(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
左旋回時には左方向に傾斜しかつ右旋回時には右方向に傾斜する車体を備える傾斜車両に用いられ、前記車体に支持されることにより、左旋回時には前記車体とともに左方向に傾斜しかつ右旋回時には前記車体とともに右方向に傾斜する光照射装置であって、
前記傾斜車両の左旋回時には前記車体の左前方の路面に前記傾斜車両の乗員が視認可能な単一の左前方照射エリアを形成するように光を照射し、かつ、前記傾斜車両の右旋回時には前記車体の右前方の路面に前記傾斜車両の乗員が視認可能な単一の右前方照射エリアを形成するように光を照射する一対のコーナリングライトと、
前記車体の傾斜角に基づいて、前記一対のコーナリングライトによる光の照射を制御する制御装置とを備え、
前記一対のコーナリングライトは、それぞれ、
少なくとも1つの光源と、
前記少なくとも1つの光源に対応して配置され、前記傾斜車両の左旋回時において前記車体の左前方の路面に前記単一の左前方照射エリアを形成するように、又は、前記傾斜車両の右旋回時において前記車体の右前方の路面に前記単一の右前方照射エリアを形成するように、前記少なくとも1つの光源から出射される光の進行方向を変更する単一の光進行方向変更面を有する光進行方向変更部材と、
前記光進行方向変更部材に対応して配置され、前記傾斜車両の左旋回時において前記車体の左前方の路面に前記単一の左前方照射エリアを形成するように、又は、前記傾斜車両の右旋回時において前記車体の右前方の路面に前記単一の右前方照射エリアを形成するように、前記少なくとも1つの光源から出射されかつ前記単一の光進行方向変更面で進行方向が変更された光を透過するアウタレンズとを含み、
前記制御装置は、
前記傾斜車両の左旋回時に前記一対のコーナリングライトのうち一方のコーナリングライトが含む前記少なくとも1つの光源から出射されかつ前記一方のコーナリングライトが含む前記単一の光進行方向変更面で進行方向が変更された光を前記一方のコーナリングライトが含む前記アウタレンズに透過させることで前記車体の左前方の路面に形成される前記単一の左前方照射エリアが前記車体の傾斜角の増加に伴って大きくなるように、前記一方のコーナリングライトが含む前記少なくとも1つの光源から出射される光の光量を前記車体の傾斜角に応じて変化させ、かつ、前記車体の傾斜角の増加に伴って前記一方のコーナリングライトが含む前記少なくとも1つの光源から出射される光の光量を増加させる前記車体の傾斜角の範囲である第1左傾斜角範囲の大きさは、前記車体が傾斜し始めてから前記一方のコーナリングライトが含む前記少なくとも1つの光源が点灯するまでの前記車体の傾斜角の範囲である第2左傾斜角範囲の大きさと同じ又は前記第2左傾斜角範囲の大きさよりも大きくなるようにし、
前記傾斜車両の右旋回時に前記一対のコーナリングライトのうち他方のコーナリングライトが含む前記少なくとも1つの光源から出射されかつ前記他方のコーナリングライトが含む前記単一の光進行方向変更面で進行方向が変更された光を前記他方のコーナリングライトが含む前記アウタレンズに透過させることで前記車体の右前方の路面に形成される前記単一の右前方照射エリアが前記車体の傾斜角の増加に伴って大きくなるように、前記他方のコーナリングライトが含む前記少なくとも1つの光源から出射される光の光量を前記車体の傾斜角に応じて変化させ、かつ、前記車体の傾斜角の増加に伴って前記他方のコーナリングライトが含む前記少なくとも1つの光源から出射される光の光量を増加させる前記車体の傾斜角の範囲である第1右傾斜角範囲の大きさは、前記車体が傾斜し始めてから前記他方のコーナリングライトが含む前記少なくとも1つの光源が点灯するまでの前記車体の傾斜角の範囲である第2右傾斜角範囲の大きさと同じ又は前記第2右傾斜範囲の大きさよりも大きくなるようにする、光照射装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような左右のコーナリングライトを備える光照射装置では、車体の傾斜角に応じて、左右のコーナリングライトの照射エリアが変化する。具体的には、車体の傾斜角が増加することに伴って、左右のコーナリングライトの照射エリアが大きくなる。
【0007】
上記特許文献1では、左右のコーナリングライトの各々が複数の光源を備える。車体の傾斜角が増加すると、複数の光源のうち点灯する光源の数が増加する。そのため、既に点灯している光源によって形成されている照射エリアの隣に、新たに点灯する光源によって形成される照射エリアが追加される。その結果、照射エリアの全体的なサイズが大きくなる。
【0008】
このように、特許文献1では、車体の傾斜角の増加に伴って、照射エリアが順次追加形成される。そのため、照射エリアを大きくしたときに照射エリアに明暗が発生する傾向がある。具体的には、以下のとおりである。
【0009】
例えば、車体の傾斜角の増加に伴って、既に形成されている照射エリア(第1照射エリア)の隣に、新たな照射エリア(第2照射エリア)が追加形成される場合を想定する。この場合、第1照射エリアの縁部と第2照射エリアの縁部が重なると、当該部分は第1照射エリアの他の部分や第2照射エリアの他の部分よりも明るくなってしまう。また、第1照射エリアの縁部と第2照射エリアの縁部が重ならないようにすると、第1照射エリアと第2照射エリアの間に形成された隙間は第1照射エリアや第2照射エリアよりも暗くなってしまう。
【0010】
本発明の目的は、照射エリアを大きくしたときに照射エリアに明暗が発生するのを抑制することができる光照射装置及び当該光照射装置を備える傾斜車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態に係る光照射装置は、傾斜車両に用いられる。傾斜車両は、車体を備える。車体は、傾斜車両の左旋回時には、左方向に傾斜する。車体は、傾斜車両の右旋回時には、右方向に傾斜する。
【0012】
本発明の一実施形態に係る光照射装置は、車体に支持される。これにより、本発明の一実施形態に係る光照射装置は、傾斜車両の左旋回時には、車体とともに、左方向に傾斜する。本発明の一実施形態に係る光照射装置は、傾斜車両の右旋回時には、車体とともに、右方向に傾斜する。
【0013】
本発明の一実施形態に係る光照射装置は、一対のコーナリングライトと、制御装置とを備える。一対のコーナリングライトは、傾斜車両の左旋回時には、車体の左前方の路面に傾斜車両の乗員が視認可能な単一の左前方照射エリアを形成するように光を照射する。一対のコーナリングライトは、傾斜車両の右旋回時には、車体の右前方の路面に傾斜車両の乗員が視認可能な単一の右前方照射エリアを形成するように光を照射する。制御装置は、車体の傾斜角に基づいて、一対のコーナリングライトによる光の照射を制御する。
【0014】
一対のコーナリングライトは、それぞれ、少なくとも1つの光源と、光進行方向変更部材と、アウタレンズとを含む。光進行方向変更部材は、少なくとも1つの光源に対応して配置される。光進行方向変更部材は、単一の光進行方向変更面を有する。単一の光進行方向変更面は、傾斜車両の左旋回時において車体の左前方の路面に単一の左前方照射エリアを形成するように、又は、傾斜車両の右旋回時において車体の右前方の路面に単一の右前方照射エリアを形成するように、少なくとも1つの光源から出射される光の進行方向を変更する。アウタレンズは、光進行方向変更部材に対応して配置される。アウタレンズは、傾斜車両の左旋回時において車体の左前方の路面に単一の左前方照射エリアを形成するように、又は、傾斜車両の右旋回時において車体の右前方の路面に単一の右前方照射エリアを形成するように、少なくとも1つの光源から出射されかつ単一の光進行方向変更面で進行方向が変更された光を透過する。
【0015】
制御装置は、傾斜車両の左旋回時に一対のコーナリングライトのうち一方のコーナリングライトが含む少なくとも1つの光源から出射されかつ一方のコーナリングライトが含む単一の光進行方向変更面で進行方向が変更された光を一方のコーナリングライトが含むアウタレンズに透過させることで車体の左前方の路面に形成される単一の左前方照射エリアが車体の傾斜角の増加に伴って大きくなるように、一方のコーナリングライトが含む少なくとも1つの光源から出射される光の光量を車体の傾斜角に応じて変化させる。
【0016】
制御装置は、第1左傾斜角範囲の大きさが第2左傾斜角範囲の大きさと同じ又は第2左傾斜角範囲の大きさよりも大きくなるように、一方のコーナリングライトが含む少なくとも1つの光源から出射される光の光量を制御する。第1左傾斜角範囲は、車体の傾斜角の増加に伴って一方のコーナリングライトが含む少なくとも1つの光源から出射される光の光量を増加させる車体の傾斜角の範囲である。第2左傾斜角範囲は、車体が傾斜し始めてから一方のコーナリングライトが含む少なくとも1つの光源が点灯するまでの車体の傾斜角の範囲である。
【0017】
制御装置は、傾斜車両の右旋回時に一対のコーナリングライトのうち他方のコーナリングライトが含む少なくとも1つの光源から出射されかつ他方のコーナリングライトが含む単一の光進行方向変更面で進行方向が変更された光を他方のコーナリングライトが含むアウタレンズに透過させることで車体の右前方の路面に形成される単一の右前方照射エリアが車体の傾斜角の増加に伴って大きくなるように、他方のコーナリングライトが含む少なくとも1つの光源から出射される光の光量を車体の傾斜角に応じて変化させる。
【0018】
制御装置は、第1右傾斜角範囲の大きさが第2右傾斜角範囲の大きさよりも大きくなるように、他方のコーナリングライトが含む少なくとも1つの光源から出射される光の光量を制御する。第1右傾斜角範囲は、車体の傾斜角の増加に伴って他方のコーナリングライトが含む少なくとも1つの光源から出射される光の光量を増加させる車体の傾斜角の範囲である。第2右傾斜角範囲は、車体が傾斜し始めてから他方のコーナリングライトが含む少なくとも1つの光源が点灯するまでの車体の傾斜角の範囲である。
【0019】
上記光照射装置においては、傾斜車両の旋回時に傾斜車両が備える車体の左前方又は右前方の路面に形成される照射エリアを大きくしたときに照射エリアに明暗が発生するのを抑制することができる。その理由は、以下のとおりである。
【0020】
上記光照射装置においては、傾斜車両の左旋回時に形成される照射エリアが単一の左前方照射エリアであり、かつ、当該単一の左前方照射エリアが車体の傾斜角の増加に伴って大きくなる。そのため、傾斜車両の左旋回時に傾斜車両が備える車体の左前方の路面に形成される照射エリアを大きくしたときに、当該照射エリアに明暗が発生するのを抑制することができる。
【0021】
上記光照射装置においては、傾斜車両の右旋回時に形成される照射エリアが単一の右前方照射エリアであり、かつ、当該単一の右前方照射エリアが車体の傾斜角の増加に伴って大きくなる。そのため、傾斜車両の右旋回時に傾斜車両が備える車体の右前方の路面に形成される照射エリアを大きくしたときに、当該照射エリアに明暗が発生するのを抑制することができる。
【0022】
本発明の一実施形態に係る光照射装置が用いられる傾斜車両は、例えば、乗員が運転する車両であってもよいし、自律車両であってもよい。傾斜車両は、例えば、少なくとも1つの前輪と、少なくとも1つの後輪とを備える。つまり、傾斜車両は、二輪車に限定されず、前輪又は後輪が左右一対の車輪で構成された三輪車であってもよいし、前輪及び後輪がそれぞれ左右一対の車輪で構成された四輪車であってもよい。傾斜車両は、例えば、少なくとも1つの操舵輪と、少なくとも1つの駆動輪とを備える。傾斜車両が前輪及び後輪を備える場合、操舵輪は、前輪であってもよいし、後輪であってもよい。傾斜車両が前輪及び後輪を備える場合、駆動輪は、前輪であってもよいし、後輪であってもよい。傾斜車両は、例えば、傾斜車両を走行させるための動力を発生させる駆動源を備える。駆動源は、例えば、エンジンであってもよいし、電気モータであってもよいし、エンジンと電気モータの両方を備えていてもよい。駆動源がエンジンである場合、傾斜車両は、例えば、過給機を備えていてもよい。過給機は、例えば、ターボチャージャーであってもよいし、スーパーチャージャーであってもよい。
【0023】
本発明の一実施形態に係る光照射装置が用いられる傾斜車両の車体は、例えば、乗員の体重移動等に起因して傾斜してもよいし、傾斜車両が備えるアクチュエータの動力が伝達されることで傾斜してもよい。乗員の体重移動等に起因して傾斜する車体は、例えば、重力が作用することで傾斜角が増加する車体である。車体を傾斜させるアクチュエータは、例えば、乗員が車体を傾斜させる動作を行う際に当該動作をアシストするアクチュエータであってもよいし、乗員が車体を傾斜させる操作を入力した場合に車体を傾斜させるアクチュエータであってもよい。車体は、車体フレームを含む。車体フレームは、複数の部品を組み合わせたフレ−ムであってもよいし、複数の部品を一体的に成形したフレ−ムであってもよい。車体フレームの材料は、アルミ、鉄などの金属であってもよいし、CFRPなどの合成樹脂であってもよいし、それらの組み合わせであってもよい。車体フレームは、傾斜車両の外観部品で構成したモノコック構造であってもよいし、その一部が傾斜車両の外観部品を兼ねるセミモノコック構造であってもよい。
【0024】
本発明の一実施形態に係る光照射装置において、一対のコーナリングライトは、例えば、車体の左右方向に並んで配置されていてもよいし、車体の上下方向に並んで配置されていてもよい。
【0025】
本発明の一実施形態に係る光照射装置において、少なくとも1つの光源の種類は、特に限定されない。少なくとも1つの光源は、例えば、半導体レーザ、HID(High−Intensity Discharge)バルブ、ハロゲン電球、白熱電球等であってもよい。少なくとも1つの光源は、好ましくは、発光ダイオード又は半導体レーザ等の半導体光源である。少なくとも1つの光源は、例えば、傾斜車両が左旋回しているときの車体の傾斜角が所定の傾斜角以上になったときに光を出射する。
【0026】
本発明の一実施形態に係る光照射装置において、一対のコーナリングライトが含む光進行方向変更部材は、少なくとも1つの光源が出射する光の進行方向を変更する機能を有していればよい。少なくとも1つの光源が出射する光の進行方向を変更する態様には、例えば、光進行方向変更部材が有する光進行方向変更面によって少なくとも1つの光源から出射された光を反射する態様が含まれる。光進行方向変更部材は、例えば、少なくとも1つの光源が出射する光を反射する単一のリフレクタ面を有するリフレクタであってもよいし、少なくとも1つの光源からの光が入射される導光部材であって、入射された光をその内部で全反射させることにより、傾斜車両の前方に向けて出射する導光部材であってもよいし、少なくとも1つの光源からの光が直接入射し、かつ、当該直接入射した光を屈折させるレンズであってもよい。
【0027】
本発明の一実施形態に係る光照射装置において、制御装置は、例えば、ECU(Electric Control Unit)である。ECUは、例えば、IC(Integrated Circuit)、電子部品、回路基板等の組み合わせによって実現される。
【0028】
本発明の一実施形態に係る光照射装置において、少なくとも1つの光源が点灯する態様には、少なくとも1つの光源が光を出射する態様が含まれる。つまり、少なくとも1つの光源が点灯するときに少なくとも1つの光源が出射する光の光量は、最大でなくてよい。少なくとも1つの光源が点灯を開始するときに少なくとも1つの光源が出射する光の光量は、最大でなければよい。少なくとも1つの光源が点灯を開始するときに少なくとも1つの光源が出射する光の光量は、例えば、少なくとも1つの光源が出射する光の光量が増加する過程で最も小さい。別の表現をすれば、少なくとも1つの光源が点灯を開始するときに少なくとも1つの光源が出射する光の光量は、例えば、少なくとも1つの光源が出射する光の光量が変化する過程で最も小さい。
【0029】
本発明の一実施形態に係る光照射装置において、少なくとも1つの光源から出射される光の光量を増加させる態様には、例えば、以下のような態様が含まれる。少なくとも1つの光源が単一の光源である場合、少なくとも1つの光源から出射される光の光量を増加させる態様には、例えば、光源から光を出射させる際に光源に印加する電圧を増加させる態様が含まれる。光源に印加する電圧を増加させる態様には、例えば、光源に電圧が印加されている期間と光源に電圧が印加されていない期間との比率(いわゆる、デューティ比)を大きくする態様が含まれる。少なくとも1つの光源が複数の光源である場合、少なくとも1つの光源から出射される光の光量を増加させる態様には、例えば、光を出射させる光源の数を増やす態様が含まれる。別の表現をすれば、少なくとも1つの光源が複数の光源である場合、少なくとも1つの光源から出射される光の光量を増加させる態様には、例えば、点灯する光源の数を増やす態様が含まれる。
【0030】
本発明の一実施形態に係る光照射装置において、車体の傾斜角の増加とは、車体の傾斜角の絶対値が増加することを意味している。
【0031】
本発明の一実施形態に係る光照射装置において、単一の左前方照射エリアにおいて最も照度が高い位置は、単一の左前方照射エリアの中心よりも車体の近くにあってもよい。単一の右前方照射エリアにおいて最も照度が高い位置は、単一の右前方照射エリアの中心よりも車体の近くにあってもよい。
【0032】
上記光照射装置においては、傾斜車両の旋回時に車体の近くを明るく照らすことができる。
【0033】
本発明の一実施形態に係る光照射装置において、制御装置は、単一の左前方照射エリアが車体の傾斜角の増加に伴って車体の左前方に向かって延びるように広がることで単一の左前方照射エリアが大きくなるように、一方のコーナリングライトが含む少なくとも1つの光源から出射される光の光量を車体の傾斜角に応じて変化させてもよい。制御装置は、単一の右前方照射エリアが車体の傾斜角の増加に伴って車体の右前方に向かって延びるように広がることで単一の右前方照射エリアが大きくなるように、他方のコーナリングライトが含む少なくとも1つの光源から出射される光の光量を車体の傾斜角に応じて変化させてもよい。
【0034】
上記光照射装置においては、車体の傾斜角が増加したときに、車体から離れた位置まで照射することができる。
【0035】
本発明の一実施形態に係る光照射装置において、制御装置は、単一の左前方照射エリアが車体の傾斜角の増加に伴って車体の左前方に向かって延びるように広がるとともに単一の左前方照射エリアが延びる方向に直交する方向であってかつ単一の左前方照射エリアが形成される路面に平行な方向にも延びるように広がることで単一の左前方照射エリアが大きくなるように、一方のコーナリングライトが含む少なくとも1つの光源から出射される光の光量を車体の傾斜角に応じて変化させてもよい。制御装置は、単一の右前方照射エリアが車体の傾斜角の増加に伴って車体の右前方に向かって延びるように広がるとともに単一の右前方照射エリアが延びる方向に直交する方向であってかつ単一の右前方照射エリアが形成される路面に平行な方向にも延びるように広がることで単一の右前方照射エリアが大きくなるように、他方のコーナリングライトが含む少なくとも1つの光源から照射される光の光量を車体の傾斜角に応じて変化させてもよい。
【0036】
上記光照射装置においては、車体の傾斜角が増加したときに、照射エリアの幅も広がるので、様々な車体の傾斜角に対応することができる。
【0037】
本発明の一実施形態に係る光照射装置において、制御装置は、単一の左前方照射エリアの大きさを変化させる際に、一方のコーナリングライトが含む少なくとも1つの光源から出射される光の光量を車体の傾斜角に応じて連続的に変化させるようにしてもよい。制御装置は、単一の右前方照射エリアの大きさを変化させる際に、他方のコーナリングライトが含む少なくとも1つの光源から出射される光の光量を車体の傾斜角に応じて連続的に変化させるようにしてもよい。
【0038】
上記光照射装置においては、傾斜車両の旋回中に車体の傾斜角が変化したときに、照射エリアの大きさを滑らかに変化させることができる。
【0039】
本発明の一実施形態に係る光照射装置において、制御装置が少なくとも1つの光源から出射される光の光量を連続的に変化させる態様には、例えば、少なくとも1つの光源が光を出射し始めてから少なくとも1つの光源から出射される光の光量が最大になるまでの過程において、少なくとも1つの光源から出射される光の光量が一定の大きさに維持される期間を含まないようにする態様が含まれる。少なくとも1つの光源から出射される光の光量が一定の大きさに維持される期間は、例えば、車体の傾斜角が変化しても少なくとも1つの光源から出射される光の光量が変化しない期間である。
【0040】
本発明の一実施形態に係る光照射装置において、制御装置は、単一の左前方照射エリアの大きさを変化させる際に、一方のコーナリングライトが含む少なくとも1つの光源から出射される光の光量を車体の傾斜角に応じて少なくとも3回変化させるようにしてもよい。制御装置は、単一の右前方照射エリアの大きさを変化させる際に、他方のコーナリングライトが含む少なくとも1つの光源から出射される光の光量を車体の傾斜角に応じて少なくとも3回変化させるようにしてもよい。
【0041】
上記光照射装置においては、傾斜車両の旋回中に車体の傾斜角が変化したときに、照射エリアの大きさを段階的に変化させることができる。
【0042】
本発明の一実施形態に係る光照射装置において、制御装置が少なくとも1つの光源から出射される光の光量を少なくとも3回変化させる態様には、例えば、少なくとも1つの光源が光を出射し始めてから少なくとも1つの光源から出射される光の光量が最大になるまでの過程において、少なくとも1つの光源から出射される光の光量が一定の大きさに維持される期間を含まないようにする態様が含まれていてもよいし、少なくとも1つの光源が光を出射し始めてから少なくとも1つの光源から出射される光の光量が最大になるまでの過程において、少なくとも1つの光源から出射される光の光量が一定の大きさに維持される期間を含むようにする態様が含まれていてもよい。少なくとも1つの光源から出射される光の光量が一定の大きさに維持される期間は、例えば、車体の傾斜角が変化しても少なくとも1つの光源から出射される光の光量が変化しない期間である。
【0043】
本発明の一実施形態に係る光照射装置において、制御装置は、単一の左前方照射エリアの大きさを変化させる際に、車体の傾斜角の増加に伴って一方のコーナリングライトが含む少なくとも1つの光源から出射される光の光量を増加又は維持するようにしてもよい。制御装置は、単一の右前方照射エリアの大きさを変化させる際に、車体の傾斜角の増加に伴って他方のコーナリングライトが含む少なくとも1つの光源から出射される光の光量を増加又は維持するようにしてもよい。
【0044】
上記光照射装置においては、車体の傾斜角の増加に伴って、傾斜車両の旋回中に車体の左前方又は右前方の路面に形成される照射エリアを広げることができる。
【0045】
本発明の一実施形態に係る光照射装置において、制御装置は、単一の左前方照射エリアの大きさを変化させる際に、単一の左前方照射エリアの大きさが最大になるまでは、車体の傾斜角の増加に伴って一方のコーナリングライトが含む少なくとも1つの光源から出射される光の光量を増加させるようにしてもよい。制御装置は、単一の右前方照射エリアの大きさを変化させる際に、単一の右前方照射エリアの大きさが最大になるまでは、車体の傾斜角の増加に伴って他方のコーナリングライトが含む少なくとも1つの光源から出射される光の光量を増加させるようにしてもよい。
【0046】
上記光照射装置においては、車体の傾斜角の増加に伴って、傾斜車両の旋回中に車体の左前方又は右前方の路面に形成される照射エリアを広げることができる。
【0047】
本発明の一実施形態に係る光照射装置において、制御装置は、第1左傾斜角範囲を二等分した場合に前半の範囲よりも後半の範囲のほうが車体の傾斜角の増加に伴って前記一方のコーナリングライトが含む前記少なくとも1つの光源から出射される光の光量を増加させる割合が高くなるようにしてもよい。制御装置は、第1右傾斜角範囲を二等分した場合に前半の範囲よりも後半の範囲のほうが車体の傾斜角の増加に伴って他方のコーナリングライトが含む少なくとも1つの光源から出射される光の光量を増加させる割合が高くなるようにしてもよい。
【0048】
上記光照射装置においては、車体の傾斜角の増加に伴う照射エリアの減少を回避することができるので、車体の傾斜角が増加したときにも照射エリアを広げることができる。
【0049】
本発明の一実施形態に係る光照射装置において、一対のコーナリングライトは、車体の左右方向に並んで配置されていてもよい。一方のコーナリングライトは、車体の左右方向に並んで配置された一対のコーナリングライトのうち左に位置する左コーナリングライトであってもよい。他方のコーナリングライトは、車体の左右方向に並んで配置された一対のコーナリングライトのうち右に位置する右コーナリングライトであってもよい。
【0050】
上記光照射装置においては、一対のコーナリングライトのうち傾斜車両の旋回時において路面に近いほうのコーナリングライトに光を照射させることができる。
【0051】
本発明の一実施形態に係る傾斜車両は、車体と、光照射装置とを備える。車体は、傾斜車両の左旋回時には、左方向に傾斜する。車体は、傾斜車両の右旋回時には、右方向に傾斜する。光照射装置は、車体に支持される。光照射装置は、傾斜車両の左旋回時には、車体とともに、左方向に傾斜する。光照射装置は、傾斜車両の右旋回時には、車体とともに、右方向に傾斜する。光照射装置は、上記態様の何れかに係る光照射装置である。
【0052】
この発明の上述の目的及びその他の目的、特徴、局面及び利点は、添付図面に関連して行われる以下のこの発明の実施形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0053】
本明細書にて使用される場合、用語「及び/又は(and/or)」は1つの、又は複数の関連した列挙されたアイテム(items)のあらゆる又は全ての組み合わせを含む。
【0054】
本明細書中で使用される場合、用語「含む、備える(including)」、「含む、備える(comprising)」又は「有する(having)」及びその変形の使用は、記載された特徴、工程、操作、要素、成分及び/又はそれらの等価物の存在を特定するが、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はそれらのグループのうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0055】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0056】
一般的に使用される辞書に定義された用語のような用語は、関連する技術及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されることはない。
【0057】
本発明の説明においては、技術及び工程の数が開示されていると理解される。これらの各々は個別の利益を有し、それぞれは、他の開示された技術の1つ以上、又は、場合によっては全てと共に使用することもできる。従って、明確にするために、この説明は、不要に個々のステップの可能な組み合わせの全てを繰り返すことを控える。それにもかかわらず、明細書及び特許請求の範囲は、そのような組み合わせが全て本発明及び特許請求の範囲内にあることを理解して読まれるべきである。
【0058】
以下の説明では、説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために多数の具体的な詳細を述べる。しかしながら、当業者には、これらの特定の詳細なしに本発明を実施できることが明らかである。本開示は、本発明の例示として考慮されるべきであり、本発明を以下の図面又は説明によって示される特定の実施形態に限定することを意図するものではない。
【発明の効果】
【0059】
本発明によれば、照射エリアを大きくしたときに照射エリアに明暗が発生するのを抑制することができる光照射装置及び当該光照射装置を備える傾斜車両を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態による傾斜車両の詳細について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、あくまでも一例である。本発明は、以下に説明する実施の形態によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
【0062】
(実施の形態)
図1を参照しながら、本発明の実施の形態による傾斜車両10及び光照射装置50について説明する。
図1は、傾斜車両10及び光照射装置50を示す概念図と、光照射装置50が備える一対のコーナリングライト70L、70Rの光源72から出射される光の光量と車体20の傾斜角との関係を示すグラフと、光照射装置50が備える一対のコーナリングライト70L、70Rの光源72から出射される光で形成される単一の左前方照射エリア71Lの大きさが変化する様子を比較例とともに示す説明図とを併せて示す図面である。なお、
図1では、各照射エリアは概念的に示されている。
【0063】
本明細書では、傾斜車両10における各種の方向を、以下のように定義する。
【0064】
傾斜車両10の前方向を前方向Fと定義する。傾斜車両10の後方向を後方向Bと定義する。傾斜車両10の左方向を左方向Lと定義する。傾斜車両10の右方向を右方向Rと定義する。傾斜車両10の上方向を上方向Uと定義する。傾斜車両10の下方向を下方向Dと定義する。傾斜車両10の前後方向を前後方向FBと定義する。傾斜車両10の左右方向を左右方向LRと定義する。傾斜車両10の上下方向を上下方向UDと定義する。なお、傾斜車両10の前後上下左右は、傾斜車両10のシート(図示せず)に着座した乗員から見た前後上下左右である。
【0065】
傾斜車両10は、後述するように、車体20を有する。ここで、車体20の前方向を前方向fと定義する。車体20の後方向を後方向bと定義する。車体20の左方向を左方向lと定義する。車体20の右方向を右方向rと定義する。車体20の上方向を上方向uと定義する。車体20の下方向を下方向dと定義する。車体20の前後方向を前後方向fbと定義する。車体20の左右方向を左右方向lrと定義する。車体20の上下方向を上下方向udと定義する。
【0066】
傾斜車両10では、車体20が左方向L又は右方向Rに傾斜できる。車体20が左方向L又は右方向Rに傾斜している場合、車体20の上下方向ud及び左右方向lrは、傾斜車両10の上下方向UD及び左右方向LRと一致しない。一方、直立状態の車体20の上下方向ud及び左右方向lrは、傾斜車両10の上下方向UD及び左右方向LRと一致する。
【0067】
図1を参照して、傾斜車両10は、車体20と、光照射装置50とを備える。以下、これらについて説明する。
【0068】
車体20は、傾斜車両10の左旋回時には、左方向Lに傾斜する。車体20は、傾斜車両10の右旋回時には、右方向Rに傾斜する。
【0069】
光照射装置50は、車体20に支持される。光照射装置50は、傾斜車両10の左旋回時には、車体20とともに、左方向Lに傾斜する。光照射装置50は、傾斜車両10の右旋回時には、車体20とともに、右方向Rに傾斜する。
【0070】
光照射装置50は、一対のコーナリングライト70L、70Rと、制御装置90とを備える。以下、これらについて説明する。
【0071】
一対のコーナリングライト70L、70Rのうちの一方のコーナリングライトは、傾斜車両10の左旋回時には、車体20の左前方の路面に傾斜車両10の乗員が視認可能な単一の左前方照射エリア71Lを形成するように光を照射する。なお、傾斜車両10の乗員が視認可能な単一の左前方照射エリア71Lは、例えば、傾斜車両の10の左旋回時に傾斜車両10が備える車体20の左前方の路面に形成される照射エリアであって、当該照射エリアの最高照度の数%以上の照度を有する照射エリアである。
【0072】
一対のコーナリングライト70L、70Rのうちの他方のコーナリングライトは、傾斜車両10の右旋回時には、車体20の右前方の路面に傾斜車両10の乗員が視認可能な単一の右前方照射エリア71Rを形成するように光を照射する。なお、傾斜車両10の乗員が視認可能な単一の右前方照射エリア71Rは、例えば、傾斜車両の10の左旋回時に傾斜車両10が備える車体20の右前方の路面に形成される照射エリアであって、当該照射エリアの最高照度の数%以上の照度を有する照射エリアである。
【0073】
一対のコーナリングライト70L、70Rは、それぞれ、少なくとも1つの光源としての少なくとも1つのコーナリングライト光源72と、光進行方向変更部材74と、アウタレンズ75とを含む。以下、これらについて説明する。
【0074】
光進行方向変更部材74は、少なくとも1つのコーナリングライト光源72に対応して配置される。光進行方向変更部材74は、単一の光進行方向変更面741を有する。単一の光進行方向変更面741は、少なくとも1つのコーナリングライト光源72から出射される光の進行方向を変更する。より具体的には、単一の光進行方向変更面741は、傾斜車両10の左旋回時において車体20の左前方の路面に単一の左前方照射エリア71Lを形成するように、又は、傾斜車両10の右旋回時において車体20の右前方の路面に単一の右前方照射エリア71Rを形成するように、少なくとも1つのコーナリングライト光源72から出射される光の進行方向を変更する。
【0075】
アウタレンズ75は、光進行方向変更部材74に対応して配置される。アウタレンズ75は、傾斜車両10の左旋回時において車体20の左前方の路面に単一の左前方照射エリア71Lを形成するように、又は、傾斜車両10の右旋回時において車体20の右前方の路面に単一の右前方照射エリア71Rを形成するように、少なくとも1つのコーナリングライト光源72から出射されかつ単一の光進行方向変更面741で進行方向が変更された光を透過する。
【0076】
制御装置90は、車体20の傾斜角に基づいて、一対のコーナリングライト70L、70Rによる光の照射を制御する。具体的には、以下のとおりである。
【0077】
制御装置90は、傾斜車両10の左旋回時に車体20の左前方の路面に形成される単一の左前方照射エリア71Lが車体20の傾斜角の増加に伴って大きくなるように、一対のコーナリングライト70L、70Rのうち一方のコーナリングライトが含む少なくとも1つのコーナリングライト光源72から出射される光の光量を車体20の傾斜角に応じて変化させる。なお、車体20の傾斜角の増加とは、車体20の傾斜角の絶対値の増加を意味している。
【0078】
ここで、制御装置90は、第1左傾斜角範囲WL1の大きさが第2左傾斜角範囲WL2の大きさと同じ又は第2左傾斜角範囲WL2の大きさよりも大きくなるように、上記一方のコーナリングライトが含む少なくとも1つのコーナリングライト光源72から出射される光の光量を制御する。第1左傾斜角範囲WL1の大きさは、車体20の傾斜角の増加に伴って上記一方のコーナリングライトが含む少なくとも1つのコーナリングライト光源72から出射される光の光量を増加させる車体20の傾斜角の範囲である。第2左傾斜角範囲WL2の大きさは、車体20が傾斜し始めてから上記一方のコーナリングライトが含む少なくとも1つのコーナリングライト光源72が点灯するまでの車体20の傾斜角の範囲である。
【0079】
制御装置90は、傾斜車両10の右旋回時に車体20の右前方の路面に形成される単一の右前方照射エリア71Rが車体20の傾斜角の増加に伴って大きくなるように、一対のコーナリングライト70L、70Rのうち他方のコーナリングライトが含む少なくとも1つのコーナリングライト光源72から出射される光の光量を車体20の傾斜角に応じて変化させる。なお、車体20の傾斜角の増加とは、車体20の傾斜角の絶対値の増加を意味している。
【0080】
ここで、制御装置90は、第1右傾斜角範囲WR1の大きさが第2右傾斜角範囲WR2の大きさと同じ又は第2右傾斜角範囲WR2の大きさよりも大きくなるように、上記他方のコーナリングライトが含む少なくとも1つのコーナリングライト光源72から出射される光の光量を制御する。第1右傾斜角範囲WR1の大きさは、車体20の傾斜角の増加に伴って上記他方のコーナリングライトが含む少なくとも1つのコーナリングライト光源72から出射される光の光量を増加させる車体20の傾斜角の範囲である。第2右傾斜角範囲WR2の大きさは、車体20が傾斜し始めてから上記他方のコーナリングライトが含む少なくとも1つのコーナリングライト光源72が点灯するまでの車体20の傾斜角の範囲である。
【0081】
このような傾斜車両10においては、光照射装置50を備える。そのため、傾斜車両10の旋回時に車体20の左前方又は右前方の路面に形成される照射エリアを大きくしたときに照射エリアに明暗が発生するのを抑制することができる。その理由は、以下のとおりである。
【0082】
光照射装置50においては、傾斜車両10の左旋回時に形成される照射エリアが単一の左前方照射エリア71Lであり、かつ、単一の左前方照射エリア71Lが車体20の傾斜角の増加に伴って大きくなる。これに対して、比較例では、車体20の傾斜角の増加に伴って、既に点灯している光源によって形成されている照射エリアの隣に、新たに点灯する光源によって形成される照射エリアが追加される。
【0083】
具体的には、車体20の傾斜角が−θ1である場合、比較例では、第1照射エリア79L1のみが形成される。車体20の傾斜角が−θ2である場合、比較例では、第1照射エリア79L1の大きさが小さくなり、かつ、第1照射エリア79L1の隣に第2照射エリア79L2が形成される。なお、第2照射エリア79L2の一部は、第1照射エリア79L1の一部に重なる。車体20の傾斜角が−θ3である場合、比較例では、第1照射エリア79L1及び第2照射エリア79L2の大きさが小さくなり、かつ、第2照射エリア79L2の隣に第3照射エリア79L3が形成される。なお、第3照射エリア79L3の一部は、第2照射エリア79L2の一部に重なるが、第1照射エリア79L1の一部には重ならない。
【0084】
比較例では、第2照射エリア79L2の一部が第1照射エリア79L1の一部に重なり、第3照射エリア79L3の一部が第2照射エリア79L2の一部に重なる。そのため、第2照射エリア79L2の一部と第1照射エリア79L1の一部とが重なる部分は、第1照射エリア79L1の他の部分や第2照射エリア79L2の他の部分と比べて、明るくなる。同様に、第3照射エリア79L3の一部と第2照射エリア79L2の一部が重なる部分は、他の部分と比べて、明るくなる。したがって、比較例では、傾斜車両の左旋回時に傾斜車両が備える車体の左前方の路面に形成される照射エリアを大きくしたときに、当該照射エリアに明暗が発生してしまう。
【0085】
これに対して、光照射装置50においては、上記のように、傾斜車両10の左旋回時に形成される照射エリアが単一の左前方照射エリア71Lであり、かつ、単一の左前方照射エリア71Lが車体20の傾斜角の増加に伴って大きくなる。そのため、比較例と比べて、傾斜車両10の左旋回時に傾斜車両10が備える車体20の左前方の路面に形成される照射エリアを大きくしたときに、当該照射エリアに明暗が発生するのを抑制することができる。
【0086】
なお、傾斜車両10の旋回時に車体20の右前方の路面に形成される照射エリアを大きくしたときに照射エリアに明暗が発生するのを抑制できる理由は、傾斜車両10の旋回時に車体20の左前方の路面に形成される照射エリアを大きくしたときに照射エリアに明暗が発生するのを抑制できる理由と同じであるから、その説明は省略する。
【0087】
また、光照射装置50においては、制御装置90が、第1左傾斜角範囲WL1の大きさが第2左傾斜角範囲WL2の大きさと同じ又は第2左傾斜角範囲WL2の大きさよりも大きくなるように、上記一方のコーナリングライトが含む少なくとも1つのコーナリングライト光源72から出射される光の光量を制御する。そのため、第1左傾斜角範囲WL1の大きさが第2左傾斜角範囲WL2の大きさよりも小さくなる場合と比べて、車体20の傾斜角に応じて必要な照射エリアを形成することができる。
【0088】
また、光照射装置50においては、制御装置90が、第1右傾斜角範囲WR1の大きさが第2右傾斜角範囲WR2の大きさと同じ又は第2右傾斜角範囲WR2の大きさよりも大きくなるように、上記他方のコーナリングライトが含む少なくとも1つのコーナリングライト光源72から出射される光の光量を制御する。そのため、第1右傾斜角範囲WR1の大きさが第2右傾斜角範囲WR2の大きさよりも小さくなる場合と比べて、車体20の傾斜角に応じて必要な照射エリアを形成することができる。
【0089】
また、光照射装置50においては、車速が増加したときに、好ましい照射エリアを形成することができる。その理由は、以下のとおりである。
【0090】
車速が増加したときには、より遠くの位置まで照射する必要がある。旋回半径が同じである場合、車速が増加すれば、車体20の傾斜角は増加する。光照射装置50においては、車体20の傾斜角の増加に伴って照射エリアが広がる。そのため、車速が増加したときに、好ましい照射エリアを形成することができる。
【0091】
別の表現をすれば、車速が低い場合には、車速が高い場合と比べて、遠くの位置まで照射しなくてもよい。旋回半径が同じである場合、車速が低いときの車体20の傾斜角は、車速が高いときの車体20の傾斜角と比べて、小さい。ここで、光照射装置50においては、車体20の傾斜角の増加に伴って照射エリアが広がる。そのため、車体20の傾斜角に応じて必要な照射エリアを形成することができる。
【0092】
(実施の形態の具体例)
続いて、
図2を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例による傾斜車両10A及び光照射装置としてのヘッドライト装置50Aについて説明する。
図2は、傾斜車両10A及びヘッドライト装置50Aを示す概念図である。
【0093】
傾斜車両10Aは、自動二輪車である。傾斜車両10Aは、車体20と、ヘッドライト装置50Aとを備える。以下、これらについて説明する。
【0094】
車体20は、傾斜車両10の左旋回時には、左方向Lに傾斜する。車体20は、傾斜車両10の右旋回時には、右方向Rに傾斜する。車体20は、車体フレームを含む。
【0095】
ヘッドライト装置50Aは、車体20に支持される。ヘッドライト装置50Aは、傾斜車両10Aの左旋回時には、車体20とともに、左方向Lに傾斜する。ヘッドライト装置50Aは、傾斜車両10Aの右旋回時には、車体20とともに、右方向Rに傾斜する。
【0096】
ヘッドライト装置50Aは、ヘッドライト60と、一対のコーナリングライト70L、70Rと、制御装置90Aとを備える。以下、これらについて説明する。
【0097】
ヘッドライト60は、車体20の前方に向けて光を照射する。ヘッドライト60は、少なくとも1つのヘッドライト光源62と、アウタレンズ64とを含む。少なくとも1つのヘッドライト光源62は、例えば、発光ダイオード(LED)である。アウタレンズ64は、少なくとも1つのヘッドライト光源62の前方に配置される。アウタレンズ64は、少なくとも1つのヘッドライト光源62が出射した光を透過する。なお、ヘッドライト光源62による光の出射は、例えば、制御装置90Aによって実現されてもよいし、他の制御装置によって実現されてもよい。
【0098】
一対のコーナリングライト70L、70Rのうち一方のコーナリングライトは、傾斜車両10Aの左旋回時には、車体20の左前方の路面に傾斜車両10Aの乗員が視認可能な単一の左前方照射エリア71Lを形成するように光を照射する。ヘッドライト装置50Aでは、左コーナリングライト70Lが、傾斜車両10Aの左旋回時に車体20の左前方の路面に傾斜車両10の乗員が視認可能な単一の左前方照射エリア71Lを形成するように光を照射する。
【0099】
一対のコーナリングライト70L、70Rのうち他方のコーナリングライトは、傾斜車両10Aの右旋回時には、車体20の右前方の路面に傾斜車両10Aの乗員が視認可能な単一の右前方照射エリア71Rを形成するように光を照射する。ヘッドライト装置50Aでは、右コーナリングライト70Rが、傾斜車両10Aの右旋回時に車体20の右前方の路面に傾斜車両10の乗員が視認可能な単一の右前方照射エリア71Rを形成するように光を照射する。
【0100】
一対のコーナリングライト70L、70Rは、車体20の左右方向lrに並んで配置される。一対のコーナリングライト70L、70Rは、それぞれ、少なくとも1つの光源としての少なくとも1つのコーナリングライト光源72と、光進行方向変更部材74と、アウタレンズ75とを含む。具体的には、左コーナリングライト70Lが、少なくとも1つの光源としての少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lと、光進行方向変更部材としての左光進行方向変更部材74Lと、アウタレンズとしての左アウタレンズ75Lとを含む。右コーナリングライト70Rが、少なくとも1つの光源としての少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rと、光進行方向変更部材としての右光進行方向変更部材74Rと、右アウタレンズ75Rとを含む。以下、これらについて説明する。
【0101】
少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lは、例えば、発光ダイオード(LED)である。少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lは、例えば、傾斜車両10Aが左旋回しているときの車体20の傾斜角が所定の傾斜角以上になったときに点灯する。
【0102】
左光進行方向変更部材74Lは、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lに対応して配置される。左光進行方向変更部材74Lは、単一の左光進行方向変更面74L1を有する。単一の左光進行方向変更面74L1は、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の進行方向を変更する。より具体的には、単一の左光進行方向変更面74L1は、傾斜車両10Aの左旋回時において車体20の左前方の路面に単一の左前方照射エリア71Lを形成するように、又は、傾斜車両10Aの右旋回時において車体20の右前方の路面に単一の右前方照射エリア71Rを形成するように、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の進行方向を変更する。ヘッドライト装置50Aでは、単一の左光進行方向変更面74L1は、傾斜車両10Aの左旋回時において車体20の左前方の路面に単一の左前方照射エリア71Lを形成するように、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の進行方向を変更する。
【0103】
左光進行方向変更部材74Lは、例えば、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光を傾斜車両10Aの前方に向けて反射するリフレクタである。この場合、左光進行方向変更部材74Lが有する左光進行方向変更面74L1は、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光を傾斜車両10Aの前方に向けて反射する単一のリフレクタ面である。
【0104】
左光進行方向変更部材74Lが有する左光進行方向変更面74L1は、例えば、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lの下に配置される。この場合、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lは、車体20の下方向に光を出射する。左光進行方向変更部材74Lが有する左光進行方向変更面74L1は、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから車体20の下方向に出射された光を傾斜車両10Aの前方に向けて反射する。
【0105】
左アウタレンズ75Lは、左光進行方向変更部材74Lに対応して配置される。左アウタレンズ75Lは、傾斜車両10Aの左旋回時において車体20の左前方の路面に単一の左前方照射エリア71Lを形成するように、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射されかつ単一の光進行方向変更面74L1で進行方向が変更された光を透過する。
【0106】
少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rは、例えば、発光ダイオード(LED)である。少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rは、例えば、傾斜車両10Aが右旋回しているときの車体20の傾斜角が所定の傾斜角以上になったときに点灯する。
【0107】
右光進行方向変更部材74Rは、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rに対応して配置される。右光進行方向変更部材74Rは、単一の右光進行方向変更面74R1を有する。単一の右光進行方向変更面74R1は、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rから出射される光の進行方向を変更する。より具体的には、単一の右光進行方向変更面74R1は、傾斜車両10の右旋回時において車体20の右前方の路面に単一の右前方照射エリア71Rを形成するように、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rから出射される光の進行方向を変更する。
【0108】
右光進行方向変更部材74Rは、例えば、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rから出射される光を傾斜車両10Aの前方に向けて反射するリフレクタである。この場合、右光進行方向変更部材74Rが有する右光進行方向変更面74R1は、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rから出射される光を傾斜車両10Aの前方に向けて反射する単一のリフレクタ面である。
【0109】
右光進行方向変更部材74Rが有する右光進行方向変更面74R1は、例えば、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rの下に配置される。この場合、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rは、車体20の下方向に光を出射する。右光進行方向変更部材74Rが有する右光進行方向変更面74R1は、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rから車体20の下方向に出射された光を傾斜車両10Aの前方に向けて反射する。
【0110】
右アウタレンズ75Rは、右光進行方向変更部材74Rに対応して配置される。右アウタレンズ75Rは、傾斜車両10Aの左旋回時において車体20の右前方の路面に単一の右前方照射エリア71Rを形成するように、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rから出射されかつ単一の光進行方向変更面74R1で進行方向が変更された光を透過する。
【0111】
制御装置90Aは、車体20の傾斜角に基づいて、一対のコーナリングライト70L、70Rによる光の照射を制御する。具体的には、以下のとおりである。
【0112】
制御装置90Aは、傾斜車両10Aの左旋回時に車体20の左前方の路面に形成される単一の左前方照射エリア71Lが車体20の傾斜角の増加に伴って大きくなるように、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量を車体20の傾斜角に応じて変化させる。なお、車体20の傾斜角の増加とは、車体20の傾斜角の絶対値の増加を意味している。
【0113】
ここで、
図3を参照しながら、車体20の傾斜角の増加に伴って単一の左前方照射エリア71Lが大きくなる態様について、説明する。
図3は、単一の左前方照射エリア71L及び単一の右前方照射エリア71Rの各々の大きさが変化する様子を示す説明図である。なお、
図3では、単一の左前方照射エリア71L及び単一の右前方照射エリア71Rの各々を概念的に示している。
【0114】
車体20の傾斜角が−θ2である場合の単一の左前方照射エリア71L2は、車体20の傾斜角が−θ1ある場合の単一の左前方照射エリア71L1よりも大きくなっている。車体20の傾斜角が−θ3である場合の単一の左前方照射エリア71L3は、車体20の傾斜角が−θ2である場合の単一の左前方照射エリア71L2よりも大きくなっている。
【0115】
ここで、車体20の傾斜角が−θ2である場合の単一の左前方照射エリア71L2は、車体20の傾斜角が−θ1である場合の単一の左前方照射エリア71L1よりも、車体20の左前方に延びるように広がることで大きくなっている。車体20の傾斜角が−θ3である場合の単一の左前方照射エリア71L3は、車体20の傾斜角が−θ2である場合の単一の左前方照射エリア71L2よりも、車体20の左前方に延びるように広がることで大きくなっている。
【0116】
つまり、制御装置90Aは、傾斜車両10Aの左旋回時に少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射されかつ単一の左光進行方向変更面74L1で進行方向が変更された光を左アウタレンズ75Lに透過させることで車体20の左前方の路面に形成される単一の左前方照射エリア71Lが車体20の傾斜角の増加に伴って車体20の左前方に向かって延びるように広がることで単一の左前方照射エリア71Lが大きくなるように、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量を車体20の傾斜角に応じて変化させる。
【0117】
特に、
図3に示す例では、車体20の傾斜角が−θ2である場合の単一の左前方照射エリア71L2は、車体20の傾斜角が−θ1である場合の単一の左前方照射エリア71L1よりも、車体20の左前方に延びるように広がるとともに単一の左前方照射エリア71Lが延びる方向に直交する方向であってかつ単一の左前方照射エリア71Lが形成される路面に平行な方向にも広がることで大きくなっている。車体20の傾斜角が−θ3である場合の単一の左前方照射エリア71L3は、車体20の傾斜角が−θ2である場合の単一の左前方照射エリア71L2よりも、車体20の左前方に延びるように広がるとともに単一の左前方照射エリア71Lが延びる方向に直交する方向であってかつ単一の左前方照射エリア71Lが形成される路面に平行な方向にも広がることで大きくなっている。
【0118】
つまり、制御装置90Aは、傾斜車両10Aの左旋回時に少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射されかつ単一の左光進行方向変更面74L1で進行方向が変更された光を左アウタレンズ75Lに透過させることで車体20の左前方の路面に形成される単一の左前方照射エリア71Lが車体20の傾斜角の増加に伴って車体20の左前方に向かって延びるように広がるとともに単一の左前方照射エリア71Lが延びる方向に直交する方向であってかつ単一の左前方照射エリア71Lが形成される路面に平行な方向にも延びるように広がることで単一の左前方照射エリア71Lが大きくなるように、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量を車体20の傾斜角に応じて変化させる。
【0119】
ここで、
図4を参照しながら、単一の左前方照射エリア71Lにおいて最も照度が高い位置71LPMについて説明する。
図4は、単一の左前方照射エリア71L及び単一の右前方照射エリア71Rの各々の照度が最も高い位置を示す説明図である。なお、
図4では、単一の左前方照射エリア71Lにおいて最も照度が高い位置71LMと、単一の左前方照射エリア71Lの中心71LCとの位置関係が概念的に示されている。
【0120】
単一の左前方照射エリア71Lにおいて最も照度が高い位置71LMは、単一の左前方照射エリア71Lの中心71LCよりも車体20の近くにある。
【0121】
図2を参照して、制御装置90Aは、傾斜車両10Aの右旋回時に車体20の右前方の路面に形成される単一の右前方照射エリア71Rが車体20の傾斜角の増加に伴って大きくなるように、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rから出射される光の光量を車体20の傾斜角に応じて変化させる。なお、車体20の傾斜角の増加とは、車体20の傾斜角の絶対値の増加を意味している。
【0122】
ここで、
図3を参照しながら、車体20の傾斜角の増加に伴って単一の右前方照射エリア71Rが大きくなる態様について、説明する。
【0123】
車体20の傾斜角が+θ2である場合の単一の右前方照射エリア71R2は、車体20の傾斜角が+θ1ある場合の単一の右前方照射エリア71R1よりも大きくなっている。車体20の傾斜角が+θ3場合の単一の右前方照射エリア71R3は、車体20の傾斜角が+θ2である場合の単一の右前方照射エリア71R2よりも大きくなっている。
【0124】
ここで、車体20の傾斜角が+θ2である場合の単一の右前方照射エリア71R2は、車体20の傾斜角が+θ1である場合の単一の右前方照射エリア71R1よりも、車体20の右前方に延びるように広がることで大きくなっている。車体20の傾斜角が+θ3である場合の単一の右前方照射エリア71R3は、車体20の傾斜角が+θ2である場合の単一の右前方照射エリア71R2よりも、車体20の右前方に延びるように広がることで大きくなっている。
【0125】
つまり、制御装置90Aは、傾斜車両10Aの右旋回時に少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rから出射されかつ単一の右光進行方向変更面74R1で進行方向が変更された光を右アウタレンズ75Rに透過させることで車体20の右前方の路面に形成される単一の右前方照射エリア71Rが車体20の傾斜角の増加に伴って車体20の右前方に向かって延びるように広がることで単一の右前方照射エリア71Rが大きくなるように、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rから出射される光の光量を車体20の傾斜角に応じて変化させる。
【0126】
特に、
図3に示す例では、車体20の傾斜角が+θ2である場合の単一の右前方照射エリア71R2は、車体20の傾斜角が+θ1である場合の単一の右前方照射エリア71R1よりも、車体20の右前方に延びるように広がるとともに単一の右前方照射エリア71Rが延びる方向に直交する方向であってかつ単一の右前方照射エリア71Rが形成される路面に平行な方向にも広がることで大きくなっている。車体20の傾斜角が+θ3である場合の単一の右前方照射エリア71R3は、車体20の傾斜角が+θ2である場合の単一の右前方照射エリア71R2よりも、車体20の右前方に延びるように広がるとともに単一の右前方照射エリア71Rが延びる方向に直交する方向であってかつ単一の右前方照射エリア71Rが形成される路面に平行な方向にも広がることで大きくなっている。
【0127】
つまり、制御装置90Aは、傾斜車両10Aの右旋回時に少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rから出射されかつ単一の右光進行方向変更面74R1で進行方向が変更された光を右アウタレンズ75Rに透過させることで車体20の右前方の路面に形成される単一の右前方照射エリア71Rが車体20の傾斜角の増加に伴って車体20の右前方に向かって延びるように広がるとともに単一の右前方照射エリア71Rが延びる方向に直交する方向であってかつ単一の右前方照射エリア71Rが形成される路面に平行な方向にも延びるように広がることで単一の右前方照射エリア71Rが大きくなるように、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rから出射される光の光量を車体20の傾斜角に応じて変化させる。
【0128】
ここで、
図4を参照しながら、単一の右前方照射エリア71Rにおいて最も照度が高い位置71RMについて説明する。
【0129】
単一の右前方照射エリア71Rにおいて最も照度が高い位置71RMは、単一の右前方照射エリア71Rの中心71RCよりも車体20の近くにある。
【0130】
制御装置90Aは、例えば、ECU(Electric Control Unit)である。ECUは、例えば、IC(Integrated Circuit)、電子部品、回路基板等の組み合わせによって実現される。
【0131】
図5を参照しながら、制御装置90Aの詳細について説明する。
図5は、制御装置90の機能ブロック図である。
【0132】
制御装置90Aは、傾斜角取得部92と、傾斜状態認定部94と、光源及び光量設定部96と、出射制御部98とを含む。傾斜角取得部92と、傾斜状態認定部94と、光源及び光量設定部96と、出射制御部98は、それぞれ、例えば、CPU(Central Processing Unit)が不揮発性のメモリに記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムに従って所定の処理を実行すること等によって実現される。以下、これらについて説明する。
【0133】
傾斜角取得部92は、図示しない傾斜角検出センサによって検出された車体20の傾斜角を取得する。なお、傾斜角取得部92が傾斜角検出センサによって検出された車体20の傾斜角を取得する態様には、例えば、傾斜角検出センサによって検出された車体20の傾斜角を図示しないメモリに記憶する態様が含まれる。
【0134】
傾斜状態認定部94は、傾斜角取得部92が取得した車体20の傾斜角に基づいて、車体20の傾斜角の大きさ及び車体20が傾斜している方向を認定する。傾斜状態認定部94が車体20の傾斜方向を認定する態様には、例えば、傾斜角取得部92が取得した車体20の傾斜角が負の値を有する傾斜角である場合に車体20が左方向lに傾斜していると認定し、傾斜角取得部92が取得した車体20の傾斜角が正の値を有する傾斜角である場合に車体20が右方向rに傾斜していると認定する態様が含まれる。
【0135】
光源及び光量設定部96は、傾斜状態認定部94によって認定された車体20の傾斜角の大きさ及び車体20が傾斜している方向に基づいて、一対のコーナリングライト70L、70Rの各々が有する少なくとも1つのコーナリングライト光源72のうち光を出射するコーナリングライト光源72を設定し、かつ、このように設定されたコーナリングライト光源72から出射される光の光量を設定する。光源及び光量設定部96は、車体20が左方向lに傾斜している場合、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量が車体20の傾斜角の大きさに対応する光の光量になるように設定する。光源及び光量設定部96は、車体20が右方向rに傾斜している場合、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rから出射される光の光量が車体20の傾斜角の大きさに対応する光の光量になるように設定する。
【0136】
出射制御部98は、光源及び光量設定部96によって設定されたコーナリングライト光源72が光を出射し、かつ、当該光の光量が光源及び光量設定部96によって設定された光量になるように、コーナリングライト光源72による光の照射を制御する。出射制御部98は、車体20が左方向lに傾斜している場合、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量が車体20の傾斜角に対応する光の光量になるように、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lによる光の出射を制御する。出射制御部98は、車体20が右方向rに傾斜している場合、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rから出射される光の光量が車体20の傾斜角に対応する光の光量になるように、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rによる光の出射を制御する。
【0137】
図6を参照しながら、光源及び光量設定部96が少なくとも1つのコーナリングライト72から出射される光の光量を設定する態様について説明する。
図6は、車体20の傾斜角と少なくとも1つのコーナリングライト光源72から出射される光の光量との関係を示すグラフである。
【0138】
制御装置90A(具体的には、光源及び光量設定部96)は、第1左傾斜角範囲の大きさWL1が第2左傾斜角範囲WL2の大きさと同じ又は第2左傾斜角範囲WL2の大きさよりも大きくなるように、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量を制御する。
【0139】
ここで、第1左傾斜角範囲WL1の大きさは、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量を増加させる車体20の傾斜角の範囲である。第2左傾斜角範囲WL2の大きさは、車体20が傾斜し始めてから少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lが点灯するまでの車体20の傾斜角の範囲である。
【0140】
制御装置90A(具体的には、光源及び光量設定部96)は、傾斜車両10Aの左旋回時において車体20の左前方の路面に形成される単一の左前方照射エリア71Lの大きさを変化させる際に、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量を車体20の傾斜角に応じて連続的に変化させるように、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量を制御する。
【0141】
なお、制御装置90A(具体的には、光源及び光量設定部96)は、傾斜車両10Aの左旋回時において車体20の左前方の路面に形成される単一の左前方照射エリア71Lの大きさを変化させる際に、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量を車体20の傾斜角に応じて少なくとも3回変化させるように、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量を制御してもよい。なお、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量を車体20の傾斜角に応じて少なくとも3回変化させる態様には、例えば、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量を車体20の傾斜角に応じて階段状に少なくとも3回変化させる態様が含まれる。
【0142】
制御装置90A(具体的には、光源及び光量設定部96)は、傾斜車両10Aの左旋回時において車体20の左前方の路面に形成される単一の左前方照射エリア71Lの大きさを変化させる際に、車体20の傾斜角の増加に伴って少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量を増加又は維持するように、別の表現をすれば、車体20の傾斜角の増加に伴って少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量を減少させないように、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量を制御する。
【0143】
特に、
図6に示す例では、制御装置90A(具体的には、光源及び光量設定部96)は、傾斜車両10Aの左旋回時において車体20の左前方の路面に形成される単一の左前方照射エリア71Lの大きさを変化させる際に、傾斜車両10Aの左旋回時において車体20の左前方の路面に形成される単一の左前方照射エリア71Lの大きさが最大になるまでは、車体20の傾斜角の増加に伴って少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量を増加させるように、別の表現をすれば、車体20の傾斜角の増加に伴って少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量が増加し続けるように、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量を制御する。
【0144】
また、
図6に示す例では、制御装置90A(具体的には、光源及び光量設定部96)は、車体20の傾斜角の増加に伴って少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量を増加させる車体の傾斜角の範囲である第1左傾斜角範囲WL1を二等分した場合に前半の範囲WL11よりも後半の範囲WL12のほうが車体20の傾斜角の増加に伴って少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量を増加させる割合が高くなるように、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量を制御する。
【0145】
制御装置90(具体的には、光源及び光量設定部96)は、第1右傾斜角範囲の大きさWR1が第2右傾斜角範囲WR2の大きさと同じ又は第2右傾斜角範囲WR2の大きさよりも大きくなるように、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rから出射される光の光量を制御する。
【0146】
ここで、第1右傾斜角範囲WR1の大きさは、少なくとも1つのコーナリングライト光源72Rから出射される光の光量を増加させる車体20の傾斜角の範囲である。第2右傾斜角範囲WR2の大きさは、車体20が傾斜し始めてから少なくとも1つのコーナリングライト光源72Rが点灯するまでの車体20の傾斜角の範囲である。
【0147】
制御装置90A(具体的には、光源及び光量設定部96)は、傾斜車両10Aの右旋回時において車体20の右前方の路面に形成される単一の右前方照射エリア71Rの大きさを変化させる際に、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rから出射される光の光量を車体20の傾斜角に応じて連続的に変化させるように、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rから出射される光の光量を制御する。
【0148】
別の表現をすれば、制御装置90A(具体的には、光源及び光量設定部96)は、傾斜車両10Aの右旋回時において車体20の右前方の路面に形成される単一の右前方照射エリア71Rの大きさを変化させる際に、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rから出射される光の光量を車体20の傾斜角に応じて少なくとも3回変化させるように、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rから出射される光の光量を制御する。
【0149】
制御装置90A(具体的には、光源及び光量設定部96)は、傾斜車両10Aの右旋回時において車体20の右前方の路面に形成される単一の右前方照射エリア71Rの大きさを変化させる際に、車体20の傾斜角の増加に伴って少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rから出射される光の光量を増加又は維持するように、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rから出射される光の光量を制御する。
【0150】
特に、
図6に示す例では、制御装置90A(具体的には、光源及び光量設定部96)は、傾斜車両10Aの右旋回時において車体20の右前方の路面に形成される単一の右前方照射エリア71Rの大きさを変化させる際に、傾斜車両10Aの右旋回時において車体20の右前方の路面に形成される単一の右前方照射エリア71Rの大きさが最大になるまでは、車体20の傾斜角の増加に伴って少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量を増加させるように、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量を制御する。
【0151】
また、
図6に示す例では、制御装置90A(具体的には、光源及び光量設定部96)は、車体20の傾斜角の増加に伴って少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量を増加させる車体の傾斜角の範囲である第1右傾斜角範囲WR1を二等分した場合に前半の範囲WR11よりも後半の範囲WR12のほうが車体20の傾斜角の増加に伴って少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rから出射される光の光量を増加させる割合が高くなるように、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rから出射される光の光量を制御する。
【0152】
続いて、
図7を参照しながら、制御装置90が実行する制御処理について説明する。
図7は、制御装置90が実行する制御処理を示すフローチャートである。
【0153】
先ず、制御装置90は、ステップS11において、傾斜角取得処理を実行する。傾斜角取得処理は、図示しない傾斜角検出センサによって検出された車体20の傾斜角を取得する処理である。傾斜角取得処理は、傾斜角取得部92によって実行される。なお、傾斜角検出センサによって検出された車体20の傾斜角を取得する態様には、例えば、傾斜角検出センサによって検出された車体20の傾斜角を図示しないメモリに記憶する態様が含まれる。
【0154】
続いて、制御装置90は、ステップS12において、傾斜状態認定処理を実行する。傾斜状態認定処理は、傾斜角取得処理において取得した車体20の傾斜角に基づいて、車体20の傾斜角の大きさ及び車体20が傾斜している方向を認定する処理である。傾斜状態認定処理は、傾斜状態認定部94によって実行される。傾斜状態認定処理において車体20の傾斜方向を認定する態様には、例えば、傾斜角取得処理において取得した車体20の傾斜角が負の値を有する傾斜角である場合に車体20が左方向lに傾斜していると認定し、傾斜角取得処理において取得した車体20の傾斜角が正の値を有する傾斜角である場合に車体20が右方向rに傾斜していると認定する態様が含まれる。
【0155】
続いて、制御装置90は、ステップS13において、光源及び光量設定処理を実行する。光源及び光量設定処理は、傾斜状態認定処理によって認定された車体20の傾斜角の大きさ及び車体20が傾斜している方向に基づいて、一対のコーナリングライト70L、70Rの各々が有する少なくとも1つのコーナリングライト光源72のうち光を出射するコーナリングライト光源72を設定し、かつ、このように設定されたコーナリングライト光源72から出射される光の光量を設定する処理である。光源及び光量設定処理は、光源及び光量設定部96によって実行される。光源及び光量設定処理は、車体20が左方向lに傾斜している場合、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量が車体20の傾斜角の大きさに対応する光の光量になるように設定する。光源及び光量設定処理は、車体20が右方向rに傾斜している場合、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rから出射される光の光量が車体20の傾斜角の大きさに対応する光の光量になるように設定する。
【0156】
続いて、制御装置90は、ステップS14において、出射制御処理を実行する。出射制御処理は、光源及び光量設定処理によって設定されたコーナリングライト光源72が光を出射し、かつ、当該光の光量が光源及び光量設定処理によって設定された光量になるように、コーナリングライト光源72による光の照射を制御する処理である。出射制御処理は、出射制御部98によって実行される。出射制御処理は、車体20が左方向lに傾斜している場合、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lから出射される光の光量が車体20の傾斜角に対応する光の光量になるように、少なくとも1つの左コーナリングライト光源72Lによる光の出射を制御する。出射制御処理は、車体20が右方向rに傾斜している場合、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rから出射される光の光量が車体20の傾斜角に対応する光の光量になるように、少なくとも1つの右コーナリングライト光源72Rによる光の出射を制御する。
【0157】
このような傾斜車両10Aにおいては、ヘッドライト装置50Aを備える。そのため、上記実施の形態と同様に、傾斜車両10Aの旋回時に車体20の左前方又は右前方の路面に形成される照射エリアを大きくしたときに照射エリアに明暗が発生するのを抑制することができる。
【0158】
(その他の実施形態)
本明細書において記載と図示の少なくとも一方がなされた実施形態及び変形例は、本開示の理解を容易にするためのものであって、本開示の思想を限定するものではない。上記の実施形態及び変形例は、その趣旨を逸脱することなく変更・改良され得る。
【0159】
当該趣旨は、本明細書に開示された実施形態に基づいて当業者によって認識されうる、均等な要素、修正、削除、組み合わせ(例えば、実施形態及び変形例に跨る特徴の組み合わせ)、改良、変更を包含する。特許請求の範囲における限定事項は当該特許請求の範囲で用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態及び変形例に限定されるべきではない。そのような実施形態及び変形例は非排他的であると解釈されるべきである。例えば、本明細書において、「好ましくは」、「よい」という用語は非排他的なものであって、「好ましいがこれに限定されるものではない」、「よいがこれに限定されるものではない」ということを意味する。
【0160】
上記実施の形態の具体例において、左コーナリングライト72Lが傾斜車両10Aの左旋回時に単一の左前方照射エリア71Lを形成し、かつ、右コーナリングライト72Rが傾斜車両10Aの右旋回時に単一の右前方照射エリア71Rを形成するようにしてもよい。
【0161】
上記実施の形態の具体例において、一対のコーナリングライト70L、70R及びヘッドライト60は、それぞれ、ハウジングを含んでいてもよい。この場合、一対のコーナリングライト70L、70Rのハウジングは、ヘッドライト60のハウジングと共通であってもよいし、ヘッドライト60のハウジングとは別であってもよい。
【0162】
上記実施の形態の具体例において、左コーナリングライト70L及び右コーナリングライト70Rは、それぞれ、ハウジングを含んでいてもよい。左コーナリングライト70Lのハウジングは、右コーナリングライト70Rのハウジングとは別体で形成されていてもよい。左コーナリングライト70Lのハウジングは、右コーナリングライト70Rのハウジングと一体で形成されていてもよい。別の表現をすれば、左コーナリングライト70L及び右コーナリングライト70Rは、共通のハウジングを含んでいてもよい。
【0163】
上記実施の形態の具体例において、左アウタレンズ75Lは、右アウタレンズ75Rと一体形成されていてもよいし、右アウタレンズ75Rと別体形成されていてもよい。