特許第6987102号(P6987102)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6987102ソールおよびそれを用いた自動車運転用シューズ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6987102
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】ソールおよびそれを用いた自動車運転用シューズ
(51)【国際特許分類】
   A43B 13/14 20060101AFI20211213BHJP
【FI】
   A43B13/14 A
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-172739(P2019-172739)
(22)【出願日】2019年9月24日
(65)【公開番号】特開2021-48959(P2021-48959A)
(43)【公開日】2021年4月1日
【審査請求日】2020年5月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005935
【氏名又は名称】美津濃株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 雄一
【審査官】 石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】 特開2019−130304(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 1/00−23/30
A43C 1/00−19/00
A43D 1/00−999/00
B29D 35/00−35/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車を運転するためのシューズに用いられるソールであって、
前記ソールは、着用者の足の踵部に対応する位置に配置されたソール踵部を備え、
前記ソール踵部は、
平面視において前記ソール踵部の上側に表れた外形に相当する湾曲状の上側輪郭線と、
底面視において前記ソール踵部の下側に表れた外形に相当し、前記上側輪郭線の曲率半径よりも大きい曲率半径により形成された湾曲状の下側輪郭線と、を含み、
前記下側輪郭線の後端部は、足長方向において前記上側輪郭線の後端部よりも前方に位置しており、
前記下側輪郭線は、内甲側で前記上側輪郭線と交差する第1交点と外甲側で前記上側輪郭線と交差する第2交点との二点間を通過し、
前記上側輪郭線の後端部と前記下側輪郭線の後端部との間における平面視の距離は、前記上側輪郭線と前記下側輪郭線との間における側面視の距離と等しくなるように構成されている、ソール。
【請求項2】
自動車を運転するためのシューズに用いられるソールであって、
前記ソールは、着用者の足の踵部に対応する位置に配置されたソール踵部を備え、
前記ソール踵部は、
平面視において前記ソール踵部の上側に表れた外形に相当する湾曲状の上側輪郭線と、
底面視において前記ソール踵部の下側に表れた外形に相当し、前記上側輪郭線の曲率半径よりも大きい曲率半径により形成された湾曲状の下側輪郭線と、
側面視において前記ソール踵部の後側に位置する後面部とを含み、
前記下側輪郭線の後端部は、足長方向において前記上側輪郭線の後端部よりも前方に位置しており、
前記下側輪郭線は、内甲側で前記上側輪郭線と交差する第1交点と外甲側で前記上側輪郭線と交差する第2交点との二点間を通過するように構成され、
前記後面部は、前記第1交点と前記第2交点との二点間において前記上側輪郭線と前記下側輪郭線との間に形成された一つの面からなる、ソール。
【請求項3】
請求項に記載のソールにおいて、
前記後面部は、断面視の輪郭が前記下側輪郭線の後端部から前記上側輪郭線の後端部に向かって外側に湾曲するように形成されている、ソール。
【請求項4】
請求項1〜のいずれか1項に記載のソールにおいて、
内甲側および外甲側のいずれか一方において前記上側輪郭線と前記下側輪郭線とにより囲われた領域は、内甲側および外甲側のいずれか他方において前記上側輪郭線と前記下側輪郭線とにより囲われた領域よりも大きい、ソール。
【請求項5】
請求項1〜のいずれか1項に記載のソールを備えた自動車運転用シューズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動車運転用シューズのソールおよびそれを用いた自動車運転用シューズに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車運転用シューズとして、例えば特許文献1および特許文献2のようなシューズが提案されている。
【0003】
特許文献1には、着用者の足の踵部に対応する部分(ヒール部分)を含むソールを備えた自動車運転用シューズが開示されている。ヒール部分の後部は、丸まった形状(球面状)に形成されている。具体的に、上記丸まった形状は、シューズを着用した者(以下「着用者」という)が自動車の運転中においてアクセルペダルおよびブレーキペダルの両方に対して左右に揺り動かす操作(以下「左右揺動操作」という)を容易にするために輪郭づけされている。
【0004】
また、特許文献2には、靴底に踵部を有する自動車運転用シューズが開示されている。靴底における踵部の後側には、側面視で、後方に向かうにつれて次第に上昇する傾斜表面が形成されている。傾斜表面は、外甲側に形成された第1面部と、内甲側に形成された第2面部とを有している。第1面部は、アクセルペダルを踏み込むときに接地可能となっている。第2面部は、第1面部の表面状態と異なる表面形状を有していて、ブレーキペダル踏み込み時に接地可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4848115号公報
【特許文献2】特許第4083783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のシューズでは、ヒール部分における後部の丸まった形状により上記左右揺動操作が容易となる。すなわち、着用者の足のスムーズな姿勢変化が容易となっている。しかしながら、特許文献1のシューズでは、アクセルペダルとブレーキペダルとの双方間において着用者の足を左右に移動させるための制限が特に設けられていなかった。このため、特許文献1のシューズでは、アクセルペダルおよびブレーキペダルの各々に対する足の踏み込む操作を行うときに、着用者の足の姿勢が不安定になりやすかった。
【0007】
これに対し、特許文献2のシューズでは、第1面部により着用者の足裏(靴底の底面)をアクセルペダルに安定的に載せることが可能となる一方、第2面部により着用者の足裏をブレーキペダルに安定的に載せることが可能となっている。しかしながら、特許文献2のシューズでは、第1面部と第2面部とが別々の位置に配置されかつ互いに異なる表面形状を有していることから、上記左右揺動操作を行うことが容易ではなかった。すなわち、特許文献2のシューズでは、着用者の足をスムーズに姿勢変化させることが困難であった。
【0008】
このように、特許文献1のシューズおよび特許文献2のシューズでは、足のスムーズな姿勢変化による容易性と、足の姿勢の安定性との双方の特性を得ることができなかった。
【0009】
本開示は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、着用者の足のスムーズな姿勢変化による容易性と、着用者の足の姿勢の安定性との双方の特性を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本開示の第1の形態は自動車を運転するためのシューズに用いられるソールに係るものであり、ソールは、着用者の足の踵部に対応する位置に配置されたソール踵部を備えている。ソール踵部は、平面視においてソール踵部の上側に表れた外形に相当する湾曲状の上側輪郭線と、底面視においてソール踵部の下側に表れた外形に相当し、上側輪郭線の曲率半径よりも大きい曲率半径により形成された湾曲状の下側輪郭線と、を含む。下側輪郭線の後端部は、足長方向において上側輪郭線の後端部よりも前方に位置している。そして、下側輪郭線は、内甲側で上側輪郭線と交差する第1交点と外甲側で上側輪郭線と交差する第2交点との二点間を通過し、上側輪郭線の後端部と下側輪郭線の後端部との間における平面視の距離は、上側輪郭線と下側輪郭線との間における側面視の距離と等しくなるように構成されていることを特徴とする。
【0011】
第1の形態では、下側輪郭線が上側輪郭線の曲率半径よりも大きい曲率半径となる湾曲状に形成されている。この下側輪郭線の湾曲形状により、着用者の足(右足)をアクセルペダルとブレーキペダルとの双方間において左右に揺り動かす操作(左右揺動操作)が容易となる。また、下側輪郭線の後端部が足長方向において上側輪郭線の後端部よりも前方に位置していることから、側面視において上側輪郭線の後端部と下側輪郭線の後端部とを結んだ部分を支点として、アクセルペダルおよびブレーキペダルの各々に対する足の踏み込み操作(すなわち、足の踵部を支点として足の爪先部分を前後方向に移動させる操作)が容易となる。さらに、下側輪郭線は、内甲側で上側輪郭線と交差する第1交点と外甲側で上側輪郭線と交差する第2交点との二点間を通過するように構成されている。かかる構成により、内甲側および外甲側の各々において上側輪郭線と下側輪郭線とにより囲われた領域が形成される。この領域により、上記左右揺動操作が所定の範囲で制限される。その結果、着用者の足の姿勢を所望の位置に安定させた状態でアクセルペダルおよびブレーキペダルの各々に対する足の踏み込み操作を行うことが可能となる。したがって、第1の形態では、着用者の足のスムーズな姿勢変化による容易性と、着用者の足の姿勢の安定性との双方の特性を得ることができる
【0012】
また、側面視において上側輪郭線の後端部と下側輪郭線の後端部とを結んだ部分の表面積を十分に確保することが可能となる。その結果、アクセルペダルおよびブレーキペダルの各々に対する足の踏み込み操作が行いやすくなる。
【0013】
の形態は、自動車を運転するためのシューズに用いられるソールであって、ソールは、着用者の足の踵部に対応する位置に配置されたソール踵部を備え、ソール踵部は、平面視において前記ソール踵部の上側に表れた外形に相当する湾曲状の上側輪郭線と、底面視においてソール踵部の下側に表れた外形に相当し、上側輪郭線の曲率半径よりも大きい曲率半径により形成された湾曲状の下側輪郭線と、側面視においてソール踵部の後側に位置する後面部をさらに含み、下側輪郭線の後端部は、足長方向において上側輪郭線の後端部よりも前方に位置しており、下側輪郭線は、内甲側で上側輪郭線と交差する第1交点と外甲側で上側輪郭線と交差する第2交点との二点間を通過するように構成され、後面部は、第1交点と第2交点との二点間において上側輪郭線と下側輪郭線との間に形成された一つの面からなることを特徴とする。
【0014】
この第の形態では、後面部により、左右揺動操作が容易となる。すなわち、着用者の足のスムーズな姿勢変化が容易となる。
【0015】
の形態は、第の形態において、後面部は、断面視の輪郭が下側輪郭線の後端部から上側輪郭線の後端部に向かって外側に湾曲するように形成されていることを特徴とする。
【0016】
この第の形態では、上記湾曲状に形成された後面部により、上記左右揺動操作がより一層行いやすくなるとともに、アクセルペダルおよびブレーキペダルの各々に対する足の踏み込み操作(足の踵部を支点として足の爪先部分を前後方向に移動させる操作)が行いやすくなる。
【0017】
の形態は、第1〜第のいずれか1つの形態において、内甲側および外甲側のいずれか一方において上側輪郭線と下側輪郭線とにより囲われた領域は、内甲側および外甲側のいずれか他方において上側輪郭線と下側輪郭線とにより囲われた領域よりも大きいことを特徴とする。
【0018】
この第の形態では、内甲側および外甲側のいずれか一方において上側輪郭線と下側輪郭線とにより囲われた領域が、内甲側および外甲側のいずれか他方において上側輪郭線と下側輪郭線とにより囲われた領域よりも大きいため、着用者の足が内甲側および外甲側のいずれか一方に傾きにくくなる。その結果、内甲側および外甲側のいずれか一方における着用者の足の姿勢の安定性を相対的に高めることができる。
【0019】
の形態は、第1〜第の形態のいずれか1つのソールを備える自動車運転用シューズである。
【0020】
この第の形態では、上記第1〜第の形態と同様の作用効果を奏する自動車運転用シューズを得ることができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本開示によると、着用者の足のスムーズな姿勢変化による容易性と、着用者の足の姿勢の安定性との双方の特性を得ることができることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本開示の実施形態に係るソールおよびそれを備えた自動車運転用シューズを示す全体斜視図である。
図2図2は、ソール踵部の構成を示す斜視図である。
図3図3は、ソール踵部の構成を示す平面図である。
図4図4は、ソール踵部の構成を示す底面図である。
図5図5は、ソール踵部の構成を示す前面図である。
図6図6は、ソール踵部を内甲側から見て示す側面図である。
図7図7は、図3のVII−VII線断面図である。
図8図8は、上側輪郭線、下側輪郭線、および前側輪郭線の構成を概略的に示した概略図である。
図9図9は、着用者の足(右足)をアクセルペダルとブレーキペダルとの双方間において左右に揺り動かしたときの状態を概略的に示した概略図である。
図10図10は、自動車運転用シューズの着用者がブレーキペダルを踏み付ける動作を概略的に示した概略図である。
図11図11は、変形例1に係るソール踵部の構成を概略的に示した図8相当図である。
図12図12は、変形例2に係るソール踵部の構成を概略的に示した図8相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0024】
図1は、本開示の実施形態に係るソール2を備えたシューズ1の全体を示している。このシューズ1は、自動車を運転するためのシューズである。
【0025】
ここで、シューズ1は、右足用シューズのみを例示している。このため、以下の説明では、右足用シューズのみについて説明し、左足用シューズの説明を省略する。なお、左足用シューズは、右足用シューズのものと左右対称となるように構成されていてもよい。
【0026】
以下の説明において、上方(上側)および下方(下側)とは、シューズ1の上下方向(ソール2の厚み方向)の位置関係を表すものとする。前方(前側)および後方(後側)とは、シューズ1およびソール2の足長方向の位置関係を表すものとする。内甲側および外甲側とは、シューズ1およびソール2の足幅方向の位置関係を表すものとする。
【0027】
(ソール)
図1に示すように、ソール2は、シューズ1を着用した者(以下「着用者」という)の足を支持するためのものである。ソール2は、ソール本体部3およびソール踵部4を備えている。なお、シューズ1には、着用者の足を覆うためのアッパー1aがソール2の周縁部に取り付けられている。
【0028】
(ソール本体部)
ソール本体部3は、着用者の足の前足部および中足部に対応する位置に配置されている。ソール本体部3は、例えばミッドソールおよびアウトソールにより構成されている。
【0029】
ミッドソールは、アウトソールよりも剛性が低い軟質の弾性材により形成されている。具体的に、ミッドソールの材料としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の熱可塑性合成樹脂やその発泡体、ポリウレタン(PU)等の熱硬化性樹脂やその発泡体、ブタジエンラバーやクロロプレンラバー等のラバー素材やその発泡体などが適している。なお、ミッドソールの硬度は、アスカーCスケールで、例えば15C〜65C(具体的には55C)に設定されているのが好ましい。
【0030】
アウトソールは、ミッドソールよりも高硬度の硬質弾性部材により構成されている。具体的に、アウトソールの材料としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の熱可塑性樹脂、ポリウレタン(PU)等の熱硬化性樹脂、またはブタジエンラバーやクロロプレンラバー等のラバー素材が適している。なお、アウトソールの硬度は、アスカーAスケールで、例えば50C〜80A(より好ましくは60A〜70A)に設定されているのが好ましい。
【0031】
(ソール踵部)
図1に示すように、ソール踵部4は、着用者の足の踵部に対応する位置に配置されている。図2図7に示すように、本実施形態において、ソール踵部4は、ソール本体部3に対して独立した一つの部材として構成されている。図8に示すように、ソール踵部4における足幅方向の中心線C0は、足長方向に沿って延びている。ソール踵部4は、例えばミッドソールおよびアウトソールにより構成されている。
【0032】
なお、ソール踵部4は、ソール本体部3に対して例えば接着剤により固定されていてもよく、ソール本体部3と一体に形成されていてもよい。ソール踵部4がソール本体部3と一体に形成される場合は、必ずしもソール踵部4が上述のように独立した一つの部材として構成されていなくてもよく、ソール踵部4の外形がソール本体部3に対して識別可能であればよい。後述の各変形例で説明するソール踵部4についても同様である。
【0033】
図2図7に示すように、ソール踵部4は、上面部5と、下面部6と、前面部7と、後面部8と、ストッパー部9と、を有している。
【0034】
図2図3、および図7に示すように、上面部5には、有底状の凹部5a,5a,…が形成されている。各凹部5aは、平面視で略円形状に形成されている。
【0035】
図6に示すように、後面部8は、側面視においてソール踵部4の後側に配置されている。後面部8は、後述の第1交点21と後述の第2交点22との二点間において後述の上側輪郭線11と後述の下側輪郭線12との間に形成された一つの面からなる。具体的に、本実施形態において、後面部8は、上側輪郭線11と下側輪郭線12との間で連続した一つの面からなる。
【0036】
また、図7に示すように、本実施形態の後面部8は、断面視の輪郭が下側輪郭線12の後端部から上側輪郭線11の後端部に向かって外側に湾曲するように形成されている。具体的に、後面部8は、下側輪郭線12の後端部と上側輪郭線11の後端部とを直線的に結んだ仮想線(図7に示した仮想線Lを参照)に直行する方向においてソール踵部4の外側に膨らむように湾曲形成されている。
【0037】
(上側輪郭線)
図8に示すように、ソール踵部4は、上側輪郭線11を含む。上側輪郭線11は、平面視においてソール踵部4の上側(すなわち上面部5)に表れた外形に相当する。上側輪郭線11は、後述する下側輪郭線12の曲率半径よりも小さい曲率半径となるように形成されている。本実施形態の上側輪郭線11は、平面視において半楕円形状(略U字状)に形成されている。なお、上側輪郭線11の形状は、半楕円形状に限定されない。
【0038】
上側輪郭線11を構成する半楕円の中心X1は、ソール踵部4の中心線C0上に位置している。そして、上側輪郭線11における足幅方向の中心線C1は、ソール踵部4の中心線C0と重なっている。また、上側輪郭線11の中心X1は、前側輪郭線15上に位置している。
【0039】
(下側輪郭線)
図8に示すように、ソール踵部4は、下側輪郭線12を含む。下側輪郭線12は、底面視においてソール踵部4の下側(すなわち下面部6)に表れた外形に相当する。下側輪郭線12は、上側輪郭線11の曲率半径よりも大きい曲率半径となるように形成されている。本実施形態の下側輪郭線12は、平面視において半円形状に形成されている。なお、上側輪郭線11の形状は、半円形状に限定されない。
【0040】
下側輪郭線12を構成する半円の中心X2は、ソール踵部4の中心線C0上に位置している。そして、下側輪郭線12における足幅方向の中心線C2は、ソール踵部4の中心線C0および上側輪郭線11の中心線C1と重なっている。また、下側輪郭線12の中心X2は、前側輪郭線15上に位置している。
【0041】
下側輪郭線12の後端部14は、足長方向において上側輪郭線11の後端部13よりも前方に位置している。本実施形態において、上側輪郭線11の後端部13と下側輪郭線12の後端部14との間における平面視の距離(図6および図8に示した寸法D)は、上側輪郭線11と下側輪郭線12との間における側面視の距離(図6に示した寸法E)と等しくなっている。
【0042】
下側輪郭線12は、内甲側で上側輪郭線11と交差する第1交点21と外甲側で上側輪郭線11と交差する第2交点22との二点間を通過するように構成されている。ここで、「交差」とは、下側輪郭線12の一端部が平面視で第1交点21を通って上側輪郭線11よりも内甲側に突き抜けた状態となり、かつ下側輪郭線12の他端部が平面視で第2交点22を通って上側輪郭線11よりも外甲側に突き抜けた状態を指すものとする。
【0043】
(ストッパー部)
図8に示すように、ストッパー部9は、内甲側および外甲側の各々において上側輪郭線11と下側輪郭線12とにより囲われた領域として構成されている。具体的に、本実施形態のストッパー部9は、平面視において上側輪郭線11、下側輪郭線12、および前側輪郭線15により囲われた領域として形成されている。
【0044】
ストッパー部9は、平面視における上側輪郭線11と下側輪郭線12との足幅方向の間隔が、第1交点21および第2交点22の各々から前側輪郭線15に向かって次第に広がるように形成されている。また、ストッパー部9には、前面視において上側輪郭線11から下側輪郭線12に向かって傾斜する傾斜面が形成されている(図2および図5参照)。
【0045】
[実施形態の作用効果]
上述のように、下側輪郭線12が上側輪郭線11の曲率半径よりも大きい曲率半径となる湾曲状に形成されている。この下側輪郭線12の湾曲形状により、着用者の足(図9に示した右足Fを参照)をアクセルペダルAとブレーキペダルBとの双方間において左右に揺り動かす操作(以下「左右揺動操作」という)が容易となる(図9参照)。また、下側輪郭線12の後端部14が足長方向において上側輪郭線11の後端部13よりも前方に位置していることから、側面視において上側輪郭線11の後端部13と下側輪郭線12の後端部14とを結んだ部分(後面部8)を支点として、アクセルペダルAおよびブレーキペダルBの各々に対する足の踏み込み操作(すなわち、足の踵部を支点として足の爪先部分を前後方向に移動させる操作)が容易となる(図10参照)。さらに、下側輪郭線12は、内甲側で上側輪郭線11と交差する第1交点21と外甲側で上側輪郭線11と交差する第2交点22との二点間を通過するように構成されている。かかる構成により、内甲側および外甲側の各々において上側輪郭線11と下側輪郭線12とにより囲われた領域(ストッパー部9)が形成される。この領域により、上記左右揺動操作が所定の範囲で制限される(図9参照)。その結果、着用者の足の姿勢を所望の位置に安定させた状態でアクセルペダルAおよびブレーキペダルBの各々に対する足の踏み込み操作を行うことが可能となる。したがって、ソール2では、着用者の足のスムーズな姿勢変化による容易性と、着用者の足の姿勢の安定性との双方の特性を得ることができる。
【0046】
また、上側輪郭線11の後端部と下側輪郭線12の後端部との間における平面視の距離は、上側輪郭線11と下側輪郭線12との間における側面視の距離と等しくなるように構成されている。かかる構成により、側面視において上側輪郭線11の後端部13と下側輪郭線12の後端部14とを結んだ部分(後面部8)の表面積を十分に確保することが可能となり、アクセルペダルAおよびブレーキペダルBの各々に対する足の踏み込み操作が行いやすくなる。
【0047】
また、後面部8は、第1交点21と第2交点22との二点間において上側輪郭線11と下側輪郭線12との間に形成された一つの面からなる。これにより、着用者の足(右足F)をアクセルペダルAとブレーキペダルBとの両方に対して左右に揺り動かす操作が容易となる。すなわち、着用者の足のスムーズな姿勢変化が容易となる。
【0048】
特に、後面部8は、断面視の輪郭が後方に向かって膨らむような湾曲状に形成されていることから、左右揺動操作がより一層行いやすくなるとともに、アクセルペダルAおよびブレーキペダルBの各々に対する足の踏み込み操作(足の踵部を支点として足の爪先部分を前後方向に移動させる操作)が行いやすくなる。
【0049】
[実施形態の変形例1]
上記実施形態では、上側輪郭線11における足幅方向の中心線C1と下側輪郭線12における足幅方向の中心線C2とが平面視で互いに重なる形態を示したが、この形態に限られない。例えば、図11に示した変形例1のように、中心線C1と中心線C2とは、足幅方向において間隔をあけて配置されていてもよい。この変形例では、中心線C2が中心線C0および中心線C1に対して内甲側にずれている。
【0050】
具体的に、この変形例1では、内甲側において上側輪郭線11と下側輪郭線12とにより囲われた領域(ストッパー部9)が、外甲側の当該領域(ストッパー部9)よりも大きくなるように構成されている。かかる構成により、着用者の右足が内甲側に傾きにくくなる。すなわち、着用者の右足がアクセルペダルAの反対側に向かって傾きにくくなる。その結果、変形例1では、特に内甲側における着用者の右足の姿勢の安定性を相対的に高めることができる。
【0051】
なお、図示しないが、中心線C2が中心線C0および中心線C1に対して外甲側にずれていてもよい。すなわち、変形例1の構成として、内甲側および外甲側のいずれか一方において上側輪郭線11と下側輪郭線12とにより囲われた領域が、内甲側および外甲側のいずれか他方において上側輪郭線11と下側輪郭線12とにより囲われた領域よりも大きくなるように構成されていればよい。このような構成により、内甲側および外甲側のいずれか一方における着用者の足の姿勢の安定性を相対的に高めることができる。
【0052】
[実施形態の変形例2]
上記実施形態では、前側輪郭線15がソール踵部4の中心線C0に対して直交した形態を示したが、この形態に限られない。例えば、図12に示した変形例2のように、前側輪郭線15は、内甲側に位置する部分が中心線C0に対して直交する一方、外甲側に位置する部分が中心線C0に対してソール踵部4の後側に傾斜した角度で交差するように構成されていてもよい。
【0053】
この変形例2では、内甲側において上側輪郭線11と下側輪郭線12とにより囲われた領域(ストッパー部9)が、外甲側の当該領域(ストッパー部9)よりも大きくなるように構成されている。かかる構成により、上記変形例1と同様に、特に内甲側における着用者の足の姿勢の安定性を相対的に高めることができる。
【0054】
なお、図示しないが、前側輪郭線15は、外甲側に位置する部分が中心線C0に対して直交する一方、内甲側に位置する部分が中心線C0に対してソール踵部4の後側に傾斜した角度で交差するように構成されていてもよい。すなわち、変形例2の構成として、内甲側および外甲側のいずれか一方において上側輪郭線11と下側輪郭線12とにより囲われた領域が、内甲側および外甲側のいずれか他方において上側輪郭線11と下側輪郭線12とにより囲われた領域よりも大きくなるように構成されていればよい。このような構成により、内甲側および外甲側のいずれか一方における着用者の足の姿勢の安定性を相対的に高めることができる。
【0055】
[その他の実施形態]
上記実施形態では、上側輪郭線11および下側輪郭線12の双方がなめらかな湾曲状に形成された形態を示したが、この形態に限られない。例えば、図示しない微細な凸形状および/または凹形状が、上側輪郭線11および下側輪郭線12の少なくともいずれか一方に対して局所的に形成されていてもよい。かかる形態であっても、上側輪郭線11および下側輪郭線12の双方が、平面視で略湾曲状に形成されかつ上記実施形態に示した特徴的な構成を備えていれば、上記実施形態の作用効果を奏しうる。このことは、上記各変形例についても同様である。
【0056】
また、上記実施形態および各変形例では、上側輪郭線11の後端部13と下側輪郭線12の後端部14との間における平面視の距離が、上側輪郭線11と下側輪郭線12との間における側面視の距離と等しくなる形態を示したが、この形態に限られない。例えば、上側輪郭線11の後端部13と下側輪郭線12の後端部14との間における平面視の距離が、上側輪郭線11と下側輪郭線12との間における側面視の距離と異なっていてもよい。
【0057】
また、上記実施形態および各変形例では、後面部8における断面視の輪郭が後方に向かって膨らむような湾曲状に形成された形態を示したが、この形態に限られない。例えば、後面部8における断面視の輪郭が直線状に形成されていてもよい。
【0058】
また、上記実施形態および各変形例では、上側輪郭線11の中心線C1および下側輪郭線12の中心線C2の双方がソール踵部4の中心線C0と重なる形態を示したが、この形態に限られない。例えば、上側輪郭線11は、中心線C1が、中心X1を軸心として中心線C0に対し内甲側または外甲側に傾くように配置されていてもよい。また、下側輪郭線12は、中心線C2が、中心X2を軸心として中心線C0に対し内甲側または外甲側に傾くように配置されていてもよい。なお、中心線C0と中心線C1および/または中心線C2とのなす角度は、45°以下に設定されているのが好ましい。
【0059】
以上、本開示についての実施形態を説明したが、本開示は上述の実施形態のみに限定されず、本開示の範囲内で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本開示は、自動車運転用シューズに適用されるソールおよびそれを用いた自動車運転用シューズとして産業上の利用が可能である。
【符号の説明】
【0061】
1:シューズ
2:ソール
3:ソール本体部
4:ソール踵部
5:上面部
6:下面部
7:前面部
8:後面部
9:ストッパー部
11:上側輪郭線
12:下側輪郭線
15:前側輪郭部
21:第1交点
22:第2交点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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図12