【0066】
例示的な実施形態
1. 自動血液分析装置を用いて白血球(WBC)分析を実施する方法であって、
(a)WBC分析試薬を用いて全血の試料を希釈することであって、前記WBC分析試薬が、
前記試料中の複数の核含有細胞を標識する膜透過性蛍光色素と、
前記血液分析装置を用いて分析した場合、複数のWBC亜集団を互いに分離するモル浸透圧濃度調整成分と、を含む、希釈することと、
(b)約30℃〜約50℃の範囲の温度で、約25秒未満のインキュベーション時間にわたってステップ(a)の前記希釈された血液試料をインキュベートすることと、
(c)ステップ(b)からの前記インキュベートされた試料を前記血液分析装置内のフローセルに送達することと、
(d)前記インキュベートされた試料が前記フローセルを横切るときに、ステップ(c)からの前記インキュベートされた試料を励起源で励起させることと、
(e)前記励起した試料から複数の光散乱信号及び少なくとも1つの蛍光放射信号を収集することと、
(f)前記少なくとも1つの蛍光放射信号に基づいて、蛍光閾値を満たさない前記希釈された血液試料内のいずれの粒子も考慮から除去しつつ、ステップ(e)で収集される全ての前記信号に基づいてWBC差異分析を実施することと、を含む、方法。
2. 前記励起源が、約350nm〜約700nmの波長を有する、実施形態1に記載の方法。
3. 前記蛍光放射信号が、バンドパスフィルタまたはロングパスフィルタによって約360nm〜約750nmの波長で収集される、実施形態1または2のいずれかに記載の方法。
4. 前記膜透過性蛍光色素が、アクリジンオレンジ、ヨウ化ヘキシジウム、SYTO RNA Select、SYTO 12、またはSYTO 14である、実施形態1〜3のいずれかに記載の方法。
5. 前記試薬中の前記膜透過性蛍光色素の濃度が、約0.0001%〜最大約0.0005%の範囲である、実施形態1〜4のいずれかに記載の方法。
6. 前記試薬中の前記膜透過性蛍光色素の濃度が、約0.01μM〜最大約15μMの範囲である、実施形態1〜5のいずれかに記載の方法。
7. 前記モル浸透圧濃度調整成分が、塩化アンモニウムまたは塩化ナトリウムである、実施形態1〜6のいずれかに記載の方法。
8. 前記モル浸透圧濃度調整成分の濃度が、約0.1%〜最大約0.5%である、実施形態1〜7のいずれかに記載の方法。
9. 前記試薬が、WBC保護剤を更に含む、実施形態1〜8のいずれかに記載の方法。
10. 前記WBC保護剤が、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、ブトキシエタノール、フェノキシエタノール、またはイソプロピルアルコールである、実施形態9に記載の方法。
11. 前記WBC保護剤の濃度が、約0.1%〜最大約1.0%の範囲である、実施形態9または10に記載の方法。
12. 前記WBC分析試薬が、界面活性剤を更に含む、実施形態1〜11のいずれかに記載の方法。
13. 前記界面活性剤が、サポニンである、実施形態12に記載の方法。
14. 前記界面活性剤の濃度が、約0.01%〜最大約0.05%の範囲である、実施形態12または13に記載の方法。
15. 前記試薬が、pH緩衝成分を更に含む、実施形態1〜14のいずれかに記載の方法。
16. 前記pH緩衝成分が、酢酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウムである、実施形態15に記載の方法。
17. 前記pH緩衝成分の濃度が、約0.01%〜最大約0.5%の範囲である、実施形態15または16に記載の方法。
18. 前記試薬が、抗菌剤を更に含む、実施形態1〜17のいずれかに記載の方法。
19. 前記抗菌剤の濃度が、約0.01%〜最大約0.1%の範囲である、実施形態18に記載の方法。
20. 前記WBC分析試薬のpHが、約2.5〜最大約12.5pH単位の範囲である、実施形態1〜19のいずれかに記載の方法。
21. 前記WBC分析試薬の前記モル浸透圧濃度が、約25〜最大約350mOsmである、実施形態1〜20のいずれかに記載の方法。
22. 全血の試料に白血球(WBC)差異分析を行うためのシステムであって、前記システムが、
(a)血液分析装置であって、
前記血液試料内の粒子を励起させるように位置付けられた励起源と、
(1)前記励起された血液試料から軸方向光損失を測定するように位置付けられた軸方向光損失検出器、(2)前記励起された血液試料から中間角度散乱を測定するように位置付けられた中間角度散乱検出器、(3)前記励起された血液試料から大角度偏光側方散乱を測定するように位置付けられた偏光側方散乱検出器、(4)前記励起された血液試料から大角度偏光解消側方散乱を測定するように位置付けられた偏光解消側方散乱検出器、及び(5)前記励起された血液試料から放射された蛍光を測定するように位置付けられた蛍光検出器、を含む、複数の検出器と、
プロセッサであって、
(I)前記複数の検出器から(1)軸方向光損失、(2)中間角度散乱、(3)大角度偏光側方散乱、(4)大角度偏光解消側方散乱、及び(5)蛍光の測定値を受け取ることと、
(II)全ての5つの測定値に基づいて、蛍光閾値を超える蛍光を放射する粒子について、前記血液試料のWBC差異分析を実施することと、を行うように構成されるプロセッサと、を備える、血液分析装置と、
(b)前記試料内のWBCを分析するための試薬であって、
膜透過性蛍光色素と
モル浸透圧濃度調整成分と、を含む、試薬と、を含み、
前記膜透過性蛍光色素の濃度が、前記血液分析装置を用いて、核を含有する前記試料内の1つ以上の細胞の識別を容易にするのに十分であり、
前記モル浸透圧濃度調整成分の濃度が、前記血液分析装置を用いて、前記試料内のWBCの複数の亜集団の識別を容易にするのに十分である、システム。
23. 前記膜透過性蛍光色素が、アクリジンオレンジ、ヨウ化ヘキシジウム、SYTO RNA Select、SYTO 12、またはSYTO 14である、実施形態22に記載のシステム。
24. 前記試薬中の前記膜透過性蛍光色素の濃度が、約0.0001%〜最大約0.0005%の範囲である、実施形態22または23に記載のシステム。
25. 前記試薬中の前記膜透過性蛍光色素の濃度が、約0.01μM〜最大約15μMの範囲である、実施形態22〜24のいずれかに記載のシステム。
26. 前記モル浸透圧濃度調整成分が、塩化アンモニウムまたは塩化ナトリウムである、実施形態22〜25のいずれかに記載のシステム。
27. 前記モル浸透圧濃度調整成分の濃度が、約0.1%〜最大約0.5%である、実施形態22〜26のいずれかに記載のシステム。
28. 前記試薬が、WBC保護剤を更に含む、実施形態22〜27のいずれかに記載のシステム。
29. 前記WBC保護剤が、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、ブトキシエタノール、フェノキシエタノール、またはイソプロピルアルコールである、実施形態28に記載のシステム。
30. 前記WBC保護剤の濃度が、約0.1%〜最大約1.0%の範囲である、実施形態28または29に記載のシステム。
31. 前記試薬が、界面活性剤を更に含む、実施形態22〜30のいずれかに記載のシステム。
32. 前記界面活性剤が、サポニンである、実施形態31に記載のシステム。
33. 前記界面活性剤の濃度が、約0.01%〜最大約0.05%の範囲である、実施形態31または32に記載のシステム。
34. 前記試薬が、pH緩衝成分を更に含む、実施形態22〜33のいずれかに記載のシステム。
35. 前記pH緩衝成分が、酢酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウムである、実施形態34に記載のシステム。
36. 前記pH緩衝成分の濃度が、約0.01%〜最大約0.5%の範囲である、実施形態34または35に記載のシステム。
37. 前記試薬が、抗菌剤を更に含む、実施形態22〜36のいずれかに記載のシステム。
38. 前記抗菌剤の濃度が、約0.01%〜最大約0.1%の範囲である、実施形態37に記載のシステム。
39. 前記試薬のpHが、約2.5〜最大約12.5pH単位の範囲である、実施形態22〜38のいずれかに記載のシステム。
40. 前記試薬の前記モル浸透圧濃度が、約25〜最大約350mOsmである、実施形態22〜39のいずれかに記載のシステム。
41. 前記プロセッサが、前記蛍光閾値を満たさないいずれの粒子も考慮から除去するように前記受け取られた測定値を事前選別するように更に構成される、実施形態22〜40のいずれかに記載のシステム。
42. 前記軸方向光損失検出器が、0°散乱で軸方向光損失を測定する、実施形態22〜41のいずれかに記載のシステム。
43. 前記中間角度散乱検出器が、約3°〜約15°で光角度散乱を測定する、実施形態22〜42のいずれかに記載のシステム。
44. 前記複数の検出器が、1つ以上の光電子増倍管を含む、実施形態22〜43のいずれかに記載のシステム。
45. 前記励起源が、レーザである、実施形態22〜44のいずれかに記載のシステム。
46. 前記レーザが、前記蛍光色素に対応する波長で光を放射する、実施形態45に記載のシステム。
47. 前記蛍光色素が、前記励起源に対応するように選択される、実施形態22〜46のいずれかに記載のシステム。
48. 前記試薬を用いて前記血液試料を希釈するためのインキュベーションサブシステムを更に含む、実施形態22〜47のいずれかに記載のシステム。
49. 前記インキュベーションサブシステムが、約25秒未満である時間にわたり前記試薬を用いて前記血液試料をインキュベートするように構成される、実施形態48に記載のシステム。
50. 前記インキュベーションサブシステムが、約17秒未満である時間にわたり前記試薬を用いて前記血液試料をインキュベートするように構成される、実施形態48または49に記載のシステム。
51. 前記インキュベーションサブシステムが、約9秒未満である時間にわたり前記試薬を用いて前記血液試料をインキュベートするように構成される、実施形態48〜50のいずれかに記載のシステム。
52. 前記インキュベーションサブシステムが、約30℃〜約50℃の範囲の温度で前記試薬を用いて前記血液試料をインキュベートするように構成される、実施形態48〜51のいずれかに記載のシステム。
53. 前記インキュベーションサブシステムが、約40℃の温度で前記試薬を用いて前記血液試料をインキュベートするように構成される、実施形態48〜52のいずれかに記載のシステム。
54. 血液分析装置を用いて全血の試料内の白血球(WBC)を分析するための試薬であって、
前記血液分析装置を用いて核を含有する前記試料内の複数の細胞の識別を容易にするのに十分な濃度中の膜透過性蛍光色素と、
前記血液分析装置を用いて前記試料内のWBCの複数の亜集団の識別を容易にするのに十分な濃度中のモル浸透圧濃度調整成分と、を含む、試薬。
55. 前記膜透過性蛍光色素が、アクリジンオレンジ、ヨウ化ヘキシジウム、SYTO RNA Select、SYTO 12、またはSYTO 14である、実施形態54に記載の試薬。
56. 前記試薬中の前記膜透過性蛍光色素の濃度が、約0.0001%〜最大約0.0005%の範囲である、実施形態54または55に記載の試薬。
57. 前記試薬中の前記膜透過性蛍光色素の濃度が、約0.01μM〜最大約15μMの範囲である、実施形態54〜56のいずれかに記載の試薬。
58. 前記モル浸透圧濃度調整成分が、塩化アンモニウムまたは塩化ナトリウムである、実施形態54〜57のいずれかに記載の試薬。
59. 前記モル浸透圧濃度調整成分の濃度が、約0.1%〜最大約0.5%である、実施形態54〜58のいずれかに記載の試薬。
60. 前記試薬が、WBC保護剤を更に含む、実施形態54〜59のいずれかに記載の試薬。
61. 前記WBC保護剤が、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、ブトキシエタノール、フェノキシエタノール、またはイソプロピルアルコールである、実施形態60に記載の試薬。
62. 前記WBC保護剤の濃度が、約0.1%〜最大約1.0%の範囲である、実施形態60または61に記載の試薬。
63. 前記WBC分析試薬が、界面活性剤を更に含む、実施形態54〜62のいずれかに記載の試薬。
64. 前記界面活性剤が、サポニンである、実施形態63に記載の試薬。
65. 前記界面活性剤の濃度が、約0.01%〜最大約0.05%の範囲である、実施形態63または64に記載の試薬。
66. 前記試薬が、pH緩衝成分を更に含む、実施形態54〜65のいずれかに記載の試薬。
67. 前記pH緩衝成分が、酢酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウムである、実施形態66に記載の試薬。
68. 前記pH緩衝成分の濃度が、約0.01%〜最大約0.5%の範囲である、実施形態66または67に記載の試薬。
69. 前記試薬が、抗菌剤を更に含む、実施形態54〜68のいずれかに記載の試薬。
70. 前記抗菌剤の濃度が、約0.01%〜最大約0.1%の範囲である、実施形態69に記載の試薬。
71. 前記WBC分析試薬のpHが、約2.5〜最大約12.5pH単位の範囲である、実施形態54〜70のいずれかに記載の試薬。
72. 前記WBC分析試薬の前記モル浸透圧濃度が、約25〜最大約350mOsmである、実施形態54〜71のいずれかに記載の試薬。