特許第6987188号(P6987188)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6987188
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20211213BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20211213BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20211213BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20211213BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20211213BHJP
   H01L 27/06 20060101ALI20211213BHJP
   H01L 27/088 20060101ALI20211213BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
   H01L27/04 C
   H01L29/78 613Z
   H01L29/78 616V
   H01L29/78 618B
   H01L29/78 619A
   H01L27/06 102A
   H01L27/088 331E
   H05B33/14 A
【請求項の数】5
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2020-121289(P2020-121289)
(22)【出願日】2020年7月15日
(62)【分割の表示】特願2016-172579(P2016-172579)の分割
【原出願日】2016年9月5日
(65)【公開番号】特開2020-188271(P2020-188271A)
(43)【公開日】2020年11月19日
【審査請求日】2020年7月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 俊成
(72)【発明者】
【氏名】田畠 弘志
【審査官】 岩本 勉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−143425(JP,A)
【文献】 特開2015−181151(JP,A)
【文献】 特開平10−041403(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0221774(US,A1)
【文献】 特開2010−156963(JP,A)
【文献】 特開2015−108731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/822
H01L 29/786
H01L 21/336
H01L 21/8234
H01L 27/088
H01L 51/50
H01L 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランジスタ素子及び容量素子を備えた半導体装置であって、
前記トランジスタ素子及び前記容量素子は、
酸化物半導体層と、
前記酸化物半導体層上に配置されたゲート電極層と、
前記酸化物半導体層と前記ゲート電極層との間のゲート絶縁層と、
前記酸化物半導体層と前記ゲート絶縁層と前記ゲート電極とを覆う絶縁層と、をそれぞれ有し、
前記容量素子は、
前記酸化物半導体層に接続された第1端子と、
前記ゲート電極層に接続された第2端子と、を有し、
前記容量素子の前記酸化物半導体層は、
平面視において前記ゲート電極層とオーバーラップする第1領域と、
平面視において前記ゲート電極層から露出された第2領域と、を有し、
前記第2領域の前記酸化物半導体層の抵抗は、前記第1領域の前記酸化物半導体層の抵抗よりも低く、
前記第2領域の前記酸化物半導体層に含まれる酸素欠損は、前記第1領域の前記酸化物半導体層に含まれる酸素欠損よりも多い半導体装置。
【請求項2】
前記第2領域は、前記第1領域を連続して囲む請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2領域の前記酸化物半導体層は、前記ゲート絶縁層から露出され、前記絶縁層と接する請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記酸化物半導体はn型の酸化物半導体であり、
前記第2端子に印加される電位は、前記第1端子に印加される電位よりも高い請求項1乃至3のいずれか一に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記酸化物半導体はp型の酸化物半導体であり、
前記第2端子に印加される電位は、前記第1端子に印加される電位よりも低い請求項1乃至3のいずれか一に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。特に、半導体層として酸化物半導体層が用いられた半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置やパーソナルコンピュータなどの駆動回路には微細なスイッチング素子としてトランジスタ、ダイオードなどの半導体装置が用いられている。特に、表示装置において、半導体装置は、各画素の階調に応じた電圧又は電流を供給するための選択トランジスタだけでなく、電圧又は電流を供給する画素を選択するための駆動回路にも使用されている。半導体装置はその用途に応じて要求される特性が異なる。例えば、選択トランジスタとして使用される半導体装置は、オフ電流が低いことや半導体装置間の特性ばらつきが小さいことが要求される。駆動回路として使用される半導体装置は、高いオン電流が要求される。
【0003】
上記のような表示装置において、従来からアモルファスシリコンや低温ポリシリコン、単結晶シリコンをチャネルに用いた半導体装置が開発されている。アモルファスシリコンや低温ポリシリコンをチャネルに用いた半導体装置は、600℃以下のプロセスで形成することができるため、ガラス基板を用いて半導体装置を形成することができる。特に、アモルファスシリコンをチャネルに用いた半導体装置は、より単純な構造かつ400℃以下のプロセスで形成することができるため、例えば第8世代(2160×2460mm)と呼ばれる大型のガラス基板を用いて形成することができる。しかし、アモルファスシリコンをチャネルに用いた半導体装置は移動度が低く、駆動回路に使用することはできない。
【0004】
低温ポリシリコンや単結晶シリコンをチャネルに用いた半導体装置は、アモルファスシリコンをチャネルに用いた半導体装置に比べて移動度が高いため、選択トランジスタだけでなく駆動回路の半導体装置にも使用することができる。しかし、低温ポリシリコンや単結晶シリコンをチャネルに用いた半導体装置は構造およびプロセスが複雑である。500℃以上のプロセスで半導体装置を形成する必要があるため、上記のような大型のガラス基板を用いて半導体装置を形成することができない。アモルファスシリコンや低温ポリシリコン、単結晶シリコンをチャネルに用いた半導体装置はいずれもオフ電流が高く、これらの半導体装置を選択トランジスタに用いた場合、印加した電圧を長時間保持することが難しかった。
【0005】
そこで、最近では、アモルファスシリコンや低温ポリシリコンや単結晶シリコンに替わり、酸化物半導体をチャネルに用いた半導体装置の開発が進められている(例えば、特許文献1)。酸化物半導体をチャネルに用いた半導体装置は、アモルファスシリコンをチャネルに用いた半導体装置と同様に単純な構造かつ低温プロセスで半導体装置を形成することができ、アモルファスシリコンをチャネルに用いた半導体装置よりも高い移動度を有することが知られている。酸化物半導体をチャネルに用いた半導体装置は、オフ電流が非常に低いことが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−227521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
酸化物半導体をチャネルに用いた半導体装置において、容量素子を形成する場合、電極となる一対の金属層の間に絶縁層が配置されたMIM(Metal/Insulator/Metal)構造の容量素子が用いられる。MIM構造の容量素子を形成するためには、容量素子を構成する電極(金属層)および誘電体(絶縁層)を形成する必要がある。したがって、半導体装置を作製するためのマスク枚数および積層数が増加する。その結果、製造コストが増加し、製造歩留まりが低下するという課題があった。
【0008】
本発明に係る一実施形態は、上記実情に鑑み、製造コストが低く、製造歩留まりが向上する半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態による半導体装置は、n型の酸化物半導体層と、酸化物半導体層の上方に配置されたゲート電極と、酸化物半導体層とゲート電極との間のゲート絶縁層と、酸化物半導体層に接続された第1端子と、ゲート電極に接続された第2端子と、を有し、第2端子に印加される電位は、第1端子に印加される電位よりも高い。
【0010】
本発明の一実施形態による半導体装置は、p型の酸化物半導体層と、酸化物半導体層の上方に配置されたゲート電極と、酸化物半導体層とゲート電極との間のゲート絶縁層と、酸化物半導体層に接続された第1端子と、ゲート電極に接続された第2端子と、を有し、第2端子に印加される電位は、第1端子に印加される電位よりも低い。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る半導体装置の概要を示す平面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る半導体装置の概要を示す断面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る半導体装置において、酸化物半導体層の第1領域および第2領域を示す平面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法において、下地層を形成する工程を示す断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法において、酸化物半導体層を形成する工程を示す断面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法において、ゲート絶縁層およびゲート電極を形成する工程を示す断面図である。
図7】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法において、酸化物半導体層に不純物をドーピングする工程を示す断面図である。
図8】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法において、層間絶縁層を形成する工程を示す断面図である。
図9】本発明の一実施形態に係る半導体装置の概要を示す断面図である。
図10】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法において、酸化物半導体層、ゲート絶縁層、およびゲート電極を形成する工程を示す断面図である。
図11】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法において、層間絶縁層を形成する工程を示す断面図である。
図12】本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法において、層間絶縁層にコンタクトを形成する工程を示す断面図である。
図13】本発明の一実施形態に係る半導体装置における容量素子を用いた回路構成の一例を示す図である。
図14】本発明の一実施形態の変形例に係る半導体装置における容量素子を用いた回路構成の一例を示す図である。
図15】本発明の一実施形態の変形例に係る半導体装置における容量素子を用いた回路構成の一例を示す図である。
図16】本発明の一実施形態の変形例に係る半導体装置における容量素子を用いた回路構成の一例を示す図である。
図17】本発明の一実施形態に係る半導体装置において、酸化物半導体層の低抵抗領域を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0013】
〈実施形態1〉
図1図8を用いて、本発明の実施形態1に係る半導体装置10の概要について説明する。実施形態1の半導体装置10は、液晶表示装置(Liquid Crystal Display Device:LCD)、表示部に有機EL素子または量子ドット等の自発光素子(Organic Light−Emitting Diode:OLED)を利用した自発光表示装置、もしくは電子ペーパー等の反射型表示装置において、各々の表示装置の各画素や駆動回路に用いられる。
【0014】
ただし、本発明に係る半導体装置は、表示装置に用いられるものに限定されず、例えば、マイクロプロセッサ(Micro−Processing Unit:MPU)などの集積回路(Integrated Circuit:IC)に用いられてもよい。実施形態1の半導体装置10は、半導体として酸化物半導体が用いられた構造の半導体装置である。
【0015】
[半導体装置10の構造]
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の概要を示す平面図である。図2は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の概要を示す断面図である。図1および図2に示すように、半導体装置10は、トランジスタ素子100および容量素子200を有する。トランジスタ素子100および容量素子200はいずれも基板105上に配置された下地層110の上方に配置されている。
【0016】
トランジスタ素子100は、酸化物半導体層120、ゲート絶縁層130、ゲート電極140、層間絶縁層150、ソース電極164、およびドレイン電極166を有する。酸化物半導体層120は下地層110の上方に配置されている。ゲート電極140は酸化物半導体層120の上方に配置されている。ゲート絶縁層130は酸化物半導体層120とゲート電極140との間に配置されている。酸化物半導体層120は、活性層領域122、ソース領域124、およびドレイン領域126を備える。活性層領域122は、平面視においてゲート電極140とオーバーラップする領域である。ソース領域124およびドレイン領域126は、平面視においてゲート電極140から露出された領域である。
【0017】
層間絶縁層150はゲート電極140の上方に配置されている。層間絶縁層150は酸化物半導体層120およびゲート電極140を覆っている。層間絶縁層150およびゲート絶縁層130には、ソース領域124の酸化物半導体層120に達する開口部154、およびドレイン領域126の酸化物半導体層120に達する開口部156が設けられている。ソース電極164およびドレイン電極166は層間絶縁層150の上方に配置されている。ソース電極164は開口部154を介してソース領域124の酸化物半導体層120に接続されている。ドレイン電極166は開口部156を介してドレイン領域126の酸化物半導体層120に接続されている。
【0018】
上記のように、トランジスタ素子100は、酸化物半導体層120の上方にゲート電極140が配置されたトップゲート型トランジスタである。ソース領域124およびドレイン領域126の酸化物半導体層120の抵抗は、ゲート電極140に電位が供給されていない状態における活性層領域122の酸化物半導体層120の抵抗よりも低い。換言すると、ソース領域124およびドレイン領域126の酸化物半導体層120の電気導電率は、ゲート電極140に電位が供給されていない状態における活性層領域122の酸化物半導体層120の電気導電率よりも高い。なお、本実施形態では、ソース領域124およびドレイン領域126の酸化物半導体層120に含まれる不純物は、活性層領域122の酸化物半導体層120に含まれる不純物よりも多い。酸化物半導体層120に含まれる不純物としては、ボロン(B)、リン(P)、およびアルゴン(Ar)など一般的な半導体製造工程で用いられる材料が用いられる。
【0019】
容量素子200は、酸化物半導体層220、ゲート絶縁層230、ゲート電極240、層間絶縁層250、第1電極264、および第2電極266を有する。酸化物半導体層220は下地層110の上方に配置されている。ゲート電極240は酸化物半導体層220の上方に配置されている。ゲート絶縁層230は酸化物半導体層220とゲート電極240との間に配置されている。酸化物半導体層220は、第1領域222および第2領域224を備える。第1領域222は、平面視においてゲート電極240とオーバーラップする領域である。第2領域224は、平面視においてゲート電極240から露出された領域である。
【0020】
層間絶縁層250はゲート電極240の上方に配置されている。層間絶縁層250は酸化物半導体層220およびゲート電極240を覆っている。層間絶縁層250およびゲート絶縁層230には、第2領域224の酸化物半導体層220に達する開口部254が設けられている。層間絶縁層250には、ゲート電極240に達する開口部256が設けられている。第1電極264および第2電極266は層間絶縁層250の上方に配置されている。第1電極264は開口部254を介して第2領域224の酸化物半導体層220に接続されている。第2電極266は開口部256を介してゲート電極240に接続されている。
【0021】
上記のように、容量素子200は、酸化物半導体層220およびゲート電極240を一対の電極とし、ゲート絶縁層230を誘電体とする、MOS(Metal/Oxide/Semiconductor)構造の容量素子である。第2領域224の酸化物半導体層220の抵抗値は、ゲート電極240に電位が供給されていない状態における第1領域222の酸化物半導体層220の抵抗値よりも低い。なお、本実施形態では、第2領域224の酸化物半導体層220に含まれる不純物は、第1領域222の酸化物半導体層220に含まれる不純物よりも多い。
【0022】
容量素子200では、第1電極264に供給される電位および第2電極266に供給される電位の大小関係は反転しない。例えば、酸化物半導体層220としてn型半導体が用いられた場合、容量素子200に電荷を保持させる駆動時において、第2電極266には第1電極264よりも高い電位が供給され、第2電極266の電位が第1電極264の電位よりも低くなることはない。一方、酸化物半導体層220としてp型半導体が用いられた場合、容量素子200に電荷を保持させる駆動時において、第2電極266には第1電極264よりも低い電位が供給され、第2電極266の電位が第1電極264の電位よりも高くなることはない。つまり、容量素子200に電荷を保持させる駆動時において、第1領域222の酸化物半導体層220は、キャリアが発生した導通状態であり、非導通状態にはならない。
【0023】
[半導体装置10を構成する各部材の材質]
基板105としては、ポリイミド基板が用いられる。基板105として、ポリイミド基板の他にもアクリル基板、シロキサン基板、またはフッ素樹脂基板などの樹脂を含む絶縁基板が用いられてもよい。基板105の耐熱性を向上させるために、上記の基板に不純物が導入されてもよい。特に、半導体装置10がトップエミッション型のディスプレイである場合、基板105が透明である必要はないため、基板105の透明度が悪化する不純物が用いられてもよい。一方、基板105が可撓性を有する必要がない場合は、基板105としてガラス基板、石英基板、およびサファイア基板などの透光性を有する絶縁基板が用いられてもよい。半導体装置10が表示装置ではない集積回路の場合は、シリコン基板、炭化シリコン基板、化合物半導体基板などの半導体基板、またはステンレス基板などの導電性基板のように、透光性を有さない基板が用いられてもよい。
【0024】
下地層110としては、基板105と酸化物半導体層120との密着性が向上する、または基板105からの不純物が酸化物半導体層120に到達することを抑制する材料が用いられる。例えば、下地層110として、酸化シリコン(SiOx)、酸化窒化シリコン(SiOxy)、窒化酸化シリコン(SiNxy)、窒化シリコン(SiNx)、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化窒化アルミニウム(AlOxy)、窒化酸化アルミニウム(AlNxy)、窒化アルミニウム(AlNx)などが用いられる(x、yは任意の正の数値)。これらの膜を積層した構造が用いられてもよい。ここで、基板105と酸化物半導体層120との十分な密着性が確保される、または不純物が基板105から酸化物半導体層120に到達することによる影響がほとんどない場合は、下地層110が省略されてもよい。下地層110としては、上記の無機絶縁材料の他にTEOS層や有機絶縁材料が用いられてもよい。
【0025】
ここで、SiOxyおよびAlOxyとは、酸素(O)よりも少ない量の窒素(N)を含有するシリコン化合物およびアルミニウム化合物である。SiNxyおよびAlNxyとは、窒素よりも少ない量の酸素を含有するシリコン化合物およびアルミニウム化合物である。
【0026】
上記に例示した下地層110は、物理蒸着法(Physical Vapor Deposition:PVD法)で形成されてもよく、化学蒸着法(Chemical Vapor Deposition:CVD法)で形成されてもよい。PVD法としては、スパッタリング法、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、めっき法、および分子線エピタキシー法などが用いられる。CVD法としては、熱CVD法、プラズマCVD法、触媒CVD法(Cat(Catalytic)−CVD法又はホットワイヤCVD法)などが用いられる。TEOS層とはTEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)を原料としたCVD層を指す。
【0027】
有機絶縁材料としては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、シロキサン樹脂などが用いられる。下地層110は、単層であってもよく、上記の材料の積層であってもよい。例えば、下地層110は無機絶縁材料および有機絶縁材料の積層であってもよい。
【0028】
酸化物半導体層120、220としては、半導体の特性を有する酸化金属が用いられる。例えば、酸化物半導体層120、220として、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、および酸素(O)を含む酸化物半導体が用いられてもよい。特に、酸化物半導体層120、220として、In:Ga:Zn:O=1:1:1:4の組成比を有する酸化物半導体が用いられてもよい。ただし、本発明の一実施形態において用いられるIn、Ga、Zn、およびOを含む酸化物半導体は、上記の組成に限定されず、上記とは異なる組成の酸化物半導体が用いられてもよい。例えば、上記の比率に対して、移動度を向上させるためにInの比率が大きい酸化物半導体が酸化物半導体層120、220として用いられてもよい。上記の比率に対して、光照射による影響を小さくするために、バンドギャップが大きくなるように、Gaの比率が大きい酸化物半導体が酸化物半導体層120、220として用いられてもよい。
【0029】
In、Ga、Zn、およびOを含む酸化物半導体に他の元素が添加されていてもよい。例えばAl、Snなどの金属元素が上記の酸化物半導体に添加されていてもよい。上記の酸化物半導体以外にも酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化スズ(SnO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化バナジウム(VO2)、酸化インジウム(In23)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)などが酸化物半導体層120、220として用いられてもよい。なお、酸化物半導体層120、220はアモルファスであってもよく、結晶性であってもよい。酸化物半導体層120、220はアモルファスと結晶の混相であってもよい。
【0030】
ゲート絶縁層130、230としては、SiNx、SiNxy、SiOxy、AlNx、AlNxy、AlOxyなどの無機絶縁材料が用いられる。ゲート絶縁層130、230は下地層110と同様の方法で形成される。ゲート絶縁層130、230は単層であってもよく、上記の材料の積層であってもよい。ゲート絶縁層130、230は、下地層110と同じ材料であってもよく、異なる材料であってもよい。
【0031】
ゲート電極140、240としては、一般的な金属材料または導電性半導体材料が用いられる。例えば、ゲート電極140、240として、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、インジウム(In)、スズ(Sn)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、白金(Pt)、ビスマス(Bi)などが用いられる。ゲート電極140、240として、上記の材料の合金が用いられてもよく、上記の材料の窒化物が用いられてもよい。ゲート電極140、240として、ITO(酸化インジウム・スズ)、IGO(酸化インジウム・ガリウム)、IZO(酸化インジウム・亜鉛)、GZO(ガリウムがドーパントとして添加された酸化亜鉛)等の導電性酸化物半導体が用いられてもよい。ゲート電極140、240は単層であってもよく、上記の材料の積層であってもよい。
【0032】
ゲート電極140、240として用いられる材料は、酸化物半導体をチャネルに用いた半導体装置の製造工程における熱処理工程に対して耐熱性を有する材料が好ましい。ゲート電極140、240として、ゲート電極140、240に0Vが印加されたときにトランジスタがオフするエンハンスメント型となる仕事関数を有する材料が用いられることが好ましい。ただし、容量素子200は、第1領域222の酸化物半導体層220を導通状態として動作させるため、ゲート電極240として、ゲート電極240に0Vが印加されたときにトランジスタがオンするデプレッション型となる仕事関数を有する材料が用いられてもよい。
【0033】
層間絶縁層150、250としては、SiOx、SiOxy、AlOx、AlOxy、TEOS層などの無機絶縁材料が用いられる。層間絶縁層150、250は下地層110と同様の方法で形成されてもよい。層間絶縁層150、250は単層であってもよく、上記の材料の積層であってもよい。層間絶縁層150、250は、層間絶縁層150、250として用いられる材料の化学量論比に比べて酸素を多く含んでいてもよい。層間絶縁層150、250は、酸化物半導体層120、220に含まれる材料と同じ材料を含んでもよく、酸化物半導体層120、220に含まれる材料とは異なる材料で構成されていてもよい。
【0034】
ソース電極164、ドレイン電極166、第1電極264、および第2電極266としては、ゲート電極140、240と同様に、一般的な金属材料又は導電性半導体材料が用いられる。例えば、上記の電極として、Al、Ti、Cr、Co、Ni、Zn、Mo、In、Sn、Hf、Ta、W、Pt、Biなどが用いられてもよい。上記の電極として、これらの材料の合金が用いられてもよく、上記の材料の窒化物が用いられてもよい。上記の電極として、ITO、IGO、IZO、GZO等の導電性酸化物半導体が用いられてもよい。上記の電極は単層であってもよく、上記の材料の積層であってもよい。上記の電極として使用する材料は、酸化物半導体をチャネルに用いた半導体装置の製造工程における熱処理工程に対して耐熱性を有する材料が好ましい。ソース電極164、ドレイン電極166、および第1電極264として、酸化物半導体層120、220との接触抵抗が低い材料が用いられることが好ましい。第2電極266として、ゲート電極240との接触抵抗が低い材料が用いられることが好ましい。
【0035】
[第1領域222および第2領域224のパターン]
図3は、本発明の一実施形態に係る半導体装置において、酸化物半導体層の第1領域および第2領域を示す平面図である。図3を用いて、本発明の実施形態1に係る半導体装置10の容量素子200における第1領域222および第2領域224の形状について説明する。図3において、第2領域224は斜線で描かれた領域である。図3は、図1で描かれている第2電極266および開口部256が省略されて描かれている。図3に示すように、第2領域224は第1領域222を連続して囲んでいる。換言すると、第2領域224は第1領域222の周囲を1周途切れずに囲んでいる。さらに換言すると、第2領域224は、D1方向において、第1領域222に対してそれぞれ反対方向、およびD1方向に直交するD2方向において、第1領域222に対してそれぞれ反対方向に設けられている。
【0036】
第2領域224が第1領域222を連続して囲むことで、第1領域222における第2領域224からの最長距離(第1領域222において、第2領域224からの距離が最も遠い点と、その点から最も近い第2領域224との距離)を短くすることができる。仮に、第2領域224が第1領域222の一側面226だけに存在すると、D1方向において一側面226とは反対側の他側面228と一側面226に配置された第2領域224との距離は遠くなる。導通状態における第1領域222の抵抗が第2領域224の抵抗よりも高い場合、第1領域222の他側面228付近に保持されていた電荷は他の領域に保持されていた電荷に比べて高抵抗の配線を通じて放電されることになる。高抵抗の配線を通じて充放電される電荷は高周波数動作に追従することができないため、容量素子200の実効的な容量値が小さくなってしまう。しかし、本実施形態にかかる半導体装置10の容量素子200は、第1領域222の他側面228付近にも第2領域224が存在するため、上記の実効的な容量値の低下を抑制することができる。
【0037】
なお、図3では、第2領域224が第1領域222を連続して囲んだ構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、第2領域224が第1領域222の一側面226および他側面228に配置され、D1方向に直交するD2方向には第2領域224が配置されていなくてもよい。換言すると、第2領域224が、D1方向において、第1領域222に対してそれぞれ反対方向に設けられていてもよい。ただし、この場合、一側面226および他側面228の第2領域224は導通している、またはそれぞれに対して電位が供給されることが好ましい。
【0038】
以上のように、本発明の実施形態1に係る半導体装置10によると、トランジスタ素子100と同じ構造で容量素子200を形成することができるため、製造コストが低く、製造歩留まりが向上する半導体装置を提供することができる。容量素子200において、第1領域222が第1領域222よりも抵抗が低い第2領域224によって囲まれていることで、容量素子200の実効的な容量値の低下を抑制することができる。
【0039】
[半導体装置10の製造方法]
図4図8を用いて、本発明の実施形態1に係る半導体装置10の製造方法について、断面図を参照しながら説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法において、下地層を形成する工程を示す断面図である。図4に示すように、基板105上に下地層110を成膜する。
【0040】
図5は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法において、酸化物半導体層を形成する工程を示す断面図である。図5に示すように、図4に示す基板の全面に酸化物半導体層120、220を含む酸化物半導体層を成膜し、フォトリソグラフィおよびエッチングによって酸化物半導体層120、220のパターンを形成する。
【0041】
酸化物半導体層120、220を含む酸化物半導体層はスパッタリング法を用いて成膜することができる。当該酸化物半導体層のエッチングはドライエッチングで行ってもよく、ウェットエッチングで行ってもよい。ウェットエッチングで酸化物半導体層120、220を形成する場合、シュウ酸を含むエッチャントを用いることができる。
【0042】
図6は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法において、ゲート絶縁層およびゲート電極を形成する工程を示す断面図である。図6に示すように、酸化物半導体層120、220の上方にゲート絶縁層130、230およびゲート電極140、240を含む導電層を成膜し、フォトリソグラフィおよびエッチングによって図6に示すようなゲート電極140、240のパターンを形成する。図6では、ゲート絶縁層130、230がゲート電極140、240のエッチングストッパとして機能し、酸化物半導体層120、220がゲート絶縁層130、230から露出されない製造方法を示したが、この製造方法に限定されない。例えば、ゲート電極140、240のエッチング工程によってゲート絶縁層130、230がエッチングされ、酸化物半導体層120、220がゲート絶縁層130、230から露出されてもよい。
【0043】
図7は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法において、酸化物半導体層に不純物をドーピングする工程を示す断面図である。図7に示すように、上方(基板105に対してゲート電極140、240が形成された側)から不純物をドーピングする。平面視においてゲート電極140、240とオーバーラップしない領域では、不純物はゲート絶縁層130、230を介して酸化物半導体層120、220に到達する。酸化物半導体層120、220にドーピングされた不純物はキャリアとして機能するため、不純物がドーピングされた領域の酸化物半導体層120、220の抵抗が下がる。
【0044】
一方、平面視においてゲート電極140、240とオーバーラップする領域では、不純物がゲート電極140、240によってブロックされるため、不純物は酸化物半導体層120に到達しない。つまり、ゲート電極140、240とオーバーラップしない領域では、不純物は酸化物半導体層120、220を介した不純物のドーピングによって、酸化物半導体層120に活性層領域122、ならびに活性層領域122よりも低抵抗なソース領域124およびドレイン領域126が形成され、酸化物半導体層220に第1領域222および第1領域222よりも低抵抗な第2領域224が形成される。
【0045】
図8は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法において、層間絶縁層を形成する工程を示す断面図である。図8に示すように、ゲート電極140、240の上方に、ゲート電極140、240および酸化物半導体層120、220を覆う層間絶縁層150、250を成膜する。層間絶縁層150、250に対してフォトリソグラフィおよびエッチングを行うことで、開口部154、156、254、256を形成する。なお、開口部154、156、254は層間絶縁層150、250およびゲート絶縁層130、230に形成される。開口部256は層間絶縁層150だけに形成される。
【0046】
開口部154はソース領域124の酸化物半導体層120を露出する。開口部156はドレイン領域126の酸化物半導体層120を露出する。開口部254は第2領域224の酸化物半導体層220を露出する。開口部256はゲート電極240を露出する。そして、図8に示す基板にソース電極164、ドレイン電極166、第1電極264、および第2電極266を含む導電層を成膜し、フォトリソグラフィおよびエッチングによって図1および図2に示すソース電極164、ドレイン電極166、第1電極264、および第2電極266を形成する。上記に示す製造方法によって、本発明の実施形態1に係る半導体装置10を形成することができる。
【0047】
〈実施形態2〉
図9図12を用いて、本発明の実施形態2に係る半導体装置10Aの概要について説明する。なお、以下の実施形態で参照する図面において、実施形態1と同一部分または同様な機能を有する部分には同一の数字または同一の数字の後にアルファベットを追加した符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0048】
[半導体装置10Aの構造]
図9は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の概要を示す断面図である。図9に示す半導体装置10Aは図1に示す半導体装置10に類似しているが、半導体装置10Aは、ソース領域124Aおよびドレイン領域126Aの酸化物半導体層120Aが層間絶縁層150Aに接している点、ならびに第2領域224Aの酸化物半導体層220Aが層間絶縁層250Aに接している点において、半導体装置10とは相違する。半導体装置10Aにおいて、上記の酸化物半導体層120A、220Aが層間絶縁層150A、250Aと接することで、実施形態1で説明した不純物のドーピングとは異なる方法で酸化物半導体層120A、220Aを低抵抗化することができる。なお、本実施形態では、第2領域224Aの酸化物半導体層220Aに含まれる酸素欠損は、第1領域222の酸化物半導体層220に含まれる酸素欠損よりも多い。また、層間絶縁層150A、250AはSiNxを含む。
【0049】
[半導体装置10Aの製造方法]
図10図12を用いて、本発明の実施形態2に係る半導体装置10Aの製造方法について、断面図を参照しながら説明する。図10は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法において、酸化物半導体層、ゲート絶縁層、およびゲート電極を形成する工程を示す断面図である。図4および図5と同じ製造方法で下地層110Aおよび酸化物半導体層120A、220Aを形成する。酸化物半導体層120A、220Aの上方にゲート絶縁層130A、230Aおよびゲート電極140A、240Aを含む導電層を成膜し、フォトリソグラフィおよびエッチングによって図10に示すようなゲート電極140A、240Aおよびゲート絶縁層130A、230Aのパターンを形成する。つまり、ゲート電極140A、240Aおよびゲート絶縁層130A、230Aを一括エッチングし、酸化物半導体層120A、220Aをゲート電極140A、240Aおよびゲート絶縁層130A、230Aから露出する。
【0050】
なお、本実施形態では、酸化物半導体層120A、220Aのパターンを形成した後にゲート電極140A、240Aおよびゲート絶縁層130A、230Aのパターンを形成する製造方法を示したが、この製造方法に限定されない。例えば、ゲート電極140A、240Aおよびゲート絶縁層130A、230Aのパターンを形成した後に酸化物半導体層120A、220Aのパターンを形成してもよい。このようにすることで、酸化物半導体層120A、220Aをゲート電極140A、240Aおよびゲート絶縁層130A、230Aのエッチングストッパとして機能させることができる。
【0051】
図11は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法において、層間絶縁層を形成する工程を示す断面図である。図11に示すように、ゲート電極140A、240Aの上方に、ゲート電極140A、240Aおよび酸化物半導体層120A、220Aを覆い、酸化物半導体層120A、220Aに接する層間絶縁層150A、250Aを成膜する。なお、層間絶縁層150A、250Aの成膜はシランを多く用いた成膜条件で行われてもよい。つまり、層間絶縁層150A、250Aの成膜に用いるシランのその他のガスに対する比率は、ゲート絶縁層130A、230Aの成膜に用いるシランのその他のガスに対する比率よりも高くてもよい。シランの比率が高い条件で層間絶縁層150A、250Aを成膜することで、膜中の水素濃度が高い層間絶縁層150A、250Aを形成することができる。層間絶縁層150A、250Aの層構造は特に限定されないが、例えば、SiOx上にSiNxが形成された積層構造であってもよい。
【0052】
層間絶縁層150A、250Aの成膜時に、酸化物半導体層120A、220Aがシラン晒されることで、酸化物半導体層120A、220Aの酸素が還元され、酸化物半導体層120A、220Aに酸素欠損が生成される。酸素欠損は導電経路として機能するため、酸素欠損が生成された領域の酸化物半導体層120A、220Aの抵抗が下がる。
【0053】
層間絶縁層150A、250Aを成膜した後に、熱処理を行ってもよい。熱処理を行うことで、層間絶縁層150A、250Aに含まれていた水素が酸化物半導体層120A、220Aに拡散する。当該水素はソース領域124Aおよびドレイン領域126Aの酸化物半導体層120A、ならびに第2領域224Aの酸化物半導体層220Aに到達すると、上記の領域の酸化物半導体層120A、220Aに酸素欠損を生成する。
【0054】
図12は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法において、層間絶縁層にコンタクトを形成する工程を示す断面図である。図12に示すように、層間絶縁層150A、250Aに対してフォトリソグラフィおよびエッチングを行うことで、開口部154A、156A、254A、256Aを形成する。なお、開口部154A、156A、254A、256Aは層間絶縁層150A、250Aに形成される。そして、図12に示す基板にソース電極164A、ドレイン電極166A、第1電極264A、および第2電極266Aを含む導電層を成膜し、フォトリソグラフィおよびエッチングによって図9に示すソース電極164A、ドレイン電極166A、第1電極264A、および第2電極266Aを形成する。上記に示す製造方法によって、本発明の実施形態2に係る半導体装置10Aを形成することができる。
【0055】
以上のように、本発明の実施形態2に係る半導体装置10Aによると、トランジスタ素子100Aと同じ構造で容量素子200Aを形成することができるため、製造コストが低く、製造歩留まりが向上する半導体装置を提供することができる。酸化物半導体層120A、220Aに対して不純物をドーピングしなくても酸化物半導体層120A、220Aの抵抗を下げることができる。
【0056】
〈実施形態3〉
図13図16を用いて、本発明の実施形態3に係る表示装置の概要について説明する。表示装置は、実施形態1の半導体装置10または実施形態2の半導体装置10Aで説明したトランジスタ素子および容量素子を用いた画素回路である。なお、本実施形態に係る表示装置として示す画素回路はEL表示装置の画素回路である。ただし、上記の容量素子はEL表示装置の画素回路に限定されず、一対の電極に供給される電位の大小関係が反転しない回路に用いることができる。
【0057】
フルカラーを実現するための単色の画素をサブ画素といい、フルカラーまたは白色を実現可能なサブ画素の最小単位をメイン画素という。以下の説明において、画素回路として各サブ画素に設けられた回路について説明する。以下の実施形態で参照する図面において、実施形態1と同一部分または同様な機能を有する部分には同一の数字または同一の数字の後にアルファベットを追加した符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0058】
[サブ画素300Bの画素回路構成]
図13は、本発明の一実施形態に係る半導体装置における容量素子を使用する回路構成の一例を示す図である。図13に示すサブ画素300Bを構成するトランジスタは全てnチャネル型トランジスタである。図13に示すように、サブ画素300Bは、発光素子DO、駆動トランジスタDRT、出力トランジスタBCT、リセットトランジスタRST、画素選択トランジスタSST、保持容量Cs、および補助容量Cadを含む。補助容量Cadに半導体装置10または10Aで説明した容量素子200または200Aが用いられる。駆動トランジスタDRT、出力トランジスタBCT、リセットトランジスタRST、および画素選択トランジスタSSTに半導体装置10または10Aで説明したトランジスタ素子100または100Aが用いられる。
【0059】
発光素子DOのカソード電極はカソード電源線332Bに接続されている。発光素子DOのアノード電極は、駆動トランジスタDRTのドレイン電極、リセットトランジスタRSTのドレイン電極、保持容量Csの一方の電極、および補助容量Cadの一方の電極(第1電極302B)に接続されている。補助容量Cadの他方の電極(第2電極304B)はアノード電源線335Bに接続されている。アノード電源線335Bに供給されるアノード電源電位PVDDは、カソード電源線332Bに供給されるカソード電源電位PVSSよりも高い電位である。
【0060】
駆動トランジスタDRTのソース電極は、出力トランジスタBCTを介してアノード電源線330Bに接続されている。アノード電源線330Bにはアノード電源電位PVDDが供給される。駆動トランジスタDRTのゲート電極は、保持容量Csの他方の電極および画素選択トランジスタSSTのドレイン電極に接続されている。リセットトランジスタRSTのソース電極はリセット電源線342Bに接続されている。リセット電源線342Bにはリセット電源電位Vrstが供給される。画素選択トランジスタSSTのソース電極は映像信号線344Bに接続されている。映像信号線344Bには映像信号Vsigが供給される。
【0061】
出力トランジスタBCTのゲート電極は、出力制御信号線350Bに接続されている。出力制御信号線350Bには出力制御信号BGが供給される。リセットトランジスタRSTのゲート電極は、リセット制御信号線352Bに接続されている。リセット制御信号線352Bにはリセット制御信号RGが供給される。画素選択トランジスタSSTのゲート電極は、画素制御信号線354Bに接続されている。画素制御信号線354Bには画素制御信号SGが供給される。
【0062】
駆動トランジスタDRTのゲート電極には、映像信号(または、階調信号)に応じた電位が供給される。つまり、駆動トランジスタDRTは、出力トランジスタBCTを介して供給されたアノード電源電位PVDDに基づいて、映像信号に応じた電流を発光素子DOに供給する。このように、アノード電源線330Bに供給されたアノード電源電位PVDDは、駆動トランジスタDRTおよび出力トランジスタBCTによって降下するため、発光素子DOのアノード電極には、アノード電源電位PVDDよりも低い電位が供給される。つまり、補助容量Cadの第2電極304Bには、補助容量Cadの第1電極302Bよりも常に高い電位が供給される。例えば、第1電極302Bは図2に示す半導体装置10における第1電極264であり、第2電極304Bは半導体装置10における第2電極266である。第2電極266には常に第1電極264よりも高い電位が供給されるため、第1領域222は導通状態になる。これによって、第1領域222全域の酸化物半導体層220が容量素子の電極として機能する。
【0063】
[サブ画素300Cの画素回路構成の変形例1]
図14は、本発明の一実施形態の変形例に係る半導体装置における容量素子を使用する回路構成の一例を示す図である。図14に示すサブ画素300Cは、図13のサブ画素300Bと類似しているが、駆動トランジスタDRTのゲート電極に初期化トランジスタISTを介して初期化電源線340Cが接続されている点において、サブ画素300Bとは相違する。初期化電源線340Cには初期化電位Viniが供給される。初期化トランジスタISTのゲート電極は、初期化制御信号線356Cに接続されている。初期化制御信号線356Cには初期化制御信号IGが供給される。
【0064】
図14のサブ画素300Cでも、図13のサブ画素300Bと同様に、発光素子DOのアノード電極には、アノード電源電位PVDDよりも低い電位が供給される。つまり、補助容量Cadの第2電極304Cには、補助容量Cadの第1電極302Cよりも常に高い電位が供給される。第1電極302Cとして図2に示す半導体装置10における第1電極264を用い、第2電極304Cとして第2電極266を用いることで、第1領域222全域の酸化物半導体層220が容量素子の電極として機能する。
【0065】
[サブ画素300Dの画素回路構成の変形例2]
図15は、本発明の一実施形態の変形例に係る半導体装置における容量素子を使用する回路構成の一例を示す図である。図15に示すサブ画素300Dは、図13のサブ画素300Bと類似しているが、発光素子DOのアノード電極にリセットトランジスタRSTが接続されていない点、駆動トランジスタDRTと出力トランジスタBCTとの間にクロストークキャンセルトランジスタCCTが配置されている点、およびクロストークキャンセルトランジスタCCTと出力トランジスタBCTとの間にリセット電源線342Dが接続されている点において、サブ画素300Bとは相違する。クロストークキャンセルトランジスタCCTのゲート電極は、クロストークキャンセル制御信号線358Dに接続されている。クロストークキャンセル制御信号線358Dにはクロストークキャンセル制御信号CGが供給される。
【0066】
図15のサブ画素300Dでも、図13のサブ画素300Bと同様に、発光素子DOのアノード電極には、アノード電源電位PVDDよりも低い電位が供給される。つまり、補助容量Cadの第2電極304Dには、補助容量Cadの第1電極302Dよりも常に高い電位が供給される。第1電極302Dとして図2に示す半導体装置10における第1電極264を用い、第2電極304Dとして第2電極266を用いることで、第1領域222全域の酸化物半導体層220が容量素子の電極として機能する。
【0067】
[サブ画素300Eの画素回路構成の変形例3]
図16は、本発明の一実施形態の変形例に係る半導体装置における容量素子を使用する回路構成の一例を示す図である。図16に示すサブ画素300Eは、図14のサブ画素300Cと類似しているが、発光素子DOのアノード電極にリセットトランジスタRSTが接続されていない点、駆動トランジスタDRTと出力トランジスタBCTとの間にクロストークキャンセルトランジスタCCTが配置されている点、およびクロストークキャンセルトランジスタCCTと出力トランジスタBCTとの間にリセット電源線342Eが接続されている点において、サブ画素300Cとは相違する。クロストークキャンセルトランジスタCCTのゲート電極は、クロストークキャンセル制御信号線358Eに接続されている。クロストークキャンセル制御信号線358Eにはクロストークキャンセル制御信号CGが供給される。
【0068】
図16のサブ画素300Eでも、図14のサブ画素300Cと同様に、発光素子DOのアノード電極には、アノード電源電位PVDDよりも低い電位が供給される。つまり、補助容量Cadの第2電極304Eには、補助容量Cadの第1電極302Eよりも常に高い電位が供給される。第1電極302Eとして図2に示す半導体装置10における第1電極264を用い、第2電極304Eとして第2電極266を用いることで、第1領域222全域の酸化物半導体層220が容量素子の電極として機能する。
【0069】
以上のように、本発明の実施形態3およびその変形例に係る表示装置によると、トランジスタ素子と同じ構造で容量素子(補助容量Cad)を形成することができるため、製造コストが低く、製造歩留まりが向上する表示装置を提供することができる。
【0070】
〈実施形態4〉
図17を用いて、本発明の実施形態4に係る半導体装置10Fの概要について説明する。半導体装置10Fでは、容量素子200Fにおける第1領域222Fおよび第2領域224Fの形状について説明する。
【0071】
[第1領域222Fおよび第2領域224Fのパターン]
図17は、本発明の一実施形態に係る半導体装置において、酸化物半導体層の低抵抗領域を示す平面図である。図17において、第2領域224Fは斜線で描かれた領域である。図17は、図1で描かれている第2電極266および開口部256が省略されて描かれている。図17に示すように、第2領域224Fは第1領域222Fを連続して囲んでいる。さらに、第2領域224Fは、平面視において第1領域222Fの内側に突出した突出領域225Fを備えている。換言すると、第1領域222Fの一部にスリット(突出領域225Fに対応する領域)が設けられている。さらに換言すると、ゲート電極240Fは、平面視においてゲート電極240Fの内側に向かって延びる切り欠き領域(突出領域225Fに対応する領域)を備えている。なお、図17では、突出領域225FがD2方向に長手を有する形状である構成を例示したが、突出領域225FがD1方向に長手を有する構造であってもよい。
【0072】
第2領域224Fが突出領域225Fを備えることで、第1領域222Fにおける第2領域224Fからの最長距離(第1領域222Fにおいて、第2領域224Fからの距離が最も遠い点と、その点から最も近い第2領域224Fとの距離)をさらに短くすることができる。したがって、実効的な容量値の低下を抑制することができる。
【0073】
以上のように、本発明の実施形態4に係る半導体装置10Fによると、トランジスタ素子100Fと同じ構造で容量素子200Fを形成することができるため、製造コストが低く、製造歩留まりが向上する半導体装置を提供することができる。容量素子200Fにおいて、第1領域222Fが第2領域224Fに突出領域225Fが備えられていることで、容量素子200Fの実効的な容量値の低下を抑制することができる。
【0074】
なお、本発明は上記の実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0075】
10:半導体装置、 20:表示装置、 100:トランジスタ素子、 105:基板、 110:下地層、 120、220:酸化物半導体層、 122:活性層領域、 124:ソース領域、 126:ドレイン領域、 130、230:ゲート絶縁層、 140、240:ゲート電極、 150、250:層間絶縁層、 154、156、254、256:開口部、 164:ソース電極、 166:ドレイン電極、 200:容量素子、 222:第1領域、 224:第2領域、 225D:突出領域、 226:一側面、 228:他側面、 264、302:第1電極、 266、304:第2電極、 300:サブ画素、 330、335:アノード電源線、 332:カソード電源線、 340:初期化電源線、 342:リセット電源線、 344:映像信号線、 350:出力制御信号線、 352:リセット制御信号線、 354:画素制御信号線、 356:初期化制御信号線、 358B:クロストークキャンセル制御信号線
図1
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