(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に説明する
図1A乃至
図8、及び本特許明細書において本発明の原理を説明するために使用される様々な実施形態は、例示のためのものに過ぎず、本発明の範囲を制限するために決して解釈されるべきではない。当業者であれば、本発明の原理は、任意のタイプの適切に配置された装置又はシステムで実施することができることを理解するであろう。
【0012】
上述したように、多数のデバイス及びシステムが、回転エンコーダを含むが、回転エンコーダの直径は、エンコーダの所要数の有限位置が増加するにつれて著しく増加し得る。本開示は、回転エンコーダのための非シーケンシャルな一意的ビットパターンを設計するための技術を記述する。次いで、回転エンコーダのスイッチが、設計されたビットパターンに基づいて、回転エンコーダ内の特定の位置に接続(電気的、光学的、又は磁気的接続など)を形成するように、回転エンコーダを設計することができる。スイッチの少なくとも一部は、ノブ、ダイヤル、ポインタ、又は回転可能な他の物体の中心から同一又は類似の半径方向距離に配置することができる。接続を形成するスイッチには「1」のデジタルビットを割り当てることができ、接続を形成しないスイッチには「0」のデジタルビットを割り当てることができる(或いはその逆)。したがって、スイッチは、オブジェクトの現在の回転位置を定義するマルチビットデジタル値を生成するために使用することができる。スイッチが接続を形成する位置は、設計されたビットパターンに基づいて選択することができ、その結果、(i)オブジェクトが回転されるときに、非シーケンシャルデジタル値が生成され、(ii)デジタル値は、オブジェクトの異なる離散的な回転位置を一意に定義する。
【0013】
設計されたビットパターンは、回転エンコーダの異なる離散的な回転位置が異なるデジタル値に関連付けられることを保証するのに役立ち、そのため、オブジェクトの回転位置は、デジタル値を用いて容易に識別することができる。とりわけ、このアプローチは、コンパクトな回転エンコーダを設計することを可能にし、回転エンコーダは、従来のエンコーダと比較して、デジタル値に関連する離散的な回転位置の数を増加させることができる。このことは、よりコンパクトな解法を用いて符号化ビットパターンを得ることができるので、大径回転エンコーダの必要性を低減する。また、エンコーダを小型化又はコンパクト化することにより(大径エンコーダに比較して)、エンコーダの使いやすさを向上させることができ、これにより、回転エンコーダの人間工学的性を高めることができる。さらに、このような回転エンコーダは、サイズ、重量、又はコストを低減することができ、これはまた、回転エンコーダが使用されるシステム全体のサイズ、重量、又はコストを低減することができる。
【0014】
図1A乃至1Cは、本開示による非シーケンシャル一意的ビットパターンを有する例示的な回転エンコーダ100を示す。より具体的には、
図1Aは、回転エンコーダ100の分解図を示し、
図1Bは、回転エンコーダ100の組み立てられたバージョンの端面図を示す。また、
図1Cは、回転エンコーダ100の組み立てられたバージョンの断面図を示しており、
図1Bの線A-Aに沿って断面が切られている。
【0015】
図1A乃至1Cに示すように、回転エンコーダ100は、スイッチノブ102、電源104、電源キャップ106を含む。スイッチノブ102は、一般に、ユーザなどによって回転可能なオブジェクトを表す。次いで、回転エンコーダ100は、スイッチノブ102の回転位置に基づいて1つ以上のデジタル値を生成することができる。スイッチノブ102は、金属又はプラスチックなどのような任意の適切な材料から形成することができる。スイッチノブ102はまた、機械加工、射出成形、又はアディティブ製造などのような任意の適切な方法で形成することができる。さらに、スイッチノブ102は、任意の適切なサイズ、形状、及び寸法を有することができる。本実施例では、スイッチノブ102は、概して、溝付き外方表面を有する円筒形であるが、スイッチノブ102には他の形態を使用することもできる。
【0016】
電源104は、回転エンコーダ100に電力を供給し、任意に1つ以上の外部構成要素に電力を供給する。例えば、電源装置104は、回転エンコーダ100がスイッチノブ102の回転位置を識別するデジタル値を生成又は使用できるように、回転エンコーダ100のコントローラ又は他の構成要素に電力を供給することができる。電源104はまた、回転エンコーダ100に結合された他の回路構成要素に電力を提供することができる。本実施例における電源104は、CR2032コインバッテリ又は他のバッテリのような電気化学的貯蔵装置を表す。しかしながら、電源104は、多くの他の形態を有することができ、コインバッテリ又は他のバッテリを表す必要はない。例えば、電源104は、1つ又は複数のスーパーキャパシタ又は燃料電池を含むことができる。
【0017】
電源キャップ106は、電源104を回転エンコーダ100内に保持するために、スイッチノブ102又は回転エンコーダ100の他の構成要素に永久的に又は取り外し可能に固定することができる。本実施例では、電源キャップ106の隆起したリム107をスイッチノブ102の凹んだ内側溝にスナップ留めして、電源キャップ106を固定することができる。電源キャップ106をスイッチノブ102又は回転エンコーダ100の他の構成要素に固定するための他の機構を用いることができ、例えば電源キャップ106の一部がねじ込まれてスイッチノブ102にねじ込まれてもよい。電源キャップ106を取り外し可能に固定する能力により、電源104を交換するなど、電源キャップ106を必要又は所望に応じて取り外すことができる。電源キャップ106は、金属又はプラスチックのような任意の適切な材料から形成することができる。電源キャップ106はまた、機械加工、射出成形、又はアディティブ製造のような任意の適切な方法で形成することができる。さらに、電源キャップ106は、任意の適切なサイズ、形状、及び寸法を有することができる。本実施例では、電源キャップ106の一部は、リッジされた又は尾根付き(ridged)周辺部を有するほぼ円形の表面であるが、電源キャップ106には他の形態を使用することもできる。
【0018】
本実施例では、電源104の第1端子(例えば、正極)は、コンタクトスプリング110を介して電源コンタクト108に電気的に結合される。すなわち、電源104の第1端子は、コンタクトスプリング110に接触し、コンタクトスプリング110は、電源104との接触を維持するのを助けるスプリング力を供給する。コンタクトスプリング110は、電源コンタクト108に接触し、電源コンタクト108は、電源104の第1端子と電源コンタクト108との間に電気路を形成する。電源コンタクト108及びコンタクトスプリング110は、それぞれ、金属などの任意の適切な導電性材料から形成することができる。また、電源コンタクト108及びコンタクトスプリング110は、機械加工、射出成形、又はアディティブ製造など、任意の適切な方法で形成することができる。さらに、電源コンタクト108及びコンタクトスプリング110は、それぞれ、任意の適切なサイズ、形状、及び寸法を有することができる。
【0019】
絶縁体112が電源104の周囲に配置され、コンタクトスプリング110を介する以外は、電源104を電源コンタクト108から電気的に絶縁するのを助ける。絶縁体112は、プラスチック又は他の誘電体などのような任意の適切な絶縁材料から形成することができる。絶縁体112はまた、機械加工、射出成形、又はアディティブ製造のような任意の適切な方法で形成することができる。さらに、絶縁体112は、任意の適切なサイズ、形状、及び寸法を有することができる。本実施例では、絶縁体112及び電源104の両方が、電源コンタクト108内に適合するように寸法決めされており、これは、これらの構成要素によって占有される空間を減少又は最小化するのに役立つ。しかしながら、この構成要素のネスト(nesting)は必要ではなく、電源104は、任意の他の適切な方法で回転エンコーダ100の他の構成要素に結合することができることに留意されたい。さらに、電源104は、実際には、回転エンコーダ100の外側に存在することができ、その場合、回転エンコーダ100は、電源104への電気的接続を含むことができる。
【0020】
スイッチノブ102の回転位置の符号化(encoding)を支持するために、回転エンコーダ100は相互接続アセンブリ114及びスイッチアセンブリ116を含む。以下にさらに詳細に説明するように、相互接続アセンブリ114及びスイッチアセンブリ116を使用することにより、スイッチノブ102の回転位置に応じて、スイッチが選択的に電気的、光学的、磁気的、又は他の接続を形成したり形成しなかったりすることを可能にする。回転エンコーダ100のコントローラが、接続又は非接続を使用することにより、スイッチノブ102の現在の回転位置を表すデジタル値を生成する。スイッチノブ102が異なる離散的な回転位置に移動すると、コントローラは異なるデジタル値を生成する。
【0021】
保持器(retainer)118を使用して、相互接続アセンブリ114及びスイッチアセンブリ116の適切な配向を維持し、相互接続アセンブリ114及びスイッチアセンブリ116を別のものとの物理的接触(又はスイッチ接続が形成されるように他の適切な位置)を維持させてもよい。本実施例では、保持器118の一部はスイッチノブ102の中央開口部120内に嵌合し、保持器118は、保持器118がスイッチノブ102の中央開口部120を完全に通過しないよう防止する外側リム122を含む。スイッチアセンブリ116の一部は、保持器118の開口部124を通って配置することができ、開口部124の形状は、スイッチアセンブリ116内の構成要素の全体的な形状と相補的である。スイッチノブ102を回転させると、保持器118、従ってスイッチアセンブリ116を回転させるが、相互接続アセンブリ114は概ね静止したままであり、有意には回転しない。このことは、これらスイッチの少なくとも一部を移動させ、これらスイッチを使用して形成される可能性のある接続(状態)も変更する。保持器118は、プラスチック又は他の誘電体のような任意の適切な絶縁材料から形成することができる。保持器118はまた、機械加工、射出成形、又はアディティブ製造などのような任意の適切な方法で形成することができる。さらに、保持器118は、任意の適切なサイズ、形状、及び寸法を有することができる。
【0022】
この特定の実施例では、スイッチノブ102は、12個の離散的な回転位置を含み、離散的な回転位置の間に位置する追加の「オフ」位置がある。かくして、スイッチノブ102は、回転中に15°のステップ又はクリックを個別に支持することができる。このことはまた、回転エンコーダ100が、スイッチノブ102の12の異なる12個の回転位置に対応する12の異なるデジタル値を生成することができることを意味する。しかしながら、スイッチノブ102は、異なるデジタル値に対応する任意の適切な数の離散回転位置をサポートすることができ、スイッチノブ102は、クリック又はステップで移動する必要はないことに留意されたい。
【0023】
図1A乃至1Cは、非シーケンシャルな一意的ビットパターンを有する回転エンコーダ100の一例を示すが、
図1A乃至1Cには様々な変更を加えることができる。例えば、ここに示される回転エンコーダ100のフォームファクタは、例示のためだけのものである。回転エンコーダは、種々の設計及び形状要素を有することができ、任意の適切な回転エンコーダが、本明細書に記載されている非シーケンシャル一意的ビットパターンに基づいて設計することができる。一例として、回転エンコーダ100は、スイッチノブ102がスイッチアセンブリ116を固定したまま相互接続アセンブリ114を回転させるように、設計することができる。
【0024】
図2A乃至3Cは、本開示に従った
図1A乃至1Cの回転エンコーダ100内の構成要素の例を示す。より具体的には、
図2A乃至2Cは、回転エンコーダ100内の相互接続アセンブリ114の実装例を示し、
図3A乃至3Cは、回転エンコーダ100内のスイッチアセンブリ116の実装例を示す。
【0025】
図2A乃至2Cに示すように、相互接続アセンブリ114は、基板202を含み、基板202上でそして基板202を通って、相互接続アセンブリ114の種々の他の構成要素が取り付けられ、或いは形成される。基板202は、ほぼ平坦であり、2つの対向する主要表面を含む。
図2Aの主要表面は、使用中は電源104に面し、
図2Cの主要表面は、使用中はスイッチアセンブリ116に面する。基板202は、1つ以上の誘電体材料など、相互接続アセンブリ114の他の構成要素を担持又は支持する任意の適切な構造を含む。いくつかの実施態様において、基板202は、プリント回路基板を表す。
【0026】
図2Aに示すように、基板202の一方の側面が、導電経路又は電気経路204及び206を含む。電気経路204は、電源コンタクト108に接触し、電源104の第1端子と相互接続アセンブリ114との間に電気接続を形成することができる。電気経路206は、電源104の第2端子に接触し、電源104の第2端子と相互接続アセンブリ114との間に電気接続を形成することができる。
【0027】
図2Cに示すように、基板202の他方の側面は、電気経路208及び210を含む。電気経路208は、例えば、基板202を通って電気経路204と208との間に延びる1つ以上の導電性ビアを使用することによって、電気経路204に電気的に結合される。同様に、電気経路210は、例えば、基板202を通って電気経路206と210との間に延びる1つ以上の導電性ビアを使用することによって、電気経路206に電気的に結合される。その結果、スイッチ組立体116は、
図2Cに示す基板202の主要表面に物理的に接触し、以下に説明するように、電源104への電気経路を使用することができ、動作電力を受け取り、スイッチノブ102の現在の回転位置を識別することができる。
【0028】
電気経路204〜210の各々は、金属のような任意の適切な導電性材料から形成することができる。電気経路204〜210の各々は、例えば、電気経路204〜210を形成する金属又は他の材料を堆積及びエッチング又は印刷することによって、任意の適切な方法で形成することもできる。さらに、電気経路204〜210の各々は、任意の適切なサイズ、形状、及び寸法を有することができる。本実施例では、電気経路204、208は、一般に環状又はリング状であり、電気経路206、210は、一般に円形であるが、電気経路204、210には、他の形状を使用することができる。
【0029】
また、
図2Cには、複数の導電性パッド212及び追加の電気経路214も示されている。導電性パッド212は、スイッチアセンブリ116の板バネコンタクト又は他の構造によって物理的に接触され得る導電性コンタクトを表す。導電性パッド212は、電気経路204及び208を介して電源104の第1端子に電気的に結合され、スイッチアセンブリ116は、板バネコンタクト又は他の構造が導電性パッド212に接触したときを検出することができる。このことにより、スイッチ組立体116は、スイッチノブ102の現在の回転位置を正確に決定することができる。導電性パッド212の各々は、金属などのような任意の適切な導電性材料から形成することができる。導電性パッド212の各々は、導電性パッド212を形成する金属又は他の材料を堆積及びエッチング又は印刷するなど、任意の適切な方法で形成することもできる。さらに、導電性パッド212の各々は、任意の適切なサイズ、形状、及び寸法を有することができる。本実施例では、導電性パッド212は、環状又はリング状のセグメント形状を有するように概示されているが、導電性パッド212には他の形状を使用することもできる。
【0030】
追加の電気経路214は、電気経路208に電気的に結合される。本実施例では、追加の電気経路214は、複数の導電性パッド212のうちの1つを介して電気経路208に電気的に結合されるが、この電気接続は、他の方法で形成することができる。以下に説明するように、追加の電気経路214は、スイッチノブ102の回転位置に関係なく、1つ以上の構成要素(スイッチ組立体116のコントローラなど)に電力を供給するために使用される。しかしながら、スイッチアセンブリ116のコントローラは、他の方法で給電することができることに留意されたい。追加の電気経路214は、金属などのような任意の適切な導電性材料から形成することができる。電気経路214はまた、例えば、電気経路214を形成する金属又は他の材料を堆積及びエッチング又は印刷することによって、任意の適切な方法で形成することができる。さらに、電気経路214は、任意の適切なサイズ、形状、及び寸法を有することができる。本実施例では、電気経路214は、概ね環状又はリング状であるが、電気経路214には他の形状を使用することができる。
【0031】
図3A乃至3Cに示すように、スイッチアセンブリ116は基板302を含み、基板302上にそして基板302を通ってスイッチアセンブリ116の種々の他の構成要素が取り付けられ、或いは形成される。基板302は、ほぼ平坦であり、2つの対向する主要表面を含む。
図3Aの主要表面は、使用中に相互接続アセンブリ114に面しており、
図3Cの主要表面は、少なくとも部分的に保持器118に挿入され得る。基板302は、1つ以上の誘電体材料など、スイッチアセンブリ116の他の構成要素を担持又は支持する任意の適切な構造を含む。いくつかの実施態様において、基板302は、プリント回路基板を表す。
【0032】
複数の板バネコンタクト304a〜304f(集合的に板バネコンタクト304と呼ぶ。)が、基板302に取り付けられる。板バネコンタクト304の各々は、相互接続アセンブリ114の導電性パッド212に接触し、スイッチノブ102の回転に基づいて検出可能な電気接続を形成することができる。ここで、各板バネコンタクト304は、一般に、曲げられた広い導電体306を含み、それにより基板302から離れる方向(
図3Bの上方)に延びる導電体306の部分が移動し、相互接続アセンブリ114に対してバネ力を提供することができる。電気導体306の各々は、一端に導電性バンプ308を有し、導電バンプ308は相互接続アセンブリ114に実際に接触する。導電性バンプ308は、電気導体306が相互接続アセンブリ114とのそしてそこを通した電気接続を形成することができる小さな限定された領域を提供する。基板302の反対側(
図3Cの主要表面)にある複数のマウント310は、基板302を介して板バネコンタクト304の電気導体306への電気接続を提供するために使用され得る。
【0033】
板バネコンタクト304の各々は、金属などの任意の適切な導電性材料から形成することができる。また、板バネコンタクト304の各々は、金属又は導電体306を形成する他の材料を切断及び曲げ、導電性材料を導電体306上に堆積させて導電性バンプ308を形成するなど、任意の適切な方法で形成することができる。さらに、板バネコンタクト304の各々は、任意の適切なサイズ、形状、及び寸法を有することができる。ここでは、板バネコンタクト304の使用が説明されているが、スイッチアセンブリ116では、相互接続アセンブリ114への電気的接続を選択的に形成及び切断するための、任意の他の適切な電気接点を使用することができることに留意されたい。
【0034】
コントローラ312は、板バネコンタクト304に電気的に結合される。本例では、コントローラ312は、板バネコンタクト304を使用して、(i)電源104から動作電力を受信し、(ii)スイッチノブ102の現在の回転位置を識別するために生成されるべきデジタル値を識別する。ここに示される板バネコンタクト304の構成において、板バネコンタクト304aは、その導電性バンプ308が電気経路214に接触するように配置され、板バネコンタクト304bは、その導電性バンプ308が電気経路210に接触するように配置される。その結果、板バネコンタクト304a〜304bは、電源104の両方の端子に電気接続を提供し、これにより、スイッチノブ102の回転位置に関係なく、コントローラ312は、電源104から動作電力を受け取ることができる。しかしながら、上述のように、コントローラ312は、他の方法で電力供給され得、その場合、板バネコンタクト304a〜304bは省略され得る。
【0035】
板バネコンタクト304c〜304fの各々は、その導電性バンプ308が相互接続アセンブリ114上の導電性パッド212のうちの1つと潜在的に接触できるように配置される。スイッチノブ102の回転位置に依存して、各板バネコンタクト304c〜304fは、相互接続アセンブリ114上の導電性パッド212のうちの1つと接触する位置にあるかも知れないし、接触する位置にないかも知れない。もし板バネコンタクト304c〜304fが導電性パッド212のうちの1つに接触する場合、コントローラ312は、その板バネコンタクト304c〜304fを通る電気経路の存在を検出することができる。板バネコンタクト304c〜304fが導電性パッド212のうちの1つに接触しない場合、コントローラ312は、その板バネコンタクト304c〜304fを通る電気経路の不存在を検出することができる。板バネコンタクト304c〜304fを通る電気経路の存否に基づいて、コントローラ312は、スイッチノブ102の現在の回転位置を識別するデジタル値を生成することができる。したがって、板バネコンタクト304c〜304fは、開路(導電性パッド212のうちの1つと接触しない)又は閉路(導電性パッド212のうちの1つと接触する)のいずれかであるスイッチを表すものとして見ることができる。本実施例では、板バネコンタクト304c〜304fは、導電性バンプ308がスイッチアセンブリ116の周囲に均等に分布するように配置されるが、これは必ずしもそうである必要はない。
【0036】
上で簡単に説明し、以下でより詳細に説明するように、導電性パッド212の配置は、回転エンコーダ100に対して非シーケンシャルの一意的ビットパターンを提供するように設計することができる。例えば、以下に記載される技法は、第1デジタルビット(論理「1」ビットのような)が使用されるべき場所、及び/又は第2デジタルビット(論理「0」ビットのような)が使用されるべき場所を識別するために使用され得る。第1デジタルビットの位置は、これらの位置に導電性パッド212を含むように選択することができ、第2デジタルビットの位置は、これらの位置に導電性パッド212を含まない(排除する)ように選択することができる(或いはその逆)。以下に記載される技法に従うことによって、複数の導電性パッド212の複数の位置によって、スイッチノブ102が回転されるときにコントローラ312が非シーケンシャルの複数のデジタル値を生成することを可能にし、その複数のデジタル値は、スイッチノブ102の異なる離散的な回転位置を一意に規定する。
【0037】
コントローラ312は、検出された電気経路に基づいてデジタル値を生成するための任意の適切な構造を含む。例えば、コントローラ312は、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSPs)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAs)、特定用途向け集積回路(ASICs)、又は個別回路を含むことができる。コントローラ312は、生成されたデジタル値を任意の適切な1つ又は複数の宛先に出力することができる。また、或いは代替的に、コントローラ312は、生成されたデジタル値を使用して、1つ以上の機能を実行又は開始することができる。
【0038】
電気接続を選択的に形成するように構成されたスイッチの使用を上述してきたが、他のタイプのスイッチもまた、回転エンコーダ100において使用できることに留意されたい。例えば、導電性パッド212は、光源又は光源に結合された光ファイバーで置き換えることができ、板バネスイッチ304は、光検出器で置き換えることができる。そして、光検出器の出力が特定の閾値を超えるように、光源が光検出器と適切に整合されている場合に、接続が存在すると言うことができる。別の例として、導電性パッド212を磁石で置き換え、板バネスイッチ304をホール効果センサで置き換えることができる。そして、ホール効果センサの出力が特定の閾値を超えるように、磁石がホール効果センサと適切に整合されている場合に、接続が存在すると言うことができる。
【0039】
図2A乃至3Cは、
図1A乃至1Cの回転エンコーダ100内の構成要素の例を示しているが、
図2A乃至3Cには様々な変更を加えることができる。例えば、
図2A乃至3Cの構成要素の相対的なサイズ、形状、及び寸法は、例示のみを目的としている。また、ここに示されている電気的経路及び接続は、例示に過ぎず、必要に応じて、又は所望により変化させることができる。さらに、ここに示される相互接続アセンブリ114及びスイッチアセンブリ116の設計は、スイッチノブ102の回転位置を検出するために4個の板バネコンタクト304c〜304fを使用することに基づいている。他の設計では、スイッチノブ102の回転位置を検出するために他の個数のスイッチを使用することができる。さらに、後述するように、スイッチが接続を形成する位置はここに示す位置とは異なってもよく、スイッチノブ102の回転位置を検出するために4個のスイッチが使用される場合でも異なってもよい。
【0040】
図4は、本開示に従った非シーケンシャル一意的ビットパターンを有する回転エンコーダを有する例示的なシステム400を示す。説明を容易にするために、
図4のシステム400は、1つの例の回転エンコーダ100を含むものとして説明される。しかしながら、回転エンコーダ100は、任意の他の適切な装置又はシステムで使用することができる。
【0041】
図4に示すように、回転エンコーダ100は、スイッチバンク(switch bank)402及びコントローラ312を含むように簡略化された形態で示されている。スイッチバンク402は、板バネコンタクト304c〜304f又は回転・エンコーダ100の他のスイッチを表し、上記のように、板バネコンタクト304c〜304fが導電性パッド212に接触するかどうか(又はスイッチの他の部分が適切に整合されているかどうか)に応じて、開閉される。したがって、スイッチバンク402内の各スイッチは、スイッチノブ102又は他のオブジェクトの回転位置に基づいて選択的に形成され得る電気接続、磁気接続、光学接続、又は他の任意の接続を選択的に形成するスイッチを示すことができる。スイッチバンク402は、上述のスイッチアセンブリ116内に4つの板バネコンタクト304c〜304fがあるので、ここでは4個のスイッチを含むが、スイッチアセンブリ116内及び
図4において、他の個数の板バネコンタクト(したがってスイッチ)を使用することができる。コントローラ312は、スイッチの状態に基づいて1つ以上の出力404を生成する。この出力は、板バネコンタクト304c〜304fのうちどの板バネコンタクトが導電性パッド212に接触しているか(或いは、スイッチのうち、適切に整合されている部分を有するものはどれか)を意味する。
【0042】
コントローラ312の1つ又は複数の出力404は、任意の適切な方法で使用することができる。本実施例では、回転エンコーダ100は、回転エンコーダ100からの出力404を使用して動作する電気回路406に結合されている。この特定の実施形態では、電気回路406は、1つ以上の発光ダイオード(LED)と直列に結合された抵抗器を含む。したがって、コントローラ312からの出力404は、1つ又は複数のLEDを流れる電流を生成する電流又は電圧を表すことができる。1つ又は複数のLEDを通って流れる電流の量は、LEDによって生成される照明の量に影響を与えることができるため、回転エンコーダ100のスイッチノブ102の異なる設定は、異なる出力電圧又は電流に対応し、したがって、異なる照明の量に対応することができる。
【0043】
このタイプの照明制御は、武器照準(デジタル、光学、又は熱照準)、空間センサ、又は他の電気光学システムなどのような、種々の装置又はシステム内で使用することができる。例えば、この照明制御は、電気光学システムに表示されるレチクルパターン又は他のコンテンツの強度を制御するために使用することができる。しかしながら、回転エンコーダ100は、任意の他の適切な電気回路406又は他の構成要素と共に使用することができる。例えば、回転エンコーダ100は、スイッチノブ102の回転位置に基づいて、ロボット、機械装置、又は他の機械の1つ以上の動作を制御する1つ以上の信号を出力するために使用することができる。特定の例として、スイッチノブ102の回転位置は、機械的装置の異なる位置に変換することができ、スイッチノブ102の回転は、それらの位置間で機械的装置の移動を引き起こすことができる。回転エンコーダ100はまた、火災制御システム、ミサイル誘導システム、又は遠隔制御装置へのユーザ入力に基づく1つ以上の信号を提供するために使用することができる。回転エンコーダ100は、さらに、ボリューム制御、同調制御、又は商業用若しくは軍事用の無線装置その他の電子装置のための他の制御など、電子装置へのユーザ入力に基づく1つ以上の信号を提供する1つ以上のダイヤルとして使用することができる。
【0044】
図4は、非シーケンシャル一意的ビットパターンを有する回転エンコーダを有するシステム400の一例を示しているが、
図4には様々な変更を加えることができる。例えば、複数の回転エンコーダを使用して、コントローラ312に入力を提供することができる。また、回転エンコーダ100は、任意の適切な電気回路又は他の構成要素と共に使用することができる。
【0045】
図5は、本開示に従った非シーケンシャル一意的ビットパターンに基づく回転符号化(encoding)のための例示的方法500を示す。説明を容易にするために、
図5の方法500は、回転エンコーダ100の使用を含むものとして説明される。しかしながら、この方法500は、回転エンコーダの他の実装と共に使用することができる。
【0046】
図5に示すように、スイッチノブ(又は他のオブジェクト)が、ステップ502において、所望の位置へと回転される。このことは、例えば、スイッチノブ102が所望の回転位置を得るように、ユーザがスイッチノブ102を回転することを含むことができる。接続は、ステップ504において、スイッチノブの回転に基づいて選択的に形成及び/又は切断される。このことは、例えば、スイッチアセンブリ116の板バネコンタクト304c〜304fが、相互接続アセンブリ114の導電性パッド212に接触するか又は接触しないかということを含むことができる。このことは、もし他のタイプのスイッチ(例えば、光学スイッチ又は磁気スイッチ)が使用される場合、スイッチの部分が適切に整合する、又は適切に整合しないかということを含み得る。接続が形成されている、又は形成されていないということが、スイッチノブ102の現在の回転位置を一意的に規定する。
【0047】
デジタル値は、ステップ506において、接続が形成されているか否かに基づいて生成される。このことは、例えば、コントローラ312が、電気接続を形成した板バネコンタクト304c〜304fを識別し、それらの板バネコンタクトにデジタル「1」ビットを割り当てることを含むことができる。このことは、また、コントローラ312が、電気接続を形成しなかった板バネコンタクト304c〜304fを識別し、それらの板バネコンタクトにデジタル「0」ビットを割り当てることを含むことができる。もちろん、ここでは「1」及び「0」デジタルビットを反転することができ、板バネコンタクトの上述のような使用を必要としない。結果として生じる「1」及び/又は「0」ビットの組み合わせは、コントローラ312によって生成されるデジタル値を定義することができる。デジタル値は、ステップ508において、出力されるか、或いは何らかの方法で使用される。このことは、例えば、コントローラ312が、現在のデジタル値に基づく出力電圧又は電流を生成するか、或いは使用のために別の構成要素にデジタル値を出力することを含むことができる。上述のように、デジタル値は、強度制御、ボリューム制御、同調制御、機械的装置の動き、又はユーザ入力などの種々の機能を実行するために使用することができる。ステップ512において、スイッチノブが再度移動される場合、プロセスはステップ502に戻り、スイッチノブの変更された回転位置に基づいて新しいデジタル値を生成することができる。スイッチノブが再度移動されない場合、コントローラ312は、現在のデジタル値を出力又は使用し続けることができる。
【0048】
図5は、非シーケンシャル一意的ビットパターンに基づく回転符号化方法500の一例を示すが、
図5には様々な変更を加えることができる。例えば、一連のステップとして示されているが、
図5の様々なステップは、オーバーラップするか、並列に発生するか、又は任意の回数発生することができる。特定の例として、スイッチノブ102が回転されている間に、接続の選択的形成又は切断が起こり得る。
【0049】
図6は、本開示による回転エンコーダのための非シーケンシャル一意的ビットパターンを生成するための例示的な方法600を示す。説明を容易にするために、
図6の方法600は、回転エンコーダ100の設計を含むものとして説明される。しかしながら、この方法600は、回転エンコーダの他の実装と共に使用することができる。
【0050】
図6に示すように、ステップ602において、回転エンコーダによって生成され、オブジェクトの回転位置を表すデジタル値に含まれるべき所望の個数のビット(Nで示される)が識別される。このことは、例えば、ユーザが、回転エンコーダ100によって生成されるべきビットの個数を識別することを含むことができる。ビットの個数は、回転エンコーダ100の意図された用途及び所望の解像度(離散的な回転位置の数)のような多くのファクタに基づいて変化させることができる。いくつかの実施形態では、ビット数Nは、所望の離散回転位置数がビット数Nの整数倍であるように選択することができる。
【0051】
ステップ604において、Nビットのバイナリ値のリストが生成される。このことは、例えば、0から2
Nまでのバイナリ値又はそのバイナリ値のサブセットを含むリストを生成することを含む。サブセットとしては、例えば、1から2
(N-1)−1まで、又は2
(N-1)から2
N−2までの値である。Nが4に等しい場合、リストには少なくとも1から7(0001から0111)までのバイナリ値、又は少なくとも8から14(1000から1110)までのバイナリ値を含めることができる。
【0052】
リスト内の1つの値がステップ606において選択され、その値はステップ608において循環的にシフト(circularly shifted)される。このことは、例えば、リスト内の最初のバイナリ値を選択し、その値を左又は右へ1位置だけ循環的にシフトすることを含み得る。シフトされた値に一致するリスト内の任意のバイナリ値が、ステップ610で除去される。ステップ612において、そのバイナリ値を再度シフトするか否かが決定される。このことは、例えば、リストから選択されたバイナリ値がN-1回、循環的にシフトされたかどうかを決定することを含み得る。もしシフトされていなければ、プロセスはステップ608に戻り、そのバイナリ値を再び循環的にシフトする。いくつかの実施形態において、循環シフトの数をカウントするために、各循環シフトに対してカウンタをインクリメント又はデクリメントすることができる。循環シフトの方向は、ここでは重要ではないが、循環シフトは、ステップ608を通過する各々について同じ方向に生じることに留意されたい。
【0053】
選択された値が所望の回数だけ循環にシフトされた後、ステップ614において、処理されるべく残っている追加の値がリスト内に存在するかどうかが決定される。このことは、例えば、リスト内に残っている何れかの値が循環シフトプロセスを受けていないかどうかを決定することを含み得る。もしリスト内に残っている何れかの値が循環シフトプロセスを受けていないのであれば、ステップ616において、リスト内の他の値が選択され、プロセスはステップ608へと戻り、新たに選択された値を循環的にシフトする。
【0054】
ステップ602〜616で生じるプロセスは、以下のように要約することができる。複数のバイナリ値の1つのリストが生成される。リスト内に残っている各バイナリ値が次のバイナリ値にN−1回、循環的にシフトして、リスト内に残る他のバイナリ値に一致しなくなるまで、バイナリ値がリストから削除される。リスト内に残っているバイナリ値は、互いに「循環シフト排他的」であると言うことができる。何故ならば、リスト内に残っているバイナリ値であって、リスト内に残っている他のバイナリ値に一致する循環シフトバージョンを持つものは、存在しないからである。このことは、ステップ604で生成されるリストが、1から2
(N-1)−1まで、又は2
(N-1)から2
N−2までの値のみを含むことができる理由である。バイナリ値「0」はすべての(ビットで)ゼロを含み、バイナリ値2
N−1はすべての(ビットで)「1」を含むので、いずれかの値の循環シフトは、リストから削除される値になる。また、2
(N-1)から2
N−2までのすべての値は、1から2
(N-1)−1までの1つ以上の値の循環シフトされたバージョンとして削除される(或いはその逆も成り立つ)。そのため、これらのセットの1つが、他のセットなしでリストに含めることができる。結果として、ステップ604で生成された元のリストは、それらの値の処理がリスト内に2つ以上のNビット値を残している限り、全てのNビット値又はNビット値の任意のサブセットを含むことができる。
【0055】
リスト内に処理されるべき追加の値がない場合、ステップ618において、リスト内の残りの値の少なくとも一部が連結されてバイナリ列又はバイナリストリング(binary string)が形成される。このことは、例えば、リスト内の残りの値のうちの2つ以上のビットを連結して、より長いバイナリストリングを作成することを含み得る。このことは、2つ以上の残りの値のビットをより長いバイナリストリングにインターリーブすることも含み、そこでは、より長いバイナリストリングに含まれる各残りの値のビットが、そのより長いバイナリストリング内で均等に間隔を空けられるように、そのビットがインターリーブされる。ここで、リスト内の残りの値の一部又は全部を使用することができ、使用される残りの値の個数は、いくつかの例において、回転エンコーダ100の所望の解像度(離散的な回転位置の数)に依存し得ることに留意されたい。例えば、Nが5に等しい場合、7個の値が、ステップ602〜616の後にリスト内に残ってもよい。リストから残りの3個の値を使用することにより、回転エンコーダ100は、15個の離散的な回転位置を有することができる。リストから残りの7個の値すべてを使用することによって、回転エンコーダ100が35個の離散的な回転位置を有することを可能にする。かくして、ここで使用されるリストからの残りの値の数は、所望の離散回転位置の数に基づいて変化させることができる。
【0056】
バイナリストリングは、ステップ620において、回転エンコーダの周りにバイナリストリング内の値を分配することによって使用される。このことは、例えば、回転エンコーダをバイナリストリングのビット数に基づいて等しいセクションに分割し、バイナリストリングのビット数に基づいて各セクションに「1」又は「0」の値を割り当てることを含む。上述のように、いくつかの実施形態において、「1」の値を有するセクションは、スイッチが接続を形成することができるエリアを示し、「0」の値を有するセクションは、スイッチが接続を形成することができないエリアを示す。しかしながら、反対の構成を用いることもできる。この時点で、この構成を有する回転エンコーダを製造することができる。
【0057】
このプロセスの例として、回転エンコーダ100が4ビット(N = 4)を含むデジタル値を生成すると仮定する。ステップ604で生成されるリストは、0001、0010、0011、0100、0101、0110及び0111の値を含むことができる。最初の値0001を選択し3回循環シフトして、0010、0100、及び1000を生成することができる。値0010及び0100は、それらが選択された値の循環シフトされたバージョンであるため、当該リストから削除される。この時点で、当該リストには値0001、0011、0101、0110、及び0111が含まれている。次の値0011を選択し3回循環シフトして、0110、1100及び1001を生成することができる。値0110は、選択された値の循環シフトされたバージョンであるため、当該リストから削除される。この時点で、当該リストには値0001、0011、0101、0111が含まれている。次の値0101を選択し3回循環シフトして、1010、0101及び1010を生成することができる。値0101は、それ自体循環シフトされたバージョンであるため、当該リストから削除される。この時点で、当該リストには値0001、0011、0111が含まれている。最後に、値0111を選択し3回循環シフトして、1110、1101及び1011を生成することができる。当該リスト内に一致する値は存在しない。結果として、回転エンコーダの「0」と「1」のパターンを生成するために使用できる3個の値(0001, 0011, 0111)を得る(が残る)。これらの3個の値は、各値が他の値の循環シフトされたバージョンではないため、いずれの値を循環シフトしても他の値にはならず、ノブの回転が循環シフトに相当する回転エンコーダのための一意的なビットパターンに利用することができる。
【0058】
これらの(残った)3個の値は、バイナリストリングを生成するために、ビットの連結やインターリーブなどによって連結される。たとえば、これら3個の値を(単純に)連結して(第1の値、第2の値、第3の値)、バイナリストリング「000100110111」を生成することができる。連結中のこれらの残りの値の実際の順序は重要ではないため、残りの値の他の連結を使用できる。また、上述のように、連結中に、残りの値のすべてを使用する必要はない。変形的には、これら3個の値のビットを(例として、最上位ビットで開始し、最低(の値)から最高(の値)の順に取って)インターリーブすることにより、バイナリストリング
【0059】
【数1】
を得る(ここで、下線のついていない値は第1の値である0001、一重下線のついた値は第2の値である0011、二重下線のついた値は第3の値である0111を形成する)。しかしながら、繰り返しになるが、インターリーブ中のこれら残りの値の実際の順序は重要ではないため、残りの値の他のインターリーブを使用することができる。また、残りの値のすべてをインターリーブ中に使用する必要はない。ステップ602〜616後のリスト内の残りの値の順序は重要ではないため、値が選択され、循環的にシフトされる順序も重要ではない。
【0060】
どんな方法であれ、残りのバイナリ値の少なくとも数個が連結され、結果として得られるバイナリストリングのビットは、回転エンコーダの周りに分散させることができる。これの一例が
図7に示されており、
図7は、本開示に従った非シーケンシャル一意的ビットパターンを有する回転エンコーダを使用するエンコード(符号化)の一例を示している。
図7の例では、上述のようにインターリーブによって生成されたバイナリストリング「000001011111」を使用する(第1の値0001の最初のビットである「0」から時計回りに、第2の値0011の最初のビットである「0」→第3の値0111の最初のビットである「0」→第1の値の2番目のビットである「0」→第2の値の2番目のビットである「0」→第3の値の2番目のビットである「1」→途中省略→第3の値の4番目のビットである「1」)。しかし、上述のように生成されたバイナリストリング「000100110111」と同様の配列を使用することができる。どちらのバイナリストリングも機能するが、一意的値が生成される順序は異なる。
【0061】
このプロセスを用いて回転エンコーダ100が設計されると、回転エンコーダ100は、スイッチノブ102の各離散的な回転位置に対して一意的なデジタル値を提供し、これらのデジタル値は、スイッチノブ102が回転されるにつれて非シーケンシャルになる。
図7において、例えば、スイッチノブ102は4本の矢印によって表され、4本の矢印によって識別される値を使用してデジタル値が生成されると仮定する。また、矢印#1がデジタル値の最上位ビットであり、残りのビットは、時計回りに移動し有意性を減少させる順に読み取られる(#1→#2→#3→#4)と仮定する(これは、実際には必要ではないが、例示に有用である)。
図7に示す位置では、矢印#1が「0」ビットに関連付けられ、矢印#2が「0」ビットに関連付けられ、矢印#3が「0」ビットに関連付けられ、矢印#4が「1」ビットに関連付けられているため、デジタル値は0001である。この位置では、板バネコンタクト304fのみが、導電性パッド212と接触しているであろう(
図2A乃至2Cに示される設計を仮定する)。
【0062】
スイッチノブ102の可能な12個の離散的な回転位置の全てが
図8に示されており、
図8は本開示による
図7の回転エンコーダに関連するデジタル値の例を示している(
図8の0001を示す位置が
図7と同様な位置である)。離散的な回転位置の各々は、一意的なデジタル値と関連付けられ、その一意的なデジタル値は、スイッチノブ102が回転される際に非シーケンシャルである。かくして、回転エンコーダは、そのスイッチが、非シーケンシャルで一意的なビットパターンを実現するために、適切な位置(例えば、ここでの「1」位置)で接続を形成するように設計することができる。
【0063】
図6は、回転エンコーダのための非シーケンシャル一意的ビットパターンを生成するための方法600の一例を示すが、
図6には様々な変更を加えることができる。例えば、一連のステップとして示されているが、
図6の様々なステップは、オーバーラップするか、並列に発生するか、又は任意の回数発生することができる。
図7は、非シーケンシャル一意的ビットパターンを有する回転エンコーダを使用する符号化の一例を示し、
図8は、
図7の回転エンコーダに関連付けられたデジタル値の一例を示すが、
図7及び
図8には、様々な変更を加えることができる。例えば、上述のように、回転エンコーダの周囲のバイナリストリングは、ステップ602〜616によって生成された残りの値の順序、バイナリストリングを生成するために使用された残りの値の個数、及び残りの値を連結する方法に基づいて、異なってもよい(N = 4であっても)。
【0064】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている様々な機能は、コンピュータ読み取り可能プログラムコードから形成され、コンピュータ読み取り可能媒体に具現化されたコンピュータプログラムによって実現又はサポートされる。「コンピュータ可読プログラムコード」という語句は、ソースコード、オブジェクトコード、及び実行可能コードを含む任意の種類のコンピュータコードを含む。「コンピュータ可読媒体」という語句は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、又はその他の種類のメモリなど、コンピュータによってアクセス可能な任意の種類の媒体を含む。「非一時的」コンピュータ可読媒体は、一時的な電気信号又はその他の信号を伝送する有線、無線、光、又はその他の通信リンクを除外する。非一時的コンピュータ読取り可能媒体は、データを永久的に記憶することができる媒体と、データを記憶し、後に上書きすることができる媒体、例えば書換え可能な光ディスク又は消去可能なメモリデバイスを含む。
【0065】
本明細書を通して使用されている特定の単語及び語句の定義を示すことは有利であろう。「アプリケーション」及び「プログラム」という用語は、適切なコンピュータコード(ソースコード、オブジェクトコード、オブジェクト、クラス、インスタンス、関連データ、又はそれらの一部を含む)の実装に適合させた1つ以上のコンピュータプログラム、ソフトウェア・コンポーネント、命令セット、手順、機能、オブジェクト、クラス、インスタンス、関連データ、又はそれらの一部を指す。「通信」という用語及びそれらの派生物は、直接的及び間接的通信の両方を包含する。「含む」及び「備える」などという用語ならびにそれらの派生物は、限定されることなく、含むことを意味する。「又は」という用語は「及び/又は」を含む。「関連する」という用語及びそれらの派生物は、それらを含むこと、それらに含まれること、相互接続すること、それらを包含すること、それらに包含されること、それらに接続すること、それらに結合すること、それらと結合すること、それらと通信すること、それらと協働すること、それらにインターリーブすること、それらと並行すること、それらと近接すること、それらと拘束し、拘束されること、それらを有し、所有すること、又はそれらに若しくはそれらと関連することを意味する。「少なくとも1つの」とは、品目の一覧と一緒に使用する場合、一覧に記載されている品目の異なる組み合わせを使用することができ、かつ、その一覧に記載されている品目は1つだけでもよいことを意味する。例えば、「A、B及びCの少なくとも1つ」は、A、B、C、A及びB、A及びC、B及びC、並びにA及びB及びCのいずれかの組み合わせを含む。
【0066】
本明細書は、特定の要素、工程又は機能が、特許請求の範囲に含まれなければならない必須又は重要な要素であることを意味するものとして解釈されるべきではない。特許された主題の範囲は、許可された請求項によってのみ定義される。特許請求の範囲内の「機構」、「モジュール」、「デバイス」、「ユニット」、「構成要素」、「要素」、「部材」、「装置」、「機械」、「システム」、「プロセッサ」又は「コントローラ」のような用語の使用は、特許請求の範囲自体の特徴によってさらに修正又は強化された、当業者に知られた構造を指すことが理解され、意図されている。
【0067】
本開示は、特定の実施形態及び一般的に関連する方法を記載してきたが、これらの実施形態及び方法の変更及び置換は、当業者には明らかであろう。従って、例示的な実施形態の上述の説明は、本開示を定義したり、制約したりしない。以下の特許請求の範囲によって定義されるように、本開示の範囲から逸脱することなく、他の変更、置換、及び変更も可能である。