(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の電流検知回路の検知結果と、前記第2の電流検知回路の検知結果との組合せに基づいて、前記c接点リレーの溶着と前記モータの故障とを判別することを特徴とする請求項4から7の何れか1項に記載のモータ制御装置。
モータから引き出された単一のコモン線と、前記モータから引き出された複数のタップ取出線とにより前記モータに交流電圧を印加して前記モータの回転速度を制御するモータ制御装置であって、
単一の前記コモン線と複数の前記タップ取出線の各々との間への前記交流電圧の印加を制御するc接点リレーを前記タップ取出線の数分有するリレー群と、
前記モータの停止時に前記c接点リレーを介して前記交流電圧が印加され、前記交流電圧が前記タップ取出線に印加されないときに流れる電流を検出する第1の電流検知回路を前記タップ取出線の数分有する電流検知回路群と、
を備え、
前記第1の電流検知回路の検知結果に基づいて、前記第1の電流検知回路に接続されている前記c接点リレーの接点の溶着を検出する
ことを特徴とするモータ制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照し、本発明の実施の形態に係るモータ制御装置について詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により、本発明が限定されるものではない。また、以下では、電気的な接続と物理的な接続とを区別せずに、単に「接続」と称して説明する。
【0011】
実施の形態.
まず、実施の形態に係るモータ制御装置の回路構成について、
図1及び
図2を参照して説明する。
図1は、実施の形態に係るモータ制御装置を含むモータ制御システムの回路構成を示す図である。
図2は、実施の形態におけるc接点リレーの内部構成を示す図である。
【0012】
実施の形態におけるモータ制御システム100は、
図1に示されるように、モータ1と、モータ1の回転速度の制御を行うモータ制御装置2とを含む。
【0013】
モータ1は、モータ巻線9及び温度ヒューズ10を備える。温度ヒューズ10は、モータ1の内部の異常発熱時に溶断する保護手段である。モータ1とモータ制御装置2とは、モータ1から引き出された単一のコモン線6と、モータ1から引き出された2つのタップ取出線7,8とによって接続されている。温度ヒューズ10は、モータ1の内部において、単一のコモン線6に挿入されている。
【0014】
交流電源3は、2つのタップ取出線7,8と、単一のコモン線6とにより、モータ1のモータ巻線9に交流電圧を印加する。モータ巻線9への通電によって、モータ1は回転駆動される。モータ1を収容する筐体50は、アース11によって接地される。
【0015】
モータ制御装置2は、電源回路4と、制御回路5と、駆動回路20と、第1の電流検知回路21a,21bと、第2の電流検知回路22とを備える。本実施の形態において、第1の電流検知回路21a,21bは、電流検知回路群21を構成する。また、モータ制御装置2を構成する電源回路4、制御回路5、駆動回路20、第1の電流検知回路21a,21b及び第2の電流検知回路22は、プリント基板52に配置されている。
【0016】
電源回路4は、制御回路5及び駆動回路20を駆動するための駆動電圧を生成する。制御回路5は、単一のコモン線6と、タップ取出線7,8のうちの何れか1つに対して、交流電源3が出力する交流電圧を印加させる制御を行う。これにより、制御回路5は、モータ1の回転速度の制御を行う。
【0017】
駆動回路20は、リレー群70を有する。リレー群70は、c接点リレー63及びc接点リレー64を有する。
【0018】
第1の電流検知回路21aの一端は、交流電源3の非接地側に接続され、第1の電流検知回路21aの他端は、c接点リレー63の接点23を介して交流電源3の接地側に接続される。また、第1の電流検知回路21bの一端は、交流電源3の非接地側に接続され、第1の電流検知回路21bの他端は、c接点リレー64の接点24を介して交流電源3の接地側に接続される。第2の電流検知回路22の一端は、単一のコモン線6に接続され、第2の電流検知回路22の他端は、タップ取出線7に接続される。なお、第2の電流検知回路22の他端は、タップ取出線8に接続されてもよい。
【0019】
タップ取出線7と、単一のコモン線6との間にc接点リレー63の接点23を介して交流電圧が印加されると、モータ1は第1の回転速度で駆動される。また、タップ取出線8と、単一のコモン線6との間にc接点リレー64の接点24を介して交流電圧が印加されると、モータ1は第2の回転速度で駆動される。なお、本実施の形態において、第1の回転速度は第2の回転速度よりも大きい、即ち第1の回転速度は第2の回転速度よりも「高速である」とする。以下、モータ1を第1の回転速度で駆動するときを「高速駆動」又は「高速運転」と呼び、第2の回転速度で駆動するときを「低速駆動」又は「低速運転」と呼ぶ。また、タップ取出線7を適宜「高速運転用のタップ取出線」と呼び、タップ取出線8を適宜「低速運転用のタップ取出線」と呼ぶ。なお、その他の要素についても、「高速運転用」又は「低速運転用」という文言を付して説明する場合がある。
【0020】
図2には、本実施の形態で用いるc接点リレー63,64の内部構成が示されている。c接点リレー63及びc接点リレー64は、同一の構成である。c接点リレー63は、高速運転用のリレーであり、コイル13と、接点23とを有する。c接点リレー64は、低速運転用のリレーであり、コイル14と、接点24とを有する。
【0021】
図2において、高速運転用のc接点リレー63は、コモン端子であるCOM端子23aと、ノーマリークローズ端子であるN.C.端子23bと、ノーマリーオープン端子であるN.O.端子23cとの3端子と、コイル13とを含む。低速運転用のc接点リレー64は、コモン端子であるCOM端子24aと、ノーマリークローズ端子であるN.C.端子24bと、ノーマリーオープン端子であるN.O.端子24cとの3端子と、コイル14とを含む。
【0022】
c接点リレー63において、COM端子23aは交流電源3の接地側に接続され、N.C.端子23bは第1の電流検知回路21aの一端に接続され、N.O.端子23cはタップ取出線7に接続される。また、c接点リレー64において、COM端子24aは交流電源3の接地側に接続され、N.C.端子24bは第1の電流検知回路21bの一端に接続され、N.O.端子24cはタップ取出線8に接続される。
【0023】
なお、
図2に示す構成は一例であり、N.C.端子とN.O.端子とを切り替え可能に構成されるリレーであれば、どのような構成のリレーを用いてもよい。
【0024】
図1に戻り、駆動回路20は、前述したc接点リレー63,64に加え、トランジスタ16,17と、抵抗器12a1,12a2,12b1,12b2と、ダイオード15a,15bとを更に備える。前述の通り、コイル13及び接点23はc接点リレー63の構成要素であり、コイル14及び接点24はc接点リレー64の構成要素である。
【0025】
トランジスタ16,17は、制御回路5の出力によりオン又はオフに制御される。トランジスタ16がオンに制御されるとコイル13に電流が流れ、コイル13は励磁状態となる。トランジスタ16がオフに制御されると、コイル13には電流が流れず、コイル13は非励磁状態となる。同様に、トランジスタ17がオンに制御されると、コイル14に電流が流れ、コイル14は励磁状態となる。トランジスタ17がオフに制御されると、コイル14には電流が流れず、コイル14は非励磁状態となる。
【0026】
抵抗器12a1,12a2は、トランジスタ16がオンに制御される際に、トランジスタ16にベース電流を供給する役割を担う。抵抗器12b1,12b2は、トランジスタ17がオンに制御される際に、トランジスタ17にベース電流を供給する役割を担う。ダイオード15aは、コイル13のオン又はオフ時に発生する逆起電圧を防止する役割を担う。ダイオード15bは、コイル14のオン又はオフ時に発生する逆起電圧を防止する役割を担う。
【0027】
図2において、コイル13が非励磁状態のとき、接点23はN.C.端子23bと接触し、COM端子23aとN.C.端子23bとが導通する。コイル13が励磁状態のとき、接点23はN.O.端子23cと接触し、COM端子23aとN.O.端子23cとが導通する。従って、コイル13が非励磁状態のときは、第1の電流検知回路21aの他端が交流電源3の接地側に接続されるので、第1の電流検知回路21aに第1電流が流れる。その結果、第1の電流検知回路21aは検知状態となる。一方、コイル13が励磁状態のときは、第1の電流検知回路21aの他端側が非接続となるので、第1の電流検知回路21aには電流が流れない。その結果、第1の電流検知回路21aは非検知状態となる。
【0028】
また、コイル14が非励磁状態のとき、接点24はN.C.端子24bと接触し、COM端子24aとN.C.端子24bとが導通する。コイル14が励磁状態のとき、接点24はN.O.端子24cと接触し、COM端子24aとN.O.端子24cとが導通する。従って、コイル14が非励磁状態のときは、第1の電流検知回路21bの他端が交流電源3の接地側に接続されるので、第1の電流検知回路21bに第1電流が流れる。その結果、第1の電流検知回路21bは検知状態となる。一方、コイル14が励磁状態のときは、第1の電流検知回路21bの他端側が非接続となるので、第1の電流検知回路21bには電流が流れない。その結果、第1の電流検知回路21bは非検知状態となる。
【0029】
第2の電流検知回路22は、コイル13,14が非励磁状態であり、且つ、温度ヒューズ10が溶断したときに流れる第2電流を検出する。第2電流は、数μAから数十μAオーダの電流であり、第1電流よりも小さい。第2の電流検知回路22が第2電流を検知する動作の詳細については、後述する。
【0030】
次に、第1の電流検知回路21a,21bの回路構成及び動作について、
図3を参照して説明する。
図3は、実施の形態における第1の電流検知回路21a,21bの回路構成の一例を示す図である。第1の電流検知回路21a及び第1の電流検知回路21bは、図示のように同一の回路を用いることができる。回路構成が同一であるため、以下、第1の電流検知回路21aを例に説明する。なお、
図3に示す構成は一例であり、各々の電流を検知できる仕様であれば、どのような構成でも構わない。
【0031】
図3において、第1の電流検知回路21aは、単一のコモン線6に接続される端子J1と、c接点リレー63のN.C.端子23bに接続される端子J2と、制御回路5に接続される端子J3とを有する。
【0032】
端子J1と端子J2との間には、抵抗器301、ダイオード302、ツェナーダイオード303、及びフォトカプラ306の発光ダイオード306aがこの順序で直列に接続されている。また、発光ダイオード306aの両端には、コンデンサ304及びブリーダー抵抗器305が互いに並列に接続されている。
【0033】
抵抗器301は、発光ダイオード306aに流れる電流を抑制する役割を担う。抵抗器301での電圧降下は比較的大きく、発熱を生じる。このため、抵抗器301としては、耐熱性の高い電力型抵抗器を用いることが好ましい。耐熱性の高い電力型抵抗器の一例は、酸化金属皮膜抵抗器である。また、酸化金属皮膜抵抗器に代えて、金属皮膜抵抗器又はチップ型抵抗器を用いてもよい。金属皮膜抵抗器又はチップ型抵抗器を用いる場合、複数個を使用して構成してもよい。抵抗器の数は、事前に評価を実施して決定すればよい。
【0034】
ダイオード302は、発光ダイオード306aに流れる電流を一方向のみとする役割を担う。電流を一方向のみ、即ち半波整流とすることで、抵抗器301の発熱を抑制する効果が得られる。
【0035】
ツェナーダイオード303は、意図しない電圧によるフォトカプラ306の誤検知を防止する役割を担う。第1の電流検知回路21aにおいて、端子J1と端子J2との間に、ツェナーダイオード303のツェナー電圧よりも高い電圧が印加されないと電流は検知されない。
【0036】
コンデンサ304及びブリーダー抵抗器305は、共に発光ダイオード306aの誤発光を抑止する役割を担う。
【0037】
端子J1を介して流入するノイズ電流の多くは、発光ダイオード306aには向かわず、コンデンサ304に流れて端子J2から流出する。このため、ノイズ電流による発光ダイオード306aの誤発光は抑止される。
【0038】
また、ブリーダー抵抗器305と発光ダイオード306aとは並列に接続されるので、端子J1を介して流入する電流は、ブリーダー抵抗器305と発光ダイオード306aとに分流する。このため、発光ダイオード306aを発光させるためには、分流分に見合った電流を端子J1から流入させる必要があり、意図しない小さな電流では発光ダイオード306aは発光しない。このため、意図しない電流による、発光ダイオード306aの誤発光は抑止される。
【0039】
受光側では、フォトカプラ306のフォトトランジスタ306bと、抵抗器307とが直列に接続される。フォトトランジスタ306bには、直流電流が流される。抵抗器307は、フォトトランジスタ306bに流れる電流を制限する。フォトトランジスタ306bの両端には、コンデンサ308が接続される。コンデンサ308は、フォトトランジスタ306bのノイズを除去する役割を担う。抵抗器307とフォトトランジスタ306bとの接続点と端子J3との間には、抵抗器309が挿入される。抵抗器309は、制御回路5の入力ポートを保護するための役割を担う。
【0040】
第1の電流検知回路21aは、上記のように構成され、検知結果を制御回路5に出力する。具体的には以下の動作となる。
【0041】
(1)第1の電流検知回路21aが電流を検出しない場合、発光ダイオード306aは発光せず、フォトトランジスタ306bは導通しない。その結果、抵抗器307には電流が流れず、端子J3には“ハイ(High)”の電位が現れる。従って、第1の電流検知回路21aが電流を検出しない場合、高電位の信号が制御回路5に出力される。
【0042】
(2)第1の電流検知回路21aが電流を検出すると発光ダイオード306aが発光し、フォトトランジスタ306bが導通する。その結果、抵抗器307には電流が流れ、抵抗器307による電圧降下によって、端子J3には“ロー(Low)”の電位が現れる。従って、第1の電流検知回路21aが電流を検出する場合、低電位の信号が制御回路5に出力される。
【0043】
次に、第2の電流検知回路22の回路構成及び動作について、
図4を参照して説明する。
図4は、実施の形態における第2の電流検知回路の回路構成の一例を示す図である。なお、
図4に示す構成は一例であり、電流を検知できる仕様であれば、どのような構成でも構わない。
【0044】
図4において、
図3に示される第1の電流検知回路21a及び第1の電流検知回路21bと同一又は同等の回路要素には、同一の符号を付している。以下、
図3に示される第1の電流検知回路21a及び第1の電流検知回路21bとの相違点を主に説明する。
【0045】
第2の電流検知回路22では、ツェナーダイオード303と、フォトカプラ306の発光ダイオード306aの両端に接続されていたブリーダー抵抗器305とを無くしている。これにより、第1の電流検知回路21a及び第1の電流検知回路21bでは検知できない大きさの第2電流に対しても、第2の電流検知回路22では検知することができる。
【0046】
次に、第2の電流検知回路22が第2電流を検知する原理について、
図5を参照して説明する。
図5は、
図1に示されるモータ制御システム100の構成において、モータ1の温度ヒューズ10が溶断した場合の電流経路を示す図である。なお、後でも説明するが、モータ1の温度ヒューズ10が溶断したか否かの判定は、モータ1の停止中に行われる。モータ1の停止中において、c接点リレー63の接点23はN.C.端子23bと接触し、COM端子23aとN.C.端子23bとが導通する。このため、タップ取出線7には、交流電源3の接地側の電位が印加されない。
【0047】
まず、温度ヒューズ10が溶断していない場合、単一のコモン線6とタップ取出線7との間には、モータ1のモータ巻線9が存在する。また、モータ1は停止中であり、モータ巻線9には電圧が生じないか、若しくは生じても電圧は小さい。このため、単一のコモン線6とタップ取出線7との間には、第2の電流検知回路22を動作させる電位差が生じない。従って、第2の電流検知回路22は、第2電流を検出しない。
【0048】
一方、温度ヒューズ10が溶断した場合、モータ1のモータ巻線9とモータ1の筐体50との間に生じる浮遊容量402を介してアース11に向かう電流経路401が発生する。電流経路401に流れる電流は、浮遊容量402を介してモータ1とアース11との間に流れうる漏れ電流である。
【0049】
第2の電流検知回路22は、電流経路401に流れうる漏れ電流に基づいて、温度ヒューズ10の溶断の有無を判定する。第2の電流検知回路22は、当該漏れ電流を検知すると、温度ヒューズ10が溶断したと判定する。また、第2の電流検知回路22は、温度ヒューズ10が溶断したと判定した場合、モータ1が故障したと判定し、或いはモータ1が異常であると判定する。
【0050】
なお、上述した浮遊容量402は、モータ1の大きさや容量等により異なり、第2電流の値も異なってくる。このため、電流経路401に流れる第2電流を予め測定し、第2の電流検知回路22が検知することを、事前評価によって確認しておくことが好ましい。
【0051】
次に、本実施の形態の制御回路5による制御フローについて、
図6から
図8の図面を参照して説明する。
図6は、実施の形態の制御回路5による制御フローの一例を示すフローチャートである。
図7は、
図6のフローチャートで用いる停止指令時の判定テーブルである。
図8は、
図6のフローチャートで用いる運転指令時の判定テーブルである。
【0052】
まず、制御回路5は、通常制御を行う(ステップS601)。本実施の形態における通常制御とは、以下の制御を指す。
【0053】
(ア)高速運転の要求に対して、制御回路5は、トランジスタ16をオンに制御してコイル13を動作させる。この制御により、接点23はN.O.端子23cと接触し、高速運転用のタップ取出線7とコモン線6とが接続され、モータ1は高速駆動される。
【0054】
(イ)低速運転の要求に対して、制御回路5は、トランジスタ17をオンに制御してコイル14を動作させる。この制御により、接点24はN.O.端子24cと接触し、低速運転用のタップ取出線8とコモン線6とが接続され、モータ1は低速駆動される。
【0055】
(ウ)停止指令の要求に対して、制御回路5は、双方のトランジスタ16,17をオフに制御して、コイル13,14を非動作とする。この制御により、接点23はN.C.端子23bと接触し、接点24はN.C.端子24bと接触する。高速運転用のタップ取出線7及び低速運転用のタップ取出線8は回路から切り離され、モータ1の駆動は停止される。
【0056】
図6のフローチャートに戻り、制御回路5は、モータ1が停止中か否かを判定する(ステップS602)。モータ1が停止中である場合(ステップS602,Yes)、停止指令時の判定処理を行う(ステップS603)。ステップS603の判定処理については、例えば
図7に示される判定テーブルに従って判定を行う。
【0057】
図7において、“出力”とあるのは、制御回路5から出力される信号を意味し、“入力”とあるのは、制御回路5に入力される信号を意味している。また、
図7には、制御回路5のトランジスタ16への指令が“オフ”であり、且つ、トランジスタ17への指令が“オフ”である場合において、高速運転用の第1の電流検知回路21a、低速運転用の第1の電流検知回路21b及び第2の電流検知回路22による検知結果の組合せのパターンが示されている。
【0058】
(パターン1−1)
制御回路5は、第1の電流検知回路21aが“電流検知あり”、第1の電流検知回路21bが“電流検知あり”、第2の電流検知回路22が“電流検知なし”の場合、「正常」と判定する。
【0059】
(パターン1−2)
制御回路5は、第1の電流検知回路21aが“電流検知あり”、第1の電流検知回路21bが“電流検知あり”、第2の電流検知回路22が“電流検知あり”の場合、モータ1の温度ヒューズ10が溶断していると判断し、「異常」と判定する。
【0060】
(パターン1−3)
制御回路5は、第1の電流検知回路21aが“電流検知あり”、第1の電流検知回路21bが“電流検知なし”の場合、低速運転用のc接点リレー64の接点24が溶着していると判断し、「異常」と判定する。
【0061】
(パターン1−4)
制御回路5は、第1の電流検知回路21aが“電流検知なし”、第1の電流検知回路21bが“電流検知あり”の場合、高速運転用のc接点リレー63の接点23が溶着していると判断し、「異常」と判定する。
【0062】
なお、c接点リレー63の接点23が溶着していた場合、接点23におけるCOM端子23aとN.O.端子23cとが導通する。このため、第2の電流検知回路22の両端には、単一のコモン線6及びタップ取出線7を介して交流電圧が印加される。また、c接点リレー64の接点24が溶着していた場合、接点24におけるCOM端子24aとN.O.端子24cとが導通する。このため、第2の電流検知回路22の両端には、単一のコモン線6、タップ取出線8、モータ巻線9及びタップ取出線7を介して交流電圧が印加される。従って、c接点リレー63の接点23及びc接点リレー64の接点24のうちの何れか一方が溶着していた場合には、第2の電流検知回路22には電流が流れる。このため、モータ1の温度ヒューズ10が溶断しているか否かの判断は、モータ1の停止中のみ行う。
【0063】
図6に戻り、ステップS603の判定処理を終えると、制御回路5は、ステップS603の判定結果が「正常」か否かを判定する(ステップS604)。ステップS603の判定結果が「正常」である場合(ステップS604,Yes)、ステップS601に戻り、ステップS601からステップS603の処理を繰り返す。一方、ステップS603の判定結果が「異常」である場合(ステップS604,No)、制御回路5は、トランジスタ16,17をオンに制御する信号の出力を禁止して(ステップS605)、
図6の処理を終了する。
【0064】
ステップS602の処理に戻り、制御回路5は、モータ1が停止中ではない、即ち運転中であると判定した場合(ステップS602,No)、運転指令時の判定処理を行う(ステップS606)。ステップS606の判定処理については、例えば
図8に示される判定テーブルに従って判定を行う。
図8には、制御回路5のトランジスタ16への指令が“オン”であり、且つ、トランジスタ17への指令が“オフ”である場合において、高速運転用の第1の電流検知回路21a及び低速運転用の第1の電流検知回路21bによる検知結果の組合せのパターンが示されている。また、制御回路5のトランジスタ16への指令が“オフ”であり、且つ、トランジスタ17への指令が“オン”である場合において、高速運転用の第1の電流検知回路21a及び低速運転用の第1の電流検知回路21bによる検知結果の組合せのパターンが示されている。
【0065】
まず、制御回路5のトランジスタ16への指令が“オン”であり、且つ、トランジスタ17への指令が“オフ”である場合における、検知結果の組合せのパターンについて説明する。
【0066】
(パターン2−1)
制御回路5は、第1の電流検知回路21aが“電流検知なし”、第1の電流検知回路21bが“電流検知あり”の場合、「正常」と判定する。
【0067】
(パターン2−2)
制御回路5は、第1の電流検知回路21aが“電流検知あり”、第1の電流検知回路21bが“電流検知あり”の場合、以下の3つの故障のうちの少なくとも1つが生起していると判断し、「異常」と判定する。
(a1)トランジスタ16が故障
(a2)c接点リレー63が故障
(a3)第1の電流検知回路21aが故障
上記の故障を区分すると、(a1)及び(a2)は駆動回路の故障であり、(a3)は電流検知回路の故障である。
【0068】
(パターン2−3)
制御回路5は、第1の電流検知回路21aが“電流検知なし”、第1の電流検知回路21bが“電流検知なし”の場合、c接点リレー64の接点24が溶着していると判断し、「異常」と判定する。
【0069】
(パターン2−4)
制御回路5は、第1の電流検知回路21aが“電流検知あり”、第1の電流検知回路21bが“電流検知なし”の場合、以下の3つの故障のうちの少なくとも1つが生起していると判断し、「異常」と判定する。
(b1)トランジスタ16が故障し、且つ、c接点リレー64の接点24が溶着
(b2)c接点リレー63が故障し、且つ、c接点リレー64の接点24が溶着
(b3)第1の電流検知回路21aが故障し、且つ、c接点リレー64の接点24が溶着
【0070】
次に、制御回路5のトランジスタ16への指令が“オフ”であり、且つ、トランジスタ17への指令が“オン”である場合における、検知結果の組合せのパターンについて説明する。
【0071】
(パターン2−5)
制御回路5は、第1の電流検知回路21aが“電流検知あり”、第1の電流検知回路21bが“電流検知なし”の場合、「正常」と判定する。
【0072】
(パターン2−6)
制御回路5は、第1の電流検知回路21aが“電流検知あり”、第1の電流検知回路21bが“電流検知あり”の場合、以下の3つの故障のうちの少なくとも1つが生起していると判断し、「異常」と判定する。
(c1)トランジスタ17が故障
(c2)c接点リレー64が故障
(c3)第1の電流検知回路21bが故障
上記の故障を区分すると、(c1)及び(c2)は駆動回路の故障であり、(c3)は電流検知回路の故障である。
【0073】
(パターン2−7)
制御回路5は、第1の電流検知回路21aが“電流検知なし”、第1の電流検知回路21bが“電流検知なし”の場合、c接点リレー63の接点23が溶着していると判断し、「異常」と判定する。
【0074】
(パターン2−8)
制御回路5は、第1の電流検知回路21aが“電流検知なし”、第1の電流検知回路21bが“電流検知あり”の場合、以下の3つの故障のうちの少なくとも1つが生起していると判断し、「異常」と判定する。
(d1)トランジスタ17が故障し、且つ、c接点リレー63の接点23が溶着
(d2)c接点リレー64が故障し、且つ、c接点リレー63の接点23が溶着
(d3)第1の電流検知回路21bが故障し、且つ、c接点リレー63の接点23が溶着
【0075】
図6に戻り、ステップS606の判定処理を終えると、制御回路5は、ステップS606の判定結果が「正常」か否かを判定する(ステップS607)。ステップS606の判定結果が「正常」である場合(ステップS607,Yes)、ステップS601に戻り、ステップS601からステップS606の処理を繰り返す。一方、ステップS606の判定結果が「異常」である場合(ステップS607,No)、制御回路5は、トランジスタ16,17の出力をオフに制御すると共に、これ以降トランジスタ16,17をオンに制御する信号の出力を禁止して(ステップS608)、
図6の処理を終了する。
【0076】
なお、本実施の形態では、
図1に示されるように、高速運転用のタップ取出線7と、低速運転用のタップ取出線8という2つのタップ取出線により、モータ1の回転速度の制御を行う例について説明したが、3つ以上のタップ取出線を用いてモータ1の回転速度の制御を行ってもよい。例えば、モータ1を、「高速運転」、「中速運転」及び「低速運転」という3種の回転速度で制御する場合には、3つのタップ取出線のそれぞれに第1の電流検知回路を配置すればよい。
【0077】
複数のタップ取出線を用いる場合の構成は、以下の通りである。
・タップ取出線の数と同数のc接点リレー、及びタップ取出線の数と同数の第1の電流検知回路を準備する。
・各々のタップ取出線上にc接点リレーを配置し、当該c接点リレーの接点におけるN.O.端子のそれぞれにタップ取出線を接続する。
・単一のコモン線と、c接点リレーの接点におけるN.C.端子のそれぞれとの間に第1の電流検知回路を接続する。
【0078】
以上説明したように、実施の形態に係るモータ制御装置によれば、タップ取出線の数と同数のリレーと、タップ取出線の数と同数の第1の電流検知回路を有し、単一のコモン線と、複数のリレーのN.C.端子のそれぞれとの間に第1の電流検知回路が接続される。この構成により、複数の第1の電流検知回路に印加される電圧は、モータ巻線で降圧されることはなく、複数の第1の電流検知回路に印加される電圧間には、実質的な差異はない。これにより、電流検知回路の接続構成に依らず、リレー接点の溶着等の故障を確実に検出することが可能となる。
【0079】
また、実施の形態に係るモータ制御装置によれば、第1の電流検知回路の検出結果に基づいてリレー接点の溶着故障が判定され、第2の電流検知回路の検出結果に基づいてモータの故障が判定される。即ち、リレーの接点の溶着故障と、モータの故障とが異なる電流検知回路によって、個別に監視される。これにより、リレー接点の溶着故障と、モータの故障とを誤判定することが防止される。また、故障箇所を判別することで、故障箇所の特定が可能となるため、メンテナンスに要する費用の増大が抑制される。
【0080】
また、従来ではモータの停止時のみ、リレー接点の溶着故障を判別していた。これは、従来の回路では、停止時だけでなく運転中においても電流検知回路にて電流を検知してしまう構成であった。このため、従来の回路は、運転中においては、リレー接点の溶着故障を検出できなかった。
【0081】
これに対し、本実施の形態では、
図6のフローチャートに示されるように、モータの運転状態に関わらず、即ちモータの停止時及び運転中の双方において、第1の電流検知回路によって、リレー接点の溶着故障の判定を行うことができる。これにより、運転中にリレー接点が溶着したとしても、制御回路がトランジスタの出力をオフにすることができるので、モータの故障を速やかに検出することが可能となる。
【0082】
最後に、
図1に示す制御回路5のハードウェア構成について、
図9を参照して説明する。
図9は、
図1に示す制御回路5の機能をソフトウェアで実現する場合のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0083】
実施の形態における制御回路5の機能をソフトウェアで実現する場合には、
図9に示すように、演算を行うプロセッサ500、プロセッサ500によって読みとられるプログラムが保存されるメモリ502、信号の入出力を行うインタフェース504を含む構成とすることができる。また、制御回路5には、プロセッサ500の処理結果をユーザに表示するための表示器506を含んでいてもよい。表示器506は、制御回路5の外部に設けられていてもよい。
【0084】
プロセッサ500は、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、CPU(Central Processing Unit)、又はDSP(Digital Signal Processor)といった演算手段であってもよい。また、メモリ502には、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)といった不揮発性又は揮発性の半導体メモリを例示することができる。
【0085】
メモリ502には、
図6の処理フローを実行するプログラム、並びに、
図7及び
図8に示される判定テーブルが格納されている。プロセッサ500は、インタフェース504を介して必要な情報を授受し、メモリ502に格納されたプログラムをプロセッサ500が実行し、メモリ502に格納された判定テーブルをプロセッサ500が参照することにより、
図6の処理フローを実行することができる。プロセッサ500による処理結果及び判定結果は、メモリ502に記憶することができる。またプロセッサ500による処理結果及び判定結果は、表示器506に表示することができる。
【0086】
なお、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。