【文献】
森岡 剛,サムスンペイとMSTの日本市場における可能性,2015年10月13日,https://insight.infcurion.com/payment/samsung-pay-on-jpmarket/,[online],[2021年5月31日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の技術的課題は、スマートフォンが、音波通信を用いて既存の磁気セキュア伝送(Magnetic Secure Transmission、MST)端末とのデータ送信および受信を行えるようにする、音波通信を用いた近距離決済システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施の形態による音波通信を用いた近距離決済システムは、決済モードで動作するとき、カード情報が含まれている音波信号であるカード情報音波信号を送信及び受信するユーザ端末と、前記カード情報音波信号を受信する場合、カード情報音波信号からカード情報を抽出した後、抽出したカード情報にマッチングされる磁場を発生させる磁場変換器と、前記磁場変換器から発生する磁場を用いて決済処理を行う磁気セキュア伝送(Magnetic Secure Transmission、MST)決済機と、を含むことができる。
【0008】
前記磁場変換器は、予め設定された近接範囲内において物体が感知される場合、ユーザ端末にカード情報をリクエストする音波信号であるアウェイク音波信号を第1チャネルを介して送信し、前記ユーザ端末は、前記第1チャネルを介してアウェイク音波信号を感知すれば、決済モードで動作して、前記カード情報が含まれているカード情報音波信号を第2チャネルを介して送信することができる。
【0009】
前記磁場変換器は、予め設定された近接範囲内に物体が存在するか否かを感知する近接感知センサと、前記近接範囲内において感知されるユーザ端末がある場合、暗号化キーを有するアウェイク音波信号を第1チャネルを介して送信するアウェイク音波信号送信部と、
第2チャネル上においてカード情報音波信号を受信するカード情報音波信号受信部と、受信したカード情報音波信号からカード情報を抽出するカード情報抽出部と、抽出したカード情報にマッチングされる磁場を発生させる磁場発生部と、を含むことができる。
【0010】
前記磁場変換器は、抽出されたカード情報をRS通信を介して前記MST決済機に伝送するRS通信部を含むことができる。
【0011】
前記アウェイク音波信号送信部は、暗号化キーを生成する暗号化キー生成モジュールと、前記暗号化キーとカード情報リクエストコードとが含まれているアウェイク音波データを生成するアウェイク音波データ生成モジュールと、音波信号が出力される変換器スピーカと、前記アウェイク音波データを音波信号に変換したアウェイク音波信号を第1チャネルに載せて前記変換器スピーカを介して送信するアウェイク音波信号送信モジュールと、を含むことができる。
【0012】
第2チャネル上においてカード情報音波信号が感知される場合、前記アウェイク音波信号送信モジュールは、第2チャネル上のアウェイク音波信号の送信を停止させることを特徴とすることができる。
【0013】
前記カード情報音波信号受信部は、カード情報音波信号を入力される変換器マイクと、前記変換器マイクを使って、第2チャネル上にカード情報音波信号があるか否かを感知する音波信号感知モジュールと、第2チャネル上においてカード情報音波信号が感知される場合、第2チャネル上のカード情報音波信号から暗号化キーを抽出して暗号化キーの有効性を検証する有効性検証モジュールと、を含み、前記カード情報抽出部は、有効性の検証に成功したカード情報音波信号からのみカード情報を抽出し、有効性の検証に失敗したカード情報音波信号からはカード情報を抽出しないことを特徴とすることができる。
【0014】
前記近接範囲内において物体が感知される場合、前記変換器マイクと変換器スピーカとを活性化し、前記近接範囲内において物体が感知されない場合、前記変換器マイクと変換器スピーカとを非活性化することを特徴とすることができる。
【0015】
前記ユーザ端末は、前記アウェイク音波信号を受信する端末マイクと、前記カード情報音波信号を出力する端末スピーカと、前記カード情報リクエストコードを有するアウェイク音波信号が第1チャネル上において受信される場合、前記端末マイクを非活性化した後、前記アウェイク音波信号から暗号化キーを抽出する暗号化キー抽出部と、前記暗号化キーとカード情報とが含まれている音波信号であるカード情報音波信号を生成するカード情報音波信号生成部と、前記カード情報音波信号を第2チャネルに載せて前記端末スピーカを介して送信するカード情報音波信号送信部と、を含むことができる。
【0016】
前記暗号化キーは、乱数対称暗号化キーであることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の実施形態によれば、特定のメーカーの特定の端末でのみ使用されたMST決済端末間の非接触通信によるデータ伝送方式を大幅に改善することにより、スマートフォンの種類に関係なく、既存の店舗でMST方式のクレジットカード決済端末やPOS決済機などの既存のすべてのカード決済インフラをそのまま活用して、スマートフォン非接触通信による決済を行うことができ、これにより顧客のスマートフォン決済の使いやすさを向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の利点及び特徴並びにこれらを達成する方法は、添付図面と結び付けて詳細に後述する実施例を参照すれば明らかになる。しかしながら、本発明は後述する実施形態に何ら限定されるものではなく、異なる様々な形態に実現可能であり、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範囲により定義される。なお、本発明を説明するに当たり、関連した公知技術などが本発明の要旨を曖昧にすることがあると判断される場合、それに関する詳細な説明は省略することにする。
【0020】
図1は、本発明の実施例による音波通信を用いたMST決済システムの構成図であり、
図2は、本発明の実施例によるMST決済システムの動作の一例を示す図であり、
図3は、本発明の実施例により、ユーザ端末が磁場変換器に近接しているか否かに基づく磁場変換器の動作の一例を示す図である。
【0021】
本発明の音波通信を用いたMST決済システムは、スマートフォンの種類に関係なく、既存の店舗でMST方式のクレジットカード決済端末やPOS決済機などの既存のすべてのカード決済インフラをそのまま活用して、スマートフォン非接触通信による決済を可能にする。
【0022】
このために、本発明のMST決済システムは、MST決済機300、ユーザ端末100、および磁場変換器200を含む。
【0023】
MST決済機300は、磁場変換器200から発生する磁場を用いて決済処理を行う端末である。すなわち、MST決済機300は、磁場変換器200から発生する磁場を読み取ってカード情報を抽出して決済に活用する。
【0024】
ユーザ端末100は、ユーザのクレジットカード、デビットカードなどの金融カードの情報(カード番号、有効期限など)が記録されている端末であり、図面では、スマートフォン(smart phone)を例に挙げて説明するが、スマートフォンだけでなく、タブレットPC(tablet PC)、スレートPC(slate PC)、携帯マルチメディアプレーヤ(Portable Multimedia Player;PMP)などが該当できる。もちろん、本発明が適用可能な端末は、上述した種類に限定されず、外部装置との通信が可能な端末であればいずれの端末であってもよいことは明らかである。
【0025】
ユーザ端末100は、決済モードで動作するとき、カード情報が含まれている音波信号(以下、「カード情報音波信号」という)を送信する。ここで、音波信号は、音波の周波数帯域、例えば、18,000Hzから19,800Hzの間の信号である。このような周波数帯域は、人間に聞こえる可聴周波数帯域の音波ではないため、人間には聞こえない周波数の信号である。したがって、このような非可聴音波の周波数帯域の信号を用いて、カード情報が含まれているカード情報音波信号を送信する。このようなユーザ端末100についての詳細は後述する。
【0026】
磁場変換器200は、ユーザ端末100からカード情報音波信号を受信する場合、カード情報音波信号からカード情報を抽出する。さらに、磁場変換器200は、抽出したカード情報にマッチングされる磁場を発生させる。
【0027】
一般に、磁気セキュア伝送技術であるMST(Magnetic Secure Transmission)は、磁気クレジットカード情報を無線で送信して決済する方式であって、カード情報を盛り込んだ機器が搭載されたスマートフォンを、クレジットカード決済端末にかざすと、MST決済機300がカード情報を自動的に読み込んで決済を行う。
【0028】
そこで、本発明の磁場変換器200は、
図2に示すように、ユーザのカード情報を音波形態としてユーザ端末100からの入力を受け、入力された音波からカード情報を抽出してこれを磁場形態に変換して出力し、MST決済機300は、磁場によりカード情報を読み取り、カード決済を行う。したがって、従来は、磁場を生成できるスマートフォンのみがMST決済機300を用いることができたが、これに対し、本発明の磁場変換器200を備える場合は、すべてのタイプのユーザ端末100を用いてMST決済機300による決済を行うことができる。
【0029】
さらに、磁場変換器200とユーザ端末100とは、異なるチャネルを介して音波の送受信が行われるようにする。すなわち、相互干渉を避けるために、二つの異なるチャネルを介して音波の送信及び受信が行われるようにする。
【0030】
このために、予め設定された近接範囲内において物体が感知される場合、磁場変換器200は、ユーザ端末100にカード情報をリクエストする音波信号(以下、「アウェイク音波信号」という)を第1チャネルを介して送信する。ユーザ端末100は、第1チャネルを介してアウェイク音波信号(awake sound wave signal)を感知すれば、決済モードで動作して、カード情報が含まれているカード情報音波信号を第2チャネルを介して送信する。
【0031】
また、
図3(a)に示すように、ユーザ端末100が磁場変換器200の近接範囲内で隣接している場合、磁場変換器200の各モジュールが動作する。これに対し、
図3(b)に示すように、ユーザ端末100が磁場変換器200から離れて近接範囲を外れる場合、磁場変換器200のすべての作動が停止して初期化される。
【0032】
図4は、本発明の実施例による磁場変換器の構成ブロック図であり、
図5は、本発明の実施例によるアウェイク音波データのフレームの一例を示す図であり、
図6は、本発明の実施例による音波送信時に使用される補正テーブルの一例を示す図である。
【0033】
磁場変換器200は、
図4に示すように、近接感知センサ210、アウェイク音波信号送信部220、カード情報音波信号受信部230、カード情報抽出部240、および磁場発生部250を含むことができる。このほか、RS通信部(図示せず)をさらに含むことができる。
【0034】
近接感知センサ210は、予め設定された近接範囲内に物体が存在するか否かを感知するセンサである。ここで、物体とは、人や物などのすべての物体を含む概念である。近接感知センサ210は、小型サイズで受信率が良いセンサであれば、人体感知センサ、レーザセンサ、超音波センサなどの様々なセンサが使用されてもよい。近接感知センサ210は常時動作しており、近接感知センサ210の周りに物体が存在しない場合、近接感知センサはON(待機中)状態となり、すべての値が初期化される。
【0035】
アウェイク音波信号送信部220は、近接範囲内において感知されるユーザ端末100がある場合、暗号化キーを有するアウェイク音波信号を第1チャネルを介して送信する。このために、アウェイク音波信号送信部220は、暗号化キー生成モジュール221、アウェイク音波データ生成モジュール222、変換器スピーカ223、およびアウェイク音波信号送信モジュール224を含むことができる。
【0036】
暗号化キー生成モジュール221は、暗号化キーを生成するモジュールである。ここで、暗号化キーは、乱数対称に暗号化された乱数対称暗号化キーとして実現されてもよい。ここで、乱数対称暗号化キーは、例えば、ランダムな20桁の数字の乱数を発生させ、このような乱数を所定の暗号化アルゴリズムに適用して生成される暗号化キーである。
【0037】
アウェイク音波データ生成モジュール222は、
図5に示すように、暗号化キーとカード情報リクエストコードとが含まれているアウェイク音波データを生成するモジュールである。ここで、カード情報リクエストコードは、ユーザ端末100にカード情報の提供をリクエストするコード情報であり、ユーザ端末100と予め約定したコード情報である。
【0038】
変換器スピーカ223は、音波信号が出力されるモジュールである。近接範囲内において物体が感知される場合、変換器スピーカ223を活性化し、これに対し、近接範囲内において物体が感知されない場合、変換器スピーカ223を非活性化する。これは、物体が感知されない場合には、変換器スピーカ223を活性化する必要がないからである。
【0039】
アウェイク音波信号送信モジュール224は、アウェイク音波データを音波信号に変換したアウェイク音波信号を第1チャネルに載せて変換器スピーカ223を介して送信する。
周知のように、音波通信は、ブルートゥース(Bluetooth)などのRF通信よりも低電力の通信が可能である。音波通信では、データを音波信号として伝送するために2値周波数偏移変調(BFSK:Binary Frequency Shift Keying)と、振幅偏移変調(ASK:Amplitude Shift Keying)などの連続波(CW:Continuous Waveform)変調とを用いる。BFSK変調方式は、特定の2つの周波数の音波にそれぞれ0と1を割り当てる方式であり、CW変調方式は、周波数とは関係なく、特定の強度以上の音を特定の時間以上持続するものに1を割り当て、無音状態を特定の時間以上持続するものに0を割り当てる方式である。このような変調方式による通信では、特定の単位時間に2つの形態の音波を用いて1ビットのデータだけを伝送することができる。通常の移動通信端末で使用される音波は、電波よりもかなり低い周波数を持っているため、伝送するデータの列を区別するために使用される時間である単位時間は、電波のそれよりもかなり長い。したがって、2つの形態の音波のみを用いて単位時間に1ビットだけを伝送する場合、伝送速度が低くならざるを得ないため、2つの形態の音波だけでない、様々な周波数音を有する音波を用いて通信を行う。すなわち、使用される周波数音を音楽で使用されるピッチ周波数と設定し、それぞれのピッチ周波数にデータデジタル値を対応させ、様々な周波数音を伝送してデコードすることで通信を行う。これにより、単位時間当たり多数のビットを伝送するようになる。
【0040】
また、アウェイク音波信号送信モジュール224は、第2チャネル上においてユーザ端末100から送られてくるカード情報音波信号が感知される場合、第1チャネル上のアウェイク音波信号の送信を停止する。これは、第1チャネル及び第2チャネルの周波数エラーを防ぐために、隣接する第2チャネル上においてカード情報音波信号が感知される場合、第1チャネルにおける音波送信を停止することである。
【0041】
一方、磁場変換器200のカード情報音波信号受信部230は、第2チャネル上においてカード情報音波信号を受信する機能を実行する。このために、カード情報音波信号受信部230は、変換器マイク231、音波信号感知モジュール232、および有効性検証モジュール233を含むことができる。
【0042】
変換器マイク231は、磁場変換器200に設けられたマイクであり、カード情報音波信号の入力を受ける。近接範囲内において物体が感知される場合、変換器マイク231を活性化し、これに対し、近接範囲内において物体が感知されない場合、変換器マイク231を非活性化する。これは、物体が感知されない場合、変換器マイク231を活性化する必要がないからである。
【0043】
音波信号感知モジュールは、変換器マイク231を介して第2チャネル上にカード情報音波信号が存在するか否かを感知する機能を実行する。
【0044】
有効性検証モジュール233は、第2チャネル上においてカード情報音波信号が感知される場合、第2チャネル上のカード情報音波信号から暗号化キーを抽出して暗号化キーの有効性を検証するモジュールである。暗号化キーの有効性は、アウェイク音波信号送信部220から送信されたアウェイク音波信号に含まれている暗号化キーと一致するか否かを検証することである。
【0045】
カード情報抽出部240は、受信したカード情報音波信号からカード情報を抽出する。さらに、カード情報抽出部240は、有効性の検証に成功したカード情報音波信号のみからカード情報を抽出し、有効性の検証に失敗したカード情報音波信号からはカード情報を抽出しない。有効性の検証に失敗したカード情報音波信号は、カード情報を抽出せずに廃棄処分される。
【0046】
磁場発生部250は、抽出されたカード情報にマッチングされる磁場を発生させる。磁場発生部250は、抽出されたカード情報を、磁気セキュア伝送技術であるMST(Magnetic Secure Transmission)にマッチングさせて磁場の形態として発生させるのである。
【0047】
RS通信部(図示せず)は、抽出されたカード情報をRS通信を介して前記MST決済機300に伝送する。RS通信部は、RS−232,484などのシリアル通信(serial communication)及びパラレル通信(parallel communication)を用いて、ユーザのカード情報をMST決済機300に直接伝送するのである。必要に応じて、RS通信部は、磁場のほかにRS通信を介してカード情報を有線で提供する。
【0048】
一方、近接感知センサ210、アウェイク音波信号送信部220、カード情報音波信号受信部230、カード情報抽出部240、磁場発生部250、およびRS通信部(図示せず)を備える磁場変換器200は、バッテリにより駆動電力を提供されてもよいが、別途のUSBケーブルを備えてMST決済機300から駆動電力を提供されてもよい。MST決済機300のUSBポートにUSBケーブルが挿入されてMST決済機300から駆動電力を提供されるのである。
【0049】
一方、アウェイク音波信号を送信する際にはハードウェアの特性を考慮しなければならない。2進数のビットまたは2進数を超えるビットを用いて音波通信を行うに当たり、スピーカを介して音波が 送信される際に、スピーカのハードウェア特性により、元々設定された基準周波数ではない、わずかな誤差を持つ他の周波数に載せられて音波が 送信される可能性があるが、音波を受信するマイクにおいて元々設定された基準周波数で音波を復調するため、正確なデータを受信できないという問題が発生する虞があり、それゆえに、ハードウェアの特性を考慮する必要がある。すなわち、変換器スピーカ223を介して音波が送信される際に、スピーカ及びアウェイク音波信号送信モジュール224のハードウェア特性により、元々設定された基準周波数ではない、わずかな誤差を持つ他の周波数に載せられて音波が 送信される可能性があるが、音波を受信するマイクにおいて元々設定された基準周波数で音波を復調するため、正確なデータを受信できない可能性がある。
【0050】
したがって、スピーカ及びアウェイク音波信号送信モジュール224のハードウェア特性を考慮して音波信号の周波数帯域を決定する。このために、
図6に示す別途の補正テーブルを使用してもよい。
【0051】
次に、補正テーブルについて詳述する。ユーザ端末100及び磁場変換器200は、磁場変換器200のハードウェア特性に起因する誤差を補正するための補正値ごとに補正周波数が割り当てられた補正周波数帯域を設定して、補正値「0」に補正基準周波数を割り当てたハードウェア補正テーブルをそれぞれ備える。
【0052】
アウェイク音波信号を送信する磁場変換器200は、データの桁数に割り当てられたデータ周波数を設定された基本デシベルの大きさで発生させ、音波信号の受信時に最も近い場所から送信された音波信号に載せられたデータを受信するための分離受信フィルタの周波数を基本デシベルの大きさで発生させ、ハードウェア発信補正のための補正基準周波数を基本デシベルの大きさで発生させる。
【0053】
アウェイク音波信号を受信するユーザ端末100は、アウェイク音波信号を受信してデータの周波数別にデシベルを抽出して配列させた後、ハードウェア補正テーブルを用いて抽出した補正値分だけ配列をシフトさせて補正を行い、分離受信フィルタの周波数の帯域の中で最大のデシベルを有する分離受信フィルタの周波数に割り当てられた配列因子の数分だけデータ周波数のデシベルが大きい順に抽出してデータを復元する。
【0054】
ハードウェア補正テーブルは、
図6に示すように、アウェイク音波信号を送信する磁場変換器200のハードウェア特性による誤差を補正する補正値別に補正周波数が割り当てられた補正周波数帯域を設定して、補正値「0」に補正基準周波数を割り当てたメモリテーブルである。音波信号が発信される際に、スピーカのハードウェア特性により、元々設定された基準周波数ではない、わずかな誤差を持つ他の周波数に載せられて音波が 送信される可能性があるが、このようなハードウェア特性による誤差を補正するために、磁場変換器200及びユーザ端末100のそれぞれに同一のハードウェア補正テーブルを備える。補正値「0」に割り当てられた補正周波数を補正基準周波数とする。
【0055】
図6を参照すると、補正周波数帯域は18,065Hzから18,095Hzの範囲であり、補正周波数は5Hz間隔で割り当てられていて、18,065Hzでは補正値3、
18,070Hzでは補正値2、18,075Hzでは補正値1、18,080Hzでは補正値0、18,085Hzでは補正値−1、18,090Hzでは補正値−2、18,095Hzでは補正値−3をそれぞれ有することができる。したがって、補正値0を有する18,080Hzが補正基準周波数に該当する。これにより、アウェイク音波信号を送信する磁場変換器200は、ハードウェア特性誤差補正手段として、ハードウェア発信補正のための補正周波数を選択して基本デシベルの大きさで発信する。このような補正テーブルを用いた音波送信及び音波受信についてのより詳細な説明は、本出願人により出願登録された韓国登録特許10−1568314に記載されている。
【0056】
図7は、本発明の実施例によるユーザ端末の構成ブロック図であり、
図8は、本発明の実施例による暗号化キーとカード情報とが含まれているカード情報音波データのフレーム構造の一例を示す図である。
【0057】
ユーザ端末100は、決済モードで動作するとき、カード情報が含まれている音波信号であるカード情報音波信号を送信する。このために、ユーザ端末100は、
図7に示すように、端末マイク110、端末スピーカ120、暗号化キー抽出部130、カード情報音波信号生成部140、及びカード情報音波信号送信部150を含むことができる。
【0058】
端末マイク110は、ユーザ端末100に設けられたマイクロであり、アウェイク音波信号を受信する機能を実行する。
【0059】
端末スピーカ120は、ユーザ端末100に設けられたスピーカであり、カード情報音波信号を出力する機能を実行する。
【0060】
暗号化キー抽出部130は、カード情報リクエストコードを有するアウェイク音波信号が第1チャネル上において受信される場合、端末マイク110を非活性化した後、アウェイク音波信号から暗号化キーを抽出する機能を実行する。
【0061】
カード情報音波信号生成部140は、
図8に示すように、暗号化キーとカード情報とが含まれているカード情報音波データを生成して、これの音波信号であるカード情報音波信号を生成する。データを音波信号として伝送するために2値周波数偏移変調(BFSK:Binary Frequency Shift Keying)と、振幅偏移変調(ASK:Amplitude Shift Keying)などの連続波(CW:Continuous Waveform)変調とを用いることができる。
【0062】
カード情報音波信号送信部150は、カード情報音波信号を第2チャネルに載せて前記端末スピーカ120を介して送信する。したがって、磁場変換器200の変換器マイク231からカード情報音波信号を受信し、それを磁場の形態に変換することにより、MST決済機300で磁場による決済を行うことができる。
【0063】
上述した本発明の説明における実施例は、様々な実施可能な例の中から当業者の理解を助けるために最も好適な例を選定して提示したものであって、本発明の技術的思想が必ずしもこの実施例に限定あるいは制限されるものではない。本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内において様々な変化、変更及び均等な他の実施例が可能である。