(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6987261
(24)【登録日】2021年12月2日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】画素配列構造
(51)【国際特許分類】
G09F 9/302 20060101AFI20211213BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20211213BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20211213BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20211213BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20211213BHJP
【FI】
G09F9/302 C
G09F9/30 365
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/12 B
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-541411(P2020-541411)
(86)(22)【出願日】2018年2月26日
(65)【公表番号】特表2021-511551(P2021-511551A)
(43)【公表日】2021年5月6日
(86)【国際出願番号】CN2018077253
(87)【国際公開番号】WO2019148558
(87)【国際公開日】20190808
【審査請求日】2020年7月28日
(31)【優先権主張番号】201810103217.3
(32)【優先日】2018年2月1日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517333336
【氏名又は名称】武漢華星光電半導体顕示技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUHAN CHINA STAR OPTOELECTRONICS SEMICONDUCTOR DISOLAY TECHNOLOGY CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】趙 勇
(72)【発明者】
【氏名】孫 亮
(72)【発明者】
【氏名】李 豪凱
【審査官】
石本 努
(56)【参考文献】
【文献】
特開2017−084828(JP,A)
【文献】
特表2017−533475(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第106816449(CN,A)
【文献】
特表2016−507131(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第104576699(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第106298855(CN,A)
【文献】
中国実用新案第204885166(CN,U)
【文献】
特開2015−094953(JP,A)
【文献】
特開2007−017477(JP,A)
【文献】
特表2009−533810(JP,A)
【文献】
特開2011−209754(JP,A)
【文献】
特開2016−009636(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/192396(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0319484(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/30−9/46
H01L27/32
51/50
H05B33/00−33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交互に配列された複数の第1画素行及び複数の第2画素行を含む画素配列構造であって、
前記第1画素行の各々は、間隔をおいて交互に配列された複数の第1副画素及び複数の第2副画素を含み、前記第2画素行の各々は、間隔をおいて配列された複数の第3副画素を含み、
前記第3副画素の形状は、円形であり、
前記第1副画素及び前記第2副画素の形状は同じであり、いずれも4つの第1辺及び4つの第2辺を含み、前記第1辺と前記第2辺とが交互に接続されて閉図形に囲まれ、前記第1辺は前記閉図形の内部へ凹んだアーク線であり、前記第2辺は前記閉図形の外部へ凸のアーク線であり、
前記第1副画素及び前記第2副画素の各々の4つの第1辺の曲率半径が同じであり、前記第1副画素及び前記第2副画素の各々の4つの第2辺の曲率半径が同じであり、
前記第1副画素、前記第2副画素の色が、それぞれ赤色又は青色であり、前記第3副画素の色が緑色であり、
前記第1副画素と前記第2副画素とは面積が同じであり、前記第1副画素及び前記第2副画素の面積が前記第3副画素の面積よりも大きい、
画素配列構造。
【請求項2】
前記第1副画素毎の4つの第1辺は前記第1副画素に隣接する4つの前記第3副画素にそれぞれ対向し、前記第2副画素毎の4つの第1辺は前記第2副画素に隣接する4つの前記第3副画素にそれぞれ対向する、又は、
前記第1副画素毎の4つの第2辺は前記第1副画素に隣接する4つの前記第3副画素にそれぞれ対向し、前記第2副画素毎の4つの第2辺は前記第2副画素に隣接する4つの前記第3副画素にそれぞれ対向する、
請求項1に記載の画素配列構造。
【請求項3】
前記画素配列構造の画素密度が200ppi〜600ppiである、
請求項1に記載の画素配列構造。
【請求項4】
前記第1副画素の中心点と前記第3副画素の中心点を結んだ線上における、前記第1副画素の第1辺上の点と前記第3副画素の円周上の点との間の距離及び前記第2副画素の中心点と前記第3副画素の中心点を結んだ線上における、前記第2副画素の第1辺上の点と前記第3副画素の円周上の点との間の距離はいずれも第1長さであり、
前記第1副画素の中心点と前記第3副画素の中心点を結んだ線上における、前記第1副画素の第1辺上の点と前記第1副画素の中心点との間の距離及び前記第2副画素の中心点と前記第3副画素の中心点を結んだ線上における、前記第2副画素の第1辺上の点と前記第2副画素の中心点との間の距離はいずれも第2長さであり、
前記第3副画素の半径は第3長さであり、
前記第1長さが10μm〜30μmであり、前記第2長さが10μm〜50μmであり、前記第3長さが4μm〜40μmである、
請求項1に記載の画素配列構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術分野に関し、特に画素配列構造に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Display,OLED)表示装置は、自発光であり、駆動電圧が低く、発光効率が高く、応答時間が短く、解像度及びコントラストが高く、180°に近い視野角であり、使用温度範囲が広く、フレキシブルディスプレイ及び大面積フルカラー表示を実現できるなどの多くの利点を有し、業界で最も発展可能性のある表示装置として知られている。
【0003】
OLED表示装置は一般的に、基板と、基板上に設けられた陽極と、陽極上に設けられた正孔注入層と、正孔注入層上に設けられた正孔輸送層と、正孔輸送層上に設けられた発光層と、発光層上に設けられた電子輸送層と、電子輸送層上に設けられた電子注入層と、電子注入層上に設けられた陰極とを含む。OLED表示デバイスの発光原理は、電界駆動下で半導体材料及び有機発光材料がキャリア注入及び再結合により発光することである。具体的に、OLED表示デバイスは、陽極にITO画素電極を、陰極に金属電極を用い、ある電圧に駆動されることにより、陰極から電子輸送層に電子を、陽極から正孔輸送層に正孔を注入し、電子及び正孔が電子輸送層及び正孔輸送層をそれぞれ経て発光層に移動するとともに、発光層で会合して励起子を形成し、発光分子を励起させ、放射緩和により可視光を発光する。
【0004】
表示技術の発展に伴い、表示装置の高解像度化及び高輝度化の要求が高まっているが、高解像度化のOLED表示パネルを作製するためにはより高精細化のファインメタルマスクFMM(Fine Metal Mask)が必要である。その理由は、通常のストライプ状の副画素(RGB stripe)で構成された画素において、副画素ストライプ方向に垂直な方向における1つの画素ピッチ内に3つの副画素を配置する必要があり、画素密度が300ppiよりも高い場合、現段階のFMMプロセスでは実施するのに非常に困難であるためである。同時に、解像度の向上のため、副画素発光領域の間の距離要求がますます小さくなり、蒸着されたスクリーン混色もますます深刻になっている。特に従来のストライプ配列の赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの副画素は、副画素毎に対応するFMMの開口領域の長さが長く、直線性制御が困難で、混色が発生しやすく、従来のRGB strip画素構造をそのままOLEDパネルに適用すると、解像度を向上させることができず、製作が困難であるという問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、OLED表示パネルに適用して、OLED表示パネルの作製難度を低減して、OLED表示パネルの寿命を延ばすことができる画素配列構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、交互に配列された複数の第1画素行及び複数の第2画素行を含む画素配列構造を提供し、
第1画素行の各々は、間隔をおいて交互に配列された複数の第1副画素及び複数の第2副画素を含み、第2画素行の各々は、間隔をおいて配列された複数の第3副画素を含み、
前記第3副画素に隣接する2つの第1副画素及び2つの第2副画素が仮想四角枠を形成し、前記第3副画素が、前記第3副画素に隣接する2つの第1副画素及び2つの第2副画素からなる仮想四角枠内に設けられ、前記第1副画素と第2副画素とは面積が同じであり、前記第1副画素及び第2副画素の面積が前記第3副画素の面積よりも大きい。
【0007】
所望により、前記第1副画素、第2副画素及び第3副画素の形状がいずれも方形である。
【0008】
所望により、前記第3副画素の形状が円形である。
【0009】
所望により、前記第1副画素及び第2副画素はいずれも4つの第1辺及び4つの第2辺を含み、前記第1辺と第2辺とが交互に接続されて閉図形に囲まれる。
【0010】
所望により、前記第1辺は前記閉図形の内部へ凹んだアーク線であり、前記第2辺は直線である。
【0011】
所望により、前記第1辺は前記閉図形の内部へ凹んだアーク線であり、前記第2辺は前記閉図形の外部へ凸のアーク線である。前記4つの第1辺は異なる曲率半径を有し、前記4つの第2辺は異なる曲率半径を有する。
【0012】
所望により、各第1画素行の第1副画素及び第2副画素それぞれの対角線が同一直線上にあり、第3副画素の対角線が第1副画素の対角線と平行である。
【0013】
所望により、前記第1副画素の中心が、前記仮想四角枠の第1頂点と重なり、前記第2副画素の中心が、前記仮想四角枠における前記第1頂点に隣接する第2頂点と重なり、前記第3副画素の中心が、前記仮想四角枠の中心と重なる。
【0014】
所望により、前記第1副画素、第2副画素及び第3副画素の色が異なり、それぞれ赤色副画素、青色副画素及び緑色副画素のうちいずれか1つである。
【0015】
所望により、各第1副画素の4つの第1辺は前記第1副画素に隣接する4つの第3副画素にそれぞれ対向し、各第2副画素の4つの第1辺は、前記第2副画素に隣接する4つの第3副画素にそれぞれ対向する。
【0016】
所望により、前記第1副画素の第1辺からその第1辺に対向する第3副画素のエッジまでの距離及び第2副画素の第1辺からその第1辺に対向する第3副画素のエッジまでの距離はいずれも第1長さであり、前記第1副画素及び第2副画素の中心点からその第1辺までの距離はいずれも第2長さであり、前記第3副画素の半径は第3長さであり、
前記画素配列構造の画素密度が200ppi〜600ppiであり、前記第1長さが10μm〜30μmであり、前記第2長さが10μm〜50μmであり、前記第3長さが4μm〜40μmである。
【0017】
本発明は、交互に配列された複数の第1画素行及び複数の第2画素行を含む画素配列構造をさらに提供し、
第1画素行の各々は、間隔をおいて交互に配列された複数の第1副画素及び複数の第2副画素を含み、第2画素行の各々は、間隔をおいて配列された複数の第3副画素を含み、
前記第3副画素に隣接する2つの第1副画素及び2つの第2副画素が仮想四角枠を形成し、前記第3副画素が、前記第3副画素に隣接する2つの第1副画素及び2つの第2副画素からなる仮想四角枠内に設けられ、前記第1副画素と第2副画素とは面積が同じであり、前記第1副画素及び第2副画素の面積が前記第3副画素の面積よりも大きく、
前記第3副画素の形状が円形であり、
前記第1副画素及び第2副画素はいずれも4つの第1辺及び4つの第2辺を含み、前記第1辺と第2辺とが交互に接続されて閉図形に囲まれ、
前記第1辺は前記閉図形の内部へ凹んだアーク線であり、前記第2辺は直線であり、
前記第1副画素の中心が、前記仮想四角枠の第1頂点と重なり、前記第2副画素の中心が、前記仮想四角枠における前記第1頂点に隣接する第2頂点と重なり、前記第3副画素の中心が、前記仮想四角枠の中心と重なる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の有益な効果は、本発明に係る画素配列構造は、交互に配列された複数の第1画素行及び複数の第2画素行を含み、第1画素行の各々は、間隔をおいて交互に配列された複数の第1副画素及び複数の第2副画素を含み、第2画素行の各々は、間隔をおいて配列された複数の第3副画素を含み、前記第3副画素に隣接する2つの第1副画素及び2つの第2副画素が仮想四角枠を形成し、前記第3副画素が、前記第3副画素に隣接する2つの第1副画素及び2つの第2副画素からなる仮想四角枠内に設けられ、前記第1副画素と第2副画素とは面積が同じであり、前記第1副画素及び第2副画素の面積が前記第3副画素の面積よりも大きく、前記画素配列構造をOLED表示パネルに適用して、OLED表示パネルの作製難度を低減して、OLED表示パネルの寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の特徴及び技術的内容をより一層明らかにするために、以下の本発明に関する詳細な説明及び添付図面を参照するが、添付図面は、参照及び説明のためのものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【
図1】
図1は本発明の画素配列構造の第1実施例を示す図である。
【
図2】
図2は本発明の画素配列構造の第2実施例を示す図である。
【
図3】
図3は本発明の画素配列構造の第3実施例の第1配列を示す図である。
【
図4】
図4は本発明の画素配列構造の第3実施例の第2配列を示す図である。
【
図5】
図5は本発明の画素配列構造の第1実施例と従来の実施例との比較を示す図である。
【
図6】
図6は本発明の画素配列構造の第1実施例と他の従来の実施例との比較を示す図である。
【
図7】
図7は本発明の画素配列構造の第2実施例と第1実施例との比較を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に用いられた技術的手段及びその効果をより明らかにするために、本発明の好ましい実施例及び添付図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
本発明に係る画素配列構造は、主にOLED表示パネルに適用し、OLED表示パネルの作製難度を低減して、OLED表示パネルの寿命を延ばす。
【0022】
図1を参照すると、本発明に係る画素配列構造の第1実施例では、前記画素配列構造は交互に配列された複数の第1画素行10及び複数の第2画素行20を含む。第1画素行10の各々は、間隔をおいて交互に配列された複数の第1副画素31及び複数の第2副画素32を含む。第2画素行の各々は、間隔をおいて配列された複数の第3副画素33を含む。前記第3副画素33に隣接する2つの第1副画素31及び2つの第2副画素32が仮想四角枠SQを形成する。前記第3副画素33は、前記第3副画素33に隣接する2つの第1副画素31及び2つの第2副画素32からなる仮想四角枠SQ内に設けられる。前記第1副画素31と第2副画素32とは面積が同じであり、前記第1副画素31及び第2副画素32の面積は前記第3副画素33の面積よりも大きい。
【0023】
具体的には、
図1に示すように、前記第1実施例では、前記第1副画素31の中心が、前記仮想四角枠SQの第1頂点P1と重なり、前記第2副画素32の中心が、前記仮想四角枠SQにおける前記第1頂点P1に隣接する第2頂点P2と重なり、前記第3副画素33の中心が、前記仮想四角枠SQの中心Cと重なる。
【0024】
さらに、前記第1副画素31、第2副画素32及び第3副画素33の形状は、いずれも方形である。第1画素行10における各第1副画素31及び第2副画素32の対角線が同一直線上にあり、第3副画素33の対角線が第1副画素31の対角線と平行であることで、第1副画素31毎の4つの辺が隣接する4つの第3副画素33とそれぞれ対向し、第2副画素32毎の4つの辺が隣接する4つの第3副画素33とそれぞれ対向し、第3副画素33毎の4つの辺が隣接する2つの第1副画素31及び2つの第2副画素32とそれぞれ対向する。
【0025】
好ましくは、前記第1副画素31、第2副画素32及び第3副画素33の色が異なり、それぞれ赤色副画素、青色副画素及び緑色副画素のうちいずれか1つである。第1実施例では、前記第1副画素31、第2副画素32及び第3副画素33はそれぞれ赤色光、青色光及び緑色光を発する。即ち、OLED表示パネルに対応して、前記第1副画素31、第2副画素32及び第3副画素33は、赤色光、青色光及び緑色光を発する有機発光ダイオードをそれぞれ含む。当然のことながら、本発明の他の実施例では、前記第1副画素31、第2副画素32及び第3副画素33が他の色の光を発することもできる。
【0026】
なお、本実施例における方形の副画素は、八角形の副画素に対して優位性を有する。
図5に示すように、第1副画素31a及び第2副画素32aの形状が共に八角形であり、第3副画素の形状が方形である。
図5に示すように、前記第1副画素31aと第3副画素との間の距離及び前記第2副画素32aと第3副画素との間の距離が共に第1長さGapである場合と比較すると、同じ第1長さGapにおいて、本発明は、第1副画素31及び第2副画素32を共に方形とすることによって、第1副画素31及び第2副画素32の面積を大きくする。有機発光ダイオードの面積はOLED表示パネルの寿命に比例するため、本発明の第1実施例に係る画素配列方式は、八角形の第1副画素31a及び第2副画素32aを採用した実施例よりも、第1長さのままでより長い寿命を有する。
【0027】
同様に、
図6に示すように、第1副画素及び第2副画素の形状が共に方形であり、第3副画素33bの形状が八角形である実施例と比較すると、前の実施例と同様に、本発明は第3副画素33の形状を方形とすることにより、第1長さGAPのままで、第3副画素の面積を増大させて、OLED表示パネルの寿命を向上させることができる。
【0028】
図2を参照すると、本発明に係る画素配列構造の第2実施例では、前記画素配列構造は交互に配列された複数の第1画素行10’及び複数の第2画素行20’を含む。第1画素行10’の各々は、間隔をおいて交互に配列された複数の第1副画素31’及び複数の第2副画素32’を含む。第2画素行の各々は、間隔をおいて配列された複数の第3副画素33’を含む。前記第3副画素33’に隣接する2つの第1副画素31’及び2つの第2副画素32’が仮想四角枠SQ’を形成する。前記第3副画素33’は、前記第3副画素33’に隣接する2つの第1副画素31’及び2つの第2副画素32’からなる仮想四角枠SQ’内に設けられる。前記第1副画素31’と第2副画素32’とは面積が同じであり、前記第1副画素31’及び第2副画素32’の面積が前記第3副画素33’の面積よりも大きい。
【0029】
具体的には、
図2に示すように、前記第2実施例では、前記第1副画素31’の中心が、前記仮想四角枠SQ’の第1頂点P1’と重なり、前記第2副画素32’の中心が、前記仮想四角枠SQ’における前記第1頂点P1’に隣接する第2頂点P2’と重なり、前記第3副画素33’の中心が、前記仮想四角枠SQ’の中心C’と重なる。前記第3副画素33’の形状は円形である。前記第1副画素31’及び第2副画素32’はいずれも4つの第1辺301’及び4つの第2辺302’を含む。前記第1辺301’と第2辺302’とが交互に首尾接続されて閉図形に囲まれる。前記第1辺301’は前記閉図形の内部へ凹んだアーク線であり、前記第2辺302’は直線であることで、第1副画素31’毎の4つの第1辺301’が前記第1副画素31’に隣接する4つの第3副画素33’とそれぞれ対向し、第2副画素32’毎の4つの第1辺301’が前記第2副画素32’に隣接する4つの第3副画素33’とそれぞれ対向する。
【0030】
なお、前記画素配列構造の第2実施例の理想的な状態では、前記第1副画素31’及び第2副画素32’の形状が全て同じであって、第1副画素31’及び第2副画素32’の各々の4つの第1辺301’の曲率半径も同じである。前記画素配列構造の第2実施例の実際の製造プロセスでは、製造誤差(例えば、蒸着機の状態の違いによる製造誤差)の存在により、実際に製造された前記第1副画素31’及び第2副画素32’の形状がわずかに異なる場合があり、第1副画素31’毎の4つの第1辺301’及び第2副画素32’毎の4つの第1辺301’の曲率半径が少しずれる場合もあるが、これは本発明の実施に影響を与えることはない。
【0031】
なお、実際の製造中にFMMを作製する際、エッチングでもレーザでも、方形又は尖った図形を作製することは困難である。本発明では第3副画素33’を円形にするとともに、第1副画素31’及び第2副画素32’に弧状の第1辺301’を設けて、拡散原理に合致し、FFMの作製難度を効果的に低減することができる。それと同時に、円形の第3副画素33’は同じ面積のうち辺長が最小で、効率が最も高い形状であり、且つ人間の目にハレーション効果を有し、微小な非円形発光体もほぼ円形とみなされる。このため、第3副画素33’を円形にすることにより第3副画素33’の効率を最大化するとともに、人間の目のハレーション効果に合致し、第1副画素31’毎の4つの第1辺301’が前記第1副画素31’に隣接する4つの第3副画素33’にそれぞれ対向し、第2副画素32’毎の4つの第1辺301’が前記第2副画素32’に隣接する4つの第3副画素33’にそれぞれ対向することにより、副画素間のピッチを最大化にすることもできる。
【0032】
好ましくは、前記第1副画素31’、第2副画素32’及び第3副画素33’の色が異なり、それぞれ赤色副画素、青色副画素及び緑色副画素のうちいずれか1つである。第2実施例では、前記第1副画素31’、第2副画素32’及び第3副画素33’はそれぞれ赤色光、青色光及び緑色光を発する。すなわち、OLED表示パネルに対応して、前記第1副画素31’、第2副画素32’及び第3副画素33’は、赤色光、青色光及び緑色光を発する有機発光ダイオードをそれぞれ含む。当然のことながら、本発明の他の実施例では、前記第1副画素31’、第2副画素32’及び第3副画素33’が他の色の光を発することもできる。
【0033】
さらに、
図7に示すように、前記第2実施例を第1実施例と比較すると、前記第1副画素と第3副画素との間の距離及び前記第2副画素と第3副画素との間の距離である第1長さGapが変わらない場合、第1副画素31’及び第2副画素32’の面積が大きくなるが、第3副画素33’の面積が小さくなる。OLED表示パネルにおいて、青色光を発する有機発光ダイオードの寿命が最も悪く、緑色光を発する有機発光ダイオードの寿命が良いが、OLED表示パネル全体の寿命は寿命が最も悪い有機発光ダイオードで決まる。本発明の第2実施例では、第3副画素33’の面積が小さくなるが、第3副画素33’に対応するのは緑色光を発する有機発光ダイオードであり、第2副画素32’に対応するのは青色光を発する有機発光ダイオードである。実際に実施する際に、面積が小さくなる第3副画素33’の実際の寿命が、面積が大きくなる第2副画素32’の実際の寿命よりも大きいことで、OLED表示パネル全体の寿命が第2副画素32’の実際の寿命に決まる。第2副画素32’の面積は第1実施例よりも大きくなり、OLED表示パネル全体の寿命が第1実施例よりも長くなる。
【0034】
具体的には、本発明の第2実施例では、前記第1副画素31’の第1辺からその第1辺301’に対向する第3副画素33’のエッジまでの距離及び第2副画素32’の第1辺301’からその第1辺301’に対向する第3副画素33’のエッジまでの距離はいずれも第1長さGapであり、前記第1副画素31’及び第2副画素32’の中心点からその第1辺301’までの距離はいずれも第2長さbであり、前記第3副画素33’の半径は第3長さrである。
【0035】
具体的に実施する際に、面積が小さくなった後の第3副画素33’の実際の寿命が、面積が大きくなった後の第2副画素32’の実際の寿命よりも依然として大きくすることにより、OLED表示パネル全体の寿命を延ばすという目的を達成するために、前記画素配列構造の画素密度が好ましくは200ppi〜600ppiであり、前記第1長さGapが好ましくは10μm〜30μmであり、前記第2長さbが好ましくは10μm〜50μmであり、前記第3長さrが好ましくは4μm〜40μmである。
【0036】
所望により、本発明の第2実施例の具体的な実施形態では、前記第1長さGapは20μmであってもよく、前記画素配列構造の画素密度は200ppiであってもよく、前記第2長さbと第3長さrとの和は40μmであってもよく、前記第2長さbは10μm〜30μmであってもよい。
【0037】
所望により、本発明の第2実施例の別の具体的な実施形態では、前記第1長さGapは20μmであってもよく、前記画素配列構造の画素密度は250ppiであってもよく、前記第2長さbと第3長さrとの和は28μmであってもよく、前記第2長さbは10μm〜21μmであってもよい。
【0038】
所望により、本発明の第2実施例のさらに別の具体的な実施形態では、前記第1長さGapは20μmであってもよく、前記画素配列構造の画素密度は300ppiであってもよく、前記第2長さbと第3長さrとの和は20μmであってもよく、前記第2長さbは10μm〜15μmであってもよい。
【0039】
所望により、本発明の第2実施例のさらに別の具体的な実施形態では、前記第1長さGapは20μmであってもよく、前記画素配列構造の画素密度は350ppiであってもよく、前記第2長さbと第3長さrとの和は14μmであってもよく、前記第2長さbは10μmであってもよい。
【0040】
所望により、本発明の第2実施例のさらに別の具体的な実施形態では、前記第1長さGapは15μmであってもよく、前記画素配列構造の画素密度は200ppiであってもよく、前記第2長さbと第3長さrとの和は45μmであってもよく、前記第2長さbは10μm〜33μmであってもよい。
【0041】
所望により、本発明の第2実施例のさらに別の具体的な実施形態では、前記第1長さGapは15μmであってもよく、前記画素配列構造の画素密度は250ppiであってもよく、前記第2長さbと第3長さrとの和は33μmであってもよく、前記第2長さbは10μm〜24μmであってもよい。
【0042】
所望により、本発明の第2実施例のさらに別の具体的な実施形態では、前記第1長さGapは15μmであってもよく、前記画素配列構造の画素密度は300ppiであってもよく、前記第2長さと第3長さとの和は25μmであってもよく、前記第2長さbは10μm〜18μmであってもよい。
【0043】
所望により、本発明の第2実施例のさらに別の具体的な実施形態では、前記第1長さGapは15μmであってもよく、前記画素配列構造の画素密度は350ppiであってもよく、前記第2長さbと第3長さrとの和は19μmであってもよく、前記第2長さbは10μm〜14μmであってもよい。
【0044】
所望により、本発明の第2実施例のさらに別の具体的な実施形態では、前記第1長さGapは15μmであってもよく、前記画素配列構造の画素密度は400ppiであってもよく、前記第2長さbと第3長さrとの和は15μmであってもよく、前記第2長さbは10μm〜11μmであってもよい。
【0045】
所望により、本発明の第2実施例のさらに別の具体的な実施形態では、前記第1長さGapは25μmであってもよく、前記画素配列構造の画素密度は200ppiであってもよく、前記第2長さbと第3長さrとの和は35μmであってもよく、前記第2長さbは10μm〜26μmであってもよい。
【0046】
所望により、本発明の第2実施例のさらに別の具体的な実施形態では、前記第1長さGapは25μmであってもよく、前記画素配列構造の画素密度は250ppiであってもよく、前記第2長さbと第3長さrとの和は23μmであってもよく、前記第2長さbは10μm〜17μmであってもよい。
【0047】
所望により、本発明の第2実施例のさらに別の具体的な実施形態では、前記第1長さGapは25μmであってもよく、前記画素配列構造の画素密度は300ppiであってもよく、前記第2長さbと第3長さrとの和は15μmであってもよく、前記第2長さbは10μm〜11μmであってもよい。
【0048】
図3及び
図4を参照すると、本発明に係る画素配列構造の第3実施例では、前記画素配列構造は交互に配列された複数の第1画素行10’’及び複数の第2画素行20’’を含む。第1画素行10’’の各々は、間隔をおいて交互に配列された複数の第1副画素31’’及び複数の第2副画素32’’を含む。第2画素行の各々は、間隔をおいて配列された複数の第3副画素33’’を含む。前記第3副画素33’’に隣接する2つの第1副画素31’’及び2つの第2副画素32’’が仮想四角枠SQ’’を形成する。前記第3副画素33’’は、前記第3副画素33’’に隣接する2つの第1副画素31’’及び2つの第2副画素32’’からなる仮想四角枠SQ’’内に設けられる。前記第1副画素31’’と第2副画素32’’とは面積が同じであり、前記第1副画素31’’及び第2副画素32’’の面積が前記第3副画素33’’の面積よりも大きい。
【0049】
具体的には、
図3又は
図4に示すように、前記第3実施例では、前記第1副画素31''の中心が、前記仮想四角枠SQ''の第1頂点P1''と重なり、前記第2副画素32''の中心が、前記仮想四角枠SQ''における前記第1頂点P1''に隣接する第2頂点P2''と重なり、前記第3副画素33''の中心が、前記仮想四角枠SQ''の中心C''と重なる。前記第3副画素33''の形状は円形である。前記第1副画素31''及び第2副画素32''の形状は同じであり、いずれも4つの第1辺301''及び4つの第2辺302''を含む。前記第1辺301''と第2辺302''とが交互に首尾接続されて閉図形に囲まれる。前記第1辺301''は前記閉図形の内部へ凹んだアーク線であり、前記第2辺302''は前記閉図形の
外部へ凸のアーク線であり、即ち前記第2辺302''の形状が弓矢の弓幹に似ている。
【0050】
具体的に配列する際に、
図3に示すように、第1副画素31’’毎の4つの第1辺301’’が前記第1副画素31’’に隣接する4つの第3副画素33’’にそれぞれ対向し、第2副画素32’’毎の4つの第1辺301’’が前記第2副画素32’’に隣接する4つの第3副画素33’’にそれぞれ対向するようにしてもよい。また、
図4に示すように、第1副画素31’’毎の4つの第2辺302’’が前記第1副画素31’’に隣接する4つの第3副画素33’’にそれぞれ対向し、第2副画素32’’毎の4つの第2辺302’’が前記第2副画素32’’に隣接する4つの第3副画素33’’にそれぞれ対向するようにしてもよい。
【0051】
なお、前記画素配列構造の第3実施例の理想的な状態では、前記第1副画素31’’及び第2副画素32’’の形状が全て同じであって、第1副画素31’’及び第2副画素32’’の各々の4つの第1辺301’’の曲率半径が同じであり、第1副画素31’’及び第2副画素32’’の各々の4つの第2辺302’’の曲率半径も同じである。前記画素配列構造の第3実施例の実際の製造プロセスでは、製造誤差(例えば、蒸着機の状態の違いによる製造誤差)の存在により、実際に製造された前記第1副画素31’’及び第2副画素32’’の形状がわずかに異なる場合があり、第1副画素31’’及び第2副画素32’’の各々の4つの第1辺301’’の曲率半径が少しずれてもよく、第1副画素31’’及び第2副画素32’’の各々の4つの第2辺302’’の曲率半径が少しずれてもよいが、これは本発明の実施に影響を与えることはない。
【0052】
なお、実際の製造中にFMMを作製する際、エッチングでもレーザでも、方形又は尖った図形を作製することが困難である。本発明では第3副画素33’’を円形にするとともに、第1副画素31’’及び第2副画素32’’に弧状の第1辺301’’及び第2辺302’’を設けて、拡散原理に合致し、FFMの作製難度を効果的に低減することができる。それと同時に円形の第3副画素33’’は同じ面積のうち辺長が最小で、効率が最も高い形状であり、且つ人間の目にハレーション効果を有し、微小な非円形発光体もほぼ円形とみなされる。このため、第3副画素33’’を円形にすることにより第3副画素33’’の効率を最大化するとともに、人間の目のハレーション効果に合致することもできる。
【0053】
好ましくは、前記第1副画素31’’、第2副画素32’’及び第3副画素33’’の色が異なり、それぞれ赤色副画素、青色副画素及び緑色副画素のうちいずれか1つである。第3実施例では、前記第1副画素31’’、第2副画素32’’及び第3副画素33’’はそれぞれ赤色光、青色光及び緑色光を発する。即ち、OLED表示パネルに対応して、前記第1副画素31’’、第2副画素32’’及び第3副画素33’’は赤色光、青色光及び緑色光を発する有機発光ダイオードをそれぞれ含む。当然のことながら、本発明の他の実施例では、前記第1副画素31’’、第2副画素32’’及び第3副画素33’’が他の色の光を発することもできる。
【0054】
さらに、前記第3実施例では、第2実施例に比べて、前記第2辺302’’が閉図形の外部へ凸の弧状であるため、第1副画素31’’及び第2副画素32’’の面積が第2実施例よりも大きく、寿命がさらに向上する。
【0055】
また、本発明の各実施例では、前記第1副画素及び第2副画素の形状及び面積を全て同一にすることによって、本発明の画素配列構造を採用するOLED表示パネルの製造プロセスにおいて、前記第1副画素及び第2副画素を同一のファインメタルマスクを用いて製造することができ、製造コストを削減し、製品競争力を向上させることができる。
【0056】
以上のように、本発明に係る画素配列構造は、交互に配列された複数の第1画素行及び複数の第2画素行を含み、第1画素行の各々は、間隔をおいて交互に配列された複数の第1副画素及び複数の第2副画素を含み、第2画素行の各々は、間隔をおいて配列された複数の第3副画素を含み、前記第3副画素に隣接する2つの第1副画素及び2つの第2副画素が仮想四角枠を形成し、前記第3副画素が、前記第3副画素に隣接する2つの第1副画素及び2つの第2副画素からなる仮想四角枠内に設けられ、前記第1副画素と第2副画素とは面積が同じであり、前記第1副画素及び第2副画素の面積が前記第3副画素の面積よりも大きく、前記画素配列構造をOLED表示パネルに適用して、OLED表示パネルの作製難度を低減して、OLED表示パネルの寿命を延ばすことができる。
【0057】
上記の内容は、当業者にとっては、本発明の技術的手段及び技術的思想に基づいて他の様々な変更及び変形を行うことができるが、これらの変更及び変形も全て本発明の特許請求の保護範囲に属するものと理解されるべきである。