特許第6987111号(P6987111)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ デュオラブ・インターナショナル・エス・アー・エール・エルの特許一覧 ▶ セブ ソシエテ アノニムの特許一覧

特許6987111多数の単回使用包装ユニットから混合することによる化粧製品の製作のためのシステム
<>
  • 特許6987111-多数の単回使用包装ユニットから混合することによる化粧製品の製作のためのシステム 図000002
  • 特許6987111-多数の単回使用包装ユニットから混合することによる化粧製品の製作のためのシステム 図000003
  • 特許6987111-多数の単回使用包装ユニットから混合することによる化粧製品の製作のためのシステム 図000004
  • 特許6987111-多数の単回使用包装ユニットから混合することによる化粧製品の製作のためのシステム 図000005
  • 特許6987111-多数の単回使用包装ユニットから混合することによる化粧製品の製作のためのシステム 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6987111
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】多数の単回使用包装ユニットから混合することによる化粧製品の製作のためのシステム
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/32 20060101AFI20211213BHJP
   A45D 44/00 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   B65D81/32 E
   A45D44/00 Z
【請求項の数】28
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-216457(P2019-216457)
(22)【出願日】2019年11月29日
(62)【分割の表示】特願2017-519569(P2017-519569)の分割
【原出願日】2015年10月5日
(65)【公開番号】特開2020-50449(P2020-50449A)
(43)【公開日】2020年4月2日
【審査請求日】2019年12月9日
(31)【優先権主張番号】1459620
(32)【優先日】2014年10月7日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】520408766
【氏名又は名称】デュオラブ・インターナショナル・エス・アー・エール・エル
(73)【特許権者】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】セシル・トゥレル
(72)【発明者】
【氏名】マガリ・ミレ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ドゥ・ブルジエール
(72)【発明者】
【氏名】マチルド・ブロンデル
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ・ル・グラン
(72)【発明者】
【氏名】マキシム・ジャヴィト
【審査官】 石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0237163(US,A1)
【文献】 米国特許第05865309(US,A)
【文献】 国際公開第2013/096318(WO,A2)
【文献】 欧州特許出願公開第00695575(EP,A2)
【文献】 特表昭62−502316(JP,A)
【文献】 特開2008−154955(JP,A)
【文献】 特表2003−525817(JP,A)
【文献】 特開2012−120766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/00
A45D 44/00
B01F 13/00
B65D 81/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定した量の第1の相の化粧製品を含む少なくとも1つの第1の単回使用包装ユニット(13)と、
予め設定した量の第2の相の化粧製品を含む少なくとも1つの第2の単回使用包装ユニット(14)と、
最終消費者によって直接的に消費可能な化粧製品(10)で終わるために、前記予め設定した量の前記第1の相と前記予め設定した量の前記第2の相との混合が内部で自動的に行われる混合装置(2、7、16)を備える機械(15)と
を備え、
前記第1の単回使用包装ユニット(13)及び前記第2の単回使用包装ユニット(14)はそれぞれ、互いから独立している2つのカプセルであり、
前記混合は、前記第1の相も前記第2の相も、単回の使用でない前記混合装置のいずれの部品(2、7、16)とも直接的に接触しないような手法で行われ、それにより前記混合装置を汚すことを回避し、
混合物が、両方の前記単回使用包装ユニット(13、14)によって、および、前記単回使用包装ユニット(13、14)同士の間に形成される接合部によっても形成される環境から、まったく外に出ない、または、少なくとも前記混合物の均質化が終了される前に外に出ず、
前記混合は、前記単回使用包装ユニット(13、14)のうちの一方の内容物の前記単回使用包装ユニット(13、14)のうちの他方への移送を少なくとも含み、
前記機械は、前記単回使用包装ユニットのうちの一方から前記単回使用包装ユニットのうちの他方への内容物の移送を自動的に提供する動力装置を備えることを特徴とする、化粧製品の製作のためのシステム。
【請求項2】
前記移送は繰り返され、往復式であることを特徴とする、請求項に記載の化粧製品の製作のためのシステム。
【請求項3】
前記カプセルは、他方のカプセルからの幅広い先端へ滑り込ませる前記カプセルの一方からの狭い先端を介して互いに接続されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧製品の製作のためのシステム。
【請求項4】
前記単回使用包装ユニットは、前記機械へと入れられる前、それらの前記予め設定した量の化粧製品の相によって少なくとも部分的に満たされ、混合物をその全体において含むことができるように容積を増加するために、十分に柔らかいことを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の化粧製品の製作のためのシステム。
【請求項5】
前記単回使用包装ユニットは、前記機械に置かれる前、真空下で満たされることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の化粧製品の製作のためのシステム。
【請求項6】
前記移送は、混合物を均質化するために、前記予め設定した量の前記第1の相と前記予め設定した量の前記第2の相との撹拌を伴うことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の化粧製品の製作のためのシステム。
【請求項7】
撹拌は、前記混合物を一方の包装ユニット(13、14)から他方の包装ユニット(14、13)へと移動するように機械的圧力の適用によって行われ、逆もまた同じであることを特徴とする、請求項に記載の化粧製品の製作のためのシステム。
【請求項8】
前記混合は、前記単回使用包装ユニット(13、14)のうちの一方の内容物を他方の包装ユニット(14、13)へと移動するために前記単回使用包装ユニット(13、14)のうちの一方を平らにするように配置されるピストン(7)の使用またはローラの使用によって行われることを特徴とする、請求項6又は7に記載の化粧製品の製作のためのシステム。
【請求項9】
前記撹拌は、前記混合物の均質化を向上するために、前記予め設定した量の前記第1の相および/または前記予め設定した量の前記第2の相の加熱を伴うこと、又は、
前記撹拌は、前記混合物の均質化を向上するために、前記予め設定した量の前記第1の相および/または前記予め設定した量の前記第2の相の加熱を伴い、前記加熱は前記撹拌の前であり得ることを特徴とする、請求項6から8のいずれか一項に記載の化粧製品の製作のためのシステム。
【請求項10】
前記移送が、前記単回使用包装ユニット(13、14)同士の間に位置付けられる狭窄部を通じて行われることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の化粧製品の製作のためのシステム。
【請求項11】
前記移送は、前記狭窄部(3)を往来する内容物をせん断することを特徴とする、請求項10に記載の化粧製品の製作のためのシステム。
【請求項12】
前記移送は、前記第1の単回使用包装ユニット及び前記第2の単回使用包装ユニットを互いに直接的に接続する通路を通じて通過することによって行われ、
前記通路は、前記第1の単回使用包装ユニットと前記第2の単回使用包装ユニットとの間で移るために混合物が通過する狭窄部を含むことを特徴とする、請求項10又は11に記載の化粧製品の製作のためのシステム。
【請求項13】
前記狭窄部(3)は、前記狭窄部を担持する1つまたは複数の前記単回使用包装ユニット(13、14)の大きさまたは直径の最大20%、又は最大15%、或いは最大12%になる大きさまたは直径を有することを特徴とする、請求項10または11に記載の化粧製品の製作のためのシステム。
【請求項14】
前記狭窄部(3)は、前記狭窄部を担持する1つまたは複数の前記単回使用包装ユニット(13、14)の大きさまたは直径の少なくとも2%、又は少なくとも4%、或いは少なくとも8%になる大きさまたは直径を有することを特徴とする、請求項10から13のいずれか一項に記載の化粧製品の製作のためのシステム。
【請求項15】
最終消費者によって直接的に消費可能な前記化粧製品(10)は、前記単回使用包装ユニット(13、14)のうちの一方に、および/または、前記単回使用包装ユニット(13、14)のうちの他方に保存されることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の化粧製品の製作のためのシステム。
【請求項16】
最終消費者によって直接的に消費可能な前記化粧製品(10)は、取り外し可能で、前記機械(15)の前記混合装置(2、7、16)の外部にある受部(8)に直接的に保存されることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の化粧製品の製作のためのシステム。
【請求項17】
最終消費者によって直接的に消費可能な前記化粧製品(10)は、均質化されたエマルション、均質化された溶液、またはいくつかの混和相の混合物であることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の化粧製品の製作のためのシステム。
【請求項18】
前記第1の単回使用包装ユニット(13)は、予め設定した量の賦形剤相の化粧製品を含み、
前記第2の単回使用包装ユニット(14)は、前記第2の単回使用包装ユニット(14)が有利に殺菌される化粧製品のための活性成分を含む予め設定した量の相を含む
ことを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の化粧製品の製作のためのシステム。
【請求項19】
前記第1の単回使用包装ユニット(13)は、予め設定した量の脂肪相の化粧製品を含み、
前記第2の単回使用包装ユニット(14)は、前記第2の単回使用包装ユニット(14)が有利に殺菌される予め設定した量の水相の化粧製品を含む
ことを特徴とする、請求項1から18のいずれか一項に記載の化粧製品の製作のためのシステム。
【請求項20】
前記化粧製品の前記脂肪相は、乳液又はクリームである異なる形態に対応する異なる種類のものとでき、
前記化粧製品の前記水相は、最終消費者の異なる皮膚の要求に対応する活性成分の異なる群を含み得る
ことを特徴とする、請求項19に記載の化粧製品の製作のためのシステム。
【請求項21】
混合装置の内部で、予め設定した量の第1の相の化粧製品を含む少なくとも1つの第1の単回使用包装ユニットと、予め設定した量の第2の相の化粧製品を含む少なくとも1つの第2の単回使用包装ユニットとから化粧製品の制作プロセスであって、
前記予め設定した量の第1の相の化粧製品と前記予め設定した量の第2の相の化粧製品との混合は、最終消費者によって直接的に消費可能な化粧製品で終わるために自動的に行われており、
前記混合は、前記第1の相も前記第2の相も、単回の使用でない前記混合装置のいずれの部品(2、7、16)とも直接的に接触しないような手法で行われ、それにより前記混合装置を汚すことを回避し、
前記第1の単回使用包装ユニット及び前記第2の単回使用包装ユニットはそれぞれ、互いから独立している2つのカプセルであることを特徴とする、化粧製品の制作プロセス。
【請求項22】
混合物が、両方の前記単回使用包装ユニット(13、14)によって、および、前記単回使用包装ユニット(13、14)同士の間に形成される接合部によっても形成される環境から、まったく外に出ない、または、少なくとも前記混合物の均質化が終了される前に外に出ないことを特徴とする、請求項21に記載の化粧製品の制作プロセス。
【請求項23】
前記混合は、前記単回使用包装ユニット(13、14)のうちの一方の内容物の前記単回使用包装ユニット(13、14)のうちの他方への移送を少なくとも含むことを特徴とする、請求項22に記載の化粧製品の制作プロセス。
【請求項24】
前記機械は、前記単回使用包装ユニットのうちの一方から前記単回使用包装ユニットのうちの他方への内容物の移送を自動的に提供する動力装置を備えることを特徴とする、請求項23に記載の化粧製品の制作プロセス。
【請求項25】
前記移送は繰り返され、往復式であることを特徴とする、請求項24に記載の化粧製品の制作プロセス。
【請求項26】
前記第1の単回使用包装ユニット(13)は、予め設定した量の賦形剤相の化粧製品を含み、
前記第2の単回使用包装ユニット(14)は、前記第2の単回使用包装ユニット(14)が有利に殺菌される化粧製品のための活性成分を含む予め設定した量の相を含む
ことを特徴とする、請求項21から25のいずれか一項に記載の化粧製品の制作プロセス。
【請求項27】
前記第1の単回使用包装ユニット(13)は、予め設定した量の脂肪相の化粧製品を含み、
前記第2の単回使用包装ユニット(14)は、前記第2の単回使用包装ユニット(14)が有利に殺菌される予め設定した量の水相の化粧製品を含む
ことを特徴とする、請求項21から26のいずれか一項に記載の化粧製品の制作プロセス。
【請求項28】
前記化粧製品の前記脂肪相は、乳液又はクリームである異なる形態に対応する異なる種類のものとでき、
前記化粧製品の前記水相は、最終消費者の異なる皮膚の要求に対応する活性成分の異なる群を含み得る
ことを特徴とする、請求項27に記載の化粧製品の制作プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポッドとも呼ばれる事前用量包装ユニットからの個人向け化粧製品の製作のためのシステムに関するものであり、このシステムでは、事前用量包装ユニットからの内容物の混合が機械によって自動的に行われ、個人向け化粧製品の最終消費者は、事前用量包装ユニットを機械に置き、個人向け化粧製品を使用するために準備品を回収する必要があるだけである。
【背景技術】
【0002】
例えば欧州特許EP2,038,189に提示されている第1の先行技術によれば、異なる基本製品を収容するポッドからの個人向け化粧製品の製作のためのシステムが知られており、このシステムでは、それらポッドが開けられ、それらポッドの内容物が機械内で水と混合される。
【0003】
この先行技術の第1の欠点は、水の循環ならびに水とポッドの内容物との混合を実現させることに関係しており、このことにより、機械の構造が比較的複雑になる。
【0004】
この先行技術の第2の欠点は洗浄に関係しており、この洗浄は、混合物と接触していた機械のすべての内部部品に対して行うために、必然的に手間のかかるものになり、さらに、洗浄は比較的頻繁に行われるものであり、少なくとも、新たな個人向け製品が、機械で先に行われた以前の個人向け製品の構成成分と相容れない、またはそれによって汚染される可能性が生じるたびに、洗浄が行われる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第2038189号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、前述の欠点を少なくとも部分的に軽減する、単回使用の事前用量包装ユニットからの個人向け化粧製品の製作のためのシステムを提供することである。
【0007】
個人向け化粧製品の構成成分または相を混合の前に別々にすることは、行われ得る混合の可能性においてかなりのフレキシビリティとより高い豊かさとを可能にし、最終消費者にとってはより広い選択肢が可能であることを意味する。
【0008】
個人向け化粧製品の構成成分または相を混合の前に別々にすることは、混合前に改善された形でかつより長く保存することも可能にし、あるいは、保存料(これは従来の予め混合された製品の場合、最終消費者に売りに出されている間に必要とされることがあった)を制限または排除することすら可能にする。最終消費者の健康が、そのようにしてより良く保護される。
【0009】
より具体的には、本発明は、使用するのが簡単でかつ効率的であって、洗浄が先行技術と比較してはるかにより簡単になる(これは、洗浄が要らない、または、少なくとも非常に素早く簡単に行えることを意味する)、単回使用の事前用量包装ユニットからの個人向け化粧製品の製作のためのシステムを提供することに向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的のために、本発明は、予め設定された量の第1の相の化粧製品を含む少なくとも1つの第1の単回使用包装ユニットと、予め設定された量の第2の相の化粧製品を含む少なくとも1つの第2の単回使用包装ユニットと、最終消費者によって直接的に消費可能な化粧製品で終わるために、前記予め設定された量の第1の相と前記予め設定された量の第2の相との混合が内部で自動的に行われる混合装置とを備え、前記混合は、第1の相も第2の相も、単回の使用でない前記混合装置のいずれの部品とも直接的に接触しないような手法で行われ、それにより前記混合装置を汚すことを回避することを特徴とする、化粧製品の製作のためのシステムを提案する。
【0011】
混合装置の部品は、混合が行われる室の部品であり、そのため、従来の機械では、包装ユニットの内容物と接触し、したがって、混合装置の内部を汚す危険性をもたらす可能性があった。そのため単回使用でない混合装置の部品は、好ましくは、最終消費者がアクセスするのが難しい部品、および、最終消費者によって取り外しできず、そのため、最終消費者が混合装置の外部を洗浄するために混合装置から容易に取り外すことができない部品である。
【0012】
互いからあらかじめ別々にされている2つの個別の包装ユニットから来る内容物の混合が、最終消費者にとっての混合の選択可能性を、販売を申し出るカタログ商品の数を同時に大幅に増やすことなく、大きく拡充するように作用する一方、機械は、3つの包装ユニットの内容物を混合することもできる、または、なおもさらにより多くの数の包装ユニットの内容物を混合することさえ可能であり得る。
【0013】
先行技術の一部の文献から、2つの単回使用包装ユニットの内容物が一緒に混合されるとき、すでに安定化されたエマルションを活性成分の添加と混合することを伴う。したがって、本発明によれば、エマルションを作り出すために、2つの単回使用包装ユニットからそれぞれ来る脂肪相と水相とを混合することが可能でもあることが見出された。実際、それぞれの包装ユニットで完全に別々にされている脂肪相および水相から始まるときであっても、混合動作は機械で簡単に効率的に行われ得ることがわかっている。
【0014】
この目的のために、本発明は、予め設定された量の脂肪相の化粧製品を含む少なくとも1つの第1の単回使用包装ユニットと、予め設定された量の水相の化粧製品を含む少なくとも1つの第2の単回使用包装ユニットと、最終消費者によって直接的に消費可能な化粧製品で終わるために、前記予め設定された量の前記水相と前記予め設定された量の前記脂肪相との混合が内部で自動的に行われる機械とを備える、化粧製品製作システムも提案する。
【0015】
本発明による製作システムは、機械が包装ユニットのそれぞれの内容物を混合する、これらの包装ユニットを組み合わせる製作装置と、最終消費者がこの機械へと置くそれぞれの包装ユニットのそれぞれの内容物を、1つの機械の内部で自動的に混合する製作プロセスとの両方にも関する。
【0016】
本発明の目的は、予め設定された量の第1の相の化粧製品を含む少なくとも1つの第1の単回使用包装ユニットと、予め設定された量の第2の相の化粧製品を含む少なくとも1つの第2の単回使用包装ユニットとからの化粧製品の製作のためのプロセスであって、混合装置の内部で、最終消費者によって直接的に消費可能な化粧製品で終わるために、前記予め設定された量の第1の相と前記予め設定された量の第2の相との混合が自動的に行われ、前記混合は、第1の相も第2の相も、単回の使用でない前記混合装置のいずれの部品とも直接的に接触しないような手法で行われ、それにより前記混合装置を汚すことを回避することを特徴とする、プロセスでもある。
【0017】
好ましい実施形態によれば、本発明は、別々で、部分的な組み合わせで、または、完全な組み合わせで用いられ得る以下の特徴のうちの1つまたは複数を含み、これらの特徴は、先に記載した目的、すなわち、システム、装置、またはプロセスのいずれか1つと共に組み合わせられ得る。
【0018】
好ましくは、前記混合物は、両方の前記包装ユニットによって、および、包装ユニット同士の間に形成される接合部によっても形成される環境から、まったく外に出ない、または、少なくとも前記混合物の均質化が終了される前に外に出ない。したがって、混合は、互いに接続される2つの包装ユニットによって作られる環境の内部で、この環境を離れることなく、延いては、機械の内部と接触する危険性なく行われ、したがって、機械を汚すことを回避する。これは、混合のための他の追加の要素を必要とすることもなく、包装ユニットの内容物が機械の内部と接触しないための簡単で効率的な方法であり、この場合、包装ユニットだけで混合にとって十分であり、1つの追加の要素が、混合が行われると混合物を受け入れるために用いられてもよい。
【0019】
好ましくは、前記混合は、前記単回使用包装ユニットのうちの一方の内容物の単回使用包装ユニットのうちの他方への移送を少なくとも含む。したがって、混合は、互いに接続される2つの包装ユニットによって作られる環境の内部で、この環境を離れることなく、延いては、機械の内部と接触する危険性なく行われ、したがって、機械を汚すことを回避する。一方の包装ユニットから他方の包装ユニットへの簡単な移送は、これらの包装ユニットを残すことなく混合を開始させることができる。
【0020】
エマルションのための均質化は、一方の層から他方の層への益々細かく分散しているエマルションを作ることから成る。
【0021】
好ましくは、機械は、包装ユニットのうちの一方から包装ユニットのうちの他方への内容物の移送を自動的に提供する動力装置を備える。有利には、動力装置は、機械の混合装置の内部で、包装ユニットのうちの一方から包装ユニットのうちの他方への内容物の移送を自動的に提供する。
【0022】
好ましくは、前記移送は繰り返され、往復式である。したがって、混合は、混合の結果がより均質であるように、より効率的に行われ得るが、これは、混合物のこの均質性が、2つ以上の最初に相互に混合しない相の細かい分散として定義されるエマルションにとって特に重要なためであり、1つのこのようなエマルションから成る化粧製品を意味する。包装ユニット同士の間のこれらの往復は、混合物を均質化するために必要とされる回数で行うことができ、そのため、互いに接続される2つの包装ユニットから作られる環境から混合物を取り出すことなく完全に均質な混合物を作るための、効率的であると同時に簡単である方法を構成し、それにより機械を汚す危険性を回避する。
【0023】
好ましくは、前記包装ユニットは、前記機械へと入れられる前、それらの前記予め設定された量の化粧製品の相によって少なくとも部分的に、または部分的に満たされ、前記混合物をその全体において、またはほとんどその全体において含むことができるように容積を増加するために、十分に柔らかい。包装ユニットに最初に含まれる空気の量を制限すること、または、排除すらすることが、好ましい。含まれる空気のこの量を低減または排除することは、含まれる空気の最初の量が多過ぎることによって阻害され得る均質化を、より容易にする。
【0024】
好ましくは、前記包装ユニットは、前記機械に置かれる前、真空下で満たされる。この方法では、包装ユニットに最初に含まれる空気の量が、制限され得る、または、排除すらされ得る。含まれる空気のこの量を低減または排除することは、含まれる空気の最初の量が多過ぎることによって阻害され得る均質化を、より容易にする。
【0025】
好ましくは、前記移送が、前記単回使用包装ユニット同士の間に位置付けられる狭窄部を通じて行われる。この狭窄部は、狭窄部を通る混合物の移動の加速をもたらす容積の縮小があり、この加速が混合物の均質化をさらに向上するため、包装ユニットの内容物を互いと強制的に混合させることで、混合物の均質化を向上する。好ましくは、前記移送は、包装ユニットを互いと直接的に接続する通路を通じて通過することで行われ、この通路は、前記単回使用包装ユニット同士の間で移るために、混合物が通過するのに通る狭窄部を含む。
【0026】
好ましくは、前記移送は、前記狭窄部を往来する前記内容物をせん断する。それを行うために、前記狭窄部の周りの大きさの低減は、混合物の均質化をさらに高めるこのせん断効果を効率的に得ることができるようにするために、十分な規模でなければならない。
【0027】
好ましくは、前記狭窄部は、前記狭窄部を担持する1つまたは複数の包装ユニットの大きさまたは直径の最大20%、好ましくは最大15%、なおもさらに好ましくは最大12%になる大きさまたは直径を有する。狭窄部の大きさは、有利には、大きく低減され過ぎるべきではなく、そうでない場合、一方の包装ユニットから他方の包装ユニットへの混合物の通過が時間を取り過ぎ、それにより、混合物の均質化の速度を間接的に遅くする可能性がある。有利には、前記狭窄部は、前記狭窄部を担持する1つまたは複数の包装ユニットの大きさまたは直径の少なくとも2%、有利には少なくとも4%、なおもさらに有利には少なくとも8%になる大きさまたは直径を有する。
【0028】
好ましくは、実施形態では、最終消費者によって直接的に消費可能な前記化粧製品は、前記単回使用包装ユニットのうちの一方に、および/または、前記単回使用包装ユニットのうちの他方に保存される。したがって、この方法での製作システムの単純さがさらに高められることになるが、これは、混合物が作られる相または構成成分を含む包装ユニットとは別に、最終消費者による使用のために準備が整うことを意味する、個人向け化粧製品を使用するために準備品を構成する混合物を受け入れる最終的な段階についてさえ、追加の要素が必要とされないためである。また、その使用はより実務的となるが、これは、個人向け化粧製品に、それを保存する包装ユニットへの単純な圧力が適用され得るためである。
【0029】
任意選択で、他の実施形態では、最終消費者によって直接的に消費可能な前記化粧製品は、取り外し可能で、機械の混合装置の外部にある受部、または、機械自体の外部にさえある受部に、直接的に保存される。この他の実施形態は、即時の使用、または、ほとんど即時の使用のために、個人向け化粧製品を受け入れて極めて一時的に保存するための追加の要素を必要とする。この方法で、最終消費者は実務的な受部を提供され、実際、受部は、個人向け化粧製品の送達をより直接的とする比較的平らで、若干広がっていてもよい。また、この受部は、有利には、例えばステンレス鋼といった金属性であり、個人向け化粧製品をより素早く冷却する利点を有する。この取り外し可能な受部は、各々の使用の後に洗浄される。
【0030】
好ましくは、前記移送は、前記混合物を均質化するために、前記予め設定された量の第1の相と前記予め設定された量の第2の相との撹拌を伴う。様々な包装ユニットからそれぞれ来る様々な相のこの撹拌は、結果生じる混合物の均質化を向上するようにここでも作用する。
【0031】
好ましくは、前記撹拌は、前記混合物を一方の包装ユニットから他方の包装ユニットへと移動するように機械的圧力の適用によって行われ、逆もまた同じである。したがって、一方の包装ユニットから他方の包装ユニットへの混合物の移送は、簡単で効率的に行われる。
【0032】
好ましくは、前記混合は、包装ユニットのうちの一方の内容物を他方の包装ユニットへと移動するために包装ユニットのうちのその一方を平らにするように配置されるピストンの使用またはローラの使用によって行われる。したがって、各々の通過で効率的に移送される混合物の割合はより大きくなり、次いで、一方の包装ユニットが他方の包装ユニットへ移送した後にその一方の包装ユニットに残っている混合物の量は、低減される。
【0033】
好ましくは、前記撹拌は、前記混合物の均質化を向上するために、前記予め設定された量の第1の相および/または前記予め設定された量の第2の相の加熱を伴い、前記加熱は好ましくは前記撹拌の前であり得る。同時に加熱されるいくつかの相の撹拌、または、加熱されるいくつかの相の撹拌は、より効率的であり、混合物の均質化をさらに向上する。
【0034】
好ましくは、最終消費者によって直接的に消費可能な前記化粧製品は、均質化されたエマルション、均質化された溶液、または、例えば、粉末および水相、または、活性親油物質および油相のセットなど、いくつかの混和相の混合物である。高度な均質化を実施することは、溶液にとってではなくエマルションにとってさらにより重要である。
【0035】
好ましくは、前記第1の単回使用包装ユニットは、予め設定された量の賦形相の化粧製品を含み、前記第2の単回使用包装ユニットは、前記第2の包装ユニットが有利に殺菌される化粧製品のための活性成分を含む予め設定された量の相を含む。最終消費者による賦形相および活性成分を含む相の使用の直前の混合と、即時の使用の一回の用量の製作とは、化粧効果にとって不必要であり、従来の化粧製品の長い時間の保存を可能にするために従来の化粧製品で典型的に使用されている保存料の添加を、回避する。
【0036】
好ましくは、前記第1の単回使用包装ユニットは、予め設定された量の脂肪相の化粧製品を含み、前記第2の単回使用包装ユニットは、前記第2の包装ユニットが有利に殺菌される予め設定された量の水相の化粧製品を含む。最終消費者による脂肪相および水相の使用の直前の混合と、すぐの使用のための一回の用量の製作とは、化粧効果にとって不必要であり、従来の化粧製品の長い時間の保存を可能にするために従来の化粧製品で典型的に使用されている保存料の添加を、回避する。
【0037】
脂肪相または賦形相はケアの主成分の種類を目指しており、一方、水相または活性成分を含む相は、大抵、活性の複合体を構成する。
【0038】
好ましくは、前記化粧製品の前記脂肪相は、異なる形態に対応する異なる種類のものとでき、前記化粧製品の前記水相は、最終消費者の異なる皮膚の要求に対応する活性成分の異なる群を含み得る。異なる形態は、例えば、乳液またはクリームである。したがって、男性または女性のいずれかの消費者であり得る最終消費者は、自身の皮膚に適した活性複合体の種類と無関係に、自身に適したケアの主成分を選択できる。
【0039】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照しつつ、例として与えられている本発明の好ましい実施形態の以下の記載を読むことで、明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の実施形態による製作プロセスの第1の段階に対応する状態で示された本発明の実施形態による製作システムの例の概略図である。
図2】本発明の実施形態による製作プロセスの第2の段階に対応する状態で示された本発明の実施形態による製作システムの例の概略図である。
図3】本発明の実施形態による製作プロセスの第3の段階に対応する状態で示された本発明の実施形態による製作システムの例の概略図である。
図4】本発明の実施形態による製作プロセスの第4の段階に対応する状態で示された本発明の実施形態による製作システムの例の概略図である。
図5】本発明の実施形態による製作プロセスの第5の段階に対応する状態で示された本発明の実施形態による製作システムの例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1図5との関連で記載されている製作システムは、2つの包装ユニット13および14を用いる機械15を備えている。
【0042】
これらの2つの包装ユニット13および14は、互いから独立されている2つのカプセルであるとき、カプセル13および14とも呼ばれる、または、互いと元々接続されているとき、カプセル区画室とも呼ばれる。包装ユニット13は、賦形相である脂肪相を含み、一方、包装ユニット14は、活性相の複合体である水相を含む。状態が製作プロセスの間に変わり得る連結部3は、包装ユニット13および14を互いに接続する。連結部3は、好ましくは、いくらか円筒形の通路である。
【0043】
機械15は、加熱装置1と、2つの包装ユニット13および14を互いと接続するための工具と、包装ユニット14を可及的に空にするための領域を閉位置に保持するための工具4と、回転駆動される2つのカム5のセットと、カム5に循環移動を提供するモータ6と、カム5の回転によって鉛直方向の並進移動が駆動されるピストン7のセットと、個人向け化粧製品10を受け入れるためのカップ8と、包装ユニット13および/または14のための空容器9と、包装ユニット13および14を機械15へと入れるためのアクセス出入口11と、取り出し可能なカップ8を機械15の外部に持ち出すための引き出し扉12と、包装ユニット13および14が配置される一方で混合物が作られて均質化されるトレイ16とを備える。混合物を作って均質化する混合装置は、部品2、7、16を備える。
【0044】
図1は、本発明の実施形態による製作プロセスの第1の段階に対応する状態で示された本発明の実施形態による製作システムの例を概略的に示している。
【0045】
実施形態では、カプセルの区画室13および14は、出入口11を開けた後、最終消費者によって機械15の内部に入れられる。次に、最終消費者は出入口11を再び閉じる。その前または後に、最終消費者は、以前の使用の後で扉12を開けた後に、機械15内部のカップ8を洗浄した後、カップ8を交換する。次に、最終消費者は扉12を閉じる。機械15は使用する準備が整う。区画室14は、区画室13の前に挿入されている。区画室13および14はトレイ16に置かれている。出入口11と扉12とを閉じるための移動は、図1において湾曲した矢印によって指示されている。
【0046】
区画室13は、加熱装置1の領域に位置付けられている。最終消費者は、製作プロセスを始めさせるために、図示していない「開始」ボタンを押す必要があるだけである。次に、区画室13に収容されている脂肪相が、加熱装置1によって暖められる。区画室13の加熱のステップは、区画室13のすぐ上方に位置付けられている多分岐星型形状によって指示されている。
【0047】
代替では、加熱装置1は存在せず、脂肪相は暖められない。区画室13と14との両方を同時に温めることができるより大きな加熱装置を提供することも可能である。
【0048】
代替で、互いから別々になっている2つのカプセル13および14が機械15に置かれ、カプセル13がカプセル14を機械15の内部に向かって押す状態で、カプセル14がカプセル13の前にある。カプセル13および14は、組立体を機械15へと滑り込ませる前に、カプセルのうちの一方からの狭い先端を、他方のカプセルからの幅広い先端へと滑り込ませることができる最終使用者によって、互いに接続される。
【0049】
図2は、本発明の実施形態による製作プロセスの第2の段階に対応する状態で示された本発明の実施形態による製作システムの例を概略的に示している。
【0050】
実施形態では、トレイ16は、区画室13を加熱装置の外へと持ってくるように、および、区画室13および14をそれぞれピストン7の下に持ってくるように、移動する。ピストン7は、区画室13および14の内容物を空にするために、区画室13および14に大きな圧力を発揮することはせず、区画室13および14をトレイ16における所定位置に維持するための軽い圧力を発揮できる。接続するための工具2は、例えば、分離部が連結部3の内部に配置されている場合、区画室13と14との間の分離部を取り除くように連結部3に圧力を発揮することになることで、区画室13と14とを互いと接続する。この分離部は、連結部3を遮断する隔壁または膜とでき、接続するための工具2は、区画室13と14との間を接続するこの連結部3を作るように、移動または取り外しすることになる。保持するための工具4は、個人向け化粧製品がカップ8に回収される場合に、混合装置への混合物の漏れを回避するために、区画室14の空の領域に機械的な圧力を発揮する。連結部3の内径に対応する狭窄部は、区画室13と14との両方がこの狭窄部を有するため、区画室13および14の高さの最大20%、好ましくは最大15%、なおもさらに好ましくは最大12%になる大きさまたは直径を有する。
【0051】
代替で、接続するための工具2は連結部3の機械的な切断装置であってもよく、図示されていない装置が、切断の一方の側に位置付けられる連結部3の一部分を、切断の他方の側に位置付けられる連結部3の他の部分へと入れ子にすることで、区画室13と14との間に封止された連結部を再び確立することになる。連結部3のこれらの2つの部品は、この場合、異なる直径を有利に有することになる。カップ8が排除されてもよく、この場合、個人向け化粧製品は、空にする領域をもはや備えていない区画室14自体に回収され、個人向け化粧製品は、最終消費者によって発揮される手作業の圧力によって、連結部3の開いた先端を通じて区画室14から出される。
【0052】
代替で、2つのカプセルは、別々にされる、または、最終消費者が挿入したことで互いに接続され、接続するための工具2は、有利には連結部3の周りすべてに分配される、連結部3の2つの部品への機械的な圧力によって、この連結部3の封止を維持することになる。それを行うために、カプセルが最終消費者によって互いと別々に挿入される場合、図示されていない装置は、カプセルのうちの一方に取り付けられた連結部3の一部を、他方のカプセルに取り付けられた連結部3の一部の内部に入れ子にすることで、区画室13と14との間に封止された連結部を再び確立することになる。カップ8が排除されてもよく、この場合、個人向け化粧製品は、空にする領域をもはや備えていない区画室14自体に回収され、個人向け化粧製品は、最終消費者によって発揮される手作業の圧力によって、連結部3の開いた先端を通じて区画室14から出される。
【0053】
図3は、本発明の実施形態による製作プロセスの第3の段階に対応する状態で示された本発明の実施形態による製作システムの例を概略的に示している。
【0054】
実施形態では、カム5が回ることで、ピストン7の鉛直方向の並進移動を駆動する。カム5は、ピストン7の鉛直方向の移動が行ったり来たりするような構造および配置とされ、これは、一方において、第1のピストン7が下方位置にあり、図3に示すように区画室13を平らにするとき、第2のピストン7は上方位置にあり、区画室14を平らにしておらず、往復式における他方において、ピストン7が下方位置にあり、区画室14を平らにするとき、第1のピストン7は上方位置であり、区画室13を平らにしないことを意味する。ピストン7同士の逆の交互の鉛直方向の移動は、区画室13から区画室14へと、および、区画室14から区画室13へと、混合物を交互に出すように作用する。混合物の戻りを伴う一方の区画室から他方の区画室への混合物の移送のこの周期は、混合物が良好に均質化されるだけの回数で行われる。連結部3を構成する通路の断面がより小さくなると、混合物の十分な均質化を得るために行われる周期の必要とされる数は、より小さくなる。接続するための工具2は、有利には、連結部3を外部から封止されたままにする一方、一方の区画室から他方の区画室へと通過する混合物が均質化されるまで、区画室13と14との間の連結通路の中心部を縮ませることで、区画室13と14との間の連通を許容する。混合物が均質化されている間ずっと、保持するための工具4は、混合装置における漏れを回避するために、区画室14の空になる領域への機械的な圧力を維持する。混合物が一方の区画室から他方の区画室へと移送されるたびに、混合物のすべてが一回で移送される。封止された連結部3を構成する狭窄部を通る各々の通過において、混合物は、せん断されており、そのためさらにより良く混合され、最終的に益々均質化される。
【0055】
代替で、機械は、カプセル13と14とが互いと連結される場合と同様に動作し、接続するための工具2は、有利には、連結部の封止を維持する。
【0056】
混合物は、移送が相同士を互いと混合させるため、一方の区画室から他方の区画室への移送、または、一方のカプセルから他方のカプセルへの移送によって均質化され、この移送が往復で繰り返されるため、この均質化が高められる。混合物は、狭窄部を通るこの混合物の通過の間に行われると共に相同士を互いとさらに混合するせん断によっても、均質化される。混合物は、相同士の互いとの混合をなおもさらに助ける混合物のすべてを液体化する相のうちの少なくとも一方の加熱によっても、均質化される。
【0057】
図4は、本発明の実施形態による製作プロセスの第4の段階に対応する状態で示された本発明の実施形態による製作システムの例を概略的に示している。
【0058】
実施形態では、カム5は、ピストン7が同じ位相になるように回転のずれを行い、区画室13および14を同時に平らにするように、両方で同時に下方位置にあり、一方、保持するための工具4は上方位置へと進み、それによって、区画室14の空の領域における圧力を解放し、それによって、均質化された混合物10を受け入れるカップ8へと出すことになる。この均質化された混合物10は、最終消費者による即時の使用、または、ほとんど即時の使用の準備が整った個人向け化粧製品10を構成する。
【0059】
代替で、カップ8のない場合、カム5は、同じ位相に戻るためのこの回転のずれを行わず、代わりに、図3で見たカム5の相対位置へと戻る。下方位置にある第1のピストン7は、区画室13を平らにし、その内容物を、第2のピストン7が上方位置にあるため、平らにされていない区画室14へと出す。次に、均質化された混合物10は区画室14に完全に収容され、区画室14は扉12に向かって押されることになり、受け入れるカップ8においてではなく、区画室14を受け入れるための単純なトレイ8において、この扉12を開けた後、最終消費者によって回収される。これを行うために、接続するための工具2、または、図示されていない他の要素が、封止された連結部3を切断することで2つの区画室13および14を互いから有利に別々にすることができ、次いで、連結部3はもはや封止されなくなる。最終消費者は、区画室14に取り付けられた連結部3の一部分を構成する開いた先端を通して個人向け化粧製品10を出て行かせることになる区画室14への簡単な手作業の圧力によって、個人向け化粧製品10を区画室14から引き抜くことになる。
【0060】
代替で、機械は、カプセル13および14の2つの区画室の代わりに、2つのカプセル13および14で同様に動作できる。
【0061】
図5は、本発明の実施形態による製作プロセスの第5の段階に対応する状態で示された本発明の実施形態による製作システムの例を概略的に示している。
【0062】
実施形態では、区画室13および14は、空にされる必要がある前、区画室13および14を伴う、程度の差はあれ多くの数の使用されたカプセルを収容できる空容器9へと除去される。区画室13および14の空容器9への除去は、図5において、トレイ16から空容器9への進む湾曲した矢印によって指示されている。最終消費者は、1つまたは複数の使用されたカプセルを次に処分するために、出入口11を開くことでそれらを回収できる。最終消費者は、カップ8の底で直接的および即時に使用する準備が整っている個人向け化粧製品10を回収するために、扉12を開けることもできる。最終消費者は、次に、カップ8を洗浄する前、例えばカップ8の留め付けを外すことで、カップ8を機械15から取り出す必要があるだけであり、例えばカップ8を再び留め付けることで、カップ8を機械15へと戻せる。個人向け化粧製品10は、最終消費者によって、受け入れカップ8において直接的に回収されようと、区画室14において直接的に回収されようと、最終消費者によって使用する準備が整った完全に清潔な一回の用量の形態である。カップ8は、有利には、個人向け化粧製品10をカップ8で受け入れたときに個人向け化粧製品10の素早い冷却を許容できるステンレス鋼である。
【0063】
有利には、個人向け化粧製品10は、個人向け化粧製品10を収容する区画室14で集められ、最終消費者は、自身の指で区画室14を押すことで、この個人向け化粧製品10を直接的および即時に使用でき、その場合、個人向け化粧製品10は、区画室14に取り付けられた連結部3の部分を構成する先端を通って出てくる。
【0064】
代替で、機械は、カプセル13および14の2つの区画室の代わりに、2つのカプセル13および14で同様に動作できる。
【0065】
当然ながら、本発明は、記載および図示した例および実施形態に限定されず、当業者にとって利用しやすい多くの変形がされる。
【符号の説明】
【0066】
1 加熱装置
2 接続するための工具
3 連結部(狭窄部)
4 保持するための工具
5 カム
6 モータ
7 ピストン
8 カップ、トレイ
9 空容器
10 個人向け化粧製品、均質化された混合物
11 アクセス出入口
12 引き出し扉
13、14 包装ユニット、カプセル、区画室
15 機械
16 トレイ
図1
図2
図3
図4
図5