され、その第2の端部においてアレイ150(b)に流体的に接続される。
図1Aからも分かるように、アレイ方向500の、拡大入口チャンバ55の各々のその第2の端部(アレイ150に最も近い)における幅は、そこに流体を供給するアレイ150の幅に実質的に等しい。これは、アレイ150の長さにわたって流体を均一に分配するのを支援し得る。
図1Aからも分かるように、吐出方向505の各拡大入口チャンバ55の広がりは、アレイ方向500のその広がりよりも大きい。これは、アレイ150に接続されている拡大入口チャンバ55の端部において流体の均一に分配された流れを発生させるのを支援し得る。より一般的には、吐出方向505の各拡大入口チャンバ55の広がりがアレイ方向500のその広がりと略等しいかまたはそれよりも大きい場合に、同様の効果が得られる。
【0060】
図1A及び
図1Bから分かるように、分岐入口経路180は、次いで末端副分岐182(a)、182(b)に到達するまで分岐入口経路180を通って送られる、流体入口120からの流体を受けるように、流体的に接続される。末端副分岐182(a)、182(b)の各々は、次いで、拡大入口チャンバ55のうちのそれぞれの1つに、その第1の端部(アレイ150から最も遠いもの)において、流体を供給するように流体的に接続される。前記拡大入口チャンバ55の各々の第2の端部(アレイ150に近い)は、対応するアレイ150に流体を供給するように構成される。
【0061】
いくつかの例では、分岐入口経路180内の各副分岐は、副分岐内の流体の流れ特徴の平衡を提供するように、例えば、副分岐が平衡圧力及び/または平衡流量及び/または平衡速度を有するように、適合される。
【0062】
図1Aから明らかであるように、2つの拡大入口チャンバ55(a)、55(b)は実質的に同じ形状を有する。このように(または別様に)、液滴堆積ヘッド10の拡大入口チャンバ55は、それらを通って流れる流体に対して実質的に同じ効果を有するように成形され得る。
流体入口120は、正の圧力で流体を供給し得る、流体供給システムから流体を受けるように構成される。アレイ150の作動素子は、IC(集積回路)またはASIC(特定用途向け集積回路)等の、駆動回路(図示せず)によって作動可能に構成されて、チャンバのノズルから、堆積媒体上に堆積されている液滴を吐出する。
【0063】
使用中(例えば、入口120を適切な流体供給システムに接続して流体供給システムを起動した後)、流体は、流体入口120を介して液滴堆積ヘッド10に供給され、分岐入口経路180に到達する。流体は、分岐入口経路180に沿って下方に流れ、主分岐181から、分岐点186において、2つの副分岐182(a)、182(b)の各々に分かれる。上述したように、分岐入口経路180に1つの分岐点しかないため、これらの副分岐は末端副分岐182(a)、182(b)となる。各末端副分岐182(a)、182(b)から、流体は、対応する拡大入口チャンバ55(a)、55(b)の第1の端部に流れる。各拡大入口チャンバ55(a)、55(b)は、流体が液滴堆積ヘッド10を通ってアレイ150に向かって、吐出方向505に下方に流れるにつれて広くなる。各拡大入口チャンバ55が広くなるため、流体は広げられ、各拡大入口チャンバ55の第2の端部において各アレイ150の長さにわたって分配される。上で説明したように、各拡大入口チャンバ55は、流体が平衡流れ特徴(例えば、平衡圧力を有し、かつ/または平衡流量を有し、かつ/またはアレイのチャンバの平衡速度を有する)を有するアレイ150のうちの対応する1つ内のチャンバに分配されるように、成形され得る。
【0064】
したがって、分岐入口経路180と拡大入口チャンバ55との組み合わせは、単一の流体入口ポート120から、平衡流れ特徴を有する複数のアレイ150のチャンバに、流体を供給し得る。
いくつかの例では、
図1A及び
図1B(
図1Cの断面が
図1Dの破線1Cによって示された平面で取られている)に示される液滴堆積ヘッドの変形バージョンの断面図及び端面図をそれぞれ示す、
図1C及び1Dに示されるように、液滴堆積ヘッド10は、上方マニホールド構成要素100と下方マニホールド構成要素50とを含む。
【0065】
下方マニホールド構成要素50は、上方マニホールド構成要素10に連結される。上方マニホールド構成要素100は、主分岐181と、分岐点186と、末端部副分岐182(a)、182(b)とを含む分岐入口経路180を備える。下方マニホールド構成要素50は、拡大入口チャンバ55を備える。
【0066】
上方マニホールド構成要素100は、例えば、ネジもしくはボルト等の接着剤もしくは固定手段を使用するか、または超音波溶接を介して、任意の適切な方法で下方マニホールド構成要素50に連結され得る。
【0067】
いくつかの例では、
図1A及び
図1B(
図1Eの断面が
図1Fの1Eで示される平面で取られた)の液滴堆積ヘッドの変形バージョンの断面図及び端面図をそれぞれ示す
図1E及び
図1Fに示されるように、液滴堆積ヘッド10は、複数の層600から少なくとも部分的に形成され得る。分かるように、
図1E及び
図1Fの特定の例では、各層は、吐出方向505に略垂直な平面に延在している。分岐入口経路180及び拡大入口チャンバ55は、異なる層600が互いの上に積み重ねられて形成される。
【0068】
図1Cに示される特定の例では、上方マニホールド構成要素100が下方マニホールド構成要素50に直接取り付けられているように示されているが、上方マニホールド構成要素100は、例えば、複数の可撓性コネクタを有する下方マニホールド構成要素50に接続され得、これらのコネクタの各々が、そこを通る流体経路を提供する。かかる接続配置の例を、以下に
図4を参照して、より詳細に記述する。かかる可撓性コネクタは、上方マニホールド100から下方マニホールド50への機械的応力の伝達を低減し得る。これは、例えば、ユーザが入口ポート120を流体供給源またはリザーバに接続しているときに重要な考慮事項であり得る。
【0069】
図1A〜
図1Dには示されていないが、ドライバICが液滴堆積ヘッド10の外面上に提供され得る。
【0070】
図1A〜
図1Dに示される特定の例では、分岐入口経路180は、1つの分岐点186のみ、したがって、2つの副分岐182(a)、182(b)のみを含むが、分岐入口経路180がより多くの副分岐182(a)、(b)に分かれ得ることは理解されるべきである。これを、
図1A及び
図1Bに示される液滴堆積ヘッド10と同様の多くの点で、
図2A及び
図2Bに示される液滴堆積ヘッド10の例を参照して実証する。
【0071】
図2A及び
図2Bに示される液滴堆積ヘッド10において、上方マニホールド100内の分岐入口経路180が主分岐181から分かれ、4つの末端副分岐182(a)〜(d)になり、各末端副分岐182(a)〜(d)が、それぞれの拡大入口チャンバ55に流体的に連結されている。
【0072】
より具体的には、主分岐181は、第1のレベル分岐点186(i)(添え字(i)は第1のレベルを示す)において、2つの副分岐に分岐し、これらは次いで、それぞれの分岐点186(ii)(a)、186(ii)(b)(接尾辞(ii)は第2のレベルを示す)において、4つの末端副分岐182(a)〜(d)に分岐する。
【0073】
しかしながら、
図2A及び
図2Bの液滴堆積ヘッド10では、分岐入口経路180は3つの分岐点186(i)、186(ii)(a)、186(ii)(b)のみを含み、他の例では、各分岐入口経路180は、適切な数の分岐点186を有することによって(及び/または各分岐点186において3つ以上の副分岐182に分岐することによって)、他の末端副分岐182になり得ることに留意されるべきである。
【0074】
図1A〜
図1D、
図2A及び
図2Bに示される液滴堆積ヘッド10では、単一の流体入口120のみが提供されていることに更に留意されたい。結果として、単一のタイプの流体(例えば、液滴堆積ヘッド10がインクジェットプリントヘッドとして構成されている場合には1色のインク)のみがアレイ150に供給される。しかしながら、液滴堆積ヘッド10は、第1のタイプの液滴流体を堆積するための2つ以上のアレイ150の第1のグループと、第2のタイプの液滴流体を堆積するためのアレイ150の第2のグループとを含み得る。異なるタイプの液滴流体は、液滴堆積ヘッド10がインクジェットプリントヘッドとして構成されている場合、例えば異なる色のインクに対応し得る。したがって、3つ以上のかかるグループが提供され得、例えば、4つのアレイグループが4つのプロセスカラー(シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック)の各々に対して1つ提供され得る。ヘッドがいくつかの異なるタイプの液滴流体と共に使用されるように構成されている場合、流体経路は、異なるタイプの流体がヘッド内で互いに分かれるように配置され得る。
【0075】
かかる例では、各タイプの液滴流体は、それぞれの流体入口120から受けられてもよい。
図1B及び
図2Bに示されたアレイと同様に、同じグループ内の隣接するアレイ150は、それらがアレイ方向500において、例えば、アレイの長さと比較して比較的小さい量だけ重なり合うことを可能にするために、深さ方向510において離間配置され得る。加えて、第1のグループのアレイ150の各々は、第2のグループのアレイ150のうちのそれぞれの1つと、アレイ方向500において位置合わせされ得る。かかる配置の例を、
図6B及び
図11を参照して以下に更に記述し、
図1A〜
図1F及び
図2A〜Bに示されている例は、アレイの1つのグループのみを含む。このようにして、堆積媒体が液滴堆積ヘッドを通過して指定されるとき、堆積媒体の幅(アレイ方向500の)の各部分は、全てのグループからアレイによってアドレス指定される。
【0076】
いくつかの例では、各下方マニホールド構成要素50について、同じグループからの対のアレイ150(したがって、同じタイプの流体を受ける)が並べて提供され得、対内の両方のアレイが、同じ拡大入口チャンバ55に流体的に接続される。したがって、吐出方向505から見ると(例えば、
図1B及び
図2Cに示されるように)、かかる対のアレイの各々の中のアレイ150は、共有された拡大入口55のいずれかの側に配列され得る。したがって、拡大入口55は、吐出方向505から見ると、アレイ150を分割または分離しているように見えることがある(対のアレイ150を物理的に分離する必要はなく、特に、対のアレイ150が単一のアクチュエータ構成要素によって提供され、したがって、吐出方向505の対のアレイからオフセットされ得ることに留意されるべきである)。
【0077】
ここで、本発明の別の実施形態による液滴堆積ヘッド10の断面図、側面図及び端面図をそれぞれ示す
図3A、
図3B及び
図3Cに注目する(断面
図3Aは、
図3B及び
図3Cの破線3Aによって示される平面で取られている)。分かるように、
図3A〜
図3Cの液滴堆積ヘッド10は、上方マニホールド構成要素100及び複数の下方マニホールド構成要素50、この例においては、2つの下方マニホールド構成要素50を含む。
【0078】
図3A及び
図3Bから分かるように、マニホールド構成要素は、流体入口120に加えて、流体出口220を提供する。したがって、
図3A、
図3B及び
図3Cの液滴堆積ヘッド10は、複数のマニホールド構成要素100、50が1つ以上の流体出口を提供するヘッドの一例と考えることができる。
【0079】
図から分かるように、
図3A、
図3B及び
図3Cに示される液滴堆積ヘッド10の例は、
図1A、
図1B、
図2A及び
図2Bに関して上述したものと同様の分岐流体入口経路構造180を有するが、追加的に、流体を流体供給システムに戻すための分岐流体出口経路構造280を有する。これは、例えば、使用中にヘッドを通る流体の連続的な流れを確立することによって、ヘッドを通る流体の再循環を可能にし得る。より具体的には、アレイ内のチャンバの各々を通る流体の連続的な流れが確立され得る。この流れは、流体供給システムの構成(例えば、流体入口120及び流体出口220に適用される流体圧力)に応じて、潜在的にはより低い流量であるにもかかわらず、液滴吐出の間でさえも継続し得る。
【0080】
図3A、
図3B及び
図3Cに示されるように、流体出口220は、流体入口120と同じ液滴堆積ヘッド10の端部(具体的には、液滴吐出方向505のアレイ150から最も遠い端部)に位置している。
【0081】
図3Aに示される例では、2つの分岐出口の末端副分岐282(a)、282(b)は、上方マニホールド構成要素10内に提供される。分岐出口の末端副分岐10の 282(a)、282(b)の各々は、分岐点286において、分岐出口経路280の主分岐281に流体的に接続される。主分岐281は、次に、流体出口220に連結される。複数の副分岐282(a)、282(b)及び主分岐281は、一緒に単一の分岐出口経路280を形成する。
【0082】
使用中、流体は、(以下に詳細に説明するように)末端副分岐282(a)、282(b)から主分岐281へ流れて、流体出口220に戻されるが、分岐出口経路280は、それでもなお、トポロジー的な意味で、末端副分岐282(a)、282(b)「になる」として記述され得る。
図3B及び
図3Cから分かるように、各下方マニホールド構成要素50内には、1つの拡大入口チャンバ55(a)、55(b)及び1つの狭窄出口チャンバ60(a)、60(b)が提供される。アレイ方向の各狭窄出口チャンバ60(a)、60(b)の幅は、対応する流体アレイ150に流体的に連結されている、第1の端部(アレイ150に最も近い)から、分岐出口経路280によって提供される末端副分岐282(a)、282(b)のうちの対応する1つに流体的に連結されている、第2の端部(アレイ150から最も遠い)まで、吐出方向505とは反対側の方向の距離と共に減少する。
図3Aから明らかであるように、各狭窄出口チャンバ60の各々の、アレイ方向500の幅は、その第1の端部において、そこから流体を受けるアレイ150の幅に実質的に等しい。上述したように、これは、各アレイ150の長さにわたって流体を均一に分配するのを支援し得る。
図3Aからも明らかであるように、吐出方向505の各拡大入口チャンバ55の広がりは、アレイ方向500のその広がりよりも大きい。上述したように、これは、アレイ150に接続されている拡大入口チャンバ55の端部において流体の均一に分配された流れを発生させるのを支援し得る。
【0083】
図3A及び
図3Bに示されるように、流体入口構造体は、流体出口構造体の部分とアレイ方向500に重なり合っている。例えば、各狭窄出口チャンバ60は、液滴堆積ヘッド10のアレイ方向500において、拡大入口チャンバ55と重なり合っている。加えて、分岐入口経路180は、アレイ方向500において、分岐出口経路280と重なり合っている。
図3Bから明らかであるように、分岐出口経路180は、ヘッドの深さ方向510においても、分岐入口経路280と重なり合う(深さ方向510は、アレイ方向500及び吐出方向505に直角である)。
【0084】
各下方マニホールド構成要素50は、チャンバの少なくとも1つのアレイ150に流体接続を提供する。
図3Cに示される例では、各下方マニホールド構成要素50は、チャンバのそれぞれのアレイ150をその上に取り付けている。
図3Cに示されるように、1つの下方マニホールド構成要素50(a)は、アレイ方向500に重なり合いながら、深さ方向510の他の50(b)から離間配置されている。同様に、1つの下方マニホールド構成要素のアレイ150(a)は、深さ方向510の他の下方マニホールド構成要素50(b)のアレイ150(b)から離間配置され、アレイ150(a)、150(b)が配列方向500に重なり合っている。アレイのための対応するノズルが同様に配置されることが理解されるであろう。
【0085】
図3A、
図3B及び3Cに示される流体入口構造体(分岐入口経路180及び拡大入口チャンバ55(a)、55(b)を含む)は、入口120を使用して流体供給システムに接続し、その後、一般に、
図1A、
図1B、
図2A及び
図2Bを参照して上述したものと同様に機能する。
流体出口220は、ヘッド10が流体供給システムに液滴流体を戻すことができるように、流体供給システムに接続可能である。流体供給システムは、例えば、システムを通って液滴流体を引き出すように、流体出口220に負圧を印加するように構成されてもよい。加えて、流体供給システムは、典型的には、流体入口120に正圧を印加するように構成されている(ただし、場合によっては、流体出口220の負圧が単独で使用され得る可能性もある)。
【0086】
図3A、
図3B及び
図3Cから分かるように、分岐出口の末端副分岐282(a)、282(b)の各々は、対応する狭窄出口チャンバ60(a)、60(b)から流体を受けるように構成される。また示されるように、狭窄出口チャンバ60(a)、60(b)(アレイ150に、最も近いもの)の各々の第1の端部は、それぞれのアレイ150から流体を受けるように構成される。
【0087】
図3A〜
図3Cに示される特定の例では、アレイ方向500の拡大入口チャンバ55の幅は、吐出方向505の距離が増加するにつれて実質的に一定の割合で増加する。各拡大入口チャンバ55の側部は、深さ方向510(アレイ方向500及び吐出方向に実質的に直角である)から見ると、実質的に直線状または線形である。
【0088】
拡大入口チャンバ55(a)、55(b)の側部(吐出方向505のチャンバ高さに対して)は、平衡流れ特徴(例えば、実質的な平衡圧力を有し、かつ/または平衡流速を有し、かつ/または平衡速度を有する)を有するアレイ150のうちの対応する1つの中で、流体をチャンバに提供することを支援するように成形され得ることに留意されたい。このように(または別様に)、いくつかの代替構成における各拡大入口チャンバ55の側部は、深さ方向510から見ると、代わりに凸状または凹状であり得る(かかる形状は、状況に応じて、製造するのがより困難であり得る)。
より一般的には、アレイ方向500の各拡大入口チャンバ55の幅は、吐出方向505の第1の端部から第2の端部までの距離と共に、任意の適切な方法で増加し得る。この増加は、例えば、
図3Aの場合のように、段階的であり、かつ/またはアレイ方向の幅が、吐出方向505の距離に対して実質的に単調に増加し得る。
【0089】
図3A〜
図3Cに示される特定の例では、狭窄出口チャンバ60のアレイ方向500の幅は、吐出方向505とは反対の方向に距離が増加するにつれて、実質的に一定の割合で減少する。各狭窄出口チャンバ60の側部は、深さ方向510(アレイ方向500及び吐出方向に実質的に直角である)から見ると、実質的に直線状または線形である。
【0090】
各狭窄出口チャンバ60(a)、60(b)の側部(吐出方向505のチャンバ高さに対して)は、アレイ150において流体の流れ特徴を平衡するのを支援するように、成形され得ることに留意されるべきである。例えば、形状は、アレイ150のチャンバ内の流体の圧力及び/または流速及び/または速度の平衡を支援し得る。このように(または 別様に)、いくつかの別の構成では、各狭窄出口チャンバ60の側部は、深さ方向510から見ると、凸状または凹状であってもよい(ただし、かかる形状は、状況に応じて、製造するのがより困難であり得る)。
【0091】
より一般的には、各狭窄出口チャンバ60(a)、60(b)のアレイ方向500の幅は、任意の適切な方法で、吐出方向505に対する方向の反対の距離と共に減少し得る。この増加は、例えば、
図3Aの場合のように、段階的であり、かつ/またはアレイ方向の幅が、吐出方向505の距離に対して実質的に単調に増加し得る。
【0092】
図3A〜
図3Cの特定の液滴堆積ヘッドにおいて、各拡大入口チャンバ55の深さは、吐出方向505の距離55と共に著しく変化しない。しかしながら、他の例では、各拡大入口チャンバ55の深さは、拡大入口チャンバ55の第2の端部に向かって先細になり得、それはアレイ150のうちの対応する1つに流体的に接続される。例えば、拡大入口チャンバの深さ方向510のサイズは、吐出方向505の距離が増加するにつれて減少し得る。拡大入口チャンバの深さ及び幅は、例えば、拡大入口チャンバの断面積が、実質的に吐出方向505のその高さ全体にわたって一定に保たれるように変化し得る。
【0093】
同様に、各狭窄出口チャンバ60の深さは、吐出方向505の距離55と共に著しく変化しないことに留意されたい。しかしながら、他の例では、各狭窄出口チャンバ60の深さは、狭窄出口チャンバ60の第1の端部に向かって先細になり得、それはアレイ150のうちの対応する1つに流体的に接続される。例えば、狭窄出口チャンバ60の深さ方向510のサイズは、吐出方向505の距離が増加するにつれて減少し得る。拡大入口チャンバの深さ及び幅は、例えば、狭窄出口チャンバ60の断面積が実質的に吐出方向505のその高さ全体にわたって一定に保たれるように、変化し得る。
【0094】
使用中、流体は、
図1A、
図1B、
図2A及び
図2Bに関して上述したものと概して同じ方法で、液滴堆積ヘッド10の各アレイ150に供給される。
【0095】
しかしながら、流体が各アレイ150、より具体的には、それらのチャンバに供給されると、流体は、上述したヘッドを通る流体の再循環の一部として、各チャンバを通って流れる。例えば、チャンバが細長い場合、流体はその長さに沿って流れ得る。次に、アレイ150の作動要素が、チャンバのノズルを通る液滴の吐出を引き起こすように作動されると、いくつかの流体は、チャンバを液滴の形態で離れる。また、ヘッドを通る流体の再循環の一部として、吐出されない流体は、チャンバから下方マニホールド50内の対応する狭窄流体出口チャンバ60(a)、60(b)に流れる。流体が狭窄流体出口チャンバ60(a)、60(b)を通って流れるとき、流体は漏斗と同様の方法で濃縮され、その結果、流体は狭窄出口チャンバ60から出口末端副分岐282(a)、282(b)に流れる。流体は、上方マニホールド100内の分岐出口経路280の出口副分岐282(a)、282(b)を通って流れ、分岐出口経路280の主経路281の中へかつそれに沿って流れる前に、分岐点286で結合される。流体は、分岐出口経路280の主分岐281から流体出口220に流れ、それは流体供給システムに戻り得る。
【0096】
図3A〜
図3Cの液滴堆積ヘッド10は、1つの流体入口120と1つの流体出口220のみを有するものとして記述したが、特に、アレイの異なるグループが提供されている場合、いくつかの流体入口及びいくつかの流体出口が含まれ得る。例えば、それぞれの流体入口及びそれぞれの流体出口が、いくつかの異なるタイプの液滴流体の各々に提供され得る。アレイのそれぞれのグループは、液滴流体の各タイプに提供され得る。異なるタイプの液滴流体は、液滴堆積ヘッド10がインクジェットプリントヘッドとして構成されている場合、例えば異なる色のインクに対応し得る。ヘッドがいくつかの異なるタイプの液滴流体と共に使用されるように構成されている場合、流体経路は、異なるタイプの流体がヘッド内で互いに分離されるように配置され得る。
【0097】
図3A〜3Cの液滴堆積ヘッド10は、各下方マニホールド構成要素50に対して1つのアレイのみを有するように示されているが、各下方マニホールド構成要素が複数のアレイに流体接続を提供し得ることが想定されることに留意されるべきである。
【0098】
例えば、拡大入口チャンバ55は、同じグループからの2つのアレイ150に流体を提供するように構成され得る。かかる例では、2つのアレイは、拡大入口チャンバ55を共有し得るが、それぞれの狭窄出口チャンバ60を有し、その結果、同じグループの2つのアレイ150当たり2つの狭窄出口チャンバ60及び1つの拡大入口チャンバ55が存在する。かかる配置の例を、
図6B及び
図11を参照して以下に更に記述し、
図1A〜
図1F及び
図2A〜Bに示されている例は、アレイの1つのグループのみを含む。代替的に、2つのアレイ150には各々、それぞれの拡大入口チャンバ55が提供され得、単一の狭窄出口チャンバ60を共有する。
【0099】
実際に、いくつかの例では、各下方マニホールド構成要素50は、アレイの2つ以上のグループからのアレイへの流体接続を提供し得、上述したように、各グループは特定のタイプの液滴流体に対応する。
【0100】
いくつかの例では、同じ下方マニホールド構成要素50に及び同じグループに対応するアレイ150は、深さ方向510において互いに離間配置され、アレイ方向500において、例えば各アレイのノズル間隔の順序の、例えば少量だけ、互いにオフセットされ得る。オフセットは、例えば、ノズル間隔の約1/N倍とすることができ、ここで、Nは、同じ下方マニホールド構成要素に対応する同じグループ内のアレイの数である(または、潜在的に、ノズル間隔のM+1/N倍であり、Mは整数である)。このようにまたは別様に、Nのアレイのノズルは、深さ方向505から見ると、アレイ方向500及び吐出方向510に垂直な、1/Nの間隔を有するノズルのアレイを共に提供し得る。したがって、Nのアレイからのノズルは、例えば、
図6Bに示されるように、アレイ方向500に対してインターリーブされ得、第1のグループからの2つのアレイがインターリーブされ、第2のグループからの2つのアレイがインターリーブされる。したがって、複数のアレイは、単一のアレイよりも高い解像度を有するプリントヘッドを提供し得る。
【0101】
このようにまたは別様に、アレイ150は、アレイ方向500において圧力チャンバ間の距離よりも小さい量だけ重なり合ってもよく、その結果、それらのノズルがアレイ方向500に対してインターリーブされる。かかる配置は、液滴堆積ヘッド10によって印刷され得る解像度を改善し得る。
【0102】
いくつかの例では、各下方マニホールド構成要素は、複数のグループからアレイへの流体接続を提供し得る。かかる場合、異なるグループに対応する(ただし、同じ下方マニホールド構成要素50に対応する)アレイ150は、アレイ方向500に位置合わせされ得る。このように、堆積媒体が液滴堆積ヘッドを越えて指定されるとき、アレイ方向500の幅の各部分は、2つ以上のグループの各々からのアレイによってアドレス指定される
【0103】
各下方マニホールド構成要素50のための狭窄出口チャンバ60のうちの少なくとも1つは、その下方マニホールド構成要素50の外面に隣接して提供され得ることが想定される。かかる配置は、より一般的には、下方マニホールド構成要素50または液滴堆積ヘッド10の外面に連結された回路に冷却を提供し得る。
【0104】
図3A、
図3B及び
図3Cに示される液滴堆積ヘッドは、
図1A、
図1B、
図2A及び
図2Bに関して上述した特徴のいずれも備え得ることに留意されるべきである。
図4〜
図12Bは、本発明の更なる実施形態による液滴堆積ヘッド10を示す。
図4は、液滴堆積ヘッド10の例の分解斜視図を示す。 分かるように、液滴堆積ヘッド10は、上方マニホールド構成要素100と、4つの下方マニホールド構成要素50とを備える。
【0105】
図4〜
図12Bの液滴堆積ヘッドは、2つの異なるタイプの液滴流体と共に使用するように構成され、適切な流体供給システムに接続されたときに、
図3A〜
図3Cを参照して上述したものと同じ方法で、液滴流体の再循環を提供し得る。したがって、液滴堆積ヘッドは、2つの流体入口120(1)、120(2)と2つの流体出口220(1)、220(2)とを含む(ここで、添え字(1)及び(2)は、入口/出口がそれぞれ第1及び第2のタイプの液滴流体と共に使用するように構成されていることを示す)。
【0106】
図4にも示されているように、上方マニホールド構成要素100と各下方マニホールド構成要素50との間に一連の可撓性コネクタ75がある。可撓性コネクタ75のうちのいくつかは、上方マニホールド構成要素100内の分岐入口経路180の末端副分岐20を、下方マニホールド構成要素50内の拡大入口チャンバ50に連結する一方で、他の可撓性コネクタ75は、上方マニホールド構成要素100内の分岐出口経路280の末端副分岐32を下方マニホールド構成要素50内の狭窄出口チャンバ55に連結する。
【0107】
したがって、可撓性コネクタ75は、上方マニホールド構成要素100から下方マニホールド構成要素50へ、及びその逆も同様に、流体を移すように適合される。
【0108】
したがって、可撓性コネクタは、個々に、下方マニホールド構成要素50と上方マニホールド構成要素100との間の個々の流体経路に対して、それぞれわずかな調整を行うように設計され得る。例えば、これらの調整は、経路の流れ特徴の平衡を改善し得る(例えば、経路内の圧力及び/または流速及び/または速度を平衡する)。したがって、可撓性コネクタは、製造ばらつきから生じる流れ特徴の小さな偏差を補正するために使用され得る。
【0109】
示される例における特定の可撓性コネクタ75は砂時計構成を有し、その結果、それらの腰部は狭くなっている。各可撓性コネクタ75の腰部における狭窄は、腰部の周りでそれが曲がるかまたは撓むことを可能にし得る。この柔軟性は、様々な下方マニホールド構成要素50に対する上方マニホールド構成要素100のわずかな位置合わせのずれを補償するのを支援し得る。
【0110】
より一般的には、可撓性コネクタ75は、一方の構成要素、例えば上方マニホールド構成要素10が、他方の構成要素、例えば下方マニホールド構成要素50に対して移動する場合、撓みかつ曲がるように、ただし2つの間に依然として密封された流体接続を維持するように適合される。このようにして、可撓性コネクタ75は、上方マニホールド構成要素から下方マニホールド構成要素への機械的応力の伝達を低減しながら、上方マニホールド構成要素100から下方マニホールド構成要素50へ、及びその逆も同様に、流体を移すように作用し得る。
【0111】
図4の液滴堆積ヘッドの上方マニホールド構成要素100の透視図を示す
図5Aに示されるように、示されている上方マニホールド構成要素100の特定の例は、吐出方向505から見ると、概ねz形状であることに留意されたい。上方マニホールド構成要素100のz形状は、別の上方マニホールド構成要素100のz形状と係合するように構成され、その結果、一連の液滴堆積ヘッド10は、異なるヘッドからのアレイ間の重なり合いを提供するように、インターロッキングまたはテッセレーションの方法で支持体(インクジェットプリントヘッドの場合、プリントバー等)上に一緒に配置され得る。当然のことながら、上方マニホールド構成要素の他の形状が、テッセレーションを提供するために、より一般的には、異なるヘッドからのアレイ間での重なり合いを提供するために、可能であることが理解されるであろう。実際、ヘッドは単純な直方体の形状を有し得る。
【0112】
図5Aから分かるように、上方マニホールド構成要素100は、ヘッド10の第1の端部に2つの入口ポート120(1)、120(2)及び2つの出口ポート220(1)、220(2)を提供する。上述したように、各入口ポート120(1)、120(2)及び各出口ポート220(1)、220(2)は、例えば、インクの異なる色等の異なるタイプの流体を供給または受けるように構成され得る(添え次字(1)及び(2)は、対象の入口または出口ポートがそれぞれ第1または第2のタイプの流体と共に使用されるように構成されていることを示す)。具体的には、入口ポート120(1)及び出口ポート220(1)は、第1のタイプの液滴流体の供給及び戻しのためにそれぞれ構成され、入口ポート120(2)及び出口ポート220(2)は、第2のタイプの液滴流体の供給及び戻しのためにそれぞれ構成される。
【0113】
図8A〜
図8Cを参照して以下でより詳細に記述するように、上方マニホールド構成要素100は、複数の層から形成される。
図5Aに示されるように、上方マニホールド構成要素100は、上方マニホールド構成要素100をカバー構成要素(図示せず)等の構造体に連結するための各端部において締結特徴部30を備える。
【0114】
ここで
図4に戻ると、下方マニホールド構成要素50は、各々、ベース200内のそれぞれの凹部に取り付けられていることに留意されるべきである。分かるように、ベース200は、一般に、上方マニホールド構成要素10の形状を反映している。フレーム200は、下方マニホールド構成要素50を受けるように適合される。より具体的には、各下方マニホールド構成要素のキャリア層76は、ベース200の対応する凹部内に嵌入するように成形される。ベース200は、支持体に取り付けられるのを支援する特徴部を有し得る。例えば、それは、ベース200をネジを用いて支持体に取り付けることを可能にするためのネジ穴等の、1つ以上のデータム等の位置合わせ特徴部、ならびに取り付け特徴部を含み得る。
【0115】
ここで
図5Bを参照すると、
図4の液滴堆積ヘッド10の下方マニホールド構成要素50の透視図が示されている。分かるように、各下方マニホールド構成要素50は、2つの入口ポート65(1)、65(2)と2つの出口ポート67(1)、67(2)とを備える。上方マニホールド層10のポートと同様に、各入口ポート65(1)、65(2)及び各出口ポート67(1)、67(2)は、異なる色のインク等の異なるタイプの流体を受けるように構成されている。
各下方マニホールド構成要素50は、流体チャンバ150のいくつかのアレイに流体を供給し、それから流体を受ける。より具体的には、各下方マニホールド構成要素50は、流体チャンバ150の2つのアレイに第1のタイプの流体を供給し、それから第1のタイプの流体を受け、また、流体チャンバ150の2つのアレイに第2のタイプの流体を供給し、それから第2のタイプの流体を受ける。
【0116】
図5Bから分かるように、各下方マニホールド構成要素50は、複数の層から形成される。各層は、吐出方向505に略直角に延在する。また分かるように、各拡大入口チャンバ55及び各狭窄出口チャンバ60は、いくつかの層内に形成される。吐出方向505に略直角に延在する層を利用することにより、層が一般にこれらのチャンバを「横切る」ことになるため、様々な狭窄及び拡大チャンバ55、60を正確にかつ比較的直接的に形成することが可能であり得る。このように、少数の層のみが必要とされ得、層の数が少ないほど、層間の位置合わせがより良好になることが理解される。より具体的には、上方マニホールド構成要素100への流体接続を提供する、
図5Bの最上層70と、アレイ150への流体接続を提供する、
図5Bの最下層76との間の位置合わせは、位置合わせ誤差の低減された累積誤差に起因して改善され得る。
【0117】
しかしながら、下方マニホールド構成要素50は、任意の適切な方法で形成され得、例えば、それは、各々、深さ方向505に直角に延在する複数の層から、または潜在的に、各々、アレイ方向500に直角に延在する層から(少なくとも部分的に)形成され得ることに留意されるべきである。
【0118】
図5B、
図6A及び
図6Bに示される特定の例において、各下方マニホールド構成要素は、4つの層、すなわち第1の下方マニホールド層70、第2の下方マニホールド層72、第3の下方マニホールド層74及びキャリア層76である第4の下方マニホールド層76を有する。
【0119】
図5Bから明らかであるように、示された特定の例において、第1の下方マニホールド層70は、第2の下方マニホールド層72内に取り付けられ、第2の下方マニホールド層72が、第1の下方マニホールド層70を載せる2つのアーム721(a)、721(b)を有する。
【0120】
各下方マニホールド構成要素50はまた、反対側の端部において下方マニホールド構成要素50の層を通って延在する孔52を備える。各孔は、層を互いに締め付けるネジ、ボルト、締め付けロッド等の締め付け手段を受けることができる。加えて(または潜在的に代わりに)、下方マニホールド構成要素の層は、接着材接着、溶接等によって連結され得る。
【0121】
図6Aは、
図4及び
図5Bに示される下方マニホールド構成要素の断面図であり、下方マニホールド構成要素の内部の特徴部を示す。より具体的には、
図6Aは、拡大入口チャンバ 55(1)内のそれぞれの空間の固体物体として、1つのタイプの液滴流体のための狭窄出口チャンバ60(1)(i)、60(1)(ii)ならびに入口及び出口ポート65(1)、67(1)を示す。
アレイ150への近接を増加させるために層をアドレス指定することは、
図6から分かるように、第1の下方マニホールド層70は、入口ポート65(1)、65(2)及び出口ポート67(1)、67(2)を備える。入口ポート65(1)、65(2)は、下方マニホールド構成要素50の第1の層70の中心に向かって位置しており(
図6Aでは最も上に位置する)、出口ポート67(1)、67(2)は、下方マニホールド構成要素50の第1の層70の側部に向かって位置している。したがって、入口ポート65(1)、65(2)は、出口ポート67(1)、67(2)よりも比較的より中央に(アレイ方向500から見ると)配置される。
【0122】
示される特定の例において、ポート65、67は、第1の下方マニホールド層70の一部として一体成形される。更にアレイ150に向かって、第1の下方マニホールド層70はまた、入口及び出口ポート65、67のために対応する入口及び出口ダクト68、69をそれぞれ備える。各入口ダクトは、単一の対応する拡大入口チャンバ55に流体を供給するように構成される一方で、各出口ダクト69は、2つの対応する狭窄出口チャンバ60から流体を受けるように構成される。例えば、ダクト68(1)は、拡大入口チャンバ55(1)に流体を供給する一方で、ダクト69(1)は、狭窄出口チャンバ60(1)(i)及び狭窄出口チャンバ60(1)(ii)の両方から流体を受ける。これらの狭窄及び拡大チャンバ55、60は、次に、流体チャンバのアレイ150に流体的に接続される。
【0123】
より具体的には、拡大入口チャンバ55または狭窄出口チャンバ60等の各下方マニホールドチャンバは、同じグループからの少なくとも2つのアレイ150に流体接続を提供し得る。
図6に示される例では、各拡大出口チャンバ55(1)、55(2)は、2つのアレイ150に流体的に接続され、したがって、1対のアレイ150は、同じ拡大入口チャンバ55(1)、55(2)を共有する。しかしながら、1対のアレイ150は、代わりに(または場合によっては加えて)、同じ狭窄出口チャンバ60を共有し得ることに留意されるべきである。
【0124】
図6A及び
図6Bに示される例では、下方マニホールド構成要素50は、2つのタイプの流体と共に使用するように構成され、各タイプの流体は、それぞれの入口ポート65(1)、65(2)を介して下方マニホールド構成要素50に供給され、出口ポート67(1)、67(2)を介して、上方マニホールド構成要素100に戻される。
【0125】
各拡大入口チャンバ55は、特定のタイプの流体をそれぞれの入口ポート65(1)、65(2)から同じグループからの2つのアレイ150に分配するように構成される。したがって、上述したように、同じグループの2つのアレイ150は、同じ拡大入口チャンバ55から流体を受ける。これは、アレイが位置している端部から取られた、
図6Aの下方マニホールド構成要素50の概略端面図である、
図6Bによって更に詳細に示される。
【0126】
図6Bから分かるように、2対のノズル列155(1)(i)〜(ii)及び155(2)(i)〜(ii)が、下方マニホールド構成要素50のキャリア層76に隣接して提供され、各ノズル列155はそれぞれのアレイ150に対応している。対内のノズル列155は、流体チャンバの対応するアレイと同様に、互いに隣接して位置している。
【0127】
各対のアレイは、例えば、単一のアクチュエータ構成要素によって提供され得るが、他の構成では、各アレイは別個のアクチュエータ構成要素によって提供され得、または下方マニホールド構成要素のアレイの全てが同じアクチュエータ構成要素によって提供され得る。
【0128】
第1の対のノズル列155(1)(i)〜(ii)は、1つのタイプの液滴流体の吐出のために構成され、第2の対のノズル列155(2)(i)〜(ii)は、別のタイプの液滴流体の吐出のために構成される。
【0129】
図6Bに図示されるように、拡大入口チャンバ55(1)は、ノズル列155(1)(i)、155(1)(ii)に対応するアレイに流体的に接続される一方で、拡大入口チャンバ55(2)は、ノズル列155(2)(i)、155(2)(ii)に流体的に接続される。加えて、狭窄出口チャンバ60(1)(i)及び60(1)(ii)は、ノズル列155(1)(i)及び155(1)(ii)に対応するアレイにそれぞれ流体的に接続される一方で、狭窄出口チャンバ60(2)(i)及び60(2)(ii)は、ノズル列155(2)(i)及び155(2)(ii)に対応するアレイにそれぞれ流体的に接続される。
【0130】
図6Bから明らかであるように、吐出方向505から見ると、グループ内の2つのアレイ150は、対応する共有された拡大入口チャンバ55のいずれかの側に配列されている。したがって、拡大入口チャンバ55は、吐出方向505から見ると、アレイ150を分割または分離しているように見える。
【0131】
対照的に、各狭窄出口チャンバ60は、単一のアレイ150からのみ流体を受け、出口ポート67(1)、67(2)にそれを戻すように構成される。
図6Aの特定の例では、1つのタイプの流体に対応する2つの狭窄出口チャンバ60は、出口ポート67(1)、67(2)を共有するように、同じ出口ポート67(1)、67(2)に流体を戻す。
【0132】
ここで
図6Bに戻ると、第1のグループ内のアレイに対応するノズル155(1)(i)は、第2のグループ内のアレイに対応するノズル155(2)(i)と位置合わせされることに留意されたい。同様に、ノズル155(1)(ii)はノズル155(2)(ii)と位置合わせされる。チャンバのそれぞれのアレイ150は、実質的に同じ方法で位置合わせされることが理解されよう。したがって、
図6Bは、下方マニホールド構成要素50のうちの特定の1つに対応するアレイの場合、第1のグループの各アレイ150が、アレイ方向500において、第2のグループのそれぞれのアレイ150と位置合わせされる例と考えられ得る。このようにして、堆積媒体が液滴堆積ヘッド10を越えて指定されると、アレイ方向500のその幅の各部分は、下方マニホールド構成要素50内の各グループからのアレイ150によってアドレス指定される。
【0133】
図6Bから明らかであるように、同じグループ(例えば、ノズル列155(1)(i)及び155(1)(ii))内のアレイ150のノズル列155は、アレイ方向500において、少量502だけ互いとオフセットされる。チャンバのそれぞれのアレイ150は、実質的に同じ方法でオフセットされることが理解されるであろう。
【0134】
より一般的には、同じグループ及び同じ下方マニホールド構成要素50に対応するアレイ150は、アレイ方向500において、互いに対してオフセットされ得る。
【0135】
このオフセットは、例えば、各アレイのノズル間隔501の順序であり得る。オフセットは、例えば、ノズル間隔501の約1/N倍とすることができ、ここで、Nは、同じ下方マニホールド構成要素に対応する同じグループ内のアレイの数であり(または、潜在的に、ノズル間隔のM+(1/N)倍であり、Mは整数である)、
図6Bに示される例では、N=2である。このようにまたは別様に、Nのアレイのノズルは、深さ方向505から見ると、アレイ方向500及び吐出方向510に垂直な、1/Nの間隔を有するノズルのアレイを共に提供し得る。したがって、
図6Bに示されるように、Nのアレイからのノズル155は、アレイ方向500に対してインターリーブされ得る。したがって、複数のアレイは、単一のアレイよりも高い解像度を有するプリントヘッドを提供し得る。
【0136】
ここで
図6Aに戻ると、図から分かるように、2つの狭窄出口チャンバ60を出口ポート67(1)、67(2)のうちの対応する1つに連結するための各出口ダクト69は、下方マニホールド50の上方層70において2つの狭窄出口チャンバ60を流体的に結合する。例えば、
図6に示されるように、2つの狭窄出口チャンバ60(1)(i)、60(1)(ii)は、2つの狭窄出口チャンバ60(1)(i)、60(1)(ii)の2つの平行な上方スロットの間にマージ部分を形成することによってマージされて、層70の平面にU形状の流体経路を形成し得る。このようにして、各出口ダクト69の各平行チャネルは、対応する狭窄出口チャンバ60に連結し、その結果、各出口ダクト69は、2つの狭窄出口チャンバ60に流体的に連結する。
【0137】
出口ダクト69の実質的に平行なチャネルは、深さ方向510に対して、拡大入口チャンバ55のうちの1つを入口ポート65(1)、65(2)のうちの対応する1つに連結する、入口ダクト68のチャネルのいずれかの側に沿って延在するように構成される。
【0138】
図6A及び
図6Bに示される特定の例は、同じグループの2つのアレイ間で共有される拡大入口チャンバ55を含むが、他の例では、狭窄出口チャンバ60のうちの1つ(またはそれ以上)は、同様の方法で同じグループの2つのアレイ間で共有され得る。このようにまたは別様に、各アレイ(同じグループであるか否かを問わず)について、それぞれの拡大入口チャンバ55が提供され得る。他の例では、各アレイには、それぞれの拡大入口チャンバ55及びそれぞれの狭窄出口チャンバ60が提供され得る。したがって、各狭窄出口チャンバ60に対して1つの拡大入口チャンバ55が存在し得る。
【0139】
ここで、第2の下方マニホールド層72に移ると、この層は、第1の下方マニホールド層70に流体的に連結され、拡大入口チャンバ55と狭窄出口チャンバ60の第1の部分とを含み、吐出方向505の距離を増加させながら、これらのチャンバの各々は、アレイ方向500に広くなる(狭窄出口チャンバ60の幅は、吐出方向505とは反対の方向への距離が増加するにつれて狭くなることに留意されたい)。
図6Aから分かるように、拡大入口チャンバ55及び狭窄出口チャンバ60は、アレイ方向500に対して実質的に位置合わせされている(ただし、それらは、流体チャンバ150の対応するアレイと同じ方法で、少量、例えばノズル間隔501だけ、互いに対してオフセットされ得る)。
【0140】
ここで、第3の下方マニホールド層74に移ると、この層は、第2の下方マニホールド層72に流体的に連結され、拡大入口チャンバ55及び狭窄出口チャンバ60の第2の部分を含み、吐出方向505の距離を増加させながら、これらのチャンバの各々は、アレイ方向500に広がり続ける。
ここでキャリア層76に移ると、
図6から明らかなように、この層は第3の下方マニホールド層74に流体的に連結される。キャリアは、拡大入口チャンバ55及び狭窄出口チャンバ60の端部を含み、これらのチャンバは、アレイ方向500において実質的に一定の幅のままである。深さ方向510から見ると、狭窄出口チャンバ60及び拡大入口チャンバ55の端部は狭くならないか、または広がらず、それらは、一般に、吐出方向505に平行に延在する側部を有する。この一定の幅部分は、流体チャンバアレイ150をわたって実質的に均一な速度分布への更なる流れの発生を可能にし得る。
【0141】
更に、規則的に離間配置された流体チャンバのうちの少なくとも1つのアレイ150を各々提供する(各チャンバには、圧電アクチュエータ等のそれぞれの作動素子及びそれぞれのノズルが提供されている)アクチュエータ構成要素が、流体をアレイ150の流体チャンバに供給しかつそれから受けることができるような方法で、キャリア76に取り付けられる。各作動素子は、対応するノズルを通して流体の液滴を吐出方向505に吐出するように作動可能である。各アレイは、
図1B、
図2B及び
図3Cに示されるものと同様に、アレイ方向500に延在する。狭窄出口チャンバ60及び拡大入口チャンバ55の端部(「直線状」部分)のアレイ方向500の幅は、アレイ150の幅と実質的に同じである。この幅はまた、第3の下方マニホールド層74の底部(すなわち、アレイ150の最も近く)の最も広い点において、第3の下方マニホールド層74の拡大入口チャンバ55及び狭窄出口チャンバ60の幅に対応し得る。
【0142】
第1、第2及び第3の下方マニホールド層70、72、74は、例えば、ポリマー材料及び/またはプラスチック材料から形成され得る。適切なポリマー材料及び/またはプラスチック材料を選択するときに考慮され得る要因は、以下に更に詳細に説明される。場合によっては、充填されたポリマー材料が適切であり、充填材は、ガラス繊維、鉱物及び/またはセラミック繊維等の繊維材料であることが適切であり得る。充填は、より大きな機械的強度及び耐熱性を付与し得る。更に、層の特定の熱膨張係数(CTE)を達成するのを支援し得る。
【0143】
キャリア76は、下方マニホールドの他の層とは異なる材料から作られてもよい。例えば、キャリア76は、熱膨張係数がその上に取り付けられたアクチュエータ構成要素の熱膨張係数と同様または一致する材料から作られてもよい。かかる熱適合性は、アクチュエータ構成要素が使用中に経験する機械的応力の量を低減し得る。
【0144】
追加的に(または代わりに)キャリア76は、例えば、下方マニホールド構成要素の他の層よりも熱伝導性のある材料から作られてもよい。これは、キャリア76に取り付けられたアクチュエータ構成要素から熱を伝達するのを支援し得る。例えば、熱は、狭窄出口チャンバ60内の流体に伝達され得、このように加熱された流体が次いで下方マニホールド構成要素50から流出し、したがってアクチュエータ構成要素から熱を引き出す。キャリア層76が狭窄出口チャンバ60の「直線状」部分を含む、
図6Aに示されるような構造では、この熱伝達は、大きな表面積にわたって起こり得るため、特に効率的であり得る。更に、出口経路が提供されていない構造(例えば、拡大入口チャンバ55のみが存在し、狭窄出口チャンバ60がない場合)においても、キャリア76はヒートシンクとして有益に機能し得、熱をアクチュエータから引き出し、それを環境に伝達することに留意されるべきである。
【0145】
ドライバICが下方マニホールド構成要素の外面に提供されている場合、かかる熱伝導率は、かかるドライバICから熱を伝達させるのを支援し得る。アクチュエータからの熱伝達と同様に、ドライバICからの熱は、例えば、狭窄出口チャンバ60内の流体に伝達され得、このように加熱された流体は、次いで、下方マニホールド構成要素50から流出し、これにより、ドライバICから熱を引き出す。下方マニホールド構成要素50のための1つ以上の狭窄出口チャンバ60は、その下方マニホールド構成要素50の外面に隣接して提供され、ドライバICがその表面に取り付けられる場合、このタイプの熱伝達は特に効率的であり得る。任意の場合において、上述したように、キャリア76はヒートシンクとして機能し得、したがって、出口経路が提供されていない場合であっても、ドライバICから熱を引き出し、それを環境に伝達し得る。
【0146】
いくつかの例では、キャリア層76は、セラミック材料で作られてもよい。これは、多くのアクチュエータ構成要素自体がセラミック材料で作られるため、特に適切であり得る。したがって、キャリアの熱膨張及びアクチュエータ構成要素の係数に一致するようにすることが容易となり得る。加えて、セラミック材料は、良好な熱伝導率を提供し得る。
【0147】
しかしながら、他の材料がまた、キャリア層に使用されてもよく、例えば、キャリア層は、金属または合金で形成されてもよい。合金が使用される場合、配合物は、所望のCTE及び/または熱伝導率等の所望の特性を提供するように調整され得る。
【0148】
上述したように、充填されたポリマー材料が、第1、第2及び第3の下方マニホールド層70、72、74のために利用され得る。かかる充填は、例えば、第1、第2及び第3の下方マニホールド層70、72、74とキャリア層76との間のCTEの差を減少させるのを支援し得る。
それでもなお、CTEのいくつかの差は、かかる努力にもかかわらず残る可能性がある。更に、様々な下方マニホールド層の材料のCTE値には、他の理由により、差が存在し得る。
【0149】
これに関して、参照は、異なるCTE値を有する層で生じる問題に対処し得る下方マニホールド構成要素50の特定の特徴部を示す
図7A〜
図7Cを対象とする。まず、
図4、
図5B、
図6A及び
図6Bに示された下方マニホールド構成要素の第1、第2及び第3の層70、72、74の下側からの透視図である
図7Aに移ると、キャリア層76が接着される第3の層74の側部が明確に見える。図から明らかであるように、この側部は、吐出方向505に略直角に延在する。逆に、キャリア層76の透視図である
図7Bは、第3の層74が接着されるキャリア層76の側部を明確に示している。これは、同様に、吐出方向505に略直角に延在する。
【0150】
図7Aに示されるように、第3の層74の接着側には、複数の隆起部741、742が形成される。キャリア層76を第3の層74に接着するために、第3の層74の反対側の接着側の隆起部741、742に対応するパターンで、キャリア層76の接着側に接着剤が塗布される。例えば、接着剤は、実質的に全ての隆起部の経路に続くパターンで塗布され得る。接着側が接触すると、
図7Cに示されるように、各隆起部741/742は、接着剤パターン2の対応する部分に押圧され得る。図に示されるように、これは、例えば、隆起部741/742が接着剤2の対応する部分を2つのくさび形部分またはフィレットに分けることをもたらし得る。
【0151】
場合によっては、実質的に接着側の間の接触のみが、隆起部741、742を通る。したがって、隆起部は、
図7Cに示されるように、層74、76の間の分離距離dを好都合に決定し得る。使用される特定の接着剤に応じて、次いで接着剤を硬化させる必要があり得る。場合によっては、これは、アセンブリが比較的高温(多くの場合、80℃超)に加熱されることを伴い得る。かかる加熱は、層を膨張させ、第3の層74は、キャリア層76とは異なる(通常はより大きい)量だけ膨張する。2つの層74、76の接着側が単に平坦であった場合、この異なる熱膨張は、硬化プロセスの結果として、2つの層の反り、及び潜在的に、分離をもたらす可能性がある。
【0152】
かかる問題は、例えば、接着剤が塗布され得る典型的な厚さ(粘度、表面エネルギー、表面粗さ等の要因によって決定される)が比較的小さいために生じる。考えられる結果は、接着側がわずかに離れて固定されることである。かかる接着側の間の接着剤の薄い層では、一方の層の接着側の膨張のほとんど全てが他方の層の接着側に塗布される。これは、次いで、層74、76が曲率半径の比較的狭い曲げをもたらし、潜在的に層の分離をもたらす可能性がある。加熱によって生じるかかる曲げは、接着剤の硬化によって構成要素に効果的に固定される。構成要素が室温に戻ると、層が元のサイズに戻ろうとするときに構成要素内に応力/歪みが生成される。構成要素の輸送中、例えば、構成要素が航空貨物によって、例えば温度が−20℃に低下する場合等に出荷される場合、更に大きな応力にさらされる可能性がある。かかる応力は、上述したように、層の分離をもたらす可能性がある。
【0153】
隆起部741、742は本質的に、接着剤が層の間のより大きな距離に広がることを可能にする。したがって、熱硬化中の2つの層の膨張における所与の差に対して、構成要素が室温に戻るときに、より小さい応力が接着剤に与えられることになる。考えられる結果は、接着剤が破壊され、これにより層が分離する危険が少ないことである。
【0154】
図7Aを再び参照すると、第3の層74の接着側に形成されているのは、各拡大入口チャンバ55のための及び各狭窄出口チャンバ60のためのそれぞれの開口であることに留意されたい。具体的には、それぞれの拡大入口チャンバ55(1)、55(2)に対応する2つの開口745(1)、745(2)及びそれぞれの狭窄出口チャンバ60(1)(i)、60(1)(ii)、60(2)(i)、60(2)(ii)に対応する4つの開口746(1)(i)、746(1)(ii)、746(2)(i)、746(2)(ii)が存在する。
【0155】
同様に、
図7Bから分かるように、各拡大入口チャンバ55のための及び各狭窄出口チャンバ60のためのそれぞれの開口は、キャリア層76の接着側に形成される。具体的には、それぞれの拡大入口チャンバ55(1)、55(2)に対応する2つの開口765(1)、765(2)及びそれぞれの狭窄出口チャンバ60(1)(i)、60(1)(ii)、60(2)(i)、60(2)(ii)に対応する4つの開口766(1)(i)、766(1)(ii)、766(2)(i)、766(2)(ii)が存在する。
【0156】
図7Aと
図7Bとの比較から明らかなように、第3の層74の接着側の開口の各々は、キャリア層76の接着面のそれぞれの開口とは直接反対側にある。
【0157】
追加の開口747、767が、第3の層74及びキャリア層76の各々の接着側に形成されることに留意されたい。これらの開口は、層の成形を単純化し得、完全に任意であるものとして理解されるべきである。
【0158】
ここで
図7Aに戻ると、いくつかの隆起741は、第3の層74の接着側に形成された開口の各々745(1)、745(2)、746(1)(i)、746(1)(ii)、746(2)(i)、746(2)(ii)を別個に取り囲む。したがって、各開口745(1)、745(2)、746(1)(i)、746(1)(ii)、746(2)(i)、746(2)(ii)に対応する流体経路は、他の開口745(1)、745(2)、746(1)(i)、746(1)(ii)、746(2)(i)、746(2)(ii)に対応する流体経路から分離される。これは、例えば、圧力が、拡大入口チャンバ55及び狭窄出口チャンバ60から失われないこと、及び異なるタイプの液滴流体が混合しないことを保証し得る。
【0159】
図7A〜
図7Dに示される特定の例では、隆起部741、742が第3の層74の接着側に形成されているが、キャリア層76の接着側に形成され得ることに留意されるべきである。それでもなお、第3の層74がポリマー材料で形成されているため、第3の層74上に隆起部741、742を形成することは特に簡単であり得る。
【0160】
ここで、
図4、
図5B、
図6A及び
図6Bの下方マニホールド構成要素50の透視図である、
図7Dに移ると、硬化プロセスの結果として生じる応力によって引き起こされる問題に対処する更なる特徴部が見える。
【0161】
具体的には、
図7Dから明らかであるように、キャリア層76に隣接する第3の層74の部分の吐出方向505の厚さは、アレイ方向500に関して第3の層の各端部に向かって減少する。このようにして、アレイ方向500に対して第3の層74の各端部に、それぞれの厚さ減少領域744(i)、744(ii)が提供される。この厚さ減少領域744(i)、744(ii)は、応力が一般に層の中心からの距離と共に増加するにつれて、応力が特に大きい領域 の第3の層74の可撓性を増加させるように作用し得る。
【0162】
示される特定の例では、凹部748が、アレイ方向500に対して第3の層74の各端部に形成されていることに更に留意されたい。これらの凹部748の各々は、厚さ減少領域744(i)、744(ii)のうちの1つを吐出方向505に関して第1の層の別の部分、この場合には、次の層、第2の層72に隣接する部分から分離する。
【0163】
図7Aに簡潔に戻ると、隆起部742の第2のグループが、厚さ減少領域744(i)、744(ii)の各々の境界に追従することは明らかである。これらの隆起部742は、例えば、第3の層74の中央領域から厚さ減少領域744(i)、744(ii)を分離し得る。かかる隆起部は、例えば、構成要素50内の応力が層74、76の分離を引き起こす場合に、この分離が第3の層74の中央領域に広がることを防止する脆弱線として機能し得、拡大入口チャンバ55及び狭窄出口チャンバ60が典型的に位置することになる。
【0164】
図7A〜7Dのこの議論では、厚さ減少領域744(i)、744(ii)及び対応する凹部748が、アレイ方向500に対して第3の層74の端部に位置するものとして記述したが、それらはより一般的には層の端部(例えば、層の平面の端部)に位置してもよいことが理解されるべきである。
【0165】
ここで
図7A及び
図7Dを参照すると、空隙743が、キャリア層76に隣接して第3の層74の一部に形成されることに留意されたい。分かるように、これらの空隙743の各々は、第3の層74の角部に位置し、吐出方向505の層内に延在している。実際に、
図7Aと
図7Dとの比較から明らかなように、これらの更なる空隙の各々は、キャリア層76に隣接する第3の層74の部分の全体にわたって延在する。
【0166】
かかる更なる空隙は、層の中心からのそれらの距離を考慮して、応力が特に高くなる角部の層の可撓性を増加させ得る。加えて、充填されたポリマー材料を使用して層が成形(例えば、射出成形)される場合、角部にかかる空隙を形成することは、充填材が角部の周りを流れることを促進させる。充填剤が繊維性である場合、繊維749は、角部周辺の経路に追従する傾向がある。これは、
図7Eに概略的に示されており、繊維749のサイズは、経路が明確に示されるように、図において誇張されている。
【0167】
典型的には、繊維材料のCTEは、繊維749が延在する方向に最も低く、繊維749に直角な方向に最も小さい。したがって、層74の角部に空隙を提供することは、
図7Fの小さい実線の矢印によって示されるような拡大パターンをもたらす可能性がある。分かるように、
図7Eに示される層74が加熱されたとき、最大の膨張は、側部に平行で、角部に向かう方向にある。かかる膨張の正味の結果は、大きな実線の矢印で示されている。理解されるように、構成要素が後で、例えば室温に冷却されるとき、層は、破線の矢印で示される反対方向に収縮する傾向がある。また理解されるように、空隙743の存在は、この方向に追加の柔軟性を提供し、接着剤が別様にさらされ得る応力を緩和するのを支援する。考えられる結果は、接着剤が破壊され、これにより層が分離する危険が少ないことである。
【0168】
層74の角部に位置するかかる空隙743は、繊維充填ポリマー材料が使用されるか否かにかかわらず、有益であり得ることが更に理解されるべきである。角部が層74の中心から特に離れているため、それらは典型的に高い応力にさらされ得、角部に空隙743を提供することによって、かかる応力は減少される。これは、例えば、応力が層74の中心から伝達される材料がより少なくなる結果として生じ得る。
【0169】
図7A〜
図7Fを参照して、第3の層74及びキャリア層76の文脈で様々な特徴を記述したが、それらは、異なるCTEの値を有する材料で形成された任意の2つの層により一般的に適用され得ることが、また更に理解されるべきである。
【0171】
まず、
図4の上方マニホールド構成要素100及びその構成層の分解斜視図を示す
図8Aに移ると、上方マニホールド構成要素100は、吐出方向505に略直角に延在する複数の層から作られる。
【0172】
図8〜
図11に示される特定の例では、5つの層が存在し、アレイ150へ近接して増加させるために、第1の最上層910、第2のフィルタ層920、第3の層930、第4の層940、及び第5の最下層950が存在する(ただし、層の任意の適切な構成及び数が代わりに使用され得る)。
【0173】
図8Aから分かるように、最上層910は、流体入口120(1)、120(2)及び出口220(1)、220(2)のポートを備える。下方マニホールド構成要素50(a)〜(d)のポートと同様に、これらは最上層910と一体成形されてもよい。
【0174】
複数の層910〜950は、層に平行な複数の平面の各々において、複数の湾曲した蛇行経路が提供されるような形状である。これらの湾曲経路は、例えば層内の貫通孔960、970によって提供される、層に略直角に延在する経路によって一緒に流体的に接続される。
【0175】
図8〜
図11によって示される特定の構成では、かかる複数の湾曲経路は、全体的に、隣接する層の間に画定される(
図5Aに示されるように結合された後)。しかしながら、場合によっては、3つ、4つまたはそれ以上の層が結合されて、かかる複数の湾曲経路を定義し得る。
【0176】
層910〜950は、流体の漏れを防止するように、流体密に連結される。加えて、上方マニホールド構成要素10の層のうちの1つ、この実施例における第4の層940は、上方マニホールド層100をヘッドカバー構成要素(図示せず)に連結するための上方マニホールド構成要素100の反対側の端部において2つの締め付け特徴部30を含み得る。
【0177】
図8〜
図11によって示される特定の構成では、上方マニホールド構成要素100の層の1つは、フィルタ925を含むフィルタ層920である。フィルタ925は、一般に平面であり、例えば、メッシュで形成され得る。図に示されるように、フィルタ925は、フィルタ層920と同じ平面に延在する。フィルタ層920は、フィルタ925がインサートとして使用されるインサート成形によって製造され得る。フィルタは、例えば、流体から不純物を除去し、流体がアレイ150に到達するのを防止するために、そのメッシュの細孔サイズの適切な選択によって適合される。例えば、フィルタは、そのような不純物よりも小さな直径の孔を有し得る。一方で、液滴流体が微粒子を含むことが意図される場合、フィルタは、かかる微粒子が通過できるように(例えば、かかる微粒子よりも大きな直径の孔を提供することによって)適合され得る。フィルタ層920のいずれかの側は、それぞれ第1及び第3の層910、930である。
【0178】
図4の上方マニホールド構成要素100の更なる分解斜視図である、
図8B及び8Cから分かるように、上方マニホールド構成要素100の各層は、1つ以上の貫通孔960、970を含む。隣接する層は、結合されると、それらの間に1つ以上の湾曲流体経路を画定し、これによって貫通孔960、970の各々は、流体が1つの平面の湾曲経路から連続する平面の湾曲経路へ通過することを可能にする。ここで
図8B及び
図8Cを参照して記述するように、湾曲経路及び貫通孔960、970によって画定された経路は、結合して、上方マニホールド構成要素100内の分岐入口及び分岐出口経路を提供する。
【0179】
より詳細には、
図8Bは、第1の液滴流体タイプ(添え字(1)によって示される)を供給するために、分岐入口経路180(1)及び分岐出口経路280(1)に対応する貫通孔960(1)、970(1)及び分岐点186(1)を示す(960及び970は、分岐入口経路180及び分岐出口経路280の部分をそれぞれ画定する貫通孔を示す)。対照的に、
図8Cは、第2の液滴流体タイプを供給するための分岐入口経路180(2)及び分岐出口経路280(2)に対応する貫通孔960(2)、970(2)及び分岐点186(2)(添字(2)で示されるとおり)を示す。
【0180】
図8B及び8Cは、それぞれの高さにおいて、層910〜950が組み立てられると、上方マニホールド構成要素100内に提供される、2つの分岐入口経路180(1)、180(2)(各タイプの流体に1つ)及び2つの分岐出口経路280(1)、280(2)(再び、各タイプの流体に1つ)を示す、
図9B及び
図9Cと比較され得る。次に、
図9Bは、上方マニホールド構成要素100の部分的に露出した透視図である
図9Aと比較され得、組み立てられた層910〜950内の分岐入口及び出口経路180、280の相対的配列を示す。
【0181】
ここで
図8Bに戻ると、第1のタイプの流体は、最上層910に形成された流体入口120(1)によって上方マニホールド構成要素100に供給される。流体入口120(1)は、第2のフィルタ層920の貫通孔960(1)(i)(主分岐181への近接を示す若い番号を伴う、貫通孔の分岐化構造内のレベルを示す添え字(i))に直接接続する。第2のフィルタ層920内の流体入口120(1)及び貫通孔960(1)(i)は、上方マニホールド構成要素100内の分岐入口経路180(1)の主分岐181(1)の部分を画定する。
次いで、貫通孔960(1)(i)は、第1の(最上)910層、第2の(フィルタ)層920及び第3の層930によって一緒に画定された多数の蛇行したまたは湾曲した経路の1つに流体を供給する。これらの湾曲経路は同じ平面にあり、具体的には、それらは、フィルタ925と略同じ平面にあり、その結果、フィルタ925は、これらの湾曲経路の各々をその長さに沿って分割する。
【0182】
これらの湾曲経路とは対照的に、フィルタ925は、分岐入口経路180(1)、180(2)に対応するフィルタ層920の貫通孔960(1)(i)、960(2)(i)、960(1)(ii)(a)、960(1)(ii)(b)を越えて延在しないか、またはこれらを分割せず、これらの貫通孔は、フィルタ925を含まないことに留意されるべきである。例えば、分岐入口経路180(1)、180(2)の各々の主分岐181(1)、181(2)は、フィルタ925のそれぞれの孔を通過し得る。この効果を、
図10及び
図11を参照して以下で更に説明する。
図8Bから明らかであるように、流体は、貫通孔960(1)(i)から通じ、第1、第2及び第3の層910、920、930によって画定される湾曲経路に沿って分岐点186(1)(i)へ流れ、そこから2つの更なる湾曲経路が延在する。これら2つの更なる湾曲経路の各々は、第1、第2及び第3の層910、920、930によって画定され、分岐点186(1)(i)からそれぞれの貫通孔960(1)(ii)(a)、960(1)(ii)(b)へ延在する。湾曲経路の各々は、それぞれの第1のレベルの副分岐185(1)(i)(a)、185(1)(i)(b)(185は一般に副分岐を示し、添え字(i)は、以前と同様、分岐構造内のレベルを示し、主分岐181への近接を示す若い数字、及び(a)、(b)等は、対象のレベル内の特定の副分岐を示す)に対応する。分岐点186(1)(i)において、分岐入口経路180(1)の主要分岐181(1)は、2つの第1のレベルの副分岐185(1)(i)(a)、185(1)(i)(b)に分岐する。
【0183】
図8Bからも明らかであるように、第2のフィルタ層920の貫通孔960(1)(ii)(a)は、第3の層930の貫通孔960(1)(iii)(a)と直接接続し、同様に、貫通孔960(1)(ii)(b)は、貫通孔960(1)(iii)(b)と直接接続する。しかしながら、第3の層930の貫通孔960(1)(iii)(a)は、第4の層940の貫通孔960(1)(iv)(a)と直接接続するが、貫通孔960(1)(ii)(b)は、第3及び第4の層930、940の間の平面で画定される湾曲経路に流体的に接続される。より具体的には、貫通孔960(1)(ii)(b)は、その長さに沿って合流部の途中で湾曲経路に交わる経路を画定する。したがって、この合流部は、分岐点186(1)(ii)(b)を提供する。
【0184】
この分岐点186(1)(ii)(b)において、第1のレベルの副分岐185(1)(i)(b)は、分岐経路180(1)が2つのレベルの分岐化のみを含むために末端副分岐182(1)(c)、182(1)(d)となる、2つの第2のレベルの副分岐に分岐する(182は、一般に、特定の末端副分岐を示す(a)、(b)、(c)等で、末端副分岐を示す)。
分岐点186(1)(ii)(b)を含む湾曲経路は、一方の端部で貫通孔960(1)(iv)(b)に、他方の端部で貫通孔960(1)(iv)(c)に流体的に接続され、それらの両方とも第4層940に形成される。貫通孔960(1)(iv)(b)は、次に第5の層950の貫通孔960(1)(v)(c)に直接接続され、同様に、貫通孔960(1)(iv)(c)は、第5の層950の貫通孔960(1)(v)(d)に直接接続される。このようにして、末端副分岐182(1)(c)、182(1)(d)は、第4及び第5の層940、950を通って延在し、これにより、流体がそれぞれの下方マニホールド構成要素50(c)、50(d)に供給されることを可能にする。
【0185】
ここで、貫通孔960(1)(iii)(a)に戻ると、上述したように、第3の層930のこの貫通孔は、第4の層940の貫通孔960(1)(iv)(a)と直接接続する。したがって、貫通孔960(1)(iii)(a)及び貫通孔960(1)(iv)(a)は、各々、第1のレベルの副分岐185(1)(i)(a)の部分を形成する経路を画定する。
【0186】
図8Bから明らかであるように、貫通孔960(1)(iv)(a)は、第4及び第5の層940、950の間の平面内に画定される湾曲経路に流体的に接続される。より具体的には、貫通孔960(1)(iv)(a)は、その長さに沿って合流部途中においてこの湾曲経路と交わる経路を画定する。この合流部は、分岐点186(1)(ii)(a)を提供する。
【0187】
この分岐点186(1)(ii)(a)において、第1のレベルの副分岐185(1)(i)(a)は、分岐経路180(1)が2つのレベルの分岐化のみを含むために末端副分岐182(1)(a)、182(1)(b)となる、2つの第2のレベルの副分岐に分岐する。
【0188】
分岐点186(1)(ii)(a)を含む湾曲経路は、一方の端部で貫通孔960(1)(v)(a)に、他方の端部で貫通孔960(1)(v)(b)に流体的に接続され、それらの両方とも第5の層940に形成される。このようにして、末端副分岐182(1)(a)、182(1)(b)は、第5の層950を通って延在し、これにより、流体がそれぞれの下方マニホールド構成要素50(a)、50(b)に供給されることを可能にする。
【0189】
図8Bからも明らかであるように、分岐出口経路280(1)は、同様に、貫通孔970(1)によってリンクされる層910〜950に平行な平面内の湾曲経路から構成される。
【0190】
例えば、第4の層940の貫通孔970(1)(iii)(a)〜(d)は、各々、分岐出口経路280(1)のそれぞれの末端副分岐282(1)(a)〜(d)の部分を形成する経路を画定する。貫通孔970(iii)(a)は、第3及び第4の層930、940の間の平面内に画定された湾曲経路の一方の端部にある貫通孔970(1)(ii)(a)に直接接続するが、貫通孔970(iii)(b)は、同じ湾曲経路の他方の端部にある貫通孔970(1)(ii)(b)に直接接続する。第3の層930の貫通孔970(1)(i)(a)は、その長さに沿って合流部途中においてこの湾曲経路と交わる経路を画定する。この合流部は、分岐点286(1)(ii)(a)を提供する。
【0191】
この分岐点286(1)(ii)(a)において、第1のレベルの副分岐285(1)(i)(a)は、末端副分岐282(1)(a)及び末端副分岐282(1)(b)に分岐する。末端副分岐282(1)(a)は、貫通孔970(1)(ii)(a)及び970(1)(iii)(a)によって画定される経路、ならびに貫通孔970(1)(ii)(a)から分岐点286(1)(ii)(a)に通じる湾曲経路の部分から構成される。同様に、末端副分岐282(1)(b)は、貫通孔970(1)(ii)(b)及び970(1)(iii)(b)、ならびに貫通孔970(1)(ii)(b)から分岐点286(1)(ii)(a)へ通じる湾曲経路の部分によって画定される経路から構成される。
【0192】
図8B及び
図9A〜
図9Cから明らかであるように、分岐出口経路280(1)は、上方マニホールド構成要素100の層910〜950を通って、流体出口220(1)に接続される主分岐281(1)へ上向きに続く。
【0193】
したがって、一般的なレベルにおいて、分岐入口経路180(1)は、流体供給システムから(入口120(1)を介して)第1のタイプの流体を受け、それをそれぞれの末端副分岐182(1)(a)〜(d)を介して下方マニホールド構成要素50(a)〜(d)の各々に供給するように構成されることが理解されるであろう。同様に、分岐出口経路280(1)は、それぞれの末端副分岐282(1)(a)〜(d)を介して下方マニホールド構成要素50(a)〜(d)の各々から第1のタイプの流体を受け、それを流体供給システムに戻す(出口220(1)を介して)ように構成される。
【0194】
上述したように、
図8Cは、
図8Bと同様の方法で、第2の液滴流体タイプを供給するための、分岐入口経路180(2)及び分岐出口経路280(2)に対応する貫通孔960(2)、970(2)及び分岐点186(2)を示す。明らかであるように、分岐入口経路180(2)及び分岐出口経路280(2)は、同様に、貫通孔960(2)、970(2)によってリンクされる層910〜950に平行な平面内の湾曲経路から構成される。したがって、ここでは具体的な接続について詳しく説明しない。
【0195】
しかしながら、一般的なレベルで、分岐入口経路180(2)は、流体供給システムから(入口120(2)を介して)第1のタイプの流体を受け、それをそれぞれの末端副分岐182(2)(a)〜(d)を介して下方マニホールド構成要素50(a)〜(d)の各々に供給するように構成されることが理解されるであろう。同様に、分岐出口経路280(1)は、それぞれの端部副分岐282(2)(a)〜(d)を介して下方マニホールド構成要素50(a)〜(d)の各々から第1のタイプの流体を受け、それを流体供給システムに戻す(出口220(1)を介して)ように構成される。
【0196】
したがって、分岐入口経路180及び分岐出口経路280は、下方マニホールド構成要素50(a)〜(d)の全てに各タイプの流体を供給し、下方マニホールド構成要素50(a)〜(d)の全てから各タイプの流体を受けるように結合する。
【0197】
ここで
図4の上方マニホールド構成要素における流体流路の上面図である
図9Cに移ると、分岐入口及び出口経路180、280の配置が明確に見え得る。より具体的には、各分岐経路180、280は、アレイ方向500及び深さ方向505ならびに吐出方向510において、他の分岐経路180、280と重なり合っていることが明らかである。
【0198】
より詳細には、分岐経路180、280は、吐出方向505から見ると、重なり合うフットプリントを有するものとして記述され得る。より具体的には、分岐経路180、280のフットプリントは、吐出方向505に垂直な平面にあり、最も外側の(アレイ及び深さ方向500、505の)末端副分岐の境界となる多角形として定義され得る。別の言い方をすれば、各末端副分岐は多角形の頂点に対応する。これは、各グループ内のアレイがアレイ方向500及び深さ方向505にわたって分配される、流体チャンバ150のアレイのそれぞれのグループに、多数の異なるタイプの流体を供給するのを支援し得る。
【0199】
図9B及び
図9Cから、分岐経路180、280が互いに絡み合っていることも明らかである。したがって、(
図9Cのように)吐出方向から見ると、一方の分岐経路180、280の副分岐182、185は、他方の分岐180、280の副分岐経路を横切る。
【0200】
より詳細には、第1の分岐経路180、280の第1の副分岐182、185は、吐出方向に対して一方の側の第2の分岐経路180、280の第1の副分岐182、185と交差し得る一方で、第1の分岐経路180、280の第2の副分岐182、185は、吐出方向に対して反対側の第2の分岐経路180、280の第2の副分岐182、185と交差し得る。これの一例は、
図9B及び
図9Cの分岐経路180(1)及び280(1)によって提供され、分岐入口経路180(1)の第1のレベルの副分岐185(1)(i)(b)は、その上方で分岐出口経路280(1)の末端副分岐282(1)(c)と交差する一方で、分岐入口経路180(1)の末端副分岐182(1)(a)は、その下方で分岐出口経路280(1)の末端副分岐282(1)(a)と交差する。
【0201】
かかる特徴は、流体チャンバのアレイ150のそれぞれのグループに多数の異なるタイプの流体を供給することができるコンパクトな構造体(アレイ及び深さ方向500、505の)を提供するのを支援し得る。
【0202】
分岐入口経路によるフィルタ925を通る流体の経路指定の詳細を、
図10A、
図10B及び
図11を参照して更に詳細に記述する。
【0203】
図10Aは、第2の流体タイプのための分岐入口経路180(2)の透視図である。この分岐入口経路180(2)の全体構造は、図によって明確に示され、分岐入口経路180(2)は、流体入口120(2)に接続されている主分岐181(2)において始まり、次いで、分岐点186(2)(i)において、2つの第1のレベルの副分岐185(2)(i)(a)、185(2)(i)(b)に分岐する。これらの第1のレベルの副分岐185(2)(i)(a)、185(2)(i)(b)は、次に、それぞれの分岐点186(2)(ii)(a)、186(2)(ii)(b)において、2つの対応する第2のレベルの副分岐に分岐する。 分岐入口経路180(2)は2つのレベルの分岐のみを有するため、これらの第2のレベルの副分岐は末端副分岐182(2)(a)である。上述したように、これらの末端副分岐182(2)(a)の各々は、下方マニホールド構成要素50(a)〜(d)のうちのそれぞれの1つに流体(第2のタイプの流体)を供給する。
【0204】
図10Bは、上方マニホールド構成要素100のフィルタ層920に関する流路の配列を示す、
図10Aの分岐入口経路の透視図である。
図10Bから明らかであるように、フィルタ925は、2つの第1のレベルの副分岐185(2)(i)(a)、185(2)(i)(b)を横切る。示される特定の配置では、フィルタ925は、一般に、その長さに沿って2つの第1のレベルの副分岐185(2)(i)(a)、185(2)(i)(b)の各々を分割するものとして記述され得る。
【0205】
加えて、フィルタは、主分岐181(2)の部分を横切る。より具体的には、フィルタは、分岐点186(2)(i)に接続する主分岐の部分を横切る。
【0206】
しかしながら、上述したように、フィルタ925は、分岐入口経路180(1)、180(2)に対応するフィルタ層920の貫通孔960(1)(i)、960(2)(i)、960(1)(ii)(a)、960(1)(ii)(b)を越えて延在しないか、またはこれらを分割せず、これらの貫通孔は、フィルタ925を含まない。例えば、分岐入口経路180(1)、180(2)の各々の主分岐181(1)、181(2)は、フィルタ925のそれぞれの孔を通過し得る。
【0207】
図10Aに示されるように、主分岐181(2)は、貫通孔960(2)(i)を通って、第2のフィルタ層920と第3の層930との間に画定された空間に進む。この空間は、主分岐181(2)の狭くなる部分183(2)を提供する。主分岐181(2)のこの狭くなる部分183(2)を越えて、主分岐181(2)は第1、第2(フィルタ)及び第3の層910、920、930によって画定される部分まで広くなる。主分岐181(2)のこの部分は、フィルタ925によってその長さに沿って分割され、分岐点186(2)(i)に通じる。特定の配置に応じて、分岐経路の主分岐の部分をその長さに沿って分割するフィルタの考えられる結果は、濾過が大きい表面積にわたって生じることである。
【0208】
上述したように、分岐点186(2)(i)において、主分岐181(2)は、2つの第1のレベルの副分岐185(2)(a)、185(2)(b)に分岐する。分岐点186(2)(i)から通じるこれらの第1のレベルの副分岐185(2)(i)(a)、185(2)(i)(b)の各々の部分は、第1、第2(フィルタ)及び第3の層910、920、930によって画定される。各第1のレベルの副分岐185(2)(i)(a)、185(2)(i)(b)のこの同じ部分は、 その長さに沿ってフィルタ925によって分割される。主分岐と同様に、分岐経路の副分岐の部分をその長さに沿って分割するフィルタの考えられる結果は、濾過が大きい表面積にわたって生じることである。
【0209】
更に、この部分は、フィルタ層920のフィルタ925によってではなく、第2のフィルタ層920及び第3の層930のみによって、定義される同じ第1のレベルの副分岐185(2)(i)(a)、185(2)(i)(b)の狭くなる部分に通じる。各第1のレベルの副分岐185(2)(i)(a)、185(2)(i)(b)は、次いで、第2の層960(2)(ii)(a)、960(2)(ii)(b)のそれぞれの貫通孔及び第3の層960(2)(iii)(a)、960(2)(iii)(b)のそれぞれの貫通孔を通って進む。
【0210】
フィルタを通る流体の流れは、貫通孔960(2)(i)から分岐点186(2)(i)を通って主分岐181(2)の長さに追従し、次いで、貫通孔960(2)(ii)へ副分岐185(2)(b)の長さに追従する、湾曲経路に沿って取られた上方マニホールド構成要素100を通る断面の概略図である、
図11に示されている。分かるように、
【0211】
図11は、上方マニホールド構成要素100の第1、第2(フィルタ)及び第3の層910〜930を明確に示す。
【0212】
分かるように、流体は、流体入口120(2)から主分岐181(2)に沿って下方に流れる。次いで、流体は、主分岐の狭くなる部分183(2)を通って水平に流れ、次いで、分岐点186(2)(i)に通じる主分岐181(2)のより広い部分に流れる。主分岐181(2)のこのより広い部分は、フィルタ925によって分割される。流体は、フィルタ925の一方の側から、主分岐181(2)のこのより広い部分において他方の側に流れる。より具体的には、主分岐のこのより広い部分において、フィルタ925に隣接する流体は、フィルタ925の平面に直角に流れている。結果として、吐出方向505が垂直に下向きに、すなわち重力と同じ方向になるように、ヘッドが配置された場合、流体は、主分岐181(2)のこのより広い部分のフィルタ925を通って、重力に対抗して垂直に流れる。
【0213】
分岐点186(2)(i)において、流れは分かれ、流れの一部は副分岐185(2)(i)(a)に沿って進み、残りは副分岐185(2)(i)(b)に沿って流れる(
図4、
図5及び
図8〜
図10に示される特定の例では、分岐経路180(1)、180(2)の副分岐182、185は、実質的に各分岐点186で流れが分かれることさえも生じるように構成される)。
【0214】
分岐点186(2)(i)からそのより狭い部分184(2)へ通じる各副分岐185(2)(i)(a)、185(2)(i)(b)の各々の部分は、フィルタ925によって分割される。流体は、各副分岐185(2)(i)(a)、185(2)(i)(b)のこの部分内のフィルタ925の一方の側から他方の側へ流れる。より具体的には、各副分岐185(2)(i)(a)、185(2)(i)(b)のこの部分内で、フィルタ925に隣接する流体は、フィルタ925の平面と直角に流れている。結果として、吐出方向505が垂直に下向きになるようにヘッドが配置される場合、流体は、重力に対抗して各副分岐185(2)(i)(a)、185(2)(i)(b)のこの部分内のフィルタ925を通って垂直に流れる。
【0215】
流体が、重力に対抗してフィルタ925を通って流れる場合、流体から濾過されたデトリタスDは、流体中に沈むときに自然にフィルタ925から離れて移動する傾向がある。これは、デトリタンスDのインスタンスを減少させてフィルタを詰まらせる可能性がある。例えば、流体がフィルタ925を通って垂直に下方に流れる場合、デトリタスはフィルタ上に沈降し、時間の経過と共に濾過の有効性を減少させる可能性がある。
【0216】
また、流体が重力に対抗してフィルタ925を通って流れる結果として、気泡はフィルタ925を通って強制的に押し出され、小さな空気Aのポケットとしてフィルタ925の上方に集まる。このようにして、空気Aがフィルタ925の奥側に集まることは、フィルタ925の領域を効率的に使用することを可能にし得る。例えば、流体が垂直に下方にフィルタ925を通って流れる場合、空気は、フィルタ925の上方の、フィルタ925の表面上方の流体の広がりを妨げ得るポケットに集まる可能性がある。
【0217】
一方で、吐出方向505が垂直に下向きで
ないように配置されている場合でも、ヘッド10は依然として機能することに留意されるべきである。更に、
図11に図示されるような、上述したものと実質的に同じ流れパターン(重力に対抗して流れる流体への言及を除いて)が予想され得る。しかしながら、かかる場合、デトリタスD及び/または空気Aは、
図11に示されるのと同じ方法で集まらないことがある。
【0218】
図4、
図5、
図8及び
図9の上方マニホールド構成要素100において、第1のタイプの液滴流体のための分岐経路180(1)は、第2及び第3の層の間に画定される同様の狭くなる部分を含むその主分岐181(1)、及び第1及び第2の層の間に画定される狭くなる部分も含むその第1のレベルの副分岐185(1)(i)(a)、185(1)(i)(b)、と実質的に同様の構造を有する。更に、吐出方向505が垂直に下方に(すなわち、重力と同じ方向)になるように、ヘッド10が配置された場合、第1のタイプの液滴流体のための分岐経路180(1)も同様に配置され、その結果、流体は、重力に対抗してフィルタ925を通って流れる。
図4、
図5及び
図8〜
図11の上方マニホールド構成要素100は、液滴堆積ヘッドの一例に過ぎず、分岐経路は、重力に対抗してフィルタに通して流体を方向づけ、同じ原理に従って動作する他の配置が可能であることが留意されるべきである。例えば、他の液滴堆積ヘッドは、フィルタが、分岐経路の主分岐及び/または副分岐をその/それらの長さに沿って分割しないように構成され得る(ただし、上述したように、これは、濾過がより大きなエリアにわたって生じることを可能にし得る)。
【0219】
逆に、フィルタが、分岐経路の主分岐及び/または1つ以上の副分岐をその/それらの長さに沿って分割するが、分岐経路が重力に対抗してフィルタを通して流体を方向づけるように配置されていない、他の構成が可能であることが留意されるべきである。
いくつかの例では、フィルタ925を省略してもよいことが更に留意されるべきである。例えば、液滴流体がヘッド10に到達する前に、液滴流体の十分な濾過が流体供給システム内で行われてもよい。
【0220】
この説明から、上方マニホールド構成要素100等のマニホールド構成要素を、各々が吐出方向に対して垂直に延在する多数の層から(少なくとも部分的に)形成する(その結果、層は、全体的に、吐出方向に積み重ねられていると記述され得る)ことは、比較的複雑な分岐経路配置を比較的簡単な方法で提供することを可能にし得ることが理解されるべきである。更に、このようにして製造されたマニホールド構成要素は、吐出方向505において比較的コンパクトであり得る。
【0221】
更に、各層は別個に製造され得るため、各分岐入口180または出口280の経路の複雑な3次元構造は、より正確に製造され得、例えば、流体が平衡流れ特徴を有する分岐経路180、280内の各末端副分岐路182に提供されることを確実にする。例えば、流体は、実質的な平衡圧力及び/または平衡流量及び/または平衡速度で、末端副分岐182の各々に供給され得る。これは、流体が平衡流れ特徴を有するヘッドのアレイ150内のチャンバに提供されることを確実にするのを支援し得る。例えば、流体は、実質的な平衡圧力及び/または平衡流量及び/または平衡速度で、ヘッドの流体チャンバの各々に供給され得る。
【0222】
図8〜
図11から分かるように、分岐入口180及び出口経路280ならびに副分岐20、32のレイアウトは、経路が互いに絡み合うように注意深く設計される。
【0223】
上方マニホールド構成要素100を複数の層から作ることは、かかる構造を提供する複雑さを低減し得る。例えば、かかる層に平行な複数の平面の各々において、特定の分岐経路内の1つ以上の副分岐に各々対応する、複数の湾曲して蛇行した経路のかなり複雑なパターンを提供することは比較的簡単であり得る。これらの湾曲経路は、隣接する層の間に、または3つ、4つまたはそれ以上の連続する層の間に形成され得る。これらの湾曲経路は、各経路の適切な流体シールを可能にするように、互いに適切にオフセットされながら、互いの周りで湾曲するように成形され得る。上述したように、これらの経路は、追加的にまたは代わりに、分岐入口または出口経路内の同じレベルの副分岐の流量、圧力等を平衡すること等の望ましい流体特性を提供するように適切に成形され得る。
【0224】
次いで、湾曲経路のこれらの複雑なパターンを一緒にリンクする貫通孔(上方マニホールド構成要素100の等のマニホールド構成要素の層を通る)を提供することによって、複雑で絡み合った幾何形状を有する分岐経路及び流体特性の適切な制御が、比較的簡単な方法で提供され得る。更に、構造の複雑さの多くは、マニホールド構成要素の層に平行な平面内に提供されているため、マニホールド構成要素は、かかる有益な特性を有し得るが、依然として層が積み重ねられる方向に比較的コンパクトである。したがって、
図4に示される液滴堆積ヘッドのように、層が吐出方向に直角に延在する場合、マニホールド構成要素は、吐出方向505において比較的コンパクトであり得る。上述したように、これは、より大きな液滴堆積装置内での液滴堆積ヘッド10の統合を単純化し得る。
【0225】
それでもなお、層に平行な複数の平面の各々において、複数の湾曲流体経路と、異なる平面内の湾曲経路を一緒に流体的に接続する層に直角な多数の流体経路と、を提供する、複数の層を含む上方マニホールド構成要素を特に含まない構成が提供され得ることが想定される。上述したように、これらの直角及び湾曲経路は、製造するのが簡単な方法で複雑な分岐入口及び/または出口経路を提供し得る。
【0226】
一方で、これは、かかる絡み合った分岐経路を提供する方法の一例に過ぎず、かかる絡み合った分岐経路は、任意の適切な方法で形成され得ることが理解されるべきである。
【0227】
図1〜
図12を参照して上述したものを含む、本明細書に記載されているマニホールド構成要素は、例えば射出成形によって成形することによって形成され得ることが想定される。例えば、マニホールド構成要素が多数の積み重ねられた層から構成されている場合、各層は、これらの部品が一緒に組み立てられた状態で、別個の部品として成形されてもよい。
【0228】
したがって(または別様に)、マニホールド構成要素は、実質的にポリマー材料及び/またはプラスチック材料から形成され得る。マニホールド構成要素に適切な材料を選択する際に考慮される得る要因は、
液滴流体との化学的適合性(特に、液滴流体を吐出前に加熱することが望ましい場合)、
アクチュエータ構成要素(接着剤接着等の接続部の応力を構成要素間で減少させる可能性がある)等の、マニホールド構成要素が取り付けられる構成要素と比較して、又は例えば、セラミック材料から形成されている場合のキャリア層76に関して上述したような、異なる材料(例えば、非ポリマー材料)で形成されたマニホールド構成要素内の層と比較して、熱膨張係数の差がほとんどないこと、
例えば、成形後に各成形部品の幾何学形状が維持される(例えば、平面部品は平坦なままである)ような機械的安定性、
マニホールド構成要素の部品を一緒に接続するため、又はマニホールド構成要素を一緒に接続するために使用される任意の接着剤に対する接着/硬化速度、及び
適切な材料が、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、又はポリフェニレンスルフィド(PPS)等の多くの例が知られている注入可能な熱可塑性樹脂を含み得ることを含む。しかしながら、注入可能な熱硬化性材料もまた、いくつかの状況では適切であり得る。
【0229】
所望の性能を達成するために、PPS、PEK、PEEK等のエンジニアリングプラスチック又は高性能プラスチックが使用され得る。
【0230】
加えて、充填されたポリマー材料の使用は、それらの一般的により大きい機械的強度及び耐熱性により、場合によっては望ましいことがある。例えば、構成要素の特定の設計に応じて、ガラス、鉱物及び/又はセラミックで充填されたポリマー材料が使用され得、充填材は、適切には、ガラス繊維、鉱物及び/又はセラミック繊維等の繊維材料であり得る。充填はまた、例えばマニホールド構成要素とそれに取り付けられた部品との間のCTEの差を減少させる努力がなされている場合に、部品の特定の熱膨張係数(CTE)を達成するのを支援し得る。
【0231】
ここで、
図4の液滴堆積ヘッド10の様々なグループ及び下方マニホールド構成要素50(a)〜(d)に属するアレイ150の位置合わせを、
図4の下方マニホールド構成要素の概略末端図である、
図12を参照して記述する。
【0232】
4つの下方マニホールド構成要素50(a)〜(d)は、図に明確に示されている。示される特定の例では、アレイの2つのグループ、すなわち、第1のタイプの流体の液滴を対応するノズル155(1)から吐出するように構成された第1のグループと、第1のタイプの流体の液滴を対応するノズル155(2)から吐出するように構成された第2のグループと、が提供される。しかしながら、ノズルの更なるグループが他の構造で提供され得る。
【0233】
分かるように、各下方マニホールド構成要素50に属するアレイ150及びそれらの対応するノズル155は、
図6Bを参照して上述したものと実質的に同じ方法で配置される。したがって、各下方マニホールド構成要素50(各ノズル列155は、それぞれのアレイ150に対応する)について2対のノズル列155(1)(i)〜(ii)及び155(2)(i)〜(ii)が提供される。第1の対のノズル列155(1)(i)〜(ii)は、第1のグループに属し、したがって、第1のタイプの液滴流体の吐出のために構成され、第2の対のノズル列155(2)(i)〜(ii)は、第2のグループに属し、したがって、第2のタイプの液滴流体の吐出のために構成される。対内のノズル列155は、流体チャンバの対応するアレイと同様に、互いに隣接して位置している。
【0234】
各対のアレイは、例えば、単一のアクチュエータ構成要素によって提供され得るが、他の構成では、各アレイは別個のアクチュエータ構成要素によって提供され得、又は下方マニホールド構成要素のアレイの全てが同じアクチュエータ構成要素によって提供され得る。
【0235】
更に、下方マニホールド構成要素50(a)〜(d)のうちの特定の1つに対応するアレイの場合、第1のグループの各アレイ150が、アレイ方向500において、第2のグループのそれぞれのアレイ150と位置合わせされる。これは、例えば、ノズル列155(1)(a)(ii)とノズル列155(2)(a)(ii)との位置合わせから明らかである。このようにして、堆積媒体が液滴堆積ヘッド10を越えて指定されると、アレイ方向500のその幅の各部分は、下方マニホールド構成要素50(a)〜(d)内 の各グループからのアレイ150によってアドレス指定される。
【0236】
更に、同じ下方マニホールド構成要素50及び同じグループに対応するアレイ150は、アレイ方向500において互いにわずかな量502だけオフセットされている。これは、例えば、ノズル列155(1)(a)(i)及びノズル列155(2)(a)(ii)を考察することから明らかである。
【0237】
上述したように、このオフセットは、例えば、各アレイのノズル間隔501の順序であり得る。オフセットは、例えば、ノズル間隔501の約1/N倍とすることができ、ここで、Nは、同じ下方マニホールド構成要素に対応する同じグループ内のアレイの数であり(又は、潜在的に、ノズル間隔のM+1/N倍であり、Mは整数である)、
図12に示される例では、N=2である。このように又は別様に、Nのアレイのノズルは、深さ方向505から見ると、アレイ方向500及び吐出方向510に垂直な、1/Nの間隔を有するノズルのアレイを共に提供し得る。また上述したように、したがって、
図6Bに示されるように、Nアレイからのノズル155は、アレイ方向500に対してインターリーブされ得る。したがって、複数のアレイは、単一のアレイよりも高い解像度でプリントヘッドを提供し得る。
【0238】
また、
図12から分かるように、1つのグループに属するノズル列は、深さ方向505において、同じグループ内にあるが、異なる下方マニホールド構成要素に対応する(例えば、2列のノズルが一般に1行にあるように)ノズル列と位置合わせされる。例えば、第1のグループに及び下方マニホールド構成要素50(b)に対応するノズル列155(1)(b)(i)は、深さ方向505において、第1のグループにも対応するが、下方マニホールド構成要素50(d)にも対応する、ノズル列155(1)(d)(i)と位置合わせされる。チャンバ150の対応するアレイも同様に配置されることが理解されるであろう。
【0239】
同じグループであるが異なる下方マニホールド構成要素に対応する複数のアレイ150の結果のかかる配置として、複数のアレイは、アレイ方向の単一の長さよりもかなり大きい、アレイ方向500の幅をアドレス指定し、つまり、単一のアレイよりも高い解像度を有するこの幅をアドレス指定する。
【0240】
図1〜
図11を参照して上述した構成では、分岐経路は、各分岐点で2つの副分岐に分岐するが、3つ、4つ又はそれ以上の副分岐等の任意の適切な数の副分岐に分岐し得ることが理解されるべきである。
【0241】
図1〜
図11を参照して上述した液滴堆積ヘッドは、多くとも2つのレベルの分岐化を有するが、他の構造は、任意の適切な数の分岐レベルを有し得ることが理解されるべきである。
また、
図1〜
図11を参照して上述した構成では、末端副分岐は、分岐構造内で同じレベルであったが、他の構成では、末端副分岐は異なるレベルに属し得、例えば、いくつかの末端副分岐は第1のレベルに属し得る一方で、他の末端副分岐は第2のレベルに属し得る。それでもなお、分岐構造において同じレベルの末端副分岐を有することは、末端副分岐内の流体の所望の流体特性(流量、圧力等を平衡すること等)を提供するように、分岐経路を形成することを単純化し得る。
【0242】
また、
図4〜
図12Bの液滴堆積ヘッドは、2つの異なるタイプの液滴流体と共に使用するように構成されていると記述したが、当然のことながら、変更を加えることなく、あるタイプの流体のみで利用され得ることが留意されるべきである。かかる状況では、堆積媒体上の点は、それぞれのアレイから2つの流体チャンバによってアドレス指定され得る。したがって、かかる配置は、単一の流体をより大きな体積で堆積させることを可能にし得る。
【0243】
上述したマニホールド構成要素の様々な特徴は、流体チャンバのアレイを提供する構成要素のための広範な設計によって実施され得ることが理解されるであろう。しかしながら、純粋に一例として、各チャンバにそれぞれの作動素子及びそれぞれのノズルが提供され、各作動素子が流体の液滴を吐出するように作動可能である、流体チャンバのアレイを提供するアクチュエータ構成要素に適した構造を、ここで、
図13A及び
図13Bを参照して記述する。
【0244】
図13Aは、かかるアクチュエータ構成要素701を通る断面を示しており、この図は、吐出方向に沿って取られた図である。より具体的には、
図13Bの破線で示されるように、
図13Aの断面図は、アレイ150内の流体チャンバ710の各々を通過する平面で取られている。
【0245】
図13A及び
図13Bのアクチュエータ構成要素701は、薄膜圧電セラミックアクチュエータであり、ダイスタックを備える。ダイスタック701は、流体チャンバ基板702と、ノズル718を含む
【0246】
ノズル層704と、を備える。
図13A及び
図13Bにも示されるように、アクチュエータ構成要素701は、アレイ方向500に並んで配置されている、流体チャンバ710のアレイ150を備える。明らかになるように、各流体チャンバは、アレイ方向500に直角な方向に細長い。加えて、アレイ150内の隣接するチャンバは、隔壁731によって次々に分離される。
図13Aから分かるように、流体チャンバ710の各々は、それと流体連絡する流体入口ポート713を有する。
【0247】
図13Bから分かるように、流体入口ポート713は、その長さに沿って流体チャンバ710の一方の端部に向かって流体チャンバ基板702の上面に提供される。
使用中、液滴流体は、流体入口ポート713から流体チャンバ710に供給される。したがって、入口ポート713は、拡大入口チャンバ55から流体を受けるように流体的に接続される。
アクチュエータ構成要素701は、流体チャンバ710と流体連通する流体チャンバ基板702内に提供され、その間を流れる液滴流体のための経路を提供するように配置されている、流体チャネル714を更に含む。
【0248】
更に、アクチュエータ構成要素701は、流体チャンバ710と流体連通する流体出口ポート716を含み、インクは、流体チャンバ基板710内に形成された流体チャネル714を介して流体チャンバ710から流体出口ポート716に流れる。流体出口ポート716は、狭窄出口チャンバ60に流体を戻すように流体的に接続され得る。
【0249】
図13Bに示されるように、流体出口ポート716は、流体チャンバ基板702の上面に、流体入口ポート713が提供されている地点に向かう端部とは反対側の流体チャンバ710の端部に向かって提供される。
【0250】
アクチュエータ構成要素701は、例えば、上述した上方マニホールド構成要素100が流体供給システムに接続される場合、液滴流体が、流体チャンバ710の長さに沿って流体入口ポート713から流体出口ポート716に連続的に流れることを可能にするように配置され得る。したがって、アクチュエータ構成要素701は、再循環モード又は「スルーフロー」モードで動作すると考えられ得る。
【0251】
代替的な配置では、流体は、流体ポート713及び716の両方から流体チャンバ710に供給され得る(例えば、2つの拡大入口チャンバが、上述した下方マニホールド構成要素50に提供される)。更に代替的に、流体出口ポート716は、流体入口ポート713を介して流体チャンバ710に供給されるインクの実質的に全てがノズル718から吐出されるように省略することができ、インクジェットプリントヘッドは、非スルーフローモードで動作するように考えられ得る。
【0252】
流体チャンバ基板702は、シリコン(Si)を含み得、例えばSiウェハから製造され得るが、流体チャンバ710、流体入口/出口ポート713/716、流体チャネル714等の関連する特徴部は、例えば深堀り反応性イオンエッチング(DRIE)又は化学エッチング等のエッチングプロセスの任意の適切な製造プロセスによって形成され得る。
【0253】
追加的又は代替的に、流体チャンバ基板702の関連する特徴部は、例えば、化学蒸着(CVD)技法(例えば、プラズマ強化CVD(PECVD))、原子層堆積(ALD)の追加のプロセスから形成され得、又は特徴部は、除去したかつ/又は追加のプロセスの組み合わせを使用して形成され得る。
【0254】
本例では、ノズル層704は、流体チャンバ基板702の底面に提供されており、「底」は、ノズル層704をその上に有する流体チャンバ基板702の側部であると見なされる。
ダイ701の様々な特徴部の表面は、例えば、パッシベーション材料又は湿潤材料の適切なコーティング等の保護又は機能材料でコーティングされ得る。
【0255】
アクチュエータ構成要素701は、流体チャンバ710と流体連通するノズル718を更に含み、ノズル718は、例えば化学エッチング、DRIE、レーザーアブレーション等の任意の適切なプロセスを使用してノズル層704内に形成される。
【0256】
アクチュエータ構成要素701は、流体チャンバ基板702の上面に提供され、流体チャンバ710を覆うように配置されている、膜720を更に含む。流体チャンバ基板702の上面は、底面とは反対側の流体チャンバ基板702の表面と見なされる。
【0257】
膜720は、流体チャンバ710内の体積を変化させるために、流体チャンバ710内の圧力変動を生成するように変形可能であり、その結果、インクは、ノズル718を介して流体チャンバ710から液滴として吐出され得る。
【0258】
膜720は、例えば、金属、合金、誘電材料、及び/又は半導体材料等の任意の好適な材料を含み得る。好適な材料の例としては、窒化ケイ素(Si3N4)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化チタン(TiO2)、ケイ素(Si)、又は炭化ケイ素(SiC)が挙げられる。追加的に又は代替的に、膜720は、複数の層を備え得る。
膜720は、例えば、ALD、スパッタリング、電気化学プロセス及び/又はCVD技術等の任意の適切な処理技法を使用して形成され得る。膜720が上面に提供される場合、流体ポート713/716に対応する開口が、例えば膜720の形成中に、例えば適切なパターン化技法を使用して膜720に提供され得る。
【0259】
液滴ユニット6は、膜720を変形させるように配置された膜720上に提供された作動素子722を更に備え、その結果、インクジェットプリントヘッドはルーフモードで動作する。
しかしながら、例えば、共有壁構成で動作するインクジェットプリントヘッド等の、液滴生成を行うことができる任意の適切なタイプのアクチュエータ又は電極構成が使用され得、作動素子は、アレイ内の隣接する流体チャンバを分離する圧電材料から形成された作動可能壁として構成される。
【0260】
作動素子722は、2つの電極726及び728が提供された圧電素子724である。圧電素子724は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を含み得るが、任意の好適な材料が使用され得る。
【0261】
電極は、膜720上の下方電極726の形態で提供される。圧電素子724は、任意の好適な堆積技法を使用して下方電極726上に提供される。例えば、ゾルゲル堆積技法を使用して、圧電材料の連続層を堆積させて、下方電極726上に圧電素子724を形成することができるか、又は圧電素子724は、任意の好適な技法を使用して形成され得る。
【0262】
上方電極728の形態の更なる電極が、下方電極726に対する圧電素子724の反対側の圧電素子724上に提供されるが、電極の任意の適切な構成が使用され得る。
【0263】
電極726/728は、例えば、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、酸化イリジウム(Ir2O3)、Ir2O3/Ir及び/又は金(Au)の任意の適切な材料を含み得る。電極726/728は、スパッタリング技法等の任意の好適な技法を使用して形成され得る。
【0264】
電極726/728及び圧電素子724は、作動素子722を画定するように、別個に、又は同じ加工ステップでパターン化され得る。
【0265】
電圧差が電極726/728間に印加されると、圧電素子724に応力が生じ、作動素子722を膜720上で変形させる。この変形により、流体チャンバ710内の体積が変化し、圧電アクチュエータ722を適切な信号で駆動することによって、インク液滴がノズル718から吐出され得る。信号は、例えば電圧波形としてコントローラ(図示せず)から供給され得る。コントローラは、例えばユーザによってそれにアップロードされる、それに提供される印刷データに応答して、信号を生成するアプリケーションを実行するコンピュータに接続された電力増幅器又はスイッチング回路を含み得る。
【0266】
更なる材料/層(図示せず)がまた、必要に応じて、電極726/728及び圧電素子724に加えて提供され得る。
【0267】
電気的接続部を含む配線層が膜720上に提供され、配線層は、例えば、作動要素722の上方電極728及び/又は下方電極726をコントローラに直接もしくは間接的に又は更なる駆動回路を介して接続するために、2つ以上の電気トラックを含み得る。電気トラックは、例えば、銅(Cu)、金(Ag)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、アルミニウム(Al)、窒化チタン(TiN)等の導電性材料を含む。電気トラックは、例えば、0.01μm〜2μmの厚さを有し、いくつかの実施形態では、その厚さは0.1μm〜1μmであり得、更なる実施形態では、その厚さは0.3μm〜0.7μmであり得る。
【0268】
配線層は、環境から及びインクに接触することから電気トラックを保護するために、更なる材料(図示せず)、例えばパッシベーション材料を含み得る。
【0269】
追加的又は代替的に、パッシベーション材料は、例えば、互いの上に積み重ねられるか、又は互いに隣接して提供された場合、電気トラックを互いに電気的に絶縁するために提供される誘電材料を含み得る。
【0270】
パッシベーション材料は、任意の適切な材料、例えば、SiO2、
Al2O3又はSi3N4を含み得る。
【0271】
配線層は、接着電気トラック、パッシベーション材料、電極726/728及び/又は膜720を更に含み得る。
【0272】
アクチュエータ構成要素701は、本明細書に記載されていない更なる特徴部を含み得る。例えば、キャッピング基板(図示せず)が、作動素子722を覆い、作動要素722を更に保護するために、例えば上面、膜720及び/又は配線層において、流体チャンバ基板702の上に提供され得る。キャッピング基板は、例えば下方のマニホールド構成要素50から流体入口ポート713にインクを供給するための、及び流体出口ポート716からインクを受けるための、流体チャネルを更に画定し得る。
【0273】
図13A及び
図13Bに示される構造は、上述した液滴堆積ヘッド10内で使用され得るアクチュエータ構成要素の一例に過ぎないことに再度留意されたい。他の配置では、アクチュエータ構成要素は、任意の適切なタイプの作動要素が提供されたチャンバのアレイを含み得る。例えば、アクチュエータ構成要素は、共用壁設計であってもよく、作動素子は、アレイ内の隣接するチャンバを分離する圧電材料を含む壁である。実際、いくつかの配置では、作動素子は、静電気又は熱作動素子であってもよい。
【0274】
一実施形態の例に関して記述した液滴堆積ヘッド10の特徴部は、上述した他の液滴堆積ヘッドの例と組み合わせられ得る。
【0275】
例えば、上述したように、各下方マニホールド構成要素は、アレイのグループの各々から、又はアレイのグループの各々からの1つのアレイへ、少なくとも2つのアレイ150に流体接続を提供し得る。
【0276】
いくつかの例では、流体を流体供給システムに戻すための準備はなされていない。したがって、上方マニホールド構成要素100及び下方マニホールド構成要素50は、分岐入口経路180に沿って1つの方向においてアレイへ流体を供給し得るのみであり、すなわち、流体出口ポート220(1)、220(2)、67(1)、67(2)、分岐出口通路280、又は狭窄出口チャンバ60がなくてもよい。
【0277】
いくつかの例では、上方マニホールド構成要素100又は下方マニホールド構成要素50の任意の数の層が交換又は複製され得る。例えば、いくつかの例では、フィルタ925は存在しない。他の例及び変形が、添付の特許請求の範囲内で企図される。
【0278】
前述の説明が、本発明の当業者の理解を支援し、かつ本発明がどのように実施され得るかを実証するいくつかの非限定的な例を提供するよう意図されていることに留意されたい。