【実施例】
【0082】
[比較例]
【0083】
[例1]
<古典的なスラリー法>
反応(試薬、モル、化学量論、溶媒、反応時間など):
(NH
4)
6Mo
6TeO
24.xH
2O: 6.4g
VOSO
4.3.47H
2O: 3.4g
H
3[NbO(C
2O
4)
3]: 4.56ミリモル、15.82gのストック溶液XG−2365−66(0.2882ミリモルNb/グラム溶液)
【0084】
20mLの蒸留水を、(NH
4)
6Mo
6TeO
24.xH
2O(6.4g)と撹拌子を入れた100mLの丸底フラスコに添加した。そのスラリーを温水浴(〜60℃)を用いて溶解させた。
【0085】
8mLの蒸留水を、VOSO
4.3.47H
2O(3.4g)を入れた50mLビーカーに添加した。その青い固形物を温水浴を用いて溶解させた。
【0086】
両方の溶液を室温に冷却した。VOSO
4溶液を、(NH
4)
6Mo
6TeO
24.xH
2O溶液にゆっくり加えた。ビーカーを水(2×1mL)ですすぎ洗いし、すすいだ溶液をフラスコに加えた。無色の溶液が褐色になり、これを窒素下で約10分間撹拌した。
【0087】
H
3[NbO(C
2O
4)
3]溶液をピペットで上記溶液に滴下した。鈍いピンク色のスラリーが形成された。
【0088】
フラスコを撹拌しつつ130℃のシリコンオイルバスに入れて、スラリーをゆっくりとした窒素流で蒸発させた。スラリーの色は約30分で灰色に変わった。溶媒を追い出すために浴温を150℃に上げた。次いでフラスコをオーブンに入れた。温度を室温から230℃に上げ、230℃に3.3時間保った。フラスコを室温に冷却した。その固体を粉砕し、250μmの篩(9.16g)で篩い分け、か焼した(N
2中のO
2レベル:0.14ppm)。その黒色の触媒の重量は6.89gであった。
【0089】
[例2]
<か焼前に水洗することにより改良した、文献に記載の古典的なスラリー法>
反応(試薬、モル、化学量論、溶媒、反応時間など):
(NH
4)
6Mo
6TeO
24.xH
2O: 6.4g
VOSO
4.3.47H
2O: 3.4g
H
3[NbO(C
2O
4)
3]: 4.56ミリモル、15.82gのストック溶液XG−2365−66(0.2882ミリモルNb/グラム溶液)
【0090】
20mLの蒸留水を、(NH
4)
6Mo
6TeO
24.xH
2O(6.4g)と撹拌子を入れた100mLの丸底フラスコに添加した。そのスラリーを温水浴(〜60℃)を用いて溶解させた。
【0091】
8mLの蒸留水を、VOSO
4.3.47H
2O(3.4g)を入れた50mLビーカーに添加した。その青い固形物を温水浴を用いて溶解させた。
【0092】
両方の溶液を室温に冷却した。VOSO
4溶液を、(NH
4)
6Mo
6TeO
24.xH
2O溶液にゆっくり加えた。ビーカーを水(2×1mL)ですすぎ洗いし、すすいだ溶液をフラスコに加えた。無色の溶液が褐色になり、これを窒素下で約10分間撹拌した。
【0093】
H
3[NbO(C
2O
4)
3]溶液をピペットで上記溶液に滴下した。鈍いピンク色のスラリーが形成された。
【0094】
フラスコを撹拌しつつ130℃のシリコンオイルバスに入れて、スラリーをゆっくりとした窒素流で蒸発させた。スラリーの色は約30分で灰色に変わった。溶媒を追い出すために浴温を150℃に上げた。次いでフラスコをオーブンに入れた。温度を室温から230℃に上げ、230℃に3.3時間保った。フラスコを室温に冷却した。その固体を粉砕し、250μmの篩(9.16g)で篩い分け、か焼した(N
2中のO
2レベル:0.14ppm)。その黒色の粉末の重量は6.89gであった。
【0095】
[発明例]
【0096】
[例3]
<反応>
(NH
4)
6Mo
6TeO
24.xH
2O(19.2130g、15.16ミリモル、1.00モル当量)を、温水浴を用いて250mL丸底フラスコ中の60mLの蒸留水に溶解した。得られた無色透明の溶液を室温に冷却した。
【0097】
VOSO
4.3.47H
2O(10.2185g、62.69ミリモル、3.08モル当量)を、温水浴を用いて50mLビーカー中の20mLの蒸留水に溶解した。得られた透明青色溶液を室温に冷却した。
【0098】
温かいVOSO
4溶液を、温かい(NH
4)
6Mo
6TeO
24.xH
2O溶液に注ぎ入れると、すぐに茶色の溶液が生じた。得られた褐色溶液を、温水浴中、バブリング窒素の添加下で20分間撹拌した。
【0099】
水性H
3[NbO(C
2O
4)
3](0.22817ミリモル(Nb)/グラム(溶液)、47.4319グラム(溶液)、13.67ミリモル(Nb)、0.903モル当量)を、N
2バブリング下、3分間かけてピペットで茶色の溶液にゆっくりと添加した(10分かけて滴下した)。50分間N
2をバブリングしながら撹拌し、鈍い紫色のスラリーが形成された。
【0100】
<水熱処理工程>
1. スラリーを、清浄なテフロン撹拌子を入れた600mLの裸鋼製(bare steel)高圧反応器に注いだ。オートクレーブを閉じ、反応器内部の雰囲気を排気(真空)し、N
2(バルク窒素ラインから20psi)を用いて10回充填した後、水バブラーに放出されたN
2(バルク窒素ラインから20psi)用いてさらに10回パージを繰り返した。20psiの窒素を反応器内に残し、反応器を密封した。
2. 反応器を凝縮器及び背圧調整器に取り付け、反応器をニードルバルブによりこの装置に向かって開放した。20psiが凝縮器/背圧調整器システムの上部から排気されるまで、背圧調整器をずっと戻した。その後、背圧調整器をずっとダイヤルした。
3. 反応器を加熱マントル装置に入れ、熱をオートクレーブの内側及び外側の熱電対を介して熱制御装置によって制御した。適切な断熱を確実にするために、反応器の頂部及び底部を断熱用セラミック繊維テープで包んだ。
4. 熱制御装置上の温度を184℃に設定した。反応温度を1時間かけて177℃に上げ、背圧調整器を注意深く観察した。背圧調整器が約170psiに達したら、ゲージの圧力が160psiを示すまで調整器のノブを後退させた。
5. 160psi及び177℃で64時間撹拌(撹拌プレート上で 500rpm超)して、反応を進行させた。背圧調整器への圧力は、反応時間にわたって160psiから上昇した。
6. 反応時間の終了後、オートクレーブを撹拌せずにゆっくり室温に冷却した。
7. 冷却した後、反応過程中にオートクレーブ内に生じた過剰な圧力を水バブラーを通して解放し、オートクレーブを開けた。その固体(深紫色)をろ過し、約300mLの蒸留水ですすぎ洗いし(鮮やかな青色のろ液)、90℃のオーブン中で一晩乾燥した。か焼のために20.3719gの粗生成物が得られた。
【0101】
<か焼工程>
乾燥した暗紫色(ほぼ黒色)の固体を乳鉢/乳棒を用いて粉砕し、250ミクロンの多孔度の篩を通して篩い分けした。その250ミクロン未満の粒子サイズの暗紫色の固体を石英ボートに入れ、ボートをか焼に使用されるガラス炉管に入れた。か焼中の空気の排除を確実にするために、装置を窒素下で1日間パージし、次いで熱を加え始める前に8時間にわたって精製窒素流に切り替えた。か焼は、以下の条件下で精製窒素の低速流(30ml/分)下で進行した:室温(RT)から600℃まで4時間で上昇させ、600℃で2時間保持した。得られた固体は黒色の粉末であり、これを粉砕し、250ミクロンの篩を通して篩い分けした結果、ゆるくふわふわした粉末が得られた。
【0102】
[例4]
<反応>
(NH
4)
6Mo
6TeO
24.xH
2O(19.2166g)を、温水浴を用いて250mL丸底フラスコ中の60mLの蒸留水に溶解した。得られた無色透明の溶液を室温に冷却した。
【0103】
VOSO
4.3.47H
2O(10.2144g)を、温水浴を用いて50mLビーカー中の20mLの蒸留水に溶解した。得られた透明青色溶液を室温に冷却した。
【0104】
温かいVOSO
4溶液を、温かい(NH
4)
6Mo
6TeO
24.xH
2O溶液に注ぎ入れると、すぐに茶色の溶液が生じた。得られた褐色溶液を、温水浴中、バブリング窒素の添加下で15分間撹拌した。
【0105】
水性H
3[NbO(C
2O
4)
3](0.35186ミリモル(Nb)/グラム(溶液)、38.8874g(溶液))を、N
2バブリング下、4分間かけてピペットで茶色の溶液にゆっくりと添加した(10分かけて滴下した)。120分間N
2をバブリングしながら撹拌し、鈍い紫色のスラリーが形成された。
【0106】
<水熱処理工程>
1. スラリーを、清浄なテフロン撹拌子を入れた600mLのガラス内張り鋼製(glass lined steel)高圧反応器に注いだ。オートクレーブを閉じ、反応器内部の雰囲気を排気(真空)し、N
2(バルク窒素ラインから20psi)を用いて10回充填した後、水バブラーに放出されたN
2(バルク窒素ラインから20psi)用いてさらに10回パージを繰り返した。20psiの窒素を反応器内に残し、オートクレーブを密封した。反応器を凝縮器及び背圧調整器に取り付け、反応器をニードルバルブによりこの装置に向かって開放した。20psiが凝縮器/背圧調整器システムの上部から排気されるまで、背圧調整器をずっと戻した。その後、背圧調整器をずっとダイヤルした。反応器を加熱マントル装置に入れ、熱をオートクレーブの内側及び外側の熱電対を介して熱制御装置によって制御した。適切な断熱を確実にするために、反応器の頂部及び底部を断熱用セラミック繊維テープで包んだ。
2. 熱制御装置上の温度を184℃に設定した。反応温度を1時間かけて178℃に上げ、背圧調整器を160psiに設定した。
3. 160psi及び178℃で72時間撹拌しながら、反応を進行させた。
4. 反応時間の終了後、オートクレーブを静置してゆっくり室温まで冷却した。
5. 冷却した後、反応過程中にオートクレーブ内に生じた過剰な圧力を水バブラーを通して解放し、オートクレーブを開けた。その固体(深紫色)をろ過し、約300mLの蒸留水ですすぎ洗いし(鮮やかな青色のろ液)、90℃のオーブン中で一晩乾燥した。
【0107】
<か焼工程>
乾燥した暗紫色(ほぼ黒色)の固体を乳鉢/乳棒で粉砕し、250ミクロンの多孔度の篩を通して篩い分けした。その250ミクロン未満の粒子サイズの暗紫色の固体を石英ボートに入れ、ボートをか焼に使用されるガラス炉管に入れた。か焼中の空気の排除を確実にするために、装置を窒素下で1日間パージし、次いで熱を加え始める前に8時間にわたって精製窒素流に切り替えた。か焼は、以下の条件下で精製窒素の低速流(30ml/分)下で進行した:室温(RT)から600℃まで4時間で上昇させ、600℃で2時間保持した。得られた固体は黒色の粉末であり、これを粉砕し、250ミクロンの篩を通して篩い分けした結果、ゆるくふわふわした粉末が得られた。
【0108】
[例5]
<反応>
(NH
4)
6Mo
6TeO
24.xH
2O(19.2168g)を、温水浴を用いて250mL丸底フラスコ中の60mLの蒸留水に溶解した。得られた無色透明の溶液を室温に冷却した。
【0109】
VOSO
4.3.47H
2O(10.2138g)を、温水浴を用いて50mLビーカー中の20mLの蒸留水に溶解した。得られた透明青色溶液を室温に冷却した。
【0110】
温かいVOSO
4溶液を、温かい(NH
4)
6Mo
6TeO
24.xH
2O溶液に注ぎ入れると、すぐに茶色の溶液が生じた。得られた褐色溶液を、温水浴中、バブリング窒素の添加下で30分間撹拌した。溶液中にいくらかの沈殿が観察された(溶液は冷却された可能性がある)。
【0111】
水性H
3[NbO(C
2O
4)
3](0.35186ミリモル(Nb)/グラム(溶液)、38.8930g(溶液))を、N
2バブリング下、4分間かけてピペットで茶色の溶液にゆっくりと添加した(10分かけて滴下した)。反応器に添加する前に10分間N
2をバブリングしながら撹拌し、鈍い紫色のスラリーが形成された。
【0112】
<水熱処理工程>
1. スラリーを、清浄なテフロン撹拌子を入れた600mLの裸鋼製(bare steel)高圧反応器に注いだ。オートクレーブを閉じ、反応器内部の雰囲気を排気(真空)し、N
2(バルク窒素ラインから20psi)を用いて10回充填した後、水バブラーに放出されたN
2(バルク窒素ラインから20psi)用いてさらに10回パージを繰り返した。20psiの窒素を反応器内に残し、オートクレーブを密封した。スラリーを、反応器内で20psiの窒素下で一晩撹拌した。
2. 反応器を凝縮器及び背圧調整器に取り付け、反応器をニードルバルブによりこの装置に向かって開放した。20psiが凝縮器/背圧調整器システムの上部から排気されるまで、背圧調整器をずっと戻した。その後、背圧調整器をずっとダイヤルした。反応器を加熱マントル装置に入れ、熱をオートクレーブの内側及び外側の熱電対を介して熱制御装置によって制御した。適切な断熱を確実にするために、反応器の頂部及び底部を断熱用セラミック繊維テープで包んだ。
3. 熱制御装置上の温度を184℃に設定した。反応温度を1時間かけて170℃に上げ、背圧調整器を160psiに設定した。さらに1時間かけて、反応は176℃に達した。
4. 160psi及び176℃で6時間撹拌しながら、反応を進行させた。
5. 反応時間の終了後、オートクレーブを静置してゆっくり室温まで冷却した。
6. 冷却した後、反応過程中にオートクレーブ内に生じた過剰な圧力を水バブラーを通して解放し、オートクレーブを開けた。その固体(深紫色)をろ過し、約300mLの蒸留水ですすぎ洗いし(鮮やかな青色のろ液)、90℃のオーブン中で一晩乾燥した。
【0113】
<か焼工程>
乾燥した暗紫色(ほぼ黒色)の固体を乳鉢/乳棒を用いて粉砕し、250ミクロンの多孔度の篩を通して篩い分けした。その250ミクロン未満の粒子サイズの暗紫色の固体を石英ボートに入れ、ボートをか焼に使用されるガラス炉管に入れた。か焼中の空気の排除を確実にするために、装置をバルク窒素下で1日間パージし、次いで熱を加え始める前に8時間にわたって精製窒素流に切り替えた。か焼は、以下の条件下で精製窒素の低速流(30ml/分)下で進行した:室温(RT)から600℃まで4時間で上昇させ、600℃で2時間保持した。得られた固体は黒色の粉末であり、これを粉砕し、250ミクロンの篩を通して篩い分けした結果、ゆるくふわふわした粉末が得られた。
【0114】
[例6]
<反応スキーム>
【0115】
<反応の説明>
・96.00gの(NH
4)
6Mo
6TeO
2.7H
2O
(固体)を、温水浴を用いて750rpmの攪拌速度で、1Lの三口丸底フラスコ(RBF)中の300mLの脱イオン水に溶解した。
・70.22gのVOSO
4.3.41H
2O
(固体)を、温水浴中で100mLの脱イオン水に溶解した。
・194.35gのH
3[NbO(C
2O
4)
3]
(溶液)を、250mLビーカーに量り取り、後で使用するために保持した。
・VOSO
4.3.41H
2O
(水性)溶液を、1LのRBF中の(NH
4)
6Mo
6TeO
2.7H
2O
(水性)溶液に添加した。
・溶液は黒くなった。
・溶液を30分間撹拌したままにした後、溶液は紫色に変わった。
・すべての操作は空気中で行われた。
・194.35gのH
3[NbO(C
2O
4)
3]
(溶液)を、三口のRBFに固定された250mLの添加漏斗に加えた。
・溶液を、撹拌している紫色のスラリーに滴下した(添加時間15分)。
・溶液は濃い紫色のスラリーのままであった。
・溶液を、2LのPARRオートクレーブ内の2Lのガラスライナーに移し、丸薬(pill)形状の撹拌子を加えた。
・オートクレーブ装置を密封し、N
2(気体)排気シーケンスを繰り返して10回パージした。
・オートクレーブを凝縮器に接続した。
・反応物をオートクレーブ中、室温で一晩撹拌した。
・翌日、PARRオートクレーブを175℃に加熱したところ、7.5時間後にオートクレーブは172℃の温度に達した。
・反応混合物を、凝縮器を用いて175℃で一晩オートクレーブ内に放置した。
・翌日、温度を室温に戻した。
・反応装置はその日の終わりまでに冷却されず、週末にわたって冷却された。
・反応物を冷却した後、減圧し、4×ワットマン4ろ紙媒体を通してろ過した。
・ろ液が透明になるまで、フィルターケーキを約0.5Lの脱イオン水ですすぎ洗いした。
・ろ過時間は約2時間であった。
・フィルターで乾燥した触媒を90℃のオーブンで一晩乾燥した。
・乾燥触媒を粉砕して篩い分けした。
・収量:111gのプレ触媒材料。
・プレ触媒材料をか焼した。
【0116】
全ての粉末をボートとして作用する石英管中に充填し、ガス流を可能にするためにいくらかの空間を設けた。石英管ボートをより大きな石英管の内側に置き、か焼のためのユニットの中に置いた。か焼のための十分な嫌気性環境を確実にするため、か焼ユニットを窒素下で完全にパージし、精製した。精製窒素を、毎分150標準立方センチメートルで試料上に流した。試料を4時間で室温から600℃に加熱し、4時間600℃に保持し、4時間で室温に冷却した。
【0117】
[例7]
<反応スキーム>
【0118】
<反応の説明>
・例6と同じ手順であるが、24時間の代わりに6時間の水熱反応時間を用いた。
【0119】
[例8]
<反応>
(NH
4)
6Mo
6TeO
24.xH
2O(19.2192g)を、温水浴を用いて250mL丸底フラスコ中の60mLの蒸留水に溶解した。得られた無色透明の溶液を室温に冷却した。
【0120】
VOSO
4.3.47H
2O(10.1680g)を、温水浴を用いて50mLビーカー中の20mLの蒸留水に溶解した。得られた透明青色溶液を室温に冷却した。
【0121】
温かいVOSO
4溶液を、温かい(NH
4)
6Mo
6TeO
24.xH
2O溶液に注ぎ入れると、すぐに茶色の溶液が生じた。得られた褐色溶液を、温水浴中、バブリング窒素の添加下で15分間撹拌した。
【0122】
水性H
3[NbO(C
2O
4)
3](0.35186ミリモル(Nb)/グラム(溶液)、38.8700g(溶液))を、N
2バブリング下、3分間かけてピペットで茶色の溶液にゆっくりと添加した(10分かけて滴下した)。90分間N
2をバブリングしながら撹拌し、鈍い紫色のスラリーが形成された。
【0123】
<水熱処理工程>
1. スラリーを、撹拌子のない600mLの裸鋼製(bare steel)高圧反応器に注いだ。オートクレーブを閉じ、反応器内部の雰囲気を排気(真空)し、N
2(バルク窒素ラインから20psi)を用いて10回充填した後、水バブラーに放出されたN
2(バルク窒素ラインから20psi)用いてさらに10回パージを繰り返した。20psiの窒素を反応器内に残し、オートクレーブを密封した。反応器を凝縮器及び背圧調整器に取り付け、反応器をニードルバルブによりこの装置に向かって開放した。20psiが凝縮器/背圧調整器システムの上部から排気されるまで、背圧調整器をずっと戻した。その後、背圧調整器をずっとダイヤルした。反応器を加熱マントル装置に入れ、熱をオートクレーブの内側及び外側の熱電対を介して熱制御装置によって制御した。適切な断熱を確実にするために、反応器の頂部及び底部を断熱用セラミック繊維テープで包んだ。
2. 熱制御装置上の温度を184℃に設定した。反応温度を1時間かけて178℃に上げ、背圧調整器を160psiに設定した。
3. 160psi及び178℃で72時間撹拌せずに、反応を進行させた。
4. 反応時間の終了後、オートクレーブをゆっくり室温まで冷却した。
5. 冷却した後、反応過程中にオートクレーブ内に生じた過剰な圧力を水バブラーを通して解放し、オートクレーブを開けた。その固体(深紫色)をろ過し、約300mLの蒸留水ですすぎ洗いし(鮮やかな青色のろ液)、90℃のオーブン中で一晩乾燥した。
【0124】
<か焼工程>
乾燥した暗紫色(ほぼ黒色)の固体を乳鉢/乳棒を用いて粉砕し、250ミクロンの多孔度の篩を通して篩い分けした。その0.25ミクロン未満の粒子サイズの暗紫色の固体を石英ボートに入れ、ボートをか焼に使用されるガラス炉管に入れた。か焼中の空気の排除を確実にするために、装置を窒素下で1日間パージし、次いで熱を加え始める前に8時間にわたって精製窒素流に切り替えた。か焼は、以下の条件下で精製窒素の低速流(30mL/分)下で進行した:室温(RT)から600℃まで4時間で上昇させ、600℃で2時間保持した。得られた固体は黒色の粉末であり、これを粉砕し、250ミクロンの篩を通して篩い分けした結果、ゆるくふわふわした粉末が得られた。
【0125】
[例9]
<反応>
(NH
4)
6Mo
6TeO
24.xH
2O(19.2103g、15.16ミリモル、1.00モル当量)を、温水浴を用いて250mL丸底フラスコ中の60mLの蒸留水に溶解した。得られた無色透明の溶液を室温に冷却した。
【0126】
VOSO
4.3.47H
2O(10.2128g、46.70ミリモル、3.08モル当量)を、温水浴を用いて50mLビーカー中の25mLの蒸留水に溶解した。得られた透明青色溶液を室温に冷却した。
【0127】
VOSO
4溶液を、(NH
4)
6Mo
6TeO
24.xH
2O溶液に注ぎ入れると、すぐに茶色の溶液が生じた。VOSO
4溶液を入れたビーカーを2つの1mL水溶液ですすぎ洗いし、これらのすすぎ液をフラスコに加えた。得られた褐色溶液を、バブリング窒素の添加下で25分間撹拌した。
【0128】
水性H
3[NbO(C
2O
4)
3](0.2882ミリモル(Nb)/グラム(溶液)、47.4365g(溶液)、13.67ミリモル(Nb)、0.903モル当量)を、N
2バブリング下、3分間かけてピペットで茶色の溶液にゆっくりと添加した(10分かけて滴下した)。35分間N
2をバブリングしながら撹拌し、鈍い紫色のスラリーが形成された。
【0129】
<水熱処理工程>
スラリーを、清浄なテフロン撹拌子を入れた600mLの裸鋼製(bare steel)高圧反応器に注いだ。オートクレーブを閉じ、反応器内部の雰囲気を排気(真空)し、N
2(バルク窒素ラインから20psi)を用いて10回充填した後、さらに10回のN
2パージ(バルク窒素ラインから20psi)及び水バブラーへのN
2圧力の解放(陽圧解放)を繰り返した。オートクレーブをN
2雰囲気の大気圧下に置き、容器を密封した。
【0130】
反応器を加熱マントル装置に入れ、熱をオートクレーブの内側及び外側の熱電対を介して熱制御装置によって制御した。適切な断熱を確実にするために、反応器の頂部及び底部を断熱用セラミック繊維テープで包んだ。1時間かけて温度を175℃に上げ、この温度で48時間撹拌(撹拌プレート上で500rpm超)して、反応を進行させた。
【0131】
反応時間の終了後、反応内容物をなお撹拌しながらオートクレーブをゆっくり室温に冷却した。冷却した後、反応過程中にオートクレーブ内に生じた過剰な圧力を水バブラーを通して解放し、オートクレーブを開けた。その固体(深紫色)をろ過し、約300mLの蒸留水ですすぎ洗いし(鮮やかな青色のろ液)、90℃のオーブン中で一晩乾燥した。
【0132】
<か焼工程>
乾燥した暗紫色(ほぼ黒色)の固体を乳鉢/乳棒を用いて粉砕し、250ミクロンの多孔度の篩を通して篩い分けした。その0.25ミクロン未満の粒子サイズの暗紫色の固体を石英ボートに入れ、ボートをか焼に使用されるガラス炉管に入れた。か焼中の空気の排除を確実にするために、装置を窒素下で1日間パージし、次いで熱を加え始める前に8時間にわたって精製窒素流に切り替えた。か焼は、以下の条件下で精製窒素の低速流(30mL/分)下で進行した:室温(RT)から600℃まで4時間で上昇させ、600℃で2時間保持した。得られた固体は黒色の粉末であり、これを粉砕し、250ミクロンの篩を通して篩い分けした結果、ゆるくふわふわした粉末が得られた。
【0133】
次いで、上記のように、触媒をODH反応器中の固定床として使用し、同じ供給原料を各実験で供給した。ODH反応器の結果を表1に示す。
【表1】