(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記重なり合うホログラムの組が、第1の格子ベクトルを有する第1のホログラムと、前記第1の格子ベクトルに対して非ゼロの角度で配向された第2の格子ベクトルを有する第2のホログラムとを含む、請求項1に記載の光学デバイス。
前記重なり合うホログラムの組が、前記第1のホログラム及び第2のホログラムと重なり合い、かつ、前記第1の格子ベクトル及び第2の格子ベクトルに対して非ゼロの角度で配向された、第3の格子ベクトルを有する第3のホログラムを更に含み、前記第1の格子ベクトルが第1の大きさを有し、前記第2の格子ベクトルが前記第1の大きさとは異なる第2の大きさを有し、前記第3の格子ベクトルが、前記第1の大きさ及び第2の大きさとは異なる第3の大きさを有する、請求項5に記載の光学デバイス。
前記プリズムが、前記第1の導波路基材上の第1の部分を含み、所与の波長で第1の屈折率を有し、前記プリズムが、前記第1の部分上の第2の部分を含み、前記所与の波長で前記第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有する、請求項1に記載の光学デバイス。
前記重なり合うホログラムの組内の各ホログラムが、対応する格子周波数と、ある角度に配向された対応するスキュー軸とを有するそれぞれの格子ベクトルを有し、前記重なり合うホログラムの組内の前記スキュー軸の前記角度が、前記対応する格子周波数の関数として変化する、請求項1に記載の光学デバイス。
前記第2の部分が、前記光を受光するように構成された入力面を含み、前記第2の部分が、前記第1の部分を介して前記光を前記格子媒体に伝達するように構成されており、前記第1の部分が前記第2の部分に接触する上部面を有し、前記上部面が前記プリズムの底面に対して第1の角度で配向され、前記入力面が、前記プリズムの前記底面に対して前記第1の角度よりも大きい第2の角度で配向されている、請求項18に記載のヘッドマウントディスプレイデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0017】
光学ヘッドマウントディスプレイ(head-mounteddisplay、HMD)は、投影画像を反射する能力を有し、またユーザが拡張現実感を経験することを可能にする、ウェアラブルデバイスである。ヘッドマウントディスプレイは典型的に、「仮想」画像を作り出すニアアイ光学部品を伴う。過去には、HMDは、画質を低下させ、重量及びサイズを増加させる、様々な技術的制限に対処してきた。過去の実装形態は、光の反射、屈折、又は回折のための既存の光学部品を含んでいるが、設計が大きくなる傾向がある。加えて、既存のミラー及び格子構造には生来の制約がある。例えば、既存のミラーは、面法線と必ず一致する反射軸を有し得る。既存のミラーの反射軸は、最適に及ばないミラーの向き又は性能をもたらし得る。また、既存の格子構造は、入射角及び/又は波長によって、受け入れがたいほど共変する複数の反射軸を含み得る。
【0018】
それゆえに、光を反射するデバイスは、所与の入射角に対する反射角が複数の波長において一定である光を、面法線に拘束されない反射軸を中心として反射する機能を含み得る。このデバイスの実施形態は、所与の波長の入射光に対して、入射角の範囲にわたって実質的に一定の反射軸を有し得(例えば、反射軸の角度の変化が1.0度未満である反射軸)、この現象は様々な波長の入射光に対して観測され得る。
【0019】
ホログラフィック光学素子は、ヘッドマウントデバイス又は他のシステムで使用されてもよく、記録媒体から構築されてもよい。例えば、ホログラフィック光学素子は、基材構造上又は基材構造内に液体媒体混合物を堆積することによって作製されてもよく、その際に、媒体混合物内のマトリックス前駆体の重合は、マトリックスポリマーの形成をもたらし、媒体混合物の遷移が記録媒体になるように特徴付ける。記録媒体は、基材間に配置され、記録媒体上のホログラムを記録するために配向され得る。記録媒体は、本明細書では、格子媒体と呼ばれることもある。格子媒体は、導波路基材間に配置され得る。プリズムなどの入力カプラは、光を導波路に結合し得る。
【0020】
実際には、格子媒体は、導波路基材及び入力カプラとは異なる波長の関数としてのバルク屈折率を有し得る。これにより、結合内光が格子媒体内の波長の関数として異なる角度で伝搬する、結合内光の分散を生じ得る。格子媒体内のホログラフィック光学素子は、この分散を補償しながら、(例えば、各波長の光が所望の方向に反射されるように)結合内光を所望の方向に反射(回折)するように構成されてもよい。
【0021】
本開示の態様は、当初は、スキューミラーから所定距離にあるアイボックスの方へ光を反射する装置のコンテキストにおいて説明される。具体的な例は、格子媒体を含む装置について説明される。格子媒体は、1つ以上の格子構造を含み得る。格子構造は、格子構造の面法線からずれた反射軸を中心に、特定の複数の入射角において、特定の波長の光を反射するように構成され得る。本開示の態様は、光均質化に関する装置図、システム図、及びフローチャートによって図解され、これらを参照しながら更に説明される。
【0022】
この説明は例を提供するものであり、本明細書で説明された原理の実装形態の範囲、適用可能性又は構成を限定するようには意図されていない。素子の機能及び機構において様々な変更形態が作製され得る。したがって、様々な実装形態が、必要に応じて、様々なプロシージャ又は部品を省略するか、代用するか、又は追加する可能性がある。例えば、方法は、説明されたのと異なる順番で行われてよく、種々のステップが追加されるか、省略されるか、又は組み合わされてよいことを理解されたい。また、特定の実装形態に関して説明された態様及び素子は、種々の他の実装形態では組み合わされてよい。以下のシステム、方法、デバイス、及びソフトウェアは、個々に、又は総体として、より大きなシステムの部品でよく、ここにおいて、それらの適用に対して他のプロシージャが優先してよく、又は変更してよいことも理解されたい。
【0023】
図1は、本明細書に含まれる原理が実施され得るヘッドマウントディスプレイ(HMD)100の図である。HMD100は、ニアアイディスプレイ(near-eye display、NED)105がユーザの目の前に固定され得る、アイウエア又はヘッドウェアを含み得る。NED105は、HMD100のレンズ組立体の内部に配置されるか又は組み込まれる、回折素子部分を含み得る。いくつかの例では、回折素子部分は、スキューミラー110で構成されていてもよいホログラフィック光学素子(holographic optical element、HOE)である。スキューミラー110に関して座標(x軸、y軸、及びz軸)が与えられている。HMD100は、レンズ組立体に動作可能に結合される光源又は投光器115を含み得る。いくつかの例では、光源又は投光器115は、導波路構成のレンズ組立体に動作可能に結合され得る。いくつかの例では、光源又は投光器115は、自由空間構成のレンズ組立体に動作可能に結合され得る。
【0024】
スキューミラー110は、体積ホログラム又は他の格子構造が内部にある格子媒体を含み得る、反射デバイスである。スキューミラー110は、本明細書では体積ホログラフィック格子構造110と称される場合がある。スキューミラー110は、ガラスカバー又はガラス基材などの追加の層を含み得る。追加の層は、汚染、湿気、酸素、反応性化学種、被害(ダメージ)などから格子媒体を保護するのに役立ち得る。追加の層は、格子媒体に対して屈折率がマッチされてもよい。格子媒体は、格子構造を内蔵することで、反射軸と称される軸を中心として光を回折させ得る物理的性質を有し、所与の入射角で格子媒体に入射する光の複数の波長に関する回折角(今後、反射角と称される)の変化は1°未満である。一部の場合には、反射軸は、複数の波長及び/又は入射角に対しても一定である。一部の場合には、格子構造は1つ以上のホログラムによって形成される。1つ以上のホログラムは、いくつかの実装形態では体積位相ホログラムであり得る。格子構造の種々の実装形態において、他のタイプのホログラムも使用され得る。
【0025】
同様に、実装形態は典型的に、所与の波長の入射光に関して、入射角の範囲にわたって実質的に一定の反射軸を有し(すなわち反射軸の角度の変化が1°未満である反射軸)、この現象は種々の波長の入射光に対して観測され得る。いくつかの実装形態では、反射軸は、1組の複数の入射角及び1組の複数の波長のすべての組み合わせについて実質的に一定のままである。
【0026】
ホログラムは干渉パターンの記録でよく、記録に使用された光からの強度情報と位相情報の両方を含み得る。この情報は、感光性媒体に記録され得、同媒体は、干渉パターンを、初期の干渉パターンの強度に従って以後の入射光ビームの振幅又は位相を変化させる光学素子に転換する。格子媒体は、フォトポリマー、光屈折結晶、ニクロム酸化ゼラチン、光−熱−屈折性ガラス、分散ハロゲン化銀粒子含有膜、又は入射干渉パターンに反応して同パターンを記録する能力を有する他の材料を含み得る。一部の場合には、記録されたホログラムを読み取り、かつ/又は記録するためにコヒーレントなレーザ光が使用され得る。
【0027】
一部の場合には、ホログラムは、記録ビームとして知られている2つのレーザビームを使用して記録され得る。一部の場合には、記録ビームは、格子媒体に入射する角度を除けば互いに類似している単色のコリメートされた平面波ビームであり得る。いくつかの実装形態では、記録ビームは、互いに異なる振幅分布又は位相分布を有し得る。記録ビームは、記録媒体の内部で交差するように導かれ得る。記録ビームが交差する場所で、それらは、記録媒体と相互作用し、同媒体を干渉パターンの各点の強度に従って変化させる。これにより、記録媒体内に様々な光学特性のパターンが作り出される。例えば、一部の実施形態では、記録媒体の内部で屈折率が変化し得る。一部の場合には、結果として生じる干渉パターンは、(例えばマスクなどを用いて)格子媒体に記録されたそのような格子構造のすべてにわたって均一な空間分布になり得る。一部の場合には、波長又は入射角を変化させて記録媒体の内部で異なる干渉パターンを作成することにより、単一の記録媒体の内部で複数の格子構造が重ね合わされてよい。一部の場合には、1つ以上のホログラムが媒体に記録された後、媒体は、記録後の光処理において、光を用いて処理されてよい。記録媒体の感光性を大幅に低下させるか又は無くすように、光開始剤又は光活性モノマーなどの残存する反応性媒体成分を実質的に消尽するために、記録後の光処理は非コヒーレント性の高い光を用いて行われ得る。ホログラム又は他の格子構造を記録媒体に記録した後、媒体は、典型的には格子媒体と称される。格子媒体は典型的に、非感光性にされている。
【0028】
いくつかの実装形態では、格子構造は、記録ビームと称される複数の光ビーム間の干渉によって生じたホログラムを含む。典型的には、必ずしもそうではないが、格子構造は複数のホログラムを含む。複数のホログラムは、複数のホログラム間で格子媒体に入射する角度が変化する(例えば角度多重化)記録ビーム、及び/又は複数のホログラム間で波長が変化する(例えば波長多重化)記録ビームを使用して記録され得る。いくつかの実装形態では、格子構造は、ホログラムが記録される最中に格子媒体への入射角が変化する2つの記録ビーム、及び/又はホログラムが記録される最中に波長が変化する2つの記録ビームを使用して記録されたホログラムを含む。実装形態は、反射軸が、格子媒体の面法線と、少なくとも1.0度、少なくとも2.0度、少なくとも4.0度、又は少なくとも9.0度だけ異なるデバイスを更に含む。
【0029】
投光器115は、レンズ組立体に画像保持光を供給し得る。いくつかの例では、レンズ組立体及びスキューミラー110は、x−y面に対して実質的に平坦であり得る。しかし、レンズ組立体は、特定の実装形態ではx−y面に関して若干の曲率を有し得る。スキューミラー110からの反射光120は、スキューミラー110からz軸に沿って所定距離にあるアイボックスの方へ反射され得る。いくつかの例では、スキューミラー110は、導波路の内部に少なくとも部分的に包含されてよい。導波路は、全内部反射による入射光130をスキューミラー110の方へ伝搬させてよい。いくつかの例では、入射光130は自由空間によってスキューミラー110の方へ伝搬してよい。スキューミラー110は、フォトポリマーで作製された格子媒体を含み得る。スキューミラー110は、格子媒体の内部に1つ以上の格子構造も含み得る。各格子構造は、互いに重なり合ってもよい1つ以上のホログラム又は正弦曲線の体積格子を含み得る。いくつかの実施形態では、ホログラム又は非ホログラフィーの正弦曲線体積格子のいずれかが、格子媒体に使用される。他の実施形態では、ホログラム及び非ホログラフィーの正弦曲線体積格子の両方が、同じ格子媒体に使用され得る。格子構造は、格子媒体の面法線からオフセットされた反射軸に関して、特定の複数の入射角において、特定の波長の光を反射するように構成されていてもよい。格子媒体内の各格子構造は、導波路から所定距離にあるアイボックスの射出瞳孔の方へ光の一部分を反射するように構成されていてもよい。
【0030】
各格子構造(例えば、各体積ホログラム)は、別の格子構造とは異なる方法で光を反射し得る。例えば、第1の格子構造は、第1の入射角における第1の波長の入射光を反射してもよく、第2の格子構造は、第1の入射角における第2の波長の入射光を反射してもよい(例えば、異なる格子構造を、同じ入射角の入射光に対して異なる波長の光を反射するように構成してもよい)。また、第1の格子構造は、第1の入射角における第1の波長の入射光を反射してよく、第2の格子構造は、第2の入射角における第1の波長の入射光を反射してよい(例えば、異なる格子構造は、異なる入射角の入射光に関して同一の波長の光を反射するように構成されていてもよい)。その上、格子構造は、第1の波長及び第1の入射角の第1の入射光を反射してよく、第2の波長及び同一の反射軸に関する第2の入射角における第2の入射光を反射してよい。このように、所与の入射角における入射光に関して特定の波長の光を選択的に反射するために、異なる格子構造を使用することができる。これらの異なる格子構造は、スキューミラー110の格子媒体の内部で重ね合わされ得る。スキューミラー110は、実質的に一定の(均一な)反射軸を有し得る(例えば、スキューミラー110の各格子構造が、同一の、実質的に一定の反射軸を有する)。
【0031】
いくつかの例では、ヘッドマウントディスプレイデバイスは、画像保持光を供給する光源又は投光器115と、レンズ組立体と、を備え得る。レンズ組立体は、スキューミラー110を含み得る。レンズ組立体は、光源又は投光器115から画像保持光を受光するための光入力部分を備え得る。導波路は、レンズ組立体の内部に配置されて、光入力部分に動作可能に結合され得る。導波路は、少なくとも2つの基材(図示せず)と、少なくとも2つの基材の間に配置された格子媒体と、格子媒体内の第1の格子構造と、格子媒体内の第2の格子構造と、を備え得る。いくつかの例では、導波路が省略されてよく、光源又は投光器115が、自由空間構成のレンズ組立体に動作可能に結合され得る。第1の格子構造は、格子媒体の面法線からずれた第1の格子構造の第1の反射軸を中心として、ある波長の光を反射するように構成されていてもよい。第1の格子構造は、第1の入射角の光を反射するように構成されていてもよい。第2の格子構造は、第1の格子構造に少なくとも部分的に重ならないように構成されていてもよい。第2の格子構造は、第1の格子構造によって反射される光と同じ波長の光を反射するように構成されていてもよい。第2の格子構造は、格子媒体の面法線からずれた第2の格子構造の第2の反射軸を中心として、ある波長の光を反射するように構成されていてもよい。第2の格子構造は、第1の入射角とは異なる第2の入射角の光を反射するように構成されていてもよい。
【0032】
図1は、単なる例示に過ぎず、非限定的である。例えば、光源(例えば、光源又は投光器115)などの撮像部品は、画像保持光を提供し得る。光学レンズなどの導波路部品は、光入力部分を含み得る。光学レンズの光入力部分は、画像保持光を受光し得る。導波路は、光学レンズ内に配置され、光入力部分に動作可能に結合され得る。いくつかの場合では、導波路は、第1の導波路面と、第1の導波路面に対して平行な第2の導波路面と、を有し得る。スキューミラーは、分散を補償するホログラムを含み得る。光結合デバイスなどの結合部品は、導波路媒体に動作可能に結合され得る。
【0033】
追加の例及び様々な実装形態は、本明細書に記載される光均質化技術を使用して企図される。
【0034】
図2Aは、一例による、実空間におけるスキューミラー210の反射特性を示す断面
図200である。断面
図200は、格子媒体の中にホログラム230などの格子構造を含み得る。
図2Aでは、格子媒体のための基材又は保護層として働き得る追加の層などの、格子媒体とは別のスキューミラー部品は省略されている。基材又は保護層は、汚染、湿気、酸素、反応性化学種、被害などから格子媒体を保護するのに役立ち得る。光結合及び/又は瞳孔等化のためのスキューミラーの実装形態は、部分反射的であり得る。例えば、分散補償のためのスキューミラーは、格子媒体及び導波路/入力カプラの屈折率の差に関連する分散を補償するために、特定の方向に異なる色の光の光線を反射するように構成され得る。分散補償のためのスキューミラーは、格子の大きさの関数として、スキューミラーにおける格子ベクトルの角度を変化させることを含み得る。スキューミラー210は、z軸に対して測定された角度で反射軸225によって特徴付けられる。z軸は、スキューミラー軸205に対して垂直である。スキューミラー210は、z軸に対して測定された内部入射角を有する入射光215で照光される。主反射光220は、z軸に対して測定された内部反射角180°で反射され得る。主反射光220は、一例として、可視スペクトルの赤色領域、緑色領域、及び青色領域に存在する光の波長に対応し得る。
【0035】
スキューミラー210は、z軸に対して測定された角度で反射軸225によって特徴付けられる。z軸はスキューミラー軸205に対して垂直である。スキューミラー210は、z軸に関して測定された内部入射角を有する入射光215で照光される。主反射光220は、スキューミラー210の表面に対して実質的に垂直な内部反射角軸で反射され得る。いくつかの例では、主反射光220は、可視スペクトルの赤色領域、緑色領域、及び青色領域に存在する光の波長に対応し得る。例えば、可視スペクトルの赤色領域、緑色領域、及び青色領域は、赤色波長(例えば610〜780nm)の帯域、緑色波長(例えば493〜577nm)の帯域、及び青色波長(例えば405〜492nm)の帯域を含み得る。他の例では、主反射光220は、可視スペクトル(例えば赤外波長及び紫外波長)の外部に存在する光の波長に対応してよい。
【0036】
スキューミラー210は、すべてが実質的に同一の反射軸225を共有する複数のホログラム領域を有し得る。しかしながら、これらの複数の領域は、それぞれが、異なる範囲の入射角の光を反射する可能性がある。例えば、スキューミラー210を包含しているHOEのうちの下部の3分の1は、光を上方に、対応するアイボックスの方へ反射する格子構造のサブセットしか包含しなくてよい。次いで、中央の3分の1は、対応するアイボックスの方へ光を直接反射してよい。次いで、上部の3分の1は、光を下方に、対応するアイボックスの方へ反射する格子構造のサブセットを包含している必要がある。
【0037】
図2Bは、
図2Aのスキューミラー210のk空間表現250を示す。空間的に変化する屈折率成分のk空間分布が典型的には
で表されている。
k空間分布260は、原点を通過し、反射軸225の角度と等しい、z軸に対して測定された角度を有する。記録用のk球255は、特定の書込み波長に対応するk球である。k空間250は、可視スペクトルの赤色領域、緑色領域、及び青色領域に存在する光の波長に対応する様々なk球を含み得る。
【0038】
k空間形式は、ホログラフィック記録及び回折を解析するための方法である。k空間では、伝搬する光波及びホログラムは、実空間におけるそれらの分布の3次元フーリエ変換によって表現される。例えば、無限遠にコリメートされた単色の参照ビームは、実空間及びk空間において式(1)で表すことができる。
【0039】
式(1)で、
は、すべての
3D空間ベクトル位置における光学的スカラ場分布であり、その変換
は、すべての
3D空間周波数ベクトルにおける光学的スカラ場分布である。A
rは場のスカラ複素振幅であり、
は波動ベクトルであり、その長さは光波の空間周波数を示し、その方向は伝搬方向を示す。いくつかの実装形態では、すべてのビームが同じ波長の光からなり、そのためすべての光学的波動ベクトルが同じ長さを有する必要があり、すなわち、
である。したがって、すべての光伝搬ベクトルが半径k
n=2πn
0/λの球体上にある必要があり、n
0はホログラムの平均屈折率(「バルク屈折率」)であり、λは光の真空波長である。この構造物はk球として知られている。他の実装形態では、複数の波長の光が、異なるk球上にあって長さが異なる波動ベクトルの重なり合いへと分解され得る。
【0040】
別の重要なk空間分布にはホログラム自体のk空間分布がある。体積ホログラムは通常、格子媒体の内部での屈折率の空間的変化からなる。屈折率の空間的変動は、典型的には
と表され、屈折率変調パターンと称され得、そのk空間分布は典型的には
と表される。第1の記録ビームと第2の記録ビームの間の干渉によって作り出された屈折率変調パターンは典型的に、式(2)に示されるように、記録用干渉パターンの空間強度に比例する。
【0041】
式(2)で、
は第1の記録ビームフィールドの空間分布であり、
は第2の記録ビームフィールドの空間分布である。単項演算子
*は複素共役を表す。式(2)の最終項
は、入射する第2の記録ビームを回折された第1の記録ビームへマッピングする。したがって、結果として次式のようになり得る。
【0042】
式(3)で、
は3D相互相関演算子である。すなわち、空間領域における、1つの光場と別の光場の複素共役との積は、それらの、周波数領域におけるそれぞれのフーリエ変換の相互相関になる。
【0043】
典型的には、ホログラム230は、実空間では実数値になる屈折率分布を構成する。ホログラム230のk空間分布
の位置は、それぞれ相互相関演算
から数学的に判定され得、あるいはベクトル差
から幾何学的に判定され得て、
は、それぞれのホログラム
の原点に対するk空間分布からの格子ベクトルである(個々には示されていない)。慣例により、波動ベクトルは小文字「k」で表現され、格子ベクトルは大文字「K」で表現されていることに留意されたい。
【0044】
ホログラム230は、記録されると、回折ビームを生成するためにプローブビームによって照光されてよい。本開示の目的のために、回折ビームはプローブビームの反射と考えることができ、入射光ビーム(例えば画像保持光)と称され得る。プローブビーム及びその反射ビームは、反射軸225によって角度的に二分される(つまり、反射軸に関するプローブビームの入射角は、反射軸に関する反射ビームの反射角と同一の大きさを有する)。回折処理は、記録処理のものに類似の、k空間における1組の数学的演算及び幾何学的演算によって表現され得る。弱い回折限界では、回折ビームの回折光分布は式(4)で与えられる。
【0045】
式(4)で、
は、それぞれ回折ビーム及びプローブビームのk空間分布であり、「
*」は3D畳み込み演算子である。
という表記は、前出の表現が、
であるときのみ、すなわち結果がk球上にあるときのみ、評価されることを指示するものである。畳み込み
は偏光密度分布を表現し、プローブビーム
によって誘起された格子媒体の不均一な電気双極子モーメントの巨視的総計に比例する。
【0046】
典型的には、プローブビームと記録に使用される記録ビームのうちの1つとが類似しているとき、畳み込みの影響により、記録中に相互相関が反転され、回折ビームは、ホログラムを記録するのに使用される他の記録ビームと実質的に類似することになる。プローブビームと記録に使用される記録ビームとが異なるk空間分布を有するとき、ホログラムは、ホログラムを記録するのに使用されたビームとは実質的に異なる回折ビームを生成する可能性がある。記録ビームは、典型的には互いにコヒーレントであるが、プローブビーム(及び回折ビーム)は、それほど制約されないことにも留意されたい。多波長プローブビームは、それぞれが異なるk球半径の状況で、式(4)に従って、単一波長のビームの重なり合いとして解析され得る。
【0047】
本明細書ではk空間におけるスキューミラーの特性を説明するときに用いられることもある、プローブビームという用語は、本明細書では実空間におけるスキューミラー反射特性を説明するときに用いられることもある、入射光という用語に類似し得る。同様に、本明細書ではk空間におけるスキューミラーの特性を説明するときに用いられることもある、回折ビームという用語は、本明細書では実空間におけるスキューミラーの特性を説明するときに用いられることもある、主反射光という用語に類似し得る。したがって、実空間におけるスキューミラーの反射特性を説明するとき、ホログラム(又は他の格子構造)によって入射光が主反射光として反射されると明示されることもあるが、ホログラムによってプローブビームが回折されて回折ビームを生成すると明示することも実質的に同じことを言う。同様に、k空間におけるスキューミラーの反射特性を説明するとき、ホログラム(又は他の格子構造)によってプローブビームが回折されて回折ビームを生成すると明示されることもあるが、本開示の実装形態のコンテキストでは、格子構造によって入射光が反射されて主反射光を生成すると明示することも同一の意味を有する。
【0048】
一般に、スキューミラーの実施形態は、ミラー対称性を有する複数の回折格子(ホログラム)の重ね合わせを含み、入射光は、相対的に大きい波長及び角度帯域幅を有する。理論的には、スキューミラーの実施形態は、実際のミラーが同じ対称性ですべての光を反射するのと同様に、入射角及び光波長の範囲にわたって同じミラー対称性で入射光を回折できる。しかしながら、材料分散は、スキューミラーのミラーらしい性能を劣化させる可能性がある。したがって、材料分散を補償する技術又はデバイスが非常に望まれ得る。
【0049】
本明細書に記載されるスキューミラーは、材料分散の有害な影響を補償するように構成され得る。例えば、スキューミラーは、格子周波数の関数として様々な方向を有する回折格子(ホログラム)を含んでもよい。回折格子は、典型的には、光を回折できる空間的に周期的な構造を有する。
図3の
図300は、k空間における単一の例示的な回折格子を示す。
図302は、実際の(物理的)空間における
図300に関連する例示的な回折格子を示す。
図302に示されるように、回折格子306は、格子媒体304内の正弦曲線の変化する屈折率から形成されてもよい。屈折率の変調は、矢印308によって示される方向に配向されてもよい。矢印308は、格子306の格子ベクトル
の方向を表し、格子306は、本明細書では格子方向(配向)
と呼ばれることがある。格子方向
は、格子306の格子ベクトル
の単位ベクトルであり、(実空間における)格子内の一定の屈折率の平面に直交する方向を指す。
【0050】
図302の格子306などの回折格子を有するスキューミラーの原理を可視化するために、k空間(本明細書では運動量空間と呼ばれることもある)における回折格子を示すことが有用であり得る。K空間は、(例えば、上述のように)実空間のフーリエ変換である。したがって、
図302に示す格子306などの平面波格子は、
図300に示されるように、k空間内の2つの点310及び312によって表され得る。K空間内の点310及び312の位置は、格子306の格子ベクトル
(本明細書では運動量ベクトルと呼ばれることもある)によって判定され、これは式(5)によって与えられる。
【0051】
式(5)中、Λは格子の周期であり、Fは空間周波数である。ミラー面314(本明細書では、ミラー軸314と呼ばれることもある)は、単位ベクトル
に垂直な平面として定義される。ミラー面314は、
図3のZ軸に対してある角度αで配向される。スキューミラーが材料分散を有しないか、又はスキューミラー自体と同じ材料分散で媒体中に使用される場合、スキューミラーの複数の回折格子はすべて、同じ方向であるが、大きさを変化させている(例えば、空間周波数Fを変化させている)。
【0052】
図3の
図318は、すべて同じ方向
であるが空間周波数Fが異なる回折格子の組320(例えば、6つの重なり合う/重ね合わされた回折格子)を有する簡略化されたスキューミラーを示す。組320の各回折格子は、格子媒体304の同じ体積内にある。組320における各回折格子は、対応する点(格子ベクトル)322、及びk空間
図316における対応する点(格子ベクトル)324によって説明される。
図316に示されるように、各点322及び各点324は、異なる大きさ(例えば、原点からの距離によって示される格子周波数F)で同じ線(例えば、ミラー面314に垂直な方向
)上にある。以下に説明されるように、これらの平行な格子の組み合わせは、入射光をミラー対称で回折する回折光学素子を生成し、ミラー対称軸は、格子ベクトル
に直交する。
【0053】
光回折事象では、エネルギー及び運動量の両方が保存される。静的回折格子はエネルギーを有さず、これは、回折光が、光子E
pのエネルギーがE
p=hc/λ(ここで、hはプランク定数、cは光速、λは光の波長)と定義されるため、入射光と同じ波長を有することになることを意味する。K空間において、一定のエネルギー又は波長の光は、式(6)によって定義される運動量表面によって表される。
【0054】
式(6)において、
は、方位角φ及び極性角θによって説明される光の伝搬方向の関数としての光の屈折率である。光学等方性媒体の場合、屈折率は、あらゆる方向において一定(例えば、n
0)であるため、光学運動量表面は半径
の球となる。
【0055】
図4の
図400は、3つの異なる波長の等方性媒体における光学運動量(k空間)表面の断面を示す。最大表面408は、最短波長(例えば、青色光の波長)に対応し、第2の最大表面410は、第2の最短波長(例えば、緑色光の波長)に対応し、最小表面412は、光学運動量ベクトル
が波長λに反比例するため、最長波長(例えば、赤色光の波長)に対応する。
【0056】
光回折を生じさせるため、入射光ベクトル
との格子ベクトル
の合計は、式(7)によって与えられる、ブラッグ整合として一般的に知られる伝搬
の許容されるモードに合計しなければならない。
【0057】
ブラッグ整合は、光学運動量ベクトル
の先端に格子ベクトルの原点を配置することによって、k空間に示すことができる。
図4は、
図3のスキューミラーとのブラッグ整合の例を示す。
図4の
図400に示されるように、3つの異なる波長からであるが同じ入射角θ
iの入射光は、入射光ベクトル(例えば、
)416、418、及び420によって示されるように、スキューミラーを通過する。回折格子ベクトル422の原点(例えば回折格子ベクトル
)は、3つの異なる入射光ベクトル416、418、及び420の先端に配置される。
図4の格子ベクトル422は、例えば、
図3の
図316の点(格子ベクトル)322に対応し得る。
【0058】
入射光ベクトルと、スキューミラーからの格子ベクトルとがブラッグ整合される場合、入射光は回折される(反射される)ことになる。例えば、赤色運動量表面(例えば、
図400の表面412)に関連する光は、(例えば、格子ベクトル422に沿った第1の実点が表面412上にあるため)、スキューミラーの最小格子ベクトルとブラッグ整合され、したがって、光(例えば、入射光ベクトル416に関連する赤色光)を回折することになる。スキューミラー内の他の格子ベクトル(実点)422は、伝播が許容されないモード(例えば、合計が表面412に当てはまらない)の解に、入射光ベクトル416を追加する。それゆえ、これらの格子は、入射光ベクトル416に関連する入射光を回折しない。
【0059】
緑色運動量面(例えば、表面410)によって表される光の場合、格子ベクトルのいずれも、その入射角及び波長に対してブラッグ整合されない。したがって、入射光ベクトル418に関連する緑色入射光は、
図4の
図402に示されるように、回折されることなく、スキューミラーを介して伝搬することになる。最後に、青色運動量表面(例えば、表面408)によって表される光は、(例えば、最大の大きさの格子ベクトル422が入射光ベクトル420を表面408上の点に合計するので)最大の空間周波数を有する格子によって回折される。これにより、
図402の赤色光424及び青色光426によって示されるように、赤色光及び青色光が同じ角度に回折される。これは、スキューミラー(例えば、
図4のスキューミラー428、及び
図3の格子320の組を含むスキューミラー)のアクロマティック性能を示す。同時に、緑色光430は、回折することなく(例えば、
図400に示されるように、緑色光は、スキューミラー428内の格子のいずれにもブラッグ整合されないため)スキューミラー428を通過する。実際には、スキューミラーの回折格子の数を増加させて、スキューミラーのスペクトル性能を更に向上させることができる。
【0060】
図4の
図404は、同じ光波長(例えば、表面432に関連する波長)を有するが、異なる入射角(例えば、入射光ベクトル434、436、及び438に関連する角度)を有する光が、どのようにスキューミラー428と相互作用し得るかを示す。
図404に示されるように、ベクトル434及び438に関連する入射光は、格子ベクトル422とブラッグ整合し、実空間
図406における光440及び442によって示されるように回折されることになる。入射光ベクトル436に関連する入射光などの、いくつかの角度の入射光は、スキューミラー428内の回折格子のいずれにもブラッグ整合されないため、スキューミラーは、(例えば、
図406の光404によって示されるように)その光を回折しないことになる。
図4に関連する理想的なシナリオでは、スキューミラーは、ミラー対称性を有する角度及び波長帯域幅の光を回折し得る。入射角及び光波長にかかわらず、スキューミラーは、スキューミラー428のミラー平面414(例えば、
図3のミラー面314に対応する軸直交格子ベクトル
)を中心に対称的に、入射光を回折することになる。
【0061】
平行回折格子を有するスキューミラーは、スキューミラー媒体(例えば、格子媒体)自体内のミラー対称性で、入射光を回折することになる。しかしながら、いったん回折光が異なる分散品質を有する媒体に屈折すると、ミラー対称性が損なわれる。
図5は、スキューミラー(例えば、
図5のスキューミラー528)が自由空間によって取り囲まれ、したがってn=1のバルク指数を有する例を示す。この例では、628nmの光524、及び459nmの光522は、実空間
図502に示されるように、
方向(例えば、θ
i=180度)で伝搬する。入射光524及び522は、スキューミラー表面526に垂直であるため、スキューミラーへの屈折は無視できる。光の波長は両方とも、回折光角度θ
d=−20°で(例えば、
図500に示されるように、同じ回折光ベクトル
で)スキューミラーによって回折される。
【0062】
k空間
図500に示されるように、入射光と回折光の両方が、角度αにおいてミラー軸514から100度であり、それによってスキューミラー自体の内部のスキューミラーのミラー対称性が明示されることに留意されたい。この例では、青色光(例えば、光522)及び赤色光(例えば、光524)には、それぞれ、1.6及び1.5の屈折率が割り当てられる。回折光が自由空間に屈折すると、青色光522は、−38度の角度520に屈折するが、赤色光524は−30.9度の角度518に屈折する(例えば、角度520及び518でスキューミラー528を出ていく回折光は、
図500に示されるように、回折光ベクトル
と整列していない光学運動量ベクトル
を呈する)。換言すれば、スキューミラー自体に対して異なる光学分散特性を有する媒体に回折光を屈折させると、スキューミラーはそのミラー対称性を失う可能性がある。これは、スキューミラーの多くの用途が、スキューミラー自体ではなく、空気又は他の媒体におけるスキューミラーの反射特性を利用することを望むため、問題となり得る。
【0063】
材料分散の有害な影響は、非平行回折格子(例えば、非平行格子ベクトルを有する回折格子)を含むことによって、補償することができる。これによって、スキューミラー自体の代わりに、周囲の媒体においてミラー対称性を呈するように、スキューミラーを構成してもよい。
【0064】
図6のグラフ604は、スキューミラーがフリントガラス(NF2)の材料分散を有する例における
図5のスキューミラー528の性能を示す。グラフ604の曲線610は、
図5の青色光522に対する入射角θ
iの関数として、(例えば、スキューミラーから周囲の媒体へ屈折される)回折角θ
0をプロットしている。グラフ604の曲線608は、
図5の赤色光524に対する入射角θ
iの関数として、回折角θ
0をプロットしている。グラフ604によって示されるように、赤色波長及び青色波長は、入射場にわたって約0.5°だけ異なる角度で回折され、それによってスキューミラーに望ましくないクロマティック効果を与える。グラフ600は、対応する格子の大きさ
の関数として、スキューミラー内の格子のそれぞれのスキュー軸をプロットしている。グラフ600によって示されるように、格子のそれぞれは、格子周波数にかかわらず同じ方向(例えば、80度のスキュー/ミラー軸を有する)を指す格子ベクトルを有する。
【0065】
スキューミラーのクロマティック挙動を低減するために、スキューミラー内の格子方向は、格子周波数(格子ベクトルの大きさ)の関数として変化し得る。例えば、格子の大きさ
の関数としてスキューミラーの角度を変化させる最適化は、メリット値Mを最適化することによって実行され得る。メリット値Mは、例えば、式8で与えられる。
【0066】
式8では、入射視野にわたって合計が行われ、
は赤色光の回折角θ
0(例えば、
図5の赤色光524)であり、
は青色光の回折角θ
0(例えば、
図5の青色光522)である。メリット値を最適化することにより、グラフ602によって示されるように、スキューミラー内の各格子のスキュー軸を、格子周波数の関数として変化させることができる。同じ格子ベクトル方向(例えば、単位ベクトル
)を呈するのではなく、スキューミラーの各格子ベクトル(したがって、ミラー/スキュー軸)が、その格子の大きさ(格子周波数
)に基づいて変化し得る。
図6のグラフ606は、格子がグラフ602に関連する格子方向(スキュー軸)を使用して構成されているときの、赤色光及び青色光(例えば、
図5の光524及び522)に対する回折角対入射角を示す。グラフ606上の線612によって示されるように、回折光が波長に関係なくほぼ同じ角度でスキューミラーから周囲の媒体に出力されるように、赤色光及び青色光の回折応答が収束する。例えば、グラフ606に示されるように、スキューミラーのクロマティック挙動は、0.5度〜0.1度以下の赤色光及び青色光の回折角度間における分離の平均から低減し得る。それゆえ、回折格子(格子ベクトル)のスキュー軸(方向)を、スキューミラーの格子周波数の関数として調整することにより、そのクロマティック性能が向上することになる。
【0067】
図6の例は、単なる例示に過ぎず、非限定的である。最適化方法及びメリット関数は、最終結果を変更するために再定義することができる。例えば、式(8)におけるメリット関数は、スキューミラーが角度範囲にわたって同じミラー対称性を有していたかどうか、又は平均スキュー軸が数度オフセットしたかどうかには依存しなかった。メリット関数にかかわらず、回折格子のスキュー軸を格子空間周波数の関数として調整することにより、材料分散が問題となるときのスキューミラー性能の改善が可能になる。
【0068】
材料分散の影響は、スキューミラー表面に垂直な回折光がプリズムの入力面に対して垂直になるようにカットされた入力プリズムを使用することによって、更に低減することができる。加えて、プリズムの光学分散特性を格子媒体に整合させることもまた、有害な分散効果を低減又は緩和し得る。
【0069】
図7は、分散緩和格子及び分散緩和入力プリズムを備えているスキューミラーの側面図である。
図7に示されるように、システム700(例えば、光学システム700、ディスプレイシステム700、ホログラフィックシステム700、光学構造700など)は、導波路702を含み得る。導波路702は、導波路基材716及び718、並びに導波路基材間に挟まれた格子媒体704を含み得る。入力プリズム720は、導波路基材716の表面714に取り付けられてもよい。この例は単なる例示に過ぎない。一般に、格子媒体704は、導波路内に取り付けられる必要はなく、基材716及び718の一方若しくは両方は省略されてもよく、並びに/又は入力プリズム720は、格子媒体704の表面に取り付けられてもよい。
【0070】
入力プリズム720は、光源724(例えば、光源からプリズム720上に光をコリメートするためのレンズ又は他の構造などの光学部品)から入力(画像)光726を受光し得る。プリズム720は、入力光726に対して垂直に延在するように切断された入力面722を有してもよい。プリズム720は、光726を格子媒体704に結合し得る。プリズム720及び基材716は、第1の分散特性(例えば、第1のアッベ数によって特徴付けられる波長の関数としての第1の屈折率)を有する材料から形成されてもよい。格子媒体704は、第1の分散特性とは異なる第2の分散特性(例えば、第2のアッベ数によって特徴付けられる波長の関数としての第2の屈折率)を有し得る。これにより、格子媒体704に結合された光726の一部を異なる波長に対して異なる角度で屈折させ、それによってビーム726を異なる波長の別個のビームに分割することができる。
図7の例示的な例では、光726は、第1のビーム728(例えば、緑色ビーム)、ビーム730(例えば、赤色ビーム)、及びビーム732(例えば、青色ビーム)に分割される。ビーム728、730、及び732は、矢印734によって示されるように、媒体704の長さを下って伝搬してもよい。
【0071】
格子媒体704を使用して、スキューミラーを形成してもよい。例えば、スキューミラーは、格子媒体704の所与の領域内に1組のホログラム(格子)706を含んでもよい。スキューミラーが分散補償を実行しないシナリオでは、スキューミラーは、出力ビーム736によって示されるように、ビーム728を第1の方向に回折してもよく、出力ビーム740によって示されるように、ビーム730を第2の方向に回折してもよく、出力ビーム738によって示されるように、ビーム732を第3の方向に回折してもよい。このクロマティック挙動を最小化するために、格子706の組は、(例えば、
図6のグラフ602によって与えられるように)格子の格子周波数
の関数として変化する、格子方向(例えば、単位ベクトル
)を有する格子を含んでもよい。これにより、ビーム728、730、及び732を同じ方向に回折するように、格子706の組を構成することができる。
【0072】
例えば、格子706の組は、ビーム728(例えば、緑色光)にブラッグ整合され、第1の格子方向、したがって第1のスキュー角(ミラー軸)708を有する、第1の格子(ホログラム)を含み得る。同様に、格子706の組は、ビーム730(例えば、赤色光)にブラッグ整合され、第2の格子方向、したがって第2のミラー軸712を有する、第2の格子(ホログラム)を含み得る。最後に、格子706の組は、ビーム732(例えば、青色光)にブラッグ整合され、第3の格子方向、したがって第3のミラー軸710を有する、第3の格子(ホログラム)を含み得る。ミラー軸708、710、及び712は、それぞれ異なっていてもよい(例えば、組706内の対応する格子の格子周波数にそれぞれ依存し得る)。第1の格子は、矢印736によって示されるように、ビーム728を第1の方向に回折してもよい。第2の格子は、矢印736によって示されるように、ビーム732を第1の方向に回折してもよい。同様に、第3の格子は、矢印736によって示されるように、ビーム730を第1の方向に回折してもよい。換言すれば、組706内の格子方向を変化することにより、矢印742によって示されるように、回折ビーム738及び740をビーム736の方向に折り畳み得る。これにより、各色の光を所望の位置(例えば、アイボックス)に向けることによって、クロマティック効果を低減し得る。方向736は、表面714に垂直であってもよい。格子媒体704の表面に垂直な方向736に出力ビームを向けることによって、及び光726の方向に垂直に切断された面722を介して光726を格子媒体704に結合することによって、材料分散を更に最小化することができる。
【0073】
図8は、
図7に示される組706における3つの格子に対する格子の大きさ(格子周波数)の関数としての、スキュー角(ミラー軸角)のプロットである。
図8に示されるように、点800、804、及び802は、分散補償なしの、
図7の組706における第1、第2、及び第3の回折格子のスキュー角をプロットしている。
図8に示されるように、格子のそれぞれは、
図7のビーム738、736、及び740の発散によるクロマティック効果につながる、同じスキュー角A1を有する。分散補償機能が提供されるとき、第3の格子には点808によって示されるようなスキュー角A2が設けられてもよく、第2の格子には、点810によって示されるようなスキュー角A0が設けられてもよい。例えば、角度A2は、
図7のミラー軸712に対応することができ、角度A0は、
図7のミラー軸710に対応することができる。第1の格子は、格子の大きさG2を有してもよく、第2の格子は、格子の大きさG1を有してもよく、第3の格子は、格子の大きさG3を有してもよい。このように(例えば、非水平線806に沿って)格子の大きさの関数としてスキュー角を変化させることによって、光のビームのそれぞれは、色にかかわらず(例えば、
図7の方向736で)同じ方向に回折され、それによってクロマティック効果を緩和し得る。
図8の例は、単なる例示に過ぎない。曲線806は、所望であれば、他の形状を有してもよい(例えば、曲線806は線形である必要はなく、例えば、メリット関数を最適化することによって生成され得る)。
【0074】
図7に戻ると、
図7のシステム700の分散補償動作は、所望であれば、回折格子704に類似する分散特性を有する入力プリズム720を備えることによって、更に向上させることができる。例えば、プリズム720を形成するために使用される材料のアッベ数は、格子媒体704のアッベ数と相対的に厳密に一致するように選択されてもよい。例えば、格子媒体704が、(例えば、ナトリウムD線で)1.515の屈折率を有する41.75のアッベ数を有するシナリオでは、入力プリズム720はチタン酸塩から形成され得る。チタン酸塩は、45.5のアッベ数、及び(例えば、ナトリウムD線で)1.548の屈折率を有する。このように、チタン酸塩のアッベ数は、4.05だけ媒体704のアッベ数とは異なる。これによって、1.517の屈折率を有する64.17のアッベ数を有するBK7プリズムが使用されるシナリオに対して、入力プリズムが改善されたクロマティック性能を提供することを可能にし得る。一般に、(例えば、媒体704の屈折率の0.1〜0.2以内のナトリウムD線における屈折率を有する)格子媒体704のアッベ数の、所与の閾値差値内のアッベ数を有する任意の所望の材料を使用して入力プリズム720を形成することにより、システムのクロマティック性能を更に向上させるように機能し得る。閾値差値は、20、30、25、10、5、22.4、5、11、5.5、10〜30、10〜25、又は任意の他の所望の閾値であり得る。
【0075】
別の好適な構成では、
図7のシステム700のクロマティック性能は、複数の異なる材料を使用して入力プリズム720を形成することによって更に改善され得る。
図9は、複数の異なる材料を使用して形成された入力プリズムの側面図である。
図9に示されるように、入力プリズム900(例えば、
図7の入力プリズム720)は、第1の屈折率n
1を有する第1の材料から形成された第1の部分(ウェッジ)902を含んでもよい。プリズム900は、第1のウェッジ902の下に形成された第2の部分(ウェッジ)904を含んでもよい。ウェッジ904は、第2の屈折率n
2を有する第2の材料から形成されてもよい。
図9の例では、プリズム900は三角形であり、ウェッジ902及び904はそれぞれ、少なくとも3つの側部を有し、プリズムの三角形形状を集合的に画定する。これは単なる例示に過ぎず、所望であれば、プリズム900、ウェッジ902、及び/又はウェッジ904は、他の形状を有してもよい。
【0076】
プリズム900は、底面910(例えば、
図7の表面714又は格子媒体に接触する表面)を有し得る。ウェッジ904は、ウェッジ902に接触し、かつ底面910に対して角度βをなして延在する表面906を有し得る。ウェッジ902は、入力光906を(例えば、
図7の光学部品724から)受光する結合面(表面)912(例えば、
図7の表面722)を含み得る。結合面912は、底面910から角度γをなして延在してもよい(例えば、ここで角度γは角度βよりも大きい)。光906は、格子媒体に結合されると、表面912、906、及び/又は910において屈折し得る。光906は、(例えば、
図7の光726によって示されるように)面912に垂直なプリズム900に光906が提供されるシナリオでは、表面912において屈折しない場合がある。角度γ、角度β、ウェッジ902の材料(例えば、屈折率n
1)、及びウェッジ904の材料(例えば、屈折率n
2)は、分散を最小化し、かつ、システムのクロマティック性能を最適化するように選択されてもよい。いくつかのシナリオでは、プリズム900は、例えば、格子媒質内の格子構造が格子周波数の関数の、関数として変化するスキュー角を有する必要がないように、クロマティック性能及び分散を十分に最適化し得る。
【0077】
ウェッジ902及びウェッジ904はそれぞれ、いくつかの例として、40〜50、43〜47、又は30〜60のアッベ数を有する材料から形成されてもよい。角度γは、50〜70度、55〜65度(例えば、約60度)、又は他の角度であり得る。角度βは、10〜20度、15〜16度、12〜18度、5〜30度、又は他の角度であり得る。ウェッジ902及び904は、所望であれば、他の形状を有し得る。
【0078】
本明細書では種々の実施形態について説明及び例示してきたが、本明細書で説明した機能を行い並びに/又は結果及び/若しくは優位点の1つ以上を取得するための他の手段及び/又は構造を使用してもよく、このような変形及び/又は変更はそれぞれ、本明細書で説明した実施形態の範囲内であるとみなされる。より一般的には、本明細書で説明したすべてのパラメータ、寸法、材料、及び構成は単に例示的であり、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、実施形態を用いる特定の応用例又は応用例に依存し得る。実施形態を任意の所望の組み合わせで実施してもよい。また、種々のコンセプトを、例を示した1つ以上の方法、デバイス、又はシステムとして具体化してもよい。方法又は動作の一部として行う行為を、任意の好適な方法で順序付けてもよい。したがって、実施形態を、図解されたものと異なる順序で動作を遂行するように構成されていてもよく、実施形態においては順次動作として示されていても、複数の動作を同時に遂行することも含み得る。本明細書で使用する場合、1つ以上の素子のリストに関する「少なくとも1つの〜」という句は、素子のリスト内の任意の1つ以上の素子から選択された少なくとも1つの要素を意味するものであるが、素子のリスト内に具体的に列記されたすべての素子のうちの少なくとも1つを必ずしも含むわけではなく、また要素のリスト内の素子の任意の組み合わせを除外しないことを理解されたい。移行句、例えば「備える」、「含む」、「保持する」、「有する」、「含有する」、「伴う」、「保持する」、「からなる」などはオープンエンドであると、すなわち、含んでいるが限定されないことを意味すると理解されたい。「ほぼ」という用語は、所与の値の±10%を参照するものである。
【0079】
本明細書で使用される「ほぼ」という用語は、所与の値の±10%を指す。「約」という用語は、所与の値の±20%を参照するものである。反射光に関する「主に」という用語は、格子構造によって反射された光を指す。主に記載の角度で反射される光は、他の角度で反射されるよりも多くの光を含む(表面反射を除く)。列挙された反射軸を中心として主に反射される光は、他の反射軸を中心として反射されるよりも多くの反射光を含む(表面反射を除く)。主に反射される光を考慮する場合、デバイス表面で反射される光は含まれない。「反射軸」という用語は、入射光の、その反射に対する角度を二分する軸を参照するものである。入射光の、入射角の反射軸に対する絶対値は、反射軸に対する入射光の反射の反射角の絶対値に等しい。既存のミラーに関して、反射軸は面法線と一致する(つまり、反射軸はミラー表面に対して垂直である)。反対に、本開示によるスキューミラーの実装形態は、面法線と異なる反射軸を有し得、又は、一部の場合には、面法線と一致する反射軸を有し得る。反射軸角度を、入射角をその対応する反射角に加えて、得られた合計を2で割ることによって判定してもよい。入射角及び反射角は、平均値を得るために使用される複数の(一般に3回以上の)測定で実験的に判定され得る。
【0080】
この開示では、「回折」が通常は適切な用語と考えられ得るいくつかの場合において、「反射」及び類似の用語が使用されている。この「反射」の使用は、スキューミラーが発揮するミラー状の特性と合致し、混乱を招く可能性のある用語法を回避するのに役立つ。例えば、格子構造が入射光を「反射する」ように構成されていると言う場合には、格子構造が光に対して回折によって作用すると一般に考えられているので、既存の技工は、格子構造が入射光を「回折する」ように構成されていると言うのを好む可能性がある。しかしながら、「回折させる」という用語をそのように使用すると、「入射光が実質的に一定の反射軸を中心として回折される」などといった表現をもたらすことになり、紛らわしくなる恐れがある。それゆえに、入射光が格子構造によって「反射された」と言う場合、当該技術分野に精通している者なら、この開示の利点を考慮すると、格子構造が実際には回折の機構によって光を「反射している」ことを認識するであろう。そのような「反射する」の使用は、既存のミラーが、そのような反射における「回折」の主な役割にもかかわらず、一般に、光を「反射する」と言われているので、光学部品における先例がないわけではない。したがって、ほとんどの「反射」は回折の特性を含み、また、スキューミラー又はその部品による「反射」は回折も含むことが、当業者には認識される。
【0081】
「光」という用語は、電磁放射線を指す。特定の波長、又は人間の目に見える電磁スペクトルの一部分を指す「可視光」などの波長の範囲が参照されていなければ、電磁放射はあらゆる波長を有し得る。「ホログラム」及び「ホログラフィック格子」という用語は、複数の交差する光ビーム間の干渉によって発生した干渉パターンの記録を参照するものである。いくつかの例では、ホログラム又はホログラフィック格子は、それぞれが露光時間にわたって不変のままである複数の交差する光ビーム間の干渉によって発生され得る。他の例では、ホログラムが記録されている間に、格子媒体上の複数の交差する光ビームの少なくとも1つの入射角が変化する場合、及び/又はホログラムが記録されている間に波長が変化する場合(例えば複素ホログラム又は複素ホログラフィック格子)、複数の交差する光ビーム間の干渉によってホログラム又はホログラフィック格子が発生し得る。
【0082】
「正弦曲線の体積格子」という用語は、体積領域の全体にわたって実質的に正弦曲線のプロファイルで調整された屈折率などの光学的性質を有する光学部品を参照するものである。それぞれの(シンプルな/正弦曲線)格子は、k空間における単一の共役ベクトル対(又はk空間における実質的に点状の共役対分布)に対応する。「回折効率」という用語は、格子媒体上での入射光に対する反射光のパワーとの比を指す。「入射瞳孔」という用語は、結像光学系に入る光線を、その最小サイズで通す実開口部又は仮想開口部を参照するものである。「アイボックス」という用語は、領域の輪郭を描く2次元領域を参照するものであり、ここにおいて、人間の瞳孔は、格子構造からの所定距離において図の全視野を観察するように置かれ得る。「瞳孔距離」という用語は、格子構造と、対応するアイボックスの間の所定距離を参照するものである。「射出瞳孔」という用語は、結像光学系から出る光線を、その最小サイズで通す実開口部又は仮想開口部を参照するものである。使用において、結像光学系システムは、典型的には、光線を画像キャプチャ手段の方へ向けるように構成されている。画像キャプチャ手段の例として、ユーザの眼、カメラ、又は他の光検出器が挙げられるが、これらに限定されない。一部の場合には、射出瞳孔は、結像光学系から出る光線のサブセットを含んでもよい。
【0083】
「格子媒体」という用語は、光の反射する格子構造で構成された物理的媒体を参照するものである。格子媒体は複数の格子構造を含み得る。「格子構造」という用語は、光を反射するように構成された1つ以上の格子を参照するものである。いくつかの例では、格子構造は、少なくとも1つの共通の属性又は特性(例えば、その組の格子のそれぞれが応答する、光の同一の波長)を共有する1組の格子を含み得る。いくつかの実装形態では、格子構造は1つ以上のホログラムを含み得る。他の実装形態では、格子構造は1つ以上の正弦曲線の体積格子を含み得る。いくつかの例では、格子構造は、1つ以上の格子(例えばホログラム又は正弦曲線の格子)のそれぞれについて、反射軸に対して均一であり得る。代わりに又は加えて、格子構造は、格子媒体内の1つ以上の格子(例えばホログラム又は正弦曲線体積格子)のそれぞれについて、長さ又は体積に対して均一であり得る。本明細書に記載されるようなスキューミラーは、本明細書では、格子構造、ホログラフィック格子構造、又は体積ホログラフィック格子構造と称される場合もある。
【0084】
上述の実施形態は、多数の方法のいずれかで実装することができる。例えば、本明細書に開示される技術を設計及び作製する実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせを使用して実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、ソフトウェアコードは、単一のコンピュータ内に提供されるか、又は複数のコンピュータ間に分散されるかにかかわらず、任意の好適なプロセッサ又はプロセッサの集合上で実行され得る。
【0085】
一実施形態によれば、第1の導波路基材及び第2の導波路基材を有する導波路と、第1の導波路基材と第2の導波路基材との間の格子媒体と、第1の導波路基材に取り付けられたプリズムであって、プリズムが、光を格子媒体に結合するように構成され、格子媒体が第1のアッベ数を有し、プリズムが第1のアッベ数とは異なる第2のアッベ数を有する、プリズムと、格子媒体内の重なり合うホログラムの組であって、重なり合うホログラムの組が、第1の導波路基材及び第2の導波路基材のうちの所与の1つを介して、格子媒体に結合された光の第1の波長を所与の方向に向けるように構成され、かつ、第1の導波路基材及び第2の導波路基材のうちの所与の1つを介して、格子媒体に結合された光の第2の波長を所与の方向に向けるように構成された、ホログラムと、を含む、光学デバイスが提供される。
【0086】
上記実施形態の任意の組み合わせによれば、所与の方向は、第1の導波路基材の側面に対して垂直である。
【0087】
上記実施形態の任意の組み合わせによれば、第1の波長は赤色光を含み、第2の波長は青色光を含む。
【0088】
上記実施形態の任意の組み合わせによれば、光学デバイスは、プリズムの入力面に垂直な角度で入力面に光を提供するように構成された光学構造を更に含む。
【0089】
上記実施形態の任意の組み合わせによれば、重なり合うホログラムの組は、第1の格子ベクトルを有する第1のホログラムと、第1の格子ベクトルに対して非ゼロの角度で配向された第2の格子ベクトルを有する第2のホログラムとを含む。
【0090】
上記実施形態の任意の組み合わせによれば、重なり合うホログラの組は、第1及び第2のホログラムと重なり合い、かつ、第1及び第2の格子ベクトルに対して非ゼロの角度で配向された、第3の格子ベクトルを有する第3のホログラムを更に含み、第1の格子ベクトルが第1の大きさを有し、第2の格子ベクトルが第1の大きさとは異なる第2の大きさを有し、第3の格子ベクトルが、第1及び第2の大きさとは異なる第3の大きさを有する。
【0091】
上記実施形態の任意の組み合わせによれば、第1のアッベ数と第2のアッベ数との間の差値は30未満である。
【0092】
上記実施形態の任意の組み合わせによれば、差値は10未満である。
【0093】
上記実施形態の任意の組み合わせによれば、プリズムは、第1の導波路基材上の第1の部分を含み、所与の波長で第1の屈折率を有し、プリズムは、第1の部分上の第2の部分を含み、所与の波長で第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有する。
【0094】
上記実施形態の任意の組み合わせによれば、重なり合うホログラムの組内の各ホログラムは、対応する格子周波数と、ある角度に配向された対応するスキュー軸とを有するそれぞれの格子ベクトルを有し、重なり合うホログラムの組内のスキュー軸の角度は、対応する格子周波数の関数として変化する。
【0095】
別の実施形態によれば、格子媒体と、格子媒体に取り付けられたプリズムであって、プリズムが、光を格子媒体に結合するように構成されたプリズムと、第1の格子周波数及び第1の格子ベクトルを有する格子媒体内の第1のホログラムであって、第1のホログラムが、格子媒体に結合された光の少なくとも一部を所与の方向に回折するように構成された、第1のホログラムと、格子媒体内の第1のホログラムと重なり合い、かつ、第1の格子周波数とは異なる第2の格子周波数と、第1の格子ベクトルに対して非平行な第2の格子ベクトルとを有する第2のホログラムであって、第2のホログラムが、格子媒体に結合された光の少なくとも一部を所与の方向に回折するように構成された、第2のホログラムと、格子媒体内の第1及び第2のホログラムと重なり合い、かつ、第1及び第2の格子周波数とは異なる第3の格子周波数と、第1及び第2の格子ベクトルに対して非平行な第3の格子ベクトルとを有する第3のホログラムであって、第3のホログラムが、格子媒体に結合された光の少なくとも一部を所与の方向に回折するように構成された、第3のホログラムと、を含む、光学デバイスが提供される。
【0096】
上記実施形態の任意の組み合わせによれば、所与の方向は、格子媒体の側面に直交する。
【0097】
上記実施形態の任意の組み合わせによれば、光学システムは、プリズムの入力面に垂直な角度で入力面に光を提供するように構成された光学構造を更に含む。
【0098】
上記実施形態の任意の組み合わせによれば、プリズムは、第1のウェッジと、第1のウェッジ上の第2のウェッジとを含み、第2のウェッジは入力面を含み、第1のウェッジは第1のアッベ数を有し、第2のウェッジは、第1のアッベ数とは異なる第2のアッベ数を有する。
【0099】
上記実施形態の任意の組み合わせによれば、プリズムは第1のアッベ数を有し、格子媒体は、第1のアッベ数の30以内にある第2のアッベ数を有する。
【0100】
上記実施形態の任意の組み合わせによれば、格子媒体は導波路内に埋め込まれ、プリズムは導波路の表面に取り付けられる。
【0101】
上記実施形態の任意の組み合わせによれば、導波路は、第1のアッベ数を有する基材を含み、格子媒体は、第1のアッベ数とは異なる第2のアッベ数を有する。
【0102】
上記実施形態の任意の組み合わせによれば、プリズムはチタン酸塩を含む。
【0103】
別の実施形態によれば、第1の基材及び第2の基材と、第1の基材と第2の基材との間の格子媒体と、第1の基材上のプリズムであって、第1の基材を介して光を格子媒体に結合するように構成された、プリズムと、格子媒体内のホログラフィック光学素子であって、格子媒体に結合された光を回折するように構成された、ホログラフィック光学素子と、を含むヘッドマウントディスプレイデバイスが提供され、プリズムは、第1のアッベ数を有する第1の基材の表面上の第1の部分と、第1のアッベ数とは異なる第2のアッベ数を有する第1の部分上の第2の部分と、を含む。
【0104】
上記実施形態の任意の組み合わせによれば、第2の部分は、光を受光するように構成された入力面を含み、第2の部分は、第1の部分を介して光を格子媒体に伝達するように構成されており、第1の部分は第2部分に接触する上部面を有し、上部面はプリズムの底面に対して第1の角度で配向され、入力面は、プリズムの底面に対して第1の角度よりも大きい第2の角度で配向されている。
【0105】
前述は、単なる例示に過ぎず、説明された実施形態に対して多様な変更を行うことができる。前述の実施形態は、個別に又は任意の組み合わせで実装することができる。