【実施例】
【0022】
これらの実施例は、本発明のいくつかの実施形態を説明することを意図しており、本特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を限定するかのように解釈してはならない。空気の影響を受けやすい材料はすべて、アルゴン又は窒素雰囲気下で取り扱った。THFを2つの連続する活性アルミナカラムで乾燥させ、モレキュラーシーブ下で保管した。他の市販の化学物質は、受領した状態のまま使用した。NMR分析又はGC−Ms分析に基づいて転化率を算出した。
【表3】
【0023】
この参考例1に従って[(Ph−BPE)Rh(μ−Cl)]
2を調製した。[Rh(エチレン)
2Cl]
2(156mg、0.4mmol)のTHF溶液に、(−)−1,2−ビス((2R,5R)−2,5−ジフェニルホスホラノ)エタン((R,R)−Ph−BPE)のTHF(400mg、0.79mol)溶液をゆっくりと添加した。室温で3時間撹拌した後、反応混合物の濾過により、濃橙色の溶液が得られた。真空下で揮発物を除去し、続いてヘキサンでトリチュレートして、黄色がかった橙色の固体を得た。ヘキサンをベンゼン溶液に積層することで生成物を再結晶化して、[(Ph−BPE)Rh(μ−Cl)]
2を橙色結晶として得た。
【化14】
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ 7.98(d,8H,J=7.4Hz),7.43(t,8H,J=6.8Hz),7.35−7.31(m,4H),7.16−7.01(m,20H),4.41−3.35(m,4H),2.59−2.52(m,4H),2.46−2.36(m,4H),2.03−1.84(m,8H),1.63−1.53(m,4H),0.50−0.26(m,8H)。
31P NMR(CDCl
3):δ 106.0,104.8。
【0024】
[(Ph−BPE)Rh(μ−H)(μ−Cl)Rh(Ph−BPE)]を、この参考例2に従って調製した。参考例1で調製した[(Ph−BPE)Rh(μ−Cl)]
2(260mg、0.2mmol)のベンゼン溶液(10mL)に、HMe
2Si(OEt)(2.8mL)を添加した。100℃で10時間撹拌した後、揮発物を真空下で除去した。ヘキサンをベンゼン溶液に積層することで生成物を再結晶化して、[(Ph−BPE)Rh(μ−H)(μ−Cl)Rh(Ph−BPE)]を橙色結晶として得た。
【化15】
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ 8.02(d,8.0Hz,4H,Ph),7.93(d,8.0Hz,4H,Ph),7.51(t,7.6Hz,4H,Ph),7.37(t,7.4Hz,2H,Ph),6.95−7.23(m,22H,Ph),6.93(t,7.4Hz,4H,Ph),4.57(m,2H),4.06(m,2H),2.81(m,2H),2.64(m,2H),2.49(m,2H),2.35(m,2H),1.85−2.14(m,8H),1.71(br q,4H),0.80−0.95(br m,4H),0.01(m,4H),−7.91(br m,1H,RhH).
31P NMR(161.84MHz,CDCl
3):δ 103.8(m),102.6(m),99.9(m),98.8(m)。
【0025】
この実施例1では、フェニルジメチルエトキシシラン
【化16】
を以下のように調製した。オーブン乾燥したバイアル瓶に、[(Ph−BPE)Rh(μ−Cl)]
2(6.5mg、0.5mol%)、ベンゼン(1mL)、及びシクロヘキセン(99mg、1.2当量)を入れた。100℃で1時間撹拌した後、反応混合物をRTまで冷却した。この混合物に、HSiMe
2(OEt)(104mg、1mmol)を添加した。反応混合物を100℃で20時間撹拌した(転化率>98%、
1H NMRによる収率94%)。得られた混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物PhMe
2Si(OEt)を無色の液体として得た(88mg、収率49%)。生成物はシリカゲルで分解されることに注意する。低沸点(<110℃)を有するアレンの場合、以下のワークアップ手順の後に清浄な生成物を得ることができる:粗混合物の蒸発、ヘキサン中の残留物の溶解、セライトのプラグを通した濾過、及び濾液の濃縮。
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ 7.61−7.58(m,2H),7.41−7.35(m,3H),3.68(q,2H,J=7.0Hz),1.19(t,3H,J=7.0Hz),0.39(s,6H)
29Si NMR(79.4MHz,CDCl
3):δ 7.0
【0026】
この比較例1では、HSiMe
2(OEt)を用いたRh/ビス(ビアリールホスフィン)触媒C−Hシリル化を実施した。オーブン乾燥したバイアル瓶に、[Rh(cod)OH]
2(2.3mg、0.005mol)、式
【化17】
の(R)−(+)−2,2’−ビス[ジ(3,4,5−トリメトキシフェニル)フェニル]ホスフィノ]−6,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル(12.7mg、0.011mmol)及びベンゼン(1mL)を入れた。この混合物に、HSiMe
2(OEt)(104mg、1mmol)及びシクロヘキセン(99mg、1.2当量)を添加した。反応混合物を80℃で20時間撹拌し、粗生成物混合物を分析した。PhMe
2Si(OEt):収率<1%(GC−Msによる)。
【0027】
この実施例2では、フェニルジメチルエトキシシラン、PhMe
2Si(OEt)を以下のように調製した。オーブン乾燥したバイアル瓶に、[Rh(cod)(OH)]
2(4.6mg、0.01mmol)及び(S,S)−i−Pr−BPE(7.4mg、0.02mmol)を入れた。ベンゼン(1mL)、HMe
2Si(OEt)(104mg、1mmol)及びシクロヘキセン(1.1mmol)をバイアル瓶に添加した。反応混合物を80℃で24時間撹拌した。GC−Ms分析は、HMe
2Si(OEt)が完全に消失したことを示す。
1H NMR及びGC−Ms分析により、PhMe
2Si(OEt)の形成が確認される(GC−Ms収率:85%)。この実施例は、ロジウム前駆体とビスホスホラン配位子との反応によって、触媒がその場で形成され得ることを示す。
【0028】
この実施例3では、次のようにして、式
【化18】
のキシリルジメチルエトキシシランを調製した。オーブン乾燥したバイアル瓶に、[Rh(cod)(OH)]
2(4.6mg、0.01mmol)及び(S,S)−i−Pr−BPE(7.4mg、0.02mmol)を入れた。m−キシレン(1mL)、HMe
2Si(OEt)(104mg、1mmol)及びシクロヘキセン(1.1mmol)をバイアル瓶に添加した。反応混合物を80℃で24時間撹拌した(GC−Ms収率:38%)。得られた混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の生成物を無色の液体として得た。
29Si NMR(79.4MHz,CDCl
3):δ 7.2(s)
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ 7.19(br,2H,キシリル),7.04(br,1H,キシリル),3.68(q,6.9Hz,2H,OCH
2CH
3),2.33(s,CH
3−Ph),1.19(t,7.0Hz,3H,OCH
2CH
3),0.36(s,6H,CH
3Si)。
【0029】
この実施例4では、式
【化19】
の3−メトキシ−5−メチルフェニルジメチルエトキシシランを以下のように調製した。オーブン乾燥したバイアル瓶内で、[Rh(cod)(OH)]
2(4.6mg、0.01mmol)と(S,S)−i−Pr−BPE(7.4mg、0.02mmol)の混合物を調製した。3−メチルアニソール(1mL)、HMe
2Si(OEt)(1mmol、0.14mL)及びシクロヘキセン(1.1mmol)をバイアル瓶に添加した。反応混合物を80℃で24時間撹拌した。GC−Ms分析により、(3−メトキシ−5−メチルフェニル)Me
2Si(OEt)の形成が確認される(GC−Ms収率:67%)。
【0030】
この実施例5では、式
【化20】
のフェニルメチルジエトキシシランを以下のように調製した。オーブン乾燥したバイアル瓶に、[Rh(cod)(OH)]
2(4.6mg、0.01mmol)及び(S,S)−i−Pr−BPE(7.4mg、0.02mmol)を入れた。ベンゼン(1mL)、HMeSi(OEt)
2(134mg、1mmol)及びシクロヘキセン(1.1mmol)をバイアル瓶に添加した。反応混合物を80℃で24時間撹拌した。GC−Ms分析により、PhMeSi(OEt)
2の形成が確認される(GC−Ms収率:20%)。
【0031】
参考例3−[(Ph−BPE)Rh(μ−Cl)]
2を用いて調製したアリール官能性アルコキシシラン
実施例6〜20は、以下の手順を用いて実施した。オーブン乾燥したバイアル瓶に、[(Ph−BPE)Rh(μ−Cl)]
2(6.5mg、0.5mol%)、芳香族化合物(0.5mL又は1mL)、及びシクロヘキセン(99mg、1.2当量)を入れた。100℃で1時間撹拌した後、反応混合物をRTまで冷却した。この混合物に、ある量のアルコキシシランを添加した。反応混合物を100℃で20時間撹拌した。得られた生成物を
1H NMRにより評価した。使用した芳香族化合物及びシクロヘキセンの添加の有無を、以下の表4に示す。
1H NMRの結果を表5に示す。
【表4】
【表5-1】
【表5-2】
【0032】
*実施例19では、生成物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製した後でNMR分析を実施した。追加のNMR分析も実施した:
13C NMR(100MHz,CDCl
3):δ 157.5,146.9,121.0,109.3,50.7,−2.7;
29Si NMR:0.6(s)。
【0033】
この実施例21では、式
【化21】
の2−(エトキシジメチルシリル)−5−メチルフランを以下のように調製した。オーブン乾燥したバイアル瓶に、[(Ph−BPE)Rh(μ−H)(μ−Cl)Rh(Ph−BPE)](6.3mg、0.5mol%)を入れた。2−メチルフラン(1mL)、HMe
2Si(OEt)(0.14mL、1mmol)及びシクロヘキセン(1.1mmol)をバイアル瓶に添加した。反応混合物を80℃で20時間撹拌した。
1H NMR分析により、標的化合物の生成が確認される(NMR収率:95%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ 6.63(m,1H,フリル),5.98(m,1H,フリル),3.70(q,7.1Hz,2H,OCH
2CH
3),2.33(dd,3H,CH
3−フリル),1.18(t,7.0Hz,3H,OCH
2CH
3),0.36(s,6H,Si(CH
3)
2)
29Si NMR(79.4MHz,CDCl
3):δ−2.4(s)
【0034】
この実施例22では、式
【化22】
の2,5−ビス(エトキシジメチルシリル)フランを以下のように調製した。オーブン乾燥したバイアル瓶に、[(Ph−BPE)Rh(μ−H)(μ−Cl)Rh(Ph−BPE)](6.3mg、0.5mol%)を入れた。フラン(1mL)、HMe
2Si(OEt)(1mmol)及びシクロヘキセン(1.1mmol)をバイアル瓶に添加した。反応混合物を80℃で20時間撹拌した。揮発物を真空下で除去した。生成物混合物に、HMe
2Si(OEt)(1mmol)、THF(0.1mL)及びシクロヘキセン(1.1mmol)を添加し、80℃で20時間撹拌した。揮発物を除去して黄色の液体を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ 6.73(s,2H,フリル),3.70(q,6.9Hz,4H,OCH
2CH
3),1.16(t,7.0Hz,6H,OCH
2CH
3),0.38(s,12H,SiCH
3)
13C NMR(100MHz,CDCl
3):δ 162.9(s),120.5(s),59.1(s),−1.84(s)
29Si NMR(79.4MHz,CDCl
3):δ−1.8(s)
【0035】
この実施例23では、式
【化23】
の2−(ジエトキシメチル)−5−メチルフランを以下のように調製した。オーブン乾燥したバイアル瓶に、[(Ph−BPE)Rh(μ−H)(μ−Cl)Rh(Ph−BPE)](6.3mg、0.5mol%)を入れた。2−メチルフラン(1mL)、HMeSi(OEt)
2(134mg、1mmol)及びシクロヘキセン(1.1mmol)をバイアル瓶に添加した。反応混合物を100℃で20時間撹拌した。
1H NMR分析により、標的化合物の生成が確認される(NMR収率:93%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3):δ 6.71(dq,2.8Hz及び0.4Hz,1H,フリル),5.98(dq,3.2Hz及び1.1Hz,1H,フリル),3.84(q,7.1Hz,4H,OCH
2CH
3),2.33(m,3H,CH
3−フリル),1.24(t,7.0Hz,6H,OCH
2CH
3),0.34(s,3H,SiCH
3)
13C NMR(100MHz,CDCl
3):δ 157.3(s),123.4(s),59.1(s),105.8(s),59.0(s),18.4(s),13.9(s),−3.8(s)
29Si NMR(79.4MHz,CDCl
3):δ−26.3(s)
【0036】
この実施例24では、式
【化24】
のフェニルジメチルエトキシシランを以下のように調製した。オーブン乾燥したバイアル瓶に[Rh(nbd)
2BF
4](7.5mg、2mol%)、(S,S)−Ph−BPE(11mg、2.2mol%)、ベンゼン(1mL)、及びシクロヘキセン(99mg、1.2当量)を入れた。100℃で1時間撹拌した後、反応混合物をRTまで冷却した。この混合物に、HSiMe
2(OEt)(104mg、1mmol)を添加した。反応混合物を100℃で20時間撹拌した(
1H NMRによる収率27%)。
【0037】
この実施例25では、式
【化25】
のフェニルジメチルエトキシシランを以下のように調製した。オーブン乾燥したバイアル瓶に、[Rh(i−Pr−DuPhos)cod]BF
4(14mg、2mol%)、ベンゼン(1mL)、及びシクロヘキセン(99mg、1.2当量)を入れた。80℃で1時間撹拌した後、反応混合物をRTまで冷却した。この混合物に、HSiMe
2(OEt)(104mg、1mmol)を添加した。反応混合物を80℃で20時間撹拌した(
1H NMRによる収率9%)。
【0038】
(産業上の利用可能性)
上記の実施例は、本明細書に記載の脱水素シリル化法を使用して、様々なアリールアルコキシシランを生成することができることを示す。ロジウムビスホスホラン触媒は、ケイ素結合水素原子を有するアルコキシシランを、アリールアルコキシシランを調製するための出発原料として使用できるという利点を提供し得る。出発原料及び生成物は、ケイ素に結合している少なくとも1つのアルコキシ基を含有するため、この方法によって生成されるアリールアルコキシシランは、例えば、ケイ素結合水素原子又はケイ素結合加水分解性基を有するポリオルガノシロキサンと反応性である。本明細書に記載の方法によって生成されるアリールアルコキシシランは、このようなポリオルガノシロキサンの末端封鎖剤として有用となり得る。
【0039】
用語の定義及び使用
全ての量、比率、及び百分率は、特に断りのない限り、重量に基づく。冠詞「a」、「an」、及び「the」はそれぞれ、別途記載のない限り、1つ又はそれ以上を指す。範囲の開示は、その範囲自体及び範囲内に包含される任意のもの、並びに端点を含む。例えば、2.0〜4.0の範囲の開示は、2.0〜4.0の範囲だけでなく、2.1、2.3、3.4、3.5、及び4.0も個別に含み、並びに範囲内に包含される任意の他の数も含む。更に、例えば、2.0〜4.0の範囲の開示は、例えば、2.1〜3.5、2.3〜3.4、2.6〜3.7、及び3.8〜4.0の部分集合、並びにその範囲内に包含される任意の他の部分集合も含む。同様に、マーカッシュ群の開示は、その群全体を含み、そこに包含される任意の個別の要素及び部分集合も含む。例えば、マーカッシュ群「水素原子、アルキル基、アルケニル基又はアリール基」の開示には、その要素である個々のアルキル、下位群であるアルキル及びアリール、並びに任意の他の個々の要素及びその中に包含される下位群を含む。
【0040】
「アルキル」とは、一価の飽和炭化水素基を意味する。アルキルとしては、メチル、エチル、プロピル(例えば、イソ−プロピル及び/又はn−プロピル)、ブチル(例えば、イソブチル、n−ブチル、tert−ブチル及び/又はsec−ブチル)、ペンチル(例えば、イソペンチル、ネオペンチル及び/又はtert−ペンチル)、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル及びデシル、並びに6個以上の炭素原子の一価の分枝状飽和炭化水素基が例示されるが、これらに限定されない。
【0041】
「アルケニル」とは、二重結合を含有する一価炭化水素基を意味する。アルケニル基としては、エテニル、プロペニル(例えば、イソ−プロペニル及び/又はn−プロペニル)、ブテニル(例えば、イソブテニル、n−ブテニル、tert−ブテニル及び/又はsec−ブテニル)、ペンテニル(例えば、イソペンテニル、n−ペンテニル及び/又はtert−ペンテニル)、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル及びデセニル、並びにそのような6個以上の炭素原子の分枝鎖基が例示されるが、これらに限定されない。
【0042】
「アルキニル」とは、三重結合を含有する一価炭化水素基を意味する。アルキニル基としては、エチニル、プロピニル(例えば、イソ−プロピニル及び/又はn−プロピニル)、ブチニル(例えば、イソブチニル、n−ブチニル、tert−ブチニル及び/又はsec−ブチニル)、ペンチニル(例えば、イソペンチニル、n−ペンチニル及び/又はtert−ペンチニル)、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル及びデシニル、並びにそのような6個以上の炭素原子の分枝鎖基が例示されるが、これらに限定されない。
【0043】
「アリール」とは、完全に不飽和の環状炭化水素基を意味する。アリールは、シクロペンタジエニル、フェニル、アントラセニル及びナフチルにより例示されるが、これらに限定されない。単環式アリール基は、5〜9個の炭素原子、あるいは6〜7個の炭素原子、あるいは5〜6個の炭素原子を有し得る。多環式アリール基は、10〜18個の炭素原子、あるいは10〜14個の炭素原子、あるいは12〜14個の炭素原子を有し得る。
【0044】
「アラルキル」とは、ペンダント及び/若しくは末端アリール基を有するアルキル基、又はペンダントアルキル基を有するアリール基を意味する。例示的なアラルキル基としては、トリル、キシリル、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル及びフェニルブチルが挙げられる。
【0045】
「炭素環」及び「炭素環式」とは、それぞれ、炭化水素環を意味する。炭素環は、単環式環であってよく、あるいは縮合、架橋又はスピロ多環式環であってよい。単環式炭素環は、3〜9個の炭素原子、あるいは4〜7個の炭素原子、あるいは5〜6個の炭素原子を有してもよい。多環式炭素環は、7〜18個の炭素原子、あるいは7〜14個の炭素原子、あるいは9〜10個の炭素原子を有し得る。炭素環は、飽和又は部分的に不飽和であってよい。
【0046】
「シクロアルキル」とは、飽和炭素環を意味する。単環式シクロアルキル基は、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルにより例示される。
【0047】
総称的に、用語「一価炭化水素基」は、上に定義される、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、及び炭素環式基を含む。
【0048】
「二価炭化水素基」としては、エチレン、プロピレン(イソプロピレン及びn−プロピレンを含む)及びブチレン(n−ブチレン、t−ブチレン及びイソブチレンを含む)などのアルキレン基;並びにペンチレン、ヘキシレン、へプチレン、オクチレン、並びにこれらの分枝状及び直鎖状異性体;フェニレンなどのアリーレン基、例えば、オルト−フェニレン;並びに
【化26】
などのアルカラルキレン(alkaralkylene)基が挙げられる。
あるいは、各二価炭化水素基は、エチレン、プロピレン、ブチレン又はヘキシレンであり得る。あるいは、各二価炭化水素基は、エチレン又はプロピレンであり得る。
【0049】
「ハロゲン化炭化水素」とは、上に定義される炭化水素基であって、炭素原子に結合した1つ以上の水素原子が形式的にハロゲン原子に置換されている、炭化水素基を意味する。例えば、一価ハロゲン化炭化水素基は、炭素原子に結合した1つ以上の水素原子がハロゲン原子に置換されている、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル及び炭素環式基のいずれか1つであり得る。一価ハロゲン化炭化水素基としては、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化炭素環式基、及びハロゲン化アルケニル基が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、トリフルオロメチル(CF
3)、フルオロメチル、トリフルオロエチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3−へプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル及び8,8,8,7,7−ペンタフルオロオクチルなどのフッ素化アルキル基、並びにクロロメチル及び3−クロロプロピルなどの塩素化アルキル基が挙げられる。ハロゲン化炭素環式基としては、2,2−ジフルオロシクロプロピル、2,3−ジフルオロシクロブチル、3,4−ジフルオロシクロヘキシル及び3,4−ジフルオロ−5−メチルシクロヘプチルなどのフッ素化シクロアルキル基;並びに、2,2−ジクロロシクロプロピル、2,3−ジクロロシクロペンチルなどの塩素化シクロアルキル基が挙げられる。ハロゲン化アルケニル基としては、クロロアリルが挙げられる。
【0050】
「複素環」及び「複素環式」は、炭素原子から構成され、1個以上のヘテロ原子を環の中に有する環式基を指す。へテロ原子は、N、O、P、S、又はこれらの組み合わせであってもよい。複素環は、単環式であってもよく、あるいは縮合環、架橋環、又はスピロ多環式環であってもよい。単環式複素環は、環内に3〜9個の構成原子、あるいは4〜7個の構成原子、あるいは5〜6個の構成原子を有し得る。多環式複素環は、7〜17個の構成原子、あるいは7〜14個の構成原子、あるいは9〜10個の構成原子を有し得る。複素環は、飽和であっても部分的に不飽和であってもよい。「ヘテロアリール基」は、環内に炭素原子及び1個以上のへテロ原子を含む完全に不飽和の環式基を意味する。
【0051】
「芳香族化合物」は、アリール基を有する化合物及び/又はヘテロアリール基を有する化合物を指す。